JP2007068431A - 細菌叢の解析方法およびキット - Google Patents

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Abstract

【課題】試料中の細菌叢の総菌数を簡便に測定する方法を提供する。
【解決手段】試料から抽出した細菌のDNA又はその一部を、特定の塩基配列の10塩基以上の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを用いて増幅する工程、増幅したDNA断片を定量する工程、および定量結果に基づいて細菌叢を分析する工程を含むことを特徴とする細菌叢の解析方法、並びにそのためのキット。
【選択図】なし

Description

本発明はPCRプライマーを用いて試料中の細菌叢を解析するための方法及びキットに関し、具体的には、試料中の細菌叢における総菌数、或いは特定の細菌種又は細菌属の占有率を正確に測定し得ることを特徴とする、医療、食品および環境などの分野で有用な、細菌叢を解析するための方法およびキットに関する。
近年、医療、食品および環境などの分野において、細菌叢を解析し、制御することが重要視されてきている。細菌叢を構成する細菌は多種多様であり、複雑な生態系を形成している。特に医療、食品分野では、ヒトの消化管における細菌叢、例えば大腸内細菌叢は古くから解析が行われており、生理学上有用な細菌群は、必須ビタミンの合成、病原性細菌の腸管上皮細胞への定着阻止、腸管上皮細胞の増殖因子である酪酸などの単鎖脂肪酸の合成、および免疫賦活などの機能を持ついわゆる善玉菌と、食物成分や生体成分を代謝し、ニトロソアミン、インドール、二次胆汁酸等の発癌性物質を生産する悪玉菌とに二分される。乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスや、オリゴ糖などのプロバイオティクスを含む食品によって善玉菌と悪玉菌のバランスをコントロールし、便秘の改善や様々な生活習慣病を予防する試みが数多くなされており、これらの食品による腸内細菌叢の変化を解析することが重要視されている(非特許文献1参照)。腸内細菌叢の制御はヒトのみならず愛玩動物、家畜などの動物の健康維持(非特許文献2参照)や、養殖漁業における感染防御(非特許文献3参照)においても重要な因子として認識されつつある。
食品産業分野では、発酵食品の製造過程における発酵槽内の細菌叢のモニタリングや、食品の品質や腐敗を防ぐ微生物制御においても、細菌叢の解析が重要視されている(非特許文献4参照)。
また、環境分野においては、汚染土壌の浄化に微生物を用いるバイオレメディエーション法、バイオスティミュレーション法、バイオオーギュメンテーション法などが用いられているが、土壌細菌叢をモニタリングすることで、土壌への栄養素や空気の注入のタイミングを最適化し、処理時間を短縮し、コストを低減する試みがなされている(非特許文献5参照)。
細菌叢の解析手法としては、これまで細菌を単離・同定する培養法が用いられてきた(非特許文献1参照)。しかし、培養法は、人工の栄養培地を用いる為、実際の細菌叢の生態系と比較して微生物の成育に選択がかかることや、腸内細菌や土壌細菌は一般的に高度な嫌気的環境が必要であること、更に操作が煩雑で多大な時間を費やすこと等、精度、定量性、簡便性の面で多くの問題を残している(非特許文献6参照)。
近年、分子生物学の発展に伴い、微生物の16SrRNAの塩基配列が微生物の系統解析に用いられ、多くの情報が蓄積されてきている。この塩基配列を比較することによって、菌属、菌種特異的なプローブやプライマーが設計され、これらを応用した培養法に代わる細菌叢の解析方法が提案されている。特に、FISH法、クローンライブラリー法、DGGE法、T−RFLP法、定量PCR法は、煩雑な培養操作無しで細菌叢を解析できる方法として多くの研究に用いられている(非特許文献6参照)。
このうち定量PCR法は、現在培養可能な細菌を菌種、および菌属特異的に、更に定量的に検出するための手法として有効であり、培養法の代替として用いられている。しかし、定量PCR法では、定量した細菌属や細菌種の、細菌叢における占有率を算出する上での分母となる総菌数の定量方法が確立されておらず、総菌数を測定するために、直接検鏡法やDAPI染色法が用いられているのが現状である(非特許文献6参照)。直接検鏡法やDAPI染色法は操作に時間を要し、特にDAPI法では煩雑な操作も必要である為、多検体の分析には不向きである。そのため、定量PCR法によって、細菌属や細菌種と同様に総菌数を測定する方法の確立、およびキットの開発が望まれていた。
「ビフィズス菌の研究」、光岡知足編著、日本ビフィズス菌センター出版 Journal of Applied Microbiology誌、2002年、10月号、640〜646頁 「魚類腸内細菌の生産する抗病因子に関する研究」、文部省科学研究費補助金研究成果報告書、1997〜1999年 日本食品微生物学会誌、2004年、第21巻、第3号、187〜192頁 「バイオレメディエーションの基礎と実際」、児玉徹監修、シーエムシー出版 「腸内フローラシンポジウム10 21世紀腸内フローラ研究の新しい動向」、光岡知足編、学会出版センター
本発明は、定量PCR法によって、試料中の細菌叢の解析、より具体的には総菌数の測定或いは試料中の特定の細菌属又は細菌種の全細菌に占める占有率の測定、のための方法、並びに該方法に使用するためのキットを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のPCRプライマーを用いる定量PCR法によって、細菌属又は細菌種と同様に全細菌の総菌数を測定する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は以下の特徴を有する。
本発明は、第1の態様において、試料から抽出した細菌のDNA又はその一部を、配列番号1〜7に示される塩基配列(ここで、y, m, r, s, d, n, h, v, kまたはbで表される塩基は、特許庁編「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(平成14年7月)に規定される塩基の他に、イノシン(i)でもよい)の10塩基以上の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを用いて増幅する工程、増幅したDNA断片を定量する工程、および定量結果に基づいて細菌叢を分析する工程を含むことを特徴とする細菌叢の解析方法を提供する。
その一の実施形態において、本発明の方法は、試料中の細菌叢における総菌数を決定する。より具体的には、総菌数は、増幅産物DNAを精製し、所定濃度の精製DNAについて260nmの吸光度を測定し、所定量の増幅産物DNAあたりのコピー数を決定することを含む手段によって決定される。
或いは、本発明の方法は、試料中の個々の属もしくは種の細菌の占有率を決定することを特徴とする。より具体的には、占有率は、試料中の特定の属もしくは種の細菌に特異的な16SrRNA配列由来のPCRプライマーを用いて得られた所定量の増幅産物DNAあたりのコピー数を決定し、試料中の全細菌の増幅産物DNAあたりのコピー数に対する該特定の属の細菌のコピー数のパーセンテージを算出することを含む手段によって決定される。
別の実施形態により、本発明の方法で使用可能なPCRプライマーは、例えば配列番号8〜19に示される塩基配列又はその相補的配列からなる。これらのPCRプライマーの組み合わせの例は、配列番号8と11、配列番号9と11、配列番号10と13、配列番号12と15、配列番号14と17、配列番号16と18、及び配列番号16と19からなる群から選択される配列の組み合わせである。
別の実施形態により、PCR増幅産物は、リアルタイムPCRによって定量される。
別の実施形態により、試料は、例えば食品、生体試料、環境試料、及び工業プロセスからの試料を含む。より具体的には、試料は、例えば活性汚泥、土壌、河川水、海水、温泉水、飲料水、加工食品、発酵槽培養物、並びに、ヒトを含む哺乳類や他の真核生物の組織、細胞または体液からなる群から選択される。
本発明はまた、第2の態様において、配列番号1〜7に示される塩基配列(ここで、y, m, r, s, d, n, h, v, kまたはbで表される塩基は、特許庁編「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(平成14年7月)に規定される塩基の他に、イノシン(i)でもよい)の10塩基以上の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを含むことを特徴とする、細菌叢を解析するためのキットを提供する。
その一の実施形態により、本発明のキットは、前記プライマーを用いるリアルタイムPCRによってPCR産物を定量し、細菌叢を解析するためのものである。
或いは、本発明のキットは、試料中の細菌叢における総菌数を決定する、及び/又は試料中の個々の属もしくは種の細菌の占有率を決定するためのものである。
別の実施形態により、PCRプライマーが、配列番号8〜19に示される塩基配列又はその相補的配列からなることを特徴とする。これらのPCRプライマーの組み合わせの例は、配列番号8と11、配列番号9と11、配列番号10と13、配列番号12と15、配列番号14と17、配列番号16と18、及び配列番号16と19からなる群から選択される配列の組み合わせである。
別の実施形態により、本発明のキットは、PCR反応を行うための試薬をさらに含むことができる。
別の実施形態により、本発明のキットは、試料からDNAを調製または抽出するための試薬をさらに含むことができる。
本発明により、操作に多くの時間を要する、煩雑であるなどの従来の測定法に代わる、細菌叢中の総菌数の新規定量法が提供される。この方法は、例えば96ウエルプレートなどの複数ウエルからなる固相を利用した測定を可能とするため、一度に多数の試料を測定することができるし、また従来よりも短い時間での測定を可能にするし、測定における細菌属や細菌種間の増幅効率のバラツキが非常に少ない、という利点がある。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、試料から抽出した細菌のDNA又はその一部を、配列番号1〜7に示される塩基配列の10塩基以上の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを用いて増幅する工程、増幅したDNA断片を定量する工程、および定量結果に基づいて細菌叢を分析する工程を含むことを特徴とする細菌叢の解析方法を提供する。
本発明の方法で使用される試料は、液体、固体、半固体、気体などのいずれでもよいが、水を溶媒もしくは分散媒として含む任意の水性試料が望ましい。水分を含まない試料においては、TE緩衝液のような緩衝液に懸濁し、完全に溶解、もしくは均一に分散させて試料として供することもできる。また、気相における細菌叢の解析に本発明の方法を用いる場合は、一定体積の気相をエアフィルターに通し、フィルターに付着した細菌を緩衝液で洗浄し、その洗浄液を試料として供することも可能である。
試料は、細菌が含有すると推定されるいずれのものでもよく特に制限されない。試料には、例えば食品、生体試料、環境試料、及び工業プロセスからの試料を含むことができる。具体的には、試料の例は、活性汚泥、土壌、井戸水、地下水、下水、河川水、海水、温泉水、飲料水、加工食品、発酵食品、野菜、肉、鶏卵などの食品、発酵槽培養物、並びに、ヒトを含む動物(哺乳類、鳥類、魚類など)や植物からの組織、細胞または体液、例えば動物の消化管内物質、皮膚、粘膜、糞便、尿、血液、血漿、血清、乳、唾液、汗、粘液など、を含む。これらを適宜、水またはTE 緩衝液のような緩衝液に懸濁し、均一とした物を試料として供する。
検出・定量対象となる細菌の例としては、以下の分類のいずれかに属する細菌が挙げられる。
Aquificaceae、Thermotogaceae、Thermodesulfobacteriaceae、Deinococcaceae、Thermaceae、Chrysiogenaceae、Chloroflexaceae、Herpetosiphonaceae、Thermomicrobiaceae、Nitrospiraceae、Deferribacteraceae、Cyanobacteria、Chlorobiaceae、Rhodospirillaceae、Acetobacteraceae、Rickettsiaceae、Anaplasmataceae、Rhodobacteraceae、Sphingomonadaceae、Caulobacteraceae、Rhizobiaceae、Bartonellaceae、Brucellaceae、Phyllobacteriaceae、Methylocystaceae、Beijerinckiaceae、Bradyrhizobiaceae、Hyphomicrobiaceae、Methylobacteriaceae、Rhodobiaceae、Parvularculaceae、Burkholderiaceae、Oxalobacteraceae、Alcaligenaceae、Comamonadaceae、Incertae、sedis、Hydrogenophilaceae、Methylophilaceae、Neisseriaceae、Nitrosomonadaceae、Rhodocyclales、Acidithiobacillaceae、Piscirickettsiaceae、Thiotrichaceae、Francisellaceae、Chromatiaceae、Ectothiorhodospiraceae、Xanthomonadaceae、Cardiobacteriaceae、Legionellaceae、Coxiellaceae、Methylococcaceae、Oceanospirillaceae、Alcanivoraceae、Hahellaceae、Halomonadaceae、Saccharospirillaceae、Pseudomonadaceae、Moraxellaceae、Aeromonadaceae、Succinivibrionaceae、Alteromonadaceae、Vibrionaceae、Enterobacteriaceae、Pasteurellaceae、Desulfurellaceae、Desulfovibrionaceae、Desulfomicrobiaceae、Desulfohalobiaceae、Desulfobacteraceae、Desulfobulbaceae、Nitrospinaceae、Desulfuromonaceae、Geobacteraceae、Syntrophobacteraceae、Syntrophaceae、Cystobacteraceae、Myxococcaceae、Polyangiaceae、Nannocystaceae、Haliangiaceae、Campylobacteraceae、Helicobacteraceae、Clostridiaceae、Lachnospiraceae、Peptostreptococcaceae、Eubacteriaceae、Peptococcaceae、Heliobacteriaceae、Acidaminococcaceae、Syntrophomonadaceae、Halanaerobiaceae、Halobacteroidaceae、Thermoanaerobacteriaceae、Mycoplasmataceae、Entomoplasmataceae、Spiroplasmataceae、Acholeplasmataceae、Erysipelotrichaceae、Bacillaceae、Alicyclobacillaceae、Caryophanaceae、Listeriaceae、Paenibacillaceae、Planococcaceae、Sporolactobacillaceae、Staphylococcaceae、Thermoactinomycetaceae、Lactobacillaceae、Aerococcaceae、Carnobacteriaceae、Enterococcaceae、Leuconostocaceae、Streptococcaceae、Caldithraceae、Acidimicrobiaceae、Rubrobacteraceae、Coriobacteriaceaefamily、Actinomycetaceae、Micrococcaceae、Bogoriellaceae、Rarobacteraceae、Sanguibacteraceae、Brevibacteriaceae、Cellulomonadaceae、Dermabacteraceae、Dermatophilaceae、Dermacoccaceae、Intrasporangiaceae、Jonesiaceae、Microbacteriaceae、Beutenbergiaceae、Promicromonosporaceae、Corynebacteriaceae、Dietziaceae、Gordoniaceae、Mycobacteriaceae、Nocardiaceae、Tsukamurellaceae、Williamsiaceae、Micromonosporaceae、Propionibacteriaceae、Nocardioidaceae、Pseudonocardiaceae、Actinosynnemataceae、Streptomycetaceae、Streptosporangiaceae、Nocardiopsaceae、Thermomonosporaceae、Frankiaceae、Geodermatophilaceae、Microsphaeraceae、Sporichthyaceae、Acidothermaceae、Kineosporiaceae、Glycomycetaceae、Bifidobacteriaceae、Planctomycetaceae、Chlamydiaceae、Parachlamydiaceae、Simkaniaceae、Waddliaceae、Spirochaetaceae、Serpulinaceae、Leptospiraceae、Fibrobacteraceae、Acidobacteriaceae、Bacteroidaceae、Rikenellaceae、Porphyromonadaceae、Prevotellaceae、Flavobacteriaceae、Blattabacteriaceae、Sphingobacteriaceae、Saprospiraceae、Flexibacteraceae、Flammeovirgaceae、Crenotrichaceae、Fusobacteriaceae、Verrucomicrobiaceae、Xiphinematobacteraceae、Verrucomicrobiaceae、Xiphinematobacteraceae、Dictyoglomaceae、Gemmatimonadales。
細菌を含む試料からDNAを抽出する方法としては、Marmur法(J. Marmur, J. Mol. Biol. (1961) 3:208-218)、酵素法などのその改良法(G. Voordouw et al., Appln. Environ. Microbiol. (1991) 57:3070-3078)、ベンジルクロライド法(Nucleic Acids Res. (1993) 21:5279-5280)等の他、抽出する試料に応じて最適化された抽出キット(例えばISOPLANT(商標、ニッポンジーン社))を用いてもよい。また、試料の懸濁液をそのままPCRチューブに入れ、反応に供することもできる。その場合、試料中にPCR反応を阻害する物質があれば、あらかじめ適切な方法で除去しておくことが望ましい。
PCR反応において、本発明のプライマーを組み合わせ、増幅反応を行うことでPCR産物を得ることができる。本発明で使用するプライマーは、配列番号1〜7に示される塩基配列において10塩基以上、好ましくは15塩基以上、さらに好ましくは15〜30塩基、最も好ましくは15〜25塩基、特に15〜20塩基の配列、又はそれらの相補的配列を含む。より具体的には、配列番号8〜19に示される塩基配列からなるPCRプライマーを使用することができる。これらのプライマー配列は、公知のすべての属の細菌の16SrRNA配列において99%〜100%の同一性を有する共通配列を調べ今回見出した配列に基づいている。本発明におけるPCR反応には、例えば配列番号12と15のプライマーというように、2種類のプライマーを1組として用いることが望ましい。例えばそのような組み合わせの例は、配列番号8と11、配列番号9と11、配列番号10と13、配列番号12と15、配列番号14と17、配列番号16と18、及び配列番号16と19である。すなわち、プライマーを組み合わせて用いることで、試料中の全ての細菌の遺伝子において、両プライマー間で増幅反応がおき、これを検出、定量することができる。
PCR産物をアガロースゲル電気泳動に供し、PCR産物の蛍光強度をイメージアナライザ等を用いて数値化し、定量することも可能であるが、精度に限界があるため、リアルタイムPCR法を用いることが望ましい。
リアルタイムPCR法は、サーマルサイクラーと蛍光光度計を一体化した機器、例えばMJ Research社製のDNA Engine Opticon(商標)を用いて行うことができる。リアルタイムPCRにより、PCR産物の生成量をリアルタイムで検出可能となる。PCR産物はSYBER(商標)Green I等の蛍光色素で標識されるため、正確な定量が可能になり、本発明に適する。
PCR反応条件の例は、95℃15分を1サイクルの後、94℃15秒、60℃15秒及び72℃30秒を30サイクル行い、最後に50〜95℃で1℃刻みに蛍光測定を1サイクル行うことを含む手順からなる。
以下にDNA Engine Opticonと、本装置に最適化されたFINNZYMES社製DyNAmo(商標)HS SYBER Green qPCR kit(PCR反応溶液キット)を用いたリアルタイムPCRの手順を説明する。
まず鋳型となる試料由来のDNAを、PCR反応用96ウエルプレートに1μl入れる。このときのDNA濃度は1ng/μl〜10ng/μlとなるようにする。次に、本発明で用いるプライマー(例えば、配列番号4および6)をそれぞれ1μl入れる。プライマーの濃度は1〜50μMが望ましい。次に、滅菌した超純水を7μl加える。次に、本キットの酵素溶液を10μl加え、PCR反応用96ウエルプレートに蓋をする。これを2000rpmで10〜20秒遠心後、DNA Engine Opticonにセットし、リアルタイムPCRを行う。DNAのコピー数を算出するための検量線には、あらかじめCFUを測定した任意の菌体(例えば、Escherichia coli)培養液から抽出したDNA溶液を検量線として用いることができる他、任意の菌体(例えば、Escherichia coli)培養液からDNAを抽出し、そのDNAを鋳型として、本発明で用いるプライマー(例えば、配列番号5および8)を用いてPCR反応を行ったPCR産物を精製し、そのDNA濃度からコピー数を算出した物を検量線として用いてもよい。PCR産物の定量、解析は、MJ Research社製Opticon Monitorを用いて行うことができる。
次に、総菌数測定キットの例を以下に説明する。
キットに用いるPCRチューブは、一度に多検体の解析が可能なように、96ウエルプレートや384ウエルプレートなどを用いることが望ましい。また、使用頻度に応じて列毎にチューブを切り離して使うことができるように、ストリップウェルを用いることがより望ましい。キットに付属する試薬としては、DNAポリメラーゼ、SYBER Green I、MgCl、dNTP、本発明で用いるプライマー(例えば、配列番号5および8)、検量線DNAがあり、このうちDNAポリメラーゼ、SYBER Green I、MgCl、dNTP、プライマーは、あらかじめPCR反応に最適な濃度に調製したものが望ましい。このキットにより、試料から抽出したDNAを反応プレートのウエルに入れ、キットに付属の試薬を所定量添加し、DNA Engine Opticon等の装置を用いて定量PCRを行うことで、総菌数の測定を行うことができる。
このように、本発明方法による細菌叢の解析として、試料中の細菌叢における総菌数の決定が挙げられる。従来、総菌数の測定には直接検鏡法やDAPI染色法が用いられているが、多くの時間を要する、操作が煩雑であるなどの欠点があったが、本発明方法によってこのような欠点が克服できる。具体的には、総菌数は、増幅産物DNAを精製し、所定濃度の精製DNAについて260nmの吸光度を測定し、所定量の増幅産物DNAあたりのコピー数を決定することを含む手段によって決定されうる。測定に先立ち予め、PCR反応のサイクル数とDNA濃度の対数値とをプロットし検量線を作成しておく。
或いは、本発明方法による細菌叢の解析として、試料中の個々の属もしくは種の細菌の占有率を決定することを挙げることができる。本発明により総菌数が容易に決定できるため、個々の属もしくは種の細菌数が全細菌数に占めるパーセンテージを決定することができる。占有率は、例えば、試料中の特定の属もしくは種の細菌に特異的な16SrRNA配列由来のPCRプライマーを用いて得られた所定量の増幅産物DNAあたりのコピー数を決定し、試料中の全細菌の増幅産物DNAあたりのコピー数に対する該特定の属の細菌のコピー数のパーセンテージを算出することを含む手段によって決定されうる。特定の属もしくは種の細菌に特異的な16SrRNA配列は、GenBankなどのデータバンクに登録された配列情報から入手してもよいし、或いは文献等から入手してもよい。
本発明はさらに、配列番号1〜7に示される塩基配列の10塩基以上、好ましくは15塩基以上、さらに好ましくは15〜30塩基、最も好ましくは15〜25塩基の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを含むことを特徴とする、細菌叢を解析するためのキットを提供する。
PCRプライマーの具体例は、非限定的に、配列番号8〜19に示される塩基配列又はその相補的配列からなるプライマーである。これらのプライマーの少なくとも1つ、望ましくは少なくとも2つをキット中に含む。プライマーの組み合わせは、センス鎖配列とアンチセンス鎖配列との組み合わせであり、例えば配列番号8と11、配列番号9と11、配列番号10と13、配列番号12と15、配列番号14と17、配列番号16と18、又は配列番号16と19であるが、これらに限定されない。プライマーを配置する、センス鎖とアンチセンス鎖との間の距離は、一般に、短い方が好ましく、またGC含量などの影響を受けにくいことが望ましい。
本発明のキットは、上記プライマーを用いるリアルタイムPCRによってPCR産物を定量し、細菌叢を解析するためのものであり、具体的には、試料中の細菌叢における総菌数を決定する、及び/又は試料中の個々の属もしくは種の細菌の占有率を決定するためのものである。
本発明のキットにはさらに、PCR反応を行うための試薬、例えば耐熱性ポリメラーゼ、緩衝液などを含むことができる。さらにまた、本発明のキットは、試料からDNAを抽出するための試薬(例えばISOPLANT(ニッポンジーン社))をさらに含むことができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<菌種間における増幅効率の比較方法>
まず、種々の細菌のDNAを鋳型とし、配列番号8〜19のプライマーを用いて定量PCRを行い、菌種間における増幅効率を比較する方法を示す。
測定に用いる細菌は、ATCC(American Type Culture Collection)やJCM(Japan Collection of Microorganisms)から入手し、所定の培養法に従って培養した。
培養した菌体からのDNAの抽出には、ベンジルクロライド法を応用したキット(ISOPLANT、ニッポンジーン社製)を用いた。抽出したDNAは、260nmの吸光度から濃度を測定後、TE buffer(10mM Tris-HCl (pH 8.0), 1mM EDTA)を用いて適宜希釈し、希釈系列を作製した。
リアルタイムPCRの反応は、FINNZYMES社製DyNAmo HS SYBER Green qPCR kitを用いた。PCR反応液の組成は、菌体から抽出したDNA希釈液1μl、5μMに調製したプライマーをそれぞれ1μl、超純水7μl、キットに付属のPCR反応バッファー10μlを加え、20μlとした。PCR反応条件は、DNA Engine Opticon で95℃、15分を1サイクル、94℃で15秒、60℃で15秒、72℃で30秒、75℃で蛍光測定を30サイクル、50℃〜95℃で1℃刻みに蛍光測定を1サイクル行った。データ解析はOpticon Monitorを使用した。
菌種間での増幅効率は、次のようにして求める。すなわち、増幅が指数関数的に起こる領域で一定の増幅産物量になるときのPCR反応のサイクル数(threshold cycle:Ct値)をx軸に、DNA濃度の対数値をy軸にプロットし、検量線を作成する。検量線の傾きをa、PCR効率をEとするとき、Eは次式で表すことができる。
E=10−a
代表的な細菌のDNAを用いたときのPCR効率を表1に示す。
Figure 2007068431
表1に示したプライマーの組み合わせにおいて、菌種間における増幅効率に大きな差は認められなかった。
次に、本発明の有効性を確認するため、以下の実験を行った。
<実施例1>
本発明の細菌叢の解析方法を用いて、健常成人における腸内細菌叢における、総菌数に対するBifidobacterium属の占有率を解析した。
<糞便からのDNA調製>
糞便からのDNA調製には、Quagen社製 QIAamp DNA Stool Mini Kitを用いた。健常成人3名の糞便約200mgから、約15μgのDNAを得た。
<総菌数測定用検量線DNAの調製>
総菌数測定用の検量線DNAは、Escherichia coli菌体より抽出したDNAを用いて調製した。菌体からのDNAの抽出は、先に述べた方法と同様、ISOPLANT(ニッポンジーン社製)を用いた。抽出したDNAをテンプレートとして用い、配列番号5および8のプライマーを用いてPCR反応を行った。PCRの反応は、FINNZYMES社製DyNAmo HS SYBER Green qPCR kitを用いた。PCR反応液の組成は、菌体から抽出したDNA希釈液1μl、5μMに調製したプライマーをそれぞれ1μl、超純水7μl、キットに付属のPCR反応バッファー10μlを加え、20μlとした。PCR反応条件は、DNA Engine Opticon で95℃、15分を1サイクル、94℃で15秒、60℃で15秒、72℃で30秒、75℃で蛍光測定を30サイクル、72℃で7分を1サイクル行い、終了後は4℃で維持した。
得られた増幅産物は1%アガロースゲルを用いて電気泳動に供し、SYBER GREEN Iで染色後、増幅産物のバンドを確認した。このバンドをカッターナイフで切り出し、Montage DNA Gel Extraction Kit(Millipore社製)を用いてPCR増幅産物DNAを精製した。精製したDNAは、260nmの吸光度を測定し、次式によって増幅産物DNA1μlあたりのコピー数を算出した。260nmの吸光度をA、増幅産物の分子量をW、アボガドロ定数を6.03×1023 mol -1とすると、検量線DNAのコピー数C(copies/μl)は、下式で表すことができる。
C=A×50÷W×6.03×1014
尚、大腸菌における増幅産物の分子量は178352g/molである。
<Bifidobacterium属菌数測定用検量線DNAの調製>
Bifidobacterium属測定用の検量線DNAは、Bifidobacterium adolescentis菌体より抽出したDNAを用いて調製した。菌体からのDNAの抽出は、先に述べた方法と同様、ISOPLANT(ニッポンジーン社製)を用いた。抽出したDNAをテンプレートとして用い、配列番号20および21のプライマー(非特許文献7参照)を用いてPCR反応を行った。PCRの反応は、FINNZYMES社製DyNAmo HS SYBER Green qPCR kitを用いた。PCR反応液の組成は、菌体から抽出したDNA希釈液1μl、5μMに調製したプライマーをそれぞれ1μl、超純水7μl、キットに付属のPCR反応バッファー10μlを加え、20μlとした。PCR反応条件は、DNA Engine Opticon で95℃、15分を1サイクル、94℃で15秒、50℃で15秒、72℃で60秒、75℃で蛍光測定を30サイクル、72℃で7分を1サイクル行い、終了後は4℃で維持した。
得られた増幅産物は1%アガロースゲルを用いて電気泳動に供し、SYBER GREEN Iで染色後、増幅産物のバンドを確認した。このバンドをカッターナイフで切り出し、Montage DNA Gel Extraction Kit(Millipore社製)を用いてPCR増幅産物DNAを精製した。精製したDNAは、260nmの吸光度を測定し、次式によって増幅産物DNA1μlあたりのコピー数を算出した。260nmの吸光度をA、増幅産物の塩基数をW、アボガドロ定数を6.0×1023 mol -1とすると、検量線DNAのコピー数C(copies/μl)は、下式で表すことができる。
C=A×50÷W×6.03×1014
尚、Bifidobacterium adolescentisにおける増幅産物の分子量は340792g/molである。
<定量PCRによる総菌数におけるBifidobacterium属の占有率の測定>
定量PCRは、MJ Research社製のDNA Engine Opticonと、本装置に最適化されたFINNZYMES社製DyNAmo HS SYBER Green qPCR kitを使用した。PCR産物の定量、解析はMJ Research社製Opticon Monitorを用いた。
総菌数の測定には配列番号5および8のプライマーを用い、Bifidobacterium属の測定には配列番号20および21のプライマーを用いた。PCR反応液の組成は、糞便から抽出したDNA溶液1μl、5μMに調製したプライマーをそれぞれ1μl、超純水7μl、キットに付属のPCR反応バッファー10μlを加え、20μlとした。PCR反応条件は、総菌数の測定においては、95℃、15分を1サイクル、94℃で15秒、60℃で15秒、72℃で30秒、75℃で蛍光測定を30サイクル、50℃〜95℃で1℃刻みに蛍光測定を1サイクル行った。Bifidobacterium属の測定においては、95℃、15分を1サイクル、94℃で15秒、50℃で15秒、72℃で60秒、75℃で蛍光測定を30サイクル、50℃〜95℃で1℃刻みに蛍光測定を1サイクル行った。
尚、配列番号5および8のプライマーを用いた時の増幅領域を領域A、配列番号20および21のプライマーを用いたときの増幅領域を領域Bとする。それぞれのPCR反応において、先に作成した検量線用DNAのコピー数とCt値から検量線を作成し、糞便から抽出したDNA1μlあたりに含まれる、領域AおよびBのコピー数を算出した。総菌数におけるBifidobacterium属の占有率は、次式によって表すことができる。
Bifidobacterium属の占有率=領域Bのコピー数/領域Aのコピー数×100(%)
上式によって算出した被検者3名の糞便中細菌におけるBifidobacterium属の占有率は以下のようになった。
(結果)
被検者1 4%
被検者2 6%
被検者3 12%
尚、本方法による解析に要した時間は、約4時間であった。この時間は、従来公知の方法より短い。
<比較例1>
培養法を用いて、健常成人における腸内細菌叢における、総菌数に対するBifidobacterium属の占有率を解析した。
<非選択培地による総菌数の測定>
全ての細菌を培養しうる培地は未だ存在しないが、糞便中の優勢菌群の菌数測定によく用いられるM10培地を使用した。糞便の希釈には光岡の希釈液を用いた。糞便の希釈、培地への塗沫、37℃での培養はすべて嫌気グローブボックス(フォーマ社製)内で行った。測定に用いた献体は、実施例1でDNAを抽出した同じ被検者の、同じ検体を用いた。本方法による、各被検者の糞便1gあたりの菌数(CFU)は以下のようになった。
(測定結果)
被検者1 1.92×1012
被検者2 8.26×1011
被検者3 5.56×1012
<選択培地によるBifidobacterium属の測定>
Bifidobacterium属細菌の培養は、BS寒天培地(日水製薬社製)を用いた。総菌数と同様、糞便の希釈には光岡の希釈液を用いた。糞便の希釈、培地への塗沫、37℃での培養はすべて嫌気グローブボックス(フォーマ社製)内で行った。測定に用いた献体は、実施例1でDNAを抽出した同じ被検者の、同じ検体を用いた。本方法による、各被検者の糞便1gあたりの菌数(CFU)は以下のようになった。
(測定結果)
被検者1 1.52×1011
被検者2 1.18×1011
被検者3 7.76×1011
以上の結果より、培養法によって算出した被検者3名の糞便中細菌におけるBifidobacterium属の占有率は以下のようになった。
(測定結果)
被検者1 7.9%
被検者2 14.2%
被検者3 12%
尚、本方法による解析に要した時間は、3日間であった。
以上の結果より、実施例1の方法による分析は、比較例1の方法と比較して短時間で行うことができた。また、実施例1によるBifidobacterium属の占有率は比較例1と比較して低くなる傾向が見られた。これは、実施例1の方法において、比較例1では検出し得ない細菌を検出しているため、総菌数としての分母が大きくなっていると考えられ、より正確な腸内細菌叢の解析を行うことが可能である。
本発明により、定量PCR法を利用する試料中の細菌叢の総菌数を、細菌種や細菌属の菌数と同様に、簡便に測定することが可能になるため、細菌叢の解析のために産業上有用である。例えば、土壌の栄養改善、腸内細菌と疾患との関係、発酵食品の乳酸菌の割合などの調査に使用可能である。
配列番号1: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号2: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号3: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号4: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号5: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号6: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号7: 細菌16SrRNA由来の共通配列
配列番号8: プライマー
配列番号9: プライマー
配列番号10: プライマー
配列番号11: プライマー
配列番号12: プライマー
配列番号13: プライマー
配列番号14: プライマー
配列番号15: プライマー
配列番号16: プライマー
配列番号17: プライマー
配列番号18: プライマー
配列番号19: プライマー

Claims (17)

  1. 試料から抽出した細菌のDNA又はその一部を、配列番号1〜7に示される塩基配列の10塩基以上の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを用いて増幅する工程、増幅したDNA断片を定量する工程、および定量結果に基づいて細菌叢を分析する工程を含むことを特徴とする細菌叢の解析方法。
  2. 試料中の細菌叢における総菌数を決定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 総菌数が、増幅産物DNAを精製し、所定濃度の精製DNAについて260nmの吸光度を測定し、所定量の増幅産物DNAあたりのコピー数を決定することを含む手段によって決定されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 試料中の個々の属もしくは種の細菌の占有率を決定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  5. 占有率が、試料中の特定の属もしくは種の細菌に特異的な16SrRNA配列由来のPCRプライマーを用いて得られた所定量の増幅産物DNAあたりのコピー数を決定し、試料中の全細菌の増幅産物DNAあたりのコピー数に対する該特定の属の細菌のコピー数のパーセンテージを算出することを含む手段によって決定されることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. PCRプライマーが、配列番号8〜19に示される塩基配列又はその相補的配列からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. PCRプライマーが、配列番号8と11、配列番号9と11、配列番号10と13、配列番号12と15、配列番号14と17、配列番号16と18、及び配列番号16と19からなる群から選択される配列の組み合わせであることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. リアルタイムPCRによってPCR産物を定量することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 試料が、食品、生体試料、環境試料、及び工業プロセスからの試料を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 試料が、活性汚泥、土壌、河川水、海水、温泉水、飲料水、加工食品、発酵槽培養物、並びに、ヒトを含む哺乳類や他の真核生物の組織、細胞または体液からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 配列番号1〜7に示される塩基配列の10塩基以上の配列又はそれらの相補的配列を含むPCRプライマーの少なくとも1つを含むことを特徴とする、細菌叢を解析するためのキット。
  12. 前記プライマーを用いるリアルタイムPCRによってPCR産物を定量し、細菌叢を解析するためのものであることを特徴とする、請求項11に記載のキット。
  13. 試料中の細菌叢における総菌数を決定する、及び/又は試料中の個々の属もしくは種の細菌の占有率を決定するためのものであることを特徴とする、請求項11又は12記載のキット。
  14. PCRプライマーが、配列番号8〜19に示される塩基配列又はその相補的配列からなることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項記載のキット。
  15. PCRプライマーが、配列番号8と11、配列番号9と11、配列番号10と13、配列番号12と15、配列番号14と17、配列番号16と18、及び配列番号16と19からなる群から選択される配列の組み合わせであることを特徴とする、請求項14記載のキット。
  16. PCR反応を行うための試薬をさらに含むことを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項記載のキット。
  17. 試料からDNAを調製または抽出するための試薬をさらに含むことを特徴とする、請求項11〜16のいずれか1項記載のキット。
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