JP2007092636A - 電動圧縮機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却効果の高い回転数に限定して電動圧縮機を回転させることにより過電流や加熱による運転停止状態を回避すること。
【解決手段】従来から行われている電動圧縮機の回転数制御の最中において、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、予めわかっているスイッチング素子の定格電流×0.9よりも大きくなったとき(ステップS101)、電動圧縮機の実運転回転数が、所定の回転数N1よりも小さいかどうかを判断する(ステップS102)。回転数N1よりも小さい場合は、電流余裕代が小さいので、敢えて回転数を所定回転数N3だけ上げる(ステップS103)。N1よりも大きく、かつN2よりも大きいとき(ステップS104)は、これも電流余裕代が小さくなることから、回転数を所定回転数N4だけ下げる(ステップS106)。その後に、まだ回転数制御運転を続行する必要があるかを判定する(ステップS107)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電動圧縮機の制御装置に関するものであり、さらに詳しくは、制御装置の一部を構成するスイッチング素子を実装する基板が、車載空気調和装置に用いられる電動圧縮機の筐体に収められる場合における当該電動圧縮機の制御装置に関する。
エンジンを搭載しない電気自動車や燃料電池車等における車載空気調和装置は、冷媒を圧縮循環させる動力源として、電動機を内蔵した圧縮機を有する。当該電動機は、空気調和装置の主制御装置からの命令に応じて所望の回転数で回転させる必要があるから、制御装置が別途必要である。当該制御装置は、電気回路や電子回路で構成される。具体的には、中央演算装置やメモリ−等といった電子素子をはじめ、いわゆるインバータ回路(スイッチング回路)を構成するためのIGBTやFET等のスイッチング素子(パワートランジスタ素子)等で構成される。そして、これらの制御装置は、省スペース化の要請から、電動圧縮機と一体になったものが存在する。
スイッチング素子は、電動機に大きな電力を供給し、当該電動機の回転数を制御するために用いられるが、制御の最終目的はあくまでも当該電動機の回転数であるため、これを所望の値に制御しようとすると、制御の過程で消費電力が大きくなり過ぎたり、時として制御装置に損傷を与える程の過電流が流れる場合もある。上記電気自動車や燃料電池車は、バッテリを電力源とし、車輪、ランプ類、オーディオ類も同じバッテリからの電力で稼動させるので、空気調和装置における電力の過消費は、車両に付設される他の装置を停止に追い込む等、影響を与えてしまう可能性がある。
このような場合、インバータ回路の直流電圧や直流電流、またはその双方を検出し、許容値以上の大電流になれば電動圧縮機の回転数を下げたり、バッテリ電圧が許容値以下に下がってくれば電動圧縮機の回転数を下げるというアイデアがある。また、上記直流電圧や直流電流から消費電力を演算により求め、許容値以下になるように電動圧縮機の回転数を制御するという工夫も開示されている(たとえば、特許文献1)。
特開平6−72135号公報
しかしながら、小型化の要請があるために制御装置が一体となった電動圧縮機においては、IGBT等のスイッチング素子の温度も考慮しなくてはならない。通常、IGBT等のスイッチング素子は、接地放熱設計も考慮されるものであるが、車載ではエンジンルーム(電動機ルーム)の、しかも電動圧縮機の筐体の中に収められるので、放熱設計は容易ではない。そして、大電流を流すスイッチング素子単体の熱収支のみならず、電動圧縮機の冷媒循環機能との関係も考慮して熱収支を考え、供給電力や圧縮機の回転数を制御しなくてはならない。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電動圧縮機の筐体に一体となって搭載される当該電動圧縮機の制御装置において、圧縮機の回転数および電動圧縮機の冷媒循環機能との関係を考慮して制御装置を構成するスイッチング素子を過剰発熱から保護しつつ電力を有効に活用する電動圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電動圧縮機の制御装置は、空気調和装置の主制御装置からの電動機回転数指令と、電動機固定子電流から割り出される電動機回転数との差分を基礎として電動圧縮機の回転数を制御する回転数制御部を有する制御装置であって、当該制御装置を物理的に構成する基板が当該電動圧縮機の筐体に収められる電動圧縮機の制御装置において、前記回転数制御部は、前記空気調和装置の前記主制御装置からの前記電動機回転数指令にかかわらず、前記制御装置を構成するスイッチング素子の保護が必要となる状態を表すインバータ出力電流またはスイッチング素子温度に関する一定条件Aを満たす場合に、予め定めた上限回転数と下限回転数との間の回転数内で前記電動圧縮機の回転数を維持する回転数制限制御部を有するようにしたものである。
電動圧縮機の制御装置は、空気調和装置の主制御装置からの電動機回転数指令と、フィードバックされる電動機固定子電流から割り出される電動機回転数との差分を基礎として制御されるのが一般的である。たとえば、当該差分に利得を乗じたり、積分したりすることによって電流指令を生成する。そして、当該電流指令をPWMによる矩形電圧波形に変換することにより、インバータに出力して制御するのが一般的である。
ところで、電動圧縮機の制御装置には、当該制御装置を物理的に構成する基板が当該電動圧縮機の筐体に収められるタイプのものが存在する。このタイプの制御装置は、電動圧縮機の圧縮対象である冷媒によって冷却される。上記インバータを構成するIGBT等のスイッチング素子は、大電流を扱うので発熱しやすく、この冷却にも筐体を介して冷媒が用いられる。
上記のような構成の制御装置におけるスイッチング素子の熱収支は、素子自体の発熱と冷媒による冷却との双方が影響する。そして、発明者の実験およびシミュレーションによって、電動圧縮機のある特定の回転数域では、他の回転数域に比べて素子の発熱よりも冷媒循環による冷却能力が上回り、インバータに流す電流の値を大きくできるという特徴がわかった。本発明は、このことに注目し、回転数制御部は、空気調和装置の主制御装置からの電動機回転数指令にかかわらず、制御装置を構成するスイッチング素子の保護が必要となる一定条件の下で、所望の上限回転数と下限回転数との間の回転数内で電動圧縮機の回転数を維持するようにした。当該一定条件は、インバータ電流値に関するものである。
また、本発明に係る電動圧縮機は、前記電動圧縮機の制御装置において、前記一定条件Aは、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、予め判明しているスイッチング素子定格電流に対する一定割合の値を超えているという条件であるようにしたものである。
制御装置を構成するスイッチング素子の保護が必要となる一定条件には、スイッチング素子そのものの温度や、電流指令と実電流との差等が考えられるが、この発明では、スイッチング素子の定格電流に着目し、これの9割を越えるような電流がインバータから出力されていれば、スイッチング素子の流せる電流の上限界、または過電流リミッタの上限界設定値に近い状態になっていると間接的に判断できる。
また、本発明に係る電動圧縮機は、前記電動圧縮機の制御装置において、前記回転数制限制御部は、前記一定条件Aを満たさなくなった場合であって、さらにスイッチング素子の安定状態を表すインバータ出力電流またはスイッチング素子温度に関する一定条件Bを満たす場合に、前記主制御装置からの要求回転数と実運転回転数とを比較し、前記実運転回転が前記要求回転数より大きい場合に、実運転回転数を一定回転数分だけ減少させ、前記実運転回転が前記要求回転数より小さい場合に、実運転回転数を一定回転数分だけ増加させるようにしたものである。
回転数制限制御は、HVACの主制御回路からの回転数指令とは別個に回転数を制御するものであるから、当該制御を解除したときには、実運転回転数と要求回転数に隔たりが起きる可能性がある。そこで、この発明は、回転数制限制御を解除したときに、圧縮機に急激な回転数変化が起きるのを防止するべく、前記主制御装置からの要求回転数と実運転回転数とを比較し、前記実運転回転が前記要求回転数より大きい場合に、実運転回転数を一定回転数分だけ減少させ、前記実運転回転が前記要求回転数より小さい場合に、実運転回転数を一定回転数分だけ増加させるようにしたものである。
また、本発明に係る電動圧縮機は、前記電動圧縮機の制御装置において、前記回転数制限制御部は、前記一定条件Aを満たさなくなった場合であって、さらにスイッチング素子の安定状態を表すインバータ出力電流またはスイッチング素子温度に関する一定条件Bも満たさない場合に、前記一定条件Aを満たさなくなったときの回転数を維持しつつ、前記一定条件Aを満たすようになったかを判断し続け、当該一定条件Aを満たせば、予め定めた上限回転数と下限回転数との間の回転数内で前記電動圧縮機の回転数を維持するようにしたものである。
この発明は、電動圧縮機の回転数が、高温環境に置かれる制御回路の影響や冷媒負荷の影響等ですぐに安定しないことが多いので、とりあえず回転数を保持しつつ、回転数制限制御を続けるのが適切なのか、解除条件で制御するのが適切なのかの判断をする。これにより、スイッチング素子を過剰な高温から保護すべき状態と、安定している状態との中間の状態におけるスイッチング素子の適切な運用が確保される。
また、本発明に係る電動圧縮機は、前記電動圧縮機の制御装置において、前記一定条件Bは、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、前記一定条件Aにおいて採用したスイッチング素子の定格電流に対する一定割合より小さな値を割っているという条件であるようにしたものである。
条件Aは、スイッチング素子を過剰な高温から保護すべき状態か否かを判断するために用いられるもので、条件Bは、スイッチング素子が安定化しているか否かの判断に用いられるものである。かかる条件Aと条件Bとは別個の条件や値を選択可能であるが、上記理由により、条件Bは、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、条件Aにおいて採用したスイッチング素子定格電流に対する一定割合より小さな値を割っているという条件
にするのが現実的かつ適切である。
本発明にかかる電動圧縮機の制御装置は、電動圧縮機の筐体に一体となって搭載される当該電動圧縮機の制御装置において、圧縮機の回転数および電動圧縮機の冷媒循環機能との関係を考慮して制御装置を構成するスイッチング素子を過剰発熱から保護することができる。
以下に、本発明にかかる電動圧縮機の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、制御装置が筐体に一体となった電動圧縮機を示す外観図である。電動圧縮機1の筐体2は、制御装置を構成する基板3を収納できる箱状部分4を有する。基板3はこの部分に収められる。基板3へは、電動圧縮機1の外部から電源、温度検出器等からの電気信号、空気調和装置の主制御装置からの電気信号等が入力される。基板3の出力は、電動機への電流(電圧)であり、筐体2の内部に設けられる電動機の入力となる。
図2は、電動圧縮機の回転数と、過電流に対する電流余裕との関係を示すグラフであり、横軸は回転数(rps)、縦軸は電流余裕代(Arms)である。電流余裕代とは、インバータ回路に予め設定される電流リミッタ値に対する電流余裕である。また、ここでは、圧縮機の高圧側圧力/低圧側圧力の値を3種類変えて調べた結果を示している。つまり、圧縮機に対する圧力負荷が異なる場合について示している。
同図に示すように、電動機圧縮機の制御において、単純に回転数を低くすれば電流の余裕代を大きくできるのではない。また、回転数を高くしても、電流余裕代が大きくなるわけではない。インバータを構成するスイッチング素子であるIGBT等の温度は、基本的に電動機の回転数が上がるにつれて、上昇する傾向があるが、電動圧縮機の回転数が上昇すると、圧縮対象である冷媒が多く循環することになり、当該冷媒によるスイッチング素子への冷却効果が上昇する。
冷媒の上記冷却効果と相まって、電動圧縮機の電動機は、ある回転数領域では、他の領域に比べて電流余裕代が大きくなることがわかった。これは、圧縮機の圧力負荷を変えた場合の3つの曲線5、6、7とも同じ傾向を示した。このことを利用すれば、スイッチング素子の発熱温度を原因として、従前は電動機を停止していた制御においても、実験やシミュレーションで求めた特定の範囲に収まるように回転数を制御することによって、停止状態を回避できる。つまり、この発明では、通常運転時の低回転域で電流余裕代が小さくなった場合でも、逆に回転数を上げることで冷媒循環量が増えてIGBTを冷やすことが可能となり、電流余裕代も大きくできる。このため、当該電流余裕代ができる回転数に電動圧縮機を制御して、スイッチ回路を構成するスイッチング素子を保護することができる。
図3は、電動圧縮機の制御全体に対する回転数制限制御部の位置づけを示すブロックダイアグラムである。一般に、電動圧縮機の回転数制御は、空気調和装置(HVAC8)の温度管理を司る主制御装置からの回転数指令が基となる。回転数指令は、回転数制御部9の入力になり、インバータ10への出力に変換される。なお、ここでは説明を簡単にするために、回転数制御部9は、電流指令演算部、PWM回路等、いわゆるサーボ回路を含んだ大きな概念とした。
回転数制御部9には、電動機11の固定子電流の大きさ及び位相がフィードバックされる。それらの情報から回転数が把握でき、上記HVAC8からの回転数指令との差分により、いわゆるサーボ回路が構成される。また、回転数制御部9の一部には、回転数制限制御部12が設けられ、インバータ出力電流が一定の関係になった場合に当該回転数制限制御部12に設定された制御工程が実行される。
図4は、回転数制限制御部が実行する制御工程を示すフローチャートである。ここでは、電動圧縮機の回転数を制限して制御することが主となるので、これを回転数制限制御と称する。まず、かかる制御を開始するための条件Aは、従来から行われている電動圧縮機の回転数制御の最中において、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、予めわかっているスイッチング素子の定格電流×0.9(これを制限開始電流と称する。)よりも大きくなることである(ステップS101)。
この条件Aは、実験やシミュレーションから求められるもので、必ずしも、スイッチング素子の定格電流×0.9という値に限るものではないが、スイッチング素子の温度が高温、たとえば摂氏90度以上となり、冷媒循環による冷却能力が低い回転数領域では電流リミッタ回路または(プログラム)によって電動機の制御が停止に至る直前状態となるような条件をなんらかの形で決める必要がある。たとえば、上記のようにインバータ出力電流値を利用したり、スイッチング素子の温度を直接使って表してもよい。この条件を満たす場合、電動圧縮機の実運転回転数が、予め定めたの回転数N1よりも小さいかどうかを判断する(ステップS102)。
そして、実運転回転数が、制御したい回転数の下限である予め定めた回転数N1よりも小さい場合は、その回転数では、電流余裕代が小さくなり、インバータのリミッッターにより電動機を停止させなくてはならない可能性が高まってしまうことから、敢えて回転数を予め定めた回転数N3だけ、例えば10(rps)だけ上げる(ステップS103)。なお、上記N1は、実験やシミュレーションにより、予め設定される値で、図1から割り出すとすれば電流余裕代が大きくなる80(rps)付近が適当となる。
上記ステップS103の後、必要に応じて温度や回転数が安定する時間、たとえば10(sec)をとり、その後に、まだ回転数制御運転を続行する必要があるかを判定する(ステップS107)。この判定は、上記ステップS101の1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、予めわかっている制限開始電流よりも大きいか否かという条件Aを用いる。最初の判定(ステップS102)により、実運転回転数が所定のN1よりも大きければ、制御する回転数の上限となるN2よりも大きいかを判断する(ステップS104)。なお、N2は、N1と同様に実験やシミュレーションにより、予め設定される値で、図1から割り出すとすれば120(rps)付近が適当である。
そして、実運転回転数が、制御する回転数の上限である所定の回転数N2よりも大きい場合は、その回転数では、電流余裕代が小さくなり、電動機を停止させなくてはならない可能性が高まってしまうことから、回転数を予め定めた回転数N4だけ、例えば10(rps)だけ下げる(ステップS106)。このステップの後、必要に応じて温度が安定する時間、たとえば10(sec)をとり、その後に、まだ回転数制御運転を続行する必要があるかを判定する(ステップS107)。この条件Aは、既述したとおりである。
上記判断(ステップS104)を満足しない場合、つまり、電動圧縮機の実運転回転数がN1以上、かつN2以下の場合は、電動圧縮機の冷媒によるスイッチング素子冷却効果が高いにもかかわらず、スイッチング素子の定格電流の0.9倍にまでインバータが出力する電流最大値(絶対値)が大きくなっていることから、それ以上の冷却効果は望めず、スイッチング素子の保護を優先すべく電動圧縮機を停止する(ステップS105)。
電動圧縮機を停止する場合以外の上記ステップ(ステップS101〜S107)を実行すれば、スイッチング素子の発熱を抑えながら電動圧縮機を制御できる。このため、インバータ出力電流も限界に対して余裕ができ、安定した状態になる。その状態を把握するには、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、予め判明しているスイッチング素子の定格電流×0.85よりも小さいか(ステップS108)という条件Bを用いる。これを便宜上、解除条件と称する。なお、解除条件は、電動圧縮機の回転数を所定の範囲内に収める制御(ステップS101〜S107)を解除した後のステップ(ステップS109やステップS113)を開始する条件とも言える。また、上記スイッチング素子の定格電流は、冷媒の温度や電動圧縮機外部の温度等、またはスイッチング素子の発熱によって下がるので、条件Aや条件Bの設定にはそのことも考慮して設定する。
解除条件を満たした場合は、実運転回転数と要求回転数との比較判定を行う。実運転回転数が要求回転数より大きい場合は、回転数を所定の回転数、たとえば2(rps)下げる(ステップS114)。反対に、実運転回転数が要求回転数より大きくない場合は、回転数を所定の回転数、例えば2(rps)上げる(ステップS115)。このステップS114、S115の後、必要に応じて温度が安定する時間、たとえば10(sec)をとり、再び、ステップS107と同じ制限制御条件を満たしたかどうかを判定する(ステップS116)。実運転回転数と要求回転数との調整をしたことにより、インバータ出力電流を上げることになっていないかを判定するためである。
制限制御条件を満たしている場合は、スイッチング素子冷却効果の高い回転数に制御すべくステップS102に制御を移す。これらのステップ(ステップS113、S114、S115)は、回転数制限制御によって、HVACの主制御回路からの回転数指令とは別個に回転数を制御していたことにより、当該回転数制限制御を解除したときに、圧縮機に急激な回転数変化が起きるのを防止しようとするものである。
ステップS116の判定において、条件を満たしていない場合は、実運転回転数が要求回転数と同じかどうかを判定して(ステップS117)、同じであれば、スイッチング素子の発熱を悪化させずにそのままの回転数を保持させるようにして、一連の制御を終わる(ステップS118)。実運転回転数が要求回転数と異なっていれば、同じにすべく、ステップS113に制御を移行する。なお、実運転回転数が要求回転数と同じかどうかを判定するにあたり、厳密に同じであることを要求するのは非現実的であるので、上下1〜3(rps)程度は許容範囲内とするのが好ましい。
ステップS108に戻って、解除条件を満たしていない場合は、まず回転数を保持して(ステップS109)、改めて回転数制限制御条件を満たしているかを判定し(ステップS110)、満たしていれば、所望の回転数N1、N2の間に回転数がおさまるように制御すべく、ステップS102に制御を移す。回転数制限制御条件を満たしていなければ、再び解除条件を満たしているかを判定して(ステップS111)、満たしていれば、ステップS108で解除条件を満たした場合と同様に、ステップS113に制御を移す。
ステップS111でも解除条件を満たさない場合は、ステップS109で十分な時間T1の間、回転数を保持していたかを判定し、十分であれば、ステップS113に制御を移し、十分でなければ、ステップS109に制御を移して回転数を十分に保持する。一連のステップ(ステップS109〜S112)は、電動圧縮機の回転数が高温環境に置かれる制御回路の影響等ですぐに安定しないことから、とりあえず回転数を保持しつつ、回転数制限制御を続けるのが適切なのか、解除条件で制御するのが適切なのかの判断をするためのステップである。なお、上記十分な時間とは、経験的に約1分程度とすればいい。
以上のようにすれば、電動圧縮機の筐体に一体となって搭載される当該電動圧縮機の制御装置において、圧縮機の回転数および電動圧縮機の冷媒循環機能との関係を考慮して制御装置を構成するスイッチング素子を過剰発熱から保護することができる。また、最も冷却能力が高い回転数域を利用して電動機を回転させるので、流せる電流値に余裕ができ、電動機停止に至る割合が減少するので、電力を有効利用できる制御装置を構成でき、商品価値が向上する。なお、回転数制限制御を行う場合の条件Aや条件Bをインバータ温度を利用する場合は、図4のステップS101、S107、S108、S110、S111、S116において、インバータ温度が所定の値より大きいか、小さいかという条件に置き換えればよい。
本発明にかかる電動圧縮機の制御装置は、車載用空気調和装置の冷媒循環に用いられる電動圧縮機の電動機(圧縮機)回転数等を制御する制御装置、特にインバータを構成するスイッチング素子が当該電動圧縮機の筐体に一体となって搭載される電動圧縮機の制御装置の生産、使用に適している。
制御装置が筐体に一体となった電動圧縮機を示す外観図である。 電動圧縮機の回転数と、過電流に対する電流余裕との関係を示すグラフであり、横軸は回転数(rps)、縦軸は電流余裕代(Arms)である。 電動圧縮機の制御全体に対する回転数制限制御部の位置づけを示すブロックダイアグラムである。 回転数制限制御部が実行する制御工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 電動圧縮機
2 筐体
3 基板
4 箱状部分
5、6、7 圧縮負荷曲線
8 HVAC(空気調和装置)
9 回転数制御部
10 インバータ
11 電動機
12 回転数制限制御部
N1〜N4 所定回転数

Claims (5)

  1. 空気調和装置の主制御装置からの電動機回転数指令と、電動機固定子電流から割り出される電動機回転数との差分を基礎として電動圧縮機の回転数を制御する回転数制御部を有する制御装置であって、当該制御装置を物理的に構成する基板が当該電動圧縮機の筐体に収められる電動圧縮機の制御装置において、
    前記回転数制御部は、前記空気調和装置の前記主制御装置からの前記電動機回転数指令にかかわらず、前記制御装置を構成するスイッチング素子の保護が必要となる状態を表すインバータ出力電流またはスイッチング素子温度に関する一定条件Aを満たす場合に、予め定めた上限回転数と下限回転数との間の回転数内で前記電動圧縮機の回転数を維持する回転数制限制御部を有することを特徴とする電動圧縮機の制御装置。
  2. 前記一定条件Aは、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、予め判明しているスイッチング素子定格電流に対する一定割合の値を超えているという条件であることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機の制御装置。
  3. 前記回転数制限制御部は、前記一定条件Aを満たさなくなった場合であって、さらにスイッチング素子の安定状態を表すインバータ出力電流またはスイッチング素子温度に関する一定条件Bを満たす場合に、前記主制御装置からの要求回転数と実運転回転数とを比較し、前記実運転回転が前記要求回転数より大きい場合に、実運転回転数を一定回転数分だけ減少させ、前記実運転回転が前記要求回転数より小さい場合に、実運転回転数を一定回転数分だけ増加させることを特徴とする請求項1または2に記載の電動圧縮機の制御装置。
  4. 前記回転数制限制御部は、前記一定条件Aを満たさなくなった場合であって、さらにスイッチング素子の安定状態を表すインバータ出力電流またはスイッチング素子温度に関する一定条件Bも満たさない場合に、前記一定条件Aを満たさなくなったときの回転数を維持しつつ、前記一定条件Aを満たすようになったかを判断し続け、当該一定条件Aを満たせば、予め定めた上限回転数と下限回転数との間の回転数内で前記電動圧縮機の回転数を維持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電動圧縮機の制御装置。
  5. 前記一定条件Bは、1秒中のインバータ出力電流絶対値の最大値が、前記一定条件Aにおいて採用したスイッチング素子の定格電流に対する一定割合より小さな値を割っているという条件であることを特徴とする請求項3または4に記載の電動圧縮機の制御装置。
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