JP2007073916A - パターン形成方法及びパターン形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 現像液の寿命を延ばすことのできるパターン形成方法及び露光システムを提供する。
【解決手段】 感光性樹脂膜110上に酸素遮断膜120を形成する工程と、酸素遮断膜120が形成された感光性樹脂膜110に対してパターンを露光する工程と、露光された感光性樹脂膜110を現像する工程と、を備える。酸素遮断膜120を形成する工程では、感光性樹脂膜110上に高分子水溶液の液膜118を形成し、液膜118に対してエアナイフ31からガスを吹き付ける。
【選択図】 図2
【解決手段】 感光性樹脂膜110上に酸素遮断膜120を形成する工程と、酸素遮断膜120が形成された感光性樹脂膜110に対してパターンを露光する工程と、露光された感光性樹脂膜110を現像する工程と、を備える。酸素遮断膜120を形成する工程では、感光性樹脂膜110上に高分子水溶液の液膜118を形成し、液膜118に対してエアナイフ31からガスを吹き付ける。
【選択図】 図2
Description
本発明は、パターン形成方法及びパターン形成システムに関する。
液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の平面ディスプレイの製造や、電子回路の製造など、数μm〜100μmの精密なパターンの形成方法として、感光性樹脂を用いるフォトリソグラフィー法が広く採用されている。
フォトリソグラフィー法は、ガラス等の基板上への感光性樹脂膜(フォトレジスト)の形成工程、感光性樹脂膜へのパターン露光工程、及び、現像工程等からなる。このフォトリソグラフィー法はパターニングの重ね精度が高く、2mを超える大型基板におけるパターニングも可能であるとされている。
しかし、基板が大型化すると露光光照度が低下するため、所望の工程時間を維持するには、感光性樹脂膜の露光感度を高くする必要がある。感光性樹脂膜の露光感度を高くする方法としては、例えば、特許文献1〜8に記載されているように、感光性樹脂膜の表面に酸素遮断膜を形成しその後露光する方法が知られている。
酸素遮断膜の形成方法としては、高分子水溶液を感光性樹脂膜上にスピンコータやロールコータ等で塗布し、液膜を加熱等により乾燥させることが行なわれている。この感光性樹脂膜は、露光後の現像工程において、現像液に溶解することにより感光性樹脂膜から除去される。
特開平5−119210号公報
特開平5−127011号公報
特開平5−134110号公報
特開平5−210008号公報
特開平5−281408号公報
特開平6−109911号公報
特開平11−288095号公報
特開2005−3861号公報
しかしながら、上述のパターン形成方法では露光後に酸素遮断膜が現像液に溶解することによる現像液の劣化が早いという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、現像液の寿命を延ばすことのできるパターン形成方法及び露光システムを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、酸素遮断膜の形成においてエアナイフを用いることにより、従来よりも極めて薄い酸素遮断膜を形成することができることを見出して本発明に想到するに至った。
本発明に係るパターン形成方法は、感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成する工程と、酸素遮断膜が形成された感光性樹脂膜に対してパターンを露光する工程と、露光された感光性樹脂膜を現像する工程と、を備える。そして、酸素遮断膜を形成する工程では、感光性樹脂膜上に高分子水溶液の液膜を形成し、液膜に対してエアナイフからガスを吹き付ける。
本発明によれば、高分子水溶液の液膜にエアナイフからガスが吹き付けられるので、高分子水溶液の液膜から余分な液体が排除されてこの液膜の厚みが十分に薄くされ、さらに十分に薄くされた液膜が乾燥して酸素遮断膜が形成することとなる。したがって、従来に比して十分に厚みの薄い酸素遮断膜が得られる。そして、酸素遮断膜が従来に比して薄くなるので、現像工程で現像液に溶解する水溶性高分子の量も少なくなり、現像液の寿命が延びる。また、酸素遮断膜が薄いので、この酸素遮断膜を介して行われる感光性樹脂膜へのパターンの露光が好適に行われると共に、現像工程での酸素遮断膜の溶解除去も好適に行われるので、パターニング不良の発生が抑制される。
ここで、液膜を、スプレーコータまたはフローコータにより形成することが好ましい。
特に、スプレーコータやフローコータは、スピンコータやロールコータ等に比べて構造が簡単であり、基板の大型化への対応も容易である。
また、感光性樹脂が遮光性の樹脂であることが好ましい。
遮光性の感光性樹脂は露光用の光を通しにくいので、酸素遮断膜の形成による高感度化が特に必要とされ、本発明に特に適する。
また、パターンを露光する工程ではマスクレス露光法を用いることが好ましい。
特に、マスクレス露光法では、露光時間の短縮化等の要請から感光性樹脂を高感度化する必要が高く、本発明に特に適する。
特に、上記発明において、酸素遮断膜が0.05μm以下であることが好ましい。
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、上述のいずれかのパターン形成方法を用いるカラーフィルタの製造方法である。
例えば、カラーフィルタにおける、ブラックマトリクス、透明着色樹脂層、透明平坦化膜、配向規制構造、散乱層、マイクロレンズ、スペーサ等のパターンの形成に上述のパターン形成方法を採用することができる。
本発明に係るパターニングシステムは、感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成する酸素遮断膜形成装置と、酸素遮断膜が形成された感光性樹脂膜に対してパターンを露光する露光装置と、を備え、酸素遮断膜形成装置は、感光性樹脂膜上に高分子水溶液の液膜を形成する液膜形成手段と、液膜に対してガスを吹き付けるエアナイフと、を有する。
本発明によれば、現像液の寿命を十分に延ばすことが可能となる。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るパターニング方法が行われるパターニングシステム1を示す概略構成図である。
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るパターニング方法が行われるパターニングシステム1を示す概略構成図である。
本パターニングシステム1は、主として、レジスト成膜装置2、酸素遮断膜成膜装置4、露光装置6、及び、現像装置8を備えている。
(レジスト成膜装置2)
レジスト成膜装置2は基板100上に感光性樹脂膜(フォトレジスト)110を形成する装置である。例えば、スピンコート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知のレジスト成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、感光性樹脂膜の溶液を基板100上にスピン塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。また、ドライフィルムレジストであれば、剥離用シートを剥離して基板100上に積層すればよい。
レジスト成膜装置2は基板100上に感光性樹脂膜(フォトレジスト)110を形成する装置である。例えば、スピンコート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知のレジスト成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、感光性樹脂膜の溶液を基板100上にスピン塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。また、ドライフィルムレジストであれば、剥離用シートを剥離して基板100上に積層すればよい。
(感光性樹脂膜の材料)
基板100上に形成する感光性樹脂膜110の材質は、特に限定されず、ポジ型、ネガ型を問わず公知の種々の感光性樹脂を利用できる。
基板100上に形成する感光性樹脂膜110の材質は、特に限定されず、ポジ型、ネガ型を問わず公知の種々の感光性樹脂を利用できる。
(ネガ型感光材料)
ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するもので、一般にはバインダーポリマー、光重合性化合物、光反応開始材、溶媒、及び、分散剤等の添加物を含み、さらに必要に応じて着色材や遮光材を配合したものを塗布し乾燥することにより形成される。
ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するもので、一般にはバインダーポリマー、光重合性化合物、光反応開始材、溶媒、及び、分散剤等の添加物を含み、さらに必要に応じて着色材や遮光材を配合したものを塗布し乾燥することにより形成される。
(光重合性化合物(架橋剤))
光重合性化合物とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合し得る化合物であって、例えば重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙げられる。該化合物は、単官能の光重合性化合物であってもよいし、2官能または3官能以上の多官能の光重合性化合物であってもよい。単官能光重合性化合物としては、例えばノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能光重合性化合物としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3官能以上の光重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましい光重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。該光重合性化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられるが、2官能以上の光重合性化合物が好ましく用いられ、2種以上の光重合性化合物を用いる場合には少なくとも1種は2官能以上の光重合性化合物を用いることが好ましい。該光重合性化合物の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部あたり通常は0.1質量部以上70質量部以下、好ましくは1質量部以上60質量部以下である。
光重合性化合物とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合し得る化合物であって、例えば重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙げられる。該化合物は、単官能の光重合性化合物であってもよいし、2官能または3官能以上の多官能の光重合性化合物であってもよい。単官能光重合性化合物としては、例えばノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能光重合性化合物としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3官能以上の光重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましい光重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。該光重合性化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられるが、2官能以上の光重合性化合物が好ましく用いられ、2種以上の光重合性化合物を用いる場合には少なくとも1種は2官能以上の光重合性化合物を用いることが好ましい。該光重合性化合物の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部あたり通常は0.1質量部以上70質量部以下、好ましくは1質量部以上60質量部以下である。
(バインダーポリマー)
バインダーポリマーとしては、着色剤や遮光剤を分散することができ、着色組成物層に、他成分とともに光照射によって架橋性機能を付与する透明樹脂が使用される。該バインダーポリマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル化合物の重合物、メラミンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
バインダーポリマーとしては、着色剤や遮光剤を分散することができ、着色組成物層に、他成分とともに光照射によって架橋性機能を付与する透明樹脂が使用される。該バインダーポリマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル化合物の重合物、メラミンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
該バインダーポリマーとしては、単量体はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせた共重合体を使用することもできる。該共重合体としては、例えばベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体などが挙げられる。特に、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体が好ましい。該共重合体におけるカルボキシル基を有する単量体単位の含有量は質量分率で5〜50%、好ましくは10〜40%である。
該バインダーポリマーは、ポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる重量平均分子量が5,000〜400,000の範囲、さらには10,000〜300,000の範囲にあるのが好ましい。該バインダーポリマーは、感光性樹脂の全固形分に対して質量分率で通常5〜90%の範囲、好ましくは20〜70%の範囲で用いられる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤が挙げられ、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。活性ラジカル発生剤として、市販のものを用いることもできる。市販の光重合開始剤としては、例えば、商品名「Irgacure-907」(アセトフェノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤が挙げられ、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。活性ラジカル発生剤として、市販のものを用いることもできる。市販の光重合開始剤としては、例えば、商品名「Irgacure-907」(アセトフェノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
(光重合開始助剤)
光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて、光重合開始剤によって開始した光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、例えばアミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物などが挙げられる。アミン系化合物としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば商品名「EAB-F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。該光重合開
始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。光重合開始剤および光重合開始助剤を用いる場合の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて、光重合開始剤によって開始した光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、例えばアミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物などが挙げられる。アミン系化合物としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば商品名「EAB-F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。該光重合開
始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。光重合開始剤および光重合開始助剤を用いる場合の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
(溶媒)
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどの芳香族脂肪族エーテル類、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。こうした溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、感光性樹脂における溶剤の含有量が質量分率で通常20質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上85質量%以下となるように使用される。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどの芳香族脂肪族エーテル類、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。こうした溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、感光性樹脂における溶剤の含有量が質量分率で通常20質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上85質量%以下となるように使用される。
(着色剤)
透明着色樹脂材等として使用する場合には着色剤を添加する。着色剤としては染料や顔料を用いることができる、顔料としては有機および無機顔料を用いることができ、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
透明着色樹脂材等として使用する場合には着色剤を添加する。着色剤としては染料や顔料を用いることができる、顔料としては有機および無機顔料を用いることができ、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
(遮光材)
ブラックマトリクスとして使用する場合には、遮光剤を添加する。遮光材としては、カーボン、アニリンブラック、ペリレン化号物といった有機顔料、チタンブラック、マグネタイトといった無機顔料が挙げられる。
ブラックマトリクスとして使用する場合には、遮光剤を添加する。遮光材としては、カーボン、アニリンブラック、ペリレン化号物といった有機顔料、チタンブラック、マグネタイトといった無機顔料が挙げられる。
(その他の添加剤)
その他の添加剤としては、例えば、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、凝集防止剤、有機酸、硬化剤などが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
その他の添加剤としては、例えば、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、凝集防止剤、有機酸、硬化剤などが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(ポジ型感光材料)
一方、ポジ型感光材料は、光の照射部分が現像液に対して可溶化するもので、一般的には樹脂と光反応により親水化する化合物とを複合化することで構成され、例えば、カラーフィルタの製造においてはCrやALといった金属材料、ITOやIZOといった無機材料の薄膜に積層し、エッチングパターンを形成するために使用される。
一方、ポジ型感光材料は、光の照射部分が現像液に対して可溶化するもので、一般的には樹脂と光反応により親水化する化合物とを複合化することで構成され、例えば、カラーフィルタの製造においてはCrやALといった金属材料、ITOやIZOといった無機材料の薄膜に積層し、エッチングパターンを形成するために使用される。
ポジ型感光剤は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリイミド、などを耐薬品性と密着性を有する樹脂と光分解性化合物と組み合わせたものを好適に用いることができる。
(酸素遮断膜成膜装置4)
続いて酸素遮断膜成膜装置4について図2及び図3を参照して説明する。この酸素遮断膜成膜装置4は、感光性樹脂膜110上に酸素遮断膜120を形成する装置である。
続いて酸素遮断膜成膜装置4について図2及び図3を参照して説明する。この酸素遮断膜成膜装置4は、感光性樹脂膜110上に酸素遮断膜120を形成する装置である。
具体的には、酸素遮断膜成膜装置4は、フローコータ(液膜形成手段)21及びエアナイフ31を主として備えている。
(フローコータ)
フローコータ21は、高分子水溶液89をカーテン状に流下させて感光性樹脂膜110上に塗布する塗布装置である。フローコータ21の形式は特に限定されないが、例えば、図2に示すように、貯留部22内に貯留された高分子水溶液89を堰部23から溢流させ、垂直案内板としてのドクターブレード24に沿って流下させる形式のものや、図示は省略するが、貯留部22の底部に設けられたスリットから高分子水溶液をカーテン状に流下させる形式のもの等を好適に採用できる。
フローコータ21は、高分子水溶液89をカーテン状に流下させて感光性樹脂膜110上に塗布する塗布装置である。フローコータ21の形式は特に限定されないが、例えば、図2に示すように、貯留部22内に貯留された高分子水溶液89を堰部23から溢流させ、垂直案内板としてのドクターブレード24に沿って流下させる形式のものや、図示は省略するが、貯留部22の底部に設けられたスリットから高分子水溶液をカーテン状に流下させる形式のもの等を好適に採用できる。
フローコータ21には高分子水溶液89を貯留するタンク27が接続され、タンク27内の高分子水溶液89はポンプ28を介してフローコータ21内に供給される。
高分子水溶液89は、水溶性高分子の水溶液である。水溶性高分子としては酸素透過性が低く、露光光線を透過し、水又は水溶液に可溶なものが使用できる。例えば、アルギン酸塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリビニルエーテル、澱粉、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。さらにこれらの水溶性高分子のうち2種類以上を混合して使用することもできる。特に好ましくは、ポリビニルアルコールを単独、又は他の水溶性高分子と混合して使用するのがよい。さらに好ましくは1〜10%のポリビニルアルコール水溶液を使用するのが良い。
フローコータ21の下方には、感光性樹脂膜110が成膜された基板100を搬送するローラコンベア等の基板搬送手段50が設けられている。
そして、前述のレジスト成膜装置2で感光性樹脂膜110が成膜された基板100は、基板搬送手段50によりフローコータ21の下方をほぼ水平に通過させられ、フローコータ21から自由落下するカーテン状にされた高分子水溶液と接触することにより、感光性樹脂膜110上に高分子水溶液89の液膜118が形成する。
また、図3の上面図に示すように、基板100を上から見たときに、フローコータ21の軸線eは、基板搬送方向aと直交する線dと平行に配置すればよい。
なお、フローコータ21は、スピンコータやロールコータ等、従来多く用いられていた塗布装置に比べて安価なので、設備費を低減する効果が高い。
(エアナイフ)
エアナイフ31は、図2に示すように、カーテン状のガスを液膜118に対して噴出する装置である。エアナイフ31は、ガスを収容するチャンバ32及びチャンバ32内のガスをカーテン状に噴出させるスリット33を備えている。チャンバ32には、ラインを介してブロア35が接続されており、スリット33から液膜118に対してカーテン状のガスが噴出される。
エアナイフ31は、図2に示すように、カーテン状のガスを液膜118に対して噴出する装置である。エアナイフ31は、ガスを収容するチャンバ32及びチャンバ32内のガスをカーテン状に噴出させるスリット33を備えている。チャンバ32には、ラインを介してブロア35が接続されており、スリット33から液膜118に対してカーテン状のガスが噴出される。
これにより、液膜118の余分な液体が基板搬送方向aの上流側に押し戻されるので液膜118が十分に薄くなる。さらに、カーテン状のガスによりこの液膜118が乾燥して水溶性高分子膜としての酸素遮断膜120が十分に薄い膜厚、好ましくは0.05μm以下で形成する。なお、酸素遮断膜が0.005μm以上有れば、酸素遮断膜なしの場合に比べて十分に感光性樹脂膜への酸素の透過を遮断できるので、感光性樹脂膜の感度を向上させる効果は十分に発現する。
スリット33の幅は、0.1〜1.0mmとすることができる。また、供給するガス、例えば空気の圧力は、0.1〜5kgf/cm2とすることができ、0.5〜2kgf/cm2とすることが好ましい。圧力が高すぎると、液が飛散してしまい、感光性樹脂膜110上に液滴が残る場合がある。一方、圧力が低すぎる場合には、液膜118を十分に薄くできにくい傾向があり、十分に薄い酸素遮断膜120を形成することが困難である。
また、スリット33の先端と感光性樹脂膜110との距離は、1〜10mmとすればよく、好ましくは、3〜7mmとすればよい。距離が近すぎる場合には、感光性樹脂膜110とスリット33とが接触する場合があり、距離が遠すぎる場合には液膜118を十分に薄くできにくい傾向があり、薄い酸素遮断膜120を形成することが困難である。
エアナイフ31からのカーテン状のガスの噴出方向は、図2において、基板110に対して直交する方向すなわち図示bの方向としてもよいが、好ましくは、基板110に対して直交する方向bから基板搬送方向aの上流側へ角度θ(θ>0)だけ傾斜した方向とすることが好ましい。これにより、液膜118における余分な液を十分に少なくでき、酸素遮断膜120を極めて薄い膜厚にできる。ここで、θの好適な範囲は、0〜45°である。
また、図3の上面図に示すように、基板100を上から見たときに、エアナイフ31の軸線cは、基板搬送方向aと直交する線dと平行に配置してもよいが、基板搬送方向aと直交する線dに対して角度φ(φ>0)で傾斜するように配置することが好ましい。ここで、φの好適な範囲は、0〜45°である。
(露光装置6)
露光装置6は、基板100上に形成された感光性樹脂膜110に対して、酸素遮断膜120を介して所定の光のパターンを投影する装置である。露光装置6としては、公知の種々の装置を利用でき、例えば、図4に示すように、光源67からの光をマスクMにより遮蔽してパターンを形成し、このパターンを感光性樹脂膜110に投影するものや、図5に示すように、マスクを使わず、光源67からの光を、空間光変調器68で変調してパターンを形成し、このパターンを感光性樹脂膜110に投影する、いわゆるマスクレス露光装置でもよい。空間光変調器68はマトリクス状に配置された光変調素子69を多数有している。各光変調素子69は、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させる第1の状態(図示B1の状態)と、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させない第2の状態(図示B2の状態)とを切替えることができ、これにより、所望のパターンを感光性樹脂膜110に投影できる。通常、空間光変調器68はコンピュータにより制御される。
露光装置6は、基板100上に形成された感光性樹脂膜110に対して、酸素遮断膜120を介して所定の光のパターンを投影する装置である。露光装置6としては、公知の種々の装置を利用でき、例えば、図4に示すように、光源67からの光をマスクMにより遮蔽してパターンを形成し、このパターンを感光性樹脂膜110に投影するものや、図5に示すように、マスクを使わず、光源67からの光を、空間光変調器68で変調してパターンを形成し、このパターンを感光性樹脂膜110に投影する、いわゆるマスクレス露光装置でもよい。空間光変調器68はマトリクス状に配置された光変調素子69を多数有している。各光変調素子69は、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させる第1の状態(図示B1の状態)と、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させない第2の状態(図示B2の状態)とを切替えることができ、これにより、所望のパターンを感光性樹脂膜110に投影できる。通常、空間光変調器68はコンピュータにより制御される。
空間光変調器68としては、微少ミラー(光変調素子69)の反射面の傾きを変えて第一の状態と第二の状態とを切り替えるDMD(Digital Micro mirror Device)、反射型の液晶表示素子(光変調素子69)を用い反射/非反射を切り替えることにより第1の状態と第2の状態を実現するLCOS(Liquid Crystal On Silicon)、複数のリボンからなり1つの光ドット(画素)に対応するリボン群(光変調素子69)が多数並べられ各リボン群による回折/非回折を切替えることにより第1の状態と第2の状態を実現するGLV(Grating Light Valve)素子等の反射型の空間光変調器や、透過形の液晶表示素子(光変調素子62)を用い透過/非透過を切り替えることにより第1の状態と第2の状態を実現する透過形の空間光変調器等を使用することができる。なお、通常、一回の露光で描画可能な領域68aは、感光性樹脂膜110の描画予定領域110aよりも大きいので、基板100を載せたステージ66を空間光変調器68に対して相対的に移動させ、多数回露光を行えばよく、このときに領域68aを一部重ねて露光することも好ましい。これにより、多階調の露光が可能となり、また、隙間なく連続したパターンを好適に形成可能である。
なお、マスクレス露光装置として、レーザ光等をスキャンして直接パターンを描画する露光装置でも構わない。
このようなマスクレス露光装置は、高価なフォトマスクを用いないことから、製造コストを低下でき、ライン切り替え時間の短縮、新規製品開発時間の短縮など多くのメリットが期待されるが、マスクを用いた露光法に比べて露光に時間がかかる場合が多く、工程時間短縮のために感光性樹脂膜の高感度化が求められる場合が多い。したがって、酸素遮断膜が必要となる場合が多く、上述の酸素遮断膜成膜装置と組み合わせるメリットが大きい。
光源67としては、好適には、波長200〜450nmの光源、例えば高圧水銀ランプ、キセノンランプ、半導体やYAGなど各種レーザおよびこれらの高倍階調波を用いることが可能である。
本工程により、感光性樹脂膜110に対してパターンの潜像が形成される。そして、本実施形態では、従来に比べて酸素遮断膜120が薄いので、この酸素遮断膜120を介して行われる感光性樹脂膜110への潜像の形成を十分にシャープに行うことができ、パターニング不良を起こし難いので歩留まりがよくなる。
(現像装置8)
現像装置8は、感光性樹脂膜110を現像してパターニングを行う装置である。現像装置8は特に限定されず、公知の種々の現像装置を用いることができる。例えば、図1に示すように、シャワーヘッド8aから基板100に対して所定の現像液を滴下して、現像液と露光済みの感光性樹脂膜110とを接触させる装置を利用できる。基板100と接触した現像液は、回収器8bに回収され、ポンプ8cにより再びシャワーヘッド8aに供給され、再び基板110と接触するので、現像液が循環利用され、現像液の有効利用が図られる。なお、必要に応じて、その後、基板110の水洗、乾燥、及び、熱処理を行うことが可能である。
現像装置8は、感光性樹脂膜110を現像してパターニングを行う装置である。現像装置8は特に限定されず、公知の種々の現像装置を用いることができる。例えば、図1に示すように、シャワーヘッド8aから基板100に対して所定の現像液を滴下して、現像液と露光済みの感光性樹脂膜110とを接触させる装置を利用できる。基板100と接触した現像液は、回収器8bに回収され、ポンプ8cにより再びシャワーヘッド8aに供給され、再び基板110と接触するので、現像液が循環利用され、現像液の有効利用が図られる。なお、必要に応じて、その後、基板110の水洗、乾燥、及び、熱処理を行うことが可能である。
ここで、現像液としては、感光性樹脂膜現像用の公知の種々のアルカリ性水溶液が好適に用いられる。具体的には、例えば、ナトリウムやカリウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩といった無機アルカリ、有機アンモニウムなどの有機アルカリ等を溶解したアルカリ性水溶液を現像液として使用できる。
ここで、酸素遮断膜120は水溶性高分子から形成されているので、基板100に現像液が滴下されると、酸素遮断膜120は現像液に溶けて感光性樹脂膜110上から除去される。したがって、滴下された現像液は問題なく感光性樹脂膜110と接触し、この感光性樹脂膜110のパターニングがなされる。
このようにして、感光性樹脂膜110のパターニングがなされ、図6に示すように、感光性樹脂のパターニングが完了する。
そして、本実施形態では、酸素遮断膜成膜装置4においてエアナイフ31を用いているので、酸素遮断膜120が従来に比して十分薄くなっており、現像液に溶ける水溶性高分子の量が少ない。したがって、繰返し使用される現像液の劣化を抑制でき、現像液の寿命を十分に高めることができる。
また、酸素遮断膜120が薄いので、現像工程での酸素遮断膜の除去が好適に行われるので、一層歩留まり良くパターニングが行える。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係るパターニング方法及び露光システムについて説明する。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、酸素遮断膜成膜装置4のみであるのでこれについてのみ説明する。
続いて、第2実施形態に係るパターニング方法及び露光システムについて説明する。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、酸素遮断膜成膜装置4のみであるのでこれについてのみ説明する。
本実施形態に係る酸素遮断膜成膜装置4は、図7に示すように、フローコータ21に代えて、スプレーコータ(液膜形成手段)40を備えている。スプレーコータ40は、スプレーノズル42aを有するスプレーヘッド42を有している。スプレーヘッド42としては、例えば、2流体ノズルを採用することができる。スプレーヘッド42には、高分子水溶液89を貯留するタンク47及びタンク47の高分子水溶液89をスプレーヘッド42に供給するポンプ48が接続されている。また、スプレーヘッド42には、スプレー用のエアーを供給するブロア43が接続されている。
タンク47から供給された高分子水溶液89はスプレーノズル42aから液滴群116として噴霧され、感光性樹脂膜110上に液膜118が形成される。これ以外については、第1実施形態の酸素遮断膜成膜装置と同様である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(カラーフィルタの製造方法)
続いて、上述のパターン形成方法及び露光システムを適用するカラーフィルタCF及び液晶ディスプレイLCDの製造方法について図8を参照して説明する。
続いて、上述のパターン形成方法及び露光システムを適用するカラーフィルタCF及び液晶ディスプレイLCDの製造方法について図8を参照して説明する。
カラーフィルタCFは、無アルカリガラスなどの透明基板61上に、表示単位としてのRGB副画素である透明着色樹脂層73R,73G,73Bと、これらの透明着色樹脂層73R,73G,73Bを区画する遮光パターンとしてのブラックマトリクス63が主として形成されているものである。
ブラックマトリクス63は、隣接する透明着色樹脂層73R,73G,73Bの境界を区画して混色を防止するもので、極めて高いパターンの精度及び均一性が要求される。ブラックマトリクス63の形状は、格子状やストライプ状が一般的であるが、表示の解像度を高めるために屈折形状や、多角形形状が採用されることもある。
ブラックマトリクス63は、クロムやモリブデン、ニッケルといった金属製の遮光性薄膜と反射防止膜とを組み合わせた薄膜をパターニングしたものであってもよく、また、カーボンブラックやチタン化合物やフェライト化合物を分散した遮光性樹脂をパターニングしたものであってもよい。感光性を有する遮光性樹脂膜であればこの膜を直接フォトリソフラフィー法でパターニングすればよく、また、感光性がない膜の場合にはその膜の上に感光性樹脂膜を形成し、感光性樹脂膜をパターニングし、パターニングされた感光性樹脂膜をマスクとして感光性の無い膜をエッチングすることにブラックマトリクス63のパターニングが可能である。
そして、このブラックマトリクス63の製造工程において、上述の感光性樹脂膜のパターニングに対して前述のパターニング方法を採用することができる。
特に、ブラックマトリクス63を遮光性(黒色)の感光性樹脂膜の直接パターニングにより作成する場合、遮光性の感光性樹脂膜は光を通しにくいので、酸素遮断膜を塗布してこの感光性樹脂膜の感度を十分に向上させる必要がある。したがって、前述のパターニング方法を適用することが特に好ましい。
ブラックマトリクス63の開口内にはR(赤)、G(緑)、B(青)の透明着色樹脂層73R,73G,73Bが所定の順番に形成されている。
透明着色樹脂層73R,73G,73Bは、ブラックマトリクス63の開口部を覆うパターンに形成される。例えば1画素がRGB三色のストライプで形成される場合、副画素の線幅、すなわち、ブラックマトリクス63の開口幅は1画素のピッチの約1/3である。
このような透明着色樹脂層73R,73G,73Bも、感光性の透明着色樹脂の直接パターニングや、透明着色樹脂層上に設けたレジストマスクを用いたパターニングにより製造することができ、これらの工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
そして、必要に応じて、これらの透明着色樹脂層73R,73G,73B上に表面を平坦化させる透明平坦化膜80が設けられ、その上にさらに、液晶駆動のための共通電極となる透明導電膜85が形成される。
透明平坦化膜80は、ブラックマトリクス63/透明着色樹脂層73R、73G,73Bに重ねて塗布するもので透明着色樹脂層73R,73G,73B、ブラックマトリクス63の段差を埋め、液晶セルに適した平滑性を付与するとともに、カラーフィルタCFから汚染物質の溶出を防止する。また、透明平坦化膜80についても液晶セル設計の必要性に応じて、微細なパターニングを行なう場合があり、この場合、上述のパターニング方法を用いることができる。
また、透明導電膜85としては、ITO等を利用できる。ここで、必要に応じて、視野角特性を改善するための加工として、液晶の配向方向を分割するためのバンクを透明導電膜85上に形成したり、透明導電膜85そのものにスリットを形成するなどの加工が行なわれてもよく、この場合にも、上述のパターニング方法を適用できる。
さらに、透明導電膜85上に液晶のセルギャップを調整するための柱状スペーサ90の形成が行なわれる。柱状スペーサ90は、上記のブラックマトリクスや透明着色樹脂層、透明平坦化膜で使用したパターンを用いたフォトリソグラフィー法により形成することが可能であるが、高さ精度や変形特性を極めて厳密に管理することが必要であることから、専用の感光性樹脂層を重ね塗りし専用のパターンを用いたフォトリソグラフィー法で仕上げることが一般に行なわれる。これらの工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
さらに、透明導電膜85上には必要に応じて配向膜86が形成される。
なお、透明基板61上には、ブラックマトリクス63以外に、RGBの着色層の重ね合せや貼り合せや品質管理のための図示しないマーク類が形成されていてもよい。
また、半透過型液晶の場合には、液晶セル内の光路長が反射領域では透過領域の2倍となる。このため、透過表示と反射表示の表示特性を同時に最適化するため、反射・透過両用の液晶パネルでは反射部及び透過部毎で互いに異なるセルギャップを形成する場合もある。例えば、反射板の下に、かさ上げ層を形成する場合等である。この工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
そして、このようにして作成したカラーフィルタの上に、薄膜トランジスタ基板TFTを対向配置し、配向膜86と薄膜トランジスタ基板TFTとの間に液晶220を封入することにより、平面ディスプレイとしての液晶表示素子が完成する。薄膜トランジスタ基板TFTは、薄膜トランジスタ素子300の下面に画素電極301及び配向膜387を有しており、薄膜トランジスタ素子300の上には偏光膜315が形成されている。
上述のように、カラーフィルタCFにおいて、ブラックマトリクス63、透明着色樹脂層73R,73G,73B、透明平坦化膜80、透明導電膜85、及び、柱状スペーサ90等のパターニングにおいて上述のパターニング方法を用いると、歩留まり良くパターニングが行えると共に、現像液の劣化が少ないので製造コストを十分に抑えられる。なお、上述のパターニング方法により、透明導電膜と配向膜との間に配向規制構造を有する樹脂層(例えば、ノボラック、アクリル等)を設けてもよく、また液晶パネルの任意の位置に散乱層やマイクロレンズをこの方法により形成しても良い。
特に、このような、カラーフィルタの製造において、例えば、5回から7回程度行われるフォトリソグラフィー工程のなかでなるべく多くの工程を上述の装置及び方法により行うことが好ましい。
なお、上述のカラーフィルタは、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタでなく、白色有機EL発光素子等を用いた平面ディスプレイ用のカラーフィルタ等にも適用できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種所の応用が可能である。例えば、上記のパターニング方法及び露光システムは、カラーフィルタの製造に限られず、LSI等の種々の電子回路の製造に適用できる。
また、上記実施形態では、高分子水溶液を塗布する液膜形成手段として、安価な装置であるフローコータやスプレーコータを用いているが、スピンコータ等を用いても実施は可能である。どのような塗布装置を用いても、エアナイフによって十分に薄い酸素遮断膜の形成が可能である。
(実施例)
370×470mmの無アルカリガラス(コーニング社1737、0.7t)に遮光性感光性樹脂原料(BK-4617:東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレート上で90℃×110秒間、プリベークし膜厚1.2μmの遮光性感光性樹脂膜を形成した。
370×470mmの無アルカリガラス(コーニング社1737、0.7t)に遮光性感光性樹脂原料(BK-4617:東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレート上で90℃×110秒間、プリベークし膜厚1.2μmの遮光性感光性樹脂膜を形成した。
その後、PVA(クラレ製PVA−205)水溶液の濃度2%品を市販のスプレーノズル(いけうち製JJRP-PVDF)で基板全面に塗布して液膜とし、その後に市販のエアナイフ液膜に空気を吹き付け、過剰液を除去して液膜を薄くしつつこの液膜を乾燥し、感光性樹脂膜上に膜厚0.04μmのPVA膜(酸素遮断膜)を形成した。
ここで、エアナイフとしては、スリット幅0.2mm及びスリット長さ600mmのスプレーイングシステムジャパン製スリットノズルヘッダーを用いた。また、エアナイフのガスの傾斜角θを5°とし、傾斜角φを20°とし、基板とエアナイフのスリットとの間の距離を5mmとし、吐出空気圧力1.5kgf/cm2とし、基板搬送速度を25mm/sとした。
そして、PVA膜が形成された感光性樹脂膜に対して、ダイレクトイメージ描画機(ペンタックス社製DI−2080)を用いて、線幅20μm(120μm×360μmピッチ)のブラックマトリックス用の格子パターンを、露光量20mJ/cm2、波長408nmので露光した。
露光後の感光性樹脂膜を、120Lの無機アルカリ現像液(KOH:0.05%)を循環利用して23℃で80秒間シャワー現像したのち、マイクロジェット洗浄装置を用い、10MPaの圧力で液滴ジェット洗浄を行なった。ここで、液滴ジェットの吐出方向は、基板に対する垂線に対して基板の搬送方向側の傾斜角度θを15°とした。
液滴ジェット洗浄を60秒間実施した後、エアナイフ乾燥したのち、220℃で20分間熱処理することにより、該ガラス基板上にブラックマトリックスパターンを形成した。
このような工程を同一の無機アルカリ現像液を用いて多数枚の基板に対して繰返した。そして、現像液が現像能力を失ったと判定する基準を、パターンの線幅が20±1μmの範囲を超えた時と定め、120Lの現像液で何枚現像可能かどうか調べたところ、200枚の現像が可能であった。また、パターンの欠陥の発生率は1%であった。
(比較例)
PVA水溶液の塗布方法をスピンコート法に変更し、エアナイフなしで加熱により乾燥することにより、感光性樹脂膜上に膜厚1μmのPVA膜(酸素遮断膜)を形成する以外は、実施例1と同様にした。120Lの現像液で120枚の現像しかできなかった。また、欠陥の発生率は5%であった。
PVA水溶液の塗布方法をスピンコート法に変更し、エアナイフなしで加熱により乾燥することにより、感光性樹脂膜上に膜厚1μmのPVA膜(酸素遮断膜)を形成する以外は、実施例1と同様にした。120Lの現像液で120枚の現像しかできなかった。また、欠陥の発生率は5%であった。
1…パターン形成システム、4…酸素遮断膜成膜装置、6…露光装置、21…フローコータ(液膜形成手段)、31…エアナイフ、40…スプレーコータ(液膜形成手段)、110…感光性樹脂膜、118…高分子水溶液の液膜、120…酸素遮断膜。
Claims (7)
- 感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成する工程と、
前記酸素遮断膜が形成された感光性樹脂膜に対してパターンを露光する工程と、
前記露光された感光性樹脂膜を現像する工程と、を備え、
前記酸素遮断膜を形成する工程では、前記感光性樹脂膜上に高分子水溶液の液膜を形成し、前記液膜に対してエアナイフからガスを吹き付けるパターン形成方法。 - 前記液膜を、スプレーコータまたはフローコータにより形成する請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記感光性樹脂が遮光性の樹脂である請求項1又は2記載のパターン形成方法。
- 前記パターンを露光する工程ではマスクレス露光法を用いる請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 請求項1〜4のいずれかのパターン形成方法を用いるカラーフィルタの製造方法。
- 前記酸素遮断膜は0.05μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成する酸素遮断膜形成装置と、
前記酸素遮断膜が形成された感光性樹脂膜に対してパターンを露光する露光装置と、を備え、
前記酸素遮断膜形成装置は、
前記感光性樹脂膜上に高分子水溶液の液膜を形成する液膜形成手段と、
前記液膜に対してガスを吹き付けるエアナイフと、を有するパターン形成システム。
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