JP2007086279A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型の光学系によってカラー画像を投射することができるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】
本実施形態のプロジェクタ10では、各色の液晶パネル51r,51g,51bを等価な光路で照明することができ、各色の液晶パネル51r,51g,51bを照明する各色光の相対的な照度分布を一致させることができる。この際、緑色照明光は、両光分離装置44,45間で、赤色光の光路OP1や青色光の光路OP3と一部共通する光路を往復するので、プロジェクタ10を構成する光学系を小型化することができ、小型で高性能のプロジェクタ10を提供することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】
本実施形態のプロジェクタ10では、各色の液晶パネル51r,51g,51bを等価な光路で照明することができ、各色の液晶パネル51r,51g,51bを照明する各色光の相対的な照度分布を一致させることができる。この際、緑色照明光は、両光分離装置44,45間で、赤色光の光路OP1や青色光の光路OP3と一部共通する光路を往復するので、プロジェクタ10を構成する光学系を小型化することができ、小型で高性能のプロジェクタ10を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶パネル等の光変調装置を複数用いてカラー画像を投射することができるプロジェクタに関する。
従来のプロジェクタとして、光源からの光束を一対のダイクロイックミラーによって色分解し、各色光を両面ミラー等を含む多数のミラーを介してクロスダイクロイックプリズムの3側面に等価な光路で導いて、クロスダイクロイックプリズムで合成を行うものが存在する(特許文献1)。
別のプロジェクタとして、光源からの光束を一方のクロスダイクロイックミラーによって色分解し、下側に隣接して配置した他方のクロスダイクロイックミラーによって分解された各色光を合成すべく、両クロスダイクロイックミラーの側方に各色光に対応させて傾斜した各2枚のミラーを立体的に配置したものが存在する(特許文献2)。
別のプロジェクタとして、光源からの光束を一対のダイクロイックミラー等によって色分解し、1以上の特定色の光束を偏光ビームスプリッタ、位相差板等からなる光路長調整手段に導くことによって各色の光路の長さを調整しつつ、クロスダイクロイックプリズムで合成を行うものが存在する(特許文献3、4)。
別のプロジェクタとして、光源からの光束をダイクロイックミラー及びダイクロイックフィルタによって色分解し、偏光ビームスプリッタ、位相差板等によって各色の光路の長さを調整しつつ、クロスダイクロイックプリズムで合成を行うものが存在する(特許文献5)。
特開平5−66505号公報
特開平5−158167号公報
特開平8−254678号公報
特開平11−133529号公報
特開2005−49373号公報
しかし、上述のプロジェクタは、いずれも光路の形状が複雑で光学系が大型化するという問題がある。
そこで、本発明は、小型の光学系によってカラー画像を投射することができるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクタは、(a)第1偏光の第1及び第2の色光と、第1偏光と異なる第2偏光の第3の色光とを射出する照明装置と、(b)互いに交差して配置される色分離膜と偏光分離膜とを含み、色分離膜によって、照明装置から入射した第1及び第2の色光を透過させるとともに照明装置から入射した第3の色光を反射し、偏光分離膜によって、照明装置から入射した第1偏光の第1の色光を反射するとともに、第1偏光になっている第2の色光を反射しつつ、第2偏光になっている第2の色光を透過させ、照明装置から入射した第2偏光の第3の色光を透過させる光学部材と、(c)光学部材の第1射出部の後段に配置される位相差板と色分離膜とを含み、第1射出部から射出された第1の色光を透過させるとともに、第1射出部から射出された第2の色光を反射して逆行させる際に第1偏光を第2偏光に変更する第1光分離手段と、(d)光学部材の第2射出部の後段に配置される位相差板と色分離膜とを含み、第2射出部から射出された第3の色光を透過させるとともに、第2射出部から射出された第2の色光を反射して逆行させる際に第2偏光を第1偏光に変更する第2光分離手段と、(e)第1光分離手段を経た第1の色光によって照明される第1光変調装置と、(f)光学部材の第3射出部に対向して配置され、当該第3射出部から射出された第2の色光によって照明される第2光変調装置と、(g)第2光分離手段を経た第3の色光によって照明される第3光変調装置と、(h)光学部材の第1射出部から射出された第1の色光を、光路の折り曲げによって第1光変調装置に案内するとともに、光学部材の第3射出部から射出された第3の色光を、光路の折り曲げによって第3光変調装置に案内する光案内手段と、(i)第1から第3色光を第1から第3光変調装置によってそれぞれ変調することによって得た各色の像光を合成する光合成光学系と、(j)光合成光学系から射出される合成光を投射する投射光学系とを備える。
上記プロジェクタでは、光学部材に設けた色分離膜によって、第1及び第2の色光と第3の色光とが互いに分離される。また、第1光分離手段によって、第1の色光と第2の色光とが分離され、この際の偏光方向の切替によって、第2の色光に対して光学部材の偏光分離膜の透過を可能にする。次に、第2光分離手段によって第2の色光の偏光方向が切り替えられ、第2の色光に対して光学部材の偏光分離膜での反射、すなわち光学部材の第3射出部からの射出を可能にする。第2の色光については、結果的に第1及び第2光分離手段間を光学部材を介して1往復させることができ、第2の色光の光路の長さを往復分だけ長くすることができる。一方、第2の色光が第2光変調装置に直接的に入射するのに対し、第1及び第3の色光は、光案内手段を介して第1及び第3光変調装置に間接的にそれぞれ入射する。したがって、光案内手段を経ることで第1及び第3の色光に関して光路の長さが増加する分を、第1及び第2光分離手段間を1往復することで第2の色光に関して光路の長さ増加する分によって相殺することができる。つまり、第1〜第3光変調装置を等価な光路を経た第1〜第3の色光で照明することができ、第1〜第3光変調装置を照明する各色光の相対的な照度分布を簡易に一致させることができる。なお、以上において、第1及び第2光分離手段は、光路方向の寸法を薄くすることができ、第1の色光や第3の色光の光路上で第2の色光を往復させるだけの構成であるので、プロジェクタを構成する光学系のサイズの増加を十分に抑えることができ、小型で高性能のプロジェクタを提供することができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、上記プロジェクタにおいて、照明装置が、第1から第3の色光を含む光源光を発生する光源と、当該光源からの光源光を均一化する均一化光学系と、当該光源からの光源光を第1偏光に変換する偏光変換装置と、第1偏光に変換された第1から第3の色光のうち第3の色光を第2偏光に変換する波長選択性位相差板とを含む。本プロジェクタでは、第1から第3の色光を発生する共通のランプ光源等からの光源光を第1偏光に変換して効率的利用を図ることができるだけでなく、光学部材に設けた色分離膜によって第1及び第2の色光から分離される第3の色光が偏光分離膜による不要な干渉を受けないようにできる。
また、本発明の別の態様では、第1光分離手段が、位相差板及び色分離膜を透過した第1の色光の偏光方向を第1偏光にする第1副波長板をさらに備え、第2光分離手段が、位相差板及び色分離膜を透過した第3の色光の偏光方向を第1偏光にする第2副波長板をさらに備える。この場合、第1偏光の設定により、第1の色光や第3の色光が光案内手段内で光路を折り曲げられる際に、反射損失が大きくなることを防止できる。
また、本発明のさらに別の態様では、第1から第3の色光が、波長が異なる3つの帯域に対応し、第2の色光が、中間の波長の帯域に対応する。例えば、第1から第3の色光が赤色光、緑色光、及び青色光とした場合、第2の色光は緑色光となる。第2の色光は、上述のように光学部材から第1及び第2光分離手段にかけて第1の色光や第3の色光と共通する光路を有するので、第2の色光が中間の波長の帯域の場合、各光学要素における各色光の取り扱い比較的無理のないものに設定し易く、効率的な色分離が可能になる。
また、本発明のさらに別の態様では、光合成光学系が、互いに交差して配置される一対の偏光分離膜を含み、第1入射部からの第1の色光を当該一対の偏光分離膜の一方で反射し、第2入射部からの第3の色光を当該一対の偏光分離膜の他方で反射し、かつ、第3入射部からの第2の色光を当該一対の偏光分離膜を介して透過させる。この場合、両偏光分離膜を効率良く利用して、効率的な色合成が可能になる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ10は、光源光を発生する光源としての光源装置20と、光源装置20からの照明光を均一化するとともにその偏光状態を調整する均一化光学系30と、均一化光学系30を経た照明光を赤・緑・青の3色に分割する色分離光学系40と、色分離光学系40から射出された各色の照明光によって照明される光変調部50と、光変調部50からの各色の変調光を合成するクロスダイクロイックプリズム60と、クロスダイクロイックプリズム60を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ70とを備える。なお、以上のうち、光源装置20と均一化光学系30とは、色分割前の照明光を射出する照明装置として機能する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ10は、光源光を発生する光源としての光源装置20と、光源装置20からの照明光を均一化するとともにその偏光状態を調整する均一化光学系30と、均一化光学系30を経た照明光を赤・緑・青の3色に分割する色分離光学系40と、色分離光学系40から射出された各色の照明光によって照明される光変調部50と、光変調部50からの各色の変調光を合成するクロスダイクロイックプリズム60と、クロスダイクロイックプリズム60を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ70とを備える。なお、以上のうち、光源装置20と均一化光学系30とは、色分割前の照明光を射出する照明装置として機能する。
ここで、光源装置20は、略点状の発光部を形成するランプ本体21と、ランプ本体21から射出される光源光を再度集光する楕円面の凹面鏡22と、凹面鏡22で反射された光源光をコリメートする凹レンズ23とを備える。このうち、ランプ本体21は、例えば高圧水銀ランプからなり、略白色の光源光を射出する。また、凹面鏡22及び凹レンズ23は、ランプ本体21から放射される光線を反射して、平行光束として均一化光学系30に入射させる。なお、楕円面の凹面鏡22に変えて、球面や放物面等の各種凹面鏡を用いてもよい。放物面の凹面鏡を用いた場合は、凹面鏡22の後段に凹レンズ23等を設けなくとも、光源装置20から平行光束を射出させることが可能となる。
均一化光学系30は、分割光を形成する一対のフライアイ光学部材31,32と、分割光を重ね合わせるための重畳レンズ33と、照明光を所定の偏光成分に変換する偏光変換部材34と、特定色の偏光方向のみを選択的に切り替える波長選択性位相差板38とを備えている。一対のフライアイ光学部材31,32は、マトリックス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって、光源装置20からの照明光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材34は、フライアイ光学部材31,32から射出された照明光を一種類の偏光(具体的には図1の紙面に垂直なS偏光成分のみ)に変換して次段光学系に供給するための偏光変換装置である。重畳レンズ33は、偏光変換部材34を経た照明光を全体として適宜収束させて、光変調部50に設けた各色の光変調装置に対する重畳照明を可能にする。つまり、両フライアイ光学部材31,32と重畳レンズ33とを経た照明光は、以下に詳述する色分離光学系40を経て、光変調部50を構成する各色の光変調装置すなわち各色の液晶パネル51r,51g,51bの画像形成領域を均一に重畳照明する。波長選択性位相差板38は、均一化光学系30から射出される照明光のうち、第1の赤色光と第2の緑色光とをS偏光状態に維持しつつ、第3の青色光をS偏光状態からP偏光状態に変換する。波長選択性位相差板38は、リターダすなわち屈折率異方性材料を積層することによって形成される光学素子であり、特定波長帯域(ここでは青色の帯域)のみについて、その偏光方向を入力された状態から90°回転させることができ、他の波長帯域(ここでは赤及び緑色の帯域)については、その偏光方向を入力されたままの偏光状態に維持することができるというものである。
色分離光学系40は、プリズム部材42と、第1光分離装置44と、第2光分離装置45と、折曲ミラー47a,47b,47c,47dと、フィールドレンズ49r,49g,49bとを備える。このうち、プリズム部材42は、本発明の光学部材に相当するものであり、入射した照明光の波長と偏光方向とに応じて透過及び反射を制御することができ、後述する第1及び第2光分離装置44,45と協働して照明光から赤色光と緑色光と青色光とを分岐する色分離手段として機能する。また、第1光分離装置44は、プリズム部材42から射出された赤色光を透過させるとともに、緑色光を反射して逆行させる際にS偏光状態からP偏光状態に変更する第1光分離手段として機能し、第2光分離装置45は、プリズム部材42から射出された青色光を透過させるとともに、緑色光を反射して逆行させる際にP偏光状態からS偏光状態に変更する第2光分離手段として機能する。折曲ミラー47a,47b,47c,47dは、光案内手段として機能し、第1光分離装置44から射出された赤色光を、光変調部50に設けた赤色用の光変調装置すなわち液晶パネル51rに案内するとともに、第2光分離装置45から射出された青色光を、光変調部50に設けた青色用の光変調装置すなわち液晶パネル51bに案内する。
プリズム部材42は、例えば誘電体多層膜で形成されS偏光を選択的に反射する偏光分離膜42aと、例えば誘電体多層膜で形成され青色光を選択的に反射する色分離膜42bとをX字状に交差させた状態で内蔵するものである。このプリズム部材42は、均一化光学系30を経たS偏光の赤色光を、偏光分離膜42aで反射して進行方向右側に射出させる。この際、赤色光は、色分離膜42bを透過しこの作用を受けない。また、プリズム部材42は、均一化光学系30を経たS偏光の緑色光も、偏光分離膜42aで反射して進行方向右側に射出させる。また、プリズム部材42は、均一化光学系30を経たP偏光の青色光を色分離膜42bで反射して進行方向左側に射出させる。この際、P偏光である青色光は、偏光分離膜42aを透過しこの作用を受けない。
第1光分離装置44は、フィルタミラー44aと、第1波長板44bと、第2波長板44cとを備える。フィルタミラー44aは、例えば誘電体多層膜で形成されたダイクロイックミラー等で構成される色分離膜であり、これに略垂直に入射する赤色光を選択的に透過させるとともに、同様に入射する緑色光を選択的に反射する。第1波長板44bは、(1/4)λ板と呼ばれる位相差板であり、プリズム部材42から第1光分離装置44側に射出される光束の特定偏光成分の位相をずらすことにより、直線偏光を円偏光にし、円偏光を直線偏光にする。また、第2波長板44cは、(3/4)λ板と呼ばれるもので、第1副波長板として、フィルタミラー44aを通過した光束の特定偏光成分の位相をずらすことにより、円偏光を直線偏光にする。以上のような第1光分離装置44に入射した赤色光に着目すると、この赤色光は、まず第1波長板44bでS偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー44aを通過した後に第2波長板44cで円偏光からS偏光に戻され、折曲ミラー47aに入射する。一方、緑色光は、まず第1波長板44bでS偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー44aで反射された後に第1波長板44bを再度通過して円偏光からP偏光に変換され、プリズム部材42に戻される。つまり、第1光分離装置44を経ることによって、赤色光は、偏光方向を維持したままで直進し、緑色光は、偏光方向を90°変化させて逆行する。
第2光分離装置45は、フィルタミラー45aと、第1波長板45bと、第2波長板45cとを備える。フィルタミラー45aは、例えば誘電体多層膜で形成されたダイクロイックミラー等で構成される色分離膜であり、これに略垂直に入射する青色光を選択的に透過させるとともに、同様に入射する緑色光を選択的に反射する。第1波長板45bは、(1/4)λ板と呼ばれる位相差板であり、プリズム部材42から第2光分離装置45側に射出される光束の特定偏光成分の位相をずらすことにより、直線偏光を円偏光にし、円偏光を直線偏光にする。また、第2波長板45cも、(1/4)λ板と呼ばれるもので、第2副波長板として、フィルタミラー45aを通過した光束の特定偏光成分の位相をずらすことにより、円偏光を直線偏光にする。以上のような第2光分離装置45に入射した青色光に着目すると、この青色光は、まず第1波長板45bでP偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー45aを通過した後に第2波長板45cで円偏光からS偏光に変換され、折曲ミラー47cに入射する。一方、緑色光は、まず第1波長板45bでP偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー45aで反射された後に第1波長板45cを再度通過して円偏光からS偏光に変換され、プリズム部材42に戻される。つまり、第2光分離装置45を経ることによって、青色光は、偏光方向を90°変化させて直進し、緑色光は、偏光方向を90°変化させて逆行する。
なお、緑色光については、プリズム部材42の偏光分離膜42aで反射されてその第1射出部から射出された後に第1光分離装置44に入射し、第1光分離装置44で反射されて逆行する際にS偏光からP偏光にされる結果として、色分離膜42bのみならず偏光分離膜42aを通過してプリズム部材42の反対側である第2射出部から射出される。この第2射出部から射出された緑色光は、第2光分離装置45に入射し、第2光分離装置45で反射されて逆行する際にP偏光からS偏光にされる結果として、偏光分離膜42aで反射され、プリズム部材42の側面のうち残った第3射出部から射出される。結果的に、緑色光は、プリズム部材42をあたかも直進したように射出するが、第1光分離装置44と第2光分離装置45との間を1往復する分だけ余算の光路を進んだことになる。
折曲ミラー47a,47bは、第1光分離装置44を通過した赤色光を、S偏光のままでその光路を二度垂直に折り曲げる。これによって、赤色光は、一定間隔をおいて逆方向に向かう光束とされ、フィールドレンズ49rに入射する。以上のような経路をたどる赤色光の光源装置20等からの経路を第1光路OP1と呼ぶものとする。また、折曲ミラー47c,47dは、第2光分離装置45を通過した青色光を、S偏光のままでその光路を二度垂直に折り曲げる。これによって、青色光は、一定間隔をおいて逆方向に向かう光束とされ、フィールドレンズ49bに入射する。この際、赤色光や青色光がともにS偏光であることから、折曲ミラー47a,47b,47c,47dでの各色光の反射損失を最小限に抑えることができる。以上のような経路をたどる青色光の光源装置20等からの経路を第3光路OP3と呼ぶものとする。なお、緑色光の光路、すなわち光源装置20から均一化光学系30を経てプリズム部材42に入射し、プリズム部材42を通過する際に両光分離装置44,45間を往復し、フィールドレンズ49gに入射する経路を第2光路OP2と呼ぶものとする。
光変調部50は、色分離光学系40で色分離された3色の照明光がそれぞれ入射する3つの液晶パネル51r,51g,51bと、各液晶パネル51r,51g,51bを挟むように配置される3組の偏光フィルタ52r,52g,52bとを備える。ここで、例えば赤色光用の液晶パネル51rと、これを挟む一対の偏光フィルタ52r,52rとは、照明光を2次元的に輝度変調するための液晶ライトバルブを構成する。同様に、緑色光用の液晶パネル51gと、対応する偏光フィルタ52g,52gも、液晶ライトバルブを構成し、青色光用の液晶パネル51bと、偏光フィルタ52b,52bも、液晶ライトバルブを構成する。
光変調部50において、第1光路OP1に導かれたS偏光の赤色光は、フィールドレンズ49rおよび光入射側の偏光フィルタ52rを介して液晶パネル51rの画像形成領域をカバーする被照射領域に入射する。第2光路OP2に導かれたS偏光の緑色光は、フィールドレンズ49gおよび光入射側の偏光フィルタ52gを介して液晶パネル51gの被照射領域に入射する。第3光路OP3に導かれたP偏光の青色光は、フィールドレンズ49bおよび光入射側の偏光フィルタ52bを介して液晶パネル51bの被照射領域に入射する。各液晶パネル51r,51g,51bは、入射した照明光の偏光方向の空間的分布を変化させるための非発光で透過型の光変調装置であり、各光路OP1〜OP3を介して各液晶パネル51r,51g,51bにそれぞれ入射した各色光は、各液晶パネル51r,51g,51bに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて、画素単位で偏光状態が調整される。その後、光射出側の偏光フィルタ52r,52g,52bによって、各液晶パネル51r,51g,51bから射出される光から所定の偏光方向(図示の場合、P偏光)の変調光が取り出される。
なお、液晶パネル51rの射出側の偏光フィルタ52rの後段であってクロスダイクロイックプリズム60の第1入射面に対向する位置には、(1/2)λ板53rが配置されており、ライトバルブを経た赤色の変調光をP偏光状態からS偏光状態に変換する。また、液晶パネル51bの射出側の偏光フィルタ52bの後段であってクロスダイクロイックプリズム60の第2入射面に対向する位置には、(1/2)λ板53bが配置されており、ライトバルブを経た青色の変調光をP偏光状態からS偏光状態に変換する。
クロスダイクロイックプリズム60は、光合成光学系であり、例えば誘電体多層膜で形成される赤色光反射用の反射膜61と、同様に誘電体多層膜で形成される青色光反射用の反射膜62とをX字状に交差させた状態で内蔵するものである。このクロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル51rからのS偏光の赤色光を反射膜61で反射して進行方向右側に射出させ、液晶パネル51gからのP偏光の緑色光を反射膜61,62を介して直進・射出させ、液晶パネル51bからのS偏光の青色光を反射膜62で反射して進行方向左側に射出させる。このようにクロスダイクロイックプリズム60で合成された像光は、投射光学系である投射レンズ70を経て適当な拡大率でスクリーン(不図示)にカラー画像として投射される。
図2は、図1のプロジェクタ10、特に色分離光学系40と、光変調部50と、クロスダイクロイックプリズム60とにおける各色の光路を模式的に説明する図である。なお、説明の便宜上、一部の光学素子を図面から省略している。
プリズム部材42に入射した赤色光は、偏光分離膜42aで反射されて、その第1射出部OU1から射出された後に第1光分離装置44に入射し、第1光分離装置44をS偏光のまま通過する。第1光分離装置44を通過した赤色光は、一対の折曲ミラー47a,47bによって液晶パネル51rに導かれ、クロスダイクロイックプリズム60の第1入射部IN1に入射する。クロスダイクロイックプリズム60にS偏光として入射した赤色光は、反射膜61で反射されて不図示の投射レンズ70側の側面から射出される。以上の光路OP1において、赤色光は、照明光として、プリズム部材42に相当する第1ブロックBL1と、折曲ミラー47a,47bに相当する第2,4ブロックBL2,BL4を通過し、像光として、クロスダイクロイックプリズム60に相当する第6ブロックBL6とを通過する。この際、各ブロックBL1,BL2,BL4,BL6の一辺の長さをLとし、第2,4ブロックBL2,BL4の間隔をDとすると、赤色照明光の光路の長さは、3L+Dで与えられる。
緑色光については、プリズム部材42の偏光分離膜42aで反射されて、その第1射出部OU1から射出された後に、第1光分離装置44で反射されて逆行する際にS偏光からP偏光にされ、偏光分離膜42a及び色分離膜42bを通過してプリズム部材42の第2射出部OU2から射出されて第2光分離装置45に入射する。緑色光は、第2光分離装置45で反射されて逆行する際にP偏光からS偏光にされ、偏光分離膜42aで反射されてプリズム部材42の第3射出部OU3から最終的に射出される。プリズム部材42から射出された緑色光は、液晶パネル51gを経てクロスダイクロイックプリズム60の第2入射部IN3に入射する。クロスダイクロイックプリズム60にP偏光として入射した赤色光は、反射膜61,62を透過して不図示の投射レンズ70側の側面から射出される。以上の光路OP2において、緑色光は、照明光として、第1ブロックBL1を実質3回通過し、像光として、第6ブロックBL6を1回通過する。結果的に、緑色照明光の光路の長さは、赤色光の場合と同様に3L+Dで与えられる。
青色光については、プリズム部材42の色分離膜42bで反射されて、その第2射出部OU2から射出された後に第2光分離装置45に入射し、第2光分離装置45を通過してS偏光とされる。第2光分離装置45を通過した青色光は、一対の折曲ミラー47c,47dによって液晶パネル51bに導かれ、クロスダイクロイックプリズム60の第3入射部IN2に入射する。クロスダイクロイックプリズム60にS偏光として入射した青色光は、反射膜62で反射されて不図示の投射レンズ70側の側面から射出される。以上の光路OP3において、青色光は、照明光として、第1ブロックBL1と、折曲ミラー47c,47cに相当する第2,4ブロックBL3,BL5とを通過し、像光として、第6ブロックBL6とを通過する。結果的に、青色照明光の光路の長さは、赤色光や緑色光の場合と同様に3L+Dで与えられる。
なお、以上の説明では、各色光が同一屈折の媒体中を伝播するように説明したが、実際にはプリズム中と空気中では光路長が異なる。この場合、各ブロックBL1〜BL6の配置や第1及び第2光分離装置44,45の配置の調整によって、各色の光路の長さを正確に一致させることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のプロジェクタ10では、各色の液晶パネル51r,51g,51bを等価な光路で照明することができ、ひいては、各色の液晶パネル51r,51g,51bを照明する各色光の相対的な照度分布を一致させることができる。この際、緑色照明光は、両光分離装置44,45間で、赤色光の光路OP1や青色光の光路OP3と一部共通する光路を往復するので、緑色光の光路OP2が外部に拡張することを防止できる。結果的に、プロジェクタ10を構成する光学系を小型化することができ、小型で高性能のプロジェクタ10を提供することができる。
以上の第1実施形態では、赤色光を光路OP1に導き、青色光を光路OP3に導いているが、青色光を光路OP1に導き、赤色光を光路OP3に導くこともできる。この場合、波長選択性位相差板38は、青色光と緑色光とをS偏光状態に維持しつつ、赤色光をS偏光状態からP偏光状態に変換する。また、プリズム部材42の色分離膜42bは、赤色光を選択的に反射するものとする。第1光分離装置44は、フィルタミラー44aの特性設定によって、プリズム部材42からの青色光を透過させるとともに、緑色光を反射して逆行させる際にS偏光状態からP偏光状態に変更するものとする。液晶パネル51rの位置には青色用の液晶パネルを配置し、反射膜61は青色光反射用とする。一方、第2光分離装置45は、フィルタミラー45aの特性設定によって、プリズム部材42からの赤色光を透過させるとともに、緑色光を反射して逆行させる際にP偏光状態からS偏光状態に変更するものとする。液晶パネル51bの位置には赤色用の液晶パネルを配置し、反射膜62は赤色光反射用とする。
第1実施形態のプロジェクタ10において、第1光分離装置44の第2波長板44cについては、(3/4)λ板に代えて(1/4)λ板にすることができ、この場合、赤色用のライトバルブ51r,52rをP偏光用のものとするとともに、その後段の(1/2)λ板53rを取り除く。なお、第1光分離装置44等をそのままとして、(1/2)λ板53rのみを光路上から取り除くこともできる。
また、第2光分離装置45の第2波長板45cについては、(1/4)λ板に代えて(3/4)λ板にすることができ、この場合、青色用のライトバルブ51b,52bをP偏光用のものとするとともに、その後段の(1/2)λ板53bを取り除く。なお、第2光分離装置45等をそのままとして、(1/2)λ板53bのみを光路上から取り除くこともできる。
〔第2実施形態〕
図3は、第2実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ110は、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタ10を一部変更したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のプロジェクタ10と同一の構造を有し、また、共通する部分については同一の符号を付して重複説明を省略するものとする。
図3は、第2実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ110は、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタ10を一部変更したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のプロジェクタ10と同一の構造を有し、また、共通する部分については同一の符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のプロジェクタ110は、図1の色分離光学系40を変形した色分離光学系140を備える。これに応じて、光変調部150は、図1に示す光変調部50の構成要素について配置を変更したものとなっている。
この場合、第1光分離装置144に設けたフィルタミラー144aは、入射した緑色光を選択的に透過させるとともに、入射した赤色光を選択的に反射する。第1光分離装置144に入射した緑色光に着目すると、この緑色光は、まず第1波長板44bでS偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー144aを通過した後に第2波長板44cで円偏光からS偏光に戻され、折曲ミラー47aに入射する。一方、赤色光は、まず第1波長板44bでS偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー144aで反射された後に第1波長板44bを再度通過して円偏光からP偏光に変換され、プリズム部材42に戻される。つまり、第1光分離装置144を経ることによって、緑色光は、偏光方向を維持したままで直進し、赤色光は、偏光方向を90°変化させて逆行する。
一方、第2光分離装置145に設けたフィルタミラー145aは、入射した青色光を選択的に透過させるとともに、入射した赤色光を選択的に反射する。第2光分離装置145に入射した青色光に着目すると、この青色光は、まず第1波長板45bでP偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー145aを通過した後に第2波長板45cで円偏光からS偏光に変換され、折曲ミラー47cに入射する。一方、赤色光は、まず第1波長板45bでP偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー145aで反射された後に第1波長板45cを再度通過して円偏光からS偏光に変換され、プリズム部材42に戻される。つまり、第2光分離装置145を経ることによって、青色光は、偏光方向を90°変化させて直進し、赤色光は、偏光方向を90°変化させて逆行する。
緑色光が導かれる光路OP11には、緑色用の液晶パネル51gや偏光フィルタ52gが配置され、クロスダイクロイックミラー160において、図1のような反射膜61に代えて、緑色を反射させ赤及び青色光を透過させる反射膜161を用いる。一方、赤色光が導かれる光路OP12には、赤色用の液晶パネル51rや偏光フィルタ52rが配置される。
赤色光については、プリズム部材42の偏光分離膜42aで反射されて、その第1射出部から射出された後に、第1光分離装置144で反射されて逆行する際にS偏光からP偏光にされ、偏光分離膜42a及び色分離膜42bを通過してプリズム部材42の第2射出部から射出されて第2光分離装置145に入射する。この赤色光は、第2光分離装置145で反射されて逆行する際にP偏光からS偏光にされ、偏光分離膜42aで反射されてプリズム部材42の残った側面すなわち液晶パネル51rに対向する第3射出部から射出される。
本実施形態のプロジェクタ110でも、各色の液晶パネル51r,51g,51bを等価な光路で照明することができ、各色の液晶パネル51r,51g,51bを照明する各色光の相対的な照度分布を一致させることができる。この際、赤色照明光は、両光分離装置144,145間で、緑色光の光路OP11や青色光の光路OP13と一部共通する光路を往復するので、プロジェクタ110を構成する光学系を小型化することができ、小型で高性能のプロジェクタ110を提供することができる。
以上の第2実施形態では、緑色光を光路OP11に導き、青色光を光路OP13に導いているが、青色光を光路OP11に導き、緑色光を光路OP13に導くこともできる。この場合、波長選択性位相差板38は、青色光と赤色光とをS偏光状態に維持しつつ、緑色光をS偏光状態からP偏光状態に変換する。また、プリズム部材42の色分離膜42bは、緑色光を選択的に反射するものとする。第1光分離装置144は、フィルタミラー144aの特性設定によって、プリズム部材42からの青色光を透過させるとともに、赤色光を反射して逆行させる際にS偏光状態からP偏光状態に変更するものとする。液晶パネル51gの位置には青色用の液晶パネルを配置し、反射膜161は青色光反射用とする。一方、第2光分離装置145は、フィルタミラー145aの特性設定によって、プリズム部材42からの緑色光を透過させるとともに、赤色光を反射して逆行させる際にP偏光状態からS偏光状態に変更するものとする。液晶パネル51bの位置には緑色用の液晶パネルを配置し、反射膜62は緑色光反射用とする。
第2実施形態のプロジェクタ110において、第1光分離装置144の第2波長板44cについては、(3/4)λ板に代えて(1/4)λ板にすることができ、この場合、緑色用のライトバルブ51g,52gをP偏光用のものとするとともに、その後段の(1/2)λ板53gを取り除く。なお、第1光分離装置144等をそのままとして、(1/2)λ板53gのみを光路上から取り除くこともできる。
また、第2光分離装置145の第2波長板45cについては、(1/4)λ板に代えて(3/4)λ板にすることができ、この場合、青色用のライトバルブ51b,52bをP偏光用のものとするとともに、その後段の(1/2)λ板53bを取り除く。なお、第2光分離装置145等をそのままとして、(1/2)λ板53bのみを光路上から取り除くこともできる。
〔第3実施形態〕
図4は、第3実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ210は、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタ10を一部変更したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のプロジェクタ10と同一の構造を有し、また、共通する部分については同一の符号を付して重複説明を省略するものとする。
図4は、第3実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ210は、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタ10を一部変更したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のプロジェクタ10と同一の構造を有し、また、共通する部分については同一の符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のプロジェクタ210は、図1の色分離光学系40を変形した色分離光学系240を備える。これに応じて、均一化光学系30に設けた波長選択性位相差板238の特性が変更され、色分離光学系40に設けたプリズム部材242に内蔵された色分離膜242bの特性も変更されている。また、光変調部250は、図1の光変調部50の配置を変更したものとなっている。
本実施形態の場合、波長選択性位相差板238は、均一化光学系30から射出される照明光のうち、赤色光と青色光とをS偏光状態に維持しつつ、緑色光のみをS偏光状態からP偏光状態に変換する。
色分離光学系40のプリズム部材242において、色分離膜242bは、緑色光のみを反射させ赤及び青色光を透過させる特性を有する。
第1光分離装置244に設けたフィルタミラー244aは、入射した赤色光を選択的に透過させるとともに、入射した青色光を選択的に反射する。第1光分離装置244に入射した赤色光に着目すると、この赤色光は、まず第1波長板44bでS偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー244aを通過した後に第2波長板44cで円偏光からS偏光に戻され、折曲ミラー47aに入射する。一方、青色光は、まず第1波長板44bでS偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー244aで反射された後に第1波長板44bを再度通過して円偏光からP偏光に変換され、プリズム部材242に戻される。つまり、第1光分離装置244を経ることによって、赤色光は、偏光方向を維持したままで直進し、青色光は、偏光方向を90°変化させて逆行する。
一方、第2光分離装置245に設けたフィルタミラー245aは、入射した緑色光を選択的に透過させるとともに、入射した青色光を選択的に反射する。第2光分離装置245に入射した緑色光に着目すると、この緑色光は、まず第1波長板45bでP偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー245aを通過した後に第2波長板45cで円偏光からS偏光に変換され、折曲ミラー47cに入射する。一方、青色光は、まず第1波長板45bでP偏光から円偏光に変換され、フィルタミラー245aで反射された後に第1波長板45cを再度通過して円偏光からS偏光に変換され、プリズム部材242に戻される。つまり、第2光分離装置245を経ることによって、緑色光は、偏光方向を90°変化させて直進し、青色光は、偏光方向を90°変化させて逆行する。
赤色光が導かれる光路OP21には、赤色用の液晶パネル51rや偏光フィルタ52rが配置される。また、緑色光が導かれる光路OP23には、緑色用の液晶パネル51gや偏光フィルタ52gが配置され、クロスダイクロイックミラー260において、図1のような反射膜62に代えて、緑色光を反射させ赤及び青色光を透過させる反射膜262を用いる。一方、青色光が導かれる光路OP22には、青色用の液晶パネル51bや偏光フィルタ52bが配置される。
青色光については、プリズム部材242の偏光分離膜42aで反射されて、その第1射出部から射出された後に、第1光分離装置244で反射されて逆行する際にS偏光からP偏光にされ、偏光分離膜42a及び色分離膜242bを通過してプリズム部材242の第2射出部から射出されて第2光分離装置245に入射する。この青色光は、第2光分離装置245で反射されて逆行する際にP偏光からS偏光にされ、偏光分離膜42aで反射されてプリズム部材242の残った側面すなわち液晶パネル51bに対向する第3射出部から射出される。
本実施形態のプロジェクタ210でも、各色の液晶パネル51r,51g,51bを等価な光路で照明することができ、各色の液晶パネル51r,51g,51bを照明する各色光の相対的な照度分布を一致させることができる。この際、青色照明光は、両光分離装置244,245間で、赤色光の光路OP21や緑色光の光路OP23と一部共通する光路を往復するので、プロジェクタ210を構成する光学系を小型化することができ、小型で高性能のプロジェクタ210を提供することができる。
以上の第3実施形態では、赤色光を光路OP21に導き、緑色光を光路OP23に導いているが、緑色光を光路OP21に導き、赤色光を光路OP23に導くこともできる。この場合、波長選択性位相差板238は、緑色光と青色光とをS偏光状態に維持しつつ、赤色光をS偏光状態からP偏光状態に変換する。また、プリズム部材242の色分離膜242bは、赤色光を選択的に反射するものとする。第1光分離装置244は、フィルタミラー244aの特性設定によって、プリズム部材242からの緑色光を透過させるとともに、青色光を反射して逆行させる際にS偏光状態からP偏光状態に変更するものとする。液晶パネル51rの位置には緑色用の液晶パネルを配置し、反射膜61は緑色光反射用とする。一方、第2光分離装置245は、フィルタミラー245aの特性設定によって、プリズム部材242からの赤色光を透過させるとともに、青色光を反射して逆行させる際にP偏光状態からS偏光状態に変更するものとする。液晶パネル51gの位置には赤色用の液晶パネルを配置し、反射膜262は赤色光反射用とする。
第3実施形態のプロジェクタ210において、第1光分離装置244の第2波長板44cについては、(3/4)λ板に代えて(1/4)λ板にすることができ、この場合、赤色用のライトバルブ51r,52rをP偏光用のものとするとともに、その後段の(1/2)λ板53rを取り除く。なお、第1光分離装置244等をそのままとして、(1/2)λ板53rのみを光路上から取り除くこともできる。
また、第2光分離装置245の第2波長板45cについては、(1/4)λ板に代えて(3/4)λ板にすることができ、この場合、緑色用のライトバルブ51g,52gをP偏光用のものとするとともに、その後段の(1/2)λ板53gを取り除く。なお、第2光分離装置245等をそのままとして、(1/2)λ板53gのみを光路上から取り除くこともできる。
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、第1実施形態等では、均一化光学系30からS偏光の照明光を発生するとしているが、均一化光学系30からP偏光の照明光を発生することもできる。この場合、長選択性位相差板38によって、赤色光と緑色光とをP偏光状態からS偏光状態に変換しつつ、青色光をP偏光状態に維持する。また、第3実施形態において、均一化光学系30からP偏光の照明光を発生することもできる。この場合、長選択性位相差板238によって、赤色光と青色光とをP偏光状態からS偏光状態に変換しつつ、緑色光をP偏光状態に維持する。
また、上記実施形態では、光源装置20からの光を複数の部分光束に分割するため、2つのフライアイ光学部材31,32を用いていたが、この発明は、このようなフライアイ光学部材すなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイ光学部材31,32をロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、図1、図3、及び図4に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
20…光源装置、 30…均一化光学系、 31,32…フライアイ光学部材、 33…重畳レンズ、 34…偏光変換部材、 38…波長選択性位相差板、 40…色分離光学系、 42…プリズム部材、 42a…偏光分離膜、 42b…色分離膜、 44…第1光分離装置、 44a…フィルタミラー、 44b…第1波長板、 44c…第2波長板、 45…第2光分離装置、 45a…フィルタミラー、 45b…第1波長板、 45c…第2波長板、 47a,47b,47c,47d…折曲ミラー、 50…光変調部、 51r,51g,51b…液晶パネル、 52r,52g,52b…偏光フィルタ、 60…クロスダイクロイックプリズム、 61,62…反射膜、 70…投射レンズ
Claims (5)
- 第1偏光の第1及び第2の色光と、前記第1偏光と異なる第2偏光の第3の色光とを射出する照明装置と、
互いに交差して配置される色分離膜と偏光分離膜とを含み、前記色分離膜によって、前記照明装置から入射した前記第1及び第2の色光を透過させるとともに前記照明装置から入射した前記第3の色光を反射し、前記偏光分離膜によって、前記照明装置から入射した前記第1偏光の前記第1の色光を反射するとともに、前記第1偏光になっている前記第2の色光を反射しつつ、前記第2偏光になっている前記第2の色光を透過させ、前記照明装置から入射した前記第2偏光の前記第3の色光を透過させる光学部材と、
前記光学部材の第1射出部の後段に配置される位相差板と色分離膜とを含み、前記第1射出部から射出された前記第1の色光を透過させるとともに、前記第1射出部から射出された前記第2の色光を反射して逆行させる際に前記第1偏光を前記第2偏光に変更する第1光分離手段と、
前記光学部材の第2射出部の後段に配置される位相差板と色分離膜とを含み、前記第2射出部から射出された前記第3の色光を透過させるとともに、前記第2射出部から射出された前記第2の色光を反射して逆行させる際に前記第2偏光を前記第1偏光に変更する第2光分離手段と、
前記第1光分離手段を経た第1の色光によって照明される第1光変調装置と、
前記光学部材の第3射出部に対向して配置され、当該第3射出部から射出された第2の色光によって照明される第2光変調装置と、
前記第2光分離手段を経た第3の色光によって照明される第3光変調装置と、
前記光学部材の前記第1射出部から射出された第1の色光を、光路の折り曲げによって前記第1光変調装置に案内するとともに、前記光学部材の第3射出部から射出された第3の色光を、光路の折り曲げによって前記第3光変調装置に案内する光案内手段と、
前記第1から第3色光を前記第1から第3光変調装置によってそれぞれ変調することによって得た各色の像光を合成する光合成光学系と、
前記光合成光学系から射出される合成光を投射する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。 - 前記照明装置は、前記第1から第3の色光を含む光源光を発生する光源と、当該光源からの光源光を均一化する均一化光学系と、当該光源からの光源光を前記第1偏光に変換する偏光変換装置と、前記第1偏光に変換された第1から第3の色光のうち第3の色光を前記第2偏光に変換する波長選択性位相差板とを含む請求項1記載のプロジェクタ。
- 前記第1光分離手段は、前記位相差板及び前記色分離膜を透過した前記第1の色光の偏光方向を前記第1偏光にする第1副波長板をさらに備え、前記第2光分離手段は、前記位相差板及び前記色分離膜を透過した前記第3の色光の偏光方向を前記第1偏光にする第2副波長板をさらに備える請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記第1から第3の色光は、波長が異なる3つの帯域に対応し、前記第2の色光は、中間の波長の帯域に対応する請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記光合成光学系は、互いに交差して配置される一対の偏光分離膜を含み、第1入射部からの前記第1の色光を当該一対の偏光分離膜の一方で反射し、第2入射部からの前記第3の色光を当該一対の偏光分離膜の他方で反射し、かつ、第3入射部からの前記第2の色光を当該一対の偏光分離膜を介して透過させる請求項1から請求項4のいずれか一項記載のプロジェクタ。
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JP2011012184A (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-20 | Hokkaido Univ | 蛍光性クラスターの製造方法および蛍光発光分散液 |
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2005
- 2005-09-21 JP JP2005273425A patent/JP2007086279A/ja not_active Withdrawn
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