JP2007063720A - 手袋及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 手袋内側面を、太さ100デニール以下の裏糸によりパイル状に編成し、当該パイル面を起毛処理して平均厚み1.0mm以上の起毛部を形成するとともに、手袋表側面に、ゴム又は樹脂皮膜を形成した。
【選択図】 なし
Description
1)塩化ビニル皮膜に接着剤を介して各パイルが独立に植毛されているため、各パイルの接着強度に限界があり、使用時にパイルが脱落するといった耐久性の問題がある。
2)静電気植毛加工の際、パイルとなる短繊維を塩化ビニル皮膜に静電気で飛ばせて(飛昇させて)植毛するが、パイルに対して静電気でよく飛ぶように薬剤(飛昇剤)処理が施される。この薬剤が使用者の体質によっては手荒れの原因になる場合がある(非特許文献1参照。)。
塩化ビニル皮膜を厚くすればある程度断熱効果の向上を期待することもできるが、その分作業性が低下してしまい、実際には採用することはできない。
本発明では、起毛部の厚みが1.0mm以上であるが、裏糸をパイル状にした上で起毛しているため、起毛後は編成部分が実質的に薄くなり、前記ゴム又は樹脂皮膜の平均厚みを0.7mm以下に設定することにより、指等の屈曲性がよく柔軟であり、優れた作業性が維持されるのである。ただし皮膜強度、防水性の点から、前記ゴム又は樹脂皮膜の平均厚みは0.1mm以上が好ましい。より好ましくは、0.2mm以上、さらに好ましくは0.3〜0.5mmに設定される。
裏糸を構成している繊維1本あたりの平均太さが、1.1デニール以下であることが好ましい。これは100デニールの糸であればおよそ91本以上の繊維から構成されていることを示し、例えば75D/72Fの糸や100D/96Fの糸が含まれる。
このような繊維の太さは、起毛処理により糸から独立する起毛一本あたりの太さとなり、当該起毛部は柔らかい感覚が得られる。
起毛処理は、生地を起毛処理剤に浸漬処理した後、脱水し、乾燥して生地の裏側に起毛処理機で起毛を施す。なお起毛処理剤は従来から一般に使用されているものが使用できる。
なお、コーティング剤が上記NBR配合物や塩化ビニル樹脂に何ら限定されないことは上述のとおりである。
表側を綿100%、32番手単糸の表糸を用いて編成するとともに、裏側(起毛部)をウーリーポリエステル100%、75D/144Fの裏糸を用いてパイル状に編成することにより生地を作成した。
ここで「75D/144F」は、「75デニール/144フィラメントカウント」の略記であり、144本のフィラメント(繊維)によって太さ75デニールの糸が構成されていることを示している。この糸の繊維1本あたりの太さは75デニール/144=0.52デニールである。
生地裏側の起毛処理前の各ループの長さは、ほぼ4mm程度とされており、起毛処理により当該ループが切断され、裏糸繊維による各起毛の長さが約2mm程度となり、それら起毛が互いに絡み合う結果、下記皮膜層形成後の起毛部の厚みは1.53mmとなった。
皮膜層の厚みは、0.43mmとなり、上記起毛部と合せた全体の厚みは1.96mmである。
手袋型を塩化ビニルゾル中に浸漬して引き上げ、次に前記手袋型の表面に付着している塩化ビニルを加熱して半ゲル化する。
この手袋型をアクリルエマルジョン中に浸漬した後引き上げて、適度に乾燥して表面にレーヨン短繊維を電気植毛する。
レーヨン短繊維は、太さが1デニール、長さが約0.5mmであり、この長さが植毛部の厚みとなる。
このレーヨン短繊維が植毛された塩化ビニルを約200℃で10分間加熱して完全にゲル化した。
離型して表裏反転してなる塩化ビニル手袋のフィルム厚は、0.42mmであり、前記植毛部と合せた全体の厚みは約0.92mmである。
表側を実施例1と同じ綿100%、32番手単糸の表糸を用いて編成するとともに、裏側(起毛部)をウーリーポリエステル100%、太さが150D/144Fの裏糸を用いてパイル状に編成することにより生地を作成した。
本例では、裏側の起毛処理前の各ループの長さが、ほぼ8.6mm程度であり、起毛処理によって各起毛の長さが約4.3mm程度となり、これら起毛が互いに絡み合うことで皮膜層形成後の起毛部の厚みは3.25mmとなった。
この生地を起毛処理し、原手に縫製して皮膜を形成方法は、実施例1と同じ方法、薬剤を用いて行った。
NBRの皮膜層の厚みは、実施例1と同様、0.43mmである。
表側を実施例1と同じ綿100%、32番手単糸の表糸を用いて編成するとともに、裏側(起毛部)をウーリーポリエステル100%、太さが150D/96Fの裏糸を用いてパイル状に編成することにより生地を作成した。
裏側の起毛処理前の各ループの長さ、各起毛の長さ、起毛が互いに絡み合った皮膜層形成後の起毛部の厚みは、上記比較例2と同じである。この生地を起毛処理し、原手に縫製して皮膜を形成方法は、実施例1と同じ方法、薬剤を用いて行った。NBRの皮膜層の厚みは、実施例1と同様、0.43mmである。
実施例1および比較例1に対し、耐熱性を比較検討するため、それぞれ熱湯中で継続作業可能な時間について、パネラー5名によって60℃〜90℃まで熱湯温度を変えて測定し、その平均で評価した。なお、測定中は、熱湯中で手袋を嵌めた手指を屈伸させて食器洗いの作業を模した動作を行った。
測定結果を、下記表3に示す。
これに対し、本発明に係る実施例1の手袋では、90℃の熱湯中においても45秒と十分な作業時間が確保でき、より断熱性に優れていることが分かる。
すなわち、実施例1では、起毛により比較例1の静電植毛に比べて当該層を厚く構成でき、しかも、起毛が互いに絡まりあっているため手に嵌めた状態において静電植毛のように簡単に毛が寝てしまうことがなく、空気層が維持されるため、耐熱性に有意差を持たせることが出来ることが分かる。
次に、実施例1、比較例2および比較例3に対し、食器持ち運びの作業性と嵌め心地についてパネラー5名によって対比評価を行った。
それぞれ、◎ …非常に良い、○ …良い、△・・・良くない、×・・・悪いの四段階で評価した結果を、下記表4に示す。
比較例2、3のように起毛部が厚すぎると全体の厚みも増し、細かい作業等がしにくくなるし、起毛部の糸が太いことから起毛が密となり、屈曲性が低下して同じく作業性が悪化した。
また、防寒用であれば起毛部が厚くても嵌め心地は良いかもしれないが、家庭等における炊事用としては、比較例2、3の手袋のように起毛部が厚く起毛が密になるとごわごわ感が増し、爽快感が低下するとともに熱がこもりやすく汗ばんだ感じとなり嵌め心地は低下した。
ただし、繊維1本の太さが1.1デニール以下の比較例2では、嵌め心地は「△」となり、1.56デニールの比較例3に比べて良く、糸の太さが同じでも繊維1本の太さが細いと嵌め心地が向上することが分かる。
Claims (5)
- 手袋内側面を、太さ100デニール以下の裏糸によりパイル状に編成し、当該パイル面を起毛処理して平均厚み1.0mm以上の起毛部を形成するとともに、手袋表側面に、ゴム又は樹脂皮膜を形成してなることを特徴とする手袋。
- 前記起毛部の平均厚みが、2.5mm以下である請求項1記載の手袋。
- 前記裏糸を構成している繊維1本あたりの平均太さが、1.1デニール以下である請求項1又は2記載の手袋。
- 前記ゴム又は樹脂皮膜の平均厚みが、0.1〜0.7mmである請求項1〜3の何れか1項に記載の手袋。
- 原手を構成する生地の手袋内側面を、太さ100デニール以下の裏糸によりパイル状に編成し、
当該パイル面を起毛処理することにより、平均厚み1.0mm以上の起毛部を形成した後、
当該生地を縫製して原手を構成し、
該原手の手袋表側面にゴム又は樹脂皮膜を形成してなる手袋の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2005253262A JP2007063720A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 手袋及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014098376A1 (ko) * | 2012-12-20 | 2014-06-26 | Kim Sun-I | 우단 고무장갑 제조방법 |
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2005
- 2005-09-01 JP JP2005253262A patent/JP2007063720A/ja active Pending
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