JP2007077551A - 導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】 プリンター等の帯電ブラシなどに用いた場合に、多数枚印刷時にもトナーの付着量が少なく、また画像の乱れの少ない導電性ブラシ、並びにそれを構成する導電性起毛布及び導電性繊維を提供する。
【解決手段】 導電性物質(A)を含有する太さ1〜50デシテックス(dTex)のポリアミド樹脂繊維(B)の表面に、フッ素化合物(C)を、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、0.01〜1g被覆させてなる導電性繊維、基布に前記導電性繊維を起立してなる導電性ブラシ用起毛布、並びにその導電性ブラシ用起毛布を有してなる電子写真装置用導電性ブラシ。
【選択図】 なし
【解決手段】 導電性物質(A)を含有する太さ1〜50デシテックス(dTex)のポリアミド樹脂繊維(B)の表面に、フッ素化合物(C)を、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、0.01〜1g被覆させてなる導電性繊維、基布に前記導電性繊維を起立してなる導電性ブラシ用起毛布、並びにその導電性ブラシ用起毛布を有してなる電子写真装置用導電性ブラシ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、複写機やプリンター等の電子写真装置に用いられる導電性ブラシ、並びにそれを構成する導電性ブラシ用起毛布及び導電性繊維に関する。
複写機あるいはプリンター等における電子写真方式の画像形成プロセスにおいては、各種の導電性を有するブラシ、すなわち導電性ブラシが使用されている。
例えば、感光体のような静電潜像担持体の表面を帯電装置で帯電させる工程においては、導電性ブラシを用いることが知られている。
また、紙等へ転写しなかったトナーが、感光体等の表面に残存するため、これを除去するためにも導電性ブラシが使用されている。
このように、導電性ブラシは電子写真方式の画像形成プロセスにおいて使用されているが、多くの枚数を印刷すると、次第に導電性ブラシを構成する導電性繊維(パイル糸)にトナーや紙粉が付着して、導電性ブラシの体積固有抵抗値が部分的に変化して画像に乱れを生じさせたり、導電性繊維に付着したトナーの凝集体が脱落して印刷面を汚染する等の問題がある。
このような問題を克服するための方法として、例えば導電性ブラシの導電性繊維にトナーと同一極性の電荷を掛ける方法等が用いられているが、機械的に接触するトナーの付着を十分に抑制することはできていない。
例えば、感光体のような静電潜像担持体の表面を帯電装置で帯電させる工程においては、導電性ブラシを用いることが知られている。
また、紙等へ転写しなかったトナーが、感光体等の表面に残存するため、これを除去するためにも導電性ブラシが使用されている。
このように、導電性ブラシは電子写真方式の画像形成プロセスにおいて使用されているが、多くの枚数を印刷すると、次第に導電性ブラシを構成する導電性繊維(パイル糸)にトナーや紙粉が付着して、導電性ブラシの体積固有抵抗値が部分的に変化して画像に乱れを生じさせたり、導電性繊維に付着したトナーの凝集体が脱落して印刷面を汚染する等の問題がある。
このような問題を克服するための方法として、例えば導電性ブラシの導電性繊維にトナーと同一極性の電荷を掛ける方法等が用いられているが、機械的に接触するトナーの付着を十分に抑制することはできていない。
そこで、導電性ブラシを構成する導電性繊維の材質について幾つかの検討がなされている。特許文献1では、カーボンブラック等の導電性微粒子を混合したポリアミド等の熱可塑性重合体からなる導電性成分と、ポリアミド等の繊維形成性の熱可塑性重合体からなる非導電性成分とが接合されてなる複合繊維において、導電性成分が非導電性成分を完全に包み込むような芯鞘型の複合構造を有する導電性複合繊維を開示している。また、特許文献2では、20℃、RH65%での平衡吸湿率が0.6〜1.5%の脂肪族ポリアミド樹脂に導電性カーボンブラックが混合分散されてなる半導電性脂肪族ポリアミド繊維の有する体積抵抗率が、35℃、RH80%環境下で1.0桁以下にあることを特徴とする半導電性脂肪族ポリアミド繊維が開示されている。しかしながら、それらの繊維から構成される導電性ブラシにおいても、プリンター等で多くの枚数を印刷した場合におけるトナー付着の問題は解消していない。
本発明の目的は、プリンター等の帯電ブラシなどに用いた場合に、多数枚印刷時にもトナーの付着量が少なく、また抵抗値変化の小さい導電性ブラシ、並びにそれを構成する導電性起毛布及び導電性繊維を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するため、導電性繊維表面の汚染や印刷画質と、導電性繊維の材質との関係に着目して鋭意研究を進めた結果、導電性物質を含有したポリアミド樹脂繊維に、特定量のフッ素化合物を被覆させた導電性繊維を用いれば、それを有する導電性ブラシは、プリンター等の帯電ブラシなどに用いた場合に、多数枚印刷時に生じるトナーの付着や抵抗値変化等の問題が著しく改善できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、
1.導電性物質(A)を含有する太さ1〜50デシテックス(dTex)のポリアミド樹脂繊維(B)の表面に、フッ素化合物(C)を、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、0.01〜1g被覆させてなる導電性繊維;
2.導電性物質(A)の含有量がポリアミド樹脂繊維(B)100重量部に対し10〜40重量部である、1に記載の導電性繊維;
3.導電性物質(A)がカーボンブラックである、1又は2に記載の導電性繊維;
4.前記フッ素化合物(C)が、主鎖の炭素数が6〜50の有機フッ素樹脂である、1に記載の導電性繊維;
5.体積固有抵抗値が103〜1010Ωcmである、1〜4のいずれかに記載の導電性繊維;
6.基布に1〜5のいずれかに記載の導電性繊維を起立してなる、導電性ブラシ用起毛布;
7.6記載の導電性ブラシ用起毛布を有してなる、電子写真装置用導電性ブラシ;
が提供される。
1.導電性物質(A)を含有する太さ1〜50デシテックス(dTex)のポリアミド樹脂繊維(B)の表面に、フッ素化合物(C)を、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、0.01〜1g被覆させてなる導電性繊維;
2.導電性物質(A)の含有量がポリアミド樹脂繊維(B)100重量部に対し10〜40重量部である、1に記載の導電性繊維;
3.導電性物質(A)がカーボンブラックである、1又は2に記載の導電性繊維;
4.前記フッ素化合物(C)が、主鎖の炭素数が6〜50の有機フッ素樹脂である、1に記載の導電性繊維;
5.体積固有抵抗値が103〜1010Ωcmである、1〜4のいずれかに記載の導電性繊維;
6.基布に1〜5のいずれかに記載の導電性繊維を起立してなる、導電性ブラシ用起毛布;
7.6記載の導電性ブラシ用起毛布を有してなる、電子写真装置用導電性ブラシ;
が提供される。
本発明の導電性繊維を基布に起立させた導電性起毛布を有してなる導電性ブラシをプリンター等の帯電ブラシとして用いると、多数枚印刷時にもトナーの付着量が少なく、また導電性ブラシの抵抗値変化が小さい。
本発明の導電性繊維は、導電性物質(A)を含有する太さ1〜50デシテックス(dTex)のポリアミド樹脂繊維(B)の表面に、フッ素化合物(C)を、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、0.01〜1g被覆させてなることを特徴とする。
本発明の導電性繊維に用いる導電性物質(A)は、無機導電性フィラーと有機導電性フィラーとに大別される。無機導電性フィラーとしては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウムなどの金属紛;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸化物;鱗片状グラファイトカーボン、カーボンブラック、炭素繊維、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素質フィラー;などが挙げられる。また、有機導電性フィラーとしては、ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性高分子;鉄フタロシアニン、フェロセンなどに代表される有機金属錯体;などが挙げられる。その中でも鱗片状グラファイトカーボン、カーボンブラックが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。これらは1種類を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記カーボンブラックのさらに好ましいものの具体例としては、アセチレンブラック;ケッチェンブラック;チャンネルブラック;ファーネスブラック;酸化カーボン等の変性カーボン;などが挙げられる。この中でもアセチレンブラックが、ストラクチャーが発達し少量の配合量で所望の半導電性が得られる点で特に好ましい。
カーボンブラックの一次平均粒子径については特に制限はないが、好ましくは10〜80nmの範囲である。
前記導電性物質(A)の、ポリアミド樹脂繊維(B)100重量部に対する含有量は、10〜40重量部が好ましく、20〜30重量部がより好ましい。添加量が前記範囲内にあることにより、導電性繊維の体積固有抵抗値が適正となり導電性繊維にトナーが付着するのを防止でき、また、該導電性繊維を用いてなる帯電ブラシ(導電性ブラシ)が帯電機能を十分発揮することができる。
本発明の導電性繊維に用いるポリアミド樹脂繊維(B)はポリアミド樹脂を繊維状にしたものであり、その太さは、通常、1〜50デシテックス(以下、dTexと記載することがある。)、好ましくは1〜30dTex、より好ましくは3〜20dTexの範囲である。
ポリアミド樹脂としては、主鎖にアミド結合(−CO−NH−)を有する重合体であれば特に限定されない。例としては、4,6−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等の脂肪族ポリアミド;ナイロンMXD6(商品名「MXナイロン」:三菱ガス化学(株)社製)、商品名「アーレン」(三井化学(株)社製)等の芳香族ポリアミド;等が挙げられる。好ましいものとしては、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,12−ナイロン、12−ナイロンが挙げられる。これらの中でも吸水による寸法変化、物性変化が小さく、耐屈曲性に優れる点で6−ナイロン、12−ナイロンがより好ましい。これらは1種類を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂としては、主鎖にアミド結合(−CO−NH−)を有する重合体であれば特に限定されない。例としては、4,6−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等の脂肪族ポリアミド;ナイロンMXD6(商品名「MXナイロン」:三菱ガス化学(株)社製)、商品名「アーレン」(三井化学(株)社製)等の芳香族ポリアミド;等が挙げられる。好ましいものとしては、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,12−ナイロン、12−ナイロンが挙げられる。これらの中でも吸水による寸法変化、物性変化が小さく、耐屈曲性に優れる点で6−ナイロン、12−ナイロンがより好ましい。これらは1種類を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の導電性繊維に用いるフッ素化合物(C)は、フッ素を含有する化合物であれば特に限定されない。例としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどの有機フッ素樹脂が挙げられる。これらは1種類を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、主鎖の炭素数が6〜50である有機フッ素樹脂が好ましく、主鎖の炭素数が8〜30である有機フッ素樹脂がより好ましく、主鎖の炭素数が12〜20である有機フッ素樹脂が更に好ましい。
前記フッ素化合物(C)の前記ポリアミド樹脂繊維(B)に対する被覆量は、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、通常、0.01〜1g、好ましくは0.01〜0.8g、より好ましくは0.03〜0.6gである。被覆量が上記範囲よりも少なすぎると導電性繊維にトナーが付着しやすくなり、一方、上記範囲よりも多すぎるとポリアミド樹脂繊維(B)からフッ素化合物(C)剥離しやすくなり、いずれの場合も好ましくない。
本発明の導電性繊維の体積固有抵抗値は、103〜1010Ωcmが好ましく、105〜108Ωcmがより好ましい。体積固有抵抗値がこの範囲内にあることにより、前記導電性繊維へのトナーの付着が抑えられ、また前記導電性繊維を用いてなる帯電ブラシが帯電機能を十分発揮することができる。
本発明の導電性繊維の太さは、通常、1〜50デシテックス(dTex)、好ましくは1〜30dTex、より好ましくは3〜20dTexである。前記導電性繊維の太さがこの範囲内にあることにより、導電性繊維の切断が起こりにくく、かつ適度な柔軟性を有することで帯電ドラム等を傷つけない導電性ブラシを構成することができる。
本発明の導電性繊維には、所望により、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、架橋反応抑制剤、可塑剤、分散剤、非導電性充填剤などの公知の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない程度に配合することができる。
本発明の導電性繊維を製造する方法は、特に限定されない。一例としては、下記の方法が挙げられる。ポリアミド樹脂、導電性物質(A)及び各種添加剤を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等の混合機を用いて混合し、それをペレット用押出機に供給して溶融混練した後に線状に押出し、3〜5mm長さに切断してペレットを得る。このペレットを、溶融紡糸機に供給し、所定の太さの繊維に加工することによりポリアミド樹脂繊維(B)とする。このポリアミド樹脂繊維(B)を、四塩化炭素などのハロゲン溶媒にフッ素化合物(C)を所定濃度で溶解したものの中に通した後、余分な溶液を除去し、乾燥することで、本発明の導電性繊維を好適に製造することができる。
本発明の導電性ブラシ用起毛布は、基布に前記導電性繊維を起立してなる。
前記基布は特に限定されず、導電性のものでも、非導電性のものでも良い。その中においても、ポリエステル等の繊維を綾織してなるものが、柔軟性を有する点や、導電性繊維を起立しやすい点などにおいて優れているため好ましい。
前記基布に前記導電性繊維を起立する方法は、特に限定されないが、前記基布に前記導電性繊維を毛ばさみ織りすることで起立する方法が好ましい。
前記導電性ブラシ用起毛布の製造方法は特に限定されないが、前記基布に前記導電性繊維を起立した起毛布に、前記導電性繊維を起立した面と反対の面(導電性繊維の起立していない方の面)から水系導電性コーティング剤を塗布・浸透させ、その後乾燥することで好適に得ることができる。
本発明の導電性ブラシは、前記導電性ブラシ用起毛布を有してなる。
前記導電性ブラシの形状及び製造方法は、共に特に限定されない。一例として、円筒状の金属製基板の上に、前記導電性ブラシ用起毛布を、前記導電性繊維を起立した面と反対の面に導電性接着剤等を塗り、前記基板に貼り付ける事で円筒状の前記導電性ブラシを製造することができる。本発明の導電性ブラシは、電子写真装置用の帯電ブラシ等に好適に用いられる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例中における部及び%は、特に言及がない限り、重量基準である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例中における部及び%は、特に言及がない限り、重量基準である。
なお、本発明において、体積固有抵抗値は、測定器として、極超絶縁計SM8213型(東亜電波工業(株)社製)を使用して測定した。長さ7cmの導電性繊維の両端1cmの部分にそれぞれ導電性ペースト(ドータイト:藤倉化成(株)社製)を塗り1時間乾燥させ、その後、導電性繊維の両端部の導電性ペーストを塗った部分を測定器に接続して抵抗値を測定した。得られた抵抗値に導電性繊維の断面積を掛けて体積固有抵抗値とした。なお測定は、温度23℃、相対湿度55%にて行った。
〔導電性繊維の製造〕
ポリアミド樹脂として98%硫酸相対粘度(98%硫酸相対粘度とは、繊維25gを98%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した値である。)が2.6である6−ナイロン100重量部、導電性物質(A)としてカーボンブラックの1種であるアセチレンブラック(デンカブラック:電気化学工業(株)社製)26重量部、酸化防止剤としてイルガノックスB1171(チバスペシャリティーケミカルス(株)社製)0.2重量部を、二軸同方向押出機を用いて混練し、ペレットを作製した。このペレットを、押出機を用いて溶融紡糸法により太さ6デシテックス、体積固有抵抗値1×106Ωcmのポリアミド樹脂繊維(B1)を得た。このポリアミド樹脂繊維(B1)を溶融紡糸機で紡糸直後に、溶媒であるHFC−43−10mee(商品名バートレル:三井・デュポンフロロケミカル(株)製、沸点55℃)に、主鎖の炭素数が12であるポリテトラフルオロエチレンを溶解させた溶液(濃度:0.2g/ml)中に通し、絞り器で塗布量を調節した後、自然乾燥し、導電性繊維を製造した。この導電性繊維における、ポリアミド樹脂繊維(B1)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たりのポリテトラフルオロエチレンの被覆量は、0.033g、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。
ポリアミド樹脂として98%硫酸相対粘度(98%硫酸相対粘度とは、繊維25gを98%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した値である。)が2.6である6−ナイロン100重量部、導電性物質(A)としてカーボンブラックの1種であるアセチレンブラック(デンカブラック:電気化学工業(株)社製)26重量部、酸化防止剤としてイルガノックスB1171(チバスペシャリティーケミカルス(株)社製)0.2重量部を、二軸同方向押出機を用いて混練し、ペレットを作製した。このペレットを、押出機を用いて溶融紡糸法により太さ6デシテックス、体積固有抵抗値1×106Ωcmのポリアミド樹脂繊維(B1)を得た。このポリアミド樹脂繊維(B1)を溶融紡糸機で紡糸直後に、溶媒であるHFC−43−10mee(商品名バートレル:三井・デュポンフロロケミカル(株)製、沸点55℃)に、主鎖の炭素数が12であるポリテトラフルオロエチレンを溶解させた溶液(濃度:0.2g/ml)中に通し、絞り器で塗布量を調節した後、自然乾燥し、導電性繊維を製造した。この導電性繊維における、ポリアミド樹脂繊維(B1)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たりのポリテトラフルオロエチレンの被覆量は、0.033g、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。
〔導電性ブラシの製造〕
前述の方法で得られた導電性繊維を用いて、太さ80番のポリエステル繊維を綾織してなる基布に、植毛密度70,000本/平方インチになるように、毛ばさみ織りで織布して起立し、長さ6mmの導電性繊維を有する起毛布を得た。この起毛布の導電性繊維の起立していない方の面から、ロールコーターで体積固有抵抗値が75Ωcmの水系コーティング剤を、起毛布1m2当たり固形分で60g塗布した。60℃の乾燥機で8時間乾燥し、導電性ブラシ用起毛布を得た。
得られた導電性ブラシ用起毛布を用いて、外径8mmの金属棒に巻き付けて外径16mm、起毛布を巻き付けた部分の長さ25cmの導電性ブラシを得た。
前述の方法で得られた導電性繊維を用いて、太さ80番のポリエステル繊維を綾織してなる基布に、植毛密度70,000本/平方インチになるように、毛ばさみ織りで織布して起立し、長さ6mmの導電性繊維を有する起毛布を得た。この起毛布の導電性繊維の起立していない方の面から、ロールコーターで体積固有抵抗値が75Ωcmの水系コーティング剤を、起毛布1m2当たり固形分で60g塗布した。60℃の乾燥機で8時間乾燥し、導電性ブラシ用起毛布を得た。
得られた導電性ブラシ用起毛布を用いて、外径8mmの金属棒に巻き付けて外径16mm、起毛布を巻き付けた部分の長さ25cmの導電性ブラシを得た。
〔トナーとの接触試験〕
内寸幅3cm、内寸長さ25cm、内寸高さ5cmの金属製の箱に、直径3cm、長さ25cmの金属棒及び前記導電性ブラシを入れ、長さ方向にて金属棒と導電性ブラシとを接触させた。そのとき、金属棒の中心と導電性ブラシの金属軸の中心との距離は22mmであった。その状態で、導電性ブラシを120rpmで回転させながら、さらにトナー(平均粒子径8μm、ポリエステル系粉砕トナー)と接触させた。トナーは5gを用いた。100枚連続印刷後の導電性ブラシへのトナー付着量を求め、100枚目の画像の乱れ具合を観察した。結果を表1に示す。
内寸幅3cm、内寸長さ25cm、内寸高さ5cmの金属製の箱に、直径3cm、長さ25cmの金属棒及び前記導電性ブラシを入れ、長さ方向にて金属棒と導電性ブラシとを接触させた。そのとき、金属棒の中心と導電性ブラシの金属軸の中心との距離は22mmであった。その状態で、導電性ブラシを120rpmで回転させながら、さらにトナー(平均粒子径8μm、ポリエステル系粉砕トナー)と接触させた。トナーは5gを用いた。100枚連続印刷後の導電性ブラシへのトナー付着量を求め、100枚目の画像の乱れ具合を観察した。結果を表1に示す。
導電性繊維における、ポリアミド樹脂繊維(B1)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たりのポリテトラフルオロエチレンの被覆量を、0.50gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは6.0dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂繊維(B)として太さ4.5dTexのポリアミド樹脂繊維(B2)を用い、フッ素化合物(C)としてポリテトラフルオロエチレンの代わりに、テトラフルオロエチレン成分の主鎖の炭素数が10、エチレン成分の主鎖の炭素数が6であるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を用い、導電性繊維における、ポリアミド樹脂繊維(B2)の、太さ5デシテックス(dTex)且つ長さ10000m(1万メートル)当たりのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の被覆量を、0.5gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは4.5dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ポリテトラフルオロエチレンによるポリアミド樹脂繊維(B1)の被覆を行わなかった以外は、実施例1と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは6.0dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
ポリテトラフルオロエチレンによるポリアミド樹脂繊維(B1)の被覆を行わなかった以外は、実施例1と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは6.0dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
導電性繊維における、ポリアミド樹脂繊維(B1)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たりのポリテトラフルオロエチレンの被覆量を、0.004gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは6.0dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
導電性繊維における、ポリアミド樹脂繊維(B1)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たりのポリテトラフルオロエチレンの被覆量を、0.004gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは6.0dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
テトラフルオロエチレン成分の主鎖の炭素数が10、エチレン成分の主鎖の炭素数が6であるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体によるポリアミド樹脂繊維(B2)の被覆を行わなかった以外は、実施例3と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは4.5dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
テトラフルオロエチレン成分の主鎖の炭素数が10、エチレン成分の主鎖の炭素数が6であるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体によるポリアミド樹脂繊維(B2)の被覆を行わなかった以外は、実施例3と同様にして導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシを作製し、実施例1と同様に試験を行った。導電性繊維の太さは4.5dTex、体積固有抵抗値は1×106Ωcmであった。結果を表1に示す。
フッ素化合物(C)を被覆しなかった比較例1及び比較例3、並びにフッ素化合物(C)の被覆量の少ない比較例2では、試験終了後の導電性ブラシの導電性繊維にトナーが多く付着しているのが観察され、また画像の乱れが顕著であった。
これに対し、本発明の範囲内である実施例1〜3では、試験終了後の導電性ブラシの導電性繊維へのトナーの付着量が少ないのが観察され、また画像の乱れも少なかった。
これに対し、本発明の範囲内である実施例1〜3では、試験終了後の導電性ブラシの導電性繊維へのトナーの付着量が少ないのが観察され、また画像の乱れも少なかった。
Claims (7)
- 導電性物質(A)を含有する太さ1〜50デシテックス(dTex)のポリアミド樹脂繊維(B)の表面に、フッ素化合物(C)を、前記ポリアミド樹脂繊維(B)の、太さ5デシテックス(dTex)当たり、且つ長さ10000m(1万メートル)当たり、0.01〜1g被覆させてなる導電性繊維。
- 導電性物質(A)の含有量がポリアミド樹脂繊維(B)100重量部に対し10〜40重量部である、請求項1に記載の導電性繊維。
- 導電性物質(A)がカーボンブラックである、請求項1又は2に記載の導電性繊維。
- 前記フッ素化合物(C)が、主鎖の炭素数が6〜50の有機フッ素樹脂である、請求項1に記載の導電性繊維。
- 体積固有抵抗値が103〜1010Ωcmである、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性繊維。
- 基布に請求項1〜5のいずれかに記載の導電性繊維を起立してなる、導電性ブラシ用起毛布。
- 請求項6記載の導電性ブラシ用起毛布を有してなる、電子写真装置用導電性ブラシ。
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JP2005269599A JP2007077551A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 導電性繊維、導電性ブラシ用起毛布、及び導電性ブラシ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005269599A patent/JP2007077551A/ja active Pending
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