JP2007042181A - 自動等化器及び自動等化方法、並びに再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2値化手段として最尤復号器を用いた再生装置にあっても、自動等化の調整時間を短縮できる自動等化器を提供する。
【解決手段】 SAM値算出部77は、最尤復号器76により検出された2値化データのSAM値をリアルタイムに算出する。再生信号評価値算出部78は、SAM値算出部77により算出されたSAM値に基づいて再生信号の評価値を算出する。制御部79は、再生信号評価値算出部78により算出された再生信号の評価値に基づいて等化器75のパラメータを設定し、等化器75のパラメータを所定範囲で可変する。
【選択図】 図1
【解決手段】 SAM値算出部77は、最尤復号器76により検出された2値化データのSAM値をリアルタイムに算出する。再生信号評価値算出部78は、SAM値算出部77により算出されたSAM値に基づいて再生信号の評価値を算出する。制御部79は、再生信号評価値算出部78により算出された再生信号の評価値に基づいて等化器75のパラメータを設定し、等化器75のパラメータを所定範囲で可変する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光ディスク、磁気ディスク、2次元コードなどのデータストレージ装置の再生系における、イコライザなどの再生調整系モジュールの自動等化器及び自動等化方法、並びに当該自動等化器を適用した再生装置に関する。
一般に、記録再生装置や通信装置等の伝送回路では、伝送アナログ信号の歪や伝送デジタルデータのエラーの低減を図るために、その伝送特性に適したイコライザ特性を上記伝送アナログ信号や伝送デジタルデータに与える等化器が用いられている。例えば、オーディオレコーダやビデオレコーダ等の磁気記録再生装置、光ディスク記録再生装置では、再生系に、再生ヘッドによる再生信号に高域を強調する特性を与える等化器を設けることによって、記録系における磁気テープ、光ディスクの記録密度を高めることができるようにしている。
従来、このような等化器において、その特性を定める係数は、製品出荷時等に適正に調整され、その状態で固定されていた。さらに説明すると、再生信号を評価する評価の段階で係数の最適値を導きだし、係数をその最適値に固定で出荷していた。
しかし、セット及び光ディスク等の記録媒体の大量生産によって市場でのばらつきが存在する。このばらつきによって、最適値だと思われていた係数値がセットや記録媒体又は両方の組み合わせによって最適値でなくなるという虞がある。このため、再生装置においては、読み取りエラーなどの問題が生じることがある。
そこで、本件出願人は、下記特許文献1及び特許文献2により、自動等化器において、等化器の係数を可変させ、誤り率の変化の度合いを抽出して、この誤り率の変化の度合いに基づいて係数を最適に設定する技術を開示した。
ところで、上記特許文献1、特許文献において、係数を最適化するには、誤り率(エラーレート)の変化の度合いを求め、この誤り率の変化の度合いに基づいていた。誤り率の検出は、正確であると同時に高速であることが要求される。しかし、エラーレートを安定して測定するためには、比較的長時間が必要とされる。
一方、近年では、LSI(Large Scale Integrated circuit)技術の発達などにより、高記録密度を達成するための再生信号の2値化手段として、ビタビ復号器のような最尤復号器を用いることが容易になった。最尤復号器では、データ間に相関を持たせて記録したデータ列を再生するときに、最も確からしい系列を検出することで2値化を行う。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、2値化手段として最尤復号器を用いた再生装置にあっても、調整時間を短縮できる自動等化器及び自動等化方法、並びに再生装置の提供を目的とする。
本発明に係る自動等化器は、上記課題を解決するために、等化器が可変設定自在な少なくとも2つのパラメータを有し、2値化手段が等化器から出力される再生信号を最尤復号処理によって復号し2値化データを検出し、再生信号評価値算出手段が2値化手段により検出された2値化データを評価するための評価値を算出し、制御手段が再生信号評価値算出手段により算出された再生信号の評価値に基づいて等化器の少なくとも2つのパラメータを設定する。
本発明に係る自動等化方法は、上記課題を解決するために、2値化工程が可変設定自在な少なくとも2つのパラメータを有する等化器から出力される再生信号を最尤復号処理によって復号して2値化データを検出し、再生信号評価値算出工程が2値化工程により検出された2値化データを評価する評価値を算出し、設定工程が再生信号評価値算出工程により算出された再生信号の評価値に基づいて等化器の上記少なくとも2つのパラメータを設定する。
本発明に係る再生装置は、上記課題を解決するために、記録媒体に記録された信号を再生し再生信号を2値化する再生装置において、記録媒体に記録された信号を読み出す読み出し手段と、上記読み出し手段により上記記録媒体から読み出された信号に対して、可変設定自在な少なくとも2つのパラメータを有して等化処理を施す等化器と、上記等化器から出力される再生信号を最尤復号処理によって復号し2値化データを検出する2値化手段と、上記2値化手段により検出された2値化データを評価するための評価値を算出する再生信号評価値算出手段と、上記再生信号評価値算出手段により算出された上記再生信号の評価値に基づいて上記等化器の上記少なくとも2つのパラメータを設定する制御手段とを備える。
本発明によれば、2値化手段として最尤復号器を用いた再生装置にあっても、自動等化の調整時間を短縮できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
この実施の形態は、本発明の自動等化器を適用した光磁気ディスク再生装置である。図1は光磁気ディスク再生装置の概略構成図である。図1に示すように、光磁気ディスク再生装置71は、光磁気ディスク72から図示しない光学系(読み出し部)により読み出した信号をA/D変換器73によりデジタル信号に変換してから自動等化器74に供給する。この自動等化器74からは、等化の処理が施されたデジタル信号が出力され、DPLL82、同期検出部83、復調部84を介して誤り訂正部85に供給される。誤り訂正部85で誤り訂正されたデジタル信号は出力端子86から出力される。
自動等化器74は、A/D変換器73とDPLL82との間に接続された等化器(イコライザEQ)75と、この等化器75にDPLL82を介して接続され、等化器75から出力される再生信号を部分応答最尤(Partial Response Maximum Likelihood:PRML)復号処理によって2値化する最尤復号器76と、最尤復号器76により検出された2値化データのSAM値をリアルタイムに算出するSAM値算出部77とを備える。また、自動等化器74は、SAM値算出部77により算出されたSAM値に基づいて再生信号の評価値を算出する再生信号評価値算出部78と、再生信号評価値算出部78により算出された再生信号の評価値に基づいて等化器75のパラメータを設定し、等化器75のパラメータを所定範囲で可変する制御部79とを備えてなる。制御部79は、上記再生信号の評価値に基づいて等化器75のパラメータを設定する設定部80と、設定部80で設定されたパラメータにしたがって、等化器のパラメータを所定範囲で可変する可変部81とを備える。
等化器75は、例えばC1,C2,C3の3つのパラメータで特性を制御される3タップのFIR形デジタルフィルタであって、A/D変換器73から供給されるデジタル信号に上記各パラメータC1,C2,C3に応じた等化処理を与えてDPLL82に送る。
このような等化器75としては、例えば図2に示すような3タップのFIR形デジタルフィルタを用いることができる。このFIR形デジタルフィルタでは、A/D変換器73から供給されるデジタル信号(ADRFC)91が第1の乗算器(B)94に与えられるとともに各遅延素子92,93を順次介して第2,第3の乗算器(A)95,(C)96にそれぞれ与えられ、これら乗算器(B)94,(A)95,(C)96でそれぞれパラメータC1,C2,C3に応じた重み付けがなされた後、加算器97にて加算され、出力端子を介し、イコライザ出力データ(EQRF)98として出力する。図において、A,B,Cはそれぞれのタップ係数を示し、DはクロックCLK1周期の遅延素子である。
また、等化器75としては、例えば図3に示す5タップのFIR形デジタルフィルタを用いることもできる。このFIR形デジタルフィルタは、A/D変換器73から供給されるデジタル信号(ADRFC)401が第1の乗算器(B)406に与えられるとともに各遅延素子402,403,404,405を順次介して第2,第3,第4,第5の乗算器(A)407,(C)408,(A)409,(B)410にそれぞれ与えられ、これら乗算器(B)406,(A)407,(C)408,(A)409,(B)410でそれぞれパラメータC1,C2,C3に応じた重み付けがなされた後、加算器411にて加算され、出力端子を介し、イコライザ出力データ(EQRF)412として出力する。
次に、部分応答最尤復号器(PRML)76について説明する。最尤復号器とは、入力波形に対して2値化データ系列を出力する復号器である。近年コーデック技術の発展や従来方式を継続することより、様々な種類のデータやメディアなどに対応するために積分系や微分系の最尤復号器があり、また同じ系統でも特性が違うものもある。このように最尤復号器は1つ以上の種類があり、様々な種類のデータやメディアなどに対応するために適切な最尤復号器を用いる必要がある。
例えば,PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器は、入力信号に対して波形干渉を抑えずに狭周波数帯域でデータを記録再生する部分応答(Partial Response)検出と、複数の信号列から最も確からしいビット列を最尤(Maximum Likelihood)復号する復号技術とを組み合わせたものである。PR(1,-1)に基づいた最尤復号器も同様の復号技術の組み合わせであるが、想定波形が(1,2,1)に対して(1,-1)と異なっている。
PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器は、上述したように、2値化の出力としてノンリターントウゼロ(Non Return to Zero: NRZ)による2値化データとノンリターントウゼロインバート(Non Return to Zero Invert: NRZI)の2種類を生成する。2値化データNRZIは同期検出部83に供給するが、2値化データNRZはSAM値算出部77に供給する。
この実施の形態では、最尤復号器を用いた再生系に適合する評価値を前述したように、SAM値に基づいて得ている。SAM値は、最尤復号器において、正しいパス・メトリックとそれに最も近い他のパス・メトリックとの差であり、例えば、Tim Perkins and Zachary A.Keirn、"A Window-Margin-Like Procedure for Evaluating PRML Channel Performance"、IEEE Trans.Magn.Vol.31、No.2、pp1109-1114に報告されている。従来では、SAMは、ストレージオシロスコープなどを用いた評価システムで、一旦取り込んだデータをコンピュータで計算するといった手法で求められていた。本発明では、SAMの計算をデータ再生装置自体で略リアルタイムに行い、得られたSAM値に基づき、再生信号評価値を得、この再生信号評価値に基づいて自動等化器74を調整するようにしている。
SAMは、最尤復号器が誤った2値化データ系列を出力してしまうまで許容されるノイズマージンである。実際には、再生信号処理過程において、完全に正しい2値化データ系列を小さい遅延時間で得ることは困難である。そのため、最尤復号器が最も確からしいと判断したデータ系列の確からしさの度合い(パスメトリックMr)と、誤りと判断したデータ系列の確からしさの度合い(パスメトリックMw)との差(Mr−Mw)を、SAM値とすることが実用的である。通常、再生信号品質を評価したい状況では、最尤復号器が最も確からしいと判断したデータ系列の誤り率は小さいと考えられるので、このような方法で求めたSAM値と厳密な意味でのSAM値との差は小さい。
次に、SAM値の計算の詳細について説明する。以下では、変調符号にRLL(1,7)符号(最小ラン制限=1)、最尤復号器としてPR(1,2,1)ビタビ復号器を用いるものとして説明する。
図4は、RLL(1,7)とPR(1,2,1)の組み合わせに対応するトレリス線図を示す。図4では、時刻kから時刻k+1への状態遷移が表されている。状態S00、S01、S10及びS11は現時点より過去2ビット分のデータの組み合わせで決まる状態である。値akは、2値データを表し、値ykは、理想再生信号を表す。
図5は、図4のトレリス線図に応じた、PR(1,2,1)最尤復号器の詳細な構成図である。光磁気ディスク72などの記録媒体から再生ヘッドにより再生された再生信号が、ブランチメトリック計算回路105に供給される。ブランチメトリック計算回路105では、4種類の理想再生信号レベルに対する実際の再生信号のメトリックがチャネルビット毎に計算される。
実際のビタビ復号器では、メトリックとして、理想再生信号ykと実際の再生信号zkとの間のユークリッド距離×(−1)が採用されることが多い。すなわち、理想再生信号レベルyに対するブランチメトリックBM(y)としては、
BM(y)=−(y−zk)2 ・・・(1)
を計算すればよい。
BM(y)=−(y−zk)2 ・・・(1)
を計算すればよい。
一方、パスメトリックメモリ130は、後述する方法で選択されたトレリス上のパス、すなわち、データ系列のパターンに対応するブランチメトリックの累積値が記憶される。パスメトリックメモリ130では、パスが最終的に辿り着く状態の種類に対応して、4つの値が記憶される。図5では、パスメトリックメモリ130内の領域PMM(11)、PMM(10)、PMM(01)およびPMM(00)に、対応する4つの値がそれぞれ記憶されるように示されている。すなわち、状態S11の値が領域PMM(11)に記憶される。同様に、状態S10の値が領域PMM(10)に記憶され、状態S01の値が領域PMM(01)に記憶され、状態S00の値が領域PMM(00)に記憶される。
なお、以下では、領域PMM(11)、PMM(10)、PMM(01)およびPMM(00)に記憶された値そのものを、それぞれPMM(11)、PMM(10)、PMM(01)およびPMM(00)と称する。
時刻kからk+1に移るときは、以下の式(2)〜(5)に従って、パスメトリックメモリ130の各領域PMM(11)、PMM(10)、PMM(01)およびPMM(00)に記憶された値が更新される。なお、式(2)〜(5)では、時刻kにおいて、最終的に状態S00に辿り着くパスに対応するパスメトリックを、PM(00)kのように表記する。
PMM(00)k+1=max{PMM(00)k+BM(−2),PM(10)k+BM(−1)} ・・・(2)
PMM(01)k+1=PMM(00)k+BM(−1) ・・・(3)
PMM(10)k+1=PMM(11)k+BM(+1) ・・・(4)
PMM(11)k+1=max{PMM(01)k+BM(+1),PM(11)k+BM(+2)} ・・・(5)
なお、式(2)および(5)において、max{X,Y}は、XとYとを比較し、値が大きい方が選択されることを示す。
PMM(01)k+1=PMM(00)k+BM(−1) ・・・(3)
PMM(10)k+1=PMM(11)k+BM(+1) ・・・(4)
PMM(11)k+1=max{PMM(01)k+BM(+1),PM(11)k+BM(+2)} ・・・(5)
なお、式(2)および(5)において、max{X,Y}は、XとYとを比較し、値が大きい方が選択されることを示す。
図5の構成では、加算器110A〜110Cおよび120A〜120C、比較器112および122、ならびに、選択器113および123により、ブランチメトリック計算回路105で求められたブランチメトリックBM(+2)、BM(+1)、BM(−1)およびBM(−2)と、パスメトリックメモリ130の各領域に記憶された値PMM(11)、PMM(10)、PMM(01)およびPMM(00)とを用いて上述の式(2)〜(5)の演算が行われ、パスメトリックメモリ130の記憶内容が更新される。
例えば、式(5)は、選択器113は、加算器110Aおよび110Bの出力が比較器112で比較され、その比較結果に基づき加算器110Aおよび110Bの出力が選択器113で選択されることで求められる。式(2)も同様にして、加算器120Aおよび120Bの出力を比較器122で比較し、比較結果に基づき加算器120Aおよび120Bの出力を選択器123で選択することで求められる。
PMM(00)およびPMM(11)が更新される際に、それぞれ2つの候補値のうち、パスメトリックが大きくなる方が比較器112および122で選択される。この選択が繰り返されることにより、4つの状態それぞれに達するいずれのパスも、ある程度の時間を遡ったところでは、同じパスが共有されることになる。この共有された部分は、ビタビ復号器100によって最も確からしいと推定されたパスである。比較器112および122による選択結果に基づき、残されたパスがパスメモリ140に記憶され、そのパスに対応した2値化データがパスメモリ140から出力される。
なお、上述した式(2)〜(5)に従ってパスメトリックメモリ130の記憶内容を更新し続けると、パスメトリックの値は、全体的に増加していく傾向を示す。このため、パスメトリックメモリ130のオーバーフローを防止するための仕組みが必要とされる。この仕組みに関して、幾つかの方法が提案されているが、この発明の本質的な部分とは直接関係しないので、ここでの説明を省略する。
図5において、加算器110Aおよび110Bの出力は、上述したように比較器112に供給されると共に、差分器111に供給される。差分器111では、加算器110Aおよび110Bの出力の差分、すなわち、比較器112で比較される値の差分が求められる。差分器111で求められた差分値は、パスメトリック差(11)として出力される。同様にして、加算器120Aおよび120Bの出力は、比較器122に供給されると共に差分器121に供給され、加算器120Aおよび120Bの出力の差分、すなわち、比較器122で比較される値の差分がパスメトリック差(00)として出力される。これら、パスメトリック差(11)および(00)は、SAMの計算のために用いられる。
SAM計算部の具体的な構成に先立って、先ず、SAM計算のアルゴリズムについて説明する。ここでいうSAMとは、上述したように、ビタビ復号器が最も確からしいと判断したデータ系列のパスメトリックと、誤りだと判断したデータ系列のパスメトリックの差である。ビタビ復号器が出力したデータ系列2ビットが0→0であった場合、対応するトレリス上の状態は、状態S00→S00、或いは状態S10→S00のように遷移している筈である。例えば状態S00を通過するパスが選択された場合には、それが状態S00から遷移したのか、状態S10から遷移したのかが判断されたことを意味する。このとき、その根拠とされたパスメトリックの差は、パスメトリック差(00)である。同様に、データ系列2ビットが1→1であった場合、パス選択の根拠とされるパスメトリックの差は、パスメトリック差(11)である。
一方、例えばデータ系列2ビットが0→1であった場合は、状態が状態S00→S01に遷移したことに対応しており、状態S01を通過するパスは、選択の余地無く状態S00→S01→S11である。同様に、データ系列2ビットが1→0であった場合は、パスは選択の余地無く状態S11→S10→S00を通過している。以上をまとめると、SAM値としては、データ系列に応じて図6に示されるように出力すればよい。
図7は、SAM計算部77の一例の構成を示す。ビタビ復号器から出力されたパスメトリック差(11)およびパスメトリック差(00)が、シフトレジスタ210および211を介して選択回路212の2つの選択入力端にそれぞれ入力される。シフトレジスタ210および211は、パスメトリック差(00)および(11)が計算されるタイミングと、2値化データが出力されるタイミングとの差を補償するためのものである。
また、ビタビ復号器のパスメモリ140から出力された2値化データは、D−フリップフロップ回路213によって1クロック遅延された値と共に選択回路212に入力される。選択回路212では、上述した図6に従い、2値化データで示されるデータ系列に基づきパラメトリック差(11)および(00)が選択されSAM値として出力されると共に、SAM値の有効/無効を示すSAM有効信号が出力される。SAM有効信号は、例えばSAM値が有効のときに”H(ハイレベル)”状態とされ、SAM値が無効のときに”L(ローレベル)”状態とされる信号である。
図8はSAM値算出部77から出力されたSAM値から再生評価値を求める評価値計算回路79の一例の構成を示す。定数発生回路311は、理想再生信号に対するSAM値の最小値を発生させる。例えば、図4のトレリス線図に従ったビタビ復号器については、理想再生信号に対するSAM値の最小値が6となる。減算器310の一方および他方の入力端に、SAM値算出部77の選択回路212から出力されたSAM値と、定数発生回路311で発生された、理想再生信号に対するSAM値の最小値とがそれぞれ入力される。
減算器310から出力された、定数発生回路311の出力値からSAM値が差し引かれた差分値は、二乗回路312によって二乗され、平均化回路315に供給される。平均化回路315は、AND回路314から供給されたイネーブル信号が”H”状態で、二乗回路312の出力値を平均化する。二乗回路312の出力値の平均値は、再生信号評価値として平均化回路315から出力される。
なお、平均化回路315は、一定時間内あるいは一定サンプル数の二乗回路312の出力値を平均化することで平均値を算出してもよいし、二乗回路312の出力値の移動平均を計算するようにしてもよい。
一方、SAM値と定数発生回路311の出力値は、比較器313によって比較される。比較器313の出力は、AND回路314の一方の入力端に入力される。AND回路314の他方の入力端には、SAM計算部200の選択回路212から出力されたSAM有効信号が供給される。比較器313による比較の結果、(SAM値)<=(定数発生回路311の出力値)であれば、比較器313の出力が例えば”H”状態とされる。
したがって、SAM有効信号がSAM値が有効であることを示す値(”H”)であり、且つ、(SAM値)<=(定数発生回路311の出力値)であれば、AND回路314から出力されるイネーブル信号が”H”状態とされ、平均化回路315によって、二乗回路312の出力値が平均化される。
なお、SAM値が定数発生回路311の出力値よりも大きい場合は、イネーブル信号が”L”状態となり、二乗回路312の出力値は無視される。そのため、このときには正しく二乗計算をする必要は無い。
このように、図1に示した光磁気ディスク再生装置は、最尤復号器76から得られた2値化データNRZのSAM値をSAM値算出部77が算出し、そのSAM値を基に再生信号評価値算出部78が再生信号評価値を算出し、この再生信号評価値に基づいて制御部79が等化器75のパラメータを設定し、等化器75のパラメータを所定範囲で可変する。
次に、自動等化器74の自動等化処理の詳細について説明する。図9は自動等化器74が行う自動等化の遷移図である。すべてで4つのモード(状態)があり、それぞれアイドル(IDLE)モード、サーチ(SEARCH)モード、ウォブル(WOBBLE)モード、ホールド(HOLD)モードである。IDLEモードは、自動等化は動作しないで固定値をそのまま出力する従来モードである。SEARCHモードは、自動等化の初期値を検索するモードであり、ある閾値を下回ればWOBBLEモードになる。WOBBLEモードは、SEARCHモードで得た初期値からWobblingを行い、途中で所定の閾値を越えたらSEARCHモードに戻る。最後にHOLDモードは、WOBBLEモードで一定期間係数に変化が無ければその値をHOLDする。ここでも途中である閾値を超えたらSEARCHモードに戻る。リセットがかかればどのモードでもIDLEモードに戻る。
まず、ウォブル(WOBBLE)モードについて詳しく説明する。WOBBLEモードは、「よろめく、ふらつく、ぐらぐらする」という意味が示すように、周辺探索において「あっちをみたりこっちをみたり」というモードである。Gradient法を基本概念とし、FIRフィルタの2つの係数C1,C2を変化させたことによる評価関数値の増減に応じて、新係数を決定する。
評価関数値Eについて、ΔC1による変化分をΔE1、ΔC2による変化分をΔE2とすると、新係数C1',C2'は適当な帰還ゲインKにより、以下のようにあらわされる。
C1'=C1+KΔE1
C2'=C2+KΔE2
したがって、ΔE1,ΔE2を得るためにC1',C2'は常に適当な振動をさせることが必要である。このGradient法の長所として、1)帰還値算出の処理が容易、2)目標値を直接扱うので、システムをBlack Box化して考えられる、3)良い初期値を与えれば収束が早い。また、短所として、1)疑似ピークがある場合、最適値へ収束するとは限らない、2)入力振動範囲がシステムとして許容される必要がある、3)初期値が悪いと収束までの時間がかかる。
C1'=C1+KΔE1
C2'=C2+KΔE2
したがって、ΔE1,ΔE2を得るためにC1',C2'は常に適当な振動をさせることが必要である。このGradient法の長所として、1)帰還値算出の処理が容易、2)目標値を直接扱うので、システムをBlack Box化して考えられる、3)良い初期値を与えれば収束が早い。また、短所として、1)疑似ピークがある場合、最適値へ収束するとは限らない、2)入力振動範囲がシステムとして許容される必要がある、3)初期値が悪いと収束までの時間がかかる。
そこで本発明では2係数直交Wobblingを採用した。2係数直交Wobblingは4Trace CycleでC1、C2に対する評価値の傾斜(以下Gradient)算出に必要なSAM値を摂取可能となっている。
図10に示す様に、トレース順にしたがってP1→P2→P3→P4と係数を変化させ、そのときのSAM Counter値をSAM1、SAM2、SAM3、SAM4と摂取しておけば、Gradient(C1)とGradient(C2)は以下のように求めることができる。
Gradient(C1)≡ΔSAM/ΔC1=(SAM2+SAM3)-(SAM1+SAM4)/2
Gradient(C2)≡ΔSAM/ΔC2=(SAM3+SAM4)-(SAM1+SAM2)/2
また、図11に示すようにトレースの回転を、順方向と逆方向とで交互に行うことにより、時間変動にも対応することができる。そして、上記のGradientを用いて、C1new及びC2newを以下のように算出し、4Trace毎に新係数として使用する。
C1new=C1old+K x Gradient(C1)
C2new=C2old+K x Gradient(C2)
帰還ゲインKを変えることにより、傾斜の影響度を変えることが可能である。ここで新係数は、小数点も含めたC1,C2平面内のP1〜P4にて囲まれる1スクエア内に必ず内含されるのである。またWobblingにとっての仮想センターP0との差は最大±0.5(C1、C2共に)となる。
Gradient(C1)≡ΔSAM/ΔC1=(SAM2+SAM3)-(SAM1+SAM4)/2
Gradient(C2)≡ΔSAM/ΔC2=(SAM3+SAM4)-(SAM1+SAM2)/2
また、図11に示すようにトレースの回転を、順方向と逆方向とで交互に行うことにより、時間変動にも対応することができる。そして、上記のGradientを用いて、C1new及びC2newを以下のように算出し、4Trace毎に新係数として使用する。
C1new=C1old+K x Gradient(C1)
C2new=C2old+K x Gradient(C2)
帰還ゲインKを変えることにより、傾斜の影響度を変えることが可能である。ここで新係数は、小数点も含めたC1,C2平面内のP1〜P4にて囲まれる1スクエア内に必ず内含されるのである。またWobblingにとっての仮想センターP0との差は最大±0.5(C1、C2共に)となる。
次に、SEARCHモードについて詳しく説明する。SEARCHモードはGradient法の初期値に関する問題点「初期値が悪いと収束に時間がかかる」を対策するために必要なモードである。図12はC1、C2平面上にSAM値を等高線図(線分け)によって示してあり、白い領域はSAM値=0の領域である。よって図12のP1〜P4はすべてSAM値=0であり、従ってGradientもすべて0となり、新係数は旧係数そのものとなる。短所で述べたような「収束に時間がかかる」などという生易しい状況ではなく、P1は微動だにしなくなる。そこでC1、C2平面内で初期値候補を数ポイント用意しておき、最も良い初期値を選び上記のような事態発生を避けている。
SEARCH動作としては、1)サーチポイント(SEARCH POINT)を一巡サーチして、最良SAM値がある閾値以下であったらそのときの係数を初期値としてWOBBLEモードに入る、2)SEARCH POINTを一巡Searchして、最良SAM値がある閾値以上なら再度Searchする。以上のようなSEARCHモード処理を行うことにより、WOBBLEモードの精度を向上している。
HOLDモードは、上述したように、WOBBLEモードで一定期間係数に変化が無ければその値をHOLDするモードである。途中である閾値を超えたらSEARCHモードに戻る。リセットがかかればどのモードでもIDLEモードに戻る。
次に、図13を用いて自動等化器74における自動等化動作の処理手順について説明する。まず、ステップS1でIDLEモードにて自動等化ONとし自動等化を開始する。
ステップS2では、SEARCH)モードに移行し、光磁気ディスク上のすべてのサーチポイントにおいてSAM値を算出する。図14にはサーチポイントを例えば7点としたときのサーチ動作について示す。サーチ領域422は、サーチ禁止(無効)領域420、421を除いた領域である。無効領域420は、自動等化のリミッター処理部分である。リミッター処理とは、計算上だと係数が「0f→10」と変わることがあるが、実際の係数としては、kmaの場合は右端(kmbは下端)からいきなり左端(kmbは上端)に値が移るので、全く違う動作をしてしまうのを防ぐためのものである。無効領域421は、デジタルイコライザの仕様にもとづいたサーチ禁止領域である。ウォブル中に無効エリア420、421に入ろうとしたとき、最も近い有効エリア422の値が適用される。センター423は、kma=5'h00,kmb=5'h00である。サーチ領域422内に(1)乃至(7)のサーチポイントが設定されており、これらのすべてのサーチポイントにてSAM値が算出される。
ステップS3では、ステップS2で算出したサーチポイントのSAM値が所定の閾値以下であるか否かをチェックする。詳細には、上述したように、最良SAM値が所定の閾値以下であったら、そのときの係数を初期値とする。このようにして最も良い初期値を選ぶ。
ステップS4では、ステップS3にて最も良い初期値が選ばれたのを受け、ウォブルモードに移行し、上記最小SAM値係数からウォブリングを開始してSAM値を算出する。図15はウォブル動作の具体例を示すためのSAM値の等高線の例を示す図である。図5の(a)がサーチモードで決まったスタート地点とすると、SAM値が一番小さいところまで辿り着く動作例を示している。SAM値の計算は反時計周りと時計周りを繰り返す。等高線は斜線が密になるほどにSAM値が4から1に向かって小さくなっているのを示している。SAM値が小さいほど評価値がよい。図15の(a)は反時計周りでP1→P2→P3→P4でSAM値を求めている。P2のときSAM値は3であり、他のP1、P3、P4はいずれも4である。そこで、P2寄りに傾き図15の(b)になる。図15の(b)では、時計周りにP1→P2→P3→P4でSAM値を求めている。P1、P4はSAM値が2であり、P2、P3のSAM値3より小さい。そこで、P1・P4よりに傾く。すると、図15の(c)ではP2がSAM値1となり、P1、P3、P4の2よりも良い。そこで、P2よりに傾く。すると、図15の(d)ではP1、P2、P4がSAM値1となり、P3が2となる。そして、P1よりに傾き図15の(e)となる。図15の(e)では、P3のみがSAM値1となり、P1,P2,P4はSAM値2となる。この状態では、図15の(d)よりも後退したことになるので、P3に傾く。すると、図15の(f)となり、図15の(d)と同様にP1,P2,P4がSAM値1となり、P3がSAM値2となる。図15の(d)と図15の(f)を繰り返すことになる。
ステップS5では、SAM値が所定の閾値を越えたか否かを判定する。ここで、SAM値が所定の閾値を越えたと判定するとステップS2に戻り、再度サーチモードに遷移してすべてのサーチポイントにおいてSAM値を算出する。このようにウォブルモードは、サーチモードで得た初期値からウォブリングを行い、途中で所定の閾値を越えたらサーチモードに戻る。
ステップS5において、SAM値が所定の閾値以下であると判定しているのであれば、ステップS6に進み、SAM値より傾斜を算出し、傾斜による新しい係数を基点として再度ウォブリングを行う。P1,P2,P3,P4に対応するSAMカウント(SAM Counter)値をSAM1、SAM2、SAM3、SAM4として摂取しておき、上述したように、C1,C2に対する評価値の傾斜(Gradient)を算出する。そして、算出した評価値の傾斜を用いて、上述したように、新しい係数C1new、C2newを算出し、4トレース毎に新係数とする。この新係数を基点として再度ウォブリングを行う。
次に、ステップS7では、ある一定時間同じ係数が続いたか否かをチェックする。ある一定時間同じ係数が続いたと判断すれば、ステップS8に進む。ある一定時間同じ係数が続いていないと判断すれば、ステップS4に戻り、ウォブルモードを繰り返す。
ステップS8では、ホールドモードに遷移し、上記係数をホールドする。つまり、ホールドモードは、ウォブルモードで一定期間係数に変化が無ければその値をホールドする。
ステップS9では、SAM値が所定の閾値を越えたか否かをチェックしており、SAM値が所定の閾値を超えたのであればステップS2に戻り、サーチモードに遷移する。所定の閾値以下であればステップS8にて係数をホールドし続ける。
自動等化がoffされれば、ステップS10にてアイドルモードに遷移し、自動等化を終了する。
上記図2に示した3タップのFIR形デジタルフィルタを例にすると、自動等化器74において、等化器75の特性を定める各パラメータは、パラメータC3が常に所定値に固定されており、パラメータC1,C2が可変自在となっている。そして、これら可変自在のパラメータC1,C2は、可変部81からの出力に応じて可変されるようになっている。
可変部81は、後述のように設定部80にて設定されたパラメータC1,C2を所定の短期間ごとに所定の範囲で可変して、等化器75のパラメータC1,C2として与えるようになっている。
乗算器(A)95は、C1/16という重み付けをする(A=C1/16)。乗算器(B)94は、C2/16という重み付けをする(B=C2/16)。乗算器(C)は、1−(A+B)=1−(C1+C2)/16という重み付けをする(C=1−(A+B)=1−(C1+C2)/16)。ただし、−16<C1+C2<+16である。また、C1[4:0],C2[4:0]であり、とりうる値は−16乃至15である。
また、上記図3に示した5タップのFIR形デジタルフィルタを例にすると、パラメータC3が常に所定値に固定されており、パラメータC1,C2が可変自在となっている。そして、これら可変自在のパラメータC1,C2は、可変部81からの出力に応じて可変されるようになっている。
乗算器(A)407は、C1/16という重み付けをする(A=C1/16)。乗算器(B)406は、C2/16という重み付けをする(B=C2/16)。乗算器(C)は、1−2×(A+B)=1−(C1+C2)/8という重み付けをする(C=1−2×(A+B)=1−(C1+C2)/8)。ただし、−16<C1+C2<+16である。また、C1[4:0],C2[4:0]であり、とりうる値は−16乃至15である。ここで、C1[4:0],C2[4:0]であり、とりうる値は−16乃至15である。
次に、図16を参照して、従来の方式である評価の段階で決定した最適値(固定値)の結果と、本発明のSAM値を用いた自動等化の結果を比較した実験結果を説明する。図中、固定値イコライザ優位領域と示しているのが、最適値をオペレータが選んで固定値とした場合である。また、自動等化イコライザ優位領域は、全く人為的に初期値を与えず、自動にてパラメータを最適値に収束させた場合である。実験結果より自動等化を用いた方法が、人為的に設定した最適の固定値と同性能であることがわかる。
もちろん、本発明は、開発時の評価の段階での調整や実際の製品としての使用時の調整にも使用できる。すなわち、本発明の自動等化器及び自動等化方法は開発からユーザ使用時までの間のすべてのフェーズにおいて使用可能である。
以上に説明したように、この光磁気ディスク再生装置では、本発明の自動等化器を用いて自動的にパラメータC1,C2を調整することができるので、2値化手段として最尤復号器を用いた再生装置にあっても、生産や市場のばらつきに対応し、常に高い信頼性で再生が可能となる。また、最適値を自動で計算するので、調整時間を短縮できる。また、コストの短縮につながる。
ところで、近年、コーデック技術の発展や従来方式を継続することにより、同一装置で様々な種類のデータやメディアに対応するために、最尤復号器を増やすことが考えられるようになった。
そこで、図1に示した光磁気ディスク再生装置にあって、PRML76に代えて、複数の最尤復号器を用いる場合について以下に説明する。
図17は、上記PRML76の代わりに用いる、2値化復号&評価値算出部の構成を示す図である。PR(1,2,1)に基づいた積分系最尤復号器(ビタビ復号器を含む)5と、PR(1,-1)に基づいた微分系最尤復号器6という相互に異なる2種類の復号器を用いて再生信号を2値化する再生信号処理部の、各再生信号を評価するブロックである。SAM値までは各最尤復号器5、6で算出し、統計処理を同一の回路(再生信号評価値算出回路8)で行うというものである。これにより、「(最尤復号器の数)-1」の数の再生信号評価値算出回路、この例では1つの再生信号評価値算出回路を省くことができる。また1つ以上の最尤復号器を用いているため、2値化の出力がNRZによる2値化データとNRZIによる2値化データの2種類存在する場合がある。後段の処理として2値化データはNRZIであることが望ましいが、再生信号評価値算出回路8ではNRZであることが望ましい。よって2値化データは選択回路7によって種類で選別され、NRZIは最終2値化出力となり、NRZは再生信号評価値算出回路8の入力となる。
PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器5と、PR(1,-1)に基づいた最尤復号器6には、入力端子2を介して入力され、切り替えスイッチ3によって選択的に切り替えられた信号が供給される。各最尤復号器5及び6は、切り替え片3aが被選択端子3b又は3cに選択的に切り替えられることによって、入力された信号に対して、相互に異なった種類の復号処理を施す。
PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器5は、入力信号に対して波形干渉を抑えずに狭周波数帯域でデータを記録再生する部分応答(Partial Response)検出と、複数の信号列から最も確からしいビット列を最尤(Maximum Likelihood)復号する復号技術とを組み合わせたものである。PR(1,-1)に基づいた最尤復号器6も同様の復号技術の組み合わせであるが、想定波形が(1,2,1)に対して(1,-1)と異なっている。
PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器5は、上述したように、2値化の出力としてNon Return to Zero: NRZとNon Return to Zero Invert: NRZIの2種類を生成し、選択回路7に供給する。また、PR(1,-1)に基づいた最尤復号器6も、NRZとNRZIの2種類を生成し、選択回路7に供給する。
また、PR(1,2,1)に基づいた復号器5とPR(1,-1)に基づいた最尤復号器6は、それぞれSAMを生成して再生信号評価値算出回路8に供給する。
選択回路7は、NRZIを選択して後述する復調部に供給し、NRZを選択して再生信号評価値算出回路8に供給する。
再生信号評価値算出回路8は、SAM値に基づいて再生信号を評価する再生信号評価値を算出する。SAM値についての説明は省略する。
図18は、図4のトレリス線図に応じた、PR(1,2,1)最尤復号器5の内部の概略構成である。上記パスメトリック差(11)、パスメトリック差(00)及び2値化データを出力するビタビ復号部12と、上記パスメトリック差(11)、パスメトリック差(00)及び2値化データを入力としてSAMを計算し、SAM値及びSAM有効信号を出力端子14及び15から出力するSAM計算部13を有する。なお、2値化データは、出力端子16から後述の復調部に供給される。
図19は再生信号評価値算出回路8の概略構成図である。再生信号評価値算出回路8には、PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器5から出力された第1のSAM値(入力端子20から)及び第1のSAM有効信号(入力端子22から)と、PR(1,-1)に基づいた最尤復号器6からの第2のSAM値(入力端子21から)及び第2のSAM有効信号(入力端子23から)とが入力される。
これら第1のSAM値及び第1のSAM有効信号と、第2のSAM値及び第2のSAM有効信号は、上記二つの最尤復号器5又は6のうちの選択されたいずれか一つの最尤復号器の使用に応じ、切り替えスイッチ26及び29により、各接続端子24〜28を介して切り替えられる。
切り替えスイッチ26により接続端子24又は25が切り替え選択されて、第1のSAM値又は第2のSAM値は、FGCモード評価値生成部30及びAGCモード評価値生成部31に供給される。また、切り替えスイッチ29により接続端子27又は28が切り替え選択されて、第1のSAM有効値又は第2のSAM有効値もFGCモード評価値生成部30及びAGCモード評価値生成部31に供給される。このFGC評価値生成部30及びAGC評価値生成部31における評価値の生成の詳細については後述する。
FGCモード評価値生成部30で生成された評価値と、AGCモード評価値生成部で生成された評価値は、切り替えスイッチ32により選択的に切り替えられて出力される。
切り替えスイッチ26、27及び32は、切り替え制御部33によって切り替えが制御される。切り替え制御部33には、切り替えスイッチ32で選択された再生信号評価値が帰還されている。
図20及び図21には、FGCモード評価値生成部30及びAGC評価値算出生成部31の詳細な構成を示す。先ず、図20において、定数発生回路311は、理想再生信号に対するSAM値の最小値を発生させる。例えば、図4のトレリス線図に従ったビタビ復号器については、理想再生信号に対するSAM値の最小値が6となる。減算器310の一方および他方の入力端には、入力端子308を介してSAM計算部200の選択回路212から出力されたSAM値と、定数発生回路311で発生された、理想再生信号に対するSAM値の最小値とがそれぞれ入力される。
減算器310から出力された、定数発生回路311の出力値からSAM値が差し引かれた差分値は、二乗回路312によって二乗され、FGC平均化回路315に供給される。FGC平均化回路315は、AND回路314から供給されたイネーブル信号が”H”状態で、二乗回路312の出力値を平均化する。二乗回路312の出力値の平均値は、再生信号評価値としてFGC平均化回路315から出力される。
なお、FGC平均化回路315は、一定時間内あるいは一定サンプル数の二乗回路312の出力値を平均化することで平均値を算出する。
一方、入力端子308から供給されたSAM値と定数発生回路311の出力値は、比較器313によって比較される。比較器313の出力は、AND回路314の一方の入力端に入力される。AND回路314の他方の入力端には、SAM計算部200の選択回路212から出力されて入力端子309を介して供給されたSAM有効信号が供給される。比較器313による比較の結果、(SAM値)<=(定数発生回路311の出力値)であれば、比較器313の出力が例えば”H”状態とされる。
したがって、SAM有効信号がSAM値が有効であることを示す値(”H”)であり、且つ、(SAM値)<=(定数発生回路311の出力値)であれば、AND回路314から出力されるイネーブル信号が”H”状態とされ、FGC平均化回路315によって、二乗回路312の出力値が平均化される。
なお、SAM値が定数発生回路311の出力値よりも大きい場合は、イネーブル信号が”L”状態となり、二乗回路312の出力値は無視される。そのため、このときには正しく二乗計算をする必要は無い。
このFGCモード評価値生成部30におけるFGCモードについて説明する。FGCモードは、積算周期で積算レジスタ値を割ることにより、通常の平均と同じ値を出力するモードである。図22はFGCモードの例として、積算結果のBit幅が24Bit、再生信号評価値のBit幅が16Bitとした場合のブロック図である。積算周期が256の場合、下位8ビットを取る。これは256で割ったと同等である。積算周期が512の場合、下位9BitをとりMSBに”0”を付加する。これは出力値のBit幅を16Bitにそろえるためである。そして積算周期が1024の場合、下位10Bitをとり、MSBと2SBに”0”を付加する。これは積算周期が512の場合と同様に出力値のBit幅を16Bitにそろえるためである。このようにFGCモードは、固定(スタティック(Static))に再生信号評価値を見たいときに用いる。
次に、図21を参照してAGC評価値算出部31について説明する。図20のFGC評価値算出部30と異なるのは、FGC平均化回路315に代えてAGC平均化回路317を用いている点である。
AGCモードは、計算精度を向上させるようプライオリティシフト(Priority Shift)させたものを出力値とするモードである。積算レジスタに入る値は理想再生信号に対するSAM値の最小値と選別されたSAM値の差の二乗なので必ず正の値になり、MSBは2‘sCより必ず”0”である。よって2SBから下位Bitへ順に”1”を探し、見つけた箇所から再生信号評価値のBit幅を出力とする。出力値はMSB側にシフトしているので、下位Bitの値の影響は非常に小さい。よって実際の値とシフト幅が分かるように出力の下位Bitにシフト幅の値を入れている。
図23はAGCモードの例として、積算結果のBit幅が24Bit、再生信号評価値のBit幅が16Bit、シフト幅が3Bitで表現できる値の場合の具体例である。このようにAGCモードは、ダイナミックに再生信号評価値を見たいときに用いる。
このように、図19に示した再生信号評価値算出回路8は、FGCモード評価値生成部30と、AGCモード評価値生成部31という、2種類の2乗平均化方法を用いており、かつそれらをユーザに選択させることにより、切り替えることが可能である。FGCモードで評価値の差があまり確認できないときには、AGCモードに切り替えて評価値の細かい差まで確認することができる。もちろん、図19に示した構成では、切り替え制御部33に再生信号評価値を戻しており、所定の閾値との比較により、評価値の切り替えを自動的に行うようにしてもよい。
次に、上記図17の2値化復号&評価値算出部1を光磁気ディスク再生装置に適用した具体例について説明する。この光磁気ディスク再生装置は、高密度の小型光磁気ディスクHi−MD1及びHi−MD3を再生する再生装置である。
現在、直径を略64mmとなし、例えば楽音信号で74分以上の記録を可能となす記憶容量を備えている、小径の光ディスクが広く知られるようになった。この小径の光ディスクは、ミニディスクMD(登録商標)と呼ばれ、ピットによりデータが記録されている再生専用型と、光磁気記録(MO)方式によりデータが記録されており再生も可能な記録再生型の2種類がある。以下の説明は、記録再生型の小径光ディスク(以下、光磁気ディスクという)に関する。上記光磁気ディスクは記録容量を上げるため、トラックピッチや、記録レーザ光の記録波長或いは対物レンズのNA等が改善されてきている。
図24に示すように、トラックピッチ1.6μmでグルーブ記録、また変調方式がEFMである、初期の光磁気ディスクを第1世代MDと記す。この第1世代MDの物理フォーマットは、以下のように定められている。トラックピッチは、1.6μm、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45としている。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ディスク盤面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブル(Wobble)を形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採っている。なお、本明細書では、ウォブリングにより記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pregroove)ともいう。この第1世代MDは、記録データの変調方式として、EFM(8−14変換)変調方式が採用されている。また、誤り訂正方式としては、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)を用いている。また、データインターリーブには、畳み込み型を採用している。これにより、データの冗長度は、46.3%となっている。また、第1世代MDにおけるデータの検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディスク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Verocity)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/sである。記録再生時の標準のデータレートは133kB/s、記録容量は164MB(MD−DATAでは、140MB)である。また、データの最小書換単位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリンクセクタによる36セクタで構成されている。
さらに、近年では、第1世代MDよりもさらに記録容量を上げた高密度MD(Hi−MD1)が開発された。従来の媒体(ディスクやカートリッジ)はそのままに、変調方式や、論理構造などを変更してユーザエリア等を倍密度にし、記録容量を例えば300MBに増加したMDである。記録媒体の物理的仕様は、同一であり、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIPを利用する。このように、ディスクドライブ装置における光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処理は、第1世代MDと同様である。この高密度MD1は、記録データの変調方式として、高密度記録に適合したRLL(1-7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用している。また、再生データから2値化データを検出する検出方式としては、PR(1,2,1)MLを採用している。また、誤り訂正方式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS-LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)方式を用いている。
さらに、高密度MDとしては、高密度MD1より記録容量を増加した高密度MD3(Hi−MD3)が、外形、光学系は互換性を保ちながらも、トラックピッチを1.25μmに狭め、かつ例えば前記グルーブから磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークを検出する方式で開発された。この高密度MD3は、記録データの変調方式として、高密度記録に適合したRLL(1-7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用している。また、誤り訂正方式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS-LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)方式を用いている。データインターリーブは、ブロック完結型とする。これによりデータの冗長度は、20.50%になる。またデータの検出方式は、PR(1,-1)MLによるビタビ復号方式を用いる。また、データの最小書換単位であるクラスタは、16セクタ、64kBで構成されている。ディスク駆動方式にはZCAV方式を用い、その線速度は2.0m/sとする。記録再生時の標準データレートは、9.8MB/sである。したがって、高密度MD3では、DWDD方式及びこの駆動方式を採用することにより、総記録容量を1GBにできた。
図25は高密度の小型光磁気ディスクHi−MD1及びHi−MD3を再生する光磁気ディスク再生装置40である。この光磁気ディスク再生装置40は、本件出願人によるWO03/088228に開示されているディスク判別技術によりディスク種別を判別する。このディスク判別技術は、回転駆動されている例えば高密度MD−1又は高密度MD−3に、対物レンズもしくは光学ブロック(光学ピックアップ)を一定速度で内周側から外周側に移動させながらレーザ光をフォーカスオンした状態で得られる、ウォブルグルーブの反射光から光のトラッキングエラー信号と全光量信号を検出し、位相を比較することによって各ディスクの種別を判定する。トラッキングエラー検出手段により検出されたトラッキングエラー信号の2値化信号と全光量信号検出手段により検出された全光量信号の2値化信号との位相を比較することによって光ディスクの種類を判定する構成である。
この光磁気ディスク再生装置40は、装填されたディスク41(高密度MD1又は高密度MD3)をスピンドルモータ42によってCLV方式又はZCAV方式にて回転駆動する。再生時には、このディスク41に対して、光学ヘッド43からレーザ光が照射される。
光学ヘッド43は、再生時には、磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド43は、レーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド43に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。この光学ヘッド43には、内蔵の光ディスク判別装置に受光信号A、受光信号Bを供給するフォトディテクタPDが備えられている。対物レンズ、或いは光学ヘッド43全体は、光ディスク判別時には、進行方向を決める必要があるのである一定の速度で、内周から外周へ移動させられる。偏芯による移動量に打ち勝つ速度で前記受光信号A、Bを検出することができる。
図示しないが光学ヘッド43全体をディスク半径方向に移動させるためのスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。このスレッドモータ及びスレッド機構は、内蔵の光ディスク判別装置が光ディスクを判別する時に、光学ヘッド43を内周から外周に移動する。
この光磁気ディスク再生装置40では、光学ヘッド43による再生ヘッド系、スピンドルモータ42によるディスク回転駆動系のほかに、再生処理系、サーボ系等が設けられる。
再生処理系としては、高密度MD−1及び高密度MD−3の再生時にRLL(1-7)PP変調に対応するPR(1,2,1)ML復号器及びPR(1,−1)復号器と、これらの復号器によって復号(この場合の復号は2値化)されたデータを復調するRLL(1-7)復調部と、誤り訂正処理としてRS-LDCデコードを行う回路部とが設けられる。
光学ヘッド43のディスク41に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ44に供給される。RFアンプ44では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク41にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
高密度MD−1又は高密度MD−3の再生時には、RFアンプ44で得られた再生RF信号は、A/D変換回路45、イコライザ46、デジタルPLL回路47、切り替えスイッチ3、PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器5又はPR(1,-1)に基づいた最尤復号器6、選択回路7、RLL(1-7)PP復調部48及びRS-LDCデコーダ49で信号処理され、出力端子50から出力される。PR(1,2,1)に基づいた最尤復号器5又はPR(1,-1)に基づいた最尤復号器6における2値化データは、図17に構成を示した、2値化復号&評価値算出部1において、評価される。図25においては、DPLL47とRLL(1-7)PP復調部48との間に、1つの再生信号評価値算出回路8を用いた再生信号評価装置1が挿入された構成となっている。再生信号評価値算出回路8が算出した再生信号評価値はコントローラ55に供給される。再生信号の評価方法については、前述したとおりであり、ここでは説明を省略する。
選択回路7にあって、Hi−MD1又はHi−MD3の使用に応じて選択された上記復号器5又は6からの再生データNRZは、PR(1,2,1)ML又はPR(1,-1)及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1-7)符号列として得られたものである。このRLL(1-7)符号列に対してRLL(1-7)PP復調部48は、RLL(1-7)復調処理を施す。さらに、RS-LDCデコーダ49にて誤り訂正及びデインタリーブ処理される。このとき、RS-LDCデコーダ49は、いずれかの高密度ディスク41からの再生データ(圧縮データ)を、読み出そうとしたブロック単位のデータに読み出し不能のエラーが有るか否かを検出する。RS-LDCデコーダ49によるエラー検出結果は、コントローラ55に供給される。
コントローラ55は、高密度MD−1又は高密度MD−3を再生中に再生装置が読み出そうとした上記ブロック単位のデータに読み出し不能のエラーを検出したときには、ブロック単位のデータの再生時間よりも短い所定の時間だけ、例えばパーソナルコンピュータ中のオーディオデコーダを通してミュート状態にする。
RFアンプ44から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEは、サーボ回路53に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコータ51に供給される。
ADIPデコータ51は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIPアドレスを抽出する。抽出された、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、アドレスデコーダ52に供給される。アドレスデコーダ52は、Hi−MD1アドレスデコーダ部52a及びHi−MD3アドレスデコーダ部52bを内蔵している。Hi−MD1の場合であれば、Hi−MD1アドレスデコーダ部52aを介し、Hi−MD3の場合であれば、Hi−MD3アドレスデコーダ部52bを介してコントローラ55に供給される。
コントローラ55では、各ADIPアドレスに基づいて、所定の制御処理を実行する。またグルーブ情報は、スピンドルサーボ制御のためにサーボ回路53に戻される。
サーボ回路53は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御及び前述したZCAVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
サーボ回路53は、スピンドルエラー信号や、上述のようにRFアンプ44から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、或いはコントローラ55からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ54に対して出力する。すなわち、上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ54では、サーボ回路53から供給されたサーボ制御信号に基づいて所定のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、2軸機構を駆動する2軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ42を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。このようなサーボドライブ信号により、ディスク41に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ21に対するCLV制御又はZCAV制御が行われる。
コントローラ55は、再生信号評価値算出回路8で算出された再生信号評価値に基づいて、例えば光学ヘッド43による再生レーザパワーが最適になるように、サーボ回路53に対して制御信号を送る。
図26は、Hi−MD1に関する再生信号評価値とビットエラーレート(BER)との関係を示す特性図である。また、図27は、Hi−MD3に関する再生信号評価値とビットエラーレートとの関係を示す特性図である。いずれも,横軸は再生信号評価値であり、縦軸はBERを示す。Hi−MD1の場合、再生信号評価値は600乃至1250まででBERは1.E-02乃至1.E-01であるのに対し、Hi−MD3の場合は再生信号評価値が170乃至400まででBERは1.E-04乃至1.E-01である。再生信号評価値が小さい方がBERがよくなっており、かつ略リニアに変化するのが判る。
図28は、Hi−MD1とHi−MD3のばらつきを示す、再生信号評価値(横軸)と発生頻度(縦軸)との特性図である。縦軸の発生頻度は、再生信号評価値(値そのもの)の発生回数である。再生信号評価値算出回路で平均をとる際の積算周期を変えたときのばらつきを示している。積算周期は256,512,1024の場合を示している。Hi−MD1の場合、積算周期が256,512,1024と長くなるにしたがって、特性がよくなっているのが判る。また、再生信号評価値の平均が562で2.7E-3である。Hi−MD3の場合も同様に、積算周期が256,512,1024と長くなるにしたがって、特性がよくなっているのが判る。再生信号評価値の平均が243.44で2.0E-3である。
言い換えると、積算周期が長いと(1024)、中心の再生信号評価値の発生頻度が多くなり、裾野の再生信号評価値の発生頻度は少なくなり、再生信号評価値のばらつきが小となる。また、逆に積算周期が短いと(256)、中心の再生信号評価値の発生頻度は積算周期が長いときに比べて少なく、また裾野の再生信号評価値の発生頻度は積算周期が長いときに比べて多くなり、再生信号の評価値のばらつきが大となる。つまり、Hi−MD1、Hi−MD3の両方とも、積算周期を長くすれば、ばらつきが少なくなる。逆に、積算周期が短いと、ばらつきが増える。ただし、積算周期が短い方が集計時間は短くなる。時間又はばらつきのどちらを優先するかで選択可能である。
次に、図29は相互に異なる複数m種類の最尤復号器を用いた再生装置における2値化復号&評価値算出部61の構成図である。
例えば、積分系のPR(1,2,1)最尤復号器64、微分系のPR(1,-1)最尤復号器65、・・・そして微分系のPR4[PR(1,0,-1)]最尤復号器66というm通りの中で最も能力を発揮するように条件によって設計した場合を示す。上述したのと同様に、SAM値までは各最尤復号器64、65・・・66で算出し、統計処理を同一の回路(再生信号評価値算出回路68)で行うというものである。これにより、「(最尤復号器の数)-1」の数の再生信号評価値算出回路を省くことができる。また1つ以上の最尤復号器を用いているため、2値化の出力がNon Return to Zero: NRZとNon Return to Zero Invert: NRZIの2種類存在する場合がある。後段の処理として2値化データはNRZIであることが望ましいが、再生信号評価値算出回路68ではNRZであることが望ましい。よって2値化データは選択回路67によって種類で選別され、NRZIは最終2値化出力となり、NRZは再生信号評価値算出回路68の入力となる。
なお、上記2値化復号&評価値算出部は、光磁気ディスク再生装置にのみ適用が限定されるものではなく、例えばハードディスクドライブや、他のメディアから読み出した再生信号を2値化する装置にも適用可能であるのはもちろんである。
また、最尤復号器の再生信号を評価する評価値としては、SAM値にのみ限定されるものではなく、例えばジッターでもよい。望ましくは、エラーレートとの相関が高い評価値がよい。
71 光磁気ディスク再生装置、74 自動等化器、75 等化器(イコライザ)、76 最尤復号器、77 SAM値算出部、78 評価値算出部、79 制御部、80 設定部、81 可変部、82 DPLL
Claims (4)
- 可変設定自在な少なくとも2つのパラメータを有する等化器と、
上記等化器から出力される再生信号を最尤復号処理によって復号し2値化データを検出する2値化手段と、
上記2値化手段により検出された2値化データを評価するための評価値を算出する再生信号評価値算出手段と、
上記再生信号評価値算出手段により算出された上記再生信号の評価値に基づいて上記等化器の上記少なくとも2つのパラメータを設定する制御手段と
を備えることを特徴とする自動等化器。 - 上記2値化手段により検出された2値化データのシーケンスアンプリチュードマージン(SAM)値をリアルタイムに算出するSAM値算出手段をさらに備え、上記再生信号評価値算出手段は上記SAM値算出手段により算出されたSAM値に基づいて上記再生信号の評価値を算出することを特徴とする請求項1記載の自動等化器。
- 可変設定自在な少なくとも2つのパラメータを有する等化器から出力される再生信号を最尤復号処理によって復号し2値化データを検出する2値化工程と、
上記2値化工程により検出された2値化データを評価する評価値を算出する再生信号評価値算出工程と、
上記再生信号評価値算出工程により算出された上記再生信号の評価値に基づいて上記等化器の上記少なくとも2つのパラメータを設定する設定工程と
を備えることを特徴とする自動等化方法。 - 記録媒体に記録された信号を再生し再生信号を2値化する再生装置において、
記録媒体に記録された信号を読み出す読み出し手段と、
上記読み出し手段により上記記録媒体から読み出された信号に対して、可変設定自在な少なくとも2つのパラメータを有して等化処理を施す等化器と、
上記等化器から出力される再生信号を最尤復号処理によって復号し2値化データを検出する2値化手段と、
上記2値化手段により検出された2値化データを評価するための評価値を算出する再生信号評価値算出手段と、
上記再生信号評価値算出手段により算出された上記再生信号の評価値に基づいて上記等化器の上記少なくとも2つのパラメータを設定する制御手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
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JP2005223264A JP2007042181A (ja) | 2005-08-01 | 2005-08-01 | 自動等化器及び自動等化方法、並びに再生装置 |
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JP2013175276A (ja) * | 2007-06-05 | 2013-09-05 | Micron Technology Inc | データ値のアナログ通信を利用するソリッドステートメモリ |
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2005
- 2005-08-01 JP JP2005223264A patent/JP2007042181A/ja not_active Withdrawn
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