JP2007044614A - 意匠性建材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
意匠性、耐候性及び耐水性に優れた建材を、簡便に効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
建材表面に、架橋された親水性樹脂粒子を含有する塗膜を施し、次いで該塗膜表面に、結合剤を実質的に含まない水系インクを吐出し、150〜600DPIの解像度で建材の着色及び又は模様付けを行う。
意匠性、耐候性及び耐水性に優れた建材を、簡便に効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
建材表面に、架橋された親水性樹脂粒子を含有する塗膜を施し、次いで該塗膜表面に、結合剤を実質的に含まない水系インクを吐出し、150〜600DPIの解像度で建材の着色及び又は模様付けを行う。
Description
本発明は、意匠性、耐候性、耐水性及び製造効率に優れた意匠性建材の製造方法に関する。
従来より建築建材に対しては、高い意匠性が求められており、これらの意匠としては単一色である場合や、例えば煉瓦、大理石、御影石、タイル等の建築資材を模した模様付けを行ったもの等、用途、性能等に応じて様々なものが生産・流通している。これら建材に対して意匠を付与させる方法としては、主として塗装が採用されており、その塗装方法に関しては様々なものが採用されてきた。
上記塗装の一方法としてインクジェットプリンターを用いる技術がある(特許文献1及び2)。建材の印刷にインクジェットプリンターを用いる利点としては、対象物に非接触の状態でインクを吐出する方式をとっているため、凹凸を有する建材に対しても印刷することが可能であり、更にフルカラーの印刷が可能なインクジェットプリンター(以下、これをフルカラーインクジェットプリンターという。)を用いることで、所望の模様や単一色の印刷を、色替えせずに行うことができると考えられてきている。
インクジェット用インクの色材は、染料から顔料へと転換しつつある。しかし、水性顔料インクは印刷像の印字濃度が未だ不十分であり、また顔料の分散安定性が不十分でインクジェット用インクとして用いた場合にヘッドで目詰まりを起こすなど問題があった。これを解決するために、インクジェット用インクとして樹脂等の結合剤を含む水性インク組成物を使用する技術(特許文献2)が存在した。
さらに、本来塗膜に求められる性能は、水や酸素のような建材劣化因子を遮断することを第一の目的としているため、塗膜の表面状態は必然的に密なものとなる。表面状態が密な塗膜に対してインクを吐出すると、吐出されたインクのドット液滴が塗膜に吸収されることなく、その表面で広がることから、緻密な画像を描くことはまず不可能であるという問題があった。これを解決するために塗膜のインク吸収性を向上させるために、吸油量の高い無機充填剤を下地塗料中に配合する技術が提案されている(特許文献2)。
上記塗装の一方法としてインクジェットプリンターを用いる技術がある(特許文献1及び2)。建材の印刷にインクジェットプリンターを用いる利点としては、対象物に非接触の状態でインクを吐出する方式をとっているため、凹凸を有する建材に対しても印刷することが可能であり、更にフルカラーの印刷が可能なインクジェットプリンター(以下、これをフルカラーインクジェットプリンターという。)を用いることで、所望の模様や単一色の印刷を、色替えせずに行うことができると考えられてきている。
インクジェット用インクの色材は、染料から顔料へと転換しつつある。しかし、水性顔料インクは印刷像の印字濃度が未だ不十分であり、また顔料の分散安定性が不十分でインクジェット用インクとして用いた場合にヘッドで目詰まりを起こすなど問題があった。これを解決するために、インクジェット用インクとして樹脂等の結合剤を含む水性インク組成物を使用する技術(特許文献2)が存在した。
さらに、本来塗膜に求められる性能は、水や酸素のような建材劣化因子を遮断することを第一の目的としているため、塗膜の表面状態は必然的に密なものとなる。表面状態が密な塗膜に対してインクを吐出すると、吐出されたインクのドット液滴が塗膜に吸収されることなく、その表面で広がることから、緻密な画像を描くことはまず不可能であるという問題があった。これを解決するために塗膜のインク吸収性を向上させるために、吸油量の高い無機充填剤を下地塗料中に配合する技術が提案されている(特許文献2)。
しかし、特許文献2の技術では、前述したような問題が十分に解決されなかった。
第一に、高画質による印刷を可能とするためにインクの吐出口の口径を小さくしようとすると、インクの吐出口でインクが乾燥し、インクジェットノズルにインクが詰まるという問題があった。
第二に、上記吸油量の高い無機充填剤には、一般的にシリカゲル等の無機多孔質粒子が使用されるが、このような無機多孔質粒子を使用した場合、無機多孔質粒子の配合量を増やすと、インクの吸収性能は向上するが、インクに配合した色素成分までもが吸収され過ぎるため、着色濃度が低下し、高画質の画像を形成させることが困難になるなど問題となっていた。一方、無機多孔質粒子の配合量を減らすと、インクの吸収性が低下し、インクのにじみが起こり、高画質の画像を形成させることが困難となる問題があった。
また、インクのにじみを充分に防止するために、吸油量の高い無機粒子を多量に配合すると、塗膜の乾燥過程で生ずる硬化収縮力が大きくなり、塗膜に亀裂が発生しやすくなる問題が生じ、さらには建材に必要とされる耐水性も充分に確保出来ない問題が生じた。
従って、本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、上記インクジェットノズルにインクが詰まりやすいという問題及び塗膜の成膜性、耐水性、及び色素成分に対する吸収性とのバランスの不具合の問題を解消した150〜600DPIの解像度で着色及び/又は模様付けを行う意匠性建材の製造方法を提供することを目的とする。
第一に、高画質による印刷を可能とするためにインクの吐出口の口径を小さくしようとすると、インクの吐出口でインクが乾燥し、インクジェットノズルにインクが詰まるという問題があった。
第二に、上記吸油量の高い無機充填剤には、一般的にシリカゲル等の無機多孔質粒子が使用されるが、このような無機多孔質粒子を使用した場合、無機多孔質粒子の配合量を増やすと、インクの吸収性能は向上するが、インクに配合した色素成分までもが吸収され過ぎるため、着色濃度が低下し、高画質の画像を形成させることが困難になるなど問題となっていた。一方、無機多孔質粒子の配合量を減らすと、インクの吸収性が低下し、インクのにじみが起こり、高画質の画像を形成させることが困難となる問題があった。
また、インクのにじみを充分に防止するために、吸油量の高い無機粒子を多量に配合すると、塗膜の乾燥過程で生ずる硬化収縮力が大きくなり、塗膜に亀裂が発生しやすくなる問題が生じ、さらには建材に必要とされる耐水性も充分に確保出来ない問題が生じた。
従って、本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、上記インクジェットノズルにインクが詰まりやすいという問題及び塗膜の成膜性、耐水性、及び色素成分に対する吸収性とのバランスの不具合の問題を解消した150〜600DPIの解像度で着色及び/又は模様付けを行う意匠性建材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、建材に対してインクジェットプリンターで印刷を行う場合、(1)使用されるプリンターの微細なノズル孔からのインク吐出安定性の課題は、インク中に結合剤を実質的に含ませないことにより、また、(2)被印刷面へのインクの塗着精度確保の課題は、被印刷面を一定の性状にすることにより、解決され、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、建材表面に、架橋された親水性樹脂粒子を含有する塗膜を施す工程、及び上記塗膜に、結合剤を実質的に含まない水系インクを吐出する工程を含み、150〜600DPIの解像度で着色及び/又は模様付けを行うことを特徴とする意匠性建材の製造方法に関する。
即ち、本発明は、建材表面に、架橋された親水性樹脂粒子を含有する塗膜を施す工程、及び上記塗膜に、結合剤を実質的に含まない水系インクを吐出する工程を含み、150〜600DPIの解像度で着色及び/又は模様付けを行うことを特徴とする意匠性建材の製造方法に関する。
本発明の意匠性建材の製造方法によれば、インクジェットノズルのインク詰まりが生じず、また塗膜の吸水性及び色素成分に対する吸収性のバランスの不具合が解消し、150〜600DPIの解像度の高画質の画像をにじみなく形成することが可能になる。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、必要に応じてシーラーを施した建材に対して、後述する被印刷面を形成する塗料(この塗料を以下、「被印刷面形成塗料」、及び当該塗料を塗装して形成させた塗膜を以下「被印刷面形成塗膜」という。)を塗装し、次いで、インクジェットプリンターにて水系インクを吐出して、着色や模様付けを行い、更に必要に応じてクリアー塗料を塗装して仕上げる工程をとる方法である。
本発明は、必要に応じてシーラーを施した建材に対して、後述する被印刷面を形成する塗料(この塗料を以下、「被印刷面形成塗料」、及び当該塗料を塗装して形成させた塗膜を以下「被印刷面形成塗膜」という。)を塗装し、次いで、インクジェットプリンターにて水系インクを吐出して、着色や模様付けを行い、更に必要に応じてクリアー塗料を塗装して仕上げる工程をとる方法である。
(本発明で塗装される建材)
本発明が適用される建材は、従来より住宅で用いられている建材のいずれをも用いることが可能であり、フレキシブルボードや、ケイ酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機建材、アルミや、鉄、ステンレス等の金属建材等が代表的なものとしてあげられる。これらはその表面が平滑なものであっても、凹凸形状を有するものであってもよい。
本発明が適用される建材は、従来より住宅で用いられている建材のいずれをも用いることが可能であり、フレキシブルボードや、ケイ酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機建材、アルミや、鉄、ステンレス等の金属建材等が代表的なものとしてあげられる。これらはその表面が平滑なものであっても、凹凸形状を有するものであってもよい。
(シーラー)
シーラーの組成
本発明で任意に使用するシーラーは、建材への付着性確保や保護性向上の目的として、従来から建材の製造に用いられている、いずれのシーラーを用いることも可能である。但し、前述のように、建材表面の吸水性が一定ではなく、インクを吐出した際の意匠性が低下するような場合には、塗膜の吸水量が0.1〜10.0g/m2となるようなシーラーを用いることが好ましい。尚、吸水量の測定方法は後述の方法により行う。
シーラーは、結合剤、溶媒からなり、必要に応じて、充填剤、添加剤等を配合することが可能である。
上記結合剤としては、従来からシーラーに用いられてきた、結合剤であれば各種の結合剤を用いることが可能であり、代表的なものとしては、例えば、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、無機系樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記溶媒としては、従来からシーラーで用いられているいずれの溶媒を用いることが可能であり、これらの代表的なものとしては、芳香族系炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等、酢酸エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等、ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、アルコール類、例えば、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等、さらには各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してよい。
上記充填剤としては、例えば酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機系着色顔料:フタロシアニンブルー、カーミンFB、ハンザイエロー等の有機系着色顔料:タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質顔料が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、分散剤、成膜助剤、増粘剤等を必要に応じて配合することが可能であり、シーラーの配合、目的等に応じて適宜変化させることが可能である。
シーラーの組成
本発明で任意に使用するシーラーは、建材への付着性確保や保護性向上の目的として、従来から建材の製造に用いられている、いずれのシーラーを用いることも可能である。但し、前述のように、建材表面の吸水性が一定ではなく、インクを吐出した際の意匠性が低下するような場合には、塗膜の吸水量が0.1〜10.0g/m2となるようなシーラーを用いることが好ましい。尚、吸水量の測定方法は後述の方法により行う。
シーラーは、結合剤、溶媒からなり、必要に応じて、充填剤、添加剤等を配合することが可能である。
上記結合剤としては、従来からシーラーに用いられてきた、結合剤であれば各種の結合剤を用いることが可能であり、代表的なものとしては、例えば、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、無機系樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記溶媒としては、従来からシーラーで用いられているいずれの溶媒を用いることが可能であり、これらの代表的なものとしては、芳香族系炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等、酢酸エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等、ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、アルコール類、例えば、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等、さらには各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してよい。
上記充填剤としては、例えば酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機系着色顔料:フタロシアニンブルー、カーミンFB、ハンザイエロー等の有機系着色顔料:タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質顔料が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、分散剤、成膜助剤、増粘剤等を必要に応じて配合することが可能であり、シーラーの配合、目的等に応じて適宜変化させることが可能である。
シーラーの塗装方法
上記建材に対しては、建材を保護するためのシーラーを、あらかじめ塗装することができる。シーラーの塗装方法は、従来から塗料を塗装する際に採用されているいずれの方法も使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。
上記シーラーの塗装方法、塗布量等は、選択する建材、又はシーラーの種類により適宜変更することが可能である。特に無機建材を対象とする場合においては、固形分換算で20〜75g/m2の範囲で塗装することが好ましく、30〜60g/m2の範囲で塗装することがより好ましい。20g/m2より少ないと、製造した建材の耐久性が低下する傾向にある。一方75g/m2より多いと、乾燥に要する時間が長くなり、或いは建材の保護性の向上が期待できず、コスト的に不利となる傾向にある。また、上記シーラーに替えて、被印刷面形成塗料を塗装し、さらに被印刷面形成塗料を塗り重ねることも可能である。
シーラー層の吸水量
より高画質の画像を高い先鋭性で得るためには、吸水量0.1〜10.0g/m2のシーラー層を施すことがより好ましい。尚、吸水量の測定方法については後述する。使用する建材の表面に素穴が多い場合や、素穴の分布にばらつきがある場合には、被印刷面形成塗膜表面の吸水量が均一とならない場合が生じる。このような場合に、上記インクを吐出して模様付けを行うと、部分的に画像が不鮮明となる箇所が生じ、意匠性建材の意匠性が全体として低下する場合が生じる。これに対して、上記特定吸水量を有するシーラー層を形成することで、使用する建材の種類を問わず、被印刷面形成塗膜の吸水量を一定範囲に収める事が出来、結果として意匠性建材の意匠性を向上させることが可能となる。また、意匠性建材の耐久性を向上させる効果にも寄与する。
上記建材に対しては、建材を保護するためのシーラーを、あらかじめ塗装することができる。シーラーの塗装方法は、従来から塗料を塗装する際に採用されているいずれの方法も使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。
上記シーラーの塗装方法、塗布量等は、選択する建材、又はシーラーの種類により適宜変更することが可能である。特に無機建材を対象とする場合においては、固形分換算で20〜75g/m2の範囲で塗装することが好ましく、30〜60g/m2の範囲で塗装することがより好ましい。20g/m2より少ないと、製造した建材の耐久性が低下する傾向にある。一方75g/m2より多いと、乾燥に要する時間が長くなり、或いは建材の保護性の向上が期待できず、コスト的に不利となる傾向にある。また、上記シーラーに替えて、被印刷面形成塗料を塗装し、さらに被印刷面形成塗料を塗り重ねることも可能である。
シーラー層の吸水量
より高画質の画像を高い先鋭性で得るためには、吸水量0.1〜10.0g/m2のシーラー層を施すことがより好ましい。尚、吸水量の測定方法については後述する。使用する建材の表面に素穴が多い場合や、素穴の分布にばらつきがある場合には、被印刷面形成塗膜表面の吸水量が均一とならない場合が生じる。このような場合に、上記インクを吐出して模様付けを行うと、部分的に画像が不鮮明となる箇所が生じ、意匠性建材の意匠性が全体として低下する場合が生じる。これに対して、上記特定吸水量を有するシーラー層を形成することで、使用する建材の種類を問わず、被印刷面形成塗膜の吸水量を一定範囲に収める事が出来、結果として意匠性建材の意匠性を向上させることが可能となる。また、意匠性建材の耐久性を向上させる効果にも寄与する。
(被印刷面塗料)
被印刷面塗料の組成
本発明で使用する被印刷面形成塗料は、結合剤、及び親水性樹脂粒子からなり、必要に応じて顔料や、溶媒、成膜助剤、硬化剤等の任意の添加剤を配合することができる。また、被印刷面形成塗料は水系、溶媒系、粉体系等塗料性状の別を問わない。
上記結合剤としては、従来から建材用塗料で使用されている樹脂を用いることが可能であり、エポキシ樹脂や、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、無機質樹脂或いはこれらの変性樹脂等のうちの1種、又は2種以上、或いはこれらと硬化剤や硬化触媒等を組み合わせて使用することが可能である。
上記親水性樹脂粒子を構成する樹脂は、例えば(メタ)アクリル酸系樹脂、ビニルアルコール系樹脂等が好適に挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩が好適に挙げられる。
(メタ)アクリル酸系樹脂は、例えば、メチル(メタ)アクリレートや、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、α−クロロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系単量体を重合した後、加水分解することによって製造できる。また、(メタ)アクリロニトリルを重合して加水分解しても得られる。
上記ビニルアルコール系樹脂の単量体としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
被印刷面塗料の組成
本発明で使用する被印刷面形成塗料は、結合剤、及び親水性樹脂粒子からなり、必要に応じて顔料や、溶媒、成膜助剤、硬化剤等の任意の添加剤を配合することができる。また、被印刷面形成塗料は水系、溶媒系、粉体系等塗料性状の別を問わない。
上記結合剤としては、従来から建材用塗料で使用されている樹脂を用いることが可能であり、エポキシ樹脂や、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、無機質樹脂或いはこれらの変性樹脂等のうちの1種、又は2種以上、或いはこれらと硬化剤や硬化触媒等を組み合わせて使用することが可能である。
上記親水性樹脂粒子を構成する樹脂は、例えば(メタ)アクリル酸系樹脂、ビニルアルコール系樹脂等が好適に挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩が好適に挙げられる。
(メタ)アクリル酸系樹脂は、例えば、メチル(メタ)アクリレートや、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、α−クロロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系単量体を重合した後、加水分解することによって製造できる。また、(メタ)アクリロニトリルを重合して加水分解しても得られる。
上記ビニルアルコール系樹脂の単量体としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
上記親水性樹脂粒子は、架橋されていることが必要である。架橋されていない樹脂粒子を使用すると、インクを吸収させた際に、水を吸収した樹脂粒子が膨張し、建材の耐久性や印刷画質の低下を招くこととなり、好ましくない。
上記架橋を施す方法としては、単量体を重合する際に架橋性を有する単量体(以下、「架橋性単量体」という。)を使用することが可能であり、これらの代表的なものとしては、ジビニルベンゼンや、アクリル酸誘導体、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する単量体、加水分解縮合反応するシリル基含有エチレン性不飽和単量体、例えば、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を用いること、又は乳化重合反応時の温度にて相互に反応する官能基を持つ単量体、例えば、カルボキシル基とグリシジル基等の組み合わせを持つ単量体を選択含有させた単量体混合物を使用したり、又は、得られた樹脂粒子をヒドラジン等の架橋剤により架橋することにより導入することができる。
架橋度は、後者の場合、架橋剤導入により、増加したN原子の数により測定され、上記樹脂粒子に基づき0.6〜8.0質量%、好ましくは、1.0〜5.0質量%である。
上記架橋性単量体の配合量は、重合に用いた単量体の全配合量100質量部のうち、0.2〜15.0質量部配合されていることが好ましく、0.5〜12.0質量部配合されていることが更に好ましい。架橋性単量体の配合量が、0.2質量部より少ないと、製造された親水性樹脂粒子がインクに配合した溶媒を吸収した際に膨張することにより、被印刷面形成塗膜に施された画像の画質が低下する傾向にある。一方、15.0質量部より多いと、所望の粒子の均一性が損なわれやすく、また吸水性が低下する傾向にある。また、親水性樹脂粒子が水を吸収した際の体積膨張率が、6〜40%であることが好ましい。体積膨張率が、40%より高いと、画質の低下を招き、意匠性建材の耐久性が低下する傾向にある。一方、体積膨張率が6%より低い粒子では、インクの吸着が不十分で画質低下となる傾向にある。
また、本発明で使用する親水性樹脂粒子は、被印刷面形成塗膜に対して、良好な水系インク吸収能を持たせ得る。
上記架橋を施す方法としては、単量体を重合する際に架橋性を有する単量体(以下、「架橋性単量体」という。)を使用することが可能であり、これらの代表的なものとしては、ジビニルベンゼンや、アクリル酸誘導体、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する単量体、加水分解縮合反応するシリル基含有エチレン性不飽和単量体、例えば、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を用いること、又は乳化重合反応時の温度にて相互に反応する官能基を持つ単量体、例えば、カルボキシル基とグリシジル基等の組み合わせを持つ単量体を選択含有させた単量体混合物を使用したり、又は、得られた樹脂粒子をヒドラジン等の架橋剤により架橋することにより導入することができる。
架橋度は、後者の場合、架橋剤導入により、増加したN原子の数により測定され、上記樹脂粒子に基づき0.6〜8.0質量%、好ましくは、1.0〜5.0質量%である。
上記架橋性単量体の配合量は、重合に用いた単量体の全配合量100質量部のうち、0.2〜15.0質量部配合されていることが好ましく、0.5〜12.0質量部配合されていることが更に好ましい。架橋性単量体の配合量が、0.2質量部より少ないと、製造された親水性樹脂粒子がインクに配合した溶媒を吸収した際に膨張することにより、被印刷面形成塗膜に施された画像の画質が低下する傾向にある。一方、15.0質量部より多いと、所望の粒子の均一性が損なわれやすく、また吸水性が低下する傾向にある。また、親水性樹脂粒子が水を吸収した際の体積膨張率が、6〜40%であることが好ましい。体積膨張率が、40%より高いと、画質の低下を招き、意匠性建材の耐久性が低下する傾向にある。一方、体積膨張率が6%より低い粒子では、インクの吸着が不十分で画質低下となる傾向にある。
また、本発明で使用する親水性樹脂粒子は、被印刷面形成塗膜に対して、良好な水系インク吸収能を持たせ得る。
好ましい例としては、アクリロニトリルを、必要に応じて共重合可能な単量体とともに、重合して、得られた有機樹脂粒子を、ヒドラジン系化合物による架橋導入の後に酸処理し、次いで水酸化ナトリウム等のアルカリ性薬品を用いて、表層又は内部まで加水分解することにより、親水性樹脂粒子が得られる。尚、この場合においては、共重合する全体量中、アクリロニトリルが70〜95質量%含有されていることが好ましく、75〜90質量%含有されていることがさらに好ましい。アクリロニトリル含有量を上記範囲とすることで、インク吸収性に優れた親水性樹脂粒子を効率よく得ることが可能となる。ここで使用する酸としては、硝酸、硫酸、塩酸などの鉱酸の水溶液、有機酸等が挙げられるが特に限定されない。この処理の前に架橋処理で残留したヒドラジン系化合物を十分に除去しておく。また、加水分解を行うのに使用するアルカリとしては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア等の塩基性水溶液等が挙げられるが、加水分解可能なアルカリであれば特に限定されない。
上記親水性樹脂粒子は、一般に、平均粒子径が好ましくは0.3〜130μmの範囲にある。
また、上記親水性樹脂粒子は、多孔質構造を有し、好ましくは0.7〜2.0g/cm3の真比重を有する。
このような親水性樹脂粒子としては、例えばタフチックHU720PS、タフチックHU700E(東洋紡製)等を代表的なものとして挙げることができる。
上記親水性樹脂粒子は、一般に、平均粒子径が好ましくは0.3〜130μmの範囲にある。
また、上記親水性樹脂粒子は、多孔質構造を有し、好ましくは0.7〜2.0g/cm3の真比重を有する。
このような親水性樹脂粒子としては、例えばタフチックHU720PS、タフチックHU700E(東洋紡製)等を代表的なものとして挙げることができる。
必要に応じて添加される着色顔料としては、例えば酸化チタンや、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、黄鉛、オーカー、弁柄、複合酸化物(ニッケル・チタン系、クロム・チタン系、ビスマス・バナジウム系)等の無機系顔料や、フタロシアニンブルー、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、アンスラピラミジン、スレン、ジオキサジン等の有機系顔料等の、一般的に塗料用として使用されている、各種の有機系、無機系着色顔料が挙げられる。
必要に応じて添加される体質顔料としては、例えば、タルクや、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカ、珪石粉、珪藻土、非晶質シリカ、アロフェン、イモゴライト、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト等の塗料用として一般的に使用される体質顔料や多孔質無機粉末等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
必要に応じて添加される溶媒としては、塗料において通常使用されているいずれのものも使用することが可能であり、例えば、トルエンや、キシレン等の芳香族系炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、さらには各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他、例えば、成膜助剤や、硬化剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、抗菌剤、架橋促進剤、分散剤、沈殿防止剤、インク溶媒に対する濡れ助成剤等を必要に応じて配合することが可能である。使用する結合剤、親水性樹脂粒子、着色顔料、体質顔料、溶媒等により、配合するものの種類及び量を変化させることができる。
必要に応じて添加される体質顔料としては、例えば、タルクや、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカ、珪石粉、珪藻土、非晶質シリカ、アロフェン、イモゴライト、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト等の塗料用として一般的に使用される体質顔料や多孔質無機粉末等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
必要に応じて添加される溶媒としては、塗料において通常使用されているいずれのものも使用することが可能であり、例えば、トルエンや、キシレン等の芳香族系炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、さらには各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他、例えば、成膜助剤や、硬化剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、抗菌剤、架橋促進剤、分散剤、沈殿防止剤、インク溶媒に対する濡れ助成剤等を必要に応じて配合することが可能である。使用する結合剤、親水性樹脂粒子、着色顔料、体質顔料、溶媒等により、配合するものの種類及び量を変化させることができる。
また、被印刷面形成塗膜中における上記親水性樹脂粒子の配合量が1.5〜70容積%の範囲となることが好ましく、5〜50容積%の範囲となることがさらに好ましい。上記塗膜中における親水性樹脂粒子の配合量が、1.5容積%より少ないと、親水性樹脂粒子を添加したことによる効果が望めなくなり、被印刷面形成塗膜のインク吸収能力が低下する傾向にある。また、70容積%より多いと、被印刷面形成塗料の製造効率が低下したり、インクを吐出することにより形成させた画像の画質が低下する傾向にある。
被印刷面形成塗膜中における上記顔料の配合量が、5〜57容積%の範囲にあり、上記顔料の配合量が5容積%より少ないと、インクを吐出して形成した画像が不鮮明となり、結果として建材の意匠性が低下する傾向にある。また、上記顔料の配合量が57容積%より多いと、被印刷面形成塗膜の塗膜強度が低下することにより、意匠性建材の耐久性が低下する傾向にある。
上記塗料中における上記溶媒の配合量は、10〜80質量部の範囲であり、好ましくは25〜60質量部の範囲である。
被印刷面形成塗膜中における上記顔料の配合量が、5〜57容積%の範囲にあり、上記顔料の配合量が5容積%より少ないと、インクを吐出して形成した画像が不鮮明となり、結果として建材の意匠性が低下する傾向にある。また、上記顔料の配合量が57容積%より多いと、被印刷面形成塗膜の塗膜強度が低下することにより、意匠性建材の耐久性が低下する傾向にある。
上記塗料中における上記溶媒の配合量は、10〜80質量部の範囲であり、好ましくは25〜60質量部の範囲である。
被印刷面塗料の吸水量
本発明で使用する、被印刷面形成塗料は、乾燥後の塗膜の吸水量が、例えば、2.0〜13.0g/m2となるような塗料を用いることが好ましい。乾燥後の塗膜の吸水量が2.0g/m2より低い場合には、被印刷面形成塗膜のインク吸収能力が低下することにより、意匠性建材の意匠性が低下したり、インクを吐出した後にクリアー塗料を塗装する場合に、インクのにじみが発生する傾向にある。一方、13.0g/m2より高いと、吐出したインクが過剰に吸収されることにより、印刷された画像の画質が低下する傾向にある。
吸水量は以下の方法にて測定した数値である。以下の操作は全て温度23℃、湿度50%の恒温室で行う。ガラス板(200×250×2mm)に、被印刷面形成塗料をスプレー塗装で塗布する。塗布量は乾燥重量で40g/m2とし、塗膜表面が平滑且つ膜厚がガラス板全体で平均的に配向するように塗装する。塗装した被印刷面形成塗料が常温乾燥型の塗料である場合には80℃×30分強制乾燥を行う。塗装した被印刷面形成塗料が焼き付け乾燥型の塗料である場合には150℃×30分強制乾燥を行う。上記強制乾燥を終了した後、温度23℃、湿度50%の恒温室にて168時間静置する。静置した後、塗膜を形成させたガラス板の端面に吸水性のないシリコンコーキング剤により、シールを行う。この際のシリコンコーキングは、塗膜側面から水が浸透すること及び水が流出することを防ぐために行うものであり、コーキング剤が塗膜表面にかからないように細心の注意を払って行う。また、シリコンコーキングは、塗膜を形成させた面側に3mmの高さとなるように盛り上げ、塗膜表面に水を注いだ際に、水がこぼれないようにする。上記シリコンコーキングを施し、温度23℃、湿度50%の恒温室に24時間保持した後質量を測定し、この測定値を初期質量とする。上記コーキング済みの試料を、水平な箇所に置き、測定試料の表面(被印刷面形成塗膜を形成させた面)に対して200gの水を表面全体が水に濡れるように注ぎ込み、水を注いだ直後に測定試料を傾け、水を除去し、裏面を下にしてペーパータオル(キムタオル(株式会社クレシア製))上に置き、裏面に付着した水を除去すると共に、表面に付着した余分な水を同じく上記ペーパータオルで拭き取り除去する。余分な水の除去を終了した後、直ちに質量を測定する。尚、水を注いでから質量を測定するまでの時間は可能な限り短くし、最長でも1分以内で行うものとする。吸水量は、上記測定結果に基づき、次の計算式により算出する。
(拭き取り直後の質量−初期質量)/ガラス板の面積=吸水量(g/m2)
本明細書中、吸水量の数値は、上記の方法にて測定した数値を指すものとする。
本発明で使用する、被印刷面形成塗料は、乾燥後の塗膜の吸水量が、例えば、2.0〜13.0g/m2となるような塗料を用いることが好ましい。乾燥後の塗膜の吸水量が2.0g/m2より低い場合には、被印刷面形成塗膜のインク吸収能力が低下することにより、意匠性建材の意匠性が低下したり、インクを吐出した後にクリアー塗料を塗装する場合に、インクのにじみが発生する傾向にある。一方、13.0g/m2より高いと、吐出したインクが過剰に吸収されることにより、印刷された画像の画質が低下する傾向にある。
吸水量は以下の方法にて測定した数値である。以下の操作は全て温度23℃、湿度50%の恒温室で行う。ガラス板(200×250×2mm)に、被印刷面形成塗料をスプレー塗装で塗布する。塗布量は乾燥重量で40g/m2とし、塗膜表面が平滑且つ膜厚がガラス板全体で平均的に配向するように塗装する。塗装した被印刷面形成塗料が常温乾燥型の塗料である場合には80℃×30分強制乾燥を行う。塗装した被印刷面形成塗料が焼き付け乾燥型の塗料である場合には150℃×30分強制乾燥を行う。上記強制乾燥を終了した後、温度23℃、湿度50%の恒温室にて168時間静置する。静置した後、塗膜を形成させたガラス板の端面に吸水性のないシリコンコーキング剤により、シールを行う。この際のシリコンコーキングは、塗膜側面から水が浸透すること及び水が流出することを防ぐために行うものであり、コーキング剤が塗膜表面にかからないように細心の注意を払って行う。また、シリコンコーキングは、塗膜を形成させた面側に3mmの高さとなるように盛り上げ、塗膜表面に水を注いだ際に、水がこぼれないようにする。上記シリコンコーキングを施し、温度23℃、湿度50%の恒温室に24時間保持した後質量を測定し、この測定値を初期質量とする。上記コーキング済みの試料を、水平な箇所に置き、測定試料の表面(被印刷面形成塗膜を形成させた面)に対して200gの水を表面全体が水に濡れるように注ぎ込み、水を注いだ直後に測定試料を傾け、水を除去し、裏面を下にしてペーパータオル(キムタオル(株式会社クレシア製))上に置き、裏面に付着した水を除去すると共に、表面に付着した余分な水を同じく上記ペーパータオルで拭き取り除去する。余分な水の除去を終了した後、直ちに質量を測定する。尚、水を注いでから質量を測定するまでの時間は可能な限り短くし、最長でも1分以内で行うものとする。吸水量は、上記測定結果に基づき、次の計算式により算出する。
(拭き取り直後の質量−初期質量)/ガラス板の面積=吸水量(g/m2)
本明細書中、吸水量の数値は、上記の方法にて測定した数値を指すものとする。
被印刷面塗料の塗装方法
上記建材、又は上記シーラーを塗装した建材に対して、被印刷面形成塗料を塗装する。該塗料の塗布量は、固形分換算で、20〜80g/m2が好ましく、30〜60g/m2がより好ましい。20g/m2より低いと、製造した建材の耐久性が低下する傾向にある。一方80g/m2を超えると、被印刷面形成塗料を塗装し、乾燥に要する時間が長くなり、或いは建材の保護性の向上が期待できず、コスト的に不利となる傾向にある。
また、被印刷面形成塗料を塗り重ねてもよい。
被印刷面形成塗料の塗装方法は、従来から塗料を塗装する際に採用されているいずれの方法も使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。凹凸を有する建材に対して塗装する際には、凹凸形状への追従性や、塗装速度の適合性からエアレススプレー塗装や静電塗装を好適に使用することが可能である。なお、使用する塗料が水系の塗料である場合には、塗装直前の板表面温度が30〜70℃に予熱されていることが、良好な被印刷面形成塗膜を形成する上で有効な手段となる。
上記建材、又は上記シーラーを塗装した建材に対して、被印刷面形成塗料を塗装する。該塗料の塗布量は、固形分換算で、20〜80g/m2が好ましく、30〜60g/m2がより好ましい。20g/m2より低いと、製造した建材の耐久性が低下する傾向にある。一方80g/m2を超えると、被印刷面形成塗料を塗装し、乾燥に要する時間が長くなり、或いは建材の保護性の向上が期待できず、コスト的に不利となる傾向にある。
また、被印刷面形成塗料を塗り重ねてもよい。
被印刷面形成塗料の塗装方法は、従来から塗料を塗装する際に採用されているいずれの方法も使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。凹凸を有する建材に対して塗装する際には、凹凸形状への追従性や、塗装速度の適合性からエアレススプレー塗装や静電塗装を好適に使用することが可能である。なお、使用する塗料が水系の塗料である場合には、塗装直前の板表面温度が30〜70℃に予熱されていることが、良好な被印刷面形成塗膜を形成する上で有効な手段となる。
(インクジェット印刷による着色/模様付け)
インクジェット印刷で使用するインクの組成
本発明で使用するインクは、水系のものである。これにより、プリンターの耐久性や保守性が向上し、また作業場の衛生面や火災の危険が軽減され、さらに環境に対して負荷を低減する効果を持たせることができる。また、インクの蒸発速度をできる限り遅くすることで、インクジェットプリンターノズルのつまりや、ノズル周辺部の汚れの発生を防止し、上記被印刷面形成塗膜との関係において良好な画質で印刷することが可能となる。上記理由により、本発明においては水系のインクを使用する。
上記インクは、着色顔料や、水、分散剤等を主成分として含み、必要に応じて親水性溶媒を配合することが可能である。
なお、本発明で使用するインクについては、結合剤を実質的に含まないことが必要である。本発明における画質精度は150〜600DPIの範囲にあり、建材を製造する際における印刷という点において、従来にないほどの高画質による印刷を可能とするため、インクの吐出口の口径は必然的に小さくなる。従って、インクに樹脂等の結合剤が含まれていると、インクの吐出口でインクが乾燥した場合、ノズル詰まりが発生し、意匠性建材の製造効率を著しく損なうこととなる。尚、以下に挙げるような添加剤をインクに対して配合する際、やむを得ず樹脂が混入する場合においても、樹脂の配合量は、インク全体に対して10質量%以下、より好ましくは5質量%以下の範囲にとどめておくことが好ましい。
インクジェット印刷で使用するインクの組成
本発明で使用するインクは、水系のものである。これにより、プリンターの耐久性や保守性が向上し、また作業場の衛生面や火災の危険が軽減され、さらに環境に対して負荷を低減する効果を持たせることができる。また、インクの蒸発速度をできる限り遅くすることで、インクジェットプリンターノズルのつまりや、ノズル周辺部の汚れの発生を防止し、上記被印刷面形成塗膜との関係において良好な画質で印刷することが可能となる。上記理由により、本発明においては水系のインクを使用する。
上記インクは、着色顔料や、水、分散剤等を主成分として含み、必要に応じて親水性溶媒を配合することが可能である。
なお、本発明で使用するインクについては、結合剤を実質的に含まないことが必要である。本発明における画質精度は150〜600DPIの範囲にあり、建材を製造する際における印刷という点において、従来にないほどの高画質による印刷を可能とするため、インクの吐出口の口径は必然的に小さくなる。従って、インクに樹脂等の結合剤が含まれていると、インクの吐出口でインクが乾燥した場合、ノズル詰まりが発生し、意匠性建材の製造効率を著しく損なうこととなる。尚、以下に挙げるような添加剤をインクに対して配合する際、やむを得ず樹脂が混入する場合においても、樹脂の配合量は、インク全体に対して10質量%以下、より好ましくは5質量%以下の範囲にとどめておくことが好ましい。
上記着色顔料としては、一般的に塗料やインクで用いられるいずれの着色顔料を用いることが可能であるが、形成させた着色や模様の耐候性・耐久性から、特に屋外用途においては、主として無機系着色顔料を配合することが好ましい。これら無機系着色顔料は、カーボンブラック、酸化鉄、複合酸化物(ニッケル・チタン系、クロム・チタン系、ビスマス・バナジウム系)、酸化チタン等が代表的なものとしてあげられるが、これらに限定されるものではない。また、上記無機系着色顔料に加えて、有機系着色顔料を配合することも可能である。これら有機系着色顔料としてはキナクリドン、ジケトプロロピール、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、アンスラピリミジン、フタロシアニンスレン、ジオキサジン等が代表的なものとしてあげられる。上記着色顔料は、インク100質量部中に0.5〜15.0質量部、より好ましくは1.0〜10.0質量部添加することが好ましい。15.0質量部より多いと、インク粘度の上昇、及びインクの乾燥が早くなり過ぎることにより、印刷で用いる下記インクジェットプリンターのノズル部分に詰まりを発生させ易くなり、またインク液滴の印刷面への塗着精度が悪くなる傾向にある。0.5質量部より少ないと、発色が不十分なため、形成される模様が不鮮明になる傾向にある。また、インクの着色色剤に有機顔料を用いる際においては、耐光性、退色性に充分に配慮する必要がある。
また、上記着色顔料は粒子径が20〜400nmであることが好ましく、25〜300nmの範囲であることがより好ましい。平均粒径が20nmより小さいと、顔料の凝集による、インク貯蔵安定性の低下、印刷画質の低下や、インク粘度の上昇、印刷面の耐光性低下等の問題を生じやすい傾向にある。400nmより大きいとインクジェットプリンターの吐出ノズルのつまりや、被印刷面に対するインクの吐着精度の低下が生じやすくなり、前述のような高画質での印刷が困難となる傾向にある。
上記親水性溶媒としては、インクで通常用いられている溶媒のいずれをも好適に使用することが可能であり、例えば、アルコール類、エチレングリコールやエチレングリコール誘導体、グリセリンやグリセリン誘導体、プロピレングリコールやプロピレングリコール誘導体等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してよい。
上記水、及び必要に応じて添加される親水性溶媒の合計量は、インクの配合全体に対して70〜92質量%含有されていることが好ましく、75〜90質量%含有されていることが更に好ましい。このうち水の配合量としては、45〜70質量%の範囲にあることが好ましい。水の配合量が45質量%より低いと、インク粘度が上昇し、インクの吐出性が低下することにより、高画質の意匠を得ることが困難となる傾向にある。一方、70質量%より高いと、ノズル孔周辺での乾燥が顕著となり、ノズル詰まりやインク吐着精度が低下する傾向にある。
上記分散剤としては、アニオン系高分子分散剤、例えばスチレン−無水マレイン酸共重合物塩、オレフィン−無水マレイン酸共重合物塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等、ノニオン系高分子分散剤、例えばポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ポリアクリルアミド等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してよい。これらの分散剤の種類、及び配合量については、顔料や親水性溶媒の種類及び配合量等により適宜使い分けてよい。
また、その他、導電度調整剤や、消泡剤、沈殿防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤等を必要に応じて添加してよい。
また、上記着色顔料は粒子径が20〜400nmであることが好ましく、25〜300nmの範囲であることがより好ましい。平均粒径が20nmより小さいと、顔料の凝集による、インク貯蔵安定性の低下、印刷画質の低下や、インク粘度の上昇、印刷面の耐光性低下等の問題を生じやすい傾向にある。400nmより大きいとインクジェットプリンターの吐出ノズルのつまりや、被印刷面に対するインクの吐着精度の低下が生じやすくなり、前述のような高画質での印刷が困難となる傾向にある。
上記親水性溶媒としては、インクで通常用いられている溶媒のいずれをも好適に使用することが可能であり、例えば、アルコール類、エチレングリコールやエチレングリコール誘導体、グリセリンやグリセリン誘導体、プロピレングリコールやプロピレングリコール誘導体等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してよい。
上記水、及び必要に応じて添加される親水性溶媒の合計量は、インクの配合全体に対して70〜92質量%含有されていることが好ましく、75〜90質量%含有されていることが更に好ましい。このうち水の配合量としては、45〜70質量%の範囲にあることが好ましい。水の配合量が45質量%より低いと、インク粘度が上昇し、インクの吐出性が低下することにより、高画質の意匠を得ることが困難となる傾向にある。一方、70質量%より高いと、ノズル孔周辺での乾燥が顕著となり、ノズル詰まりやインク吐着精度が低下する傾向にある。
上記分散剤としては、アニオン系高分子分散剤、例えばスチレン−無水マレイン酸共重合物塩、オレフィン−無水マレイン酸共重合物塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等、ノニオン系高分子分散剤、例えばポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ポリアクリルアミド等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してよい。これらの分散剤の種類、及び配合量については、顔料や親水性溶媒の種類及び配合量等により適宜使い分けてよい。
また、その他、導電度調整剤や、消泡剤、沈殿防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤等を必要に応じて添加してよい。
インクジェット印刷による着色/模様付け方法
被印刷面形成塗料を塗装した後に、インクジェットプリンターにて着色及び/又は模様付けを行う。この場合において、塗装した被印刷面形成塗料は必ずしも完全硬化乾燥させておく必要はなく、ある程度溶媒を蒸発させた状態で印刷を行うことも、完全に硬化乾燥させた状態で印刷することも可能である。尚、被印刷面形成塗料を硬化もしくは乾燥させる条件は塗料の種類により常温乾燥、強制乾燥、或いは活性エネルギー線照射による硬化のいずれも用いることができ、塗料配合により適宜選択することができる。さらには、グラビア印刷、スクリーン印刷等他の印刷手段により印刷した印刷面の全面又は一部分に対して、インクジェットプリンターにより、着色及び/又は模様付けを行う等、他の印刷手段とインクジェットプリンターによる印刷を組み合わせて使用することも可能である。
上記被印刷面形成塗膜に対して、上記インクを用いて表面全体を単一色に、又は部分的に色相の異なる複合色に着色したり、或いは模様付けを行う。尚、模様は建材表面全体に形成させることも、建材表面の一部に形成させることも可能である。また、建材表面が凹凸を有する場合には、凹部と凸部を異なる色で着色することも可能である。
被印刷面形成塗料を塗装した後に、インクジェットプリンターにて着色及び/又は模様付けを行う。この場合において、塗装した被印刷面形成塗料は必ずしも完全硬化乾燥させておく必要はなく、ある程度溶媒を蒸発させた状態で印刷を行うことも、完全に硬化乾燥させた状態で印刷することも可能である。尚、被印刷面形成塗料を硬化もしくは乾燥させる条件は塗料の種類により常温乾燥、強制乾燥、或いは活性エネルギー線照射による硬化のいずれも用いることができ、塗料配合により適宜選択することができる。さらには、グラビア印刷、スクリーン印刷等他の印刷手段により印刷した印刷面の全面又は一部分に対して、インクジェットプリンターにより、着色及び/又は模様付けを行う等、他の印刷手段とインクジェットプリンターによる印刷を組み合わせて使用することも可能である。
上記被印刷面形成塗膜に対して、上記インクを用いて表面全体を単一色に、又は部分的に色相の異なる複合色に着色したり、或いは模様付けを行う。尚、模様は建材表面全体に形成させることも、建材表面の一部に形成させることも可能である。また、建材表面が凹凸を有する場合には、凹部と凸部を異なる色で着色することも可能である。
本発明において、インクを吐出する際には、インクジェットプリンターを用いる。使用されるインクジェットプリンターは、印刷に用いられるいずれの方式のものも使用することが可能である。より高画質の着色や意匠、具体的には100〜600DPIの画質の着色や模様を効率よく印刷する場合には、コンティニュアス方式のピエゾドロップ型インクジェットプリンター、もしくはオンデマンド方式のピエゾドロップ型インクジェットプリンターを好適に用いることができる。尚、ここでDPIとは、ドット・パー・インチの略であり、1インチあたりに集まるインクドットの密度を表す単位である。
更に、インク吐出時プリンターヘッドがコンベア上方に位置し、コンベア幅方向に往復運動する方式よりも、搬送されつつある建材上方に位置し固定されている、いわゆるライン方式プリンターヘッドを具備する形式のインクジェットプリンターが生産スピードからみて好ましい。
コンベアにて、建材を搬送する速度は、例えば、10〜60m/分が好ましく、20〜50m/分がより好ましい。搬送速度が10m/分より遅いと、建材の製造効率が低下し、結果としてコストアップにつながる傾向にある。また、搬送速度が60m/分より速いと、印刷された模様の画質が低下する傾向にある。
また、赤系、黄系、青系の3原色に加え、明度調整用としての黒色系の個々の色のインクに、個別に対応可能なプリンターヘッドを有するインクジェットプリンターか、より好ましくは上記4原色の中間色や白色系インクに必要に応じ個別に対応可能な、プリンターヘッド4〜8群備えたいわゆるフルカラーインクジェットプリンターが使用できる。
更に、インク吐出時プリンターヘッドがコンベア上方に位置し、コンベア幅方向に往復運動する方式よりも、搬送されつつある建材上方に位置し固定されている、いわゆるライン方式プリンターヘッドを具備する形式のインクジェットプリンターが生産スピードからみて好ましい。
コンベアにて、建材を搬送する速度は、例えば、10〜60m/分が好ましく、20〜50m/分がより好ましい。搬送速度が10m/分より遅いと、建材の製造効率が低下し、結果としてコストアップにつながる傾向にある。また、搬送速度が60m/分より速いと、印刷された模様の画質が低下する傾向にある。
また、赤系、黄系、青系の3原色に加え、明度調整用としての黒色系の個々の色のインクに、個別に対応可能なプリンターヘッドを有するインクジェットプリンターか、より好ましくは上記4原色の中間色や白色系インクに必要に応じ個別に対応可能な、プリンターヘッド4〜8群備えたいわゆるフルカラーインクジェットプリンターが使用できる。
150〜600DPIの模様を形成させる際には、インクジェットプリンターの吐出ノズルの口径を10〜45μmにすることが好ましく、15〜35μmとすることがより好ましい。45μmより大きいと、高解像度の着色や模様を得ることが困難となる傾向にあり、また10μmより小さいと、ノズルのつまり等が頻繁に発生する傾向にある。また、上記ノズルはコンベアの幅方向に複数個設けられていることが生産効率、画質の点からみて好ましい。また、ノズル間ピッチは10〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましい。ノズルピッチが10μmより小さいと、印刷幅に対する必要ノズル数が膨大になるばかりでなく、コントロールシステムに要する容量が大きくなることにより、経済的に不利となる傾向にある。また、200μmより大きいと、印刷したインクのドット間距離が開きすぎる結果、画質が低下する傾向にある。
本発明においては、上述したような方法をとることで、150〜600DPIの高解像度の着色や模様付けされた建材を製造することが可能となる。また、適正な生産コストをもって製造を行う際には、解像度を180〜360DPIの範囲に収めることが有効である。また、建材表面を単一色に着色する際においては、解像度を150〜360DPIの範囲に収めることが有効である。加えて、解像度については、横軸、縦軸共に同一画素数にそろえるのが一般的であるが、ライン方式のプリンターではプリンターヘッドの幅方向に高解像度、例えば600DPIに設定し、建材の搬送方向にはやや解像度を低下させ、例えば300DPIに設定することで、生産速度を落とすことなく、特定ノズルのつまりや、インク液滴に飛翔曲がりに起因する、建材搬送方向に発生する直線上の着色むらを緩和することも可能である。また、上記解像度は、ノズルの口径、ピエゾ素子の振動数等を調製することにより、適宜変化させ得る。また、上記ピエゾ振動素子の振動数は、ピエゾ振動素子に供給する電圧等により制御し得る。
インクの塗装後、インク中の揮発成分を揮発乾燥させる。当該揮発成分の乾燥は必ずしも完全に乾燥させておく必要はなく、特にクリアー塗料を塗装する場合においては、クリアー塗料の塗装によってにじみが発生しない程度まで乾燥していれば良い。
本発明においては、上述したような方法をとることで、150〜600DPIの高解像度の着色や模様付けされた建材を製造することが可能となる。また、適正な生産コストをもって製造を行う際には、解像度を180〜360DPIの範囲に収めることが有効である。また、建材表面を単一色に着色する際においては、解像度を150〜360DPIの範囲に収めることが有効である。加えて、解像度については、横軸、縦軸共に同一画素数にそろえるのが一般的であるが、ライン方式のプリンターではプリンターヘッドの幅方向に高解像度、例えば600DPIに設定し、建材の搬送方向にはやや解像度を低下させ、例えば300DPIに設定することで、生産速度を落とすことなく、特定ノズルのつまりや、インク液滴に飛翔曲がりに起因する、建材搬送方向に発生する直線上の着色むらを緩和することも可能である。また、上記解像度は、ノズルの口径、ピエゾ素子の振動数等を調製することにより、適宜変化させ得る。また、上記ピエゾ振動素子の振動数は、ピエゾ振動素子に供給する電圧等により制御し得る。
インクの塗装後、インク中の揮発成分を揮発乾燥させる。当該揮発成分の乾燥は必ずしも完全に乾燥させておく必要はなく、特にクリアー塗料を塗装する場合においては、クリアー塗料の塗装によってにじみが発生しない程度まで乾燥していれば良い。
(クリアー塗料)
クリアー塗料の組成
本発明で着色又は模様面を保護するため任意に使用されるクリアー塗料としては、建材に対して従来から塗装されてきたるクリアー塗料であれば各種のクリアー塗料を使用することができる。
クリアー塗料は、結合剤及び必要に応じて顔料や、添加剤、溶媒からなる。
上記結合剤としては、アクリル樹脂や、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン系樹脂、アクリルシリコン樹脂、ビニル樹脂、セルロース誘導体等から選択される1種、又は2種以上の組み合わせ、これらと硬化剤、またはこれらと硬化促進触媒を組み合わせて使用することが可能である。
上記顔料は、クリアー塗料の透明性を失わない程度に使用することができる。これら顔料としては、艶消し剤を含む体質顔料や、着色顔料、カラーマイカ、ウレタン系、アクリル系等の着色又は透明ビーズ、鱗片状黒鉛、鱗片状酸化鉄、メッキ処理ガラスフレーク、アルミ箔カラークリアー塗料切断品等の各種顔料を配合してよい。
上記添加剤としては、分散剤や、沈殿防止剤、表面改質剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等がある。これらの成分は結合剤の種類、途膜に求められる要求性能に応じて適宜変化させる事が可能である。
上記溶媒としては、塗料において通常使用されているいずれのものも使用することが可能であり、芳香族系炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等、酢酸エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等、ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、アルコール類、例えば、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等、各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。但し、使用する被印刷面形成塗料の配合、及びインクの配合によっては、クリアー塗料を塗装することにより、インクが再溶解し、形成させた画像ににじみを発生する場合がある。係る場合には、クリアー塗料に配合された全溶媒の溶解度パラメーター(以下、SP値という)が7.0〜24.0の範囲にある溶媒を用いる事が好ましく7.5〜22.0の範囲にある溶媒を用いることがより好ましく、8.0〜20.0の範囲にあることが更に好ましい。溶媒のSP値が7.0より低いと、クリアー塗料に配合した溶解性成分の析出が起こり、平滑な塗膜が得られにくい傾向にある。一方、SP値が24.0よりも高いと、被印刷面上のインクがにじみを起こし、明確な意匠を形成しにくい傾向にある。尚、上記SP値の数値は、クリアー塗料の塗装時における数値であるものとする。従って、クリアー塗料製造時において、上記SP値の範囲に入っていないクリアー塗料であっても、塗装時における溶媒による希釈で、上記SP値の範囲に入るものは、当然本発明の範囲内のものである。また、上記SP値の範囲に入ることを条件として、使用される溶媒は、単一のものであっても、2以上の溶媒を組み合わせて使用してもよい。
クリアー塗料の組成
本発明で着色又は模様面を保護するため任意に使用されるクリアー塗料としては、建材に対して従来から塗装されてきたるクリアー塗料であれば各種のクリアー塗料を使用することができる。
クリアー塗料は、結合剤及び必要に応じて顔料や、添加剤、溶媒からなる。
上記結合剤としては、アクリル樹脂や、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン系樹脂、アクリルシリコン樹脂、ビニル樹脂、セルロース誘導体等から選択される1種、又は2種以上の組み合わせ、これらと硬化剤、またはこれらと硬化促進触媒を組み合わせて使用することが可能である。
上記顔料は、クリアー塗料の透明性を失わない程度に使用することができる。これら顔料としては、艶消し剤を含む体質顔料や、着色顔料、カラーマイカ、ウレタン系、アクリル系等の着色又は透明ビーズ、鱗片状黒鉛、鱗片状酸化鉄、メッキ処理ガラスフレーク、アルミ箔カラークリアー塗料切断品等の各種顔料を配合してよい。
上記添加剤としては、分散剤や、沈殿防止剤、表面改質剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等がある。これらの成分は結合剤の種類、途膜に求められる要求性能に応じて適宜変化させる事が可能である。
上記溶媒としては、塗料において通常使用されているいずれのものも使用することが可能であり、芳香族系炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等、酢酸エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等、ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、アルコール類、例えば、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等、各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。但し、使用する被印刷面形成塗料の配合、及びインクの配合によっては、クリアー塗料を塗装することにより、インクが再溶解し、形成させた画像ににじみを発生する場合がある。係る場合には、クリアー塗料に配合された全溶媒の溶解度パラメーター(以下、SP値という)が7.0〜24.0の範囲にある溶媒を用いる事が好ましく7.5〜22.0の範囲にある溶媒を用いることがより好ましく、8.0〜20.0の範囲にあることが更に好ましい。溶媒のSP値が7.0より低いと、クリアー塗料に配合した溶解性成分の析出が起こり、平滑な塗膜が得られにくい傾向にある。一方、SP値が24.0よりも高いと、被印刷面上のインクがにじみを起こし、明確な意匠を形成しにくい傾向にある。尚、上記SP値の数値は、クリアー塗料の塗装時における数値であるものとする。従って、クリアー塗料製造時において、上記SP値の範囲に入っていないクリアー塗料であっても、塗装時における溶媒による希釈で、上記SP値の範囲に入るものは、当然本発明の範囲内のものである。また、上記SP値の範囲に入ることを条件として、使用される溶媒は、単一のものであっても、2以上の溶媒を組み合わせて使用してもよい。
クリアー塗料の塗装方法
クリアー塗料の塗装方法は、塗料を塗装する際に通常採用されている塗装方法のいずれをも使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。特に凹凸を有する建材においては、建材形状への追従性や塗装処理速度から、エアレススプレー塗装や静電塗装が好適に使用できる。
クリアー塗料の塗布量は固形分換算で、15〜80g/m2の範囲が好ましく、20〜65g/m2の範囲がより好ましい。80g/m2より多いと、インクの溶媒が十分蒸発していない場合においてインクのにじみが発生する傾向にあり、また乾燥不良による塗装面のブロッキング現象を引き起こす傾向にある。15g/m2より少ないと、意匠性建材の耐久性、印刷した模様の保護性が低下する傾向にある。
クリアー塗料の塗装方法は、塗料を塗装する際に通常採用されている塗装方法のいずれをも使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。特に凹凸を有する建材においては、建材形状への追従性や塗装処理速度から、エアレススプレー塗装や静電塗装が好適に使用できる。
クリアー塗料の塗布量は固形分換算で、15〜80g/m2の範囲が好ましく、20〜65g/m2の範囲がより好ましい。80g/m2より多いと、インクの溶媒が十分蒸発していない場合においてインクのにじみが発生する傾向にあり、また乾燥不良による塗装面のブロッキング現象を引き起こす傾向にある。15g/m2より少ないと、意匠性建材の耐久性、印刷した模様の保護性が低下する傾向にある。
(乾燥又は硬化)
クリアー塗料を塗装した後、塗料を乾燥又は硬化させる。乾燥条件は、塗料の種類により常温乾燥、強制乾燥、焼き付け乾燥又は活性エネルギー線照射による硬化のいずれも用いることができ、使用する塗料配合により適宜選択することができる。なお、使用する塗料が水系の塗料である場合には、塗装直前の表面板温度が30〜70℃に予熱されていることが、良好な塗膜を形成する上で有効である。
クリアー塗料を塗装した後、塗料を乾燥又は硬化させる。乾燥条件は、塗料の種類により常温乾燥、強制乾燥、焼き付け乾燥又は活性エネルギー線照射による硬化のいずれも用いることができ、使用する塗料配合により適宜選択することができる。なお、使用する塗料が水系の塗料である場合には、塗装直前の表面板温度が30〜70℃に予熱されていることが、良好な塗膜を形成する上で有効である。
以下、実施例、比較例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また以下の表における組成の単位は特に断りがない限り質量部であり、インク組成物の「部」は、質量基準で示す。
実施例で使用する塗料等
(シーラー)
下記、表1の配合により、ビーズ練合することにより調製した。
*1 アクリディックA810−45:アクリル樹脂
大日本インキ社製、加熱残分45%、OH価 15.0
*2 タケネートM408:TDi系プレポリマー
三井武田ケミカル社製、加熱残分50%
実施例で使用する塗料等
(シーラー)
下記、表1の配合により、ビーズ練合することにより調製した。
大日本インキ社製、加熱残分45%、OH価 15.0
*2 タケネートM408:TDi系プレポリマー
三井武田ケミカル社製、加熱残分50%
(被印刷面形成塗料)
被印刷面形成塗料は、以下の表2に示す各配合を、ビーズ練合することにより調製した。尚、配合表下欄に掲げる、「塗膜の吸水量」は、前述の方法に準拠して測定した際の値である。
*1 オレスターQ164:アクリル樹脂、分子量23,000
三井化学社製、加熱残分45%、比重0.95
*2 ビニライトVAGH:ビニル系コポリマー、分子量27,000
ユニオンカーバイド社製、加熱残分99%超、比重1.39
*3 ボンコートYG651:アクリル樹脂エマルション、分子量1500,000
大日本インキ社製、加熱残分47%、比重1.05
*4 タフチックHU720PS:架橋されたポリアクリル酸ナトリウム粒子
東洋紡績社製、粉末状樹脂ビーズ、平均粒径50μm、真比重1.1
*5 タフチックHU700E:架橋されたポリアクリル酸ナトリウム粒子水分散物
東洋紡績社製、アクリル系重合体エマルション、平均粒径0.9μm、加熱残分20±1%、真比重1.1
*6 比較有機樹脂1:架橋構造を有していないポリアクリル酸ナトリウム粒子、平均粒子径50μm
*7 比較有機樹脂2:MBX-40/メタクリル酸メチル架橋微粒子
積水化成品工業製、平均粒径40μm
*8 溶媒: 酢酸ブチル:キシレン=1:1の混合溶媒
*9 成膜助剤:ブチルグリコールエーテル、2,2,4-トリメチル1,3-ペンタンジ
オールモノイソブチレート
*10 コロネートHX:イソシアヌレート
日本ポリウレタン工業社製、加熱残分99%超
被印刷面形成塗料は、以下の表2に示す各配合を、ビーズ練合することにより調製した。尚、配合表下欄に掲げる、「塗膜の吸水量」は、前述の方法に準拠して測定した際の値である。
三井化学社製、加熱残分45%、比重0.95
*2 ビニライトVAGH:ビニル系コポリマー、分子量27,000
ユニオンカーバイド社製、加熱残分99%超、比重1.39
*3 ボンコートYG651:アクリル樹脂エマルション、分子量1500,000
大日本インキ社製、加熱残分47%、比重1.05
*4 タフチックHU720PS:架橋されたポリアクリル酸ナトリウム粒子
東洋紡績社製、粉末状樹脂ビーズ、平均粒径50μm、真比重1.1
*5 タフチックHU700E:架橋されたポリアクリル酸ナトリウム粒子水分散物
東洋紡績社製、アクリル系重合体エマルション、平均粒径0.9μm、加熱残分20±1%、真比重1.1
*6 比較有機樹脂1:架橋構造を有していないポリアクリル酸ナトリウム粒子、平均粒子径50μm
*7 比較有機樹脂2:MBX-40/メタクリル酸メチル架橋微粒子
積水化成品工業製、平均粒径40μm
*8 溶媒: 酢酸ブチル:キシレン=1:1の混合溶媒
*9 成膜助剤:ブチルグリコールエーテル、2,2,4-トリメチル1,3-ペンタンジ
オールモノイソブチレート
*10 コロネートHX:イソシアヌレート
日本ポリウレタン工業社製、加熱残分99%超
(インク)
インク1
赤系
赤褐色透明酸化鉄 7.5部
水 65.0部
BYK-190*11 8.5部
エチレングリコール 11.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.81、表面張力(25℃、mN/m):33.7、粒度分布(D50):65nm、(D90):105nm
*11 BYK-190:分散剤、ビックケミー社製
黄系
黄褐色透明酸化鉄 7.0部
水 65.5部
BYK-190 8.0部
エチレングリコール 11.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 8.0部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.90、表面張力(25℃、mN/m):34.8、粒度分布(D50):70nm、(D90):130nm
青系
C、I、ピグメントブルー 6.0部
水 62.0部
BYK-190 7.0部
エチレングリコール 12.0部
ジエチレングリコール 13.0部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.92、表面張力(25℃、mN/m):35.5、粒度分布(D50):78nm、(D90):135nm
黒系
C、I、ピグメントブラック 5.0部
水 70.0部
BYK-190 8.0部
グリセリン 5.0部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.0部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.75、表面張力(25℃、mN/m):34.5、
粒度分布(D50):115nm、(D90):190nm
インク2
インク1の各色インク100質量部に対して、それぞれタケラックWSA5920(ウレタンディスパージョン、三井武田ケミカル社製、加熱残分37±1%)を8質量部添加して、赤系、青系、黄系、黒系の各色結合剤入りインクを調製した。
インク1
赤系
赤褐色透明酸化鉄 7.5部
水 65.0部
BYK-190*11 8.5部
エチレングリコール 11.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.81、表面張力(25℃、mN/m):33.7、粒度分布(D50):65nm、(D90):105nm
*11 BYK-190:分散剤、ビックケミー社製
黄系
黄褐色透明酸化鉄 7.0部
水 65.5部
BYK-190 8.0部
エチレングリコール 11.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 8.0部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.90、表面張力(25℃、mN/m):34.8、粒度分布(D50):70nm、(D90):130nm
青系
C、I、ピグメントブルー 6.0部
水 62.0部
BYK-190 7.0部
エチレングリコール 12.0部
ジエチレングリコール 13.0部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.92、表面張力(25℃、mN/m):35.5、粒度分布(D50):78nm、(D90):135nm
黒系
C、I、ピグメントブラック 5.0部
水 70.0部
BYK-190 8.0部
グリセリン 5.0部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.0部
計 100.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.75、表面張力(25℃、mN/m):34.5、
粒度分布(D50):115nm、(D90):190nm
インク2
インク1の各色インク100質量部に対して、それぞれタケラックWSA5920(ウレタンディスパージョン、三井武田ケミカル社製、加熱残分37±1%)を8質量部添加して、赤系、青系、黄系、黒系の各色結合剤入りインクを調製した。
(クリアー塗料)
以下の表3に示す配合にて、ディスパー混合することにより、クリアー塗料を調製した。
*1 ユピカコート:アクリル樹脂ワニス
日本ユピカ社製、加熱残分47%
*2
酢酸ブチル :溶解度パラメーター 8.5
イソプロピルアルコール :溶解度パラメーター 11.5
キシレン :溶解度パラメーター 8.8
以下の表3に示す配合にて、ディスパー混合することにより、クリアー塗料を調製した。
日本ユピカ社製、加熱残分47%
*2
酢酸ブチル :溶解度パラメーター 8.5
イソプロピルアルコール :溶解度パラメーター 11.5
キシレン :溶解度パラメーター 8.8
実施例1〜6、及び比較例1〜3
上記塗料及びインクを用いて意匠性建材の製造を行った。
30×30cmの石膏スラグバーライト板に対して、表1に示すシーラーを、粘度を調整(フォードカップ#4で9秒)し、エアースプレーにて乾燥質量で28g/m2となるように塗装した。シーラー塗装後に120℃×5分乾燥を行い、次に被印刷面形成塗料を塗装した。
被印刷面形成塗料は、上記製造例に示す各塗料を、粘度を調整(フォードカップ#4で13秒)し、エアレススプレーにて乾燥質量で38g/m2となるように塗装した。次いで被印刷面形成塗料を120℃×5分乾燥した後に、インクジェットプリンターによる模様付けを行った。
模様付けは、上記インク1または2をピエゾ式インクジェットプリンター(GP―604:ミマキ社製フルカラーインクジェットプリンター)にてインクの吐出を行い、御影石擬似模様を形成させた。100℃×30秒乾燥させた後に、クリアー塗料の塗装を行った。
クリアー塗料は下記表3に示すクリアー塗料を、エアレススプレーにて乾燥質量で32g/m2となるように塗装した。塗装後に120℃×15分乾燥させることで、意匠性建材を得た。
上記塗料及びインクを用いて意匠性建材の製造を行った。
30×30cmの石膏スラグバーライト板に対して、表1に示すシーラーを、粘度を調整(フォードカップ#4で9秒)し、エアースプレーにて乾燥質量で28g/m2となるように塗装した。シーラー塗装後に120℃×5分乾燥を行い、次に被印刷面形成塗料を塗装した。
被印刷面形成塗料は、上記製造例に示す各塗料を、粘度を調整(フォードカップ#4で13秒)し、エアレススプレーにて乾燥質量で38g/m2となるように塗装した。次いで被印刷面形成塗料を120℃×5分乾燥した後に、インクジェットプリンターによる模様付けを行った。
模様付けは、上記インク1または2をピエゾ式インクジェットプリンター(GP―604:ミマキ社製フルカラーインクジェットプリンター)にてインクの吐出を行い、御影石擬似模様を形成させた。100℃×30秒乾燥させた後に、クリアー塗料の塗装を行った。
クリアー塗料は下記表3に示すクリアー塗料を、エアレススプレーにて乾燥質量で32g/m2となるように塗装した。塗装後に120℃×15分乾燥させることで、意匠性建材を得た。
得られた意匠性建材に対して、以下の評価試験を行った。
(評価基準)
意匠性:上記得られた意匠性建材の意匠性を、目視により観察した。
○:インクのにじみ又はハジキ等無く、明確な模様が形成されている。
△:多少のにじみはあるが、実用上問題ない程度に模様が形成されている。
×:インクのにじみ又はハジキが発生し、明確に模様が形成されていない。
耐候性:メタルウェザーによる耐候性の評価(サイクル数20)
○:塗膜外観及び形成された模様等に変化無し、光沢保持率80%<
△:塗膜外観又は形成された模様等に変化軽微にある、光沢保持率65%>
×:塗膜外観又は形成された模様等に変化激しい、光沢保持率50%>
1サイクル:L→R→シャワー→D→シャワー
L:波長295〜780nm、光エネルギー63mW/cm2、16時間照射(温度65度、湿度70%)
R:照射無し。(温度65度、湿度70%)2時間
シャワー:純水10秒間散水
D:照射無し。(温度30度、湿度98%以上)6時間
耐水性:20±1℃水道水中に浸漬(浸漬期間 30日)
○:塗膜外観及び形成された模様等に変化無し、光沢保持率80%<
△:塗膜外観又は形成された模様等に変化軽微にある、光沢保持率65%>
×:塗膜外観又は形成された模様等に変化激しい、光沢保持率50%>
建材の製造効率:インクジェットノズルのインク詰まりの有無
○:インク詰まりが生じない。
×:インク詰まりが生じた。
(評価基準)
意匠性:上記得られた意匠性建材の意匠性を、目視により観察した。
○:インクのにじみ又はハジキ等無く、明確な模様が形成されている。
△:多少のにじみはあるが、実用上問題ない程度に模様が形成されている。
×:インクのにじみ又はハジキが発生し、明確に模様が形成されていない。
耐候性:メタルウェザーによる耐候性の評価(サイクル数20)
○:塗膜外観及び形成された模様等に変化無し、光沢保持率80%<
△:塗膜外観又は形成された模様等に変化軽微にある、光沢保持率65%>
×:塗膜外観又は形成された模様等に変化激しい、光沢保持率50%>
1サイクル:L→R→シャワー→D→シャワー
L:波長295〜780nm、光エネルギー63mW/cm2、16時間照射(温度65度、湿度70%)
R:照射無し。(温度65度、湿度70%)2時間
シャワー:純水10秒間散水
D:照射無し。(温度30度、湿度98%以上)6時間
耐水性:20±1℃水道水中に浸漬(浸漬期間 30日)
○:塗膜外観及び形成された模様等に変化無し、光沢保持率80%<
△:塗膜外観又は形成された模様等に変化軽微にある、光沢保持率65%>
×:塗膜外観又は形成された模様等に変化激しい、光沢保持率50%>
建材の製造効率:インクジェットノズルのインク詰まりの有無
○:インク詰まりが生じない。
×:インク詰まりが生じた。
Claims (4)
- 建材表面に、架橋された親水性樹脂粒子を含有する塗膜を形成し、次いで該塗膜表面に、結合剤を実質的に含まない水系インクを吐出し、150〜600DPIの解像度で建材の着色及び/又は模様付けを行うことを特徴とする意匠性建材の製造方法。
- 前記親水性樹脂粒子が、ポリアクリル酸ナトリウムである請求項1に記載の製造方法。
- 前記親水性樹脂粒子の平均粒子径が、0.3〜130μmの範囲にある請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記親水性樹脂粒子が、多孔質構造を有し、0.7〜2.0g/cm3の真比重を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2005230825A JP2007044614A (ja) | 2005-08-09 | 2005-08-09 | 意匠性建材の製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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