JP2007046671A - 水道圧シリンダ、及び水道圧シリンダ装置 - Google Patents

水道圧シリンダ、及び水道圧シリンダ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
作動流体として水道水を使用し、該水道水の圧力を増圧して作動する水道圧シリンダ、及び水道圧シリンダ装置の提供である。
【解決手段】
上側ロッドカバー7の両側に、軸心同一にして設けられた上下の各シリンダCa,Cb を取付け、上側シリンダCaを構成する上側ロッドRaが下降されたとき、該上側ロッドRaが、前記上側ロッドカバー7のパッキン挿入溝16aに取付けられた下側ロッドパッキン26の摺動リング26bに挿通されることによって、水封入空間W内の水道水が密封されるように構成し、前記上側ロッドRaが前記水封入空間W内の水道水を加圧しながら下降させることにより、下側シリンダCbを構成する下側ロッドRbを増圧させて突出させる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、水道圧を増圧させて作動する水道圧シリンダ、及び水道圧シリンダ装置に関するものである。
シリンダを使用した装置において、シリンダの圧力媒体として通常使用されているのは「油圧」又は「空圧」である。「油圧」は、モータ、エンジン等の駆動源により油圧ポンプを回転させることにより、相当に高圧のものまで得られるが、全体設備が大掛かりなものになって、必要な場所に簡易には設置できない。また、運転時におけるモータ、エンジン等の連続騒音の発生、圧油の漏れによる周囲の汚損、廃油の処理等の問題があると共に、モータを使用する場合には、その取り扱いミスによって火災の発生の恐れもある。「空圧」によりシリンダを作動する場合においても、「圧縮空気」を発生させる設備が不可欠となるため、「油圧」とほぼ同様に、必要な場所に設備を簡易には設置できないし、設備の作動のために駆動源の連続騒音の発生等の問題がある。
「密閉油室に先端部が挿入されたプランジャーを空気圧により作動させることにより、前期密閉油室の圧油を増圧させる構成の油圧・空圧併用のプランジャー式シリンダ」(特許文献1)がある。しかし、この構成のシリンダの場合、以下に示す問題点がある。(1)ロッドのストロークの規制を行えない。(2)上記理由のため、そのままではロッドの前進端位置を規制できないので、ロッドの前進端位置の規制には別途専用の「ストッパー」を必要とし、更に、仮に「ストッパー」により前進端位置の規制を行えても、この前進端位置の調整を行うためには、機構が複雑となってしまう。(3)従って、実質的に可能な作業は、被加工物に単純押圧力のみを作用させて行う「かしめ」、「曲げ精度を必要としない単純曲げ」等に限定されてしまう。
そこで、「油圧」、「空圧」の有する上記問題を悉く解決するために、工場等において随所に存在している水道水の圧力を利用してシリンダを作動させることが考えられるが、水道水の圧力は、0.2〜0.4MPaであり、この程度では、シリンダとして必要な押圧力を得ることはできない。
特開平8−28508号公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、水道水を増圧させて使用する水道圧シリンダ、及び水道圧シリンダ装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、水道圧を増圧させて作動する水道圧シリンダであって、圧力水通路を有するピストンに、先端部を除く基端から所定長の部分を筒状に形成したロッドが連結された早送り用の第1シリンダと、前記第1シリンダに対して直列配置され、かつ互いに連通された状態で一体化されて、第1シリンダのロッドの筒状部に自身のロッドが所定の隙間を有して挿入される増圧用の第2シリンダと、第2シリンダの作動により、前記第2シリンダのロッドが第1シリンダのロッドの筒状部に挿入された増圧作動時において、送りポートから流入されて第1シリンダのピストンに作用する圧力水を密封して増圧室を形成する密封手段とを備え、第1シリンダの作動によりロッドを所定位置まで早送りさせた後に、第2シリンダの作動により、前記密封手段により密封された増圧室内の圧力水の圧力を増圧させて遅送りさせる構成であることを特徴としている。
請求項1の作用効果を説明するに当り、以下のように符号を定義する。
Q:水道水の流量
0 :水道水の圧力
1 :増圧室で増圧された圧力
1 :第1シリンダのピストン及びロッドの総受圧面積
21:第2シリンダのピストンの受圧面積
22:第2シリンダのロッドの断面積
1 :第1シリンダのロッドの突出速度
2 :第2シリンダのロッドの突出速度
0 :シリンダの全ストローク
1 :第1シリンダの部分ストローク
2 :第2シリンダの部分ストローク
1 :第1シリンダのピストンの直径
21:第2シリンダのピストンの直径
22:第2シリンダのロッドの直径
F:ロッドの押圧力
早送り時の作用について:
第1シリンダの送りポートから水道水を流入させると、ピストンのリング状の受圧面、及びロッドの筒部の先端の底面である受圧面(この二つの受圧面の和は、ピストンを通常の中実構造にした場合の受圧面積に等しい)に、水道水の圧力がそれぞれ作用して、第1シリンダのロッドは、速度V1 〔=Q/A1 =4Q/(π×D1 2)〕で早送りされる。また、第1シリンダのロッドは、戻しポートからの水道水の排出をON・OFFする方向切換弁がOFFとなった時点で停止されるため、第1シリンダのロッドの早送りの部分ストロークL1 を自在に制御できる。
増圧時の作用について:
第1シリンダが早送り端に達した状態において、水道圧(P0)により第2シリンダを作動させると、密封手段により第1シリンダ内に形成された増圧室内の圧力(P1)は、〔P0 ×(A21/A22)=P0 ×(D21/D22)2〕となって増圧されると共に、第1シリンダのロッドは、〔V1 ×(A22/A1)=V1 ×(D22/D1)2 〕の速度で遅送りされる。そして、シリンダのロッド(第1シリンダのロッドと同じ)の前進端においては、〔P1 ×A1 =P0 ×(A1 ×A21/A22)〕の押圧力Fで被加工物が押圧される。また、第2シリンダのロッドは、戻しポートからの水道水の排出をON・OFFする方向切換弁がOFFとなった時点で停止されるので、増圧状態であるシリンダ全体の加圧時(作業時)における第1シリンダの遅送りの部分ストロークL2 を自在に制御できる。
早戻り時の作用について:
加工終了後においては、第1及び第2の各シリンダの各戻しポートに水道水を同時に流入させて、第2シリンダのロッドが戻った後には、第1シリンダのロッドは、早戻りされる。
シリンダのストロークについて:
シリンダ全体の全ストロークL0 は、(L1 +L2)となって、第1及び第2の各シリンダの送りポート、及び戻しポートに連結されている方向切換弁の制御によって、シリンダ全体の全ストロークL0(=L1 +L2)を自在に変更できる。また、シリンダ全体の全ストロークL0 が一定の場合でも、シリンダの加圧力を利用する作業の種類によって、第1及び第2の各シリンダによる部分ストロークL1,L2 を自在に分配して、作業目的を達成できる。例えば、全ストロークL0 のうち早送りの部分ストロークL1 の割合を大きくすると、シリンダの1往復に要する時間を短くできる。
ここで、圧力媒体として、空気圧と油圧とを併用したプランジャー方式の増圧シリンダでは、ロッドに別途「ストッパー」を設けない限り、シリンダのロッド(第1シリンダのロッド)の突出端位置の制御を行えないが、請求項1の発明に係る水道圧シリンダによれば、前記制御を行える点が、両シリンダの決定的な差異である。この結果、請求項1の発明に係る水道圧シリンダによれば、成形空間が開放された形状の下型を用いて、折り曲げ、深絞り等の各種プレス作業を行える。更に、上記プランジャー方式の増圧シリンダは、シリンダ内に圧力媒体を流出入させる通常のシリンダと異なって、圧力媒体の流出入はないため、増圧室内におけるプランジャーの移動量に、増圧比(増圧室の最大受圧面積/プランジャーの断面積)の逆比を乗じたものとなって、ストロークは極めて小さくなる。この点において、当然のことながら、請求項1の発明に係る水道圧シリンダでは、第1シリンダのみの作動によるピストンの移動により、大きな部分ストロークを確保できるため、加圧源を必要とする作業の範囲が著しく広くなる。例えば、曲げ、深絞り等のプレス成形においては、下型に対して上方への抜き空間を確保する必要があり、請求項1の発明に係る水道圧シリンダによれば、上記抜き空間が十分に確保されるストロークを確保できる。この点、上記プランジャー方式の増圧シリンダでは、ロッドの移動量を大きくできないため、上記プレス作業を行うのは難しい。
圧力媒体が水道水であることに起因する特有の効果:
次に、圧力媒体が水道水であることに起因する特有の効果を、油圧シリンダとの対比で説明する。(1)水圧機のように、パスカルの原理を主体にした液体増圧原理のみによって、小さな水道圧を増圧しているために、油圧シリンダにおける油圧ポンプの運転時の連続騒音等が一切なく、静かな環境において静粛に運転を行える。(2)圧力媒体として容易に得られる水道水を利用しているため、請求項1の発明の水道圧シリンダを使用したプレス装置等の各種装置の設置場所の制約は殆どないと共に、使用後の水道水は、そのまま排水しても環境保全上問題とならないため、使用済の圧力媒体の処理が簡単である。(3)圧力媒体が水道水であって、電気等の火災の発生の原因となるものを一切使用していないので、火災の発生の恐れが全くない。(4)駆動源として、電気を必要とするモータ、石油資源を必要とするエンジン等と異なって、蓄積された雨水等の水位差により自然に発生する「水道圧」を利用しているために、モータ、エンジン等と異なって駆動源を得るために環境を破壊する恐れがない(環境保全に寄与する)と共に、コストの面からも低廉なエネルギーである。
請求項2の発明は、請求項1の発明を前提として、前記密封手段は、第1及び第2の各シリンダの接続部に形成された第2シリンダのロッドの挿通孔の内周面に設けられたパッキンであって、前記パッキンは、前記挿通孔の内周面に形成された環状のパッキン挿入溝の奥側に挿入配置される弾性を有するOリングと、該Oリングの外側に挿入配置される耐磨耗性の高い材質から成る摺動リングとから成ることを特徴としている。
増圧室の密封手段が、Oリングと摺動リングとが半径方向に沿って内外二重配置されたパッキンにより構成されているため、多数回の使用によっても、第2シリンダのロッドと摺動する摺動リングの磨耗が少ない。また、シール機能は弾性変形を行うOリングが司っていて、このOリングは、シール溝の底面と摺動リングの間に介装されているために、シールのために弾性変形と原形状への復元を繰り返しても、ロッドの摺動によりシール溝から抜け出る恐れはない。この結果、請求項2の発明によれば、増圧室の密封手段が、Oリングと摺動リングとが半径方向に沿って内外二重配置されたパッキンという簡単な構成でありながら、長期間に亘って安定してシール作用を果たす。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明を前提として、第1及び第2の各シリンダの各ポートに接続された各方向切換弁は、逆止弁を用いた構成であることを特徴としている。逆止弁を用いた方向切換弁とは、逆止弁を強制的に開いて、逆止弁の通常の流通方向と逆方向に圧力媒体を流すと共に、逆止弁を閉じて圧力媒体の流通を停止させる構成のものをいう。このため、スプールの移動により複数のポートの切換えを行う「スプール方式」の方向切換弁に比較して、圧力媒体の漏れが殆どなくなる。この結果、ロッドの突出停止位置の停止精度を高めることができて、例えば、プレス作業を行う場合には、プレス成形品の成形精度が高められる。
請求項4の発明に係る水道圧シリンダ装置は、水道圧源と、請求項1に記載の水道圧シリンダと、前記水道圧源と前記水道圧シリンダの各ポートとを接続する各管路に組み込まれた必要個数の方向切換弁と、前記水道圧シリンダのロッドの中間停止位置及び突出端停止位置を定めるために、シリンダ本体に装着された各停止位置決めセンサとを備えていることを特徴としている。請求項4の発明は、請求項1に記載の水道圧シリンダを使用した水道圧シリンダ装置である。このため、請求項1の発明と同一の作用効果が奏される。
請求項5の発明は、請求項4の発明を前提として、水道圧シリンダを構成する第1及び第2の各シリンダの戻しポートには、1本の前記管路が途中で分岐されてそれぞれ接続され、第1及び第2の各シリンダの各ロッドは、同時に戻る構成であることを特徴としている。第1シリンダのロッドが戻る際には、第2シリンダのロッドは抵抗となるために、第2シリンダのロッドが後退した長さに追従して、第1シリンダのロッドが戻るように、水道水の流量は、1本の管路から2つの戻しポートに自動的に分配されるため、最短時間で、シリンダのロッドを戻すことができる。
本発明は、水道圧を増圧させて作動する水道圧シリンダであって、圧力水通路を有するピストンに、先端部を除く基端から所定長の部分を筒状に形成したロッドが連結された早送り用の第1シリンダと、前記第1シリンダに対して直列配置され、かつ互いに連通された状態で一体化されて、第1シリンダのロッドの筒状部に自身のロッドが所定の隙間を有して挿入される増圧用の第2シリンダと、第2シリンダの作動により、前記第2シリンダのロッドが第1シリンダのロッドの筒状部に挿入された増圧作動時において、送りポートから流入されて第1シリンダのピストンに作用する圧力水を密封して増圧室を形成する密封手段とを備え、第1シリンダの作動によりロッドを所定位置まで早送りさせた後に、第2シリンダの作動により、前記密封手段により密封された増圧室内の圧力水の圧力を増圧させて遅送りさせる構成であることを特徴としている。このため、第1シリンダのロッドが増圧された状態でのストロークを自在に調整できる。換言すれば、前記ロッドの突出端位置を制御することができるため、該水道圧シリンダを使用したプレス装置等の水道圧シリンダ装置において、成形空間が開放された形状の型を用いて、折り曲げ、深絞り等の加工を行うことができる。更に、圧力媒体が水道水であるため、入手が容易であると共に、排出後の処理も容易である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例の水道圧シリンダC1 を用いたプレス装置Eの斜視図、図2は同じく正面図、図3は水道圧シリンダC1 の正面断面図、図4は同じく水圧回路図である。本明細書では、本発明に係る水道圧シリンダC1 をプレス装置Eに使用した場合について説明する。
図1及び図2に示されるように、ベース1の各コーナー部に立設された4本の支柱2により、前記ベース1から一定の高さをおいた上方部分に、支持板3が水平に取付けられている。前記支持板3には、第1実施例の水道圧シリンダC1 が、垂直状態で(即ち、上下の各ロッドRa,Rb の軸心を高さ方向に沿わせた状態で)、しかも、下側ロッドRbの先端部(下端部)を支持板3よりも下方に突出させた形態で取付けられている。下側ロッドRbの先端部には、絞り加工の上型4aが取付けられていて、前記上型4aに対応する下型4bは、ベース1に載置された支持台5に設置されている。水道圧シリンダC1 が作動していない状態で、上下の各型4a,4b の間には、成形品を抜き取るための抜き空間U(図2参照)が形成される。下側ロッドRbが増圧状態で下降して、上型4aが下型4bに入り込むことにより、下型4bに載置された板材6(ブランク)がカップ状に成形される(図7参照)。
第1実施例の水道圧シリンダC1 について説明する。図3に示されるように、第1実施例の水道圧シリンダC1 は、軸方向のほぼ中央部に配置された上側ロッドカバー7の上部に配設された増圧用の上側シリンダCaと、同じく下部に配設された早送り用の下側シリンダCbとから成る。最初に、上側シリンダCaについて説明する。上側シリンダCaは、下側シリンダCbを増圧させるためのものである。上側ロッドカバー7の上部に固着された上側シリンダチューブ8に上側ピストン9が摺動可能にして内装されていて、該上側ピストン9と軸心同一にして上側ロッドRaの基端部が固着されている。上側シリンダチューブ8の開口端は、ヘッドカバー11によって閉塞されている。そして、上側ロッドカバー7とヘッドカバー11とが、タイロッド12により連結されている。前記ヘッドカバー11には、上側ピストン9を下降させる際に、水道水を供給するための上側ピストン送りポート13が設けられている。前記上側ピストン9は、上側ロッドカバー7に設けられた上側ピストン戻しポート14から供給される水道水によって上昇される。なお、上側シリンダチューブ8と上側ロッドカバー7及びヘッドカバー11との間、上側ピストン9の摺動部分にはパッキン又はウエアリングが取付けられていて、上側シリンダ室15内の水密が図られている。以降、本実施例の水道圧シリンダC1 の特徴を説明するために必要なパッキン及びウエアリングについてのみ、番号を付して説明する。
前記上側ピストン9が上昇端位置に配置された状態(上側ピストン9の上面がヘッドカバー11の底面に当接した状態)で、上側ロッドRaの先端部は、上側ロッドカバー7のロッド挿通孔16の上部(上側ロッドカバー7の上面と後述する下側ピストン送りポート17との間の部分)に入り込んでいる。上側ロッドRaの先端部は、ロッド挿通孔16の上部に取付けられた上側ロッドパッキン18とウエアリング19に密着されていて、上側シリンダ室15との水密が図られている。
次に、下側シリンダCbについて説明する。下側シリンダCbは、本実施例の水道圧シリンダC1 のシリンダ本体となって所定位置まで早送りされるものである。図3に示されるように、上側ロッドカバー7の下部に固着された下側シリンダチューブ21に下側ピストン22が摺動可能にして内装されていて、該下側ピストン22と軸心同一にして下側ロッドRbが固着されている。下側シリンダチューブ21の開口端は、下側ロッドカバー23によって閉塞されている。そして、上側ロッドカバー7と下側ロッドカバー23とが、タイロッド24により連結されている。上側ロッドカバー7において、上側ピストン戻しポート14と反対の側には、連通孔25を介してロッド挿通孔16の途中部分に連通する下側ピストン送りポート17が設けられている。そして、上側ロッドカバー7のロッド挿通孔16の下部(下側ピストン送りポート17と上側ロッドカバー7の底面との間の部分)には、下側ロッドパッキン26が取付けられている。図6に示されるように、下側ロッドパッキン26は、断面円形状を呈するOリング26aの内周面に、断面長方形状の摺動リング26bが固着された形態である。本実施例の場合、Oリング26aはニトリルゴムより成り、摺動リング26bは、フッ素樹脂より成る。前記ロッド挿通孔16の下端部には、下側ロッドパッキン26を装着させるための環状のパッキン挿入溝16aが形成されている。該パッキン挿入溝16aに下側ロッドパッキン26が装着されたとき、摺動リング26bの内周面は、ロッド挿通孔16の内周面よりも僅かに突出される。上側ピストン9が下降され、上側ロッドRaの先端部が下側ロッドパッキン26を通過するとき、前記先端部が、下側ロッドパッキン26を構成する摺動リング26bに挿通される。そして、上側ロッドRaの外周面と摺動リング26bの内周面とが密着される。これにより、ロッド挿通孔16における下側ロッドパッキン26の上部(連通孔25)と下部(水封入空間W)との水密が図られる。上側ロッドRaの先端部には、該上側ロッドRaが下側ロッドパッキン26の摺動リング26bにスムーズに挿通されるように、傾斜面27が設けられている。
本実施例の水道圧シリンダC1 の場合、下側ピストン22と下側ロッドRbとは一体に構成されていて、それらの軸心部分には、上側ロッドRaを入り込ませるためのロッド進入孔28が設けられている。また、下側ロッドRbの先端部には、上型4を取付けるための雄ねじ部29が設けられている。前記下側ピストン22は、下側ロッドカバー23に設けられた下側ピストン戻しポート31から下側シリンダ室32に供給される水道水によって上昇される。
前記下側ピストン22が上昇端位置に配置された状態(下側ピストン22の上面が上側ロッドカバー7の底面に当接した状態)で、下側ロッドRbの先端部(下端部)は、支持板3よりも下方に突出されている。下側ロッドRbの先端部で、前記支持板3よりも突出した部分に、連結板33が取付けられている。図1及び図2に示されるように、前記連結板33の先端部には、下側ロッドRbの軸心と平行にしてドッグ取付棒34が立設されていて、前記ドッグ取付棒34の上端部にドッグ34aが取付けられている。また、支持板3の正面部で、前述したドッグ取付棒34と対応する位置には、スイッチ取付板35が取付けられている。該スイッチ取付板35には、高さ方向に所定の間隔をおいて2個のリミットスイッチLS1,LS2 が取付けられている。下側ロッドRbが下降するのに伴い、ドッグ取付棒34も下降する。ドッグ取付棒34に取付けられたドッグ34aが所定ストロークL1 だけ下降すると、上側のリミットスイッチLS1 が作動する。前記下側ロッドRbが、更に所定ストロークL2 だけ下降すると、下側のリミットスイッチLS2 が作動する。これにより、下側ロッドRbの下降端停止位置が定められる。ドッグ取付棒34におけるドッグ34aの取付位置、及び各リミットスイッチLS1,LS2 の作動位置を調整することにより、下側ロッドRbのストロークL1,L2 を調整することができる。
図4に、第1実施例の水道圧シリンダC1 の水圧回路図を示す。水道圧源36(水道の蛇口)に連結された送り管37から分岐された3本の分岐管38,39,41に、逆止弁を用いた各方向切換弁K1 〜K6 が、2個ずつ直列に接続されている。ここで、逆止弁を用いた方向切換弁とは、該方向切換弁に内装されたピン(図示せず)等により、逆止弁を強制的に開いて、逆止弁の通常の流通方向と逆方向に作動流体(水道水)を流すと共に、逆止弁を閉じて作動流体の流通を停止させる構成のものをいう。方向切換弁K1,K2 との間から更に分岐された分岐管42は、上側ロッドカバー7に設けられた下側ピストン送りポート17に接続されている。方向切換弁K3,K4 との間から更に分岐された分岐管43は、更に二方向に分岐され、一方側の管は上側ロッドカバー7に設けられた上側ピストン戻しポート14に接続され、他方側の管は下側ロッドカバー23に設けられた下側ピストン戻しポート31に接続されている。方向切換弁K5,K6 との間から更に分岐された分岐管44は、ヘッドカバー11に設けられた上側ピストン送りポート13に接続されている。各方向切換弁K2,4,6 から排出される水道水は、戻し管45を流れて排水路50に排出される。
ここで、作動流体が油の場合、摺動部分に僅かな隙間があっても、当該隙間に油膜が形成されるため、油が漏れる恐れは少ない。しかし、水(水道水)は、油と比較して粘度が低いため、僅かな隙間であっても漏れてしまう。このため、スプールを摺動させて流路を閉塞する構成の方向切換弁の場合、前記スプールの摺動面から水が漏れてしまう恐れがある。しかし、本実施例の場合、各方向切換弁K1 〜K6 は、逆止弁を用いた方向切換弁であり、スプールが存しない。これにより、各方向切換弁K1 〜K6 における水漏れを殆どなくすことができる。この結果、ロッド(下側ロッドRb)の突出停止位置の停止精度を高めることができて、例えば、プレス作業を行う場合には、プレス成形品の成形精度が高められる。
第1実施例の水道圧シリンダC1 を使用したプレス装置Eの作用を、下側ロッドRbの動作を中心に説明する。図1及び図2に示されるように、ベース1に設けられた支持台5に下型4bが設置されていて、該下型4bに板材6が載置されている。下側ロッドRbの雄ねじ部29には、上型4aが取付けられている。図4及び図5に示されるように、方向切換弁K1,K4 が作動状態(ONの状態)に切り換えられて、下側ピストン送りポート17に水道水が供給される。これにより、下側ピストン22のリング状の受圧面及びロッド進入孔28の底面に水道水の圧力が作用し、下側ロッドRbが下降される。下側シリンダ室32に存していた水道水は、分岐管43を流れ、方向切換弁K4 を介して戻し管45に戻される。そして、上側ロッドカバー7の底面と下側ピストン22の上面との間に、水道水が充満された空間部(水封入空間W)が形成される。図2に示されるように、前記下側ロッドRbと同時に、ドッグ34aも下降される。該ドッグ34aが所定ストロークL1(本実施例の場合、50mm)だけ下降されると、上側のリミットスイッチLS1 を作動させる。これにより、方向切換弁K1 が逆止状態(OFFの状態)に切り換えられ、下側ロッドRbの下降が停止される。前記下側ロッドRbに取付けられた上型4aは板材6の直上で停止される。
続いて、方向切換弁K4 が作動状態のまま、方向切換弁K5 が作動状態に切り換えられる。水道水が分岐管44を流れて、ヘッドカバー11に設けられた上側ピストン送りポート13に供給される。これにより、上側ピストン9の受圧面に水道水の圧力が作用し、上側ロッドRaが下降される。上側シリンダ室15に存していた水道水は、上側ピストン戻しポート14から分岐管43を流れ、方向切換弁K4 を介して戻し管45に戻される。
前記上側ロッドRaの先端部が、下側ロッドパッキン26の摺動リング26bに挿通されると、水封入空間Wが密封される。本実施例の水道圧シリンダC1 では、水封入空間Wの密封手段が下側ロッドパッキン26であり、その構成が極めて簡単である。そして、外側に配置されたOリング26aにより、シールが図られる。しかも、前記Oリング26aが、パッキン挿入溝16aに挿入されているため、該Oリング26aがシールのために弾性変形と原形状への復元を繰り返しても、前記パッキン挿入溝16aから抜け出る恐れはない。また、内側に配置された摺動リング26bは、耐磨耗性の高い材質から成るため、下側ロッドRbとの挿脱が多数回に亘って行われても、磨耗する恐れはない。
上側ロッドRaが下降されると、水封入空間Wに封入されている水道水が加圧され、下側ロッドRbが下降される。図7に示されるように、水封入空間W内の水道水を介して下側ロッドRbが増圧状態で下降される。ここで、下側ピストン22及び下側ロッドRbの総受圧面積(下側ピストン22のリング状の受圧面と下側ロッドRbの筒部の先端の底面である受圧面との和)をA1 、上側ピストン9の上面に作用する水道水の圧力をP0 、増圧されて上側ロッドRaの先端面に作用する圧力をP1 、上側ピストン9の受圧面積をA21、上側ロッドRaの断面積をA22とする。上側ロッドRaが下降されているとき、力のバランス状態が保持されるため、A21×P0 =A22×P1 である。この式より、P1 =P0 ×(A21/A22)である。即ち、上側ロッドRaの先端部には、上側ピストン9に作用する水道水の圧力P0 が、増圧比(A21/A22) だけ増圧された状態で作用する。本実施例の場合、上側ピストン9の直径(D21)が100mm、上側ロッドRaの直径(D22)が32mmであるため、(1002 ×π/4)÷(322 ×π/4)≒9.77より、増圧比は(9.77)である。
また、上側ロッドRaの下降速度をV2 とすると、上側ロッドRaが下降することによって、単位時間当りに排除される水の量Q2 は、Q2 =A22×V2 である。下側ロッドRbの下降速度をV1 とすると、上側ロッドRaが水封入空間Wに進入することにより、下側ロッドRbが下降されたときに単位時間当りに増大する水封入空間Wの大きさ、即ち、水封入空間Wに入り込む水の量Q1 は、Q1 =A1 ×V1 である。ここで、Q1 =Q2 であるため、A22×V2 =A1 ×V1 が成立する。これより、V1 =V2 ×(A22/A1 )である。本実施例の場合、上側ロッドRaの直径(D22)が32mm、下側ピストン22の直径(D1)が100mmであるため、A22/A1 =(322 ×π/4)÷(1002 ×π/4)≒0.1。これより、下側ロッドRbの下降速度V1 は、上側ロッドRaの下降速度V2 の約10分の1である。このため、下側ロッドRbをストローク20mmだけ下降させるためには、上側ロッドRaを約196mm下降させる必要がある。
上型4aが板材6に絞り加工を施しながら、下型4bに進入する。このときの下側ロッドRbの押圧力Fは、F=P1 ×A1 =P0 ×(A1 ×A21/A22)である。ここで、水道水の圧力を(0.2MPa)とすると、下側ピストン22の直径(D1)が100mm、上側ピストン9の直径(D21)が100mm、上側ロッドRaの直径(D22)が32mmであるため、増圧室(水封入空間W)の圧力(P1)は、(A21/A22)×P0 =(1.96MPa)であり、下側シリンダCbの下側ピストン22及び下側ロッドRbの総受圧面積は、π(D1)2 /4=(0.79×10-2)m2 である。従って、下側ロッドRbの押圧力Fは、F=P1 ×A1 =〔1.96×(0.79×10-2)〕MN≒15.5kNとなる。板材6は、上下の各型4a,4b により絞り加工され、カップ状の成形品6aが形成される。前記成形品6aは、下側ロッドRbが戻されて形成される抜き空間Uを介して抜き取られる。
前記上側ロッドRaは、下側ピストン22及び下側ロッドRbの軸心部分に設けられたロッド進入孔28に進入されるため、高速で下降される上側ロッドRaの先端部が、低速で下降される下側ピストン22に衝突する恐れはない。
下側ロッドRbが所定ストロークL2 だけ下降されると、下側のリミットスイッチLS2 が作動される。これにより、各方向切換弁K4,5 が逆止状態に切り換えられ、各方向切換弁K2,K3,6 が作動状態に切り換えられる。分岐管41を介して上側ピストン戻しポート14と下側ピストン戻しポート31に水道水が供給され、上側ピストン送りポート13と下側ピストン送りポート17から、水道圧シリンダC1 内に存する水道水が排出される。このときの水道水の流量は、分岐管41から更に分岐されて、各戻しポート14,31に自動的に分配されるため、上下の各ロッドRa,Rb は最短時間で戻される。上下の各ロッドRa,Rb が上昇端位置に配置されると、最初の工程(図3の状態)に戻って次の加工が行われる。
上記した下側ロッドRbの下降量をグラフに示す。図9に示されるように、最初に所定ストロークL1(本実施例の場合、50mm)だけ高速で下降されて、いったん停止される。上側ロッドRaが、上側ロッドパッキン18から下側ロッドパッキン26の間を下降される間(図6参照)、水封入空間Wの水道水が僅かに加圧されるため、下側ロッドRbも僅かに下降される。上側ロッドRbが、下側ロッドパッキン26に挿通されて水封入空間Wの水道水が密封状態になると、前記下側ロッドRbは増圧された状態で所定ストロークL2(本実施例の場合、20mm)だけ下降される。加工終了後、下側ロッドRbは、上側ロッドRaが上昇した距離に追従して低速で上昇され、上側ロッドRaが戻った後は、水封入空間Wが開放されるため高速で上昇される。
本実施例の水道圧シリンダC1 の場合、下側ロッドRbの全ストロークL0 は80mmであり、そのうち、増圧状態でのストロークL2 は20mmである。本明細書に記載した実施例のプレス装置Eでは、最初に下側ロッドRbが50mm下降され、増圧状態で20mm下降される。このため、下側ロッドRbが下降端位置に配置された状態で、下側ピストン22と下側ロッドカバー23との間に10mmの隙間e(図7参照)が形成されている。そして、前記各ストロークL1,L2 は、上下の各リミットスイッチLS1,LS2 によって検出される。換言すれば、各リミットスイッチLS1,LS2 の取付位置を調整することにより、各ストロークL1,L2 を調整可能である。例えば、下側ロッドRbの最初のストロークL1 は、60mm以内の範囲で調整可能である。これにより、プレス装置Eにおいて、成形品に対応する大きさ(高さ)の抜き空間Uを確保できる。
上記したように、本発明に係る水道圧シリンダC1 では、下側ロッドRbの増圧状態でのストロークL2 を自在に調整可能である。ここで、従来のプランジャー方式の増圧シリンダでは、ロッドに、別途ストッパーを設けない限り、ストロークを規制することができない。このため、常にストロークを一定にしなければならない加工(例えば、底部が開放されている下型を使用しての絞り加工)に対して、従来のプランジャー方式の増圧シリンダを使用することは困難である。これに対して、本発明に係る水道圧シリンダC1 では、増圧状態における下側ロッドRbのストロークL2 を常に一定に保持させることができるため、成形空間が開放された形状の下型4bを使用して、板材6の折り曲げ、深絞り等の各種プレス作業を行うことができる。
更に、従来のプランジャー方式の増圧シリンダでは、シリンダ内に作動流体を流出入させる通常のシリンダと異なって、作動流体の流出入はないため、増圧室内におけるプランジャーの移動量に、増圧比(増圧室の最大受圧面積/プランジャーの断面積)の逆比を乗じたものとなって、ストロークは極めて小さくなる。しかしながら、本実施例の水道圧シリンダC1 では、下側ピストン22のみを移動させることにより、大きなストロークL1 を確保できるため、加圧源を必要とする作業の範囲が著しく広くなる。例えば、曲げ、深絞り等のプレス成形においては、下型に対して上方への抜き空間を確保する必要があるが、本実施例の水道圧シリンダC1 によれば、上記抜き空間を十分に確保できる。この点、上記プランジャー方式の増圧シリンダでは、ロッドのストロークを大きくできないため、上記プレス作業を行うのは難しい。
本発明に係る水道圧シリンダC1 は、上下の各シリンダ室15,32及び水封入空間Wに、常に水が充満された状態で使用される。このため、水道圧シリンダC1 の下側ロッドRbを、下方に突出させる形態だけでなく、上方に突出させる形態で使用することができる。更に、垂直状態だけでなく、水平状態、或いは斜め状態でも使用することができる。これにより、本発明に係る水道圧シリンダC1 を、多数の用途に亘って使用することができる。
次に、第2実施例の水道圧シリンダC2 について説明する。なお、第1実施例の水道圧シリンダC1 と同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なる点のみを説明する。図10は第2実施例の水道圧シリンダC2 の水圧回路図、図11は水道圧シリンダC2 の正面断面図、図12は図11のX−X線断面図である。図10及び図11に示されるように、第2実施例の水道圧シリンダC2 では、下側ロッドパッキン26の代りに、分岐管42にパイロット機能付きの逆止弁46が設けられている。前記逆止弁46に設けられた下側ピストン送りポート47から供給される水道水は、逆止弁46内の流路48(図12参照)、及び上側ロッドカバー49に設けられた下側連通路51を流れて、下側ピストン22を下降させる。また、上側ピストン戻しポート52から供給され、上側連通路53を流れる水道水により、上側ピストン9が戻される。上昇端位置における上側ロッドRaの先端部は、上側ロッドカバー49に取付けられたロッドパッキン54に密着状態で挿通されているため、上側シリンダ室15内の水とロッド進入孔28内の水は非連通状態である。
逆止弁46の構成について説明する。図12に示されるように、逆止弁46は、上側ロッドカバー49に固着されていて、下側ピストン送りポート47と連通する流路48の一方側にボール55が配設され、他方側にパイロットピストンピン56が配設されている。そして、流路48におけるボール55の側は、下側連通路51と連通され、パイロットピストンピン56の側は、上側連通路53と連通されている。上側シリンダ室15内の水道水の圧力が所定値を超えると、上側連通路53を介してパイロット圧P2 が作用した水道水が流れ、パイロットピストンピン56が摺動される。前記ボール55は、圧縮ばね57によって常に流路48の端部に押し付けられていて、該流路48を閉塞している。前記パイロット圧P2 が作用した水道水によりパイロットピストンピン56を摺動させようとする力(F2)が、ボール55を押圧している圧縮ばね57の弾性復元力(F1)と、水封入空間Wに存する水道水の圧力P0 により、ボール55を流路48の端部に押し付ける力(F0)との和よりも大きくなると(F2 >F1 +F0)、パイロットピストンピン56が摺動される。そして、圧縮ばね57の弾性復元力に抗してボール55が押し下げられて流路48が開放され、水封入空間Wに封入されていた水道水は、下側連通路51から流路48を流れて戻し管45(図10参照)に戻される。図12において、パイロットピストンピン56が摺動して、ボール55が押し下げられた状態を二点鎖線で示す。これにより、作業終了後の下側ピストン22を迅速に戻すことができ、1サイクルに要する時間を短くできる。なお、図12において、58は圧縮ばね57を保持するための押えボルトであり、59は、流路48におけるパイロットピストンピン56の側を閉塞するための押えボルトである。
第2実施例の水道圧シリンダC2 の場合、逆止弁46によって水封入空間Wに封入された水道水が密封される。このため、上側ロッドRaが下降されると同時に、前記水封入空間W内の水が加圧され、下側ロッドRbが増圧状態で下降される。このため、下側ロッドRbの増圧状態でのストロークL2 をそのままにして、上側ロッドRbのストロークを短くできる。即ち、前記ストロークL2 を確保したまま、水道圧シリンダC2 の全長を短くすることができる。
上記した各実施例の水道圧シリンダC1,C2 では、2方向2位置の各方向切換弁K1 〜K6 を使用して水圧回路を構成しているが、4方向3位置の方向切換弁及び3方向3位置の方向切換弁(いずれも図示せず)を使用して水圧回路を構成することもできる。これにより、必要な方向切換弁の数を少なくできるという利点がある。しかし、上記した4方向3位置の方向切換弁、及び3方向3位置の方向切換弁は、いずれもスプール構造のものであり、当該スプールの摺動部分から水道水が漏れてしまう恐れがある。これに対し、本実施例の各方向切換弁K1 〜K6 は、逆止弁を用いた方向切換弁であるため、当該逆止弁の部分から水道水が漏れる恐れは殆どなく、下側ロッドRbの突出停止位置の停止精度が高められる。
上記した第1及び第2の各実施例の水道圧シリンダC1,C2 の場合、いずれも作動流体として水道水を使用している。このため、油圧シリンダと比較すると、該油圧シリンダを作動させる油圧ポンプが不要となり、油圧ポンプの作動時の連続騒音等が一切なくなり、静かな環境において静粛に運転を行える。また、水道水の入手が容易であると共に、環境を汚染する恐れがないため、排出後の処理も容易である。更に、火災の恐れは全くない。また、空気圧と油圧とを併用した増圧シリンダと比較すると、水(水道水)は非圧縮性を有するので、ロッドの停止精度を遥かに高くすることができる。
本発明の第1実施例の水道圧シリンダC1 を用いたプレス装置Eの斜視図である。 同じく正面図である。 水道圧シリンダC1 の正面断面図である。 同じく水圧回路図である。 下側ロッドRbが下降した状態の作用説明図である。 上側ロッドRaが下降して下側ロッドパッキン26と密着される状態(逆流防止状態)の作用説明図である。 上側ロッドRaが更に下降して、水封入空間W内の水道水が加圧されることにより、下側ロッドRbが増圧して下降される状態の作用説明図である。 上下の各ロッドRa,Rb が上昇される状態の作用説明図である。 1サイクルにおける下側ロッドRbの下降量を示すグラフである。 第2実施例の水道圧シリンダC2 の水圧回路図である。 水道圧シリンダC2 の正面断面図である。 図11のX−X線断面図である。
符号の説明
1,C2 :水道圧シリンダ
Ca:上側シリンダ(第2シリンダ)
Cb:下側シリンダ(第1シリンダ)
E:プレス装置(水道圧シリンダ装置)
1 〜K6 :方向切換弁
LS1,LS2 :リミットスイッチ(停止位置決めセンサ)
Ra:上側ロッド(第2シリンダのロッド)
Rb:下側ロッド(第1シリンダのロッド)
W:水封入空間(増圧室)
7:上側ロッドカバー(第1及び第2の各シリンダの接続部)
9:上側ピストン(第2シリンダのピストン)
13:上側ピストン送りポート
14:上側ピストン戻しポート
16:ロッド挿通孔(第2シリンダのロッドの挿通孔)
16a:パッキン挿入溝
17:下側ピストン送りポート(送りポート)
22:下側ピストン(第1シリンダのピストン)
26:下側ロッドパッキン(密封手段)
26a:Oリング
26b:摺動リング
28:ピストン進入孔(筒状部)
31:下側ピストン戻しポート
36:水道圧源
37:送り管(管路)
43:分岐管(管路)
45:戻し管(管路)
46:逆止弁(密封手段)

Claims (5)

  1. 水道圧を増圧させて作動する水道圧シリンダであって、
    圧力水通路を有するピストンに、先端部を除く基端から所定長の部分を筒状に形成したロッドが連結された早送り用の第1シリンダと、
    前記第1シリンダに対して直列配置され、かつ互いに連通された状態で一体化されて、第1シリンダのロッドの筒状部に自身のロッドが所定の隙間を有して挿入される増圧用の第2シリンダと、
    第2シリンダの作動により、前記第2シリンダのロッドが第1シリンダのロッドの筒状部に挿入された増圧作動時において、送りポートから流入されて第1シリンダのピストンに作用する圧力水を密封して増圧室を形成する密封手段と、
    を備え、
    第1シリンダの作動によりロッドを所定位置まで早送りさせた後に、第2シリンダの作動により、前記密封手段により密封された増圧室内の圧力水の圧力を増圧させて遅送りさせる構成であることを特徴とする水道圧シリンダ。
  2. 前記密封手段は、第1及び第2の各シリンダの接続部に形成された第2シリンダのロッドの挿通孔の内周面に設けられたパッキンであって、
    前記パッキンは、前記挿通孔の内周面に形成された環状のパッキン挿入溝の奥側に挿入配置される弾性を有するOリングと、該Oリングの外側に挿入配置される耐磨耗性の高い材質から成る摺動リングとから成ることを特徴とする請求項1に記載の水道圧シリンダ。
  3. 第1及び第2の各シリンダの各ポートに接続された各方向切換弁は、逆止弁を用いた構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水道圧シリンダ。
  4. 水道圧源と、請求項1に記載の水道圧シリンダと、前記水道圧源と前記水道圧シリンダの各ポートとを接続する各管路に組み込まれた必要個数の方向切換弁と、前記水道圧シリンダのロッドの中間停止位置及び突出端停止位置を定めるために、シリンダ本体に装着された各停止位置決めセンサとを備えていることを特徴とする水道圧シリンダ装置。
  5. 水道圧シリンダを構成する第1及び第2の各シリンダの戻しポートには、1本の前記管路が途中で分岐されてそれぞれ接続され、第1及び第2の各シリンダの各ロッドは、同時に戻る構成であることを特徴とする請求項4に記載の水道圧シリンダ装置。
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