JP2007051613A - 水素エンジン制御装置 - Google Patents

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明 竹本
Michio Yoshino
道夫 吉野
Takashi Yonemori
敬 米盛
Takuji Kawada
卓二 川田
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Abstract

【課題】 水素エンジンにおいて良好な始動性が得ることができる水素エンジン制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】 エンジン温度検出部31及び空燃比調整部32を備え、水素エンジン2を始動し、かつ燃料燃焼温度が既定値より低い状態、つまり早期着火が発生しないとみなせる状態に限り、水素エンジンに供給する水素の空燃比を通常よりリッチに調整するようにした。よって、エンジン始動性を悪化させることなく、水素エンジンを迅速に始動させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に自動車などの内燃機関に利用される、水素を燃料とする水素エンジンの制御装置に関する。
近年、低公害化を目的として、例えば圧縮天然ガス、液化プロパンガス、圧縮水素等の気体燃料を使用するエンジンを搭載した車両の開発が進められている。又、更なる低公害化を実現するために、例えば特開平11−311136号公報には、ガソリン及び気体水素によるデュアルフューエルエンジンとともにモータを使用して車輪を駆動するハイブリッド自動車において、運転状況に応じ駆動力を確保する手段を変更するようにした技術が開示されている。又、特開2004−225563号公報には、上記ハイブリッド自動車において、モータ走行からエンジン走行へ切り替わるとき、エンジンの回転数が低い場合にはジェネレータでエンジン回転数を上昇させた後、エンジンへの燃料供給を開始する技術が開示されている。
特開平11−311136号公報 特開2004−225563号公報
従来のガソリンを燃料として用いるエンジンと同様に、水素エンジンにおいても良好な始動性が要求される。特に、水素エンジンとともに、モータを使用して車輪を駆動するハイブリッド自動車では、モータにて駆動され水素エンジンが休止している状態から、水素エンジンに燃料供給を開始して水素エンジンを始動させるとき、車両の駆動力に変動が生じないように水素エンジンを良好に始動性させる必要がある。
エンジンの始動性を良くするためには、基本的に、エンジンにおける空燃比を通常状態よりもリッチにすればよい。しかしながら、水素エンジンにおいて、その始動性を良くするためにエンジンに供給する水素濃度を通常よりも濃くしたとき、空気と水素とのミキシング性に起因して、プリイグ(早期着火)が発生し易くなり上記始動性を悪化させるという問題がある。尚、この問題は、ハイブリッド自動車に限らず、水素エンジンのみを備えた場合も同様である。
そこで本発明は、水素エンジンにおいて良好な始動性が得ることができる水素エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様の水素エンジン制御装置は、水素供給系及び点火系を有する水素エンジンの制御装置において、
上記水素エンジンの始動時における該水素エンジンの燃料燃焼温度に関連する温度を検出するエンジン温度検出部と、
上記水素エンジンが始動しかつ上記エンジン温度検出部にて検出された上記燃料燃焼温度に関連する温度が規定値よりも低いとき、上記水素供給系に対して上記水素エンジンに供給する水素の空燃比を通常よりリッチに調整する空燃比調整部と、
を備えたことを特徴とする。
又、上記空燃比調整部により上記水素エンジンに供給する水素の空燃比が通常よりリッチに調整されたときに、上記点火系に対して上記水素エンジンの点火時期をリタードする点火時期補正部をさらに備えることもできる。
又、上記水素エンジンは、電力供給にて駆動力を生じるモータ及び上記水素エンジンの少なくとも一方の出力にて駆動されるパワートレインに搭載されるエンジンであるように構成することができる。
本発明の第1態様の水素エンジン制御装置によれば、エンジン温度検出部及び空燃比調整部を備え、水素エンジンを始動し、かつ燃料燃焼温度に関連する温度が既定値より低い状態、つまり低温始動時に相当する状態であり早期着火が発生しないとみなせる状態に限り、水素エンジンに供給する水素の空燃比を通常よりリッチに調整するようにした。よって、エンジン始動性を悪化させることなく、水素エンジンを迅速に始動させることができる。
又、空燃比をリッチにすることで、一般的にはNOx排出量は増加するが、点火時期補正部をさらに備え、燃料点火時期をリタードすることにより、空燃比をリッチにすることにて生じるNOx排出量の悪化を確実に抑制することができる。
パワートレインのエンジンとして水素エンジンが用いられるとき、モータ駆動から水素エンジン駆動への切り替えの際、上述のように水素エンジンは迅速に始動可能である。したがって、上記切り替え時に車両の駆動力に変動が生じることはなく、例えば乗員に不快感を与えることはない。
本発明の実施形態である水素エンジンの制御装置、及び該制御装置にて実行される制御方法について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。
又、以下に説明する実施形態では、水素の燃焼により駆動力を生じる水素エンジンと、電力供給により駆動力を生じるモータとを搭載したハイブリッド自動車を例に採るが、これに限定されず、ガソリン及び気体水素によるデュアルフューエルエンジンとモータとを搭載したハイブリッド自動車、水素エンジンのみを搭載した自動車、さらに自動車に限定されず、船舶や航空機などに搭載することができる水素エンジンにも適用可能である。又、水素エンジンは、レシプロエンジン及びロータリピストンエンジンのいずれの構造であってもよい。
又、水素エンジンへの燃料となる水素の供給方式としては、エンジン燃料室への供給前に、予め空気と水素とを混合させる予混合方式と、燃料室内には空気のみを吸引した後、水素ガスを噴射し混合させる直噴方式とがある。以下の実施形態では、後者の直噴方式を例に採るが、上記予混合方式のエンジンシステムについても、本発明の実施形態である水素エンジンの制御装置及び方法を適用可能である。
図1は、水素エンジンと駆動モータとが組み合わされてなるパワートレイン及びその制御装置を概略的に示す図である。このパワートレイン1は、基本的に、水素エンジン2と、動力分割機構7と、ジェネレータ8と、駆動モータ10と、減速機16と、本実施形態の水素エンジン制御装置を含むECU(エンジンコントロールユニット)20とを備える。水素エンジン2からの動力は、動力分割機構7により二分割され、分割された動力の出力軸の一方はジェネレータ8に接続され、他方は駆動モータ10及び減速機16に接続されている。減速機16は、デファレンシャルギヤからなるもので、その両端側に車輪18を備えた車軸17に取り付けられている。
水素エンジン2としては、燃焼燃料として気体水素を用いるエンジンであり、水素供給系3及び点火系4を有する。水素供給系3は、インジェクタ3aと、該インジェクタ3aに接続される燃料タンク3bとを有する。インジェクタ3aは、水素エンジン2の気筒内へ気体水素を供給する部分であり、後述する空燃比調整部32による制御にて、供給する水素量を調整する部分である。点火系4は、上記気筒内の燃料に着火する部分であり、後述する点火時期補正部33にて点火時期が制御される。
又、水素エンジン2に接続される吸気通路19内には、水素エンジン2の気筒内に吸入される空気量を調整すべく吸気通路19を開閉するスロットル弁13が設けられている。このスロットル弁13は、ECU20の制御によりスロットル弁用アクチュエータ14により作動される。よって、ECU20は、スロットル弁13の開度情報を認識している。
又、吸気通路19には、エンジン2に吸入される空気の温度を測定する吸気温検出器21が設けられており、測定された空気温度情報は、ECU20へ供給される。
又、水素エンジン2には、エンジン冷却水の温度を検出するエンジン水温検出器22、エンジン潤滑油の温度を検出するエンジン潤滑油温検出器23、及び出力軸の回転の有無を検出する回転検出器24が設けられており、測定されたエンジン水温情報、エンジン潤滑油温情報、及び出力軸の回転信号は、ECU20へ供給される。
さらにパワートレイン1には、駆動モータ10の駆動源となる電力を蓄電するバッテリ12が設けられている。このバッテリ12は、駆動モータ10へ電力を供給するとともに、ジェネレータ8にて発電された電力を蓄電する。更に、ジェネレータ8や駆動モータ10の交流電流とバッテリ12の直流電流の変換を行うインバータ9が設けられている。尚、ジェネレータ8にて発電された電力は、バッテリ12に蓄電されることなく、駆動モータ10の駆動源として直接に利用されることも可能である。又、バッテリ12における充電量(SOC)情報は、ECU20に供給される。
ECU20は、上述の各構成部分を制御する制御部分であり、コンピュータからなる総合的な制御装置であって、上述の各検出器21〜24の他に、車両に搭載された各種センサ(特に図示しないが、例えばエアフローセンサ,エンジン回転数センサ,等)から検出された情報に基づいて、パワートレイン1,インジェクタ3a,駆動モータ10,バッテリ12,スロットル弁13等、各種構成の動作制御を行う。このECU20は、その内部に、制御回路(不図示)を有しており、各種動作制御を行うに際して実行される補正,演算,判定等の処理は、その制御回路によって行われる。
又、上記実施形態における水素エンジン制御方法を実行するため、ECU20には機能的にエンジン温度検出部31及び空燃比調整部32を有し、さらに点火時期補正部33及び始動判断部34を有するのが好ましい。
エンジン温度検出部31は、水素エンジン2の始動時における該水素エンジン2の温度、本実施形態では水素エンジン2の燃料燃焼温度を検出する。ここで水素エンジン2の始動時とは、本実施形態のようなパワートレイン1においては、特に、駆動モータ10から水素エンジン2へ駆動力が切り替わるときに該当し、水素エンジン2をクランキングしている状態が該当する。エンジン温度検出部31には、吸気温検出器21から吸気温度情報が、エンジン水温検出器22からエンジン冷却水の温度情報が、及び、エンジン潤滑油温検出器23からエンジン潤滑油の温度情報がそれぞれ供給される。そして、エンジン温度検出部31は、これらの吸気温度情報、エンジン冷却水温度情報、及びエンジン潤滑油温度情報の少なくとも一つに基づいて、エンジン温度としての上記燃料燃焼温度を求める。尚、上記燃料燃焼温度は、文字通り燃料の燃焼温度そのものであるのが好ましいが、本実施形態では上述のように例えば吸気温度情報に基づくことから、実際には燃料燃焼温度に関連する温度である。求めた燃料燃焼温度情報又は下記低信号が空燃比調整部32へ送出される。
尚、エンジン温度としての上記燃料燃焼温度を求めるための情報として、上記吸気温度情報、上記エンジン冷却水温度情報、及び上記エンジン潤滑油温度情報の他に、水素エンジン2の停止状態経過時間情報を加えることもできる。
空燃比調整部32は、水素エンジン2が始動しかつエンジン温度検出部31にて検出された上記燃料燃焼温度が規定値αよりも低いとき、水素供給系3のインジェクタ3aに対して水素エンジン2に供給する水素の空燃比を通常よりリッチになるように制御を行う。即ち、上述のように、パワートレイン1において駆動モータ10から水素エンジン2へ駆動力が切り替わるとき、つまり水素エンジン2が冷間時始動される場合であっても、駆動力の変動を抑えるため水素エンジン2には迅速な始動が求められる。そこで、水素エンジン2を迅速に始動させるため、水素エンジン2の始動が検知されたとき、水素エンジン2に供給する水素の空燃比を通常よりリッチになるように、空燃比調整部32によりインジェクタ3aの動作を制御する。但し、図3に示すように、水素エンジン2の温度が冷間時始動の場合に比べて比較的高い通常始動の場合に空燃比をリッチにすると、早期着火つまり異常燃焼が生じる可能性が高くなる。一方、冷間時始動では、図3に示すように空燃比を比較的リッチにしても早期着火が生じる可能性は低い。よって、エンジン温度検出部31にて検出された上記燃料燃焼温度を用い、該燃料燃焼温度が規定値αよりも低いとき、つまり早期着火が生じにくい状態のときには、水素の空燃比を通常よりリッチに制御するものである。本実施形態において、上記規定値αは、約50℃である。
又、本実施形態では、上記燃料燃焼温度と規定値αとの大小関係の判断を、上述のように空燃比調整部32にて行っているが、これに限定されず、上記大小関係の判断を例えばエンジン温度検出部31にて行い上記燃料燃焼温度が規定値αより低い場合のみエンジン温度検出部31から空燃比調整部32へその旨を示す低信号を送出するようにしてもよい。
又、水素の空燃比を通常よりリッチにするとは、本実施形態では、一例として、通常始動の場合における、理論空燃比よりもリーンなλ=1.6に対して、冷間始動の場合には理論空燃比であるλ=1程度にまでリッチにする。
又、水素の空燃比を通常よりリッチにする判断の基準として、上記燃料燃焼温度と規定値αとの大小関係の他に、水素エンジン2の停止状態経過時間情報を加えることもできる。
又、水素エンジン2の始動検知は、始動判断部34にて判断される。始動判断部34は、水素エンジン2の始動を判断し、エンジン温度検出部31及び空燃比調整部32へ始動可信号を送出する。上述のように、ECU20は、スロットル弁13の開度情報、バッテリ12の充電量情報、及び車速情報を認識している。そこで、始動判断部34は、一例として、スロットル弁13の開度が20%以下、バッテリ12の充電量が50%以上、及び車速が40km/h以下である場合には、駆動モータ10により走行可能と判断し、これらの少なくとも一つが設定条件から外れたときには水素エンジン2を始動させると判断する。又、水素エンジン2が実際に作動したか否かは、回転検出器24からの信号に従い始動判断部34が判断する。
点火時期補正部33は、空燃比調整部32により水素エンジン2に供給する水素の空燃比が通常よりリッチに調整されたときに、点火系4に対して水素エンジン2の点火時期をリタード(遅角)する。即ち、水素の空燃比を通常よりリッチにすることで、一般的にはNOx排出量が増えてしまう。そこで、NOx排出量の増加を抑えるため、燃料の点火時期をリタードする。これにより、燃料の燃焼が緩慢になり燃焼室温度が低下し、NOx排出量を低減することができる。
次に、動力分割機構7について説明する。図5は、パワートレイン1における動力伝達を実現するために互いに係合する動力分割機構7を含む各種構成を示す図である。本実施形態では、動力分割機構7として、遊星歯車機構が採用されている。この機構では、歯車機構内部のプラネタリキャリア7aの回転軸が、水素エンジン2と連結され、エンジン出力は、プラネタリキャリア7aの回転軸の回転に伴い、ピニオンギヤ7bを通じて内側のサンギヤ7c及び外周のリングギヤ7dに伝達される。サンギヤ7cの回転軸はジェネレータ8に連結され、ジェネレータ8では、サンギヤ7cから伝達された動力により発電が行われる。また、一方、リングギヤ7dは、その外側近傍に配設された中間ギヤ11と係合し、リングギヤ7dからの動力が、中間ギヤ11を介して、減速機16に伝達される。中間ギヤ11は、駆動モータ10の回転軸に直結された出力ギヤ10aと係合し、駆動モータ10による駆動力が、また、中間ギヤ11を介して、減速機16に伝達される。
引き続き、動力分割機構7の特性について説明する。図6は、動力分割機構7の構成の一部であるプレネタリキャリヤ7a,サンギヤ7c及びリングギヤ7dの回転数に基づく共線図である。この図から明らかなように、各ギヤの回転数の間には、それらが常に一直線上に並ぶ関係がある(点A,B及びC参照)。図5にあらわれる各ギヤの連結機構により、プレネタリキャリヤ7aの回転数は、エンジン回転数に準じて変化し、サンギヤ7cの回転数は、ジェネレータ8の回転数に準じて変化し、また、リングギヤ7dの回転数は、駆動モータ10の回転数に準じて変化する。逆もまた同様であり、すなわち、エンジン回転数は、プレネタリキャリヤ7aの回転数に準じて変化し、ジェネレータ8の回転数は、サンギヤ7cの回転数に準じて変化し、また、駆動モータ10の回転数は、リングギヤ7dの回転数に準じて変化する。更に、図5にあらわれる各ギヤの連結機構により、リングギヤ7dの回転数は、モータ10の回転数以外にも、減速機16の回転数,出力トルク及び車速等の種々のパラメータに準じて変化する。
かかる動力分割機構7では、プレネタリキャリヤ7a,サンギヤ7c及びリングギヤ7dのいずれかの回転数の変化に伴い、各ギヤの回転数が一直線上に並ぶ関係を確保しつつ、残りのギヤの回転数が変化する。例えば、サンギヤ7cの回転数を一定に固定した状態で、リングギヤ7dの回転数を上げると、プレネタリキャリヤ7aの回転数が上がり、他方、リングギヤ7dの回転数を下げると、プレネタリキャリヤ7aの回転数が下がる。また、リングギヤ7dの回転数を一定に固定した状態で、サンギヤ7cの回転数を上げると、プレネタリキャリヤ7aの回転数が上がり、他方、サンギヤ7cの回転数を下げると、プレネタリキャリヤ7aの回転数が下がる。更に、プレネタリキャリヤ7aの回転数を一定に固定した状態で、リングギヤ7dの回転数を上げると、サンギヤ7cの回転数が下がり、他方、リングギヤ7dの回転数を下げると、サンギヤ7cの回転数が上がる。
次に、パワートレイン1の基本制御について説明する。パワートレイン1では、車両の状態に応じて必要な駆動力が小さい場合、エンジン2は停止し、バッテリ12から駆動モータ10に電力が供給されることにより、駆動モータ10によるモータ出力のみで車輪18が駆動される。また、必要な駆動力が中程度である場合には、バッテリ12から駆動モータ10への電力供給が停止され、エンジン出力のみで車輪18が駆動される。この場合には、ジェネレータ8により発電が行われ、得られた電力が、負荷に合わせて駆動モータ10に供給され、リングギヤ7dから伝達されたエンジントルクに加算される。余剰分はバッテリ12に充電される。更に、必要な駆動力が比較的高い場合には、伝達されるエンジン出力に加えて、バッテリ12から供給された電力によって作動させられた駆動モータ10によるモータトルクが用いられ、車輪18が駆動される。
尚、駆動モータ10と水素エンジン2との切り替えについては、上述したように規定の条件を満足するか否かにて判断される。又、エンジン負荷状態は、スロットル弁13の開度等に基づき検出され、他方、バッテリ12のSOCは、例えばバッテリ12における電流収支をバッテリ温度や電圧で補正しつつ積算するなど、従来公知の方法を採用して検出される。
又、パワートレイン1では、車両の制動時に、車輪18から車軸17や減速機16等を介して駆動モータ10に制動エネルギーが伝達され得るが、この場合に、駆動モータ10を、制動エネルギーを電力に変換し得る発電機能を備えた回生ブレーキとして作用させることができる。制動エネルギーから変換された電力は、バッテリ12に充電される。
次に、ECU20により実行される各種制御処理の内、水素エンジン2の始動に関する制御処理について、図2を参照して以下に説明する。この処理では、駆動モータ10による運転が可能か否かが判断され、水素エンジン2の始動を要する場合には所定のステップが実行された後、メインルーチンへリターンされる。
ステップS11では、上記始動判断部34にて、水素エンジン2の始動の可否を判断するための各種の情報が読み込まれる。本実施形態では、上述したようにパワートレイン1の車速、スロットル弁13の開度情報、及びバッテリ12の充電量情報が収集される。尚、判断用の情報として、これら3種類の情報に限定するものではない。そして次のステップS12では、始動判断部34は、収集した上記各情報に基づいて、駆動モータ10による駆動が可能か否かを判断する。具体的には、上述したように、スロットル弁13の開度が20%以下、バッテリ12の充電量が50%以上、及び車速が40km/h以下である場合には、始動判断部34は、駆動モータ10により走行可能と判断する。駆動モータ10により走行可能と判断されたときには、ステップS13に移行し駆動モータ10による駆動が行われ、さらに、水素エンジン2が作動していたときには、ステップS14にて、水素エンジン2を停止させる。そしてメインルーチンへリターンする。
一方、ステップS12にて駆動モータ10による走行不可能、つまり水素エンジン2による駆動要と判断されたときには、ステップS15にて、回転検出器24からの信号に基づき始動判断部34は、水素エンジン2が始動したか否かを判断する。以下に説明するステップS15〜ステップS19における動作は、図4に示す、モータ10による駆動から水素エンジン2による駆動へ切り替わる途中の、水素エンジン2のクランキング操作期間における動作に対応する。よって上記ステップS15では、水素エンジン2がクランキングを開始したか否かが判断される。
水素エンジン2がクランキングした場合には、ステップS16にて、エンジン温度が規定値α未満か否かが判断される。本実施形態では、上記エンジン温度として水素エンジン2の燃料燃焼温度を用い、上述のようにエンジン温度検出部31にて検出され、エンジン温度検出部31から空燃比調整部32へ供給される。そして本実施形態では空燃比調整部32にて上記燃料燃焼温度が上記規定値α未満か否かが判断される。
上記燃料燃焼温度が規定値α未満であったときには、ステップS17にて、上述したように空燃比調整部32によりインジェクタ3aに対して水素の空燃比(A/F)を通常よりリッチにするよう制御が行われる。これにより、図4において符号41、42にて示すように、空燃比をリッチにした方が、リッチ化を行わない、点線にて示す、通常の場合に比べて、エンジントルク及びエンジン回転数を迅速に立ち上げることが可能となる。
上述したように、水素の空燃比を通常よりリッチにすることでNOx排出量が増加することから、NOx排出量の増加を抑えるため、次のステップS18では、点火時期補正部33により点火系4に対して燃料の点火時期をリタードする。
次のステップS19では、駆動モータ10によるクランキングを実行する。
一方、ステップS16において、エンジン温度が規定値α以上であると判断されたときには、ステップS20へ移行する。この場合、エンジン温度が比較的高いことから、空燃比はリーンな状態でも十分に水素エンジン2を迅速に始動させることが可能である。よって、ステップS20では、空燃比調整部32はインジェクタ3aに対して水素の空燃比が通常よりリーンとなるように制御を行う。
さらに又、ステップS15において、水素エンジン2のクランキングが必要無い場合、即ち、既に、駆動モータ10と水素エンジン2との両方で当該パワートレイン1を駆動しており、次に水素エンジン2のみによる駆動に切り替わる場合であって、水素エンジン2が既に通常に動作している場合には、ステップS21に移行し、水素エンジン2に対して通常実行される制御が実行される。そして次のステップS22では、駆動モータ10が停止される。
以上説明したように、水素エンジン2を始動させる場合で、水素エンジン2の温度により冷間時始動に相当するとき、即ち、早期着火が生じにくい、又は生じない状態のときには、水素の空燃比を通常よりリッチにすることで、水素エンジン2を迅速に始動させることができる。さらに、空燃比を通常よりリッチにすることで生じるNOx排出量の増加を抑えるため、点火時期をリタイドするようにした。これによりNOx排出量の増加を抑えることができる。
尚、上述の説明では、パワートレイン1を例に採り駆動モータ10から水素エンジン2へ駆動力を切り替える場合を例に採ったが、これに限定されず、水素エンジン自動車において、エンジン停止状態から水素エンジン2を始動させる場合にも、当該実施形態の制御装置及び方法は、適用可能である。
本発明は、特に自動車などの内燃機関に利用される、水素を燃料とする水素エンジンの制御装置及び方法に適用可能である。
本発明の実施形態である水素エンジン制御装置を備え、駆動モータと水素エンジンとを搭載したパワートレインの概略構成図である。 図1に示す水素エンジン制御装置にて実行される水素エンジン制御方法の動作を説明するフローチャートである。 水素エンジンにおける冷間時始動特性及び通常始動特性を示すグラフである。 図2に示すステップS15〜ステップS19における水素エンジン及び駆動モータの概略状態を示すグラフである。 図1に示すパワートレインにおける動力伝達を実現するために互いに係合する動力分割機構を含む各種構成を示す図である。 図5に示す動力分割機構において、エンジン,ジェネレータ及びモータの回転数にそれぞれ関連するプレネタリキャリヤ,サンギヤ及びリングギヤの回転数に基づく共線図である。
符号の説明
1…パワートレイン、2…水素エンジン、3…水素供給系、3a…インジェクタ、
4…点火系、8…ジェネレータ、10…駆動モータ、12…バッテリ、
13…スロットル弁、20…ECU、
31…エンジン温度検出部、32…空燃比調整部、33…点火時期補正部、34…始動判断部。

Claims (3)

  1. 水素供給系及び点火系を有する水素エンジンの制御装置において、
    上記水素エンジンの始動時における該水素エンジンの燃料燃焼温度に関連する温度を検出するエンジン温度検出部と、
    上記水素エンジンが始動しかつ上記エンジン温度検出部にて検出された上記燃料燃焼温度に関連する温度が規定値よりも低いとき、上記水素供給系に対して上記水素エンジンに供給する水素の空燃比を通常よりリッチに調整する空燃比調整部と、
    を備えたことを特徴とする水素エンジン制御装置。
  2. 上記空燃比調整部により上記水素エンジンに供給する水素の空燃比が通常よりリッチに調整されたときに、上記点火系に対して上記水素エンジンの点火時期をリタードする点火時期補正部をさらに備えた、請求項1記載の水素エンジン制御装置。
  3. 上記水素エンジンは、電力供給にて駆動力を生じるモータ及び上記水素エンジンの少なくとも一方の出力にて駆動されるパワートレインに搭載されるエンジンである、請求項1又は2記載の水素エンジン制御装置。
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