JP2007091131A - タイヤ用滑り止めネットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加硫用の下型20に形成された網目状成形溝21内に、滑り止めネット本体1の各網目交差部に埋設されるスパイクピン2を配置した後、未加硫ネット本体を該網目状成形溝21内に嵌め込み、次に、下型20の上に蓋型40を載置して、網目状成形溝21内に嵌め込んだ前記未加硫ネット本体の浮き上がりを防止し、その後、下型20と上型30で前記未加硫ネット本体を加熱プレスして、各網目交差部にスパイクピン2が埋設された滑り止めネット本体1を加硫成形する。
【選択図】 図8
Description
また、前記した網目状の滑り止めネット本体の製造方法として、紐状の芯材の周りに未加硫ゴムを被覆して形成した線条材を、予備成形型の網目溝に沿って嵌め入れて網目状の未加硫ネット本体を編み組みし、この未加硫ネット本体を、加硫プレス用の下型と上型で加熱プレスして網目状の滑り止めネット本体を加硫成形する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
このような不具合を解消するために、網目状成形溝内に未加硫ネット本体を嵌め込んだら即座に加硫用下型と上型を合せることも考えられるが、その場合でも、型移動の間に未加硫ネット本体が網目状成形溝から浮き上がる虞れがあり、問題の解決にはならなかった。
しかし、前述したような薄型の滑り止めネットを加硫成形しようとする場合、未加硫ネット本体が薄型であり、網目状成形溝の深さも浅くなるので、弾性復元力により未加硫ネット本体が網目状成形溝から浮き上がり易くなる。
さらに、加硫成形時における網目状成形溝内での加硫ゴムの流動などによりスパイクピンがズレてしまう可能性も無いとは言えない。
ここで、前記スパイクピンは、滑り止めネット本体の各編目交差部に対応する箇所、すなわち、加硫用下型における網目状成形溝の各網目交差部の内底部に配置することは言うまでもない。
ここで、蓋型としては、網目状成形溝内に嵌め込んだ未加硫ネット本体の浮き上がりを防止し得、且つ、下型と上型による加硫成形(加熱プレス)に耐え得るものであれば、金属製、木製のいずれであっても良いが、加熱プレスに対する耐熱性や未加硫ネット本体の浮き上がり防止効果を考慮すれば、所定の厚みを有する鋼板などからなる金属製蓋型を用いることが好ましい。
また、加硫用下型の上に載置された蓋型のズレ防止と、未加硫ネット本体の浮き上がり防止効果を考慮すれば、加硫用下型に対し蓋型を着脱自在に係止し得る係合手段を備えることが好ましい。該係合手段としては、例えば、加硫用下型と蓋型の何れか一方に凹所を設け、他方に、該凹所に係脱自在に係合する突起を設けた凹凸係合手段をあげることができる。
この場合、網目状成形溝内におけるスパイクピンの配置箇所が凹部であることから、スパイクピンの配置作業を迅速且つ正確に行うことができ、各網目交差部にスパイクピンが埋設された滑り止めネット本体を確実且つ簡便に製造することができる。また、各凹部により、加硫成形後の滑り止めネット本体の各網目交差部におけるスパイクピン先端部の突出量が所定寸法に確保されるので、所定の滑り止め機能を有する滑り止めネットを効率良く製造することができる。
この場合、加硫成形時における網目状成形溝内での加硫ゴムの影響でスパイクピンが位置ズレを起こそうとしても、蓋型下面の凸部でその位置ズレを抑制して、前述の効果をより実効あるものとし得る。
金属とゴムを接合させる接着剤としては、この種技術分野における公知の接着剤を用いることができる。
前記合計寸法(t)が10mmを超えると、タイヤ外周面とタイヤハウス内面間の隙間が低減され、タイヤ内側のショルダー部分の余剰スペースが15mm程度しかない乗用車への装着、使用が困難になるので好ましくない。また、同寸法(t)が8mm未満だと、タイヤ用滑り止め装置としての制動力、駆動力等の低減、若しくは走行中におけるスパイクピンの脱落が発生する為好ましくない。
より具体的には、滑り止めネット本体の厚さ寸法(t1)=7mm、スパイクピン超硬部(先端部)の突出寸法(t2)=2mm、合計寸法(t)=9mmとした場合、極めて好ましい制動機能を発揮する薄型の滑り止めネットとして提供することが出来る。
また、スパイクピンの脱落防止の為に、滑り止めネット本体の網目交差部において、スパイクピン下端のフランジ部の下方に高張力性芯材を配設し、スパイクピンの超硬部が路面に当たった際の衝撃を該高張力性芯材で緩衝するよう構成することが好ましい。
また、本発明によれば、厚さ10mm以下の薄型ネット状としながら、所定の制動力、駆動力等を発揮すると共に、走行中のスパイクピンの脱落を防止して、タイヤ外周面とタイヤハウス内面間の隙間が低減された乗用車にも使用可能な、新規な薄型のタイヤ用滑り止めネットを効率良く製造し得るなど、多くの効果を奏する。
まず、本発明の製造対象であるタイヤ用滑り止めネットの一例を図1〜図6を参照しながら説明する。
本例の滑り止めネット本体1は、高張力性芯材3をゴムで被覆したゴム製線材4により網目状の帯体として形成されると共に、その長手方向両端部にジョイント部5、5を一体に形成し、且つ左右の側縁部に係止金具6、7の引掛け部8、9を一体に形成してある。そして、タイヤ外周面への装着時にタイヤ裏面側(内側)になる一方の側縁部の引掛け部8に、係止金具6を介して内側締付けロープ10を固定し、且つタイヤ表面側になる他方の引掛け部9に、係止金具7を介して外側締付け環(不図示)を掛け渡すことで、タイヤ外周面に巻回状に装着し得るタイヤ用滑り止めネット装置Aが構成される。
具体的には、図4に示すように、滑り止めネット本体1の厚さ寸法(t1)が6.5〜7.5mmであるのに対し、超硬部2bの滑り止めネット本体1からの突出寸法(t2)との合計(t)が8〜10mmとなるよう、すなわち、超硬部2bの滑り止めネット本体1からの突出寸法(t2)が1.5〜2.5mmとなるように埋設されている。
次に、この未加硫ネット本体を、図7に示す加硫用の下型20と上型30で加熱プレスして、網目状の滑り止めネット本体1を加硫成形する。
そして、夫々の凹部23にスパイクピン先端部2bを遊嵌して、網目状成形溝21の内底部にスパイクピン2を配置すると共に、滑り止めネット本体1の各網目交差部におけるスパイクピン先端部2bの突出寸法(t2)を確保するようになっている。
これにより、加硫成形時における網目状成形溝21内での加硫ゴムの影響でスパイクピン2が位置ズレを起こそうとしても、前記凸部42でその位置ズレを抑制して、前述の効果をより実効あるものとし得る。
2:スパイクピン
2b:スパイクピンの超硬部(先端部)
20:加硫用の下型
21:網目状成形溝
22:網目交差部
23:凹部
30:加硫用の上型
40:蓋型
42:凸部
Claims (5)
- 紐状の芯材を未加硫ゴムで被覆した線条材により網目状に編み組みされた未加硫ネット本体を、加硫用の下型と上型で加熱プレスして網目状の滑り止めネット本体を加硫成形する方法において、
前記下型に形成された網目状成形溝内に、前記滑り止めネット本体の各網目交差部に埋設されるスパイクピンを配置した後、前記未加硫ネット本体を該網目状成形溝内に嵌め込み、
次に、前記下型の上に蓋型を載置して、前記網目状成形溝内に嵌め込んだ前記未加硫ネット本体の浮き上がりを防止し、
その後、前記下型と上型で前記未加硫ネット本体を加熱プレスして、各網目交差部にスパイクピンが埋設された滑り止めネット本体を加硫成形することを特徴とするタイヤ用滑り止めネットの製造方法。 - 前記網目状成形溝の各編目交差部に、前記スパイクピンの先端部が遊嵌する凹部が形成されており、該凹部に前記スパイクピン先端部を遊嵌して、該網目状成形溝内に前記スパイクピンを配置すると共に、前記滑り止めネット本体の各網目交差部におけるスパイクピン先端部の突出寸法を確保することを特徴とする請求項1記載のタイヤ用滑り止めネットの製造方法。
- 前記蓋型の下面における前記凹部と対応する箇所に凸部が形成されており、前記網目状成形溝内に嵌め込んだ前記未加硫ネット本体の各編目交差部を前記凸部で押圧して、前記網目状成形溝内に配置されたスパイクピンの移動を防止することを特徴とする請求項2記載のタイヤ用滑り止めネットの製造方法。
- 前記スパイクピンとして、金属とゴムを接合させる接着剤が被覆された金属製スパイクピンを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のタイヤ用滑り止めネットの製造方法。
- 加硫成形された滑り止めネット本体の厚さ寸法(t1)と、該滑り止めネット本体の各編目交差部における前記スパイクピン先端部の突出寸法(t2)との合計寸法(t)が8〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のタイヤ用滑り止めネットの製造方法。
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2005
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