JP2007070773A - 連続蒸解釜およびパルプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蒸解液の抽出、循環量を増加させ、処理能力を向上させた連続蒸解釜を提供する。
【解決手段】 実質的に垂直な胴体部を有する槽と、該胴体部内部において木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、各スクリーンと槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、各スクリーン内へ木材チップを導くように各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、環状プレート頂部において、環状プレートの水平断面直径と胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、環状プレートの頂部から底部方向に向かって胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、環状プレートと胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部とを有する連続蒸解釜であって、前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする連続蒸解釜である。
【選択図】 図6
【解決手段】 実質的に垂直な胴体部を有する槽と、該胴体部内部において木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、各スクリーンと槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、各スクリーン内へ木材チップを導くように各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、環状プレート頂部において、環状プレートの水平断面直径と胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、環状プレートの頂部から底部方向に向かって胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、環状プレートと胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部とを有する連続蒸解釜であって、前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする連続蒸解釜である。
【選択図】 図6
Description
本発明は、木材チップを蒸解液により蒸解して、パルプを製造する連続蒸解釜および該連続蒸解釜を用いたパルプの製造方法に関する。
従来、連続蒸解釜としては、槽頂部に木材チップ送入口及び蒸解液送入口がそれぞれ設けられると共に、槽底部に蒸解されたパルプスラリーの排出口が設けられ、槽の頂部と底部との間に、順次、高圧浸透ゾーン、蒸解ゾーンおよび洗浄ゾーンが形成されたものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
上記高圧浸透ゾーン、蒸解ゾーンおよび洗浄ゾーンでは、蒸解液を流動させつつ、槽頂部から槽底部に向かって木材チップを連続的に降下させて、蒸解液の木材チップへの浸透、木材チップの蒸解、蒸解された木材チップの洗浄等の処理を行っている。
上記各ゾーンの下部には、通常、上記木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むようにスクリーン(蒸解スクリーン、抽出スクリーン、洗浄スクリーン)が設けられ、上記蒸解液の一部が、上記スクリーンを介してスクリーンと槽の内壁との間に形成された環状液溜へ抽出される。抽出された蒸解液は、槽の外部へ抜き出され、加熱手段により昇温された後槽内に循環されて、木材チップの蒸解等の作用を促進する。
「クラフトパルプ」、初版、紙パルプ技術協会、1996年4月25日
「クラフトパルプ」、初版、紙パルプ技術協会、1996年4月25日
スクリーンを介して抽出され、槽内に循環される蒸解液量が多い程、連続蒸解釜の処理能力も向上するが、木材チップの処理(蒸解液の木材チップへの浸透、木材チップの蒸解、蒸解された木材チップの洗浄)のためには、各ゾーンが槽内で一定の空間を占める必要があるため、スクリーンを設けることができる面積にも限界がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、蒸解液の抽出、循環量を増加させ、処理能力を向上させた連続蒸解釜および該連続蒸解釜を用いたパルプの製造方法を提供することを目的とするものである。
各スクリーン上部に設けられ、各スクリーン内へ木材チップを導く環状プレートの少なくとも一部をスクリーン形状とすることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)実質的に垂直な胴体部を有する槽と、
該槽の頂部にそれぞれ設けられた、木材チップ送入口および蒸解液送入口と、
前記胴体部内部において、前記木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように、流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、
前記各スクリーンと前記槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、
前記各スクリーン内へ木材チップを導くように前記各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、
前記環状プレート頂部において、前記環状プレートの水平断面直径と前記胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、前記環状プレートの頂部から底部方向に向かって前記胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、前記環状プレートと前記胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部と、
前記いずれかのスクリーンから抽出した液を前記液溜を介して前記頂部に設けられた蒸解液送入口へ循環する循環手段と、
得られたパルプスラリーを排出するために槽底部に設けられた排出口とを有する連続蒸解釜であって、
前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする連続蒸解釜、および
(2)上記(1)に記載の連続蒸解釜を用いて木材チップを蒸解することを特徴とするパルプの製造方法
(1)実質的に垂直な胴体部を有する槽と、
該槽の頂部にそれぞれ設けられた、木材チップ送入口および蒸解液送入口と、
前記胴体部内部において、前記木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように、流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、
前記各スクリーンと前記槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、
前記各スクリーン内へ木材チップを導くように前記各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、
前記環状プレート頂部において、前記環状プレートの水平断面直径と前記胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、前記環状プレートの頂部から底部方向に向かって前記胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、前記環状プレートと前記胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部と、
前記いずれかのスクリーンから抽出した液を前記液溜を介して前記頂部に設けられた蒸解液送入口へ循環する循環手段と、
得られたパルプスラリーを排出するために槽底部に設けられた排出口とを有する連続蒸解釜であって、
前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする連続蒸解釜、および
(2)上記(1)に記載の連続蒸解釜を用いて木材チップを蒸解することを特徴とするパルプの製造方法
本発明によれば、蒸解液の抽出、循環量を増加させ、処理能力を向上させた連続蒸解釜および該連続蒸解釜を用いたパルプの製造方法を提供することができる。
先ず、本発明の連続蒸解釜について説明する。
本発明の連続蒸解釜は、
実質的に垂直な胴体部を有する槽と、
該槽の頂部にそれぞれ設けられた、木材チップ送入口および蒸解液送入口と、
前記胴体部内部において、前記木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように、流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、
前記各スクリーンと前記槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、
前記各スクリーン内へ木材チップを導くように前記各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、
前記環状プレート頂部において、前記環状プレートの水平断面直径と前記胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、前記環状プレートの頂部から底部方向に向かって前記胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、前記環状プレートと前記胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部と、
前記いずれかのスクリーンから抽出した液を前記液溜を介して前記頂部に設けられた蒸解液送入口へ循環する循環手段と、
得られたパルプスラリーを排出するために槽底部に設けられた排出口とを有する連続蒸解釜であって、
前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする。
本発明の連続蒸解釜は、
実質的に垂直な胴体部を有する槽と、
該槽の頂部にそれぞれ設けられた、木材チップ送入口および蒸解液送入口と、
前記胴体部内部において、前記木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように、流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、
前記各スクリーンと前記槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、
前記各スクリーン内へ木材チップを導くように前記各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、
前記環状プレート頂部において、前記環状プレートの水平断面直径と前記胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、前記環状プレートの頂部から底部方向に向かって前記胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、前記環状プレートと前記胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部と、
前記いずれかのスクリーンから抽出した液を前記液溜を介して前記頂部に設けられた蒸解液送入口へ循環する循環手段と、
得られたパルプスラリーを排出するために槽底部に設けられた排出口とを有する連続蒸解釜であって、
前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする。
以下、本発明の連続蒸解釜の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一般的な連続蒸解釜を説明するための、中心軸に沿った槽の断面を含む図である。
図1に示す連続蒸解釜1は、槽2を有している。槽2は、頂部3、底部4、および実質的に垂直な胴体部5からなる塔状体であって、頂部3に木材チップ送入口6および蒸解液の送入口7をそれぞれ有し、底部4にパルプスラリーおよび蒸解廃液の排出口8を有しており、排出口8を介して排出されたパルプスラリーは、洗浄、漂白等の後処理工程に送られる。
槽2の胴体部5には、木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように、槽2の頂部3から底部4に向かって、順次、蒸解スクリーンA、B、抽出スクリーンC、洗浄スクリーンDが設けられる。
蒸解スクリーンは、蒸解ゾーンが複数設けられる場合には複数設けることができ、図1においては蒸解スクリーンAと蒸解スクリーンBの2つの蒸解スクリーンが設けられている。
上記各スクリーンは、表面に多数の開口部を有するストレーナーを含み、上記開口部の形状としては、孔やスリット等を挙げることができる。各スクリーンは、単一段のストレーナーを含んでいてもよいし、2段以上の多段のストレーナーを含んでいてもよい。
スクリーンが、2段以上の多段のストレーナーを含む場合は、各ストレーナーを互いに切り替えて用いることもでき、この場合、休止中のストレーナーは下降する木材チップにより掃除され、目詰まりを防止することができる。
図2〜4に、本発明の連続蒸解釜におけるストレーナーの開口部形状の具体例を示す。
図2は、略楕円状の孔(スロット)が、槽の中心軸に対してほぼ平行に複数設けられたストレーナーと、ストレーナーに設けられた孔を拡大して示す図であり、図3は、水平断面が台形のバーを槽の中心軸に対してほぼ平行に複数設けることにより各バー間にスリットを形成したストレーナーと、ストレーナーに設けられたスリットを拡大して
示す図であり、図4は、略楕円状の孔(スロット)が、槽の中心軸に対して斜め方向に複数設けられたストレーナーと、ストレーナーに設けられた孔を拡大して示す図である。
示す図であり、図4は、略楕円状の孔(スロット)が、槽の中心軸に対して斜め方向に複数設けられたストレーナーと、ストレーナーに設けられた孔を拡大して示す図である。
ストレーナーの開口面積は、必要な抽出流量を確保し、木材チップが閉塞して目詰りを生じないように、適宜決定することができる。
図1に示す槽2の蒸解スクリーンAの上部が、高圧浸透ゾーン9であり、蒸解スクリーンAと蒸解スクリーンBとの中間部が上部蒸解ゾーン10であり、蒸解スクリーンBと抽出スクリーンCとの中間部が下部蒸解ゾーン11であり、抽出スクリーンCと洗浄スクリーンDとの中間部が洗浄ゾーン12である。高圧浸透ゾーン、蒸解ゾーン、洗浄ゾーンはそれぞれ単一のゾーンで形成されていてもよく、図1に示す蒸解ゾーンのように2つのゾーンに分かれていてもよく、3以上のゾーンに分かれていてもよい。また、複数の槽を用いて、例えば、一方の槽に高圧浸透ゾーンを設け、他方の槽に蒸解ゾーンと洗浄ゾーンを設けてもよい。各ゾーンにおいては、蒸解液の木材チップへの浸透、木材チップの蒸解、蒸解された木材チップの洗浄等の処理が行われる。
各ゾーンにおいては、それぞれの目的に応じた温度で木材チップの処理が行われ、例えば、図1に示す高圧浸透ゾーン9では95〜150℃、上部蒸解ゾーン10では105〜155℃、下部蒸解ゾーン11では140〜175℃、洗浄ゾーン12では120〜175℃で処理が行われる。
図5は、従来の連続蒸解釜における中心軸に沿った槽の部分垂直断面図である。
図5に示すように、ストレーナー17(図中の斜線部に相当)と槽2の胴体部の内壁との間には環状空間が形成されており、各ストレーナー17の開口部を通過した蒸解液は、上記環状空間からなる環状液溜13に流入する。この環状液溜13は、直接抽出パイプに連結されていてもよく、あるいは、図5に示すように環状液溜13底部の連通口を介して環状抽出ヘッダー(インターナルヘッダー)16に連通し、この環状抽出ヘッダーに抽出パイプが連結されていてもよい。すなわち、環状液溜13に流入した蒸解液は、直接抽出パイプにより槽2の外部に取り出すことができ、また、環状抽出ヘッダー16を介して、抽出パイプにより槽2の外部に取り出すこともできる。
図5に示すように、ストレーナー17(図中の斜線部に相当)と槽2の胴体部の内壁との間には環状空間が形成されており、各ストレーナー17の開口部を通過した蒸解液は、上記環状空間からなる環状液溜13に流入する。この環状液溜13は、直接抽出パイプに連結されていてもよく、あるいは、図5に示すように環状液溜13底部の連通口を介して環状抽出ヘッダー(インターナルヘッダー)16に連通し、この環状抽出ヘッダーに抽出パイプが連結されていてもよい。すなわち、環状液溜13に流入した蒸解液は、直接抽出パイプにより槽2の外部に取り出すことができ、また、環状抽出ヘッダー16を介して、抽出パイプにより槽2の外部に取り出すこともできる。
なお、図5に示すように、スクリーンが複数段のストレーナーから構成される場合は、各ストレーナー毎に環状抽出ヘッダー(インターナルヘッダー)16を設けることができる。
また、図5に示すように、槽2は、スクリーン上部に設けられ、スクリーン内へ木材チップを導く環状プレート14を有している。この環状プレート14は、木材チップの下降流を妨げたり木材チップがスクリーン上部に堆積したりしないように設けられるもので、通常、トランジッションブラインドプレートとも呼ばれている。
図5に示すように、槽2においては、各環状プレート14の頂部において環状プレート14の水平断面直径と槽の胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、環状プレート14の頂部から底部方向に向かって槽の胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、環状プレート14と槽の胴体部の内壁との間に末広状の中空部15を形成している。
本発明の連続蒸解釜において特徴的な点は、上記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっている点であり、環状プレートの少なくとも一部をスクリーン形状にすることにより、連続蒸解釜を大幅に改修することなく、蒸解液の抽出、循環量を増加させ、連続蒸解釜の処理能力を向上することができる。
本発明の連続蒸解釜においては、環状プレートの少なくとも一部に開口部を設けてスクリーン形状にするが、環状プレートの全面に開口部を設けてスクリーン形状にすることが好ましい。環状プレートの開口部の形態の具体例としては、上記蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンで用いられる図2〜図4に示す開口部と同様のものを挙げることができる。
環状プレートをスクリーン形状にすることにより、槽全体のスクリーン面積を実質的に増加させることができ、環状プレートをスクリーン形状にしない場合に比べ、槽全体のスクリーン面積を、1.0超〜1.6倍にすることができる。
図6に示すように、全面に開口部を有する環状プレート14aを通過した蒸解液は、液溜の役割を果たす中空部15に流入する。この中空部15は、直接抽出パイプに連結されていてもよく、あるいは、中空部15底部の連通口を介して環状液溜13または環状抽出ヘッダー(インターナルヘッダー)16に連通し、この環状液溜13または環状抽出ヘッダー16に抽出パイプが連結されていてもよい。すなわち、中空部15に流入した蒸解液は、直接抽出パイプにより槽2の外部へ取り出すことができ、また、環状液溜13または環状抽出ヘッダー16に設けられた抽出パイプにより槽2の外部に取り出すこともできる。図6においては、中空部15に流入した蒸解液は、環状抽出ヘッダー16に設けられた抽出パイプにより槽2の外部に取り出される。
図1に示すように、蒸解スクリーンA、Bから抽出された液が流入する環状抽出ヘッダーには、それぞれ、一端が槽頂部の蒸解液送入口7に連結する循環パイプ18、19が接続されている。循環パイプ18、19の途中部分には、蒸解スクリーンA,Bや開口部を有する環状プレートから抽出した蒸解液を所望温度に加熱するヒーターが設けられている。
また、抽出スクリーンCから抽出した液が流入する環状抽出ヘッダーには、一端が槽頂部の蒸解液送入口7に連結する循環パイプ20が接続されている。循環パイプ20の途中部分には、抽出スクリーンCや開口部を有する環状プレートから抽出した蒸解液を所望温度に加熱するヒーターが設けられている。
同様に、洗浄スクリーンDに隣接する環状液溜には、一端が槽頂部の蒸解液送入口7に連結する循環パイプ21が接続されている。循環パイプ21の途中部分には、洗浄スクリーンDや開口部を有する環状プレートから抽出した蒸解液を所望温度に加熱するヒーターが設けられている。
上記循環パイプ18、19、20、21の途中部分には、別途蒸解薬液供給手段を設けることもできる。
上記循環パイプ18〜21を介して槽頂部3へ循環された液は、槽2の中心軸に沿って設けられたセントラルパイプを通して、槽内に供給される。
次に、本発明のパルプの製造方法について説明する。
本発明のパルプの製造方法は、本発明の連続蒸解釜を用いて木材チップを蒸解することを特徴とする。
本発明のパルプの製造方法は、本発明の連続蒸解釜を用いて木材チップを蒸解することを特徴とする。
本発明のパルプの製造方法において用いられる連続蒸解釜および木材チップの処理条件は、それぞれ、上記した連続蒸解釜およびその運転方法で説明したものと同様である。
図1に示す連続蒸解釜1において、槽2に設けられた蒸解スクリーンA、蒸解スクリーンB、抽出スクリーンCおよび洗浄スクリーンDのそれぞれの上部の環状プレートの全表面に、図4に示すストレーナーの開口部と同様の開口部を設けて、スクリーン形状とした。
蒸解スクリーンA、蒸解スクリーンB、抽出スクリーンCおよび洗浄スクリーンDは、それぞれ図4に示す開口部を有する環状ストレーナーにより構成されており、その総面積は76m2である。開口部を設けた環状プレートの全面積44m2を加えると、その面積は120m2となり、環状プレートに開口部を設けない場合に比べスクリーン面積は実質的に1.58倍となった。
上記連続蒸解釜を用い、高圧浸透ゾーン9を148℃、上部蒸解ゾーン10を153℃、下部蒸解ゾーン11を172℃、洗浄ゾーン12を150℃として木材チップの処理を行った。
その結果、抽出スクリーン上部の環状プレート全表面をスクリーン形状にしない場合に比べ、連続蒸解釜の処理能力(木材チップの処理量)が約1.6倍になった。
本発明によれば、蒸解液の抽出、循環量を増加させ、処理能力を向上させた連続蒸解釜および該連続蒸解釜を用いたパルプの製造方法を提供することができる。
1 連続蒸解釜
2 槽
3 頂部
4 底部
5 胴体部
6 木材チップ送入口
7 蒸解液の送入口
8 パルプスラリーおよび蒸解廃液の排出口
9 高圧浸透ゾーン
10 上部蒸解ゾーン
11 下部蒸解ゾーン
12 洗浄ゾーン
13 環状液溜
14、14a 環状プレート
15 中空部
16 環状抽出ヘッダー
17 ストレーナー
18、19、20、21 循環パイプ
2 槽
3 頂部
4 底部
5 胴体部
6 木材チップ送入口
7 蒸解液の送入口
8 パルプスラリーおよび蒸解廃液の排出口
9 高圧浸透ゾーン
10 上部蒸解ゾーン
11 下部蒸解ゾーン
12 洗浄ゾーン
13 環状液溜
14、14a 環状プレート
15 中空部
16 環状抽出ヘッダー
17 ストレーナー
18、19、20、21 循環パイプ
Claims (2)
- 実質的に垂直な胴体部を有する槽と、
該槽の頂部にそれぞれ設けられた、木材チップ送入口および蒸解液送入口と、
前記胴体部内部において、前記木材チップおよび蒸解液の流路を取り囲むように、流路方向に順次設けられた、蒸解スクリーン、抽出スクリーンおよび洗浄スクリーンと、
前記各スクリーンと前記槽の内壁との間にそれぞれ形成された環状液溜と、
前記各スクリーン内へ木材チップを導くように前記各スクリーン上部に設けられた環状プレートと、
前記環状プレート頂部において、前記環状プレートの水平断面直径と前記胴体部の内壁の水平断面直径が等しく、前記環状プレートの頂部から底部方向に向かって前記胴体部の内壁の水平断面直径が漸次増加することにより、前記環状プレートと前記胴体部の内壁との間に形成される末広状の中空部と、
前記いずれかのスクリーンから抽出した液を前記液溜を介して前記頂部に設けられた蒸解液送入口へ循環する循環手段と、
得られたパルプスラリーを排出するために槽底部に設けられた排出口とを有する連続蒸解釜であって、
前記環状プレートの少なくとも一部がスクリーン形状となっていることを特徴とする連続蒸解釜。 - 請求項1に記載の連続蒸解釜を用いて木材チップを蒸解することを特徴とするパルプの製造方法。
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- 2005-09-09 JP JP2005261473A patent/JP2007070773A/ja active Pending
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