JP2007087737A - リチウムイオン導電性材料及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウムイオン導電性材料及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高いイオン導電性、特に高いリチウムイオン輸率を示す固体電解質の製造に有利に利用できるリチウム塩を提供する。
【解決手段】 下記式:

Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

[MはBもしくはAlを表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2、3を表わす]
で表わされるリチウム塩。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン導電性材料及びリチウム二次電池、そしてリチウムイオン導電性材料の構成材料として有利に用いられるリチウム塩に関する。
リチウム二次電池は、小型で軽量でありながら、高エネルギーの電力を供給する電気化学デバイスとして、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯用の電子機器に組込まれ、広く普及している。また、電気自動車用の電源やハイブリッドカー用の電源としての利用も検討されている。従って、さらに性能が向上したリチウム二次電池(リチウムイオン二次電池)の開発のために研究が行なわれている。
リチウム二次電池として最も実用化が進んでいるのは、非プロトン性の有機溶媒にリチウム塩を溶解させた液体電解質を用いるタイプのものであり、また液体電解質を多孔性の樹脂構造体材料に含浸させたゲルポリマー電解質を用いるタイプのものも実用化されている。これらのタイプのリチウム二次電池は、小型二次電池として用いる場合には問題はないが、可燃性の有機溶媒を用いているため、自動車の駆動源として用いる大型のリチウム二次電池として用いる場合は、安全性の点で問題がある。
近年、上記のような液体電解質の問題点を考慮して、リチウム塩を高分子材料中に溶解させて調製した固体電解質を用いるリチウム二次電池の研究も進んでいる。固体電解質を用いるリチウム二次電池(全固体型リチウム二次電池)は、安全性が高い上に、軽量で弾性を示す薄膜型電池として成形して利用することも可能であるという利点もあり、大型あるいは小型に限らない電気化学デバイスとしての利用が検討されている。
全固体型リチウム二次電池の電解質の調製に用いる高分子材料として代表的なものとしてポリエチレンオキシドが知られている。しかしながら、ポリエチレンオキシドは室温で高い結晶性を示すため、ポリエチレンオキシドにリチウム塩を溶解させて調製した固体電解質では室温でのイオン導電率が低いという問題がある。
このため、リチウムイオンの移動を担う高分子材料の高分子鎖のセグメント運動を高める試みがなされた結果、ポリシロキサン、ポリホスファゼン、ポリエーテルなどの高分子材料の主鎖にオリゴエーテル鎖を側鎖として導入した櫛状高分子材料あるいは樹枝状高分子材料が開発され、室温におけるイオン導電率が向上した固体電解質を製造することが可能となった。
しかしながら、エーテル系の高分子材料にリチウム塩を溶解させた固体電解質中では、リチウムイオンのみならず、リチウム塩の対アニオンもまた移動する。従って、このタイプの固体電解質を用いたリチウム二次電池について充放電中に対アニオンが一方の電極上に堆積して、電池の内部抵抗が上昇するという好ましくない現象が現われる。このため、特にリチウムイオンの移動性(輸率)が高い固体電解質の開発がさらに必要となる。
特許文献1には、対アニオンの補捉能を有するボロキシンリングを導入することによってリチウムイオン輸率が向上したイオン導電性高分子材料が記載されている。
非特許文献1には、嵩高い置換基を導入することによりリチウムイオン輸率が向上したアルミネート錯体に電子吸引性置換基及びオリゴエーテル基を導入したリチウム塩が記載されている。
非特許文献2には、対アニオンを高分子材料中に固定することによってシングルイオン導電性を示すアルミネート構造を有するイオン導電性高分子材料が記載されている。
非特許文献3には、ペンタフルオロチオフェノキシ置換リチウムオルトボレートがポリマーに不溶性でありながら、イオン導電性を示すことが記載されている。
特開平11−54151号公報 T.Fujinami and Y.Buzoujima, J. Power Sources, 119, 438(2003) T.Fujinami, A.Tokimune, M.A.Mehta, D.F.Shriver and G.C.Rawsky, Chem. Mater., 9, 2236(1997). T.Fujinami and Takahiro Aoki, Abs.29, IMLB 12 Meeting (published by The Electrochemical Society, Inc., 2004)
本発明は、ポリマー分子中に溶解せず、高いイオン導電性、特に、高いリチウムイオン輸率を示す固体電解質の製造に有利に利用できるリチウム塩を提供することを目的とする。
本発明は、下記の式:

Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

[上記の式において、MはB(ホウ素)もしくはAl(アルミニウム)を表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2もしくは3を表わす]
で表わされるリチウム塩が固体媒体中に分散されてなるリチウムイオン導電性材料にある。
本発明はまた、下記の式:

Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

[上記の式において、MはBもしくはAlを表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2もしくは3を表わす]
で表わされるリチウムイオン導電性材料形成用として有利に用いることのできるリチウム塩にもある。
本発明はさらに、密閉容器中に、陽極シート、下記の式:

Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

[上記の式において、MはBもしくはAlを表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2もしくは3を表わす]
で表わされるリチウム塩が固体媒体中に分散されてなるリチウムイオン導電性材料からなる導電性シート、そして陰極シートがこの順に重ね合わされた状態で巻き回されて収容されてなるリチウム二次電池にもある。
本発明のリチウム塩を固体媒体中に分散してなるリチウムイオン導電性材料は高いイオン導電性、特に、高いリチウムイオン輸率を示すため、全固体型のリチウム二次電池の構成材料として有利に用いることができる。
また、本発明のリチウム塩を固体媒体中に分散したリチウムイオン導電性材料は、これまでに知られているリチウム塩を固体媒体中に分散したリチウムイオン導電性材料に比較して、下記のような優れた点がある。
(1)従来のリチウムイオン導電性材料ではリチウムイオン輸率が0.5未満であるのに対して、本発明のリチウムイオン導電性材料ではリチウムイオン輸率が0.5以上、特に0.6〜0.8と高い値を示す。
(2)本発明のリチウムイオン導電性材料は熱安定性が高く、100℃まで作動可能である。
(3)本発明のリチウムイオン導電性材料は、固体媒体としてフッ素系ポリマーを使用することができ、従って膜強度の高いリチウムイオン導電性薄膜を形成することができる。
(4)膜の製造は、溶媒を使用しても、あるいは使用しなくても可能である。
(5)従来のリチウムイオン導電性材料では、その室温における導電率が10-4Scm-1程度で、既に限界と考えられているが、本発明のリチウムイオン導電性材料は、そのイオン伝導機構が従来と異なり、条件の整備により、室温における導電率を10-4Scm-1を超えることができる期待される。
(6)電極との界面特性が良くなる(界面抵抗が安定で低く抑えられる)と期待される。
本発明のリチウム塩の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)リチウム塩が固体微粒子の状態にある。
(2)アゾール化合物が、ジアゾール化合物およびトリアゾール化合物からなる群より選ばれる一以上の化合物である。
(3)アゾール化合物が、イミダゾール、ベンズイミダゾール(ベンゾイミダゾールとも云う)、および1,2,3−1H−トリアゾールからなる群より選ばれる一以上の化合物である。
(4)nが0もしくは1である。
(5)nが0である。
(6)Mが、Alである。
本発明のリチウムイオン導電性材料の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)固体媒体中に固体微粒子状のリチウム塩が互いに接触状態で密に分散されている。
(2)固体媒体が、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリ(メトキシオリゴエチレングリコキシ)メタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、およびフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる重合体である。
(3)固体媒体が、さらに可塑剤を含む。
(4)上記の可塑剤が、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる化合物である。
次に、本発明のリチウム塩の製造方法を、MがAl(アルミニウム)であって、nが0である化合物(すなわち、Li+[Al(Azo)4-)を例にとって説明する。
Li+[Al(Azo)4-で表わされるリチウム塩は、水素化アルミニウムリチウムとH−Azoで表わされるアゾール化合物とを、前者1モルに対して後者4モルの割合で溶媒に溶解させ、これを加熱することにより合成することができる。
H−Azoで表わされるアゾール化合物の好適な化合物例としては、ジアゾール化合物とトリアゾール化合物(いずれの化合物も、炭素原子数が1〜6のアルキル基、アリール基、水酸基、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基、および/またはハロゲン原子などの置換基を有していてもよい)を挙げることができる。ジアゾール化合物の例としては、イミダゾール、ベンズイミダゾール、およびピラゾールを挙げることができる。トリアゾール化合物の例としては、トリアゾールおよびベンゾトリアゾールを挙げることができる。特に好ましいアゾール化合物は、イミダゾール、ベンズイミダゾール、および1,2,3−1H−トリアゾールである。アゾール化合物は、単独で用いてもよく、あるいは複数のアゾール化合物を組合わせて使用してもよい。
上記の溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチルピロリドン、およびアセトニトリルを挙げることができる。また、加熱温度は一般に、室温〜50℃の範囲の温度が選ばれる。
前記リチウム塩の式において、nが0でない化合物は、上記の反応において、H−Azoで表わされるアゾール化合物を、HQで表わされる該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物で置き換えることにより同様にして得ることができる。HQで表わされる化合物の例としては、置換基を有していてもよいチオフェノール、置換基を有していてもよいチオピロール、酢酸、トリフルオロ酢酸、フェノール、ペンタフルオロフェノール、そしてトリフルオロメタンスルホン酸を挙げることができる。
本発明のリチウム塩が、MがB(ホウ素)であって、nが0である化合物(すなわち、Li+[B(Azo)4-)である場合には、上記のLi+[Al(Azo)4-)での製造法において使用した水素化アルミニウムリチウムの代わりに水素化ホウ素リチウム(LiBH4)を用いることにより製造することができる。
本発明のリチウム塩は、固体電解質の固体媒体としての利用が知られている任意の固体媒体中に分散した状態でリチウムイオン導電性材料として用いることができる。固体電解質の固体媒体としての利用が知られている固体媒体の例としては、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリ(メトキシオリゴエチレングリコキシ)メタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、およびフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの重合体が挙げられる。これらの重合体は、可塑剤として知られている化合物(例、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びγ−ブチロラクトン)と混合して固体媒体として用いることが好ましい。
本発明のリチウム塩は、上記の固体媒体の溶液の調製に用いる有機溶媒には溶解しない。このため、本発明のリチウム塩は通常、微粒子の状態で固体媒体内に分散導入される。そして、リチウムイオン導電性材料中では、固体微粒子状のリチウム塩が互いに接触状態で密に分散されていることが好ましい。このような分散状態で本発明のリチウム塩がどのようなメカニズムでリチウムイオンの輸送に寄与しているかの点は明確ではないが、リチウムイオンが、リチウム塩粒子と固体媒体との界面に沿って伝達される機構であると考えられる。
本発明のリチウムイオン導電性材料を用いる全固体型のリチウム二次電池は、公知の全固体型のリチウム二次電池の製造方法と同様に、シート状に形成し、これを陰極シートと陽極シートとの間に挟み込み、得られた積層体を絶縁シートを介在させて巻き回した筒状体とし、これを密閉容器に収容することにより製造することができる。ただし、所望により、シート状あるいは角型などの任意の形態の全固体型のリチウム二次電池として利用することができる。
[実施例1]本発明のリチウム塩[Li+[Al(Azo)4-]の製造と特性評価
テトラヒドロフラン(THF)に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4、17.26g)を溶解させた溶液(1M溶液)に、水素化アルミニウムリチウムに対して4倍モルのイミダゾール(5.195g)をTHFに溶解させて得た溶液を添加し、室温、窒素雰囲気下にて2時間攪拌した。白色固体が生成すると共に理論量(427ML)の水素の発生が確認された。この反応結果、そして元素分析値、さらに白色固体の赤外吸収スペクトル測定(FT−IR測定)においてN−H結合が完全に消失している事実から、生成した白色固体は、リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート[LiTIA]であることが確認された。
上記のリチウムテトラキスイミダゾリルアルミネートは、水や一般的な有機溶媒に不溶であった。
また、上記のリチウムテトラキスイミダゾリルアルミネートを80℃でホットプレスして得たペレットの80℃でのイオン導電率を測定したところ、10-10Scm-1以下という小さい値であった。このイオン導電率は、リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート自体は、イオンを拡散することができないことを意味している。
[実施例2]リチウムイオン導電性シートの製造と評価
ポリエチレンオキシド(固体媒体、分子量:5.0×106)0.14gと実施例1で得たリチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート(リチウム塩)0.06gとを秤り取り、メノウ乳鉢に入れ、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で均一になるまで混合して、微粒子状の固体媒体と微粒子状のリチウム塩とが、質量比7:3で混合した混合物(リチウム塩比率:30質量%)を得た。次いで、得られた混合物を80℃でホットプレスによりシート状として、リチウム塩含有シートを得た。
同様にして、リチウム塩比率が各々、40質量%、50質量%、60質量%、70質量%そして80質量%のリチウム塩含有シートを得た。
30〜80℃の温度範囲にて、リチウム塩含有シートのイオン導電率を測定した。その結果を図1(リチウム塩濃度を横軸にとって表わしたグラフ)と図2(温度を横軸にとって表わしたグラフ)に示す。図1と図2から、各リチウム塩含有シートは、微粒子状のリチウム塩が固体媒体中で分散している状態のシートであるにも拘らず、イオン導電性を示すリチウムイオン導電性シートであることが確認された。このイオン導電性の存在は、リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネートが固体媒体中で溶解していない状態にあるにも拘らず、イオン解離し、リチウムイオンの拡散が発生したことを意味している。なお、リチウム塩含有シートの温度依存性は、固体媒体の緩和現象に依存するものと考えられる。
[実施例3]リチウムイオン導電性ゲル電解質シート(ホストポリマー:ポリエチレンオキシド)の製造と評価
ポリエチレンオキシド(PEO、0.10g、分子量:5.0×106)、リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート(LiTIA、0.15g)、そしてエチレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボネート(PC)混合溶媒(1.01g、1:1、体積比)、さらにホストポリマーを溶解させるためのアセトニトリル(4.0g)を混合し、均一になるまで攪拌したのち、ガラスシャーレ上に膜状にキャストし、その膜表面上に乾燥窒素をゆっくりと12時間流してアセトニトリルを蒸発除去し、最後に1時間減圧乾燥してリチウム塩含有ゲル電解質シート(EC−PC/PEO−LiTIA=80/20、質量比)を得た。
さらに、同様にして、(EC−PC/PEO−LiTIA)の質量比が、10/90、30/70、そして50/50(いずれも質量比)の合計三枚のリチウム塩含有ゲル電解質シートを得た。
30〜80℃の温度範囲にて、リチウム塩含有ゲル電解質シートのイオン導電率を測定した。その結果を図3(温度を横軸にとって表わしたグラフ)に示す。図3から、リチウム塩含有ゲル電解質シートは、実施例2で示したリチウム塩含有ポリマー電解質シートに比べて高いイオン導電率を示すことが確認された。
[実施例4]リチウムイオン導電性ゲル電解質シート(ホストポリマー:ポリビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)の製造と評価
ポリビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP、0.072g分子量:455000)、リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート(LiTIA、0.090g)、そしてエチレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボネート(PC)混合溶媒(0.29g、1:1、体積比)、さらにホストポリマーを溶解させるためのアセトン(1.0g)を混合し、均一になるまで攪拌したのち、ガラスシャーレ上に膜状にキャストし、その膜表面上に乾燥窒素をゆっくりと12時間流してアセトンを蒸発除去し、最後に1時間減圧乾燥してリチウムイオン導電性ゲル電解質シート(EC−PC−PVdF−HFP/LiTIA=80/20、質量比)を得た。
さらに、同様にして、(EC−PC−PVdF−HFP/LiTIA)の質量比が、20/80と50/50(いずれも質量比)の合計二枚のリチウムイオン導電性ゲル電解質シートを得た。
30〜80℃の温度範囲にて、リチウム塩含有ゲル電解質シートのイオン導電率を測定した。その結果を図4(温度を横軸にとって表わしたグラフ)に示す。図4から、ホストポリマーとしてポリビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を用いたリチウム塩含有ゲル電解質シートは、実施例3で示したリチウム塩含有ゲル電解質シート(ホストポリマー:ポリエチレンオキシド)に比べて室温付近では、高いイオン導電率を示すことが確認された。
[実施例5]本発明のリチウム塩[Li+[Al(Azo)4-]の製造と特性評価
イミダゾールの代わりに、それぞれベンズイミダゾール(BIA)及び1,2,3−1H−トリアゾール(3−TAA)を用いる以外は、実施例1に記載の方法に従い、リチウムテトラキスベンゾイミダゾリルアルミネート(LiTBIA)及びリチウムテトラキス1,2,3−1H−トリアゾールアルミネート(LiT3−TAA)をそれぞれ白色固体として得た。
白色固体が生成すると共に理論量の水素の発生が確認された。この反応結果、そして元素分析値、さらに白色固体の赤外吸収スペクトル測定(FT−IR測定)においてN−H結合が完全に消失している事実から、生成した白色固体は、それぞれ、LiTBIA及びLiT3−TAAであることが確認された。
[実施例6]リチウムイオン導電性シートの製造と評価
実施例5で得たLiTBIA及びLiT3−TAAを用い、実施例2に記載の方法に従い、リチウム塩/PEOが50/50(質量比)のリチウム塩含有シートを得た。
30〜80℃の温度範囲にて、リチウム塩含有シートのイオン導電率を測定した。その結果を図5に示す。なお、図5では、比較のため、実施例2で得たLiTIA含有シートのイオン導電率も図示した。図5から、LiTBIAあるいはLiT3−TAAを含有するリチウム塩含有シートもまた、微粒子状のリチウム塩が可塑剤中で分散している状態のシートであるにも拘らず、イオン導電性を示すリチウムイオン導電性シートであることが確認された。
本発明のリチウムイオン導電性材料のイオン導電率(リチウム塩:リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート、固相媒体:PEO、リチウム塩濃度を横軸にとって表わしたグラフ)を示す図である。 本発明のリチウムイオン導電性材料のイオン導電率(リチウム塩:リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート、固相媒体:PEO、温度を横軸にとって表わしたグラフ)を示す図である。 本発明のリチウムイオン導電性材料のイオン導電率(リチウム塩:リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート、固相媒体:PEOゲル、温度を横軸にとって表わしたグラフ)を示す図である。 本発明のリチウムイオン導電性材料のイオン導電率(リチウム塩:リチウムテトラキスイミダゾリルアルミネート、固相媒体:PVdF−HFP、温度を横軸にとって表わしたグラフ)を示す図である。 本発明のリチウムイオン導電性材料のイオン導電率(リチウム塩:Li+[M(Azo)4-n-、固相媒体:PEO)の他の例を示す図である。

Claims (24)

  1. 下記の式:

    Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

    [上記の式において、MはBもしくはAlを表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2もしくは3を表わす]
    で表わされるリチウム塩が固体媒体中に分散されてなるリチウムイオン導電性材料。
  2. 上記リチウム塩が固体微粒子の状態にある請求項1に記載のリチウムイオン導電性材料。
  3. 固体媒体中に固体微粒子状のリチウム塩が互いに接触状態で密に分散されている請求項2に記載のリチウムイオン導電性材料。
  4. アゾール化合物が、ジアゾール化合物およびトリアゾール化合物からなる群より選ばれる一以上の化合物である請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のリチウムイオン導電性材料。
  5. アゾール化合物が、イミダゾール、ベンズイミダゾール、および1,2,3−1H−トリアゾールからなる群より選ばれる一以上の化合物である請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のリチウムイオン導電性材料。
  6. nが0である請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のリチウムイオン導電性材料。
  7. Mが、Alである請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載のリチウムイオン導電性材料。
  8. 固体媒体が、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリ(メトキシオリゴエチレングリコキシ)メタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、およびフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる重合体である請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載のリチウムイオン導電性材料。
  9. 固体媒体が、さらに可塑剤を含む請求項8に記載のリチウムイオン導電性材料。
  10. 下記の式:

    Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

    [上記の式において、MはBもしくはAlを表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2もしくは3を表わす]
    で表わされるリチウム塩。
  11. 上記リチウム塩が固体微粒子の状態にある請求項10に記載のリチウム塩。
  12. アゾール化合物が、ジアゾール化合物およびトリアゾール化合物からなる群より選ばれる一以上の化合物である請求項10もしくは11に記載のリチウム塩。
  13. アゾール化合物が、イミダゾール、ベンズイミダゾール、および1,2,3−1H−トリアゾールからなる群より選ばれる一以上の化合物である請求項10もしくは11に記載のリチウム塩。
  14. nが0である請求項10乃至13のうちのいずれかの項に記載のリチウム塩。
  15. Mが、Alである請求項10乃至14のうちのいずれかの項に記載のリチウム塩。
  16. 密閉容器中に、陽極シート、下記の式:

    Li+[M(Azo)4-n,(Q)n-

    [上記の式において、MはBもしくはAlを表わし、Azoは、置換基を有していてもよい、脱離可能な水素原子を環形成窒素原子上に有するアゾール化合物から該水素原子が脱離した残基を表わし、Qは該アゾール化合物残基以外の脱離可能な水素原子を有する化合物の残基を表わし、そしてnは、0、1、2もしくは3を表わす]
    で表わされるリチウム塩が固体媒体中に分散されてなるリチウムイオン導電性材料からなる導電性シート、そして陰極シートがこの順に重ね合わされた状態で巻き回されて収容されてなるリチウム二次電池。
  17. 上記リチウム塩が固体微粒子の状態にある請求項16に記載のリチウム二次電池。
  18. 固体媒体中に固体微粒子状のリチウム塩が互いに接触状態で密に分散されている請求項16もしくは17に記載のリチウム二次電池。
  19. アゾール化合物が、ジアゾール化合物およびトリアゾール化合物からなる群より選ばれる一以上の化合物である請求項16乃至18のうちのいずれかの項に記載のリチウム二次電池。
  20. アゾール化合物が、イミダゾール、ベンズイミダゾール、および1,2,3−1H−トリアゾールからなる群より選ばれる一以上の化合物である請求項16乃至18のうちのいずれかの項に記載のリチウム二次電池。
  21. nが0である請求項16乃至20のうちのいずれかの項に記載のリチウム二次電池。
  22. Mが、Alである請求項16乃至21のうちのいずれかの項に記載のリチウム二次電池。
  23. 固体媒体が、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリ(メトキシオリゴエチレングリコキシ)メタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、およびフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる重合体である請求項16乃至22のうちのいずれかの項に記載のリチウム二次電池。
  24. 固体媒体が、さらに可塑剤を含む請求項23に記載のリチウム二次電池。
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