JP2007074206A - マイクロストリップアレーアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロストリップアレーアンテナの指向性特性の向上。
【解決手段】列数が少ないマイクロストリップアレーアンテナ100は、4列のアンテナ素子列を有し、3本の給電ストリップ線路41、42及び43から電力を供給される。放射アンテナ素子5−61乃至5−67と放射アンテナ素子5−91乃至97は、各々給電ストリップ線路41及び43からアンテナの内側に向かって放射端が形成されている。28個の放射アンテナ素子について同相で電力を供給し、中央の給電ストリップ線路に接続された放射アンテナ素子5−71乃至77と5−81乃至5−87の個々の放射量を、放射アンテナ素子5−61乃至67と5−91乃至5−97の個々の放射量の2倍となるようにする。これにより、アンテナの低サイドローブ化を実現できる。
【選択図】図1
【解決手段】列数が少ないマイクロストリップアレーアンテナ100は、4列のアンテナ素子列を有し、3本の給電ストリップ線路41、42及び43から電力を供給される。放射アンテナ素子5−61乃至5−67と放射アンテナ素子5−91乃至97は、各々給電ストリップ線路41及び43からアンテナの内側に向かって放射端が形成されている。28個の放射アンテナ素子について同相で電力を供給し、中央の給電ストリップ線路に接続された放射アンテナ素子5−71乃至77と5−81乃至5−87の個々の放射量を、放射アンテナ素子5−61乃至67と5−91乃至5−97の個々の放射量の2倍となるようにする。これにより、アンテナの低サイドローブ化を実現できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車搭載用レーダをはじめとする各種電波センサの送信および受信アンテナに用いることができる誘電体基板を用いた平面アレーアンテナに関する。
近年、大容量高速通信や自動車レーダなどに用いられるミリ波アンテナの開発が進められている。各種ミリ波アンテナのうちマイクロストリップアレーアンテナ(以下、「MSAA」と略記することがある)は、低コスト、薄型化に有利である。
従来、主線路(給電ストリップ線路)に対し左右交互配列のMSAAは、右側アンテナ素子列と左側アンテナ素子列とで、同じ放射量、同じ放射位相で構成されていたため、アンテナの列数が少ないときには、放射量分布の自由度が少なく、指向性制御が困難であった。
それでも指向性を制御するためには、放射量分布の自由度を大きくするために、アンテナの列数を増やすしかなく、アンテナが大型化されてしまうという欠点があった。
特開2001−44752号公報
特許文献1その他のマイクロストリップアレーアンテナにおいては、アレーアンテナの列数が少ないとき、各列に与える放射量および放射位相の自由度が小さいので、実現可能な指向性パターンに制限が生じてしまうという問題がある。即ち、各アンテナ素子列を構成する放射アンテナ素子の数を多くすれば、給電ストリップ線路方向のビーム幅を容易に絞ることができ、アンテナ素子列の列数を多くすれば、給電ストリップ線路と垂直方向のビーム幅を容易に絞ることができる。すると、アンテナ素子列の列数が2又は3の場合は、給電ストリップ線路と垂直方向のビーム幅が広いマイクロストリップアレーアンテナ(平面アンテナ)となる。
上記の問題点は具体的には次の通りである。特許文献1の図1の構成をサブアレーとし、たとえば、給電点から2分岐された2つのサブアレーから成るMSAAについて考える。
第1の問題点として、各々のサブアレーが、給電ストリップ線路の両側に接続されたアンテナ素子列のいずれもが実質的に対称な放射電界を持つ、即ち対称サブアレーであるとすると、給電ストリップ線路の長手方向と直交する方向(給電ストリップ線路を鉛直に配置した場合、水平面内)の指向性パターンにおけるサイドローブレベルが大きい(たとえば−11dB程度)といった問題があった。
この問題点が発生する技術的理由としては、給電ストリップ線路を中心としてその両側に配置されたアンテナ素子列の放射振幅レベルが等しいことを前提としてサブアレーを設計することが通常であるためである。このため、給電ストリップ線路の長手方向と直交する面内の振幅分布は2つのサブアレーの合計4つのアンテナ素子列により「一様」の振幅分布が形成され、サイドローブを低減するのに効果がある、中央で高く外側で低い「テーパー様」の振幅分布を実現できなかったためである。
第2の問題点として、2つのサブアレーから成るマイクロストリップアレーアンテナにおいて、給電ストリップ線路の長手方向と直交する面内の指向性パターンにおける主ビームの方向を、平面アンテナの法線方向から上記面内で傾けようとした場合、正面ビームの場合に存在していたサイドローブレベル(たとえば−11dB)が著しく増大する(例えば−2〜−3dBとなる)問題があった。
その問題点が発生する技術的理由も、給電ストリップ線路を中心としてその両側に配置されたアンテナ素子列の放射位相が等しいことを前提としてサブアレーを設計することが通常であるためである。このため、給電ストリップ線路が2本の場合、分岐点の位置による2つの給電ストリップ線路間の位相差(正確には、2つのサブアレーの各々最も分岐点に近い放射アンテナ素子と、分岐点までの伝送距離)のみで制御され、水平方向の位相分布は一部階段状となり「一定勾配分布」を実現できなかったためである。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、マイクロストリップアレーアンテナにおいて、給電ストリップ線路の長手方向の垂直方向に対するサイドローブを、簡易な構成で低減することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の手段は、背面に導体の接地板が形成された誘電体基板と、その誘電体基板上に形成されたストリップ導体とから形成されたマイクロストリップアレーアンテナにおいて、ストリップ導体は、線状に配設された給電ストリップ線路と、給電ストリップ線路の両側辺のうち少なくとも一方の側辺に沿って所定間隔で、その側辺から接続配列された複数の短冊形状の放射アンテナ素子とから成る、複数個のサブアレーと、当該複数個のサブアレーに1個の給電点から給電するための分岐線路とを有し、各サブアレーの給電ストリップ線路の長手方向は互いに平行であって、外周に位置する2つのサブアレーは、給電ストリップ線路の一方のみの側辺に放射アンテナ素子が接続されており、他のサブアレーは、給電ストリップ線路の両辺に、放射アンテナ素子が順に交互に接続されており、全ての放射アンテナ素子の放射する電界方向が平行であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の手段は、外周に位置するサブアレーの放射アンテナ素子の放射端は、放射アンテナ素子の接続された給電ストリップ線路からマイクロストリップアレーアンテナの内側に向かって形成されていることを特徴とする。
給電ストリップ線路の長手方向の垂直方向の振幅分布あるいは位相分布の与え方の自由度は、給電線路の本数で制限されている。本発明によれば、放射アンテナ素子の全体の数は同じとしながら、給電線路の本数を増すことができ、振幅分布および位相分布を独立に制御できる自由度が向上する。これを利用し、(1)主ビームが正面(平面アンテナの法線方向)の場合、振幅分布を山形(テーパー様)の分布とすることで、サイドローブが低減でき、また、(2)主ビームを傾けた場合、位相分布を一定勾配の直線分布に近づけることで、サイドローブが低減できる。
このように本発明によれば、従来技術に比べサイドローブが低減できる。その効果は、(1)主ビームが正面の場合(振幅分布のテーパー化)のみならず、(2)主ビームが傾けられた場合(位相分布の直線化)も得られる。
以下、図面を参照しながら本発明の具体例について説明する。尚、各図は本発明の特徴部分の概略を示しているに留まり、接続点の位置、各放射アンテナ素子の幅等は適宜周知の設計事例に基づいて設計されるべきものである。
図1.Aは本発明の具体的な実施例に係るマイクロストリップアレーアンテナ100の構成を示す平面図である。また、図1.Bはその側面図である。一方図2.Aは従来構造のマイクロストリップアレーアンテナ900の構成を示す平面図であり、図2.Bはその側面図である。
図1の本発明に係るマイクロストリップアレーアンテナ100は、誘電体基板1の表面に、ストリップ導体2が形成され、裏面に導体から成る接地板3が形成されている。ストリップ導体2は、給電点20を有する3分岐の分岐線路40、分岐線路40に接続された給電ストリップ線路41、42及び43、合計28個の放射アンテナ素子から成る。放射アンテナ素子5−61乃至5−67は給電ストリップ線路41に接続されている。放射アンテナ素子5−71乃至5−77並びに5−81乃至5−87は給電ストリップ線路42に接続されている。放射アンテナ素子5−91乃至5−97は給電ストリップ線路43に接続されている。28個の放射アンテナ素子は短冊状(矩形状)であり、給電ストリップ線路41、42及び43に直接接続されている。尚、放射アンテナ素子5−ijについて、i毎に括って「アンテナ素子列i」と呼ぶ。
詳細には、3分岐の分岐線路40に対し、中央に給電ストリップ線路42が接続され、分岐線路40の両端に給電ストリップ線路41及び43が接続されている。線状の給電ストリップ線路41、42及び43は互いに平行である。給電ストリップ線路41に接続された放射アンテナ素子5−61乃至67は、その放射端が給電ストリップ線路42の側に向いている。給電ストリップ線路42に接続された放射アンテナ素子5−71乃至77は、その放射端が給電ストリップ線路41の側に向いており、放射アンテナ素子5−81乃至87は、その放射端が給電ストリップ線路43の側に向いている。給電ストリップ線路43に接続された放射アンテナ素子5−91乃至97は、その放射端が給電ストリップ線路42の側に向いている。給電ストリップ線路41と放射アンテナ素子5−61乃至67がサブアレーSA1を構成し、給電ストリップ線路42と放射アンテナ素子5−71乃至77並びに5−81乃至87がサブアレーSA2を構成し、給電ストリップ線路43と放射アンテナ素子5−91乃至97がサブアレーSA3を構成している。
図1のマイクロストリップアレーアンテナ100においては、給電ストリップ線路41、42及び43の長手方向が平行であり、当該方向と、各々が短冊形状(矩形形状)の放射アンテナ素子5−61乃至67、5−71乃至77、5−81乃至87並びに5−91乃至97の長手方向(放射される電界の方向)とが垂直である。尚、放射アンテナ素子5−61乃至67、5−71乃至77、5−81乃至87並びに5−91乃至97の長手方向(放射される電界の方向)が全て平行であれば、それらと給電ストリップ線路41、42及び43の長手方向との成す角に関係なく、本発明は適用できる。
3分岐の分岐線路40は、次のように給電ストリップ線路41、42及び43に電力を分配する。即ち、3分岐の分岐線路40は、給電点20から入力された電力を、7個の放射アンテナ素子が接続された給電ストリップ線路41及び43にそれぞれ1/6、14個の放射アンテナ素子が接続された給電ストリップ線路42に2/3を供給する。各サブアレーにおいては全ての放射アンテナ素子から同一の電力が放射されるように設計されており、結局、14個の放射アンテナ素子5−61乃至5−67及び5−91乃至97からの個々の放射量に対し、14個の放射アンテナ素子5−71乃至5−77及び5−81乃至87からの個々の放射量は2倍となるように設計されている。尚、各放射アンテナ素子と給電ストリップ線路との結合量が、各短冊形状の幅として設計され得ることは周知のことである。図1では、「概略を説明するため」、例えばアンテナ素放射アンテナ素子5−61乃至67が、本来当該幅の異なる短冊形状とすべき所、単に「同一幅」で示している。即ち、図1は、同じ給電ストリップ線路に接続された各放射アンテナ素子の放射される電界が全て等しいことを示しているに留まり、「全ての放射アンテナ素子の幾何学的形状が一致すること」を意味するものではない。
3分岐の分岐線路40は、28個の全ての放射アンテナ素子から位相の揃った電磁波が放射されるように、給電ストリップ線路41、42及び43に電力を供給する。即ち、給電点20からそれに最も近い給電ストリップ線路42に接続された放射アンテナ素子5−71までの伝送距離に対し、給電点20から給電ストリップ線路42に接続された放射アンテナ素子5−81までの伝送距離は、用いる高周波のストリップ導体内の管内波長λの1/2倍を加えたものである。また、給電点20からそれに最も近い給電ストリップ線路41に接続された放射アンテナ素子5−61までの伝送距離は、給電点20から給電ストリップ線路42に接続された放射アンテナ素子5−81までの伝送距離に管内波長λの整数倍を加えたもの、給電点20からそれに最も近い給電ストリップ線路43に接続された放射アンテナ素子5−91までの伝送距離は、給電点20から給電ストリップ線路42に接続された放射アンテナ素子5−71までの伝送距離に管内波長λの整数倍を加えたものである。以下、各アンテナ素子列(i=6〜9)における隣り合う放射アンテナ素子5−ij(j=1〜6)及び放射アンテナ素子5−i(j+1)は、給電点20からの伝送距離が管内波長λずつ異なるようにした。本実施例は2つのサブアレーSA1及びSA3と、対称なサブアレーSA2及び分岐線路40のみから構成されており、アンテナ素子列の数の面からは、請求項1及び2に係る発明の最も簡単な構成である。
図2の従来のマイクロストリップアレーアンテナ900は比較のために示されるものであり、次のような構成である。2分岐の分岐線路90と各々14個の放射アンテナ素子が接続された給電ストリップ線路91及び92からなる。放射アンテナ素子95−61乃至67及び95−71乃至77と給電ストリップ線路91をサブアレーSA91と称し、放射アンテナ素子95−81乃至87及び95−91乃至97と給電ストリップ線路92をサブアレーSA92と称する。図2のマイクロストリップアレーアンテナ900の28個の放射アンテナ素子は、全て同じ放射量、同じ放射位相となるように設計されている。図2でも、「概略を説明するため」、例えばアンテナ素放射アンテナ素子59−61乃至67が、本来幅の異なる短冊形状とすべき所、単に「同一幅」で示している。図2は、各放射アンテナ素子の放射される電界が全て等しいことを示しているに留まり、「全ての放射アンテナ素子の幾何学的形状が一致すること」を意味するものではない。
本発明に係る図1のマイクロストリップアレーアンテナ100と、従来構造の図2のマイクロストリップアレーアンテナ900の、各アンテナ素子列の相対放射電界強度を図3に示す。尚各列の放射端同士の間隔を同一とした。ここでは一例として放射端間隔が同一の場合を示したが、このことが本件発明の効果を得るための必要条件ではない。実際の設計作業においては、所望の指向性パターンに、より近づけるための放射端間隔、或いはのちに〔他の効果〕の欄で述べるようなアンテナ開口効率を高めるための放射端間隔を設計要件に照らし合わせて選択するのが良い。従来構造の図2のマイクロストリップアレーアンテナ900は各放射アンテナ素子の放射強度は図3で黒三角で示した通り一様分布である。一方本発明に係る図1のマイクロストリップアレーアンテナ100は、図3で白抜き丸で示した通りの分布を与える。白抜き丸で示した分布は、給電ストリップ線路41乃至43を鉛直方向に配置した場合に水平面内の指向性パターンのサイドローブ低減に効果がある「テーパー分布」としたものである。尚、各放射端の間隔を1.7mmとした。
本発明に係る図1のマイクロストリップアレーアンテナ100と、従来構造の図2のマイクロストリップアレーアンテナ900の、指向性パターンを図4に示す。平面アンテナであるマイクロストリップアレーアンテナの法線方向を0degとして、当該0deg方向の主ビームに対し、±60deg付近に各々ピークを有する2つのサイドローブが存在する。従来構造のマイクロストリップアレーアンテナ900のサイドローブレベルは−11.3dBであるのに対し、提案構造のマイクロストリップアレーアンテナ100では、サイドローブレベルが−23.9dBまで低減できていることがわかる。即ち、図1のマイクロストリップアレーアンテナ100は図2のマイクロストリップアレーアンテナ900に比較して、給電ストリップ線路の長手方向に垂直な面内の指向性について、サイドローブを12dB以上低減できる。
尚、別途14個の放射アンテナ素子5−61乃至5−67(アンテナ素子列6)及び5−91乃至97(アンテナ素子列9)からの個々の放射量に対する、14個の放射アンテナ素子5−71乃至5−77(アンテナ素子列7)及び5−81乃至87(アンテナ素子列8)からの個々の放射量が大きいほどサイドローブの低減が顕著となる。本実施例は、給電ストリップ線路が少ない、特に3本の場合に顕著となる。ただし、アンテナ素子列6とアンテナ素子列9の放射量が余り小さくなると、ビーム幅が太くなる傾向が強いため、所望のビーム幅に関する設計要件とサイドローブ低減に関する設計要件の両者を鑑みて放射量分布を選択するのが良い。
尚、実際の放射素子配列の設計における次のような注意事項が存在する。即ち、放射アンテナ素子が一部給電ストリップ線路に直接結合されたMSAAの場合、給電ストリップ線路の両側に放射アンテナ素子を配した場合の放射アンテナ素子間隔と、給電ストリップ線路の片側のみに放射アンテナ素子を配した場合の放射アンテナ素子間隔は違える必要がある。給電ストリップ線路に放射アンテナ素子が接続されることにより、給電ストリップ線路を伝搬する電波の位相回転量が変動するためである。通常、放射アンテナ素子が配設されることで、給電ストリップ線路を伝搬する電波の位相は進む。したがって、片側にしか放射アンテナ素子が配設されない場合は、両側にある場合に比べて位相は遅れる。それを補うために素子間隔は縮める必要がある。そうすることで、片側のみに配置された放射素子群の中での位相が揃えられ、両側配置された他の放射素子群との位相も揃う。このように給電線路に放射アンテナが配設されることで、給電ストリップ線路を伝搬する電波の位相の摂動量(素子幅依存性)を事前に正確に把握しておきさえすれば、片側配置の放射素子群と両側配置の放射素子群を混在したMSAAでの位相補償が良好に行われ、所望の位相分布が実現される。
図1において、最外周に位置する放射アンテナ素子5−61乃至5−67並びに5−91乃至97は、アンテナ全体に対して、その放射端が内側に向いている。しかしそれらの放射端が外向きになっていても,放射振幅分布の自由度向上の作用・効果を得ることができる。
主ビームを平面アンテナの法線方向から傾ける場合、図5のようなマイクロストリップアレーアンテナ200を構成すると良い。図5のマイクロストリップアレーアンテナ200は、図1のマイクロストリップアレーアンテナ100の給電点20を有する3分岐の分岐線路40を、3分岐の分岐線路44に置き換えたものであり、その他の構成は同一である。即ち誘電体基板1の表面に、ストリップ導体22が形成され、裏面に導体から成る接地板3が形成されている。ストリップ導体22は、給電点20を有する3分岐の分岐線路44、給電ストリップ線路41、42及び43、合計28個の放射アンテナ素子5−61乃至5−67、5−71乃至5−77、5−81乃至5−87並びに5−91乃至5−97から成る。給電ストリップ線路41と放射アンテナ素子5−61乃至67がサブアレーSA1を構成し、給電ストリップ線路42と放射アンテナ素子5−71乃至77並びに5−81乃至87がサブアレーSA2を構成し、給電ストリップ線路43と放射アンテナ素子5−91乃至97がサブアレーSA3を構成している。
図5のマイクロストリップアレーアンテナ200の分岐線路44は、図1のマイクロストリップアレーアンテナ100の分岐線路40と次の点で異なる。即ち、図5のマイクロストリップアレーアンテナ200の分岐線路44は、サブアレーSA1に対して給電点からの距離が図1のマイクロストリップアレーアンテナ100の分岐線路40より長く、サブアレーSA3に対して給電点からの距離が図1のマイクロストリップアレーアンテナ100の分岐線路40より短い。これにより、サブアレーSA2の放射アンテナ素子5−71乃至5−77並びに5−81乃至5−87は全て同位相で電磁波を放射するが、サブアレー1の放射アンテナ素子5−61乃至5−67はそれよりも位相が遅れ、サブアレーSA3の放射アンテナ素子5−91乃至5−97の位相はそれよりも進む。
このように設計された図5のマイクロストリップアレーアンテナ200の各アンテナ素子列の相対放射位相を図6に白抜き丸で示す。尚、各列の放射端同士の間隔は同一で、その間隔は1.7mmとした。ここでは、一例として、放射端間隔が同一の場合を示したが、このことが本件発明の効果を得るための必要条件ではない。実際の設計作業においては、所望の指向性パターンにより近づけるための放射端間隔、或いは、〔他の効果〕の欄で述べるようなアンテナ開口効率を高めるための放射端間隔を設計要件に照らし合わせて選択するのが良い。サブアレーSA2の放射アンテナ素子5−71乃至5−77(アンテナ素子列7)並びに5−81乃至5−87(アンテナ素子列8)の位相を0度とすると、サブアレーSA1の放射アンテナ素子5−61乃至5−67(アンテナ素子列6)の位相は−89度、サブアレーSA3の放射アンテナ素子5−91乃至5−97(アンテナ素子列9)の位相は+89度とした。これにより、平面アンテナの法線方向から、サブアレーSA3側に20度傾いた主ビームを形成することができる。尚、図2のマイクロストリップアレーアンテナ900の2分岐の分岐線路90を置き換えた場合の設計についても図6に黒三角で示した。2分岐の分岐線路を置き換えてサブアレーSA91とサブアレーSA92とで相対放射位相を134.8度異ならせることで達成できる。
図6で白抜き丸で示した本実施例と、黒三角で示した2分岐の比較例について、給電ストリップ線路の長手方向に垂直な面内での指向性パターンを図7に示す。本実施例、比較例共に主ビームの傾きを20度と実現できる。このとき、傾けた方向とは反対側の−30度付近にサイドローブが存在している。サイドローブのレベルは、比較例において−2.4dBであるが、本実施例によれば−21.8dBとなり、19.4dBの改善量が得られる。即ち、サブアレー内で放射位相の揃ったマイクロストリップアレーアンテナで、サブアレー間で放射位相を異なるようにする場合、従来の全てのサブアレーが両側に放射アンテナ素子を有するものに対し、本実施例の最外周のサブアレーが一方のみに放射アンテナ素子を有するものは、サイドローブを低減できる。
〔他の効果〕
本発明の有効性について、アンテナの面積の観点から述べる。図8は、4つのアンテナ素子列を配置する際に、隣接するアンテナ素子列とのカップリング又は給電ストリップ線路とのカップリングを避けるために必要な間隔を示すものである。
本発明の有効性について、アンテナの面積の観点から述べる。図8は、4つのアンテナ素子列を配置する際に、隣接するアンテナ素子列とのカップリング又は給電ストリップ線路とのカップリングを避けるために必要な間隔を示すものである。
図8.Aは、全てのアンテナ素子列に給電ストリップ線路を配置させるもので、各アンテナ素子列の放射端は隣の給電ストリップ線路とのカップリングを避けるための最低距離αを確保する必要がある。この場合、アンテナ面積には幅3αの無駄な面積が存在する。図8.Bは、最外周のアンテナ素子列にそれぞれ給電ストリップ線路を配置させ、2つのアンテナ素子列は1本の給電ストリップ線路に接続させるものである。この時、最外周のアンテナ素子列が給電ストリップ線路からアンテナ外周に向けて形成された場合を示している。この場合、アンテナ面積には幅2αの無駄な面積が存在する。図8.Bは本願の請求項2を除く請求項1に係る発明にあたる。図8.Cは、最外周のアンテナ素子列にそれぞれ給電ストリップ線路を配置させ、2つのアンテナ素子列は1本の給電ストリップ線路に接続させ、最外周のアンテナ素子列が給電ストリップ線路からアンテナ内側に向けて形成された場合を示している。この場合、向き合うアンテナ素子列の放射端のカップリングを避けるための最低距離βを確保する必要がある。この場合、アンテナ面積には幅2βの無駄な面積が存在する。図8.Cは本願の請求項2に係る発明にあたる。図8.Dは、給電ストリップ線路を2本として各々2つのアンテナ素子列を接続させたものである。この場合、アンテナ面積には幅βの無駄な面積が存在する。
通常、αはβより大きい。これは互いに向き合う放射アンテナ素子の放射端が真正面に対向しておらず、「上下方向にズレ」るように設計されるためである。アンテナ面積の効率の点からは図8.Dが最も良く、図8.C(本願の請求項2)、図8.B(本願の請求項2以外)、図8.Aの順に面積効率が悪くなる。しかし、図8.Dよりも図8.Cの方がサイドローブ低減の点から好ましいことは上述の通りである。さらに、アレーアンテナの最外周は、裏面の接地板の影響が少なからずあり、放射アンテナ素子の放射端を誘電体基板の外周に近づけないことが望ましい。この観点からすれば,図8.A、図8.B、図8.Dのいずれもが、最外周に配置された放射アンテナ素子の放射端が誘電体基板の外周に向いており、唯一、図8.C(本願の請求項2)のみが誘電体基板の外周から放射端までの間隙を十分確保できる構成であることがわかる。尚、図4、図7はいわゆるエレメントファクタを除いた、アレーファクタのみによる指向性パターン図である。
以上の全ての実施例において、各放射アンテナ素子は、給電ストリップ線路の長手方向の垂直方向から傾いていても良い。その場合、特許文献1に記載されたように、各放射アンテナ素子を矩形形状とした上、その1頂点のみで接続する、或いは微小なギャップを設けて電磁的に結合させる構成としても良い。
自動車用などの近距離センサやデジタル信号処理による指向性形成(DBF)のサブアレー用等、小型のアレーアンテナが必要な用途に要求される様々な放射特性(低サイドローブ、主放射(メインビーム)方向の制御)を有するアンテナを実現可能である。
1:誘電体基板
100、200:マイクロストリップアレーアンテナ
2、22:ストリップ導体
20:給電点
3:導体から成る接地板
40、44:分岐線路
41、42、43:給電ストリップ線路
5−ij、(i=6〜9、j=1〜7):放射アンテナ素子
SA1、SA2、SA3:サブアレー
100、200:マイクロストリップアレーアンテナ
2、22:ストリップ導体
20:給電点
3:導体から成る接地板
40、44:分岐線路
41、42、43:給電ストリップ線路
5−ij、(i=6〜9、j=1〜7):放射アンテナ素子
SA1、SA2、SA3:サブアレー
Claims (2)
- 背面に導体の接地板が形成された誘電体基板と、その誘電体基板上に形成されたストリップ導体とから形成されたマイクロストリップアレーアンテナにおいて、
前記ストリップ導体は、
線状に配設された給電ストリップ線路と、前記給電ストリップ線路の両側辺のうち少なくとも一方の側辺に沿って所定間隔で、その側辺から接続配列された複数の短冊形状の放射アンテナ素子とから成る、複数個のサブアレーと、
当該複数個のサブアレーに1個の給電点から給電するための分岐線路とを有し、
前記各サブアレーの給電ストリップ線路の長手方向は互いに平行であって、
外周に位置する2つのサブアレーは、前記給電ストリップ線路の一方のみの側辺に前記放射アンテナ素子が接続されており、
他のサブアレーは、前記給電ストリップ線路の両辺に、前記放射アンテナ素子が順に交互に接続されており、
全ての前記放射アンテナ素子の放射する電界方向が平行であること
を特徴とするマイクロストリップアレーアンテナ。 - 前記外周に位置するサブアレーの前記放射アンテナ素子の放射端は、前記放射アンテナ素子の接続された前記給電ストリップ線路からマイクロストリップアレーアンテナの内側に向かって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロストリップアレーアンテナ。
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- 2005-09-06 JP JP2005257614A patent/JP2007074206A/ja active Pending
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