JP2007072678A - シミュレーション実行方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の移動物体がいずれかの探知覆域に入った場合に生じる不具合を解決する。
【解決手段】 移動速度に応じて設定される論理時刻進行の刻み幅が与えられた複数の移動物体を主対象とする並列分散シミュレーションにおいて、或る移動物体の探知覆域に他の移動物体が入った時点から、または他の移動物体の探知覆域に当該或る移動物体が入った時点からこれらの探知覆域外に達するまでの期間、該当するこれら移動物体は、それぞれの事前に設定された論理時刻進行の刻み幅の内、いずれかの移動物体が持つ最も小さい値を自己の論理時刻進行の刻み幅とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、時刻管理に時刻駆動方式を適用した多数の移動物体が登場するシミュレーションを複数の計算機(またはCPU)により並列分散して行うシミュレーション実行方法に関するものである。
航空機、車両、人などの移動物体(Moving Object:MO)が多数登場する計算機シミュレーションにおいて、計算量が課題となる場合は、複数の計算機による並列分散シミュレーション技術を用いるのが今日では一般的である。一昔前は、ベクトル型のスーパーコンピュータや大型の汎用計算機により処理する手法も取られていたが、近年、PC(パーソナルコンピュータ)やWS(ワークステーション)のコストパフォーマンスが向上し、それらを複数備えたクラスター型の計算機環境でも、スーパーコンピュータの実行性能を凌駕するようになってきている。
ところが、並列分散シミュレーションでは、1台の計算機では特に問題とならなかった論理時刻管理機能が必要となる。これは、それぞれの計算機で模擬した結果を互いに利用し合ってシミュレーション時刻を進める並列分散シミュレーションでは、他の計算機からのメッセージ(模擬結果等)を因果関係に矛盾が生じないように処理する必要があるためである。基本的に、因果関係に矛盾が生じないように処理するとは、複数の計算機で並列処理を行っている場合において、或る計算機上で自身が担当する模擬処理と他の計算機から届くメッセージ(模擬結果等)の処理を論理時刻順に処理することである。並列分散シミュレーションでは、時刻進行の単位をLP(Logical Process)と称する。一般的に時刻管理方式には、LP間で互いにイベントを送受しながらシミュレーションの時刻を進めるイベント駆動方式と、各LPが時刻進行の刻み幅Δtを持ち、そのΔtの間隔で互いにメッセージを送受しながら時刻を進める時刻駆動方式とがある。
互いの影響範囲が空間的局所性を持つ移動物体のシミュレーションを、イベント駆動方式により実現する場合は、一般的に、必要なイベントのみを計算(模擬)すれば良いことになるが、各LPは個々のイベントおよびその発生時刻を算出する必要がある。特に、移動物体が多数登場する場合は、個々の移動物体の状態が時々刻々と影響を及ぼし合いながら変化するため、該イベントおよびその発生時刻の算出はかなり困難を要することになる。他方、時刻駆動方式を適用した場合は、イベント駆動方式に比べて不要な模擬処理は発生するが、次のイベントおよびその発生時刻を算出する必要が無いため、実装が容易になるといったメリットがある。また、時刻駆動方式では、不要な模擬処理が多くなるが、多くの並列度を抽出できる。このため、多数の移動物体が登場する移動体シミュレーションを並列分散シミュレーション技術により実装する場合、時刻駆動方式が採用されるのが一般的である。
このような時刻駆動方式において、該不要な模擬処理を減らし、実行性能向上を図るための方法として、各LPの論理時刻進行の刻み幅Δtを大きくするといったことが考えられる。特に、低速、高速の移動物体が共に登場するシミュレーションでは、低速移動物体は単位時間当たりの移動距離は短いものとなり、他のLPへの影響は高速移動物体に比べると小さいことから、論理時刻進行の刻み幅Δtを大き目に設定することが考えられる。例えば距離定数σ(距離の基準値:例えば、1σ=1海里とする)を定義し、各移動物体の速度Vからそれぞれの論理時刻進行の刻み幅Δtを式(1)を用いて設定する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
Δt=σ/V (1)
本方法では、距離定数σ以内に接近する移動物体同士であれば、必ずその状態を検知することができるため、本来会合するはずの移動物体同士がその状態を検知できなかったためにシミュレーションに矛盾が生じる「スリップ現象」を回避することができる。
電子情報通信学会・英論文:A. Ozaki, M, Furuichi, K. Takahashi and H. Matsukawa, "Design and Implementation of Parallel and Distributed Wargame Simulation System and Its Evaluation," IEICE Trans. IEICE/IEEE Joint Special Issue Vol.E84-D No.10, pp.1376-1384, OCTOBER 2001
時刻管理に時刻駆動方式を適用し、多数の移動物体を対象とする従来の並列分散シミュレーションは、以上のように構成されているが、この方法は、図8および図9においても後述するが、次のような問題がある。複数の移動物体において、一方の移動物体が静止または殆んど動いていない状態では、その論理時刻進行の刻み幅Δtが非常に大きな値になる。このため、この一方の移動物体をΔtが小さい他方の移動物体が攻撃したとしても、一方の移動物体が自身の状態を更新する(他方の移動物体に攻撃されたことを模擬する)のは遥か先の時刻となってしまう。その結果、実際には撃墜できているのに、他方の移動物体は、撃墜できていないと判断し、何度も攻撃を仕掛けるといった不具合を生じていた。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、複数の移動物体がいずれかの探知覆域に入った場合に生じる不具合を解決するシミュレーション実行方法を得ることを目的とする。
この発明に係るシミュレーション実行方法は、移動速度に応じて設定される論理時刻進行の刻み幅が与えられた複数の移動物体を主対象とする並列分散シミュレーションにおいて、或る移動物体の探知覆域に他の移動物体が入った時点から、または他の移動物体の探知覆域に当該或る移動物体が入った時点からこれらの探知覆域外に達するまでの期間、該当するこれら移動物体は、それぞれの事前に設定された論理時刻進行の刻み幅の内、いずれかの移動物体が持つ最も小さい値を自己の論理時刻進行の刻み幅とするものである。
この発明によれば、移動物体同士が互いの探知覆域にあるときには、論理時刻進行の刻み幅を、探知覆域に係わる移動物体に割り当てられている値の最小値に変更するようにしたので、大小異なる論理時刻進行の刻み幅によって探知覆域内で起こるシミュレーションの不具合を解消できる効果がある。
実施の形態1.
先ず、高速移動物体と低速移動物体を対象とする従来のシミュレーションの方法について図8および図9により説明する。図8では、航空機を高速移動物体とし戦車を低速移動物体として、高速移動物体MO_Aの論理時刻進行の刻み幅Δtを1に、低速移動物体MO_Bの論理時刻進行の刻み幅Δtを5に設定した場合の各Δtを論理時刻軸方向に図示している。この例では、単位時間当たりの変化分が小さい移動物体はΔtを大きく、変化分が大きい移動物体はΔtを小さくするという概念に基づいてΔtを設定している。図9は、上記異なる固定の論理時刻進行の刻み幅Δtの移動物体同士が会合する状態の例を示している。
この従来例の場合、論理時刻進行の刻み幅Δtを変更しなければ以下のように模擬されることになる。
(1)t=1:高速移動物体MO_Aは低速移動物体MO_Bを探知し、攻撃。
(2)t=2:両移動物体MO_A、MO_B間でのインタラクション無し。
(本来、この時点でMO_Bは、MO_Aからの攻撃を受け撃沈。)
(3)t=3:高速移動物体MO_Aは低速移動物体MO_Bを探知し、攻撃。
ここでの問題点は、上記括弧書きしたように、本来、t=1で高速移動物体MO_Aにより攻撃を受けた低速移動物体MO_Bは、t=2でその攻撃により撃沈されたことを模擬しなければいけない。しかし、この模擬が実施されないためにt=3でも低速移動物体MO_Bは残存していることから、高速移動物体MO_Aが再び同様の攻撃を低速移動物体MO_Bに対して仕掛けてしまうことである。低速移動物体MO_Bの論理時刻進行の刻み幅Δtを5のままにしておくと、t=1で高速移動物体MO_Aにより攻撃を受けた低速移動物体MO_Bが撃沈される模擬を行うのはt=5になってからとなる。
図1はこの発明の実施の形態1によるシミュレーシンにおいて低速移動物体の論理時刻進行の刻み幅Δtを、模擬時に高速移動物体と同じ値に変更した場合の経緯を示している。
この実施の形態1でも、高速移動物体MO_Aと低速移動物体MO_Bの論理時刻進行の刻み幅Δtの事前に設定された値は、それぞれ図8の従来の場合と同じである。しかし高速移動物体MO_Aの「見る」範囲(以下、これを探知覆域とする)に低速移動物体MO_Bが入った時点から該探知覆域外に達するまでの期間において、、低速移動物体MO_Bの論理時刻進行の刻み幅Δtは高速移動物体MO_Aの事前に設定されたΔtと同じ値に変更される。すなわち、この間、低速移動物体MO_BのΔt(=5)は、小さい方の値である高速移動物体MO_AのΔt(=1)に変更される。
低速移動物体MO_Bの論理時刻進行の刻み幅Δtを高速移動物体MO_AのΔtと同じ値に変更することによって、移動物体同士は図2に示すように会合する。すなわち、以下のように模擬できることになる。
(1)t=1:高速移動物体MO_Aは低速移動物体MO_Bを探知し、攻撃。
(2)t=2:低速移動物体MO_Bは、高速移動物体MO_Aからの攻撃を受け撃沈。
(3)t=3:高速移動物体MO_Aは低速移動物体MO_Bの撃沈を確認。
これにより従来起こった因果関係の矛盾発生を回避することができる。この方法は、予め設定された論理時刻進行の刻み幅Δtが異なる移動物体が2個以上探索範囲内に入った場合でも同様に適用できる。その場合、いずれかの移動物体が持つ最も小さいΔtの値に残りの移動物体のΔtを変更することになる。
図3は1つの移動物体(MO)が時刻進行の単位(LP)と考えた場合(MO=LP)の、起動された各論理時刻txでの処理内容および処理順序を示したものである。具体的には以下の順序で処理される。
Step1:当該時刻以前に発行された他の移動物体(MO)からの転送データを見る。
Step2:Step1で得た情報を参考に自身の当該時刻txの模擬を行う。
Step3:Step2での模擬結果を他の移動物体(MO)に転送する。
Step4:次に模擬するべき時刻への時刻進行要求を発行する。
図8で説明した論理時刻進行の刻み幅Δtに基づいた場合、高速移動物体MO_Aは1時刻後に起動するように、低速移動物体MO_Bは5時刻後に起動するようにStep4の段階で時刻進行要求を発行することとなる。
以上のことから、当該論理時刻txで他の影響を及ぼす移動物体が模擬したとしても、その模擬結果が分かるのは次に起動された時刻となる(Step1参照)。このため、当該時刻で初めて他の移動物体の探知覆域に入ったとしても、それが分かるのは次に起動された時刻となってしまうといった問題がある。このことから該探知覆域に入る以前の時点から論理時刻進行の刻み幅Δtを変更する処理を行わなければならない。したがって、図1の場合でも探知覆域に入る1時刻前(t=t0)から論理時刻進行の刻み幅Δtを高速移動物体MO_AのΔtの値に変更するようになっている。
なお、高速移動物体MO_Aと低速移動物体MO_Bが異なるCPU上で模擬されている場合はCPU間でのそのためのメッセージ送受を実施する必要があり、このようなメッセージ送受の仕組みを導入すると通信および同期コストが増え、実行性能の低下を招くこととなる。一方、高速移動物体MO_Aと低速移動物体MO_Bが同一のCPU(Central Processing Unit)上で模擬されている場合は、通信コスト無しに他の移動物体の同一時刻の模擬結果(該時刻で模擬していれば)を見ることは可能である。したがって、同一CPU上で模擬されている移動物体同士の場合には、同一時刻での模擬結果を見る機能(互いの探知覆域に入ったか否かを検出する機能)を導入することによって、不要な論理時刻進行の刻み幅Δtの変更を回避することができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、或る移動物体の探知覆域に他の移動物体が入った時点から、または他の移動物体の探知覆域に当該或る移動物体が入った時点からこれらの探知覆域外に達するまでの期間、該当する移動物体は、それぞれに事前に設定された論理時刻進行の刻み幅の内、いずれかの移動物体に設定された最も小さい値を自己の論理時刻進行の刻み幅とするようにしたので、移動物体同士が互いの探知覆域にあるときには、論理時刻進行の刻み幅を、探知覆域に係わる移動物体に割り当てられている値の最小値に変更するようにしたので、大小異なる論理時刻進行の刻み幅によって探知覆域内で起こるシミュレーションの不具合を解消することができる。
実施の形態2.
図4および図5は非特許文献1に記載されている移動物体の論理時刻進行の刻み幅Δtの設定方法を示した説明図である。
この方法では、対象とするアプリケーションに適した距離定数σ(距離の基準値:例えば、1σ=1海里)を定義し、各移動物体の速度Vからそれぞれの論理時刻進行の刻み幅Δtを上記式(1)により設定している。
図4の例では、低速移動物体は距離定数σを3時刻で通過するため、3時刻毎に模擬され、一方の高速移動物体は距離定数σを1時刻で通過するため毎時刻模擬されることになる。本方法(非特許文献1)の特徴は、どの移動物体も距離定数σ以内に近づくものであればその状態を検出することができるため、その時点で何らかの判定を下せばスリップ現象を回避できることにある(図5)。しかし、この方法だけでは既に説明した因果関係の矛盾が発生することとなるため、移動物体が「探知」/「被探知」(「見る」/「見られる」)の関係になる場合には、既に実施の形態1で説明した方法により論理時刻進行の刻み幅Δtを変更する必要がある。ただし、各移動物体の論理時刻進行の刻み幅Δtの基準値(事前に設定される値)を設定する際には、本方法(非特許文献1)を採用することが考えられる。その場合、上記式(1)のVはその移動物体MOの最大速度とする場合と、その時点での現状の速度(最大速度ではない速度)とするが考えられる。Vを最大速度とした場合には、「探知」/「被探知」の関係になったとき、安全サイドの論理時刻進行の刻み幅Δtとすることができるが、Δtが小さくなるため、「探知」/「被探知」の関係にないときには無駄な処理が増えるということになる。一方、小さい速度にした場合、Δtは大きくなるので、「探知」/「被探知」の関係にないときには実行性能は良くなるが、「探知」/「被探知」の関係になったときには、実施の形態1で述べた論理時刻進行の刻み幅Δtの変更を行わないと上述した不具合の原因となる。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3に係り、各起動時刻に各移動物体MOiの論理時刻進行の刻み幅Δtを決めるための手順を示すフローチャートである。ここで、図6の説明で用いる記号は、図7に示すように、Dijは移動物体MOiと他の移動物体MOjとの距離であり、Ri,Rjは移動物体MOiとMOjの探知範囲、そしてVi,Vjは移動物体MOiとMOjの速度を表す。
各移動物体MOの論理時刻進行の刻み幅の初期設定値orgΔMOを、上記式(1)を用いて適当に設定しておく(ステップST10)。式(2)を満足する最も大きい論理時刻進行の刻み幅tmpΔtMOiを選定する(ステップST11)。
tmpΔtMOi<min∀j[{Dij−max(Ri,Rj)}
/{|Vi|+|Vj|}] (2)
このステップST11では、各移動物体の速度、位置、そして探知覆域の既知情報に基づいて、他の移動物体と「探知」/「被探知」の関係にならない状態において、論理時刻進行の刻み幅のとり得る最大値tmpΔtMOiを算出する。以降、ステップST12〜ST17の処理を行うが、移動物体MOjが起動(模擬)される度に、その起動時刻にこの最大値tmpΔtの選定(次のステップST11)を行うことになる。
次に、tmpΔtMOi<orgΔMOiを満すかどうかの判定を行い(ステップST12)、満たす場合はΔtMOi=orgΔtMOiとし(ステップST13)、満たさない場合はΔtMOi=tmpΔMOiとする(ステップST14)。このステップST12〜ST14の処理は、ステップST11で算出した最大値tmpΔtが自身の初期設定値orgΔMOiより小さくならないようにするもので、これにより、シミュレーションの進行を抑えないようにしている。
次に、他の移動物体と「探知」/「被探知」の関係にない状態で決められた上記論理時刻進行の刻み幅ΔtMOiについて、式(3)を満たす他の移動物体MOjが存在するかどうかを調べる(ステップST15)。
ΔtMOi∃j[{Dij−max(Ri,Rj)}
/{|Vi|+|Vj|}] (3)
このステップST15は、次の起動時刻に他の移動物体MOjと「探知」/「被探知」の関係になる可能性があるかを判定する処理である。式(3)を満たすMOjが存在する場合、式(4)を用いて、新しいΔtMOiを決定する(ステップST16)。
ΔtMOi=min{∀jΔtMOj,ΔtMOi} (4)
すなわち、ステップST16は、他の移動物体MOjと「探知」/「被探知」の関係になる可能性がある場合には、その時の他の移動物体MOjの論理時刻進行の刻み幅ΔtMOjと自身MOiのΔtMOiを比較し、最も小さい値を自身MOiの論理時刻進行の刻み幅ΔtMOiとするもので、このことにより上記因果関係の矛盾を回避することができるようにしている。
一方、ステップST15で、式(3)を満たす他の移動物体MOjが存在しなかった場合には、ステップST13またはST14で設定したΔtMOiを引き続き用いる。
なお、上述した処理では、境界条件を厳し目に、それぞれの移動物体の速度Vi,Vjは移動物体MOiとMOjが示す最大速度とする。
また、当分の間、影響を及ぼさない移動物体同士であれば両者間の距離Dijの計算をその間省くことにより、更なる実行性能改善を図ることができる。例えば、各移動物体MOiについて、式(5)に基づいて、他の移動物体MOjそれぞれとのPijを毎起動時刻に計算する。このPijは、対になる移動物体MOiとMOjが互いに「探知」/「被探知」の関係になる可能性を表すパラメータであり、Pij<1の場合、「探知」/「被探知」の関係になる可能性は0であり、Pij≧1となった場合、その可能性は0ではなくなるとみなすことができる。
Figure 2007072678
ここで、Dij(S)は時刻sにおけるMOiとMOjの距離、sは前回Dij(S)が計算された時刻、τは次回の起動時刻である。
式(5)において、Pij≧1を満足するMOjの次回の起動時刻τjの中で、τjが最小となる他の移動物体MOjに関してのみ、Dij (τj)を計算することが考えられる。なお、既に探知範囲(覆域内)に入っているMOjとの距離計算も必須であることから、式(6)を満足する他の移動物体MOjに関しても距離計算をする必要がある。
Dij(s)−max(Ri,Rj)≦0 (6)
以上のように、実施の形態3によれば、或る移動物体が事前に設定されている論理時刻進行の刻み幅で起動した時に当該或る移動物体が他の移動物体と互いの探知覆域に入らない状態において、各移動物体は、それぞれの位置、速度および探知覆域の既知情報に基づいて論理時刻進行の刻み幅のとり得る最大値を算出し、次に、移動物体間の距離、各移動物体の探知範囲および各移動物体の速度から、該事前に設定されている論理時刻進行の刻み幅を用いた次回の起動時刻に互いの探知覆域に入る移動物体が在るかを判定し、該当移動物体が在る場合には、該当移動物体と自己の該事前に設定されている論理時刻進行の刻み幅のうちで最も小さい値を自己の次回の論理時刻進行の刻み幅とし、一方、該当移動物体が無い場合には、該算出した自己の論理時刻進行の刻み幅のとり得る最大値を次回の論理時刻進行の刻み幅とするようにしている。したがって、探知覆域に入らない状態では、論理時刻進行の刻み幅を大きく設定しているので無駄な処理を抑えて実行性能を向上させ、探知覆域に入った状態では、論理時刻進行の刻み幅を最も小さい値に合わせているので、大小異なる論理時刻進行の刻み幅によって探知覆域内で起こるシミュレーションの不具合を解消することができる。
また、各移動物体が互いの探知覆域に入る移動物体が在るかの判定で用いる移動物体間の距離の計算を自己の論理時刻進行の刻み幅毎には行わず、毎起動時刻に探知覆域に入る可能性を算出し、当該探知覆域に入る可能性が高くなった時点で移動物体間の距離の計算を実行するようにした場合には、当分の間、探知覆域に入らないとされる移動物体について両者間の距離の計算を省くことで、実行性能の改善を図ることができる。
この発明の実施の形態1によるシミュレーションで低速移動物体の論理時刻進行の刻み幅Δtを模擬時に高速移動物体と同じ値に変更した場合の経緯を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るシミュレーションで移動物体同士が会合する状態を示す説明図である。 MO=LPと考えた場合の、起動された各論理時刻での処理内容および処理順序を示した説明図である。 従来の移動物体の論理時刻進行の刻み幅Δtの設定方法を示した説明図である。 従来のシミュレーション時のスリップ現象の回避を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る、各起動時刻に各移動物体の論理時刻進行の刻み幅Δtを決めるための手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る異なる移動物体の距離、探知範囲、速度等をの関係を定義する説明図である。 従来のシミュレーションにおいて複数の移動物体にそれぞれの固定の論理時刻進行の刻み幅Δtを設定した場合の経緯を示す説明図である。 従来のシミュレーションにおいて移動物体同士が会合する状態を示す説明図である。
符号の説明
MO_A 高速移動物体、MO_B 低速移動物体。

Claims (6)

  1. 移動速度に応じて設定される論理時刻進行の刻み幅が与えられた複数の移動物体を主対象とする並列分散シミュレーションにおいて、或る移動物体の探知覆域に他の移動物体が入った時点から、または他の移動物体の探知覆域に当該或る移動物体が入った時点からこれらの探知覆域外に達するまでの期間、該当するこれら移動物体は、それぞれの事前に設定された論理時刻進行の刻み幅の内、いずれかの移動物体が持つ最も小さい値を自己の論理時刻進行の刻み幅とすることを特徴とするシミュレーション実行方法。
  2. 或る移動物体が事前に設定されている論理時刻進行の刻み幅で起動した時に当該或る移動物体が他の移動物体と互いの探知覆域に入らない状態において、各移動物体は、それぞれの位置、速度および探知覆域の既知情報に基づいて論理時刻進行の刻み幅のとり得る最大値を算出し、次に、該事前に設定されている論理時刻進行の刻み幅を用いた次回の起動時刻に互いの探知覆域に入る移動物体が在るかを判定し、該当移動物体が在る場合には、該当移動物体と自己の該事前に設定されている論理時刻進行の刻み幅のうちで最も小さい値を自己の次回の論理時刻進行の刻み幅とし、一方、該当移動物体が無い場合には、該算出した自己の論理時刻進行の刻み幅のとり得る最大値を次回の論理時刻進行の刻み幅とすることを特徴とする請求項1記載のシミュレーション実行方法。
  3. 各移動物体が互いの探知覆域に入る移動物体が在るかの判定を自己の論理時刻進行の刻み幅毎には行わず、毎起動時刻に探知覆域に入る可能性を算出し、当該探知覆域に入る可能性が高くなった時点で前記判定の処理を実行することを特徴とする請求項2記載のシミュレーション実行方法。
  4. 移動速度に応じて設定される論理時刻進行の刻み幅が与えられた複数の移動物体が1台のCPUに割り付けられたシミュレーションにおいて、移動物体の論理時刻で互いの探知覆域に入ったか否かを検出する機能を設け、或る移動物体が探知覆域に入った時点で、自身または当該探知覆域を持つ移動物体の論理時刻進行の刻み幅の中で最も小さい値を前記或る移動物体の論理時刻進行の刻み幅とすることを特徴とするシミュレーション実行方法。
  5. 各移動物体に事前に設定する論理時刻進行の刻み幅は、対象とするアプリケーションで適当な距離の基準値を距離定数σとし、この距離定数σを当該移動物体の最高速度Vで除した値とすることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のシミュレーション実行方法。
  6. 移動物体に事前に設定する論理時刻進行の刻み幅は、対象とするアプリケーションで適当な距離の基準値を距離定数σとし、この距離定数σを当該移動物体の現状の論理時刻における速度Vで除した値とすることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のシミュレーション実行方法。
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