JP2007092551A - 斜板式圧縮機およびその斜板 - Google Patents
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Abstract
【課題】斜板の金属表面の樹脂層が摩耗し金属層が露出するような摩耗があってもドライ潤滑状態で焼き付きが発生しない斜板であり、このような斜板を供えた焼き付きの起こり難い斜板式圧縮機とすることである。
【解決手段】冷媒などの作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック1内に駆動力が入力される回転軸2を設け、この回転軸2に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板3を設け、この斜板3の両面に摺接するシュー4をシリンダボア5内のピストン6に保持させて設けることにより、シュー4を介して斜板3の回転運動をピストン6の往復運動に変換して作動流体を圧縮する斜板式圧縮機の斜板3であり、この斜板3のシュー接触面には、金属焼結層7を形成し、この金属焼結層7の焼結粒子間隙に、固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填した斜板式圧縮機とする。空隙をほぼ完全に固体潤滑剤含有の樹脂組成物で埋めて金属焼結粒子からなる多孔質組織で補強され耐摩耗性に優れた固体潤滑面を形成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】冷媒などの作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック1内に駆動力が入力される回転軸2を設け、この回転軸2に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板3を設け、この斜板3の両面に摺接するシュー4をシリンダボア5内のピストン6に保持させて設けることにより、シュー4を介して斜板3の回転運動をピストン6の往復運動に変換して作動流体を圧縮する斜板式圧縮機の斜板3であり、この斜板3のシュー接触面には、金属焼結層7を形成し、この金属焼結層7の焼結粒子間隙に、固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填した斜板式圧縮機とする。空隙をほぼ完全に固体潤滑剤含有の樹脂組成物で埋めて金属焼結粒子からなる多孔質組織で補強され耐摩耗性に優れた固体潤滑面を形成することができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、エアコンディショナなどに用いられる斜板式圧縮機およびその斜板並びにその製造方法に関する。
一般に、エアコンディショナ等の熱交換サイクルにおいて使用される冷媒など作動流体の圧縮機(コンプレッサ)として、斜板式圧縮機が知られている。
図1を参照して一般的な斜板式圧縮機の構造を説明すると、作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック1内に駆動力が入力される回転軸2が設けられ、この回転軸2に軸心を一定の角度だけ交差状に傾けて一体に回転する円盤状の斜板(スワッシュプレートとも称される。)3を設け、この斜板3の両面に摺接する半球体状のシュー4をシリンダボア5内のピストン6の凹部10に摺動可能に挟持させて設けることにより、シュー4を介して斜板3の軸回り回転運動をピストン6の軸方向の往復運動に換える斜板式圧縮機である。
このような斜板式圧縮機における斜板3は、通常は鉄系金属で形成されたシュー4に摺接して回転運動するため、摩擦面に潤滑剤が不足すると、斜板3とシュー4との摺接面が摩耗していき、終には斜板3とシュー4とが焼き付く場合がある。
そのような事態を回避するため、シュー4に接する斜板3の摺動性を良好にする必要があり、斜板3のシュー4との摺動面を銅系軸受合金の焼結層または溶射層で形成した斜板式圧縮機が知られている(特許文献1)。
さらに改良された斜板式圧縮機としては、斜板とシューとの摺接領域に、金属の焼結層を形成し、その上に樹脂層またはメッキ層を形成して両層を確実に結合したものが開示されている(特許文献2)。
しかし、上記した従来の斜板式圧縮機においても、その斜板のシューとの摺接面との結合が充分に確実ではなく、樹脂層が摺接膜の割れや焼き付きの防止にある程度は寄与するが、樹脂層が薄くなるなどして金属層と結合が弱くなると、摺接膜の割れや焼き付きを確実に避けることが難しくなる。
このような苛酷な摺動状態が斜板式圧縮機に起こる理由は、主として斜板式圧縮機が運転初期において、冷媒の存在するハウジング内に潤滑油が到達する以前に金属製の斜板とシューが摺動する際に、これらの摺動面が短時間といえども潤滑油のない、いわゆるドライ潤滑状態になり、このような状態が回数を重ねると次第に樹脂層が摩耗してくることが考えられる。
また、このような状態が進行して樹脂層が摩耗し、焼結金属層が露出した場合には、焼き付きが起こり易くなる。
そこで、この発明は、上記した問題点を解決して、斜板の金属表面の樹脂層が摩耗し金属層が露出するような摩耗があってもドライ潤滑状態で焼き付きが発生しない斜板であり、このような斜板を供えた焼き付きの起こり難い斜板式圧縮機とすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック内に駆動力が入力される回転軸を設け、この回転軸に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板を設け、この斜板の両面に摺接するシューをシリンダ内のピストンに保持させて設けることにより、前記シューを介して斜板の回転運動をピストンの往復運動に変換して作動流体を圧縮する斜板式圧縮機の斜板において、前記斜板のシュー接触面に金属焼結層を設け、この金属焼結層の焼結粒子間隙に固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填して設けたことを特徴とする斜板式圧縮機の斜板としたのである。
上記したように構成されるこの発明の斜板式圧縮機の斜板は、シュー接触面に設けた金属焼結層が金属焼結粒子同士の不完全に表面同士の溶融し連結した多孔質性のものであり、金属焼結粒子の隙間に三次元に連通する空隙を有するので、その空隙に固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填することにより、空隙をほぼ完全に固体潤滑剤含有の樹脂組成物で埋めて金属焼結粒子からなる多孔質組織で補強された緻密で耐摩耗性に優れた固体潤滑面を形成することができる。
この焼結金属補強の固体潤滑面により、外部から液体潤滑油の供給がない無潤滑(ドライ)状態となっても、さらには金属表面の樹脂層が摩耗し金属層が露出するような摩耗状態になっても焼き付きが発生しない斜板になる。
このように摩耗しても確実に焼き付かない斜板であるために、好ましい固体潤滑剤含有の樹脂組成物としては、熱硬化性ポリイミド樹脂100重量部に対し、フッ素樹脂1〜40重量部および二硫化モリブデン1〜20重量部を配合した固体潤滑剤含有の樹脂組成物である。このような斜板式圧縮機の斜板であれば、摺動摩擦により発熱しても耐熱性樹脂のポリイミド樹脂がフッ素樹脂を均一分散状態に保持して潤滑性を安定して発揮し、また二硫化モリブデンは加圧摺動面に極圧性の潤滑膜を形成して金属同士の摺動摩擦が起こらないように潤滑する。
ここで、フッ素樹脂の配合割合が、上記した範囲未満の少量であれば、潤滑が充分でなく、摩耗量も多くなる。また上記した範囲を超えて多量に配合すると、樹脂被膜がやわらかくなりこの場合も摩耗量が増加して好ましくない。
また、二硫化モリブデンの配合量が、上記所定範囲未満の少量では、摩擦面の温度が上昇したときに極圧膜の形成が充分になく、摩耗量が多くかつ焼付きが起こりやすくなる。また、上記所定範囲を超えて多量に配合してもそれ以上の極圧効果が認められず、実用性を失することになって好ましくない。
また、固体潤滑剤含有の樹脂組成物が、フッ素樹脂100重量部に対し、バインダー樹脂100〜150重量部、金属酸化物5〜20重量部を配合した固体潤滑剤含有の樹脂組成物である前記構成の斜板式圧縮機の斜板とすることが好ましい。
このような斜板は、固体潤滑剤含有の樹脂組成物がフッ素樹脂による固体潤滑性を発揮すると共に、金属酸化物の配合による耐摩耗性および耐熱性に優れている点でも焼き付き防止性に優れたものになる。
ここで、バインダー樹脂の配合割合が、上記した範囲未満の少量であれば、樹脂組成物からなる被膜がやわらかくなり、摩耗量も多くなる。また上記した範囲を超えて多量に配合すると、相対的にフッ素樹脂量が少なくなり、潤滑性が低下して摩耗量が増加して好ましくない。
また、固体潤滑剤含有の樹脂組成物が、炭素繊維1〜30重量部を配合した固体潤滑剤含有の樹脂組成物である前記の斜板式圧縮機の斜板は、炭素繊維で補強された固体潤滑剤含有の樹脂組成物の耐熱性がよく、樹脂被膜の強度が高まり、より優れた耐焼き付性を発揮する。
ここで、炭素繊維はピッチ系またはPAN系のいずれでも良く、炭素繊維の繊維長と繊維径は、繊維長0.05〜1mm、繊維径(φ)7〜15μm、アスペクト比5〜80のものを採用することが好ましい。また、このような炭素繊維の配合割合が、上記した範囲未満の少量であれば、樹脂組成物からなる被膜がやわらかくなり、耐クリープ性が低下して摩耗量も多くなる。また、上記した範囲を超えて多量に配合すると、摺接相手によっては摩耗量が増加して好ましくない。
斜板を製造する方法としては、斜板式圧縮機の斜板のシュー接触面に金属焼結層を形成し、この金属焼結層の多孔質性空隙に固体潤滑剤を含有する熱硬化性樹脂材料または耐熱性熱可塑性樹脂材料からなる固体潤滑性樹脂組成物をプレス機で押圧して充填し、次いで加熱または加熱後に冷却して固体潤滑性樹脂組成物を硬化する斜板式圧縮機の斜板の製造方法を採用することが所期した作用を奏する斜板を確実に得るために好ましい。
固体潤滑性樹脂組成物をプレス機で押圧して充填することにより、金属焼結層の焼結粒子間隙に充分な深さまで確実に固体潤滑性樹脂組成物を充填することができる。
また、固体潤滑性樹脂組成物をプレス機で押圧する際、樹脂のガラス転移点以上で融点以下の温度に加熱すると、短時間で効率よく金属焼結層の空隙に樹脂を充填することができるため製造効率が高まる。
また、前記同様に焼き付きの問題点を解決するために、流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック内に駆動力が入力される回転軸を設け、この回転軸に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板を設け、この斜板の両面に摺接するシューをシリンダ内のピストンに保持させて設けることにより、前記シューを介して斜板の回転運動をピストンの往復運動に換えるようにした斜板式圧縮機において、前記斜板が前記したいずれかの構成の斜板である斜板式圧縮機としたのである。
この発明は、以上説明したように、斜板式圧縮機の斜板のシュー接触面に設けた金属焼結層の空隙に、固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填した斜板またはこれを用いた斜板式圧縮機としたので、斜板の金属表面の樹脂層が摩耗し金属層が露出するような摩耗があってもドライ潤滑状態で焼き付きが発生しない斜板となり、このような斜板を供えた焼き付きの起こり難い斜板式圧縮機となる利点がある。このものは、炭酸ガス冷媒の斜板式圧縮機として好適に使用できる。
また、熱硬化性ポリイミド樹脂に所定の固体潤滑剤を含有する樹脂組成物を金属焼結層に加圧充填した斜板または金属酸化物を含む樹脂組成物または炭素繊維を含む樹脂組成物を金属焼結層に加圧充填した斜板とした発明では、耐熱性に優れている点でより焼き付き防止性に優れている利点がある。
この発明の斜板の製造方法では、固体潤滑性樹脂組成物をプレス機で押圧して充填し、次いで加熱または加熱後に冷却して固体潤滑性樹脂組成物を硬化するので、空隙に充分な深さまで確実に固体潤滑性樹脂組成物を充填することができる利点がある。
この発明の斜板および斜板式圧縮機の実施形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、冷媒などの作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック1内に駆動力が入力される回転軸2を設け、この回転軸2に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板3を設け、この斜板3の両面に摺接するシュー4をシリンダボア5内のピストン6に保持させて設けることにより、シュー4を介して斜板3の回転運動をピストン6の往復運動に変換して作動流体を圧縮する斜板式圧縮機の斜板3である。
図1に示すように、冷媒などの作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック1内に駆動力が入力される回転軸2を設け、この回転軸2に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板3を設け、この斜板3の両面に摺接するシュー4をシリンダボア5内のピストン6に保持させて設けることにより、シュー4を介して斜板3の回転運動をピストン6の往復運動に変換して作動流体を圧縮する斜板式圧縮機の斜板3である。
この斜板3のシュー接触面には、金属焼結層7を形成し、この金属焼結層7の焼結粒子間隙に、固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填した斜板式圧縮機であり、またその斜板3である。
図示した斜板式圧縮機は、円筒形のシリンダブロック1の周方向に等間隔で形成されたシリンダボア5内の各ピストン6の軸方向両側で作動流体を圧縮・膨張させる両斜板タイプのものであり、外部動力にて高速で回転駆動される回転軸2は、ラジアル方向を針状ころ軸受8で支持され、スラスト方向をスラスト針状ころ軸受9で支持されている。
ピストン6には、斜板3の外周部を跨ぐように凹部10が形成されており、この凹部10の軸方向の対向面に形成された球面座11に半球状のシュー4が着座されている。このシュー4は球状のものであってもよく、ピストン6を斜板3の回転に対して相対移動自在に支持する。これによって、斜板3の回転運動からピストン6の往復運動への変換が円滑に行われる。
斜板3の基材の例は、機械構造用炭素鋼S45Cからなり、シュー4は高炭素クロム軸受鋼SUJ2で形成されている。また、シュー4が摺動する斜板3の両側面には銅合金からなる多孔質の金属焼結層7が形成されており、その表面には樹脂被膜が形成されている。
樹脂被膜は、焼成する前に多孔質の金属焼結層7に対してプレス機などで押圧され、この圧力によって焼結した金属粒子間の空隙に固体潤滑剤を含有する樹脂組成物を加圧充填したものになる。
金属焼結層7は、焼結金属を特に限定して採用するものではないが、例えば銅99〜80重量%、錫1〜20重量%を含む銅合金は、適当な空隙率の多孔質になりやすくて好ましく、また金属焼結層7の焼結粒子径は、平均粒径で50〜200μmであり、粒径は可及的にバラツキがなく揃っていることが好ましい。
このような金属焼結層7は、基材の斜板3との密着強度を高めるために、予め銅鍍金を施しておくことが好ましい。すなわち、銅鍍金層の上に銅合金の粉体を焼結させるのである。
具体的には、斜板3の基材となる円盤状鋼板の表面に1〜5μmの銅鍍金層を設け、この上に500μm程度の厚さで銅合金粉末を散布し、これを窒素置換した加熱炉に収容して770〜880℃に加熱し、鋼板と銅合金粉末を融着させると共に、銅合金粉末同士を融着させて金属焼結層を形成する。
次に、焼結層を周知のプレス機(油圧プレスなど)で加圧して金属焼結層の厚みを平均化して整えるようにすることが好ましい。
その後、金属焼結層7の表面に所定の組成に調整した固体潤滑剤含有の樹脂組成物を塗布し、プレス機で加圧して樹脂を焼結層の空孔(空隙)に押し込む。この時に樹脂組成物は、ガラス転移点以上であり、かつ融点以下の温度に加熱して押圧されることにより、比較的短時間で焼結層の空孔に充填される。
このように形成された金属焼結層に樹脂組成物が加圧充填された状態の斜板を、次に所定温度で焼成して完成した斜板が得られる。
なお、上記した実施形態では、斜板が装着される斜板式圧縮機を両斜板タイプのものとして図示したが、片斜板タイプであってもよく、また斜板の片面側でシューが摺動するもの、斜板が連結部材を介して回転軸に取り付けられたものなど周知の全タイプの斜板式圧縮機であってもよい。
図1に示す形態の斜板式圧縮機の斜板基材を機械構造用炭素鋼S45C製で作製し、そのシュー接触面となる円板状部分の片面側へ錫5重量%を含んだ鋼合金の焼結層を形成し、その焼結粒子間隙である空孔にPTFE100重量部に対してバインダー樹脂のポリアミドイミド樹脂100重量部、酸化第二鉄粉末8重量部を配合し調製した塗料を、塗布および乾燥させた後、表面をプレス機にて50トン/m2で押圧した。次いで、この斜板全体を250℃で焼成し、表面の樹脂被膜の厚さが50μm、樹脂が加圧充填された金属焼結層の厚さ300μmの斜板を得た。
得られた斜板を評価するために下記の耐久性試験を行なった。
[耐久性試験]
実施例の斜板の表面を100μm研磨し、焼結層を露出させた状態の試験片を用意し、高炭素クロム軸受鋼SUJ2製のボールを用いた3球式試験機による焼付き試験を行った。試験条件は、荷重:5kgf以下、回転数:2000rpm、潤滑条件:ドライ(潤滑剤の外部供給なし)、試験時間:120秒とした。
[耐久性試験]
実施例の斜板の表面を100μm研磨し、焼結層を露出させた状態の試験片を用意し、高炭素クロム軸受鋼SUJ2製のボールを用いた3球式試験機による焼付き試験を行った。試験条件は、荷重:5kgf以下、回転数:2000rpm、潤滑条件:ドライ(潤滑剤の外部供給なし)、試験時間:120秒とした。
[比較例]
比較例としては、塗料の押圧工程を除いたこと以外は、実施例と全く同様にして斜板を製造し、これを前記耐久性試験に供した。
比較例としては、塗料の押圧工程を除いたこと以外は、実施例と全く同様にして斜板を製造し、これを前記耐久性試験に供した。
上記耐久性試験の結果は、実施例のいずれの試験片にも焼き付きは発生せず、この発明の斜板は、ドライな潤滑条件の摺動部における焼き付きの発生を確実に防止できることがわかった。
一方、塗料の押圧工程を省略し、単に塗布した状態で焼結層に加圧充填されていない比較例のものは耐久性試験により焼き付きが生じた。
なお、樹脂被膜を熱硬化性ポリイミド樹脂100重量部、充填剤としてフッ素樹脂40重量部、二硫化モリブデン10重量部を配合した被膜で実施例、比較例と同様な評価試験を行なったが、上記実施例および比較例と同様に、塗料の押圧工程を省略したものは焼き付きが生じたが、焼結層に加圧充填したものは焼き付きの発生を確実に防止することができた。
1 シリンダブロック
2 回転軸
3 斜板
4 シュー
5 シリンダボア
6 ピストン
7 金属焼結層
8 針状ころ軸受
9 スラスト針状ころ軸受
10 凹部
11 球面座
2 回転軸
3 斜板
4 シュー
5 シリンダボア
6 ピストン
7 金属焼結層
8 針状ころ軸受
9 スラスト針状ころ軸受
10 凹部
11 球面座
Claims (7)
- 作動流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック内に駆動力が入力される回転軸を設け、この回転軸に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板を設け、この斜板の両面に摺接するシューをシリンダ内のピストンに保持させて設けることにより、前記シューを介して斜板の回転運動をピストンの往復運動に変換して作動流体を圧縮する斜板式圧縮機の斜板において、
前記斜板のシュー接触面に金属焼結層を設け、この金属焼結層の焼結粒子間隙に固体潤滑剤含有の樹脂組成物を加圧充填して設けたことを特徴とする斜板式圧縮機の斜板。 - 固体潤滑剤含有の樹脂組成物が、熱硬化性ポリイミド樹脂100重量部に対し、フッ素樹脂1〜40重量部および二硫化モリブデン1〜20重量部を配合した固体潤滑剤含有の樹脂組成物である請求項1に記載の斜板式圧縮機の斜板。
- 固体潤滑剤含有の樹脂組成物が、フッ素樹脂100重量部に対し、バインダー樹脂100〜150重量部、金属酸化物5〜20重量部を配合した固体潤滑剤含有の樹脂組成物である請求項1に記載の斜板式圧縮機の斜板。
- 固体潤滑剤含有の樹脂組成物が、炭素繊維1〜30重量部を配合した固体潤滑剤含有の樹脂組成物である請求項1に記載の斜板式圧縮機の斜板。
- 斜板式圧縮機の斜板のシュー接触面に金属焼結層を形成し、この金属焼結層の多孔質性空隙に固体潤滑剤を含有する熱硬化性樹脂材料または耐熱性熱可塑性樹脂材料からなる固体潤滑性樹脂組成物をプレス機で押圧して充填し、次いで加熱または加熱後に冷却して固体潤滑性樹脂組成物を硬化する斜板式圧縮機の斜板の製造方法。
- 固体潤滑性樹脂組成物をプレス機で押圧する際、樹脂のガラス転移点以上で融点以下の温度に加熱する請求項5に記載の斜板式圧縮機の斜板の製造方法。
- 流体を圧縮するコンプレッサのシリンダブロック内に駆動力が入力される回転軸を設け、この回転軸に軸心を交差させて一体に回転する円盤状の斜板を設け、この斜板の両面に摺接するシューをシリンダ内のピストンに保持させて設けることにより、前記シューを介して斜板の回転運動をピストンの往復運動に換えるようにした斜板式圧縮機において、
前記斜板が請求項1〜4のいずれかに記載の斜板であることを特徴とする斜板式圧縮機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102562521A (zh) * | 2010-12-31 | 2012-07-11 | 上海三电贝洱汽车空调有限公司 | 一种压缩机滑动件及其用于压缩机滑动件的滑动膜材料 |
JP5267756B1 (ja) | 2011-12-22 | 2013-08-21 | 千住金属工業株式会社 | 摺動部材及び軸受 |
WO2020250967A1 (ja) * | 2019-06-14 | 2020-12-17 | サンデン・アドバンストテクノロジー株式会社 | 摺動皮膜の形成方法及び斜板式圧縮機 |
-
2005
- 2005-09-27 JP JP2005279922A patent/JP2007092551A/ja active Pending
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