JP2007070985A - プレグラウトpc鋼材及びそれを用いたpc構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレグラウトPC鋼材のシース3とコンクリート4との付着力を調整することにより、大地震などが起こった際に、コンクリート構造体に配置されたPC鋼材1への応力集中を分散し、PC鋼材1の破断を防止するというアンボンドPC鋼材の長所をプレグラウトPC鋼材に取り入れる。
【解決手段】プレグラウトPC鋼材におけるシース3とコンクリート4との接着力に着目し、シース3表面の少なくとも一部に、シース3とコンクリート4との付着力を1.5N/mm〜2.0N/mmに調整した部分を形成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、予め工場においてPC(プレストレストコンクリート)鋼材に遅延硬化性防錆剤を塗布し、その周囲をシースによって被覆したプレグラウトPC鋼材とそれを用いたPC構造物に関するものである。
これまでのPC(プレストレストコンクリート)工法のPC鋼材としては、ボンドPC鋼材とアンボンドPC鋼材が代表的なものである。
ボンドPC鋼材は、コンクリートの打設前にシースを配筋し、コンクリートの硬化後又は硬化前にPC鋼棒、PC鋼線、PC鋼撚り線等のPC鋼材を挿入し、コンクリートが望ましい強度になった時にPC鋼材を緊張し、その後、防錆処理及びPC鋼材とコンクリートとを接着、一体化するためにセメントミルク等をシースに圧入するというグラウト工事を現場で行って構築されるものである。
このボンドPC鋼材は、PC鋼材をシース中に挿入したり、セメントミルク等を圧入したりするので、作業が非常に複雑で、時間と労力を必要とする。又、緊張材であるPC鋼材は、通常、配筋状態で湾曲しており、セメントミルク等をシース中に完全に注入することが困難で、注入の不完全な部分でPC鋼材の腐食が起こるおそれもある。
一方、アンボンドPC鋼材は、PC鋼材にグリースを塗布し、その周囲をシースでカバーしたものである。このアンボンドPC鋼材は、PC鋼材がグリースにより完全に防食され、セメントミルク等の注入も不要である。しかし、緊張後もPC鋼材とコンクリートとの間には接着がない状態のままであるから、PC鋼材に一時的な過負荷が生じると、PC鋼材の定着部に荷重が集中し、定着部でPC鋼材が破断する原因となる。さらに、PC鋼材とコンクリートの間に接着がないために、1個所でもPC鋼材が破断すればそのPC鋼材を用いているコンクリート構造全体に影響を与えることになる。又、アンボンドPC鋼材の場合、終局曲げ破壊耐力がボンドPC鋼材に比べて低い。このため、アンボンドPC鋼材は、PC鋼材とコンクリートの間に付着がないため、PC構造物自体の曲げ耐力が弱く、十分な曲げ耐力を得ようとすると、PC鋼材の量を少なくとも1〜2割増加させなければならず、鋼材使用量が多く、鋼材コストが高くなるという問題がある。
このようなボンドPC鋼材やアンボンドPC鋼材に対し、プレグラウトPC鋼材は、前述したように、現場でのグラウト作業が不要で、PC鋼材が完全に防食処理され、緊張後はプレストレストコンクリートと一体化でき、しかもコンクリートに対する接着力も大きく、定着部の弱点もないという利点を持っており、PC鋼材として飛躍的に普及している。
このようなプレグラウトPC鋼材においては、従来、例えば特許文献1に記載されているように、シースを波形の凹凸形状に形成し、シースとコンクリートとの接着力を向上させることが重要であるとされてきた。
特公平7−107304号公報
ところで、アンボンドPC鋼材の長所の一つは、現場でのグラウト工事を必要としないということであるが、大地震後の建物復旧の観点からも一つの大きな長所がある。すなわち、アンボンドPC鋼材は、大地震の際に大きな荷重が附加された場合に、引張鉄筋の降伏に伴い部材全長が伸び、PC鋼材の柱梁接合部の変形歪みの集中が分散され、PC鋼材の破断という問題が起きにくい。一方、ボンドPC鋼材では、大地震によって大きな塑性変形を受け、コンクリートにひびが入ると、ひびの部分からPC鋼材に応力が集中し、PC鋼材が破断し易い。特に、梁端のPC鋼材の破断により緊張力が減退し、その減退量が大きい場合にはPC鋼材としては成立せず、補修工事を行ったとしても梁のたわみ障害などの問題が生じる。それに対して、アンボンドPC鋼材は、PC鋼材が降伏しなければ大きな塑性変形を受けても緊張力は部材全長にわたって減退することなく、逆に増加することになる。さらに、材端の圧壊が顕著な場合においてもボンドPC鋼材のような大きな緊張力の減退がない。このため、地震後のコンクリート等の損傷を補修するだけで建物の再使用が可能になる。
そこで、この発明は、プレグラウトPC鋼材のシースとコンクリートとの付着力を調整することにより、大地震などが起こった際に、コンクリート構造体に配置されたPC鋼材への応力集中を分散し、PC鋼材の破断を防止するというアンボンドPC鋼材の長所をプレグラウトPC鋼材に取り入れることを課題とするものである。
上記した課題を解決するため、この発明においては、プレグラウトPC鋼材におけるシースとコンクリートとの接着力に着目し、シース表面の少なくとも一部に、シースとコンクリートとの付着力を1.0N/mm〜2.0N/mmに調整した部分を形成したのである。
このように、シースとコンクリートとの付着力が1.0N/mm〜2.0N/mmとなる部分を形成しておくと、この付着力が弱い部分で、地震などにより生じる大きな変形歪みを分散して変形するので、PC鋼材の破断を未然に防ぐことができる。
したがって、シースとコンクリートとの付着力が1.0N/mm〜2.0N/mmとなる部分は、特に、コンクリート構造体で、変形歪みが集中する柱梁の接合部分付近に設けておくことが望ましい。
この発明において、シースとコンクリートとの付着力は、日本コンクリート協会の引き抜き試験により得られる値であり、試験方法は次の通りである。
・10cm角のコンクリートブロック中央にPC鋼材を埋設する。この際、片側のPC鋼材は引き抜くための余長を残し、もう一方の端部はブロック端部に揃えるようにする。
・コンクリートブロックには、φ6mm、ピッチ40mmのスパイラル筋を配置する。
・コンクリート発現強度は、30N/mmとする。
・コンクリート強度が発現した時点で、PC鋼材を引き抜く。
・引き抜き力の最大値を測定し記録する。
・付着力=引き抜き力÷コンクリートブロックに接する鋼材の表面積
=引き抜き力÷(10cm×鋼材周長)で求める。
この発明において、シースとコンクリートとの付着力の調整は、シース表面に形成する凹凸の高さを低くしたり、シース表面を凹凸のない平滑面にしたりすることにより可能である。
この発明において使用するシースの材料は、ポリエチレンなどの樹脂材料の他、鉄等の金属でもよい。
また、PC鋼材としては、PC鋼撚り線の他、PC鋼線、PC鋼棒等を使用することができる。
このように、コンクリート構造物の柱梁接合部付近に、シースとコンクリートとの付着力を1.0N/mm〜2.0N/mmに調整したこの発明に係るプレグラウトPC鋼材を配置し、他の部位に、後硬化型の樹脂を塗布したPC鋼材をシースによって包み、シースとコンクリートとの付着力を2.0N/mm以上にしたプレグラウトPC鋼材を配置することにより、曲げ耐力の低下を抑制しつつ、しかもリニューアル工事やガス爆発などの不測の際にPC鋼材が切断されてもプレストレスの消失を防止することができ、しかも、大地震などが起こった際には、コンクリート構造体に配置されたPC鋼材への応力集中を分散し、PC鋼材の破断を防止することができるPC構造物を得ることができる。
さらに、材端の圧壊が顕著な場合においてもボンドPC鋼材のような大きな緊張力の減退がないので、地震後のコンクリート等の損傷を補修するだけで建物の再使用が可能になる。
アンボンドPC鋼材を用いた場合、ガス爆発あるいはリフォームの解体時に、PC鋼材を切断もしくはPC鋼材が破断して、PC鋼材端が定着端部から飛び出す可能性があるが、この発明に係るプレグラウトPC鋼材では、コンクリートとシースとの間には付着があり、PC鋼材の定着端部からの飛び出しを抑制できる。
また、この発明に係るプレグラウトPC鋼材では、シースの余長にわたり凹凸成型を施さないことも可能であるため、従来のプレグラウトPC鋼材に比し、凹凸成形のための製造コストを下げることもできる。
この発明に係るプレグラウトPC鋼材の基本構造は、予め工場において鋼材に遅延硬化性防錆剤が塗布され、その周囲をシースによって被覆したものである。
図1に、このプレグラウトPC鋼材を使用したコンクリート構造体の例を示している。
この図1において、1はPC鋼材、2は遅延硬化性防錆剤、3はシース、4はコンクリートをそれぞれ示している。
このプレグラウトPC鋼材は、PC鋼材1を心材にして、このPC鋼材1の表面に、塗布した後に所定時間経過して接着硬化作用を発現する未硬化の遅延硬化性防錆剤を少なくとも20μmの厚さに塗布し、その周囲に継目のないプラスチックのシースを溶融状態で押出して収縮により密着させることにより、製造することができる。
この発明のプレグラウトPC鋼材のシースは、全長にわたり凹凸のない平滑面にしたり、凹凸のない平滑面を部分的に形成したり、凹凸形状の深さを浅く形成することによってコンクリートとの付着力が所定の強さになるように調整されている。
シースに凹凸を施す場合には、波形に成形する成形ダイスを用い、該成形ダイスの面にプラスチックシースの外面が密接するように成形ダイスの面を外部から真空ポンプで吸引し、成形ダイス内のくぼみに硬化前のシース用樹脂を密着させることにより、プラスチックシースの内・外面を凸凹面に形成することができる。
遅延硬化性防錆剤は、塗布後の所定時間経過して接着硬化作用を発現する接着剤である。このPC鋼材に塗布した未硬化の遅延硬化性防錆剤の硬化時間は、緊張材を緊張するまでは硬化せず、緊張材を緊張してコンクリートに定着した後に常温で硬化するように調整される。これは、緊張材に緊張力を加える前に接着剤が硬化していると、緊張材とコンクリートの間で生じる接着によって、緊張材に加えた緊張力が緊張材の全長にわたって均一に伝達されなくなるからである。
一般に、普通セメントを用いた場合はコンクリート打ちした後、緊張材を緊張できるようになる強度にまでコンクリートの強度が高まるには約96時間を要し、又、早強セメントを用いた場合は約48時間を要する。したがって、遅延硬化性防錆剤は、好ましくは常温で48時間以上、より好ましくは48時間以上の期間で硬化を調整できるものを用いる。また、遅延硬化性防錆剤は、PC鋼材の緊張後は速やかに硬化することが望ましいため、硬化時間は1年以下が好ましい。
PC鋼材の周囲に塗布する未硬化の遅延硬化性防錆剤の塗膜厚さを20μm未満とした場合、塗膜によってPC鋼材とコンクリートに密着されるシースとの間の縁切りが十分でなくなり、緊張時にPC鋼材の動きに対するコンクリート材の摩擦抵抗が高まる。PC鋼材としてPC鋼撚り線を用いた場合には、遅延硬化性防錆剤を均一厚さでPC鋼撚り線の表面に塗布し難い。このような場合には、塗膜の厚さの最小厚さの部分が20μm以上になるように、PC鋼撚り線に遅延硬化性防錆剤を塗布する。塗布方法については、PC鋼材の周囲に適切な厚さに塗布することができる方法であれば特に限定はなく、例えばハケ塗りや浸漬等を用いることができる。
このように、PC鋼材の緊張前に、硬化しないように調整した未硬化の遅延硬化性防錆剤が塗布され、その周囲がシースで包み込んだプレグラウトPC鋼材を望ましい位置に配置し、コンクリートを打設し、コンクリートの強度がPC鋼材を緊張できる強度にまで達してからPC鋼材を緊張する。結果として、PC鋼材を緊張する前に遅延硬化性防錆剤が硬化することはなく、PC鋼材の緊張前に、PC鋼材とコンクリート部の間に接着が生じることがないため、PC鋼材を全長にわたって均一に緊張することができる。PC鋼材の緊張後、遅延硬化性防錆剤は次第に硬化し、PC鋼材とコンクリート部が強固に接着する。
図1に示すプレグラウトPC鋼材は、心材となる鋼材1として直径21.8mmのPC鋼撚り線を使用し、このPC鋼撚り線の周囲に、0.5〜1mm厚のフィルム状に未硬化の遅延硬化性防錆剤2を塗布し、そのまわりをシース3によって被覆して形成している。
遅延硬化性防錆剤は、エポキシ樹脂と硬化促進剤とを混合したもので、約6ヵ月の硬化時間を有する。遅延硬化性防錆剤2の種類については特に限定はないが、PC鋼材1に対して、充分な接着力及び防食性が確保することができる点から、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、又はポリエステル樹脂を主成分とするものが好ましい。
上記構造のプレグラウトPC鋼材を所定の位置又はパターンに配置し、このプレグラウトPC鋼材を埋め込むようにコンクリート4を打設する。
プレグラウトPC鋼材では、遅延硬化性防錆剤2の硬化時間はコンクリート4の強度が緊張材に緊張力を加えられる強度に高まるまでの時間を考慮して成分を適切な割合で配合することによって任意に調整し得る。
次に、下記表1に示す7つの試験体について、日本コンクリート協会の引き抜き試験を実施した。試験方法は次の通りである。
・10cm角のコンクリートブロック中央にPC鋼材を埋設する。この際、片側のPC鋼材は引き抜くための余長を残し、もう一方の端部はブロック端部に揃えるようにする。
・コンクリートブロックには、φ6mm、ピッチ40mmのスパイラル筋を配置する。
・コンクリート発現強度は、30N/mmとする。
・コンクリート強度が発現した時点で、PC鋼材を引き抜く。
・引き抜き力の最大値を測定し記録する。
・付着力=引き抜き力÷コンクリートブロックに接する鋼材の表面積
=引き抜き力÷(10cm×鋼材周長)で求める。
Figure 2007070985
試験体No.1のPC鋼材の構造は、アンボンドPC鋼撚り線であり、PC鋼撚り線の周囲に、凹凸のないポリエチレン製のシースを設け、PC鋼撚り線とシースとの間に、グリースを充填したものである。PC鋼撚り線は、φ21.8の19本撚りのものを使用した。また、使用したシースは、内径23mm、外径26mmであった。充填剤はグリースを使用し、塗布量は、厚み500μmとした。
試験体No.2のPC鋼材の構造は、プレグラウトPC鋼材であり、PC鋼撚り線の周囲に、摩擦を小さくするためにシリコンを塗布した平滑な凹凸のないポリエチレン製のシースを設け、PC鋼撚り線とシースとの間に、遅延硬化性防錆剤を充填したものである。PC鋼撚り線は、試験体No.1と同じものを使用した。遅延硬化性防錆剤としては、後硬化性エポキシ樹脂を使用し、塗布量は、厚み500μmとした。
試験体No.3のPC鋼材の構造は、プレグラウトPC鋼材であり、PC鋼撚り線の周囲に、平滑な凹凸のないポリエチレン製のシースを設け、PC鋼撚り線とシースとの間に、遅延硬化性防錆剤を充填したものである。PC鋼撚り線は、試験体No.1と同じものを使用した。遅延硬化性防錆剤としては、後硬化性エポキシ樹脂を使用し、塗布量は、厚み500μmとした。
試験体No.4のPC鋼材の構造は、プレグラウトPC鋼材であり、PC鋼撚り線の周囲に、試験体No.2よりも平滑であるが少し凹凸のあるポリエチレン製のシースを設け、PC鋼撚り線とシースとの間に、遅延硬化性防錆剤を充填したものである。PC鋼撚り線は、試験体No.1と同じものを使用した。遅延硬化性防錆剤としては、後硬化性エポキシ樹脂を使用し、塗布量は、厚み500μmとした。
試験体No.5のPC鋼材の構造は、プレグラウトPC鋼材であり、PC鋼撚り線の周囲に、1.5mmの高さの小さな凹凸を有するポリエチレン製のシースを設け、PC鋼撚り線とシースとの間に、遅延硬化性防錆剤を充填したものである。PC鋼撚り線は、試験体No.1と同じものを使用した。遅延硬化性防錆剤としては後硬化性エポキシ樹脂を使用し、塗布量は、厚み500μmとした。
試験体No.6のPC鋼材の構造は、被覆のないPC鋼撚り線である。PC鋼撚り線は、試験体No.1と同じものを使用した。
試験体No.7のPC鋼材の構造は、プレグラウトPC鋼材であり、PC鋼撚り線の周囲に、4.5mmの高さの大きな凹凸を有するポリエチレン製のシースを設け、PC鋼撚り線とシースとの間に、遅延硬化性防錆剤を充填したものである。PC鋼撚り線は、試験体No.1と同じものを使用した。遅延硬化性防錆剤としては、後硬化性エポキシ樹脂を使用し、塗布量は、厚み500μmとした。
上記各プレグラウトPC鋼材の引き抜き試験は、遅延硬化性防錆剤が硬化した後に行った。
表1に示す通り、プレグラウトPC鋼材においては、シース3の表面の平滑度や凹凸形状の高さを変化させることにより、シースとコンクリートとの付着力の大きさを調整することができる。
各試験体のPC鋼材を使用したPC構造体の曲げ強度及びPC鋼材の破断の有無については、試験体No.1のアンボンドPC鋼撚り線では、十分な曲げ強度を得るには、鋼材数が多くなり、また、プレグラウトPC鋼材であっても、試験体No.4や5は、PC鋼材のシースとコンクリートとの付着力が強すぎて、大地震で生ずる応力で、PC鋼材の破断が生じるが、試験体No.2や3のプレグラウトPC鋼材ではPC鋼材の破断が生じにくい。
これは、図2に示す実験により確認可能である。図2の実験は、コンクリートのスタブ5に固定された各PC鋼材1が配置された片持ち梁のプレストレストコンクリート試験体4を載荷する実験であり、載荷力をF、PC鋼材1の定着具を符号6で示している。なお、コンクリート強度は、PC鋼材が破断する前にコンクリートが圧壊しない高強度コンクリートとする必要があり、60N/mm以上とすることが望ましい。
この発明に係るプレグラウトPC鋼材の断面図 この発明に係るプレストレストコンクリート梁の破断実験の様子を示す断面図
符号の説明
1 PC鋼材
2 遅延硬化性防錆剤
3 シース
4 コンクリート
5 スタブ
6 定着具

Claims (6)

  1. 遅延硬化性防錆剤を塗布したPC鋼材をシースによって被覆したプレグラウトPC鋼材において、シース表面の少なくとも一部に、シースとコンクリートとの付着力を1.0N/mm〜2.0N/mmに調整した部分を形成したことを特徴とするプレグラウトPC鋼材。
  2. シース表面を凹凸のない平滑面に形成することにより、シースとコンクリートとの付着力を1.0N/mm〜2.0N/mmに調整した請求項1記載のプレグラウトPC鋼材。
  3. シースの材料がポリエチレンである請求項1又は2記載のプレグラウトPC鋼材。
  4. シースが金属である請求項1又は2記載のプレグラウトPC鋼材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のプレグラウトPC鋼材を配置したことを特徴とするプレストレストコンクリート構造物。
  6. コンクリート構造物の柱梁接合部付近に、請求項1〜4のいずれかに記載のプレグラウトPC鋼材を配置し、他の部位に、遅延硬化性防錆剤を塗布したPC鋼材をシースによって被覆し、シースとコンクリートとの付着力が2.0N/mm以上のプレグラウトPC鋼材を配置したことを特徴とするプレストレストコンクリート構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011038215A (ja) * 2009-08-12 2011-02-24 Central Nippon Expressway Co Ltd プレグラウト鋼材の防錆構造および防錆剤

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