JP2007068210A - 送受信装置、送信方法及びセルサーチ方法 - Google Patents

送受信装置、送信方法及びセルサーチ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DPCHからの干渉がなく、チャネル推定精度を向上する。
【解決手段】送信信号系列を周波数方向の複数のサブキャリアに拡散して送信する送信方法であり、送信信号系列を構成する共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列を、それぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散するステップ、該拡散信号を基地局識別用のスクランブルコードでマスキングするステップ、マスキングされた送信信号系列を送信するステップを有している。
【選択図】図10

Description

本発明は送受信装置、送信方法及びセルサーチ方法に係わり、特に、共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列をそれぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散して多重し、該多重信号を基地局のスクランブルコードでマスキングし、該マスキングされた信号を送受信する送受信装置及びその送信方法並びにセルサーチ方法に関する。
次世代の移動通信方式として、マルチキャリア変調方式が注目されている。マルチキャリア変調方式を用いることにより、広帯域の高速データ伝送を実現することができるだけでなく、各サブキャリアを狭帯域にすることにより、周波数選択性フェージングの影響を低減することができる。また、直交周波数分割多重OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いることにより、周波数利用効率を高めることができるだけでなく、OFDMシンボル毎にガードインターバルを設けることにより、符号間干渉の影響をなくすことができる。
また、近年ではマルチキャリアCDMA方式(MC-CDMA)の研究が盛んに行われており、次世代の広帯域移動通信方式への適用が検討されている。MC-CDMAでは、送信データのシリアルパラレル変換および周波数領域の直交コード拡散を行うことにより、複数のサブキャリアに分割して送信する。
さらに,OFDMとCDMAを組み合わせた,直交周波数・符号分割多元接続(OFDM/CDMA)方式の検討も行われている。これは,MC-CDMAによりサブキャリアに分割された信号をIFFT処理を施して直交周波数多重することにより周波数利用効率を高めた方式である。
・マルチキャリアCDMA方式の原理
マルチキャリアCDMA方式の原理は、図22に示すように、周期Tsの1シンボルの送信データDよりN個のコピーデータを作成し、チャネライゼーションコードである拡散コード(直交コード)を構成する各コードC1〜CNを個別に前記各コピーデータに乗算器11〜1Nで乗算し、各乗算結果D・C1〜D・CNを図23(a)に示す周波数f1〜fNのN個のサブキャリアでマルチキャリア伝送する。以上は1シンボルの送信データをマルチキャリア伝送する場合であるが、実際には後述するように、送信データをMシンボルの並列データに変換し、M個の各シンボルに図22に示す処理を施し、M×N個の全乗算結果を周波数f1〜fNMのM×N個のサブキャリアを用いてマルチキャリア伝送する。サブキャリアの総数MNは、(拡散率N)×(パラレル系列数M)である。又、図23(b)に示す周波数配置のサブキャリアを用いることにより直交周波数・符号分割多元接続方式(OFDM/CDMA)が実現できる。
・MC-CDMAの送信側(基地局)の構成
図24はMC-CDMAの送信側(基地局)の構成図である。第1ユーザ(第1チャネル)用のデータ変調部10は、第1ユーザの送信データを変調し,同相成分と直交成分よりなる複素べースバンド信号(シンボル)に変換する。ユーザデータは図25に示すように1レーム当たり32×Mシンボルを有している。シリアルパラレル変換部11は入力データを図25に示すようにMシンボルの並列データに変換し、分岐部12はM個の各シンボルをそれぞれN分岐して第1の拡散部13に入力する。第1の拡散部13はM個の乗算部141〜14Mを備えており、各乗算部131〜13Mはそれぞれ第1ユーザの直交コードC1,C2,..CNを個別に分岐シンボルに乗算して出力する。直交コードはユーザ及びパイロット毎に異なるウォルシュコードである。この結果、N×M個のサブキャリアf1〜fMNでマルチキャリア伝送するためのサブキャリア信号S1〜SMNが第1拡散部13よりコード多重部14に入力する。すなわち、第1拡散部13は第1ユーザの直交コードC1,C2,...CNを各パラレル系列毎のシンボルに乗算することにより周波数方向に拡散してコード多重部14に入力する。尚、MN個のサブキャリア信号S1〜SMNはOFDMシンボルを構成する。
コード多重部14には、同様に作成された第2〜第nユーザに応じたサブキャリア信号S1〜SMN、パイロットに応じたサブキャリア信号P1〜PMNが入力する。基地局より送信する信号のフレーム構成は図26に示すようになっているから、サブキャリア毎に第1〜第nユーザのサブキャリア信号及びパイロットのサブキャリア信号を加算して出力する。すなわち、フレームコード多重部14はサブキャリア毎に加算部AD1〜ADMNを備え、第jサブキャリアに応じた加算部ADjは、図27に示すように第1〜第nユーザの第jサブキャリア信号Sj及びパイロットの第jサブキャリア信号Pjを加算して出力する。
なお、図26のフレーム構成図において、周波数方向(横方向)にMN個のサブキャリアf1〜fMNが配列され、コード方向(縦方向)に第1〜第nユーザ(個別チャネルDPCH)とパイロット(共通パイロットチャネルCPICH)のウォルシュコードが配列され、時間方向(奥行き方向)に1〜Ns (例えば32)のOFDMシンボル時刻が配列され、更に、同期チャネル(SCH:Synchronization channel)のデータが離散的な複数(NSCH個)のサブキャリアに多重されている。
第2の拡散部15の乗算部MP1〜MPMNは、コード多重部14から入力する各サブキャリアに応じたコード多重信号S′1〜S′MNにセル識別用スクランブルコードCSSC (Cell specific scrambling code)G1〜GMNを乗算して出力する。同期チャネル(SCH:Synchronization channel)データ多重部16は、同期チャネルデータD1〜DNSCHを離散的な複数(NSCH個)のサブキャリアに多重してIFFT 17に入力する。図28はSCHデータ発生部の構成図である。SCHデータパターン発生器1はシンボル周期でSCHデータパターンを順次発生し、乗算部2はSCHデータパターンに共通スクランブルコードを乗算し、分岐部3は1つの入力シンボルを分岐してNSCH個のSCHデータD1〜DSCHをSCHデータ多重部16に入力する。
IFFT (Inverse Fast Fourier Transform)部17は、並列入力するサブキャリア信号にIFFT(逆フーリエ変換)処理を施して時間軸上のOFDM信号(実数部信号、虚数部信号)に変換する。ガードインターバル挿入部18は、OFDM信号にガードインターバルを挿入し、直交変調部19はガードインターバルが挿入されたOFDM信号に直交変調を施し、無線送信部20は無線周波数にアップコンバージョンすると共に高周波増幅してアンテナより送信する。
図29はガードインターバル挿入説明図である。ガードインターバル挿入とは、M×N個のサブキャリアサンプル(=1有効OFDMシンボル)に応じたIFFT出力信号を1単位とするとき、その先頭部に末尾部分をコピーすることである。ガードインターバルGIを挿入することによりマルチパスによる符号間干渉の影響を無くすことが可能になる。
・MC-CDMAの受信側の構成
図30はMC-CDMAの移動局の受信側構成図である。無線受信部21は受信したマルチキャリア信号に周波数変換処理を施し、直交復調部22は受信信号に直交復調処理を施す。タイミング同期・ガードインターバル除去部23は、受信信号のタイミング同期を取った後、該受信信号よりガードインターバルGIを除去してFFT (Fast Fourier Transform)部24に入力する。FFT部24はFFTウインドウタイミングでFFT演算処理を行って時間領域の信号をN×M個のサブキャリア信号(サブキャリアサンプル)SP1〜SPMNに変換し、チャネル推定部25aは各サブキャリアに多重されているパイロットを用いてサブキャリア毎にチャネル推定を行い、チャネル補償部25bはサブキャリア毎のチャネル推定値CC1〜CCMNをFFT出力に乗算してフェージングの補償を行う。
チャネル推定部25aはFFT部24から出力するパイロットシンボルのサブキャリア成分にセル識別用スクランブルコードCSSCを乗算し、サブキャリア毎に乗算結果を加算してその平均値により各サブキャリアのチャネル推定値CC1〜CCMNを演算する。すなわち、チャネル推定部25aは、パイロット信号を用いて各サブキャリアのフェージングによる位相の影響exp(jφ)を推定し、チャネル補償部25bは送信シンボルのサブキャリア信号成分にexp(−jφ)を乗算してフェージングを補償する。
第1の逆拡散部26はフェージング補償されたM×N個の各サブキャリア信号成分にセル識別用スクランブルコードG1〜GMNを乗算して出力する。すなわち、フェージング補償された信号はセル識別用スクランブルコードにより逆拡散され、これによりコード多重された信号の中から移動局が所属する基地局が送信する信号が抽出される。第2の逆拡散部27はM個の乗算部271〜27Mを備えており、乗算部271はユーザ(移動局)に割り当てられた直交コード(ウォルシュコード)
1,C2,...CNを個別にN個のサブキャリア信号に乗算して出力し、他の乗算部272〜27Mも同様の演算処理を行う。この結果、移動局が所属する基地局から送信された信号はユーザに割り当てられた拡散コードにより逆拡散され、この逆拡散によりコード多重された信号の中からユーザ宛の信号が抽出される。合成部281〜28Mはそれぞれ乗算部271〜27Mから出力するN個の乗算結果を加算してM個のシンボルよりなる並列データを作成し、パラレルシリアル変換部29は該並列データを直列データに変換し、データ復調部30は送信データを復調する。
・セル識別用スクランブルコードの配列
図31(a)はセル識別用スクランブルコードG1〜GMN(MN=512)の配列説明図であり、1OFDMシンボル毎にサブキャリア方向に8コードづつずらしている。コードをずらす理由は以下の通りである。コードをずらさないと、2つの局のセル識別用スクランブルコードCSSCの第mサブキャリアのコードが同じになると、2つのセルの第mサブキャリアのチャネル推定値を区別できなくなり、一方のチャネル推定値を他方のチャネル推定値と誤認するためである。このため、図31(a)に示すように1
OFDMシンボル毎にサブキャリア方向にセル識別用スクランブルコードをずらしているのである。
・セルサーチとAFCの必要性
以上のように、OFDM-CDMA方式ではスクランブルコードを用いてセルを分離することができるため、全セルで同一周波数を使用し、周波数利用効率を向上させることができる。しかし、受信時にセル(基地局)のスクランブルコードCSSCを識別しなければならない(セルサーチ)。
一般に、各基地局でのユーザ数は異なるため、各基地局での送信電力は異なる。セルサーチは基地局と移動局間の電波の減衰量(パスロス)が最も小さくなる、言い換えると、1ユーザあたりの受信電力が最も大きくなる基地局を検出する技術であるが、各基地局での送信電力が異なるため、単に各基地局からの総受信電力を検出しても受信電力が最大となる基地局がパスロス最小の基地局とは限らない。そのため移動局においてパスロスが最小の基地局を検出するのに効果的なフレーム構成とその基地局を検出するセルサーチ方式が必要となる。
また、OFDM方式あるいはOFDM-CDMA方式において、送信信号を複数のサブキャリアに分割して送信する。複数のサブキャリアに分割することより各サブキャリア信号のシンボル長を長くすることができるため、遅延波の影響を受けにくくすることができる。しかし、シンボル長が長くなるとキャリア周波数オフセットが存在する場合にはその影響をより受けやすくなるという欠点があり、AFC技術あるいはキャリア周波数オフセット補償技術またはその両方が必要となる。
加えて、移動局から信号を送信する場合にはその送信信号のキャリア周波数には高い精度が求められる。通常、この送信キャリア周波数は移動局での受信時のAFCによって制御された電圧制御発振器(Voltage-controlled oscillator: VCO)から分周して作られるため受信時のAFCには高い精度が必要となる。
・従来のAFC技術
OFDM方式を採用した通信において、受信側(移動局)の基準クロック信号の周波数は送信側(基地局)の基準クロック信号の周波数と一致していなければならない。しかし、両者間には周波数偏差Δfが存在するのが普通である。この周波数偏差Δfは隣接キャリアに対して干渉となり、直交性を損なう要因になる。このため、受信装置の電源投入後、直ちにAFC制御を行って周波数偏差(周波数オフセット)を小さくして干渉を抑圧する必要がある。
図32は局部発振器の発振周波数を送信側の周波数と一致させるAFC(Automatic Frequency Control)部を備えた従来の受信装置の要部構成図である。無線受信部21の高周波増幅器は受信した無線信号を増幅し、周波数変換/直交復調部22は局部発振器31から入力するクロック信号を用いて受信信号に周波数変換処理及び直交復調処理を施す。AD変換器32は直交復調信号(I,Q複素信号)をAD変換し、OFDMシンボル取り出し部(タイミング同期/ガードインターバル除去部)23はガードインターバルGIを除去した1OFDMシンボルを取り出し、FFT部24に入力する。FFT部24はFFTウインドウタイミングでFFT演算処理を行って時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。AFC部33はAD変換器から入力する複素信号である受信データを用いて周波数偏差Δfに応じた位相誤差Δθを検出し、該位相誤差Δθに応じたAFC制御信号を局部発振器31に入力して発振周波数を送信側の発振周波数に一致させるように制御する。すなわち、AFC部33はOFDMシンボルに付加されたガードインターバルにおける時間プロファイルとガードインターバルにコピーされたOFDMシンボル部分の時間プロファイルとの相関値を演算し、該相関値(複素数)の位相を送信装置及び受信装置間の周波数偏差Δfとして求め、該位相に基づいて発振周波数を制御して送信側の発振周波数に一致させる。
図33はAFC部33の構成図、図34はAFC部の動作説明図である。
ガードインターバルGIは、図34(a)に示すようにサンプル数Nc個のOFDM有効シンボルの先頭部にサンプル数NG個の末尾部分をコピーして作成しているから、1OFDM有効シンボル前(Ncサンプル前)の受信信号と現受信信号との相関を演算することにより図34(b)に示すようにガードインターバルGI部分で相関値が最大となる。この最大相関値は周波数偏差に依存した位相を有する値となるから、該最大相関値を検出することにより位相すなわち周波数偏差を検出することができる。
図33において、遅延器33aは、受信信号を1 OFDM有効シンボル(サンプル数Nc=512)分遅延し、乗算部33bは1 OFDM有効シンボル前の受信信号P2の複素共役P2 *と現受信信号P1とを乗算し、乗算結果を出力する。シフトレジスタ33cはガードインターバルのNGサンプル(=100サンプル) 分の長さを有し、最新のNG(=100)個の乗算結果を記憶し、加算部33dはNG個の乗算結果を加算してNGサンプル幅の相関値を出力する。相関値記憶部33eは加算器33dから出力する1サンプルづつずれた(NG+Nc個)(=612個)の相関値を記憶し、加算器33fはS/N比を向上するためにフレーム内の32シンボル及び複数フレームにわたって相関値を積算し、相関値記憶部33eに記憶する。
ガードインターバル期間において1 OFDM有効シンボル前の受信信号と現受信信号は理想的には同じであるから、シフトレジスタ33cに記憶されるガードインターバル期間の乗算結果の数が多くなるに従って図34(b)に示すように相関値が漸増し、ガードインターバル期間におけるNG個の全ての乗算結果がシフトレジスタ33cに記憶されたとき相関値は最大となり、以後、シフトレジスタに33cに記憶されるガードインターバル期間の乗算結果の数が減少してゆき相関値は漸減する。
又、周波数オフセットΔf=0のとき雑音が無いとすると、図35(a)に示すようにP1とP2は同じベクトルになり、乗算部33bの出力P1・P2 *の嘘部は0となる。しかし、周波数偏差Δf=aのとき雑音が無いとすると、図35(b)に示すようにP1とP2は同じベクトルとならずP1とP2間に周波数偏差Δfに応じた位相回転θが発生する。この結果、乗算部33bの出力P1・P2 *はΔf=0の場合に比べてθ回転し、P1・P2 *の嘘部は0でない値をもつ。
以上より、加算器33dから出力する相関値はガードインターバル期間におけるNG個の全ての乗算結果がシフトレジスタ33cに記憶されたとき最大となり、その最大値は周波数オフセットΔfに応じた位相差θを有する複素数となる。
ピーク検出部33gは相関値記憶部33eに記憶されている(NG+Nc)個の相関値のうち、相関電力最大のピーク相関値Cmaxを検出し、位相検出部33hは該相関値(複素数)の実数部Re[Cmax]と虚数部Im[Cmax]とを用いて次式
θ=tan-1{Im[Cmax]/Re[Cmax]} (1)
により位相θを算出する。この位相θは周波数偏差Δfによって生じるものであるから該位相θに基づいて局部発振器31(図32)の制御信号を帰還する。なお、可変ダンピング係数α(0<α<1)を位相θに乗算器33iで乗算することにより瞬時応答に追従しないように制御し、また、積分部33jで積分、平滑化して局部発振器31に帰還し、該局部発振器33から出力するクロック信号の周波数を制御する。この方式の特徴としてはFFT前にキャリア周波数同期を行うことができることである。
ところで、パイロットの多重方式には、図26で説明した符号多重符号化方式の他に送信データの中にパイロットを時分割多重する時分割多重方式がある。この時分割多重方式を採用する場合には、FFT後の受信パイロット信号の位相回転量からキャリア周波数誤差を検出して局部発振器の発振周波数を制御するようにAFC制御することができる。図36は時分割多重方式のフレーム構成図であり、1フレームの送信データの前方にパイロットPが時間多重されている。尚、パイロットPはフレーム内で分散することもできる。1フレーム当たりパイロットがたとえば4×Mシンボル、送信データが28×Mシンボルであるとすると、シリアルパラレル変換部12(図24)は並列データとして最初の4回までパイロットのMシンボルを出力し、以後、並列データとして28回送信データのMシンボルを出力する。この結果、1フレーム期間においてパイロットを全てのサブキャリアに時間多重して4回伝送でき、受信側で該パイロットを用いてはAFC制御やサブキャリア毎のチャネル推定/チャネル補償が可能となる。
図37は時分割多重方式におけるAFC制御の構成例を示しており、すべてのサブキャリアに渡って同一シンボルの2つのパイロット信号を挿入しておくものである。受信側では、FFT演算部24におけるFFT演算後、サブキャリア毎に、2つのパイロット信号のうち一方と他方の複素共役を、乗算する。すなわち、サブキャリア毎に、遅延部DLYは最初のパイロット信号を1OFDMシンボル分遅延し、CNJは該遅延されたパイロット信号の複素共役を演算し、乗算部MPLは連続するパイロット信号のうち第1パイロット信号の複素共役と第2パイロット信号とを乗算して出力する。第1、第2のパイロット信号間に周波数偏差Δfに応じた位相差θが存在すると、図35(b)で説明したのと同じ理由で乗算結果に虚数部が含まれ、該乗算結果はΔf=0の場合に比べてθ回転する。それぞれのサブキャリアでのパイロットシンボルが異なっていても各サブキャリアで同一シンボルを送信しているため演算結果は理想的には同じ信号となる。このため、平均値演算部MENは全サブキャリアの乗算結果の実数部、虚数部毎の平均値を演算し、位相検出部PDTは実数部Re[Cmax]と虚数部Im[Cmax]とを用いて (1)式により位相θを算出する。この位相θは周波数偏差Δfによって生じるものであるから該位相θに基づいて局部発振器31(図32)の発振周波数を制御する。
・従来のセルサーチ技術
図26に示すフレーム構成に対するセルサーチは、図38に示すように3段階の手順からなり、第1段階でFFTウィンドウタイミングを検出し(ステップS1)、第2段階でSCHフレームタイミングを検出し(ステップS2)、そして第3段階でCSSC(セル識別用スクランブルコード)を同定する(ステップS3)。
第1段階では、図33のAFC部と同様の構成でガードインターバル相関(図39参照)を演算して設定値TH1以上の相関のピーク値を2つ検出し、それぞれをFFTウィンドウタイミング候補1,2とする。
第2段階ではFFTウィンドウタイミングの各候補に対して、SCHを利用して32通りのフレーム位相から最適なフレームタイミングを検出する。具体的には、第1段階で検出した2個の各FFTウインドウタイミング候補に対し、以下の処理を行う。すなわち、まず、FFTウインドウタイミング候補の1番目のタイミングで、受信波に対しFFTを行い、FFT後の信号をメモリに蓄積する。図40のSCHフレームフォーマットで示すように、SCHデータは離散的な複数個のサブキャリアにおいて、ユーザデータやパイロットデータに多重されている。従って、FFT後、各SCHが割り当てられているサブキャリアに関して、前記メモリに蓄積されているFFT後の信号と既知のSCH信号系列の位相を順次シフトさせた系列の信号との時間相関を1フレーム分(=32 OFDMシンボル)計算する。そして、8個のサブキャリアでの相関値の平均値を電力平均により求め、必要に応じて複数フレーム分の平均電力を演算する。相関値の計算は、既知のSCH信号系列の位相を0,1,2,…,31OFDMシンボルずらしたパターンそれぞれに関して行い、32個の位相のフレームタイミング候補に対する相関電力値をメモリに蓄積する。しかる後、32個の位相の相関電力値の中で最も大きいフレームタイミングを選び、1つのFFTウインドウタイミング候補に対するフレームタイミング候補とする。上記を各FFTウインドウタイミング候補に対して同様のフレームタイミング候補の決定処理を行う。
第3段階では、第2段階までに検出された候補に対して、CSSC番号の検出とFFTウインドウタイミング、フレームタイミングの決定を行う。すなわち、既知である多数のCSSC候補とCPICHの各複素共役を各受信サブキャリアに乗積して時間方向に積分することによりサブキャリア毎に相関値を求め、数サブキャリアからなるサブキャリアブロックで相関値を平均し、更に全サブキャリアに渡って相関平均値を電力加算することによりCSSC候補に対するメトリックを求め、メトリックが最大となるCSSC候補を接続すべき基地局のCSSCとする。
図32〜図35において説明したガードインターバル相関によりキャリア周波数オフセットに起因する位相誤差を抽出するAFC制御では、Ncサンプル長(1 OFDシンボル)だけ離れている信号に対して相関をとるためキャリア周波数オフセットが小さくなってくると位相誤差が雑音に埋もれてしまい位相誤差を精度よく検出することができなくなってくる。特に、AFC制御では安定動作のため時定数が長く設定されており、このため残留キャリア周波数オフセットがあると、1OFDMシンボル区間においてキャリア位相回転が小さくても、数十OFDMシンボルからなる1フレームの最初のシンボルと最後のシンボルではキャリア位相が大きく回転しているという問題がある。
また、ガードインターバル相関とAFC制御で得られるキャリア周波数の精度以上の精度が、移動局側における送信信号のキャリア周波数に要求される場合、キャリア周波数同期が不十分であるといった問題が生じる。
また、図37に示したような、予め既知信号を送信信号の中に挿入し、FFT後の受信既知信号の位相回転量からキャリア周波数誤差を検出するAFC方式は、チャネルモデルがマルチパスフェージングと雑音に限定されている。このため、OFDM-CDMA方式のように他セルから同一チャネル干渉も受ける環境では、既知信号も同一チャネル干渉の影響を受けるのでキャリア周波数オフセットによる位相誤差の検出精度が劣化するという問題がある。また、図37に示した方法では、1OFDMシンボル間の位相誤差を推定しているため、より精度の高い位相誤差推定が困難であり、また、パイロットシンボル間の間隔を広げたとしても位相誤差検出精度がそのパイロットシンボル間隔で固定されてしまい柔軟性に乏しいといった欠点を有している。
又、従来のセルサーチにおいて、通常、まずAFCにより局部発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)をキャリア周波数に引き込ませたのちセルサーチのアルゴリズムを起動するが、セルサーチにおいては種々のタイミング検出を行うために電圧加算の演算が用いられる。特に、従来のセルサーチでは、既知のSCH信号系列の位相を順次シフトさせた系列の信号と受信SCH信号との相関演算を1フレーム長に渡って行う。このため、AFCによるキャリア周波数同期が不十分であると残留周波数誤差により受信信号が回転してしまい、前記相関演算における電圧加算の効果が減少して十分なフレームタイミング検出特性が得られないと予想される。
また、図26の符号多重のフレーム構成では、DPCH(Dedicated Physical Channel)とCPICH(Common Pilot Channel)が多重された信号に更にSCH(Synchronous
Channel)を多重している。しかし、SCHは、DPCHとCPICHに直交していないため、SCHフレームタイミングを相関演算により検出する際、DPCHとCPICHからの干渉を受ける。この影響を軽減するために、相間値を更に数フレームに渡って電力加算する必要がありSCHフレームタイミング検出に時間がかかる。また、複数のサブキャリアに多重されているSCHを合成する際に各SCHでのチャネル応答の位相が異なるため電圧加算をすることができず電力加算により合成する必要があり合成効果が電圧加算ほど十分に得られないという問題がある。図41はSCHフレームタイミング検出処理における、電圧加算領域と電力加算領域の説明図である。相関値の位相差が小さい領域、すなわち、時間軸方向にn OFDMシンボル区間(例えばn=4)及びサブキャリア方向にmサブキャリア区間(例えばm=8)により特定されるm×n個の領域における相関値は電圧加算して平均値を求めることができる電圧加算領域である。しかし、電圧加算領域内の相関値と電圧加算領域外の相関値は位相差が大きくなるため電圧加算して平均化できず電力加算して平均値を求める。すなわち、電圧加算領域外の領域は電力加算領域となる。
更に、従来例ではCSSCの同定処理と並行して、CSSC候補の複素共役とCPICHとを各受信サブキャリア信号に乗積して時間方向に積分する。そして、CSSCが正しい場合には、得られた積分値を各サブキャリアでのチャネル推定値としている。しかし、ユーザ数が多いとDPCHからの干渉が多くなりチャネル推定値の誤差が大きくなるという問題がある。又、チャネル推定の精度を上げるには、時間方向の積分シンボル数を多くする必要があるという問題がある。これは、図41に示すように拡散領域SPAとチャネル応答推定領域CEAが一致していないために起こるものである。また、残留周波数オフセットにより受信サブキャリア信号が回転している場合にはチャネル推定精度が劣化するのでCSSC同定確率が劣化することが予想される。
以上より、本発明の目的は、DPCHからの干渉を受けずにチャネル推定及びCSSC同定を正確に行うことが出来るようにすることである。
本発明は、送信信号系列を周波数方向の複数のサブキャリアに拡散して送信する送信方法であり、前記送信信号系列を構成する共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列を、それぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散するステップ、該拡散信号を基地局識別用のスクランブルコードでマスキングするステップ、マスキングされた送信信号系列を送信するステップを有している。
本発明は、送信側で共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列をそれぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散して多重し、該多重信号を基地局のスクランブルコードでマスキングし、該マスキングされた信号を受信する受信装置のセルサーチ方法であり、受信信号より抽出された各サブキャリア信号に対して、共通パイロットとスクランブルコード候補のそれぞれの複素共役を乗算するステップ、前記二次元拡散領域における乗算結果を加算してチャネル応答を求めるステップ、拡大した二次元領域に属する複数の前記二次元拡散領域のチャネル応答を電圧加算して平均化し、該平均化したチャネル応答の電力を計算するステップ、各拡大二次元領域のチャネル応答を電力加算するステップ、電力加算値が最大となるスクランブルコード候補を基地局のスクランブルコードであると判定するステップを有している。
本発明は送信信号系列を周波数方向の複数のサブキャリアに拡散して送信する送信装置であり、前記送信信号系列を構成する共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列を、それぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散する拡散部、拡散信号を基地局毎のスクランブルコードでマスキングするマスキング部、該マスキングされた送信信号系列を送信する送信部を備えている。
本発明は送信側で共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列をそれぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散して多重し、該多重信号を基地局のスクランブルコードでマスキングし、該マスキングされた信号を受信する受信装置であり、受信信号より抽出された各サブキャリア信号に共通パイロットとスクランブルコード候補のそれぞれの複素共役を乗算し、前記二次元拡散領域における乗算結果を加算してチャネル応答を算出するチャネル応答算出部、拡大した二次元領域に属する複数の前記二次元拡散領域のチャネル応答を電圧加算して平均化する二次元電圧加算部、前記二次元拡散領域の平均化したチャネル応答の電力を計算し、各拡大二次元領域のチャネル応答を電力加算する二次元電力加算部、電力加算値が最大となるスクランブルコード候補を基地局のスクランブルコードであると判定するセル判定部を備えている。
本発明によれば、DPCHとCPICHの信号系列を周波数と時間の二次元領域に拡散し、この二次元領域の拡散信号にパイロットとセル識別用スクランブルコードCSSCの各複素共役を乗算して加算することにより相関演算し、該相関値により該二次元領域のチャネル応答を推定するため、拡散領域とチャンネル推定領域を同じにできる。このため、DPCHからの干渉がなく、チャネル推定精度を向上でき、正確なチャネル補償が可能になる。
又、本発明によれば、複数の前記二次元領域の相関電圧を加算して平均化し、複数の平均相関電圧を電力加算することにより、接続すべきセルのCSSCに対する電力値と他のセルのCSSCに対する電力値との差を大きくでき、正確にCSSC同定を行うことが出来る。また、セル検出精度を改善することができるため、端末装置の性能向上に寄与することが大きい。また、本発明のキャリア周波数同期はセルサーチ終了後のデータ復調期間も引き続き動作を継続するため端末装置の性能向上に寄与するものである。
(A)本発明のフレーム構成
図1は本発明の基地局より送信する信号のフレーム構成説明図であり、周波数方向(横方向)にサブキャリアが配列され、コード方向(縦方向)に第1〜第n個別物理チャネル(Dedicated Physical Channel:DPCH)と共通パイロットチャネル(Common Pilot Channel:CPICH)のウォルシュコードが配列され、時間方向(奥行き方向)に1〜Ns(例えばNs=32)のOFDMシンボルが配列されている。また、同期チャネルSCHにはSCH専用の複数のサブキャリアF1〜FNSCHが割り当てられており、同期チャネルSCHの長さはフレーム長(=32 OFDMシンボ
ル)である。すなわち、サブキャリアF1〜FNSCHはSCH専用であり、DPCHやCPICHの拡散信号には他のサブキャリアが割り当てられる。
図2は同期チャネルSCHの専用サブキャリアF1〜FNSCHと、DPCHやCPICH用のサブキャリアとの関係説明図である。SCH信号系列発生器51は1フレームNsシンボルのSCH信号系列を発
生し、コピー部52は1シンボルのSCH信号よりNSCH個のコピーシンボルD1〜DNSCHを発生し
、各コピーシンボルD1〜DNSCHをサブキャリアF1〜FNSCHの信号としてIFFT部53に入力する。また、図示しない拡散部でチャネライゼーションコードで周波数方向に拡散され、しかる後、局識別用スクランブルコードでマスキングされた個別物理チャネルDPCHや共通パイロットチャネルCPICHの多重信号d1〜dMNは、上記の専用サブキャリアF1〜FNSCH以外
のサブキャリアf1〜fMNの信号としてIFFT部53に入力する。IFFT部53は、並列入力する
サブキャリア信号にIFFT(逆フーリエ変換)処理を施して時間軸上のOFDMシンボル信号に変換する。ガードインターバル挿入部54は、OFDMシンボル信号にガードインターバルを挿入し、図示しない送信部はガードインターバルが挿入されたOFDMシンボル信号に直交変調を施し、無線周波数にアップコンバージョンすると共に高周波増幅してアンテナより送信する。
以上のように、同期チャネルSCHを専用のサブキャリアに割り当てているため、SCHはDP
CHとCPICHからの干渉を受けない。このため後述するSCHフレームタイミング検出特性を向上することができる。又、従来例と同程度のSCHフレームタイミング検出特性を得る際に
は、少ないフレーム数で検出を行うことが出来、フレームタイミング検出時間を短縮できる。
(B)SCH信号系列の差動符号化およびフレームタイミング検出
SCH信号系列に差動符号化処理を施すことにより、ガードインターバル相関によるキャ
リア周波数同期が不十分で残留キャリア周波数誤差が無視できない場合においても、正確にSCHフレームタイミングを検出することができるようになる。
図3は本発明の差動符号化したSCH信号系列発生器の構成図である。SCH信号系列発生器51aは自己相関特性に優れた系列を発生し、遅延器51bは入力信号を1シンボル期間遅延し、乗算器51cは、SCH信号と1シンボル前の出力信号との乗算を行うことによりSCH信号系列に差動符号化を施す。
例えば、SCH信号系列がBPSK変調信号であるとし、その信号系列をb(k)∈{1,-1},k=1,2,...,Ns(NSはサブキャリア当たりのフレームシンボル数)とすると、差動符号化された信号系列は、
Figure 2007068210
で表される。キャリア周波数オフセットが存在する場合にはm番目のサブキャリア信号は

Figure 2007068210
となる。ここで、hmはm番目のサブキャリアにおけるチャネル応答、Δfcはキャリア周波
数オフセット、TSBはシンボルブロック時間である。この受信信号系列に対して差動復号
を行うと、
Figure 2007068210
となる。
受信信号系列の位相φが未知であるため、差動符号化前の信号系列b(k)の位相を順次シフトさせた系列b(k+Ψ)との相関演算を行うと相関器出力は、
Figure 2007068210
で表される。相関器で与えるb(k)の位相Ψが受信信号系列の位相φと一致していないとb(k+φ)・b(k+Ψ)は1あるいは−1となりNSシンボルに渡って加算してもNS 倍とはならない
。一方、b(k)の位相Ψが受信信号系列の位相と一致したときb(k+φ)・b(k+Ψ)は常に1と
なり、NS シンボルすべてに渡って加算されるため|Rm(Ψ)|2は最大となる。従って、Rm(Ψ)の電力が最大となる位相をフレームタイミングとして検出することができる。
また、キャリア周波数オフセットΔfcによりサブキャリア信号rm(k)は回転しているが差動復号を行うことにより差動復号毎に同じ位相シフト量に変換される。従って、相関器で加算しても電力の損失がないためフレームタイミングを正確に検出可能となる。
更に、2セル(2基地局)からの電波を強く受けている場合には、
Figure 2007068210
となり、同様に差動復号を行うと、
Figure 2007068210
となる。受信信号系列の位相φあるいは
Figure 2007068210
が未知であるため、差動符号化前の信号系列b(k)の位相を順次シフトさせた系列b(k+Ψ)
との相関演算を行うと相関器出力は、
Figure 2007068210
で表される。b(k)の位相Ψが受信信号系列の位相φと一致したとき
Figure 2007068210
となり、b(k)の位相Ψが受信信号系列の位相
Figure 2007068210
と一致したとき
Figure 2007068210
となる。ここで、ξ 1とξ2は相関で抑圧しきれない信号成分である。従って、相関器出
力の電力が最大となる位相をSCHフレームタイミングするとチャネル応答の大きい方、す
なわちパスロスが最小の基地局からの送信信号のフレームタイミングを検出することが可能となる。
更に複数のサブキャリアにSCHが割り当てられている場合には、差動復号器出力を合成
すると相関器出力は、
Figure 2007068210
となるため、短区間フェージングの影響でパスロスが最小でないセルからのフレームタイミングを検出してしまう確率を減少させることが可能となる。
図4は、本発明の受信装置におけるSCHの合成及びフレームタイミング検出構成図である。差動復号部721〜72NSCHは、FFT演算部71より出力する多数のサブキャリアのうちSCHが
割り当てられているサブキャリアF1〜FNSCHの信号を差動復号し、加算部73は各差動復号
信号を加算する。ついで、相関器74は、加算器73から出力するSCH合成信号系列と既知のSCH信号系列との相関演算を、後者の位相を位相シフト部75で順次シフトさせながら行い、最大値検出部76は相関器出力が最大となる位相を、フレームタイミングとして検出する。尚、相関演算部74は(8),(10)式の相関演算を行うもこである。又、各差動復号部721〜72NSCHは1シンボル遅延部SDL、複素共役発生部CNJ、乗算部MPLで構成されている。
(C)CMAによるフレームタイミングの検出
本発明ではSCHを複数の専用サブキャリアに割り当てており、また、SCHは全セル共通である。このため、基地局間でのタイミングが非同期であると、タイミングとチャネル応答が異なった複数のSCH信号が重畳して受信される。これは、1つの信号系列を送信して直
接波と遅延波が複数のアンテナで受信されるモデルと同じである。他のパスを抑圧しながら最大電力を持つパスを抽出するアルゴリズムとしてCMA(Constant Modulus Algorithm)
が知られている。そこで本発明では複数のSCH用サブキャリアでの受信信号に複素数の重
みづけを行って合成し、合成信号電力と希望電力の誤差が最小となるように重み係数を更新する。
図5は本発明におけるConstant Modulus Algorithm (CMA)によるSCH合成およびフレー
ムタイミングの検出構成図である。CMAアルゴリズムでは、最も信号電力が大きいものを選ぶアダプティブアレイのアルゴリズムであり、図5では複数の基地局から送られてく
るSCHのうち最も信号電力が大きいSCHを受信し、他のSCH信号を打ち消すように重み付け
を適応制御により行うものである。
CMA合成部77の乗算部77a1〜77aNSCHは、FFT演算部71より出力する多数のサブキャリア信号のうちSCHが割り当てられているサブキャリアF1〜FNSCHの信号に重み係数w1(k)〜wNSCH(k)を乗算し、合成部77bは各乗算器出力信号を合成し、CMA処理部77cは、CMAアルゴリ
ズムに従って合成出力電力と希望出力電力との誤差が小さくなるように重み係数w1(k)〜wNSCH(k)を更新する。
すなわち、SCHが割り当てられているm番目のサブキャリアの信号を時刻kにおいてxm(k)とすると合成部77bの出力信号は
Figure 2007068210
で表され、誤差信号は、
Figure 2007068210
で与えられる。ここで、pとqはアルゴリズムの収束特性を与えるパラメータである。係数ベクトルW=[w1,w2, … , wNSCH]Tは、
Figure 2007068210
で更新される。ここでμはステップサイズ、*は複素共役であり、X(k)はSCHが割り当て
られているサブキャリアの受信信号ベクトルである。重み係数が収束すると合成出力にはパスロスが最小のSCH信号系列のみが出力され、他の基地局からの信号は抑圧される。従
って、この合成出力を差動復号すると不要な信号成分が生成されないため後段の相関演算によりSCHフレームタイミング検出をより正確に行うことが可能となる。
重み係数収束後、差動復号部78はCMA合成出力信号を差動復号し、相関器74は、差動復
号部78から出力するCMA合成信号系列と既知のSCH信号系列との相関演算を、後者の位
相を位相シフトと部75で順次シフトさせながら行い、最大値検出部76は相関器出力が最大となる位相をフレームタイミングとして検出する。なお、差動復号部78は1シンボル遅
延部SDL、複素共役発生部CNJ、乗算部MPLで構成されている。
(D)高精度位相誤差推定制御
図4、図5では、差動復号を行った後に相関演算を行っているため、検出されたフレームタイミングにおける相関値の位相シフト量はキャリア周波数オフセットの1シンボルブロ
ック間での回転量となる。位相シフト量、例えば、(9a)式における
Figure 2007068210
の位相シフト量Δθ=2πΔfcTSBは次式
Figure 2007068210
により検出できる。ところで、キャリア周波数オフセットが小さいと、雑音や抑圧しきれていない信号成分によりΔθあるいはΔθの極性の検出精度が劣化する。雑音などによりΔθの極性判定の精度が最も劣化しにくいのは、極性判定の境界値である0から最も離れ
たΔθが±π/2のときである。そこで、後段の高精度AFCにおける差動復号のシンボル間
隔数Mを
Figure 2007068210
として決定する。このようにすれば、ΔθがM倍されて±π/2になるため、Δθが小さく
てもその極性をより正しく検出でき、キャリア周波数制御を高精度に行うことが可能になる。
以上から、図4、図5の差動復号部において、複数シンボル間隔Mの差動復号を行ってか
ら相関演算を行う。例えば上記のMがM=2であれば、差動復号結果dm(K)は
Figure 2007068210
となる。フレームタイミングφは既に検出されているので、そのタイミングで相関演算を行うと、
Figure 2007068210
となり、位相シフト量がM倍に拡大される。従って、位相シフト量検出の分解能が雑音な
どにより十分でない場合には、本発明によりに位相シフトの極性判定を大幅に改善することが可能となる。
図6は本発明の高精度位相誤差推定部の構成図であり、前段で差動復号のシンボル間隔
Mを決定し、後段で高精度AFC方式に用いられる高精度位相誤差Δθの推定を行う。すな
わち、前段において、相関器74、位相シフト部75、最大値検出部76は、図4、図5で説明したように、SCH信号系列の位相をシフトしながら相関器出力が最大となる位相φをフレー
ムタイミングとして検出する。位相検出部79は前記フレームタイミングにおける相関値の位相シフト量Δθ=2πΔfcTSBを(14)式により演算し、シンボル間隔数計算部80は(15)式によりシンボル間隔数Mを決定し、複数シンボル間隔差動復号部81に入力する。
複数シンボル間隔差動復号部81は、CMA合成部77(図5参照)から出力するCMA合成信号をMシンボル遅延するシンボル遅延部SDL、遅延部SDLの出力信号の複素共役を演算する複
素共役部CNJ、受信SCH信号とMシンボル前のSCH信号の複素共役との乗算を行う乗算部を備え、(16)式の演算を行う。位相シフト部82はSCH信号系列b(k)の位相を既に求まっている
フレームタイミングφ分シフトしてb(k+φ)を出力する。Mシンボル間位相回転量計算部83は、位相シフト部82から入力するMシンボル分のSCH信号系列b(k+φ),b(k+φ−1),..
.b(k+φ−(M−1))を乗算し、乗算結果を出力する。M=2であれば、Mシンボル間位相回転量計算部83は、b(k+φ)・b(k+φ−1)を出力する。相関器84は(17)式の演算を行って相
関値Rm(φ)を出力し、位相誤差検出部85は次式
Figure 2007068210
によりM倍された位相誤差(位相シフト量)M・Δθを算出し、図示しないAFC制御部に入
力する。AFC制御部は後述するように位相誤差の極性に基いて局部発振器の発振周波数を
制御し、オフセット周波数が零となるように、すなわち、送信側及び受信側の発振周波数が等しくなるように制御する。
ところで、上記制御おいて、差動復号部のシンボル間隔数Mをセルサーチ期間中固定し
ておく必要はない。AFCが引き込むにつれてキャリア周波数オフセットは小さくなってい
き、位相シフト量Δθも小さくなる。位相シフト量はフレーム毎に得られるので、
Figure 2007068210
の位相M・Δθを(18)式により求め、位相シフト量Δθを次式
Figure 2007068210
により算出し、次式
Figure 2007068210
により次フレームの位相シフト量推定に最適なパラメータMを決定する。図7はかかる高精度位相誤差推定部の構成図であり、図6と同一部分には同一符号を付している。シンボ
ル間隔計算部86は(19)、(20)式の演算を行って次フレームの差動復号演算におけるシンボル間隔数Mを計算し、複数シンボル間隔差動復号部81に設定する。これにより、複数シン
ボル間隔差動復号部81は設定されたシンボル間隔で差動復号を行う。
(E)残留周波数誤差補正
本発明ではキャリア周波数オフセットによる位相シフト量M・Δθを推定することがで
きるので、推定された位相シフト量を1/M倍して1シンボルブロックあたりの位相回転量Δθを計算し、各受信サブキャリア信号をこの位相回転量で逆回転させて残留周波数誤差を補正することが可能となる。
AFCにおいて、キャリア周波数オフセットを補正しているがAFC制御の時定数は非常に長く、局部発振器(VCO)のキャリア周波数更新量は微量である。そのため、AFCとサブキャリア信号の残留周波数誤差補正とはお互いに妨害しあうことはない。そこで、位相シフト量を用いてAFCと残留キャリア周波数誤差補正の両方を行うことができる。
図8は位相シフト量を用いて残差キャリア周波数オフセットを補正する本発明の構成図
である。図6あるいは図7に示した高精度位相誤差推定部87は(19)式により位相誤差Δθを計算し、位相回転制御部88はexp(−Δθ)を計算し、位相回転部89の各乗算器はFFT演算部71から出力する各サブキャリア信号にexp(−Δθ)を乗算して−Δθだけ逆回転させて残
留周波数誤差を補正する。
(G)二次元拡散
従来は送信データを周波数方向に、すなわち1次元領域に拡散している。しかし、周波
数あるいは時間の1次元領域での拡散ではチャネルの周波数選択性あるいは時変性により
直交性が崩れやすい。そこで、本発明では図9に示すように、個別物理チャネルDPCHと共
通パイロットチャネルCPICHのそれぞれの拡散領域ができるだけチャネル変動の影響を受
けないように、時間と周波数の二次元領域(周波数方向にm、時間方向にnのm×nの領域)において拡散コードを用いて拡散して多重化し、さらにCSSC(Cell Specific Scramble Code)でマスクしている。二次元領域に拡散すると、同じ拡散利得において1次元拡散に比べて周波数領域におけるサブキャリア数を減少することができるので直交性をより保つことができる。
図10、図11は本発明における二次元拡散部を備えた基地局装置の送信側の構成図である。図10では、CPICHとDPCHとを拡散コードを用いて時間と周波数の二次元領域において拡
散して多重化を行い、更に基地局毎のCSSCで乗積(マスキング)する構成になっている。又、図11では、各サブキャリア信号である二次元拡散信号と同期チャネルSCHの信号にIFFT(逆フーリエ変換)処理を施して時間軸上のOFDMシンボル信号に変換し、ガードインタ
ーバルを付加して出力する構成になっている。
図10において、第1ユーザの二次元拡散部501におけるシリアル・パラレル変換部55は、該第1ユーザの送信信号をM個の並列データに変換する。拡散部56のM個の乗算部561〜56M
は各並列データに第1ユーザのチャネライゼーションコード(ウォルシュコード)C1〜CN
を乗算して拡散し、シリアル・パラレル変換部571〜57Mは、対応する乗算器561〜56Mから入力するN個のシリアルデータをm個づつのn組の並列データ(N=m×n)に変換して順次出力する。これにより、第1ユーザデータは図12に示すようM個の二次元領域(周波数方向
にm、時間方向にnのm×nの領域)A1〜AMに拡散される。同様に他ユーザ用の二次元拡散部502〜50K、パイロット用の二次元拡散部50Pも各ユーザデータ及びパイロットを二次元
領域に拡散する。
加算器5811は、各二次元拡散部501〜50K、50Pのシリアルパラレル変換部571から出力する第1〜第mデータのうち第1データを加算し、加算器5812は同様に、二次元拡散部501〜50K、50Pのシリアルパラレル変換部571から出力する第1〜第mデータのうち第2データを加
算し、同様に加算器581mは、二次元拡散部501〜50K、50Pのシリアルパラレル変換部571から出力する第1〜第mデータのうち第mデータを加算する。
マスキング部59の各乗算器5911〜59Mmは各加算器5811〜58Mmの出力信号にセル識別用スクランブルコードCSSC(G1〜GMm)の各コードを乗算して出力する。乗算器5911〜591m
、まず最初の組のm個のサブキャリア信号を出力し、次に、第2組のm個のサブキャリア
信号を出力し、以後同様にn組のサブキャリア信号を出力し、トータルm×n個の二次元拡散信号TDS1を出力する。同様に図示しない乗算器5921〜592mは、まず最初の組のm個のサブキャリア信号を出力し、次に、第2組のm個のサブキャリア信号を出力し、以後同様に
n組のサブキャリア信号を出力し、トータルm×n個の二次元拡散信号TDS2を出力する。以下同様に図示しない乗算器59M1〜59Mmは、まず最初の組のm個のサブキャリア信号を出力し、次に、第2組のm個のサブキャリア信号を出力し、以後同様にn組のサブキャリア信
号を出力し、トータルm×n個の二次元拡散信号TDSMを出力する。これら各二次元拡散信号TDS1〜TDSMはIFFT演算部53(図11)に入力する。
図11において、差動符号化SCH信号系列発生器51は差動符号化した1フレームNsシンボルのSCH信号系列を発生し、コピー部52は1シンボルのSCH信号よりNSCH個のコピーシンボルD1〜DNSCHを発生し、各コピーシンボルD1〜DNSCHをSCH専用のサブキャリアF1〜FNSCH
信号としてIFFT部53に入力する。また、マスキング部59(図10)より発生した各二次元拡散信号TDS1〜TDSMは上記専用サブキャリアF1〜FNSCH以外のサブキャリアf11〜fMmの信号
としてIFFT部53に入力する。
IFFT部53は、並列入力するサブキャリア信号にIFFT(逆フーリエ変換)処理を施して時間軸上のOFDMシンボル信号に変換する。ガードインターバル挿入部54は、OFDMシンボル信号にガードインターバルを挿入し、図示しない送信部はガードインターバルが挿入されたOFDMシンボル信号に直交変調を施し、無線周波数にアップコンバージョンすると共に高周波増幅してアンテナより送信する。
(I)チャネル推定及びCSSCの同定
図9に示すように二次元拡散されている場合には、受信側はFFT演算により得られたサブキャリア信号にパイロット(CPICH)とCSSC候補の各複素共役を乗算して積和演算を行い
、すなわち相関演算を行って二次元拡散領域におけるチャネル応答を推定することができる。個の場合、拡散領域とチャネル推定領域が一致しているのでDPCHからの干渉をなくすことができ、チャネル推定精度の向上が可能となる。なお、各二次元拡散領域において1
つのチャネル推定値h(k, n) (kはシンボルインデックス、nサブキャリアインデックス)が得られる。
図13はCSSC候補に対するチャネル応答推定部の構成図であり、71はFFT演算部、89は図8で説明した位相回転部(残留キャリア周波数オフセット補正部)、901〜90Mは二次元相関演算部である。周波数と時間の二次元領域(m×nの二次元領域)にそれぞれ拡散されているCPICHとDPCHの多重データに、パイロット(CPICH)とCSSC候補の各複素共役を乗算して積和演算を行うと、二次元拡散領域におけるチャネル応答推定値が求まる。そこで、二次元相関演算部901〜90Mは上記積和演算を行って二次元拡散領域におけるCSSC候補のチャネル応答推定値h(i,1)〜h(i,M)を演算する。
次に、接続すべきセル(基地局)のCSSCに対して各拡散領域において得られた相関値と他のセルのCSSCに対して得られた相関値との差を大きくするために、相関値を電圧加算して平均化する。本発明では、図9に示す拡散領域を更に拡大した二次元領域BAにおいて平均
化を行う。図14は相関値を電圧加算して平均する構成図であり、図13と同一部分には同一符号を付している。演算部91a〜91rは拡大した二次元領域BA内の相関値の電圧平均を演
算して出力する。かかる構成によれば、接続すべきセルのCSSCに対して各拡散領域において得られた平均相関値は、他のCSSCの平均相関値に対して大きくなるのでCSSC同定性能の向上が可能となる。
また、本発明では、二次元領域BAより更に拡大した二次元領域MBAにおいて平均相関
値の電力加算を行うようにする。図15は平均相関値の電力加算を行う構成図であり、図14と同一部分には同一符号を付している。二次元電力加算部92は、各演算部91a〜91rで
演算された二次元領域BA内の二次元電圧平均の電力を計算して加算する。このようにすれば、接続すべきセルのCSSCに対するメトリックと他セルのCSSCに対するメトリックとの差はより大きくなりCSSC同定性能の向上が可能となる。すなわち、各CSSC候補毎に上記の二次元電力加算値を演算し、該電力加算値が最大となるCSSC候補を接続すべきセルのCSSCであると判定する。
なお、接続すべきセルのCSSCとパイロット(CPICH)の各複素共役を二次元相関演算部901〜90Mに入力して得られる相関値は二次元拡散領域におけるチャネル応答推定値となる
から、これらチャネル応答推定値を用いてチャネル補償することができる。
(J)セルサーチ手順
図16は本発明のセルサーチの手順を示す。まず、第1段階では従来のガードインターバル相関によるキャリア周波数同期を行い、粗くキャリア周波数同期を行う(S101)。ただし、システム的にキャリア周波数オフセットがそれほど大きくならない場合には,この第
1段階は必ずしも必要ではない。…S101
第2段階ではガードインターバル相関により相関のピークを検出し、FFTウィンドウタイミング同期を取る。このとき、基地局間が非同期の場合には、得られた相関ピークの前後をマスクして相関電力値が最大となるタイミングを検出し,複数のタイミング候補を保持
する。基地局間でタイミング同期が取れているシステムの場合には、FFTウィンドウタイ
ミングは1つ検出すればよい。…S102
第3段階では、第2段階で得られたFFTウィンドウタイミング候補それぞれにおいて、受信信号をFFTによりサブキャリア信号に変換し、SCHが割り当てられられているサブキャリア信号を差動復号し、相関演算を行う。そして、全FFTタイミング候補を対象にして相関
電力が最大となるSCHフレームタイミングを検出する。…S103
第4段階では得られたSCHフレームタイミングに基づいて、複数シンボル間隔差動復号
を行って高精度に位相誤差を検出し、キャリア周波数同期を取る(S104)。第4段階と平行
して、第5段階では拡散信号部の残留キャリア周波数オフセットを補正しながらCSSCの同定を行う(S105)。
(K)FFTウィンドウタイミングとSCHフレームタイミング検出構成
・第1実施例
図17はFFTウィンドウタイミング検出とSCHフレームタイミング検出に関する実施例である。局部発振器(VCO)61と混合器62で受信信号周波数を中間周波数に変換する。ガード
インターバル相関演算部63は、受信信号に対してガードインターバル相関を行い、同相加算器64は更に同相加算を行って平均化し、ピーク検出部65は2以上のピーク検出を行ってFFTウィンドウタイミングを複数個検出する。以上のFFTウィンドウタイミング候補の検出
制御は従来例と同じである。
ついで、図4で説明した制御によりフレームタイミング、周波数オフセット(位相誤差)
を決定する。すなわち、各候補のFFTウィンドウタイミングにおいて受信信号をFFT演算部71によりサブキャリア信号に変換し、差動復号部721〜72NSCHはSCHが割り当てられているサブキャリア信号に対して差動復号を行い、加算部73は差動復号結果を合成してSCH合成
信号を出力する。相関器741,742は各FFTウインドウタイミング候補について、SCH合成信号と差動符号化前のSCH信号系列との相関演算を行い、最大値検出部76は、1)相関電力値
が最大となるSCHフレームタイミングφの検出を行うとともに、2)そのSCHフレームタイミングが検出されたときのFFTウィンドウタイミングを検出し、3)更にSCHフレームタイミングが検出された相関値から位相誤差(キャリア周波数オフセット)Δθを検出する。また、最大値検出部76は、高精度キャリア周波数同期制御に使用する複数シンボル間隔差動復号のシンボル間隔数Mも決定する。
・第2実施例
図18はFFTウィンドウタイミング検出とSCHフレームタイミング検出に関する第2の実施
例である。図17と同様の制御により、FFTウインドウ候補を決定する。ついで、図5で説
明した制御によりフレームタイミング、周波数オフセット(位相誤差)Δθを決定する。すなわち、各候補のFFTウィンドウタイミングにおいて、FFT演算部71は受信信号をサブキ
ャリア信号に変換する。CMA合成部77はSCHが割り当てられているサブキャリア信号に対して重み付けを行って合成し、その重み付け係数をCMAアルゴリズムを用いて更新する。重
み付け係数が収束するとCMA合成部77は受信電力が最大となる基地局からのSCHの合成信号のみを出力する。差動復号部781,782は各FFTタイミング候補のCMA合成信号に対して差動復号を行い、相関器741,742は差動復号結果と差動符号化前のSCH信号系列との相関演算
を行う。最大値検出部76は、1)相関電力値が最大となるSCHフレームタイミングφの検出
を行うとともに、2)そのSCHフレームタイミングが検出されたときのFFTウィンドウタイミングを検出し、3)更にSCHフレームタイミングが検出された相関値から位相誤差(キャリ
ア周波数オフセット)Δθを検出する。また、最大値検出部76は、高精度キャリア周波数同期制御に使用する複数シンボル間隔差動復号のシンボル間隔数Mも決定する。
(L)AFC制御
・第1実施例
図19はAFC制御の第1の実施例構成図である。第1段階では、AFC部66は従来例と同様
に(図33〜図35参照)、ガードインターバル相関によるピーク検出を行い、ピークタイミングでの相関値の位相誤差を検出し、その位相誤差を小さくするようにスイッチ67を介してVCO構成の局部発振器61の発振周波数を制御する。
ついで、図17の制御でSCHフレームタイミング、FFTウインドウタイミング、差動復号のシンボル間隔Mを決定する。しかる後、FFT演算部71は該FFTウインドウタイミングでFFT演算し、複数シンボル間隔差動復号部721〜72NSCHはSCHが割り当てられているサブキャリア信号に対して複数シンボル間隔差動復号演算、すなわち(16)式の演算を行う。加算部73は各差動復号結果を合成してSCH合成信号を出力する。
一方、位相シフト部82はSCH信号系列b(k)の位相を既に求まっているフレームタイミン
グφ分シフトしてb(k+φ)を出力する。Mシンボル間位相回転量計算部83は、位相シフト部82から入力するMシンボル分のSCH信号系列b(k+φ),b(k+φ-1),...b(k+φ-(M-1))を
乗算し、乗算結果を出力する。M=2であれば、Mシンボル間位相回転量計算部83は、b(k+φ)・b(k+φ-1)を出力する。相関器84は(17)式の演算を行って相関値Rm(φ)を出力し、
位相誤差検出部85は(18)式によりM倍された位相誤差(位相シフト量)M・Δθを算出してランダムウォークフィルタ68に入力する。
ランダムウォークフィルタ68は、位相誤差の極性が正であればカウントアップし、負であればカウントダウンし、カウント値が設定値以上になればカウントを初期値にリセットすると共に、スイッチ67を介して局部発振周波数を所定幅減少し、設定値以下になれば局部発振周波数を所定幅上昇する。このAFC制御によれば、高精度で安定なキャリア周波数
同期を取ることができる。
・第2実施例
図20はAFC制御の第2の実施例構成図で、SCHが割り当てられているサブキャリア信号の合成をCMAアルゴリズムに従って行った場合の構成を示している。後段のキャリア周波数
同期制御は図19と同様な動作となる。
第1段階では、AFC部66は従来例と同様に(図33〜図35参照)、ガードインターバル相
関によるピーク検出を行い、ピークタイミングでの相関値の位相誤差を検出し、その位相誤差を小さくするようにスイッチ67を介してVCO構成の局部発振器61の発振周波数を制御
する。
ついで、図18の制御でSCHフレームタイミング、FFTウインドウタイミング、差動復号のシンボル間隔Mを決定する。しかる後、FFT演算部71はFFTウインドウタイミングでFFT演算し、CMA合成部77はCMA SCH合成信号を出力する。複数シンボル間隔差動復号部81は、CMA
合成部77から出力するSCH合成信号に対して(16)式の複数シンボル間隔差動復号演算を行
う。
一方、位相シフト部82はSCH信号系列b(k)の位相を既に求まっているフレームタイミン
グφ分シフトしてb(k+φ)を出力する。Mシンボル間位相回転量計算部83は、位相シフト部82から入力するMシンボル分のSCH信号系列b(k+φ),b(k+φ-1),...b(k+φ-(M-1))を
乗算し、乗算結果を出力する。相関器84は(17)式の演算を行って相関値Rm(φ)を出力し、位相誤差検出部85は(18)式によりM倍された位相誤差(位相シフト量)M・Δθを算出してランダムウォークフィルタ68に入力する。ランダムウォークフィルタ68は、図19で説明したと同様の発振周波数制御を行ってオフセット周波数を零にする。これにより、高精度で安定なキャリア周波数同期を取ることができる。
(M)CSSC同定部の構成
図21はCSSC同定部の実施例構成図であり、図15と同一部分には同一符号を付している。二次元相関演算部901〜90Mは、周波数と時間の二次元領域(m×nの二次元領域)にそれぞれ拡散されているCPICHとDPCHの多重データに、パイロット(CPICH)とCSSC候補の各複素共役を乗算して加算する積和演算を行い、積和演算結果(相関値)を各二次元拡散領域におけるCSSC候補のチャネル応答推定値h(i,1)〜h(i,M)として出力する。演算部91a〜91rは拡
大した二次元領域内の相関値の電圧平均を演算し、二次元電力加算部92は、各演算部91a
〜91rで演算された二次元電圧平均の電力を計算して加算する。最大値検出部93は各CSSC候補の二次元電力加算値を比較し、該電力加算値が最大となるCSSC候補を接続すべきセルのCSSCであると判定する。以後、検出されたCSSCを用いて受信データを復調する。
以上では、本発明をOFDM-CDMAに適用した場合について説明したが、本発明は、マルチ
キャリア変調方式、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:
OFDM)方式、あるいは、マルチキャリア符号分割多元接続(Multi-carrier Code-Division
Multiple Access: MC-CDMA)方式等にも適用できるものである。
本発明の基地局より送信する信号のフレーム構成説明図ある。 同期チャネルSCHの専用サブキャリアと、DPCHやCPICH用のサブキャリアとの関係説明図である。 図3は本発明の差動符号化したSCH信号系列発生器の構成図である。 本発明の受信装置におけるSCHの合成及びフレームタイミング検出構成図である。 本発明におけるCMAアルゴリズムによるSCH合成およびフレームタイミングの検出構成図である。 本発明の高精度位相誤差推定部の構成図である。 差動復号のシンボル間隔Mを可変する高精度位相誤差推定部の構成図である。 位相シフト量を用いて残差キャリア周波数オフセットを補正する本発明の構成図である。 個別物理チャネルと共通パイロットチャネルのそれぞれを時間と周波数の二次元領域に拡散コードを用いて拡散した場合の説明図である。 本発明における二次元拡散部を備えた基地局装置における送信側の第1の要部構成図である。 本発明における二次元拡散部を備えた基地局装置における送信側の第2の要部構成図である。 N個のシリアルデータをm個づつのn組の並列データ(N=m×n)に変換して二次元拡散を実現する場合の説明図である。 CSSC候補に対するチャネル応答推定部の構成図である。 相関値を電圧加算して平均する構成図である。 平均相関値の電力加算を行う構成図である。 本発明のセルサーチの手順説明図である。 FFTウィンドウタイミング検出とSCHフレームタイミング検出に関する本発明の実施例である。 FFTウィンドウタイミング検出とSCHフレームタイミング検出に関する本発v明の第2の実施例である。 AFC制御の第1の実施例構成図である。 AFC制御の第2の実施例構成図である。 CSSC同定部の実施例構成図である。 マルチキャリアCDMA方式の原理説明図である。 マルチキャリア伝送におけるサブキャリア配置説明図である。 MC-CDMAの送信側(基地局)の構成図である。 ユーザデータ説明図である。 基地局より送信する信号の従来のフレーム構成である。 フレームコード多重部における加算部の説明図である。 SCHデータ発生部の構成図である。 ガードインターバル挿入説明図である。 MC-CDMAの移動局の受信側構成図である。 セル識別用スクランブルコードの配列説明図である。 局部発振器の発振周波数を送信側の周波数と一致させるAFC部を備えた受信装置の要部構成図である。 AFC部の構成図である。 AFC部の動作説明図である。 位相誤差説明図である。 時分割多重方式のフレーム構成図である。 時分割多重方式におけるAFC制御の構成例である。 セルサーチ説明図である。 ガードインターバル相関のピーク値説明図である。 SCHフレームフォーマットである。 SCHフレームタイミング検出処理における、電圧加算領域と電力加算領域の説明図である。
符号の説明
501〜50K ユーザの二次元拡散部
50P パイロット用の二次元拡散部
5811〜58Mm 加算器
59 マスキング部
5911〜591m 乗算器

Claims (5)

  1. 送信信号系列を周波数方向の複数のサブキャリアに拡散して送信する送信方法において、
    前記送信信号系列を構成する共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列を、それぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散し、
    該拡散信号を基地局識別用のスクランブルコードでマスキングし、
    マスキングされた送信信号系列を送信する、
    ことを特徴とする送信方法。
  2. 送信信号系列を周波数方向の複数のサブキャリアに拡散して送信する送信装置において、
    前記送信信号系列を構成する共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列を、それぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散する拡散部、
    拡散信号を基地局毎のスクランブルコードでマスキングするマスキング部、
    該マスキングされた送信信号系列を送信する送信部、
    を備えたことを特徴とする送信装置。
  3. 送信側で共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列をそれぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散して多重し、該多重信号を基地局のスクランブルコードでマスキングし、該マスキングされた信号を受信する受信装置のセルサーチ方法において、
    受信信号より抽出された各サブキャリア信号に対して、共通パイロットとスクランブルコード候補のそれぞれの複素共役を乗算し、
    前記二次元拡散領域における乗算結果を加算してチャネル応答を求め、
    拡大した二次元領域に属する複数の前記二次元拡散領域のチャネル応答を電圧加算して平均化し、該平均化したチャネル応答の電力を計算し、
    各拡大二次元領域のチャネル応答を電力加算し、
    電力加算値が最大となるスクランブルコード候補を基地局のスクランブルコードであると判定する、
    ことを特徴とするセルサーチ方法。
  4. 各サブキャリア信号に対して、共通パイロットと基地局スクランブルコードのそれぞれの複素共役を乗算し、前記二次元拡散領域における乗算結果を加算してチャネル応答を推定し、該チャネル応答推定値を用いてチャネル補償する、
    ことを特徴とする請求項3記載のセルサーチ方法。
  5. 送信側で共通パイロットチャネルと個別チャネルの送信信号系列をそれぞれチャネライゼーションコードを用いて時間と周波数の二次元領域に拡散して多重し、該多重信号を基地局のスクランブルコードでマスキングし、該マスキングされた信号を受信する受信装置において、
    受信信号より抽出された各サブキャリア信号に共通パイロットとスクランブルコード候補のそれぞれの複素共役を乗算し、前記二次元拡散領域における乗算結果を加算してチャネル応答を算出するチャネル応答算出部、
    拡大した二次元領域に属する複数の前記二次元拡散領域のチャネル応答を電圧加算して平均化する二次元電圧加算部、
    前記二次元拡散領域の平均化したチャネル応答の電力を計算し、各拡大二次元領域のチャネル応答を電力加算する二次元電力加算部、
    電力加算値が最大となるスクランブルコード候補を基地局のスクランブルコードであると判定するセル判定部、
    を備えたことを特徴とする受信装置。
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