JP2007084378A - 水素の製造方法およびそれに使用する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
炭化水素の脱水素後の水素膜分離における非透過側ガス中の水素分圧を一定に維持しながら、脱水素生成物を系外に排出し、もって水素の損失を低減する。
【解決手段】
好ましい水素の製造方法は、次ぎの工程(I)乃至(III)からなる:
(I)炭化水素を、二重管式膜型の流通式脱水素反応器により連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得て、内管を構成する水素分離膜の内側である透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(II)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(III)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、実質的に脱水素化生成物を含む液化成分のみを系外へ排出する工程。
【選択図】 図2
炭化水素の脱水素後の水素膜分離における非透過側ガス中の水素分圧を一定に維持しながら、脱水素生成物を系外に排出し、もって水素の損失を低減する。
【解決手段】
好ましい水素の製造方法は、次ぎの工程(I)乃至(III)からなる:
(I)炭化水素を、二重管式膜型の流通式脱水素反応器により連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得て、内管を構成する水素分離膜の内側である透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(II)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(III)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、実質的に脱水素化生成物を含む液化成分のみを系外へ排出する工程。
【選択図】 図2
Description
本発明は、水素製造の分野において、炭化水素化合物、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素からなる原料油の脱水素反応で水素を発生させる水素製造方法及びそれに用いる水素製造装置に関するものである。
水素は石油精製、化学産業などをはじめとしてあらゆる産業分野において広く用いられている。とくに近年、将来のエネルギーとして水素エネルギーが注目されてきており燃料電池を中心に研究が進められているが、水素ガスは熱量あたりの体積が大きく、また液化に必要なエネルギーも大きいため、水素の貯蔵、輸送のシステムが重要な課題となっている。また水素供給のためにあらたなインフラストラクチャーの整備が必要である(非特許文献1参照)。一方、液状の炭化水素は水素ガスに比べてエネルギー密度が大きく取り扱いやすいことに加え、既存のインフラストラクチャーが利用できるという利点もあることから、炭化水素を貯蔵、輸送して、必要に応じ炭化水素から水素を製造する方法は重要である。
水素の製造はメタンや軽質パラフィンの水蒸気改質法、自己熱改質法、部分酸化法など公知の技術により広く行われているが、これらの反応は高温を必要とする。更に、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池によるオンサイトでの発電を対象とした場合には、その後段にシフト反応器及び、CO選択酸化もしくはメタネーションによる一酸化炭素除去器が必要となり、非常に複雑なプロセスとなる。また、自動車用の水素ステーションを対象とした場合には、PSA(圧力スイング吸着)を用いて高純度の水素にしなければならない。これはメタノールの改質方式においても同様で、オンサイトの場合では一酸化炭素の除去器が必要であり、水素ステーションの場合にはPSAが必要となる。
これに対し、液状の炭化水素を脱水素して水素を製造する方法では、反応が単純であることから製造プロセスも単純である。更に、生成物は気体である水素と、常温では液体である不飽和炭化水素であるため、両者の分離が比較的容易であるという特長がある。特にシクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を脱水素し芳香族環にする反応は、脱水素触媒の存在下で容易に反応が進行し、生成物である水素と芳香族炭化水素の分離も比較的に容易であるために、小規模の水素製造に適した方法である(非特許文献2参照)。しかしながら、生成した水素と芳香族炭化水素の温度を大気圧下、室温まで下げれば大部分の芳香族炭化水素は液化して水素と分離できるが、室温での蒸気圧に応じた量の芳香族炭化水素は水素ガス中に混入する。例えばトルエンの場合、15℃、大気圧下では約2.1%の混入となる。従って、燃料電池用途などのように水素の純度を高くする必要がある場合、水素と芳香族炭化水素の分離に問題が生じてくる。
分離の方法としては、冷却して分離する方法があるが、水素濃度99.9%以上を達成するためには、常圧で−30℃程度の低温が必要となる。冷凍機を用いた−30℃への冷却は水素製造においてエネルギー効率の低下をもたらし、設備も大きくなるため、好ましい除去方法ではない。
この他に、吸着剤に吸着させて分離する吸着分離方法がある。この方法では吸着後の吸着剤から芳香族炭化水素を脱離させて回収するとともに吸着剤を再生することが必要である。この中で、圧力の変動により吸着および脱離を行わせるPSA法(圧力スイング吸着法)がよく知られているが、水素ガスの回収率及び全体の効率が低く、また昇圧、降圧などの操作が必要でシステムとして大きなものとなる欠点がある。
上記以外の分離方法として、膜分離法が挙げられる。膜分離法はエネルギー効率が良いという特徴をもっており、分離膜の種類としては、主に、パラジウム膜、高分子膜、セラミック膜、カーボン膜がある。水素の精製では、高純度水素精製の目的でパラジウム膜が実用化されている(非特許文献3参照)。膜分離法を用いる場合、非透過側を高圧にする必要があるため、水素生成反応(脱水素反応)を高圧化するか、反応後の生成ガスを昇圧する必要が生じる。生成ガスを昇圧する場合、水素製造においてエネルギー効率の低下をもたらす。また、脱水素反応は化学平衡の制約上の点から、反応圧力を高くした場合、反応温度を高くする必要が生じてしまう。
しかしながら、主としてシクロヘキサン環を有する炭化水素の脱水素反応は、副反応である分解反応を抑制するため、より低温で反応を行う必要がある。例えば、メチルシクロヘキサンの脱水素反応においては360℃以下の温度で反応を行う必要がある。平衡論的な制約により、この工程の低温化は困難であった。この問題を解決するため、水素分離膜を組み込んだ膜反応器を用い、脱水素工程で発生する水素を反応場から選択的に取り除き、水素収率の向上と反応の低温化を達成しようとする技術として、例えば特許文献1には、水素を選択的に透過する多孔質セラミック膜を組み込みシクロヘキサンの脱水素反応を行う技術が開示されている。また、特許文献2、特許文献3には、パラジウム膜を用いた反応分離による水素製造技術が開示されている。しかしながら、いずれもスイープガスとしてアルゴン等のイナートガスを用いており、生成した水素の純度の点から、実用的ではない。
また、気体の膜分離を用いた技術においては、水素分離の駆動力は水素分圧差であるから透過側の水素の分圧と同じ分圧以上の水素が非透過側には必ず残存してしまうという問題があった。
小林紀,「季報エネルギー総合工学」,2003年,第25巻,第4号,p.73−87 市川勝,「工業材料」,2003年,第51巻,第4号,p.62−69 中垣正幸監修,「膜処理技術体系(上巻)」,フジ・テクノシステム,1991年,p.661−662およびp.922−925 特開平4−71638号公報
特開平3−217227号公報
特開平5−317708号公報
小林紀,「季報エネルギー総合工学」,2003年,第25巻,第4号,p.73−87 市川勝,「工業材料」,2003年,第51巻,第4号,p.62−69 中垣正幸監修,「膜処理技術体系(上巻)」,フジ・テクノシステム,1991年,p.661−662およびp.922−925
本発明の目的は、炭化水素、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素からなる原料油の脱水素反応による水素製造方法における分離、低温化、熱供給などの問題点を解決し、効率よく水素を製造する水素製造方法及びそのための水素製造装置を提供することである。
すなわち、膜分離における非透過側ガス中の水素分圧を一定に維持しながら、脱水素生成物を系外に排出し、もって水素の損失を低減する課題を解決する目的である。
すなわち、膜分離における非透過側ガス中の水素分圧を一定に維持しながら、脱水素生成物を系外に排出し、もって水素の損失を低減する課題を解決する目的である。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭化水素の脱水素反応により水素を発生させるに際し、水素膜分離器で水素を膜の透過側から選択的に除去し、膜の非透過側の生成物は、これを冷却して得られる液相部分のみを系外へ抜き出すことで、水素を非透過側から抜き出すことなく、非透過側の水素分圧を保ち、効率的に水素を製造する方法を提供するものである。
すなわち、本発明の第1は、以下の工程(I)ないし(IV)を具備することを特徴とする水素の製造方法に関する。
(I)炭化水素を連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得る工程;
(II)水素と脱水素化生成物の混合ガスを水素分離膜により膜分離して、主として膜の透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(III)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(IV)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、これから実質的に液化成分のみを系外に排出する工程。
本発明の第2は、以下の工程(I)ないし(III)を具備することを特徴とする水素の製造方法に関する。
(I)炭化水素を、二重管式膜型の流通式脱水素反応器により連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得て、内管を構成する水素分離膜の内側である透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(II)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(III)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、実質的に脱水素化生成物を含む液化成分のみを系外へ排出する工程。
本発明の第3は、本発明の第1または第2において、前記気液分離された非透過側ガスの気相から、メタンなどの非液化成分を間欠的に系外へ排出する工程をさらに具備することを特徴とする水素の製造方法に関する。
本発明の第4は、本発明の第1乃至第3のいずれかにおいて、水素分離膜がセラミック膜であることを特徴とする水素の製造方法に関する。
本発明の第5は、本発明の第1乃至第3において、水素分離膜がPdを100〜10mass%含む金属膜であることを特徴とする水素の製造方法に関する。
本発明の第6は、
流通式脱水素反応器、
水素を分離する水素膜分離器、
脱水素化生成物を液化する冷却器、
非液化成分と液化した脱水素化生成物とを気液分離する気液分離器、および
気液分離機の液面を制御する液面制御器を具備し、
前記気液分離器に液排出弁が設けてなる水素製造装置に関する。
本発明の第7は、
二重管式膜型の流通式脱水素反応器、
脱水素化生成物を液化する冷却器、
非液化成分と液化した脱水素化生成物とを気液分離する気液分離器、および
気液分離機の液面を制御する液面制御器を具備し、
前記気液分離器に液排出弁が設けてなる水素製造装置に関する。
本発明の第8は、本発明の第6または第7において、前記気液分離器にガス排出弁が設けてなる水素製造装置に関する。
(I)炭化水素を連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得る工程;
(II)水素と脱水素化生成物の混合ガスを水素分離膜により膜分離して、主として膜の透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(III)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(IV)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、これから実質的に液化成分のみを系外に排出する工程。
本発明の第2は、以下の工程(I)ないし(III)を具備することを特徴とする水素の製造方法に関する。
(I)炭化水素を、二重管式膜型の流通式脱水素反応器により連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得て、内管を構成する水素分離膜の内側である透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(II)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(III)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、実質的に脱水素化生成物を含む液化成分のみを系外へ排出する工程。
本発明の第3は、本発明の第1または第2において、前記気液分離された非透過側ガスの気相から、メタンなどの非液化成分を間欠的に系外へ排出する工程をさらに具備することを特徴とする水素の製造方法に関する。
本発明の第4は、本発明の第1乃至第3のいずれかにおいて、水素分離膜がセラミック膜であることを特徴とする水素の製造方法に関する。
本発明の第5は、本発明の第1乃至第3において、水素分離膜がPdを100〜10mass%含む金属膜であることを特徴とする水素の製造方法に関する。
本発明の第6は、
流通式脱水素反応器、
水素を分離する水素膜分離器、
脱水素化生成物を液化する冷却器、
非液化成分と液化した脱水素化生成物とを気液分離する気液分離器、および
気液分離機の液面を制御する液面制御器を具備し、
前記気液分離器に液排出弁が設けてなる水素製造装置に関する。
本発明の第7は、
二重管式膜型の流通式脱水素反応器、
脱水素化生成物を液化する冷却器、
非液化成分と液化した脱水素化生成物とを気液分離する気液分離器、および
気液分離機の液面を制御する液面制御器を具備し、
前記気液分離器に液排出弁が設けてなる水素製造装置に関する。
本発明の第8は、本発明の第6または第7において、前記気液分離器にガス排出弁が設けてなる水素製造装置に関する。
本発明によれば、炭化水素化合物、例えば主としてシクロヘキサン環を有する炭化水素からなる原料油の脱水素反応による水素の製造に際し、水素分離膜の非透過側生成物を冷却した後の気相部分を封じきり、液相部分のみ生成物として抜き出すことにより、水素を非透過側から抜き出すことなく、非透過側の水素分圧を保ち、水素のロスを抑え、効率よく水素を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
(原料)
本発明における原料は炭化水素であり、好ましくはシクロヘキサン環を有する炭化水素である。具体的にはシクロヘキサンおよびシクロヘキサンのアルキル置換体、デカリンおよびデカリンのアルキル置換体、テトラリンおよびテトラリンのアルキル置換体が挙げられる。さらに好ましくはメチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン類、デカリン、メチルデカリン類である。これらのシクロヘキサン環を有する炭化水素は純物質であっても良いが、複数の炭化水素の混合物であっても良い。なお、反応物はすべてシクロヘキサン環を有する炭化水素である必要はなく、ある程度の量の他の化合物、たとえばシクロヘキサン環を持たない炭化水素などを含んでいても良い。
本発明における原料は炭化水素であり、好ましくはシクロヘキサン環を有する炭化水素である。具体的にはシクロヘキサンおよびシクロヘキサンのアルキル置換体、デカリンおよびデカリンのアルキル置換体、テトラリンおよびテトラリンのアルキル置換体が挙げられる。さらに好ましくはメチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン類、デカリン、メチルデカリン類である。これらのシクロヘキサン環を有する炭化水素は純物質であっても良いが、複数の炭化水素の混合物であっても良い。なお、反応物はすべてシクロヘキサン環を有する炭化水素である必要はなく、ある程度の量の他の化合物、たとえばシクロヘキサン環を持たない炭化水素などを含んでいても良い。
(脱水素触媒)
本発明の触媒には脱水素活性を有する固体触媒を用いて反応を行うことが好ましい。この固体触媒としては担体に触媒活性主成分を担持した触媒を好適に用いることができる。
本発明の触媒には脱水素活性を有する固体触媒を用いて反応を行うことが好ましい。この固体触媒としては担体に触媒活性主成分を担持した触媒を好適に用いることができる。
担体には機械的強度が高く熱的に安定で表面積が大きい点から、安定な金属酸化物もしくは、熱伝導性の良好な支持体(熱伝導性支持体)の表面に金属酸化物を形成させたものが好ましい。金属酸化物として具体的にはアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナが挙げられる。さらに好ましくはアルミナ、シリカが挙げられる。熱伝導性支持体とは、300Kにおける熱伝導率が10W/m・K以上の物質を基体とする支持体と定義する。この熱伝導性支持体の基体は金属が好ましく、表面に酸化物などの皮膜を有するものを含む。基体の金属には通常用いられる任意の金属および合金を用いることができるが、特にアルミニウムまたは表面にアルミニウムを有する金属および合金が好ましい。熱伝導性支持体を用いることで触媒の熱伝導性が高まって熱供給が速くなり反応効率が向上する効果がある。また熱伝導性支持体の金属としての導電性を利用して直接通電することにより迅速に反応温度を上げて反応装置の起動時間を著しく短縮する効果がある。
この熱伝導性支持体の表面は、触媒活性主成分の担体としての機能を持たせるべく、高表面積になるよう処理されたものが好ましい。この処理の方法については公知の方法が採用できるが、たとえば特開2002−119856号公報に記載されているように、陽極酸化の処理をベースに高表面積化されたものが好ましい。また、熱伝導性支持体表面、例えば、高表面積化した熱伝導性支持体表面は、アルミナなどの安定で高表面積の金属酸化物の層を形成することが好ましい。このためには、たとえば、高表面化した熱伝導性支持体表面に、アルミナ水和物ゾルを塗布・乾燥後、焼成して金属酸化物層を形成させることができる。
前記熱伝導性支持体の基体も含めて触媒担体の形状は任意であり、粒状、板状、管状、網状、ハニカム状、もしくは反応管内部に直接設置されたフィン形状とすることができる。反応熱の供給を効率的に行うためには、熱供給源と触媒担体が直接接触することが好ましく、このため触媒担体の形状を板状、管状、もしくは内部フィンとして熱交換器のような形式とすることが好ましい。
本発明の触媒における触媒活性主成分は脱水素活性を有する成分であり、任意に選択することができるが、好ましくは第8族元素、第9族元素、第10族元素および第11族元素であり、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金である。なお本発明において、周期表の族番号は国際純正および応用化学連合無機化学命名法委員会命名規則1990年版に基づく。さらに好ましくはニッケル、パラジウム、白金、レニウムである。またこれらの元素の2種類以上を組み合わせても良い。これらの触媒活性主成分を担体に担持させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。用いる元素の化合物は水溶性の塩が好ましく、水溶液として含浸することが好ましい。水溶性の化合物としては、塩化物、硝酸塩、炭酸塩が好ましく挙げられる。
脱水素触媒には必要に応じ添加物を共存させても良い。好ましい添加物として、塩基性物質が挙げられる。塩基性物質が共存することにより、酸性に起因する分解などの副反応が抑制されるとともに、炭素質析出による触媒の劣化が抑制される。塩基性物質の種類は任意であるが、第1族元素および第2族元素の化合物が好ましく、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの化合物が好ましい。これらの化合物としては、水溶性の物質が好ましい。塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩がさらに好ましい。塩基性物質の含有量は触媒活性主成分に対して重量比で0.1〜100の範囲が好ましい。これらの塩基性物質を触媒体に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。
(反応条件)
脱水素の反応条件は原料の種類に応じて適宜選択することになる。反応圧力は好ましくは0.1MPa以上、2.0MPa以下であり、さらに好ましくは0.1MPa以上、1.0MPa以下である。なお、本発明においては、特に断らないかぎり圧力は絶対圧で示す。反応温度は化学平衡上高温が好ましいが、エネルギー効率の点では低温のほうが好ましい。好ましい反応温度は200℃以上、400℃以下であり、さらに好ましくは270℃以上、360℃以下である。また化学平衡上は不利であるが、触媒の失活を防ぐ目的あるいは装置の運転上の理由で原料に水素を加えても良い。原料に水素を加える場合、水素と原料の比は、モル比で0.01以上、1以下が好ましい。LHSV(液空間速度)の好ましい範囲は、触媒の活性に依存するが、好ましくは0.2v/v/hr以上、20v/v/hr以下である。
脱水素の反応条件は原料の種類に応じて適宜選択することになる。反応圧力は好ましくは0.1MPa以上、2.0MPa以下であり、さらに好ましくは0.1MPa以上、1.0MPa以下である。なお、本発明においては、特に断らないかぎり圧力は絶対圧で示す。反応温度は化学平衡上高温が好ましいが、エネルギー効率の点では低温のほうが好ましい。好ましい反応温度は200℃以上、400℃以下であり、さらに好ましくは270℃以上、360℃以下である。また化学平衡上は不利であるが、触媒の失活を防ぐ目的あるいは装置の運転上の理由で原料に水素を加えても良い。原料に水素を加える場合、水素と原料の比は、モル比で0.01以上、1以下が好ましい。LHSV(液空間速度)の好ましい範囲は、触媒の活性に依存するが、好ましくは0.2v/v/hr以上、20v/v/hr以下である。
(脱水素生成物)
本発明における炭化水素の脱水素の生成物は、水素と不飽和炭化水素であり、原料炭化水素としてシクロヘキサン環を有する炭化水素の場合、不飽和炭化水素は主として芳香族炭化水素である。例えば、メチルシクロヘキサンからはトルエンが脱水素化生成物として得られる。さらにメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン等の低級炭化水素が副生し、混入することがある。
得られる芳香族炭化水素は回収して再度水素化することにより、原料の炭化水素に戻すことができる。あるいは必要に応じて脱水素反応に必要な熱源の燃料としても用いることができる。また芳香族炭化水素は一般にオクタン価が高いので、沸点が好適な物質はガソリン基材として用いることもできる。その他化学製品としても利用することもできる。
本発明における炭化水素の脱水素の生成物は、水素と不飽和炭化水素であり、原料炭化水素としてシクロヘキサン環を有する炭化水素の場合、不飽和炭化水素は主として芳香族炭化水素である。例えば、メチルシクロヘキサンからはトルエンが脱水素化生成物として得られる。さらにメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン等の低級炭化水素が副生し、混入することがある。
得られる芳香族炭化水素は回収して再度水素化することにより、原料の炭化水素に戻すことができる。あるいは必要に応じて脱水素反応に必要な熱源の燃料としても用いることができる。また芳香族炭化水素は一般にオクタン価が高いので、沸点が好適な物質はガソリン基材として用いることもできる。その他化学製品としても利用することもできる。
(水素分離膜)
水素分離膜としては、炭化水素と水素の混合ガスから水素を選択的に分離できる機能を有する公知の水素分離膜を使用することができるが、金属膜もしくは多孔質無機膜などが好ましい。金属膜としては、管状で細孔を有する多孔質金属支持体もしくは管状で細孔を有する多孔質セラミック支持体の内表面もしくは外表面に金属薄膜を形成させた水素分離膜であり、金属薄膜として、Pdを100〜10mass%含む金属膜、もしくは、Ag、Cu、V、Nb、Taより選ばれる少なくとも一種の金属を80〜10mass%含む金属膜が好ましい。金属薄膜の形成方法は任意の方法を選択できるが、具体的には、無電解メッキ法、蒸着法、圧延法などが挙げられる。多孔質無機膜としては、管状で細孔を有する多孔質セラミック支持体の内表面もしくは外表面に、細孔孔径の制御されたセラミック薄膜を形成させた水素分離膜が好ましい。多孔質無機膜は分子篩作用により選択的分離を行うため、薄膜部分の孔径は0.3nm以上、0.7nm以下が好ましく、0.3nm以上、0.5nm以下がさらに好ましい。セラミック膜の材質は、公知のセラミック材料が使えるが、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭化ケイ素、窒化ケイ素が好ましい。後記の膜型反応器の膜部分としては、脱水素の反応圧等に耐える適宜の膜が使用できる。
水素分離膜としては、炭化水素と水素の混合ガスから水素を選択的に分離できる機能を有する公知の水素分離膜を使用することができるが、金属膜もしくは多孔質無機膜などが好ましい。金属膜としては、管状で細孔を有する多孔質金属支持体もしくは管状で細孔を有する多孔質セラミック支持体の内表面もしくは外表面に金属薄膜を形成させた水素分離膜であり、金属薄膜として、Pdを100〜10mass%含む金属膜、もしくは、Ag、Cu、V、Nb、Taより選ばれる少なくとも一種の金属を80〜10mass%含む金属膜が好ましい。金属薄膜の形成方法は任意の方法を選択できるが、具体的には、無電解メッキ法、蒸着法、圧延法などが挙げられる。多孔質無機膜としては、管状で細孔を有する多孔質セラミック支持体の内表面もしくは外表面に、細孔孔径の制御されたセラミック薄膜を形成させた水素分離膜が好ましい。多孔質無機膜は分子篩作用により選択的分離を行うため、薄膜部分の孔径は0.3nm以上、0.7nm以下が好ましく、0.3nm以上、0.5nm以下がさらに好ましい。セラミック膜の材質は、公知のセラミック材料が使えるが、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭化ケイ素、窒化ケイ素が好ましい。後記の膜型反応器の膜部分としては、脱水素の反応圧等に耐える適宜の膜が使用できる。
(水素分離)
水素分離膜の透過側圧力は、0.2MPa以下が好ましく、0.15MPa以下がさらに好ましい。また、水素分離膜の透過側には、透過側水素分圧を低下させる目的でイナートガスを供給してもよい。イナートガスを供給する場合、透過側水素分圧は、0.15MPa以下が好ましく、0.05MPa以下がさらに好ましい。イナートガスとしては、凝縮させることで容易に分離できるスチームが好ましい。また、固体高分子形燃料電池用途を意識した場合、除去することなく導入可能な点からもスチームが好ましい。
水素分離膜の透過側圧力は、0.2MPa以下が好ましく、0.15MPa以下がさらに好ましい。また、水素分離膜の透過側には、透過側水素分圧を低下させる目的でイナートガスを供給してもよい。イナートガスを供給する場合、透過側水素分圧は、0.15MPa以下が好ましく、0.05MPa以下がさらに好ましい。イナートガスとしては、凝縮させることで容易に分離できるスチームが好ましい。また、固体高分子形燃料電池用途を意識した場合、除去することなく導入可能な点からもスチームが好ましい。
(膜型反応器)
脱水素反応器は任意のものが使用できる。好ましくは流通反応系に使用する反応器として、いわゆる膜型反応器を用いる。本発明でいう膜型反応器は、より正確には、流通式の反応管であって、脱水素触媒および水素分離膜が該反応管内に設けられているものである。通常は、水素分離膜が二重反応管の内管を構成し、触媒は外管と内管の間隙に存在させる形式の二重管構造であることが多い。図1に、このような二重管構造の反応管を持つ膜型反応器の例を示す。
ここで、図1において、反応管は二重管であり、外管は熱伝導性が良好な材料、例えば金属等からなり、内管は水素分離膜(水素透過膜)からなる。図示はしていないが、二重管の外側(外管の外側)は、熱媒体による加熱等適宜の加熱手段を講じている。内管と外管の間隙には、例えば粒状の適宜の担体に担時された触媒が充填されている。原料ガスは二重管の一方の端から上記間隙内へ導入され、他端から非透過ガスとして一部の水素と反応生成物が排出される。脱水素の温度は、間隙内に熱電対を挿入して測定・調節する。内管内部には選択的に膜分離された水素が透過ガスとして流れ、高純度な水素として取り出される。
脱水素反応器は任意のものが使用できる。好ましくは流通反応系に使用する反応器として、いわゆる膜型反応器を用いる。本発明でいう膜型反応器は、より正確には、流通式の反応管であって、脱水素触媒および水素分離膜が該反応管内に設けられているものである。通常は、水素分離膜が二重反応管の内管を構成し、触媒は外管と内管の間隙に存在させる形式の二重管構造であることが多い。図1に、このような二重管構造の反応管を持つ膜型反応器の例を示す。
ここで、図1において、反応管は二重管であり、外管は熱伝導性が良好な材料、例えば金属等からなり、内管は水素分離膜(水素透過膜)からなる。図示はしていないが、二重管の外側(外管の外側)は、熱媒体による加熱等適宜の加熱手段を講じている。内管と外管の間隙には、例えば粒状の適宜の担体に担時された触媒が充填されている。原料ガスは二重管の一方の端から上記間隙内へ導入され、他端から非透過ガスとして一部の水素と反応生成物が排出される。脱水素の温度は、間隙内に熱電対を挿入して測定・調節する。内管内部には選択的に膜分離された水素が透過ガスとして流れ、高純度な水素として取り出される。
上記構造の膜型反応器を用いて炭化水素を脱水素して水素を製造するには以下のようにして行なうことができる。
すなわち、膜型反応器を構成する二重管の間隙を脱水素の反応場として、流通式反応管の一方の端から原料炭化水素を供給し、該間隙内に存在する脱水素触媒により原料炭化水素を脱水素して、水素と脱水素反応生成物(芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素などの脱水素された炭化水素、副反応生成物および未反応炭化水素を含む)を生成させる。
生成した水素は、同時にin situで、二重管の内管を構成する水素分離膜により分離さる。すなわち、水素を選択的に膜透過させて、それにより二重管の最内側へ水素を透過・収集し、これを経由して集めた水素は系外へ排出させる。
かくして高純度な水素を得る。脱水素反応生成物は、残余の水素とともに前記二重管の外管と内管の間隙を経由して系外へ排出される。
すなわち、膜型反応器を構成する二重管の間隙を脱水素の反応場として、流通式反応管の一方の端から原料炭化水素を供給し、該間隙内に存在する脱水素触媒により原料炭化水素を脱水素して、水素と脱水素反応生成物(芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素などの脱水素された炭化水素、副反応生成物および未反応炭化水素を含む)を生成させる。
生成した水素は、同時にin situで、二重管の内管を構成する水素分離膜により分離さる。すなわち、水素を選択的に膜透過させて、それにより二重管の最内側へ水素を透過・収集し、これを経由して集めた水素は系外へ排出させる。
かくして高純度な水素を得る。脱水素反応生成物は、残余の水素とともに前記二重管の外管と内管の間隙を経由して系外へ排出される。
吸熱反応である脱水素反応が遂行される触媒層は、管外部からの適宜の加熱手段を設けることにより容易に熱が供給可能である。管外部からの適宜の加熱は、加熱媒体による加熱など公知の方法を適宜に採用できる。
(水素製造装置)
膜型反応器を例にして、膜分離後の処理の概略図を図2に示す。図2には、膜分離後の非透過側ガスを冷却する冷却器と、それに接続する気液分離器が設けられ、気液分離器には液抜き出し用のバルブAとガス抜き出し用のバルブBが配設されている。なお、脱水素後、別個の膜分離器を用いて水素を膜分離する場合も、膜分離後は同様に処理することができる。図示されないが、気液分離器には液抜き出し用バルブAに連動する液面制御器が設置されている。
図2において、脱水素反応の炭化水素原料は膜型反応器に導入され、脱水素触媒(図示せず)上で水素と芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素に変換される。
生成した水素は二重管内の膜(図示せず)を介して膜分離の透過ガスとして二重管の最内側へ分離され、製品水素となる。また、この際には、必要に応じて水素分離膜透過側にスチームを導入し、水素分圧を下げることが出来る。
膜型反応器を例にして、膜分離後の処理の概略図を図2に示す。図2には、膜分離後の非透過側ガスを冷却する冷却器と、それに接続する気液分離器が設けられ、気液分離器には液抜き出し用のバルブAとガス抜き出し用のバルブBが配設されている。なお、脱水素後、別個の膜分離器を用いて水素を膜分離する場合も、膜分離後は同様に処理することができる。図示されないが、気液分離器には液抜き出し用バルブAに連動する液面制御器が設置されている。
図2において、脱水素反応の炭化水素原料は膜型反応器に導入され、脱水素触媒(図示せず)上で水素と芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素に変換される。
生成した水素は二重管内の膜(図示せず)を介して膜分離の透過ガスとして二重管の最内側へ分離され、製品水素となる。また、この際には、必要に応じて水素分離膜透過側にスチームを導入し、水素分圧を下げることが出来る。
透過した残りの水素と非透過の芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素(未反応原料も含む)は、非透過ガスとして二重管の外管と内管の間隙から回収される。この際、膜分離の駆動力が水素差圧であるから、透過側の水素の分圧と同じ分圧以上の水素が非透過側には必ず残存する。
そして従来の膜分離操作では、非透過側の残存水素はそのまま(炭化水素ガス等と共に)系外へ排出・廃棄される。そのため従来の膜分離を用いた技術においては、この非透過側から排出される水素のロス分だけ、水素回収率(透過側水素量/原料の理論発生水素量×100)は水素への原料転化率((透過側水素と非透過側水素量)/原料の理論発生水素量×100)よりも下回ることになる。
これに対し、本発明では、非透過側ガスを適宜の冷却器により冷却して、それに含まれる反応生成物と未反応原料等の液化成分を液化し、気液分離器において気液分離する。
冷却器としては、脱水素化生成物、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素を液化する程度の冷却器でよく、水素や後記する副生するメタン、エタン等の低級炭化水素までをも液化することは不要である。したがって、例えば水冷冷却等の安価な冷却が利用できる。
その後、気液分離器内において気相部分を封じきり、液相部分のみを生成物として系外へ抜き出す。かくすることで、水素のロスを無くし、透過側ガスの水素回収率を限りなく水素への原料転化率に近づけることができる。
そして従来の膜分離操作では、非透過側の残存水素はそのまま(炭化水素ガス等と共に)系外へ排出・廃棄される。そのため従来の膜分離を用いた技術においては、この非透過側から排出される水素のロス分だけ、水素回収率(透過側水素量/原料の理論発生水素量×100)は水素への原料転化率((透過側水素と非透過側水素量)/原料の理論発生水素量×100)よりも下回ることになる。
これに対し、本発明では、非透過側ガスを適宜の冷却器により冷却して、それに含まれる反応生成物と未反応原料等の液化成分を液化し、気液分離器において気液分離する。
冷却器としては、脱水素化生成物、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素を液化する程度の冷却器でよく、水素や後記する副生するメタン、エタン等の低級炭化水素までをも液化することは不要である。したがって、例えば水冷冷却等の安価な冷却が利用できる。
その後、気液分離器内において気相部分を封じきり、液相部分のみを生成物として系外へ抜き出す。かくすることで、水素のロスを無くし、透過側ガスの水素回収率を限りなく水素への原料転化率に近づけることができる。
従来の膜分離を用いた技術においては、非透過ガスとして、水素の一部と芳香族等の不飽和炭化水素及び未反応の原料は回収される。透過側の高純度な水素と比較して、非透過側の水素は冷却後も飽和蒸気圧分の芳香族炭化水素と飽和蒸気圧分の未反応の原料を含むため、反応装置の熱源となる燃料とされることが一般的である。
ここでエネルギーを投入して生成した水素を燃焼にまわす事は本来非効率であるため、加熱用の燃料とするよりも、できるだけ高純度水素として回収することが好ましい。
しかしながら、非透過側には必ず透過側の水素の分圧と同じ分圧以上の水素が残存してしまうため、従来の膜分離を用いた技術においては、非透過側から排出される水素のロス分だけ、水素回収率(透過側水素量/原料の理論発生水素量×100)は水素への原料転化率((透過側水素と非透過側水素量)/原料の理論発生水素量×100)よりも下回る。
ここでエネルギーを投入して生成した水素を燃焼にまわす事は本来非効率であるため、加熱用の燃料とするよりも、できるだけ高純度水素として回収することが好ましい。
しかしながら、非透過側には必ず透過側の水素の分圧と同じ分圧以上の水素が残存してしまうため、従来の膜分離を用いた技術においては、非透過側から排出される水素のロス分だけ、水素回収率(透過側水素量/原料の理論発生水素量×100)は水素への原料転化率((透過側水素と非透過側水素量)/原料の理論発生水素量×100)よりも下回る。
これに対し、本発明では、非透過側生成物(芳香族炭化水素、未反応の原料および水素)を冷却し、芳香族炭化水素と未反応の原料の大部分の液化成分を液化させた後、水素と飽和蒸気圧分の芳香族炭化水素と同じく飽和蒸気圧分の未反応の原料で構成される気相部分を図2のバルブBを閉じることにより封じきり、液相部分のみを生成物として系外へ抜き出すこととする。これにより、非透過側からは水素をロスすることなく処理操作が行え、かつ従来と同様に水素分離膜の非透過側における水素分圧は保たれることとなる。
従って、従来非透過側からロスしていた水素は透過側から高純度水素として回収され、透過側の水素回収率を限りなく水素への原料転化率に近づけることができる。
水蒸気改質などのCOやCO2等の常温、常圧で非液化の気体もまた水素と同時に生成する反応を用いた反応分離では、非透過側を冷却した後の気相部分を封じきった場合、水素の分圧はすぐに減少し、これに伴い水素分離膜における水素透過量も減少し、反応分離が機能しなくなるため、本方法は適用できない。本発明のように液化可能な炭化水素と水素のみが生成する系で初めて成り立つものであり、この点に関し、本発明は今までにない、新規な方法である。
従って、従来非透過側からロスしていた水素は透過側から高純度水素として回収され、透過側の水素回収率を限りなく水素への原料転化率に近づけることができる。
水蒸気改質などのCOやCO2等の常温、常圧で非液化の気体もまた水素と同時に生成する反応を用いた反応分離では、非透過側を冷却した後の気相部分を封じきった場合、水素の分圧はすぐに減少し、これに伴い水素分離膜における水素透過量も減少し、反応分離が機能しなくなるため、本方法は適用できない。本発明のように液化可能な炭化水素と水素のみが生成する系で初めて成り立つものであり、この点に関し、本発明は今までにない、新規な方法である。
膜分離の際、生成した芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素の拡散を良くするため、膜分離器、好ましくは膜型反応器から上記冷却器へかけての反応生成混合物の移送の配管径は極力太い方が好ましい。
気液分離器から、液の抜き出し方法に関しては、既知の方法を適宜使用できる。例えば図2に示すように気液分離器の液相に対応する位置にバルブAを設け、該気液分離器の液面を、別途設ける液面のレベルセンサーまたは差圧計(図示せず)と、バルブAを連動させることにより、生成した芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素を生成した分だけ、対応する量の液成分のみを抜き出すようにする。かくすることで、残存水素の損失がなく、脱水素生成物の抜き出しができ、その結果水素分圧の維持が可能となる。
気液分離器から、液の抜き出し方法に関しては、既知の方法を適宜使用できる。例えば図2に示すように気液分離器の液相に対応する位置にバルブAを設け、該気液分離器の液面を、別途設ける液面のレベルセンサーまたは差圧計(図示せず)と、バルブAを連動させることにより、生成した芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素を生成した分だけ、対応する量の液成分のみを抜き出すようにする。かくすることで、残存水素の損失がなく、脱水素生成物の抜き出しができ、その結果水素分圧の維持が可能となる。
冷却後の非透過側のガス相に関しては、常温常圧で非液化のメタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレンなどの非微量成分が反応中に副生する場合、これらのガスは非透過側ガス中に蓄積し、これは非透過側における水素の分圧低下につながる。
非透過側の水素分圧が低下すると、分離膜における水素透過量が減少し、水素への原料転化率、水素回収率が低下する。気液分離器は冷却器を介して分離膜に連通しているので、気液分離器内の気相における水素分圧で上記分圧低下が判断できる。
非透過側の水素分圧が低下すると、分離膜における水素透過量が減少し、水素への原料転化率、水素回収率が低下する。気液分離器は冷却器を介して分離膜に連通しているので、気液分離器内の気相における水素分圧で上記分圧低下が判断できる。
そこで、図2に示すように気液分離器の気相部分に対応する位置にバルブBを設け常時には封じ切のために閉とするが、これを間欠的に開放して内部の気相ガスを系外に排出し、これらガス成分の蓄積を減少させることで、常に水素分圧を最大に保つことが可能となる。バルブBの開放周期と開放時間は、蓄積による水素分圧の低下状況に応じて適宜に変えることができ、これにより非透過側の水素分圧を最大に保つよう適宜決定することができる。すなわち、バルブBの開放周期と開放時間は、常温、常圧で非液化気体の非透過側における分圧上昇に依存するため、原料および反応条件によって異なり、非透過側の水素分圧を最大に保つよう適宜決定することができる。常温、常圧で非液化気体の非透過側における分圧は0.1MPa以下に保つようにバルブBの開放を行う。好ましくは0.05MPa以下、更に好ましくは0.001MPa以下が好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例では以下の分離膜、触媒を使用した。
[分離膜]
外径10mm、内径8.4mm、長さ300mmの多孔質セラミックのチューブ状支持体内表面にα−アルミナ層を1層形成させた後、γ−アルミナ層を3層形成させる。更にシリカ層を1層形成させ、その後、最終表面にシリカ薄膜を形成したもので、水素透過係数4.2×10−7mol/m2/sec/Pa、トルエン透過係数2.8×10−10mol/m2/sec/Paであるセラミック膜を分離膜Aとする。
外径10mm、内径8.4mm、長さ300mmの多孔質セラミックのチューブ状支持体外表面に無電解メッキによりパラジウムと銀(Pd:Ag=85:15)をコーティングした、水素透過係数200cc/cm2/min/atm1/2、膜厚2.5μmであるパラジウム膜を分離膜Bとする。
実施例では以下の分離膜、触媒を使用した。
[分離膜]
外径10mm、内径8.4mm、長さ300mmの多孔質セラミックのチューブ状支持体内表面にα−アルミナ層を1層形成させた後、γ−アルミナ層を3層形成させる。更にシリカ層を1層形成させ、その後、最終表面にシリカ薄膜を形成したもので、水素透過係数4.2×10−7mol/m2/sec/Pa、トルエン透過係数2.8×10−10mol/m2/sec/Paであるセラミック膜を分離膜Aとする。
外径10mm、内径8.4mm、長さ300mmの多孔質セラミックのチューブ状支持体外表面に無電解メッキによりパラジウムと銀(Pd:Ag=85:15)をコーティングした、水素透過係数200cc/cm2/min/atm1/2、膜厚2.5μmであるパラジウム膜を分離膜Bとする。
[脱水素触媒]
γ−アルミナ担体に0.3mass%の白金を担持した平均直径1.5mmの球状市販触媒を使用する。
[膜型反応器]
アルミニウム管内部に上記筒状の分離膜A、Bをそれぞれ配設して二重管構造となし、内外の間隙内に上記脱水素触媒を充填する。
ここで、図1に概略を示す膜型反応器として、内径24mm、長さ300mmである反応管と水素分離膜の間隙に触媒を110ml充填した。
γ−アルミナ担体に0.3mass%の白金を担持した平均直径1.5mmの球状市販触媒を使用する。
[膜型反応器]
アルミニウム管内部に上記筒状の分離膜A、Bをそれぞれ配設して二重管構造となし、内外の間隙内に上記脱水素触媒を充填する。
ここで、図1に概略を示す膜型反応器として、内径24mm、長さ300mmである反応管と水素分離膜の間隙に触媒を110ml充填した。
図2に示す水素製造装置を用い、膜型反応器の非透過側ガスは冷却して、気液分離器に供給し、該気液分離器の液面は液面制御器(図示せず)により液抜き出し弁Aから液のみを抜き出すことで制御・調節した。
ここで、水素分離膜として分離膜Aを用いた膜型反応器でメチルシクロヘキサンを原料として脱水素した。膜型反応器の反応圧0.2、0.4、0.6、0.8MPa(絶対圧)、透過側圧力0.1MPa(絶対圧)、反応温度(触媒層出口温度)300℃、330℃、LHSV 0.5h−1の条件下で脱水素反応を行った。ここで、LHSVは流速であり、(メチルシクロヘキサン液体体積(cc)/触媒(cc)/時間(h))で表される。
反応性生物の膜分離後、冷却器によりトルエン蒸気と水素からなる非透過側ガスを冷却し気液分離器へ供給する。
ここで、水素分離膜として分離膜Aを用いた膜型反応器でメチルシクロヘキサンを原料として脱水素した。膜型反応器の反応圧0.2、0.4、0.6、0.8MPa(絶対圧)、透過側圧力0.1MPa(絶対圧)、反応温度(触媒層出口温度)300℃、330℃、LHSV 0.5h−1の条件下で脱水素反応を行った。ここで、LHSVは流速であり、(メチルシクロヘキサン液体体積(cc)/触媒(cc)/時間(h))で表される。
反応性生物の膜分離後、冷却器によりトルエン蒸気と水素からなる非透過側ガスを冷却し気液分離器へ供給する。
気液分離器では気液分離すると共に、上記のように液面制御器(図示せず)により液抜き出し弁Aから液のみを抜き出すことで液面を制御・調節した。
さらに、図2のバルブBは閉として2時間に1度2分間だけバルブBを解放し、内部の気相成分のみを系外へ排出して運転した。なお、バルブBを解放にしても、バルブB後段の背圧弁により、非透過側の圧力は変動しないようにした。
相当期間運転後の結果を表1に示す。
表1において水素回収率は、(膜型反応器の透過側から回収された水素(mol)/導入したメチルシクロヘキサンからの理論水素発生量(mol)×100)で表される。
さらに、図2のバルブBは閉として2時間に1度2分間だけバルブBを解放し、内部の気相成分のみを系外へ排出して運転した。なお、バルブBを解放にしても、バルブB後段の背圧弁により、非透過側の圧力は変動しないようにした。
相当期間運転後の結果を表1に示す。
表1において水素回収率は、(膜型反応器の透過側から回収された水素(mol)/導入したメチルシクロヘキサンからの理論水素発生量(mol)×100)で表される。
水素分離膜として分離膜Bを用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。相当期間運転後の結果を表1に示す。
(比較例)
バルブBを常時解放状態として運転したほかは、実施例2と同様にしてメチルシクロヘキサンの脱水素を行った。相当期間運転後の結果は同じく表1に示す。
表1に示すとおり、比較例に対し、バルブBを閉止した実施例1及び実施例2では透過側の水素回収率を水素への原料転化率に近づけることができた。
バルブBを常時解放状態として運転したほかは、実施例2と同様にしてメチルシクロヘキサンの脱水素を行った。相当期間運転後の結果は同じく表1に示す。
表1に示すとおり、比較例に対し、バルブBを閉止した実施例1及び実施例2では透過側の水素回収率を水素への原料転化率に近づけることができた。
Claims (8)
- 以下の工程(I)ないし(IV)を具備することを特徴とする水素の製造方法:
(I)炭化水素を流通式脱水素反応器により連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得る工程;
(II)水素と脱水素化生成物の混合ガスを水素分離膜により膜分離して、主として膜の透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(III)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(IV)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、これから実質的に液化成分のみを系外に排出する工程。 - 以下の工程(I)ないし(III)を具備することを特徴とする水素の製造方法:
(I)炭化水素を二重管式膜型の流通式脱水素反応器により連続的に脱水素させて、水素と脱水素化生成物の混合ガスを得て、内管を構成する水素分離膜により膜分離して、主として膜の透過側から水素を分離し、非透過側から非透過側ガスとして水素および脱水素化生成物を得る工程;
(II)非透過側ガスを冷却して脱水素化生成物を液化する工程;
(III)液化成分を含む非透過側ガスを気液分離し、実質的に脱水素化生成物を含む液成分のみを系外へ排出する工程。 - 前記気液分離された非透過側ガスの気相から、メタンなどの非液化成分を間欠的に系外へ排出する工程をさらに具備することを特徴とする請求項1または2記載の水素の製造方法。
- 水素分離膜がセラミック膜であることを特徴とする請求項1〜3に記載の水素の製造方法。
- 水素分離膜がPdを100〜10mass%含む金属膜であることを特徴とする請求項1〜3に記載の水素の製造方法。
- 流通式脱水素反応器、
水素を分離する水素膜分離器、
脱水素化生成物を液化する冷却器、
非液化成分と液化した脱水素化生成物とを気液分離する気液分離器、および
気液分離機の液面を制御する液面制御器を具備し、
前記気液分離器に液排出弁が設けてなる水素製造装置。 - 二重管式膜型の流通式脱水素反応器、
脱水素化生成物を液化する冷却器、
非液化成分と液化した脱水素化生成物とを気液分離する気液分離器、および
気液分離機の液面を制御する液面制御器を具備し、
前記気液分離器に液排出弁が設けてなる水素製造装置。 - 前記気液分離器にガス排出弁が設けてなる請求項6または7記載の水素製造装置。
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