JP2007088557A - 色間クロストーク補正式算出方法及び画像読み取り装置 - Google Patents

色間クロストーク補正式算出方法及び画像読み取り装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像読み取り装置の色間クロストークを精度よく補正する。
【解決手段】校正用原稿30の各色票31を画像読み取り装置50で読み取ることで、各色票31についての色票実測出力値データ54を求める。その一方、それら各色票の色票分光測色データ32,画像読み取り装置50のCCDセンサのセンサ分光感度データ34,画像読み取り装置50の原稿照明用光源の照明光源分光分布データ36,及び画像読み取り装置50の結像光学系の結像光学系分光分布データ38とを用いることで、画像読み取り装置50がクロストークのない理想状態で各色票を読み取ったと仮定した場合の色票理想出力値データ42を求める。クロストーク補正式算出部60や、色票実測出力値データ54と色票理想出力値データ42とが色票全体で最小となるようにクロストーク補正マトリックス62を計算する。このマトリックスを用いてクロストークを補正する。
【選択図】図4

Description

本発明は、カラーセンサを用いたカラースキャナなどの画像読み取り装置の色間クロストーク補正のための補正式の算出方法と、その方法を用いたクロストーク補正に関する。
これまでに、カラースキャナなどのカラーCCDなどの固体撮像素子を用いた画像読み取り装置の、低コスト化、高精彩化の開発が進められている。
現在、多く使われているカラーCCDは、CCDチップ上にRed, Green, Blueカラーフィルタを形成するオンウエハカラーフィルタと呼ばれる技術により、カラー情報の読み取りを実現している。
しかし、このようなカラーCCDの場合、チップ内の回路構成やフィルタ漏光などの影響により、本来独立であるはずのR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の出力が、互いに影響しあって変化する、クロストークと呼ばれる現象を生じることが多い。
図1に実際にクロストークが発生しているカラーCCDの出力信号を示す。これは、図2に示すような黒から白に急激に変化する原稿100をカラーリニアCCDセンサ10によって読み取った際の出力の変化を示すグラフである。図1のグラフは、縦軸にはR,G又はBのチャンネルごとの画素の出力信号の平均値を、横軸には図2に矢印で示した原稿送り方向に沿った原稿100の移動距離をとっている。図2に示したような原稿100を読み取った場合、最初は各色のチャンネルとも黒領域を読み取るので画素値は小さく、その後、黒から白へと原稿画像が急激に変化するので、チャンネルがその変化位置にさしかかると画素値が急激に上昇する。ここで、カラーリニアCCDセンサ10上のR,G,Bの各チャンネルは互いに所定のギャップ(間隔)をあけて配置されているので、図1ように原稿100の移動距離を横軸に取った場合、各チャンネルの画素値のグラフの立ち上がりはそのギャップの分だけずれる。そして、図1に示す出力変化では、クロストークの影響として、Bチャンネルのグラフが立ち上がり直前において画素値を低下させている。これは、他のチャンネル信号の急激な立ち上がりの影響を受けて、実際の原稿100に対応する画素値より低下したものである。
このようなクロストーク現象は、画像上はエッジ部の色づきとなって現れ、また、混色による色再現性の低下につながるため好ましくない。
これまで、クロストーク現象の低減に関しては、製造工程での工夫やチップ内の回路構成を工夫することで対応している。
例えば、特許文献1では、隣り合う3本の共通信号線の電位とそれらの間の結合容量、負荷容量との関係式を基に隣接信号線間のクロストークを補正することができ、またライン単位で前回と本回の2回分のスキャンデータとフォトダイオード部、配線部との容量との関係式を基に受光素子に残る残像を補正することができる画像読み取り装置が提案されている。
しかしこれらの方法では、静電容量など撮像素子固有の特性値をあらかじめ求める必要があり、実際には撮像素子のメーカーが新規に設計・生産する場合や周辺回路を設計する場合にしか適用できない。また、撮像素子の種類ごとに、個別に適用する必要があり、種類の異なった撮像素子に適用する場合は、ほとんどの回路を再度設計する必要がある。
また、特許文献2では、クロストークの補正にディスプレイを用いる。ディスプレイに単色の蛍光体の発光を行わせ、この単色光に対応しない色のCCDの色チャンネル(ディスプレイを赤く発光させている場合は、CCDの緑及び青チャンネル)の出力値を最小とするようにプログラマブルアッテネータを制御することでクロストークの補正を行う。
しかし、この補正方法は、原理上、ディスプレイの単色蛍光体の分光分布がこれと対応するCCD単色チャンネルの分光感度と一致することを要求する。ところが、通常、ディスプレイの蛍光体の発光分布とCCDの分光感度は一致しないため、この方法によるクロストーク改善の効果は少ないと考えられる。
特開平05-316348号公報 特開平08-149500号公報
そこで、本発明は、既存の画像センサに適用可能で、色間クロストークを精度よく補正するための方法を提供する。
本発明に係る方法は、原稿からの光を各色用の各受光部で検出して読み取る画像読み取り装置における色間クロストーク補正のための補正式を算出する方法であって、分光反射率が測定されている複数の色票の分光反射率データと、前記画像読み取り装置の前記各色についての分光感度特性データと、に基づき、前記各色票を前記画像読み取り装置が色間クロストークなしの理想状態で読み取ったと仮定した場合の理想出力値データを求めるステップと、前記各色票を前記画像読み取り装置で実際に読み取って、前記各色票の実測出力値データを求めるステップと、前記理想出力値データと前記実測出力値データとの差が前記複数の色票全体で最少となるように色間クロストークの補正式を求めるステップと、を有する。
この発明の好適な態様では、前記画像読み取り装置の前記各色についての分光感度特性データは、前記各色の受光部の分光感度データと、前記画像読み取り装置が備える原稿照明用の光源の分光分布データと、前記画像読み取り装置が備える結像光学系の分光分布データと、を有する。
また、本発明に係る画像読み取り装置は、原稿からの光を各色用の各受光部で検出して読み取る画像読み取り装置であって、原稿を読み取ることで得た画像信号に対して色間クロストーク補正演算を施すクロストーク補正演算部を備え、前記クロストーク補正演算部は、分光反射率が測定されている複数の色票を当該画像読み取り装置が色間クロストークなしの理想状態で読み取ったと仮定した場合の理想出力値データと、前記複数の色票を当該画像読み取り装置で実際に読み取って得られた実測出力値データと、の差が前記複数の色票全体で最少となるように色間クロストークの補正式を用いて、前記画像信号に対して色間クロストーク補正演算を施す。
また、本発明に係る画像読み取り装置の好適な態様では、前記クロストーク補正演算部は、前記受光部で検出された前記各色の信号を所定の色空間の信号へと変換するための色空間変換演算と、前記色間クロストークの補正式の演算と、を結合した演算を行うことで、色空間変換処理とクロストーク補正処理とを同時に行う。
また、本発明に係る画像読み取り装置の別の好適な態様では、前記クロストーク補正演算部は、前記受光部で検出された前記各色の信号に対するシェーディング補正演算と、前記色間クロストークの補正式の演算と、を結合した演算を行うことで、シェーディング補正処理とクロストーク補正処理とを同時に行う。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図3は、カラーリニアCCDセンサ10(以下単にセンサ10と呼ぶ)を使った一般的な画像読み取り装置の画像信号と処理の流れを表すブロック図である。センサ10は、図2のカラーラインCCDセンサ10と同様、R,G,B各チャンネルのラインセンサを備える。
原稿の光学情報は光学系によりセンサ10上に結像される。センサ10の各チャンネルのCCDはR,G,Bの各色フィルタを通過した光を電気信号に変換して、R,G,Bそれぞれの独立なアナログ信号として出力する。
センサ10のR,G,Bの各チャンネルから出力されたアナログ電気信号は、それぞれアナログ・アンプ12R,12G,12Bにより増幅され、A/D変換器14R,14G,14Bによりディジタル信号に変換される。
このように生成されたR,G,B各チャンネルのディジタル信号に対し、光学系のむらやCCDライン上の各画素の感度ばらつきを補正するために、シェーディング補正部16R,16G,16Bにより公知のシェーディング補正処理が施される。よく知られるように、シェーディング補正では、例えば、白色の均一な基準板を読んだときのCCDライン上の各画素の出力値に基づき、それら各画素の出力値を一定にするための補正係数を各画素毎に求める。そして、実際に撮像した際の各画素のディジタル信号を、当該画素に対応する補正係数を用いて補正する。
次に、ラインギャップ補正が行われる。図2に示したように、センサ10の各ラインの受光素子は主走査方向に配列され、R,G,Bの色チャンネルごとに副走査方向にある間隔を持って配置されている。この色チャンネル間の副走査方向の間隔はラインギャップと呼ばれる。このラインギャップのため、センサ10と原稿とを副走査方向に相対移動させながら各色チャンネルの主走査読み出しを行った場合、各色チャンネルのCCDラインが原稿上の同一位置を読み取るのに時間差が生じる。この時間差を補正して原稿の同一位置のR,G,Bの信号が時間的に同一時刻に揃うようにするために、ラインギャップ補正部18が、R,G,Bの各色チャンネルの信号のうち必要なものを遅延させて出力する。この処理は、ラインギャップ補正処理と呼ばれる。図2に示したような各色チャンネルの配列では、Rチャンネルの信号をラインギャップ2個分、Gチャンネルの信号をラインギャップ1個分それぞれ遅延させることで、Bチャンネルの信号と位置合わせができる。ラインギャップ補正部18には、この遅延処理のためにバッファ19が設けられる。
このようにして位置合わせされたR,G,B各チャンネルの信号は色空間変換部20に入力される。色空間変換部20は、RGBで表されるデバイス依存の色空間での色値を、CIEのL*a*b*等と言ったデバイスに依存しない色空間での色値に変換する。この色空間変換処理では、周知のようにマトリクス演算が行われ、その結果読み取り画像信号が出力される。
通常、画像読み取り装置では、A/D変換器14R,14G,14B以降の各処理回路は、処理を行わないで、入力された信号をそのまま信号出力させるように設定可能である。
次に、この実施の形態におけるクロストーク補正式の算出方法について説明する。図4に、クロストーク補正式算出のためのシステム構成を示す。このシステムは、画像読み取り装置50のためのクロストーク補正式を算出するためのものである。
クロストーク補正式算出では、複数の色票(カラーパッチ)31を配列した校正用原稿30を用いる。校正用原稿30としては、例えば928個の色票から構成されているJapan Color2002印刷サンプルを用いることができる。ただし、これはあくまで一例であり、校正用原稿30の色票数や色のバリエーションについてはこれに限定されるものではない。なお各色票の大きさは、分光測定装置(図示省略)の観察領域以上の大きさが必要である。今回の場合は約10mm×10mmである。また、校正用原稿30としては、面積階調を用いた印刷物を用いることができるが、これに限らず写真のような濃度階調の原稿を用いてもよい。
この実施の形態では、校正用原稿30の各色票を画像読み取り装置50がクロストークのない理想的な状態で読み取ったと仮定した時の各色票の読み取り出力値(色票理想出力値データ42)を計算により求める。そして、画像読み取り装置50で実際に校正用原稿30を読み取ることで、クロストークの影響を受けた各色票の読み取り出力値を求め、これら読み取り出力値を色票理想出力値データ42に変換するクロストーク補正式を求める。
このような演算のため、校正用原稿30の各色票31を分光測定装置で分光測色することで、校正用原稿30の各色票の分光測色データ32を得る。
また、画像読み取り装置50が備えるCCDセンサの各色についてのセンサ分光感度データ34は、CCDセンサのメーカーから入手することができる。なお、十分な設備があれば、センサ分光感度データ34を実測により求めることも可能である。
また、画像読み取り装置50が備える原稿照明用の照明光源の分光分布データ36は、分光放射輝度計を用いて測定して求めることができる。このように測定で求める代わりに、光源メーカー等から照明光源の分光分布データを入手できれば、これを用いてもよい。この場合、照明光源には、光を偏向、集束するための反射板や、熱線吸収フィルタが設けられる場合があり、また光源と原稿との間にはプラテンガラスが介在するので、このような場合には、照明光源分光分布データ36は、光源そのものの分光分布データ、熱線吸収フィルタ及びプラテンガラスの透過率などといった各種のデータから計算する。
結像光学系分光分布データ38は、原稿からの反射光をCCDセンサに結像させる光学系の分光透過率や、光路上に配置される反射板の分光反射率であり、これはレンズメーカなどからデータが開示されているものを用いることができる。また、ほとんどの場合、この結像光学系分光分布データは可視光帯域の全域にわたってフラットな形状であることが多いため、このデータがなくても補正式を求めることが可能である。
色票理想出力値データ算出部40は、これら各データ32〜38を用いて色票理想出力値データを算出する。以下、この算出の方法について説明する。
光の波長をλとする。照明光源の分光分布P(λ)は、照明光源分光分布データ36から求められる。CCDセンサのR,G,B各チャンネルの分光感度R(λ),G(λ),B(λ)はセンサ分光感度データ34から求められる。校正用原稿30上のi番目の色票の分光反射率Ti(λ)は色票分光測色データ32から求められる。そして、結像光学系の分光分布L(λ)は、結像光学系分光分布データ38から求められる。色票理想出力値データ算出部40は、以下のような計算により、i番目の色票の理想出力値データ(Rci,Gci,Bci)を計算する。
Figure 2007088557
この計算式でWhite(Ra),White(Ga),White(Ba)は、所定の白基準板を読んだときのR,G,Bの各チャンネルの出力値であり、これは正規化のために用いている。また、総和演算Σは、可視光域の全域に亘っての、データ32〜38の存在する各λについての総和である。この演算を校正用原稿30の全ての色票iについて行うことで、各色票iについての理想出力値データ(Rci,Gci,Bci)を計算する。
このようにして求めた色票理想出力値データは、画像読み取り装置50の機種が同じであれば共通に使うことができる。
以上が、画像読み取り装置50の理想的な(すなわちクロストークのない)色票の読み取り出力値を求めるための構成及び処理方法である。
この一方で、実際に画像読み取り装置50で校正用原稿30を読み取ることで、各色票iについての色票実測出力値データ54を求める。この処理では、まず、画像読み取り装置50を、図3に示す色空間変換部20が入力されたR,G,Bのデータをそのまま出力するように設定する。そして、この状態で、校正用原稿30を画像読み取り装置50のプラテン上に配置して読み取る。画像読み取り装置50からは、色空間変換を経ないR,G,Bのデータが出力される。色票実測出力値データ算出部52は、校正用原稿30上での各色票iの領域(領域のサイズは例えば分光測定装置の観察領域と同程度とすればよい)の情報を有しており、この情報からR,G,Bデータ中での各色票iの領域のデータを求め、R,G,Bのそれぞれにつきその領域のデータを平均化した値(Rai,Gai,Bai)を色票実測出力値データ54として出力する。
クロストーク補正式算出部60は、色票理想出力値データ42と色票実測出力値データ54とから、次の式2で示される関係を満たすクロストーク補正マトリックスA62を求める。
Figure 2007088557
式2は、色票実測出力値から色票理想出力値への線形変換式である。
ここで補正マトリックスAは、実測出力値(Rai,Gai,Bai)と、これと対応する理想出力値(Rci,Gci,Bci)との関係を使って、線形重回帰分析の手法である最少二乗法により算出することができる。
図5は、ある画像読み取り装置50のBチャンネルについての、各色票iに対する色票実測出力値と色票理想出力値との関係をプロットした図であり、横軸に理想出力値、縦軸に実測出力値を取っている。図ではBチャンネルだけを示したが、R,Gについても同様の関係が得られ、これらの関係に対して線形重回帰分析を行うことで補正マトリックスAが求められる。
この補正マトリックスAを各色票iの実測データに適用した結果を図6に示す。この図から分かるように、補正マトリックスAを用いることによって、実測出力値と理想出力値の相関のばらつきを低減させることができる。
以上のようにして求めたクロストーク補正マトリックスAを組み込んだ式2が、クロストーク補正式となる。この補正式の演算処理を画像読み取り装置50内に組み込むことで、原稿読み取り時のクロストーク補正が実現できる。以下、このクロストーク補正について、2つの実装方式とそのそれぞれに対する補正処理の例を説明する。
図3の例で示したように、画像読み取り装置50では、全画素データに対して、シェーディング補正部16R,16G,16Bと色空間変換部20とで、乗算演算処理が行われている。本実施の形態のクロストーク補正方式は、シェーディング補正部16R,16G,16Bもしくは色空間変換部20の演算処理に組み込むことができる。
まずクロストーク補正を色空間変換に組み込む第1の方式についてについて説明する。
図3のラインギャップ補正部18では、CCDセンサのR,G,Bの各チャンネル間のギャップに相当する時間だけ信号を遅延させて出力することで、ギャップ補正を行っている。具体例で説明すれば、図2で示すようなカラーリニアCCDセンサ10のチャンネルの並びで画像読み取りを行う場合、原稿のtライン目に対応するラインギャップ補正後の出力(R'(t),G'(t),B'(t))は、ラインギャップ補正前のR,G,Bの各チャンネルの信号(r(t),g(t),b(t))に対して次のような関係となる。
R'(t)=r(t-2N)
G'(t)=g(t-N)
B'(t)=b(t)
ただしN はラインギャップの大きさ(単位は副走査方向のライン数)
これはクロストーク補正をしない場合の式である。この場合のラインギャップ補正部18から色空間変換部20への信号出力の関係を図7に示す。この図は、ラインギャップの大きさN を4としたときの図である。
クロストーク補正を行う場合は、あるチャンネルの値を求めるのに他のチャンネルのクロストークの影響を考慮する必要がある。ここで、クロストークは同一時刻での各チャンネルの信号が他のチャンネルに影響するのであるから、補正の演算には同一時刻の各チャンネルの信号を用いる必要がある。すなわち、原稿のtライン目のRチャンネル及びGチャンネルの信号は、それぞれ、Bチャンネルの信号よりも2N及び1Nライン分だけ前の時刻の各チャンネルの信号から求める必要がある。
これを式で表すと次の式3のようになる。
Figure 2007088557
ここで、Aは前述のクロストーク補正マトリックスである。
この式を展開すると次の式になる。
Figure 2007088557
色空間変換部20では、RGBなどのデバイス依存の色空間からCIEL*a*b*などのデバイス独立な色空間への変換を、ラインギャップ補正後のデータに対してマトリックス演算を行うことにより行う。
この色空間変換では、画像読み取り装置50の分光感度とCIEL*a*b*等の算出に用いる等色関数とのずれを補正するため非線形項を加えたマトリックス演算が行われる。例えば次式5のようなRGBの線形項だけではなく二乗項、積算項を加えた3×9のマトリックス演算が用いられる。
Figure 2007088557
このマトリックス演算は、従来公知のものである。図7に示したクロストーク補正を行わない場合の色空間変換部20は、この式5をそのまま用いて色空間変換を行う。
これに対し、色空間変換にクロストーク補正を組み込む本実施の形態では、式5の3×9のマトリックス演算式を変形して用いる。色空間マトリックスの算出にあたって、非線形項の寄与率は線形項に比較して極端に低いことが確かめられている。そこで、非線形項と相関の演算を省略し、対象画素のRGB値の線形項とNライン前と2Nライン前のRGB値との線形項を入力とした式を用いる。
式5から入力RGBの線形項だけを抽出した場合の色空間変換式は次の式6になる。
Figure 2007088557
これに式3のクロストーク補正マトリックスAによる演算を結合した式が次の式7となる。
Figure 2007088557
この式7の演算を実行することにより、クロストーク補正と色空間変換が同時に実現できる。図8に、式7の演算を実行する色空間変換・クロストーク補正演算部22に対するラインギャップ補正部18からの信号入力の関係を示す。図8は、図7に対応するものであり、ラインギャップの大きさN が4の場合を示している。また、この色空間変換・クロストーク補正演算部22を備えた画像読み取り装置50の構成を図9に示す。色空間変換・クロストーク補正演算部22は、式7の演算を実行できればよく、ソフトウエア処理でも、ASIC等のハードウエア回路でも、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)でも実現できる。
このような構成により、既存の画像読み取り装置50の画像処理回路の構成を大きく変更することなく、クロストーク補正演算をリアルタイムで行うことが可能となる。
次に、クロストーク補正をシェーディング補正演算に組み込む第2の方式について説明する。図10はこの方式の画像読み取り装置50のブロック図である。
上述したように、本実施形態のクロストーク補正は、時間的に同一のタイミングで撮像されたRGB各チャンネルの信号に対して補正式による演算を行うことを前提条件としている。
色空間変換にクロストーク補正を組み込んだ上述の方式では、ラインギャップ補正後の色空間変換・クロストーク補正部22でクロストーク補正を行っていたため、ギャップ補正を考慮するため演算処理が煩雑であった。これに対し、ラインギャップ補正処理前のシェーディング補正では、上流から入力されるR,G,Bの各信号は同時刻のものなので、シェーディング補正にクロストーク補正を組み込む方式では、演算処理が簡単になる。
すなわち、主走査方向のライン上でのi番目のRGB各画素の値をそれぞれ(ri,gi,bi)とすると、シェーディング補正後の値(r'i, g'i, b'i)は次の式で表される。
Figure 2007088557
ここで、CoefRi等及びOffsetR等は、それぞれシェーディング補正の補正係数及びオフセット値である。
この式8における入力信号(ri,gi,bi)に対し、式3で求めたクロストーク補正マトリックスAによる演算を作用させることで、クロストーク補正とシェーディング補正の両方が実行できる。このときの演算式は、次の式9となる。
Figure 2007088557
ここで、arr〜abbは、式2のクロストーク補正マトリックスAの各要素の値である。
この方式に従った画像読み取り装置50の構成を図10に示した。図10の装置では、クロストーク補正を、RGB各チャンネルのシェーディング・クロストーク補正部17R,17G,17Bで、シェーディング補正と同時に実行する。クロストーク補正のために、他のチャンネルの信号が必要となるため、シェーディング・クロストーク補正部17R,17G,17Bには、RGB全ての信号が入力される。この点は、図3に示した従来装置の構成と異なる。シェーディング・クロストーク補正部17R,17G,17BとA/D変換器14R,14G,14Bからの入力配線以外の構成要素については、図3の構成と同様でよい。なお、シェーディング・クロストーク補正部17R,17G,17Bは、式9の演算を実行できればよく、ソフトウエア処理でも、ASIC等のハードウエア回路でも、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)でも実現できる。
このようにシェーディング補正にクロストーク補正を組み込む方式でも、既存の画像読み取り装置の画像処理構成を大きく変更することなく、クロストーク補正演算をリアルタイムで行うことが可能となる。
本実施の形態による画像読み取り装置50のクロストーク補正後のRGB出力のグラフを図11に示す。これは、上述の第1の方式、第2の方式に共通のものである。ただし、第1の方式については、色空間変換マトリックスの線形項C11〜C33の係数を1.0とした場合のものである。原稿などの諸条件はクロストークが発生している場合のグラフ(図1)の場合と同じである。図11と図1を比較してわかるように、本実施の形態の補正の効果によってクロストークの影響が改善され、その結果黒から白への急変部におけるB信号の落ち込みが解消していることがわかる。
以上の実施の形態では、CCDセンサはRGBの色信号を出力したが、他の色空間の色信号を出力するセンサに対しても実施の形態の方式は適用可能である。また、上記実施の形態ではCIEのL*a*b*の色空間へと変換を行ったが、これ以外の色空間に変換する場合にも上記方式は適用可能である。また、色票31群が複数の校正用原稿30に分かれて配置されていてももちろんよい。
クロストーク発生の様子をグラフで示した図である。 一般的なカラーリニアCCDセンサの構成と、図1のグラフを求めるに当たっての画像読み取り条件を示した図である。 一般的な画像読み取り装置の、信号処理のための構成を示した図である。 実施の形態のクロストーク補正マトリックス算出処理のためのシステム構成を示した図である。 クロストーク補正マトリックスの算出に用いた、色票理想出力値データと色票実測出力値との相関を示したグラフである。 クロストーク補正マトリックスを適用した出力値と色票理想出力値データとの相関を示したグラフである。 一般的な画像読み取り装置における、ラインギャップ補正部と色空間変換部との間の信号入出力関係を示した図である。 クロストーク補正を色空間変換に組み込む第1の方式における、ラインギャップ補正部と色空間変換・クロストーク補正演算部との間の信号入出力関係を示した図である。 第1の方式の画像読み取り装置の、信号処理のための構成を示した図である。 クロストーク補正をシェーディング補正に組み込む第2の方式における、信号処理のための構成を示した図である。 実施の形態によるクロストーク補正の効果を示すグラフである。
符号の説明
10 カラーリニアCCDセンサ、12R,12G,12B アナログ・アンプ、14R,14G,14B A/D変換器、16R,16G,16B シェーディング補正部、17R,17G,17B シェーディング・クロストーク補正部、18 ラインギャップ補正部、19 バッファ、20 色空間変換部、22 色空間変換・クロストーク補正演算部。

Claims (5)

  1. 原稿からの光を各色用の各受光部で検出して読み取る画像読み取り装置における色間クロストーク補正のための補正式を算出する方法であって、
    分光反射率が測定されている複数の色票の分光反射率データと、前記画像読み取り装置の前記各色についての分光感度特性データと、に基づき、前記各色票を前記画像読み取り装置が色間クロストークなしの理想状態で読み取ったと仮定した場合の理想出力値データを求めるステップと、
    前記各色票を前記画像読み取り装置で実際に読み取って、前記各色票の実測出力値データを求めるステップと、
    前記理想出力値データと前記実測出力値データとの差が前記複数の色票全体で最少となるように色間クロストークの補正式を求めるステップと、
    を有する色間クロストーク補正式算出方法。
  2. 請求項1記載の色間クロストーク補正式算出方法であって、
    前記画像読み取り装置の前記各色についての分光感度特性データは、前記各色の受光部の分光感度データと、前記画像読み取り装置が備える原稿照明用の光源の分光分布データと、前記画像読み取り装置が備える結像光学系の分光分布データと、
    を有することを特徴とする色間クロストーク補正式算出方法。
  3. 原稿からの光を各色用の各受光部で検出して読み取る画像読み取り装置であって、
    原稿を読み取ることで得た画像信号に対して色間クロストーク補正演算を施すクロストーク補正演算部を備え、
    前記クロストーク補正演算部は、分光反射率が測定されている複数の色票を当該画像読み取り装置が色間クロストークなしの理想状態で読み取ったと仮定した場合の理想出力値データと、前記複数の色票を当該画像読み取り装置で実際に読み取って得られた実測出力値データと、の差が前記複数の色票全体で最少となるように色間クロストークの補正式を用いて、前記画像信号に対して色間クロストーク補正演算を施す、
    ことを特徴とする画像読み取り装置。
  4. 請求項3記載の画像読み取り装置であって、
    前記クロストーク補正演算部は、前記受光部で検出された前記各色の信号を所定の色空間の信号へと変換するための色空間変換演算と、前記色間クロストークの補正式の演算と、を結合した演算を行うことで、色空間変換処理とクロストーク補正処理とを同時に行う、
    ことを特徴とする画像読み取り装置。
  5. 請求項3記載の画像読み取り装置であって、
    前記クロストーク補正演算部は、前記受光部で検出された前記各色の信号に対するシェーディング補正演算と、前記色間クロストークの補正式の演算と、を結合した演算を行うことで、シェーディング補正処理とクロストーク補正処理とを同時に行う、
    ことを特徴とする画像読み取り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007174640A (ja) * 2005-12-13 2007-07-05 Xerox Corp カラー入力スキャナ校正システム
JP2009230844A (ja) * 2008-02-29 2009-10-08 Sanyo Electric Co Ltd ピックアップ装置およびそれを備えるディスク装置
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CN107194361A (zh) * 2017-05-27 2017-09-22 成都通甲优博科技有限责任公司 二维姿势检测方法及装置

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