JP2007052851A - 光学素子、光ピックアップ装置及び光記録再生装置 - Google Patents

光学素子、光ピックアップ装置及び光記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小さな電圧で光透過光量を制御する光学素子、この光学素子を用いた光ピックアップ装置及び光記録再生装置を提供することを課題とするものである。
【解決手段】 光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と非導電性の液体を封入し、導電性の液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と非導電性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子において、前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有する構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学系を通過する光束の透過光量を制御する光学素子、この光学素子を用いた光ピックアップ装置及び光記録再生装置に関するものであり、特に、小さい電圧で効率よく光透過光量を制御することができる光学素子、光ピックアップ装置及び光記録再生装置に関するものである。
従来、光ピックアップ装置等に用いられる光学素子が有する光量調節機構に関しては、一般に複数枚の可動羽根からなる絞り機構が用いられる。しかし、この機械式絞り機構はメカニカル駆動部が必要で、光学素子及びそれを用いた装置が大型化するという欠点がある。
このような欠点を解消するため、液晶材料やエレクトロクロミック材料を用いた透過率可変素子、いわゆる可変ND(Neutral Density)フィルタが提案されている。可変NDフィルタとしては、例えば、透過光の色の偏りを防止したエレクトロクロミック製の光変調素子が提案されている(特許文献1)。また、溶液中の銀を自在に析出及び溶解することで、可変NDフィルタを実現する技術が開示されている(特許文献2)。また、濃度可変な液晶フィルタを用いて光電変換装置に入射する光量を調節する技術が開示されている(特許文献3)。また、光吸収係数の大きな平凹レンズと光吸収係数の小さな凸平レンズを組み合わせたアポダイゼイションフィルタの技術が開示されている(特許文献4)。また、中心部ほど濃度が高く、かつ濃度制御可能な液晶製可変NDフィルタ内蔵の光量調節技術が開示されている(特許文献5)。
しかしながら、上記した従来例のものにおいては、つぎのような点に問題点を有している。例えば、特許文献1に記載されたものでは、エレクトロクロミック材料の化学変化による濃度変化を利用するため、応答速度が遅い。特許文献2に記載されたものも同じく、銀塩溶液の化学変化による濃度変化を利用するため、応答速度が遅い。また、特許文献3に記載されたものでは液晶フィルタを用いているが、液晶フィルタは一般に偏光板を必要とし、そのために最大透過率がかなり低くなる。特許文献4に記載されたものでは、固体レンズの組み合わせでアポダイゼイションフィルタを実現しているため、アポダイゼイション効果が変えられない。また、特許文献5に記載されたものでは、液晶フィルタを用いているため、特許文献3に記載されたものと同様に偏光板による透過率低下の欠点があることが知られている。
ところで、液体に電圧を加えると界面張力が変化して界面の移動変形が起こる現象として、エレクトロウエッティング現象が知られている。これは電気毛管現象ともいわれ、図7のように絶縁層102を形成した基板電極101上に、導電性の液滴103があり、この液滴103と基板電極101との間に電圧をかけると、一種のコンデンサを形成し静電エネルギーが蓄積され、この静電エネルギーにより、表面張力の釣り合いが変化し、液滴103が変形するものである(図7(b))。
そして、このようなエレクトロウエッティング現象を、光透過光量を制御するようにした光学素子に適用することが知られている(特許文献6)。すなわち、図8に示すように、エレクトロウエッティング現象を適用した光学素子は、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない導電性または有極性の第1の液体208及び非導電性の第2の液体209を備え、前記第1の液体208及び第2の液体の界面が大きなR状をなした状態でこれらの液体を容器内207に密閉するように構成されている。そして、容器207の一部に形成された電極211を介してこれらの液体間に電圧を印加するに当たっては、印加する電圧の出力を制御して前記界面形状を変化させることにより、通過する光の屈折力を変化させて、光学素子の光透過光量を制御するものである(図8(b))。
特開平3−87816号公報 特開平7−5497号公報 特開平7−128635号公報 特開平9−236740号公報 特開平9−15681号公報 特開2001−249282号公報
しかしながら、図8に示した光学素子の状態では、第1の液体208と第2の液体209とが、光軸の垂直方向における容器の断面積と略等しい面積で互いに接触することによって界面が形成されている。従って、第1の液体と第2の液体とで形成される界面の面積が大きくなるために、この界面の形状を変化させて、光学素子の光透過光量を制御するためには、両液体間に大きな電圧を印加しなければならないという問題が生じる。
本発明は、上述の問題を考慮し、小さな電圧で光透過光量を制御する光学素子、この光学素子を用いた光ピックアップ装置及び光記録再生装置を提供することを課題とするものである。
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するために、本発明に係る光学素子は、光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と非導電性の液体を封入し、液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と非導電性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子であって、前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有している構成とする。
好ましくは、本発明に係る光学素子の液体のうち、前記光束が出射する側の透明基板側に存在する液体は、非光透過性の液体であることが適当である。
好ましくは、本発明に係る光学素子の液体のうち、前記光束が出射する側の透明基板側の液体の屈折率が、他の液体の屈折率よりも高いことが適当である。
さらに好ましくは、本発明に係る光学素子の前記光束が出射する側の透明基板の屈折率と、前記他の液体の屈折率とが等しいことが適当である。
本発明に係る光ピックアップ装置は、光源と、光束の透過量を制御する光学素子と、光記録媒体に対向するように配置された対物レンズと、を少なくとも備え、前記光源からの出射光を集束させて前記光記録媒体に光スポットを形成する光ピックアップ装置において、前記光学素子は、光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と非導電性の液体を封入し、前記導電性の液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と非導電性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子であって、前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有している構成とする。
本発明に係る光記録再生装置は、光源と、光束の透過量を制御する光学素子と、光記録媒体に対向するように配置された対物レンズと、前記光源からの出射光を集光させて前記記録媒体に光スポットを形成する光ピックアップ装置と、を少なくとも備え、前記光源からの光を前記光記録媒体の所定の位置に照射して記録及び/又は再生を行う光記録再生装置において、前記光学素子は、光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と非導電性の液体を封入し、前記導電性の液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と非導電性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子であって、前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有している構成とする。
本発明の光学素子、この光学素子を用いた光ピックアップ装置及び光記録再生装置では、小さい電圧で、光学素子内で形成された液体の界面の状態を変化させる。
本発明に係る光学素子によれば、小さい電圧で液体の界面状態を変化させることができるので、効率よく光学素子を透過する光量を制御することができる。
本発明に係る光ピックアップ装置によれば、小さい電圧で液体の界面状態を変化させることができる光学素子を用いるので、効率のよい光ピックアップを行うことができる。
本発明に係る光記録再生装置によれば、小さい電圧で液体の界面状態を変化させることができる光学素子を用いるので、効率のよい光記録再生を行うことができる。
以下、本発明に係る光学素子を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。また、本発明に係る光学素子を用いた光ピックアップ装置及び光記録再生装置については、光学素子の説明と併せて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の概略断面図を示したものである。また、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光学素子に電圧を印加したときの動作説明図である。なお、ここでは光軸23が上下方向に延びているものとして説明する。
図1に示すように、光学素子10は、不導体で形成された枠体22を有している。この枠体22の下方向、すなわち光束の入射側には、平板状の入射側透明基板25が、枠体22の内側全周に沿うように保持されている。なお、入射側透明基板25は、透明アクリルあるいはガラスにより形成されている。また、入射側の透明基板25と、枠体22の内側全周との間には、リング状の第2の電極27が嵌め込まれるようにして設けられている。
枠体22の上方向、すなわち光束の出射側には、凸状の曲面からなる凸部24aを有する出射側透明基板24が、枠体22の内側全周に沿うように保持されている。この出射側透明基板24は、凸部24aが入射側透明基板25と対向するようにして、枠体22に保持される。また、出射側透明基板24に形成された凸部24aは、光軸23に対して軸対称の形状を有するように成型されている。なお、出射側透明基板24は、透明樹脂あるいは透明ガラスにより形成されており、凸状の型を有する金型に樹脂等を流し込むことにより成型される。本形態においては、出射側透明基板24に設けられた凸部は、曲面を有する形状であるが、凸部の形状は曲面に限定されることなく、例えば、円錐状、角錐状のものであってもよい。
出射側透明基板24と、枠体22の内側全周との間には、リング状の第1の電極26が設けられている。この第1の電極26の表面には、電極の端面26aもカバーするように、アクリル樹脂等でできた絶縁層28が密着形成されている。また、絶縁層28の内面全周の下側であって、導電性の液体31と接触する部分部には、親水処理剤が塗布されて親水膜29が形成されており、絶縁層28の内面全周の上側であって、非導電性液体32と接触する部分には、撥水処理剤が塗布されて撥水膜30が形成されている。
このように、本形態の光学素子10においては、枠体22と、封止板を兼ねる出射側透明基板24及び入射側透明基板25とで、所定体積の液室を有した容器が形成されている。詳しく述べれば、枠体22と、出射側透明基板24に設けられた凸状の曲面と、入射側透明基板25とで液室が形成されている。
容器は、光軸23に対して軸対称形状をなしている。そして、液室には、以下に示す2種類の液体が充填される。
まず、液室の底面である入射側透明基板25上面には、導電性液体である液体31が、その液柱の高さが撥水膜30の中間の高さになる分量だけ滴下される。この導電性の液体31は、その上面の一部が出射側透明基板24に設けられた凸状の曲面と接するように、液室内に満たされる。また、この導電性の液体31と出射側透明基板24の凸状の曲面とが接触する部分によって、光学素子10を透過する光束の透過窓40が形成される。なお、導電性の液体31は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた導電性の液体である。
続いて、液室内の残りの空間には、非導電性液体である液体32が充填される。非導電性の液体32は、非導電性の液体の下面が導電性の液体と接触して界面34を形成し、非導電性の液体の上面が出射側透明基板24に設けられた凸状の曲面と接すように液室内に満たされる。なお、非導電性の液体32は、非導電性の無色透明なシリコーンオイルが用いられる。すなわち、光学素子10の容器内において、導電性の液体31は入射側透明基板25側に存在し、非導電性の液体32は出射側透明基板側24に存在する。
なお、液体31,32としては、例えば比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そして、両液体31,32は、互いに接触する面で界面34を形成し、混ざり合わずにそれぞれが独立して存在する。
そして、この界面34の形状は、出射側透明基板24に設けられた凸部24aを含んだ液室(容器)の内面、導電性の液体31および非導電性の液体32の3物質が交わる点、すなわち界面34の外縁部に働く3つの界面張力の釣り合いで決まる。
第1の電極26と第2の電極27には、給電部35が接続されている。この給電回路35は、図示されていないスイッチの操作により、両電極間26,27に所定の電圧を印加する。
以上の構成において、導電性の液体31に第1の電極リング26および第2の電極リング27を介して、液体に電圧が印加されると、エレクトロウエッティング効果によって界面34が変形する。
次に、光学素子10における界面34の変形と、この変形によってもたらされる光学作用について説明する。
まず、導電性の液体31に電圧が印加されていない場合、図1に示すように、界面34の形状は、両液体31,32間の界面張力、導電性の液体31と絶縁層28上の撥水膜30あるいは親水膜29との界面張力、非導電性の液体32と絶縁層28上の撥水膜30あるいは親水膜29との界面張力、および非導電性の液体32の体積で決まる。
一方、導電性の液体31に電圧が印加されると、エレクトロウエッティング効果によって導電性の液体31と親水膜29との界面張力が減少し、導電性の液体31が親水膜29と撥水膜30との境界を乗り越えて撥水膜30上に入り込む。すると、非導電性の液体32の体積は、常に一定に保たれているので、図2に示すように、非導電性の液体32が導電性の液体31におされて、非導電性の液体32と出射側透明基板24の凸部24aとの接触面積が広がるように非導電性の液体32の状態が変化する。これにより、出射側透明基板24の凸部24aに形成されている透過窓40が小さくなる。なお、導電性の液体31に印加される電圧をさらに大きくすることによって、非導電性の液体32と出射側透明基板24に設けられた凸状の曲面との接触面積を大きくし、出射窓40の大きさをさらに小さくすることができる。
すなわち、図1に示すように、液体に電圧を印加せず、非導電性の液体32と出射側透明基板24との接触面積が小さくなるように界面34の形状を保つと、出射側透明基板24の凸状の曲面に形成される光束の透過窓40の大きさが大きくなる(開口を開く)。この結果、図1の矢印で示すように、透過窓40を透過する出射光束の量を増やすことができる。逆に、図2に示すように、液体に電圧を印加して、非導電性の液体32と出射側透明基板24との接触面積が大きくなるように界面34の形状を変化させると、出射側透明基板24の凸状の曲面に形成される透過窓40の大きさが小さくなる(開口を絞る)。この結果、図2の矢印で示すように、透過窓40を透過する出射光束の量を少なくすることができる。
このように第1および第2の電極リング26,27を通じて、導電性の液体31へ電圧を印加することによって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化し、両液体31,32間の界面34の形状が変わる。すなわち、給電部35の電圧を制御することによって、界面34の形状を自在に変えられる光学素子10を実現することができる。
前述したように、両液体31,32間の界面34の形状を変える場合には、両液体31,32間に形成される界面34に働く界面張力の釣り合いを変化させる必要があるが、本形態の光学素子10では、出射側透明基板24に凸状の曲面24aを設けて、導電性の液体31と接触させているため、両液体31,32のすべての面が接触することで界面を形成しているわけではない。従って、本形態の光学素子10によれば、導電性の液体31の一部と非導電性の液体32の一部とが接触して形成されている界面に働く界面張力の釣り合いを変化させるだけでよい。このため、両液体31,32のすべての面で界面を形成している場合よりも、少ない印加電圧で界面34の形状を変えることができる。すなわち、本形態の光学素子10によれば、小さい電圧で液体の界面34の状態を変化させることができるので、効率よく光学素子10を透過する光量を制御することができる。
また、出射側透明基板24側に存在する非導電性の液体32として、非光透過性の性質を有する液体を用いることで、非導電性の液体32に侵入する光を遮光することにより、透過窓40以外に侵入する光を確実に遮光することができる。従って、本形態の光学素子10によれば、透過窓40で透過すべき光束のみを透過させることができるので、精度よく光学素子10を透過する光束の透過量を調整することができる。
また、出射側透明基板24側に存在する非導電性の液体32として、導電性の液体31の屈折率よりも高い屈折率を有している液体を用いることで、図3に示すように、導電性の液体31と非導電性の液体32とで形成される界面34に向って導電性の液体31を透過してきた光束L1を、両液体間の屈折率の違いを利用して、透過窓40から離れるように屈折させることができる。従って、本形態の光学素子10によれば、透過窓40で透過すべき光束のみを透過させることができるので、精度よく光学素子10を透過する光束の透過量を調整することができる。
さらに、導電性の液体31の屈折率と同等の屈折率を有する材質で出射側透明基板24を構成することで、図3に示すように、透過窓40に向って導電性の液体を透過してきた光束L2は、透過窓40で屈折することなく、そのまま出射側透明基板24へ直進する。従って、本形態の光学素子10によれば、透過窓40で光の屈折によるロスを発生させることがないので、効率よく光学素子10を透過する光束の透過量を調整することができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の概略断面図を示したものである。また、図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光学素子に電圧を印加したときの動作説明図である。なお、図4及び図5において、図1と対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本形態において第1の実施の形態と異なる点は、入射側透明基板25側に位置する液体31’として、無色透明なシリコーンオイルで構成された非導電性液体を用い、出射側透明基板24側に位置する液体32’として、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた導電性を有する液体を用いる点が異なる。
第2の電極27’の表面には、電極端面27’aもカバーするアクリル樹脂等でできた絶縁層28が密着形成され、この絶縁層28の内面全周の下側には、撥水処理剤が塗布されて撥水膜30が形成されている。さらに、絶縁層28の内面全周の上側であって、導電性液体32’と接触する部分には、親水処理剤が塗布された親水膜29が形成されている。
次に、本形態における光学素子10の界面34の変形と、この変形によってもたらされる光学作用について説明する。
まず、図4に示すように、導電性の液体32’に電圧が印加されていない場合には、界面34の形状は、両液体31’,32’間の界面張力、導電性の液体32’と絶縁層28上の撥水膜30あるいは親水膜29との界面張力、非導電性の液体31’と絶縁層28上の撥水膜30あるいは親水膜29との界面張力、および導電性液体32’の体積で決まる。
導電性の液体32’に電圧が印加されると、エレクトロウエッティング効果によって導電性の液体32’と親水膜29との界面張力が減少し、液体32’が親水膜29と撥水膜30との境界を乗り越えて撥水膜30上に入り込む。すると、液体32’の体積は一定に保たれている必要があるので、図5に示すように、非導電性の液体31’が導電性の液体32’におされて、液体31’と出射側透明基板24の凸部24aとの接触面積が拡がるように、液体31’の状態が変化する。その結果、出射側透明基板24上の透過窓40の面積が大きくなる。なお、導電性の液体32’に印加する電圧を大きくすることで、液体31’と出射側透明基板24に設けられた凸状の曲面との接触面積をより大きくなるように変化させて、光学素子10の透過窓40を大きくすることで光束の透過光量を増やすことができる。
図6は、本発明の光学素子10を適用した光ピックアップ装置47及びこの光ピックアップ装置47を備えた光記録再生装置50の概略構成図である。
図6は、情報源1からの情報に基づいて、ディスク状の光記録媒体9に記録を行う場合の光照射の一形態を示している。レーザーダイオード(LD)等より成る光源3から出射された光は、情報源1により情報信号に対応して変調されて、自動パワー制御手段(APC)2によって出力が制御される。そして、この出射光は、コリメーターレンズ4により平行光とされ、ビームスピリッター6を透過した後にミラー7で反射される。
ヘッド部42には、光記録媒体9に対向するように対物レンズ16と、対物レンズ16を駆動するためのアクチュエーター8が配置されており、対物レンズ16と前記ミラー7との間には、光学素子10が配置されている。
そして、ミラー7で反射した光は、光学素子10に入射して透過光量が制御された後にヘッド部42に入射し、ヘッド部42によって光記録媒体9の記録面に照射される。なお、光ピックアップ装置47は、図6に示した点線で囲まれた部分により構成されている。
光記録媒体9は、これを回転移動する回転手段15によって保持されており、回転手段15とヘッド部42を記録面に沿って平行移動させる水平移動機構との連動によって、ヘッド部42から照射される光が、記録媒体9の盤面に沿って走査される。
次に、記録媒体9上に配列されたスポットの検出態様について説明する。この場合、記録媒体9から反射された光は、ヘッド部42を介してビームスプリッター6により反射されて、フォトディテクター(PD)12で検出される。そして、検出された戻り光量が、フォーカス及び/またはトラッキングサーボ13に入力されるとフォーカス及び/またはトラッキング制御信号が出力され、アクチュエーター8を駆動させて、光記録媒体9と対物レンズ16との間で補正が行われる。また、戻り光量をフォトディテクター12で受光することで検出されたRF信号は信号処理部へ送られて、光記録媒体9に書き込まれた情報の記録再生が行われる。
本形態の光ピックアップ装置47及び光記録再生装置50によれば、小さい電圧で容器内の液体の界面34の状態を変化させることができる光学素子10を用いているので、効率のよい光ピックアップ及び光記録再生を行うことができる。
また、本発明の光学素子、これを用いた光ピックアップ装置及び光記録再生装置は、上述の各形態に限定されるものではなく、その他材料、構成等において本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
図1は、本発明の第1の実施の形態例に係る光学素子の断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態例に係る光学素子に電圧を印加したときの動作説明図である。 図3は、第1の実施の形態例に係る光学素子の内部における光束の態様を示す図である。 図4は、本発明の第2の実施の形態例に係る光学素子の断面図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態例に係る光学素子に電圧を印加したときの動作説明図である。 図6は、本発明に係る光記録再生装置の概略構成図である。 図7は、エレクトロウエッティング現象を説明するための電圧の印加前、印加後の液滴の変化を示す図である。 図8は、エレクトロウエッティング現象を適用した光学素子の電圧の印加前、印加後の光の透過状態の変化を示す図である。
符号の説明
10・・光学素子、22・・枠体、23・・光軸、24・・出射側透明基板、24a・・凸部、25・・入射側透明基板、26・・第1の電極、27・・第2の電極、28・・絶縁層、31、32’・・導電性液体、31’、32・・非導電性液体、34・・界面、35・・給電部、47・・光ピックアップ装置、50・・光記録再生装置

Claims (6)

  1. 光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と絶縁性の液体を封入し、前記導電性の液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と前記絶縁性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子であって、
    前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有していること
    を特徴とする光学素子。
  2. 前記液体のうち、前記光束が出射する側の透明基板側に存在する液体は、非光透過性の液体であること
    を特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記液体のうち、前記光束が出射する側の透明基板側の液体の屈折率が、他の液体の屈折率よりも高いこと
    を特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記光束が出射する側の透明基板の屈折率と、前記他の液体の屈折率とが等しいこと
    を特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 光源と、光束の透過量を制御する光学素子と、光記録媒体に対向するように配置された対物レンズと、を少なくとも備え、前記光源からの出射光を集束させて前記光記録媒体に光スポットを形成する光ピックアップ装置において、
    前記光学素子は、光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と非導電性の液体を封入し、前記導電性の液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と非導電性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子であって、
    前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有していること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 光源と、光束の透過量を制御する光学素子と、光記録媒体に対向するように配置された対物レンズと、前記光源からの出射光を集光させて前記記録媒体に光スポットを形成する光ピックアップ装置と、を少なくとも備え、前記光源からの光を前記光記録媒体の所定の位置に照射して記録及び/又は再生を行う光記録再生装置において、
    前記光学素子は、光束が入射する側の透明基板と、光束が出射する側の透明基板との間に形成される空間に、導電性の液体と非導電性の液体を封入し、前記導電性の液体に電圧を印加することで前記導電性の液体と非導電性の液体との界面の状態を変化させて光束の透過光量を制御する光学素子であって、
    前記光束が出射する側の透明基板が凸部を有していること
    を特徴とする光記録再生装置。
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