JP2007084439A - アリールアミン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高効率、高耐久性の有機EL素子用の優れた正孔注入・輸送性を有し、かつアモルファス性に優れている、均質な化合物を提供すること。
【解決手段】 一対の電極とその間に挟まれた少なくとも一層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入層、正孔輸送層または正孔注入層と正孔輸送層双方の有機層の構成材料である、一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物。
【化1】
Figure 2007084439

[式中、Xは単結合、炭素原子または窒素原子を表し、Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれが同一でフェニレン基、ビフェニレン基またはターフェニレン基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアリール基を表し、このアリール基はさらにトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよく、さらに末端のアリール基は繰り返してトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよい。nは0または1を表す。]

Description

本発明は、各種の表示装置に好適な自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関するものであり、詳しくは分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物に関するものである。
有機EL素子は自己発光性素子であるため、液晶素子にくらべて明るく視認性に優れ、鮮明な表示が可能であるため、活発な研究がなされてきた。
1987年にイーストマン・コダック社のC.W.Tangらは各種の役割を各材料に分担した積層構造素子を開発することにより有機材料を用いた有機EL素子を実用的なものにした。彼らは電子を輸送することのできる蛍光体と正孔を輸送することのできる有機物とを積層し、両方の電荷を蛍光体の層の中に注入して発光させることにより、10V以下の電圧で1000cd/m2以上の高輝度が得られるようになった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平8−48656号公報 特許第3194657号公報
有機EL素子は、素子作製のプロセスと材料の特性の相違から、蒸着型の低分子系材料を用いた素子と塗布型の主として高分子系材料を用いた素子に分けられる。
蒸着型の素子は成膜のために真空蒸着装置を必要とするが、塗布型の素子は、塗布液を基板に塗布し、次いで塗布液中の溶媒を除去することによって容易に成膜をおこなえるので、製造工程が簡単となり、低コストで製造できる。インクジェット法や印刷法で簡便に塗布できるため、生産に高価な設備を必要としない。
塗布型の素子の作製に用いられる一般的な材料は、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)(以後、PPVと略称する)などの高分子系の材料であった(例えば、非特許文献1参照)。
Applied Physics Letters 71−1 34ペ−ジ(1997)
また各種の役割をさらに細分化して、発光層とは別に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層を設けた有機EL素子が検討されている。正孔注入層や正孔輸送層を塗布によって作製するための正孔注入或いは輸送材料として、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルフォナ−ト)(以後、PEDOT/PSSと略称する)が広範に用いられている(例えば、非特許文献2参照)。
Optical Materials 9 (1998) 125
しかし、PEDOT/PSSの塗布液は、PEDOTの分子鎖がイオン的な相互作用を及ぼしているPSSによって水和された水性のゲル分散液であるため、酸性の水溶液である。このため、塗布液がインクジェットの吐出ヘッドなどの塗布、印刷装置を腐食させるなど、使用上の難点がある。
また塗膜中のPSSが陽極に悪影響を与えることや、塗布液に使用した水が素子内に残存することが駆動中の劣化に繋がると指摘されている。さらに、PEDOTのチオフェン環が電子の流入によって還元されると言われている。これらの難点を有するがゆえに、PEDOT/PSSは十分な正孔注入・輸送材料であるとは言えず、とくに耐久性において、満足な素子特性が得られていなかった。
他方、蒸着型の素子における正孔注入・輸送材料としては、銅フタロシアニンや、[化1]式のMTDATAやその誘導体(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、これらは塗布によって安定な薄膜を形成させることができない。
Figure 2007084439
特開平4−308688号公報
また、有機EL素子の耐久性を高めるためには薄膜安定性の良い化合物を用いると良いとされている。薄膜安定性はアモルファス性の高い化合物ほど高く、アモルファス性の指標としてガラス転移点(Tg)が用いられている(例えば、非特許文献3参照)。
[非特許文献3]M&BE研究会Vol.11 No.1 32〜41頁 発行年:2000 (社)応用物理学会発行
ガラス転移点(Tg)は高いほど良いとされているが、[化3]式のMTDATAのガラス転移点は76℃で、アモルファス性が高いとは言えない。そのため、有機EL素子の耐熱性などの耐久性において、また、正孔注入・輸送の特性に起因する発光効率においても、
満足な素子特性が得られていなかった。
本発明の目的は、これらの問題点を解決して高効率、高耐久性の有機EL素子を提供することにある。またEL素子用の材料として、優れた特性を有する有機化合物を提供することにある。このような有機化合物の物理的な特性としては、(1)アモルファス性が高く塗布による成膜に適していること、(2)正孔注入能力に優れること、(3)正孔輸送能力を有すること、(4)150℃以上のガラス転移点を有しており薄膜状態が安定なこと、を挙げることができる。
そこで本発明者らは、上記の目的を達成するために、分子量1500以上6000以下のアリ−ルアミン化合物及びその誘導体である新規な有機化合物を化学合成して、種々の有機EL素子を試作し、素子の特性評価を鋭意行なった結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物である。また、本発明は一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下の、高効率、高耐久性の有機EL素子用アリールアミン化合物である。
Figure 2007084439

[式中、Xは単結合、炭素原子または窒素原子を表し、Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれが同一でフェニル基、ビフェニリル基またはターフェニル基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアリール基を表し、このアリール基はさらにトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよく、さらに末端のアリール基は繰り返してトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよい。nは0または1を表す。]
本発明の一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物の中で好ましいのは、分子内に窒素原子を9個または10個有しているものである。また、一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物の中で好ましいのは、分子内にトリフェニルアミン部分構造を7〜9個有しているものである。
一般式(1)中における基R1〜R6の具体例としては、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のナフチレン基、置換もしくは無置換のアントリル基、置換もしくは無置換のアントリレン基が挙げられる。また、一般式(1)で表される化合物の中で、好ましい化合物の代表例を[化3]式、[化4]式、[化5]式として次に示す。
Figure 2007084439
Figure 2007084439
Figure 2007084439
本発明の分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物は、優れた電子注入・輸送特性を有するばかりでなく、塗布によって安定な薄膜を容易に形成することができる。この結果、高効率、高耐久性の有機EL素子を実現できることが明らかになった。
本発明は、有機EL素子の正孔注入層、或いは正孔輸送層の薄膜の材料として有用な、分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物であり、本発明の材料を塗布した薄膜を用いることにより、従来の塗布型有機EL素子の発光効率と耐久性を格段に向上させることができる。
本発明のアリールアミン化合物及びその誘導体の分子量は、分子量1500以上6000以下が好ましい。このように本発明で分子量の下限を定める理由は、分子量が1500より小さい場合には塗布によって安定な薄膜を形成できなかったり、作製した有機EL素子の駆動時に結晶化などの欠陥を引き起こすからである。一方、分子量を6000とする理由は、化学合成時に異なる分子量の化合物が副生して分離することが難しいからである。
本発明の、分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物は、アリールアミンとアリールハライドをウルマン反応などによって縮合することによって合成することができる。
本発明の化合物の精製はカラム精製、溶媒による再結晶や晶析法により行った。カラム精製などにより単一分子種にまで精製することができた。化合物の構造は元素分析によって同定した。本発明の化合物が有する特徴の一つは、分子量が大きいにもかかわらず、高分子材料のような多種の分子種の混合物ではなく、単一の分子種で構成されていることである。
本発明者らは、単一分子種であることを実証する手段として、化合物をイオン化して電位差空間をドリフトさせて検出する、飛行時間型質量分析装置(TOF−MS)を用いた。TOF−MSを用いた分析結果は、本発明に用いた化合物の均質性を実証している。
化合物の物性値として、DSC測定(Tg)と融点の測定を行った。融点は蒸着性の指標となり、ガラス転移点(Tg)は薄膜状態の安定性の指標となる。融点とガラス転移点は、粉体を用いて、マックサイエンス製の示差走査熱量測定装置を用いて測定した。
また仕事関数は、ITO基板の上に100nmの薄膜を作成して、理研計器製の大気中光電子分光装置AC2を用いて測定した。仕事関数は正孔注入能力の指標となるものである。
本発明の化合物は、塗布液を作製し、塗布によって薄膜を成膜して有機EL素子を作製することができる。塗布液を作製するために用いる溶媒にはトリクロロエタンなどの塩素系の溶媒が適している。
塗布液を用いた成膜方法として、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法などの塗布方法を用いることができる。
本発明の化合物に適した有機EL素子の構造としては、基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層兼電子輸送層、陰極からなるものが挙げられる。これらの多層構造においては有機層を何層か省略することが可能である。
陽極としては、ITO、NESA、酸化スズのような仕事関数の大きな電極材料が用いられる。正孔注入層として、本発明の化合物の塗膜を用いる。この塗膜の上に、低分子材料を蒸着したり、高分子材料を重ねて塗布することによって、正孔輸送層や、発光層などを積層することができる。
正孔輸送層は省略することができるが、ベンジジン誘導体であるN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン(TPD)やN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン(NPD)、高分子材料などを用いることができる。発光層、或いは電子輸送層としては、キノリンのアルミ錯体、オキサゾール誘導体、高分子材料などを用いることができる。また、発光層に例えば、キナクリドン、クマリン、ルブレンなどの蛍光色素、或いはフェニルピリジンのイリジウム錯体などの燐光発光材料など、ドーパントと呼ばれている発光材を添加することや、電子輸送性の高い化合物を添加することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]N,N−ビス−(4’−ジフェニルアミノフェニル−4−イル)アミンの合成
窒素雰囲気下に、アセトアミド12.4g、4−ヨード−4’−ジフェニルアミノビフェニル45.0g、炭酸カリウム20.9g、銅粉2.0g、亜硫酸水素ナトリウム1.1g、ジフェニルエーテル15mlを撹拌しながら210℃で10時間反応した。反応終了後トルエン400mlを加えて1時間撹拌して熱ろ過し,ろ液を濃縮してアセチル体の粗晶を得た。粗晶にイソプロピルアルコール220mlと炭酸カリウム11.8gを加えて7時間還流した。反応液を濃縮して脱アセチル体の粗晶を得た。乾燥させた粗製物をカラムクロマトグラフにより精製して、11.6gの白色粉体を得た。
4,4’,4”−トリス〔N,N−ビス(4’−ジフェニルアミノビフェニル−4−イル)〕トリフェニルアミン(TPA−9)の合成
脱水トルエン7mlに、N,N−ビス−(4‘−ジフェニルアミノフェニル−4−イル)アミン1.00g、トリス(4−ブロモフェニル)アミン0.23g、ナトリウムターシャリーブトキシド0.26g、酢酸パラジウム(II)0.02g、亜硫酸水素ナトリウム0.003gを加え、加熱して還流下に、トリターシャリーブチルフォスフィンを脱水トルエン3mlに希釈した液を加えて4時間反応した。
反応終了後トルエン60mlを加えて1時間撹拌して熱ろ過し,ろ液の沈殿物を再度ろ過して粗製物を得た。乾燥させた粗製物をカラムクロマトグラフにより精製(担体:シリカゲル、溶離液:クロロホルム/ヘキサン=5/3)して、4,4’,4”−トリス〔N,N−ビス(4’−ジフェニルアミノビフェニル−4−イル)〕トリフェニルアミン0.33g(収率81%)を得た。
精製によって得られた白色粉体について元素分析によって化学構造を同定した。分析結果は以下の通りであった。
理論値(炭素88.17%)(水素5.94%)(窒素6.35%)
実測値(炭素87.85%)(水素5.98%)(窒素6.17%)
同定した化合物を質量分析装置であるMALDI−TOF−MS(Perspective Biosystem Inc.,信州大学繊維学部機能高分子学科製)を用いて分析した。TOF−MSの測定結果を[図1]に、拡大図を[図2]に示した。
TOFMSの結果から実施例1の化合物が、2206、2207、2205、2208、2210などの分子量を有する、単一な化学構造[化3]式の同位体群であることを確認した。以上の結果から本発明の化合物が、1500以上という高い分子量を有するにもかかわらず、高純度かつ均質であることは明白である。
本発明の実施例1の化合物と[化1]式のMTDATAについて、示差走査熱量測定装置(マックサイエンス製)によってガラス転移点を求めた。[化3]式の化合物のDCSチャ−トを[図3]に示す。以上の結果から本発明の化合物が顕著に高いガラス転移点を有することが明白である。
[化3]式の本発明合成例1の化合物 ガラス転移点 : 188℃
[化1]式のMTDATA ガラス転移点 : 76℃
本発明の実施例1の化合物をITO基板上に1,1,2−トリクロロエタンに2質量%
の濃度で溶解させた後、塗布液をスピンコート法によって塗膜し、真空オーブン中で100℃で乾燥させて約20nmの正孔注入層を成膜した。偏光顕微鏡観察によって、本発明の合成例の化合物では均一でかつ欠陥のない薄膜であることが観察された。
塗布によって作製した薄膜について、大気中光電子分光装置(理研計器製、AC2)で仕事関数を測定した。測定結果を次に示す。
[化3]式の本発明[合成例1]の化合物 仕事関数 : 5.13eV
以上の結果から本発明の有機EL素子に用いた化合物を用いて作製した薄膜は、正孔注入層として適性なエネルギ−準位を有しているといえる。
有機EL素子は、[図1]に示すように、ガラス基板1上に透明陽極2としてITO電極をあらかじめ形成したものの上に、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層兼電子輸送層5、陰極(アルミニウムマグネシウム電極)6の順に積層して作製した。
膜厚150nmのITOを成膜したガラス基板1を有機溶媒洗浄後に、酸素プラズマ処理をして表面を洗浄した。
ITO基板の上に、1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた合成例1の化合物(TPA−9)の塗布液をスピンコート法によって塗膜し、真空オーブン中で100℃で乾燥させて約20nmの正孔注入層を成膜した。これを、真空蒸着機内に取り付け0.001Pa以下まで減圧した。
続いて、正孔輸送層4として、TPDを蒸着速度0.6Å/sで約30nm形成した。次に、発光層兼電子輸送層5としてAlqを蒸着速度0.6Å/sで約50nm形成した。ここまでの蒸着をいずれも真空を破らずに連続して行なった。最後に、陰極蒸着用のマスクを挿入して、MgAgの合金を10:1の比率で約200nm蒸着して陰極6を形成した。作製した素子は、真空デシケ−タ−中に保存し、大気中、常温で特性測定を行なった。
このように形成された本発明の有機EL素子の特性を400mA/cm2の電流密度を負荷した場合の発光輝度、発光輝度/電圧で定義される発光効率と、さらに電流密度負荷を増大させたときの***前の最大輝度で評価した。この方法によって測定された最大輝度は素子の電気的な安定性を反映しているため、有機EL素子の耐久性の指標となる。
有機EL素子に400mA/cm2の電流密度を負荷すると、25000cd/m2の安定な緑色発光が得られた。この輝度での発光効率は5.10cd/Aと高効率であった。この時の素子電圧は14.0Vであった。さらに負荷を増大させると最大輝度21000cd/m2を示して素子は劣化した。
[比較例1]
比較のために、正孔注入層3の材料を[化1]式のMTDATAに代えてその特性を調べた。MTDATAでは塗布によって均一で欠陥のない薄膜を作製することができないため、蒸着によって薄膜を作製した。すなわち、ITO基板を真空蒸着機内に取り付け0.001Pa以下まで減圧し、正孔注入層3としてMTDATAを蒸着速度0.6Å/sで約20nm形成した。続いて実施例1と同様に、正孔輸送層、発光層兼電子輸送層、陰極をすべて蒸着によって形成した。これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連続して行なった。
MTDATAを用いた有機EL素子に400mA/cm2の電流密度を負荷すると、15300cd/m2の緑色発光が得られた。この輝度での発光効率は3.90cd/Aであった。この時の素子電圧は14.8Vであった。さらに負荷を増大させると最大輝度16000cd/m2を示して素子は劣化した。
以上の結果から本発明の有機EL素子の発光効率と耐久性が、従来の有機EL素子より優れていることが明白である。
本発明の分子量1500以上6000以下のア−リルアミン化合物は、アモルファス性が高く塗布によって薄膜を形成することができ、薄膜状態が安定であるため、有機EL素子用の化合物として優れている。本発明の化合物を用いて有機EL素子を作製することにより、従来の塗布型の有機EL素子の発光効率と耐久性を格段に改良することができ、例えば、照明、室内装飾の用途への展開が可能となった。
TOFMASのチャート図である。 TOFMASの拡大したチャート図である。 [化3]式の化合物のDSCチャート図である。 実施例5のEL素子構成を示した図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 透明陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層兼電子輸送層
6 陰極

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物。
    Figure 2007084439

    [式中、Xは単結合、炭素原子または窒素原子を表し、Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれが同一でフェニル基、ビフェニリル基またはターフェニル基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアリール基を表し、このアリール基はさらにトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよく、さらに末端のアリール基は繰り返してトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよい。nは0または1を表す。]
  2. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物が、分子内に窒素原子を9個または10個有していることを特徴とする請求項1記載のアリールアミン化合物。
  3. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物が、分子内に窒素原子を10個有していることを特徴とする請求項2記載のアリールアミン化合物。
  4. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物が、分子内にトリフェニルアミン部分構造を7〜9個有することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの項に記載のアリールアミン化合物。
  5. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下の有機エレクトロルミネッセンス素子用アリールアミン化合物。
    Figure 2007084439

    [式中、Xは単結合、炭素原子または窒素原子を表し、Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれが同一でフェニル基、ビフェニリル基またはターフェニル基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアリール基を表し、このアリール基はさらにトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよく、さらに末端のアリール基は繰り返してトリフェニルアミン部分構造を形成するようにしてジアリールアミノ基で置換されていてもよい。nは0または1を表す。]
  6. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物が、分子内に窒素原子を9個または10個有していることを特徴とする請求項5記載の、有機エレクトロルミネッセンス素子用アリールアミン化合物。
  7. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物が、分子内に窒素原子を10個有していることを特徴とする請求項6記載の、有機エレクトロルミネッセンス素子用アリールアミン化合物。
  8. 一般式(1)で表される分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物が、分子内にトリフェニルアミン部分構造を7〜9個有することを特徴とする請求項5〜請求項7いずれかの項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用アリールアミン化合物。


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