JP2007040153A - バッテリ状態検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの劣化状況等によらずに正確な状態判定が可能なバッテリ状態検知装置を提供する。
【解決手段】このバッテリ状態検知装置では、クランク角センサ31の検出信号に基づいてエンジンのクランキング回転数を検出し、そのクランキング回転数と予め設定されたエンジンの着火可能回転数と比較して、バッテリ1の状態を評価する。また、エンジンのクランキング期間中におけるクランキング回転数の経時変化の状況も考慮してバッテリ1の状態を評価する。
【選択図】図7

Description

本発明は、バッテリの状態を管理するバッテリ状態検知装置に関する。
従来のバッテリ状態検知装置におけるバッテリの状態判定では、エンジン始動時のバッテリの出力電圧の降下量とそのときに流れる電流値とからバッテリの内部抵抗を測定し、その測定した内部抵抗値に基づいてバッテリの劣化度が判定されるようになっている。
しかしながら、バッテリの劣化状況には格子腐食とサルフェーションが重なった場合など種々のタイプがあり、劣化状況によっては実際の内部抵抗とバッテリの開放電圧との相関関係が悪くなり、これによって、実際の内部抵抗と、エンジン始動時のバッテリ出力電圧の降下量との相関関係も悪くなる場合がある。この場合、出力電圧の降下量を直接的に用いて状態判定を行う上記の従来技術では正確な状態判定が困難となる。
そこで、本発明の解決すべき課題は、バッテリの劣化状況等によらずに正確な状態判定が可能なバッテリ状態検知装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、自動車に搭載されたバッテリの状態を管理するバッテリ状態検知装置であって、エンジンの機構部の動作状況を検出するセンサ部と、前記センサ部の検出結果に基づいて前記エンジンのクランキング回転数を検出し、そのクランキング回転数を考慮して前記バッテリの状態を検知する処理部とを備える。
また、請求項2の発明では、請求項1の発明に係るバッテリ状態検知装置において、前記処理部は、前記クランキング回転数が所定の基準回転数を上回っているか否かを考慮して、前記バッテリの状態を検知する。
また、請求項3の発明では、請求項1の発明に係るバッテリ状態検知装置において、前記処理部は、前記クランキング回転数の経時変化の状況を考慮して、前記バッテリの状態を検知する。
また、請求項4の発明では、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るバッテリ状態検知装置において、前記センサ部は、クランク角センサである。
また、請求項5の発明では、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るバッテリ状態検知装置において、前記センサ部は、カム角センサである。
請求項1に記載の発明によれば、エンジンの機構部の動作状況を検出するセンサ部の検出結果に基づいてエンジンのクランキング回転数を検出し、そのクランキング回転数を考慮してバッテリの状態を検知するため、劣化状況、温度等のバッテリの搭載環境や自動車の車種等の様々な諸条件を考慮せずに、現実の状況に即応してバッテリの状態を正確に検知できる。
また、エンジンの機構部の動作状況を検出するセンサ部の検出結果に基づいてクランキング回転数を検出するため、クランキング回転数を確実かつ正確に検出することができる。
請求項2に記載の発明によれば、検出したクランキング回転数が所定の基準回転数を上回っているか否かを考慮してバッテリの状態を検知するため、バッテリの出力との関係でクランキング回転数がエンジンの始動に必要な回転数に達しているか否か等を的確に判断して、バッテリの状態を検知することができる。
請求項3に記載の発明によれば、検出したクランキング回転数の経時変化の状況を考慮して、バッテリの状態を検知するため、クランキング期間中においてバッテリの出力との関係でクランキング回転数がエンジンの始動に必要な回転数を維持できるか否か等を的確に判断して、バッテリの状態を検知することができる。
請求項4に記載の発明によれば、クランク角センサの検出結果を用いることにより、エンジンのクランキング回転数を簡単かつ的確に検出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、カム角センサの検出結果を用いることにより、エンジンのクランキング回転数を簡単かつ的確に検出することができる。
<1.原理>
本出願人は、自動車に搭載されるバッテリとして、新品のバッテリと、様々に劣化した状況のバッテリとのそれぞれに対して、その充電残量を種々に変化させ、その充電残量の異なる各状態において、バッテリに対してエンジン始動時放電(所定放電)を行わせて、バッテリの放電前及び放電中の出力電圧を計測した。そして、劣化状況の異なる各バッテリの異なる各充電残量状態における各エンジン始動時放電を行う前の開放電圧値と、エンジン始動時放電が行われた際の下限電圧値(放電時電圧値)との関係を調べた。
ここで、エンジン始動時放電とは、自動車のスタータが駆動されてエンジンが始動される際に行われる放電(あるいはそれと同等な放電)である。また、下限電圧値とは、エンジン始動時放電に伴ってバッテリの出力電圧が低下した際のその最低値のことである。
図1はその試験結果をグラフ化したものであり、その横軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電開始前のバッテリの開放電圧値に対応し、縦軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電中のバッテリの下限電圧値に対応している。また、図1中の曲線G1は新品のバッテリについての測定結果に基づいて描いたものであり、曲線G2〜G5は使用されてある程度劣化したバッテリについての測定結果に基づいて描いたものである。曲線G1〜G5は互いに劣化状況が異なったバッテリに対する試験の結果得られたものである。このうち、曲線G2〜G4は通常の使用状態に近い態様で充放電が繰り替えされたバッテリに対応し、各曲線G2,G3,G4の順にバッテリの使用期間が長くなり劣化が進んでいる。また、曲線G5は頻繁に過充電状態とされたバッテリに対応している。曲線G4,G5は劣化状況(劣化の要因)が異なるが、劣化の程度(劣化度)はほぼ同等である。
具体的には、新品のバッテリが対応する曲線G1に着目した場合、開放電圧値が約12.9V(ほぼ満充電状態)のときにエンジン始動時放電を行った際の下限電圧値は約9.7Vであり、開放電圧値が約12.1Vのときにエンジン始動時放電を行った際の下限電圧値は約8.1Vであることを示している。また、劣化が進んだバッテリが対応する曲線G4に着目した場合、開放電圧値が約12.5Vのときにエンジン始動時放電を行った際の下限電圧値は約8.1Vであることを示している。
図1のグラフより、バッテリの劣化が進むにつれて対応する曲線G1〜G5がグラフの概ね右方向(又は右下方向)にシフトしていることが分かっている。特に、下限電圧値が所定の基準レベル(例えば、9V)以下の領域では、曲線G1を基準とした曲線G2〜G5の右方向へのシフト量が対応するバッテリの劣化の進み応じて増加する傾向にあることが分かっている。
このことを考慮すると、エンジン始動時放電を行った際のバッテリの開放電圧及び下限電圧により定まる図1のグラフ上の例えば点P1(VO,VL)等が、新品のバッテリが対応する曲線G1上の対応する点P2(VN,VL)を基準として、横軸右方向にシフトしているシフト量Dを用いてバッテリの劣化度を判定することが可能である。このようにバッテリの劣化度が判定すれば、そのバッテリの開放電圧値と下限電圧値との関係(例えば、曲線G1〜G5)を劣化度に応じて規定することができるので、例えば開放電圧を検出するだけで、自動車のスタータを駆動してエンジンを始動する際の下限電圧値を予測することができる。そして、他方においてスタータを駆動するのに必要な電圧のレベルが判明すれば、このスタータを駆動するのに必要な電圧のレベルを始動限界レベル(例えば、図1中の始動限界線L01)とし、この始動限界レベルに対して、予測した下限電圧値を比較することで、下限電圧値が始動限界レベル(始動限界線L01)以上であるか否か、即ち、下限電圧値によってスタータを支障無く駆動できるか否かを判定することが可能となる。
しかしながら、本出願人は、上記の始動限界線L01が、自動車の車種や個体差など、具体的には自動車内の電源回路における抵抗値等の諸要因によってバラツキが大きいという見知を得た。一方、バッテリは、複数の車種に共通に搭載されることが多いため、自動車とその自動車に搭載されるバッテリの組合せにおいて、一律に始動限界線L01を決定することは望ましくない。
ここで、バッテリからの給電によりスタータを駆動させるのに必要な条件としては、まず第1の条件として、スタータのモータのギヤをエンジンに噛み合わせるためのプランジャの動作電圧を確保することが必要である。また、第2の条件として、エンジン始動の際のクランキングの回転数(以下「クランキング回転数」と称す)がエンジンの着火可能回転数(基準回転数)以上であることが必要である。さらに第3の条件として、エンジン始動の際のクランキング中その回転数を維持することが必要である。
そこで、この実施の形態では、上記した第1〜第3の条件を満たしているか否かを実際に検出し、その検出結果に基づいて、バッテリが正常であるか否かを判断するようにしている。このことを説明する。
(1−1.第1の条件)
上述のように、まず第1の条件として、スタータのモータのギヤをエンジンに噛み合わせるためのプランジャの動作電圧を確保することが必要である。図2に一般的なスタータSTの一例を示す模式図を示す。図2中の符号1はバッテリ、符号2はプランジャ、符号3はプランジャ2の可動接点、符号4は固定接点、符号5はスタータモータ、符号6はバッテリ1からの電圧をプランジャ2に供給するためのイグニションスイッチ、符号7はエンジンのギヤをそれぞれ示している。イグニションスイッチ6がオンになると、スタータSTのプランジャ2が駆動して可動接点3を固定接点4に当接させ、これによってスタータモータ5が始動するとともに、レバー6aを介してピニオンギヤ6bが矢印Qの方向に移動し、エンジンのギア7に噛み合って、スタータモータ5の回転がエンジンに伝達できる状態となる。エンジンが回り始めると、ピニオンギヤ6bはエンジンのギヤから外れるようになっている。したがって、このプランジャの動作電圧を確保することが最低限必要となる。
この場合、この実施の形態においては、プランジャ2の駆動に必要な最低電圧(以下「プランジャ駆動最低電圧Vc」と称す)の規定値を参照し、あるいは、そのプランジャ駆動最低電圧Vcを予め測定しておき、図3において、プランジャ2に対する給電用のイグニションスイッチ6がオンになって突入電流が流れた時点T01で現れる下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc(図9中のステップS04参照)以上であるか否かを判断することで、第1の条件を満たすか否かの判断を行う。
このように、第1の条件を満たしている場合、図2に示したスタータSTのプランジャ2の駆動により、スタータモータ5はエンジンのギヤ7に噛み合う状態となる。この状態では、この状態では、このスタータモータ5の回転数が所定のギヤ比(たとえば10:1)で減速されてクランキング回転数となる。
(1−2.第2の条件)
ただし、プランジャ2が支障無く駆動した場合であっても、クランキング回転数がエンジンの着火可能回転数未満であれば、エンジンへの着火が行われない。即ち、バッテリ1からの電圧レベルが低いと、クランキング回転数が低下してしまって、エンジンの着火が不能となる事態が生じ得る。したがって、上述のように、第2の条件として、エンジン始動の際のクランキング回転数がエンジンの着火可能回転数以上になることが必要である。したがって、この実施の形態においては、エンジンを始動する際に、クランキング回転数を検出し、この検出した回転数を、規格値又は予め試験により検出しておいたエンジンの着火可能回転数に対して比較することで、エンジンが着火可能か否かを判断する。
図4は、クランキング回転数とエンジントルクとの関係を示す図であって、図4中の横軸はクランキング回転数、縦軸はエンジントルクを示している。また、図4中の符号L02a,L02bはスタータモータ5におけるトルク−回転特性線(スタータTN特性線)、符号L03はエンジンのトルク−回転特性線(エンジンTN特性線)、符号L04はエンジンの着火可能回転数線であり、図4においてはエンジンの着火可能回転数がn01に特定されている。
一般に、スタータモータ5のトルクは、その回転数に対して負の相関となるが、このスタータモータ5に印加される電圧によっても変化し、印加電圧が低いほどトルクが低下する。例えば図4に実線で示した第1のスタータTN特性線L02aは、適正な電圧がスタータモータ5に印加されている状態を示しており、また点線で示した第2のスタータTN特性線L02bは、スタータモータ5に対する印加電圧が低下した状態を示している。
スタータモータ5が第1のスタータTN特性線L02aを示す状態では、この第1のスタータTN特性線L02aとエンジンTN特性線L03との交点P01でクランキング回転数n02が決定され、このクランキング回転数n02がエンジンの着火可能回転数n01以上の範囲内であることから、エンジンが始動できる。
一方、スタータモータ5への印加電圧が低下して第2のスタータTN特性線L02bが現れる状態では、この第2のスタータTN特性線L02bとエンジンTN特性線L03との交点P02でクランキング回転数n03が決定されるが、このクランキング回転数n03がエンジンの着火可能回転数n01未満であることから、エンジンが始動できなくなってしまう。
このように、図4に示したスタータTN特性線L02a,L02bとエンジンTN特性線L03とエンジンの着火可能回転数線L04とが予め判明していれば、クランキングの開始が実現するか否かを判断することが可能である。
しかしながら、一般にスタータモータ5やエンジンに使用されている潤滑油の粘度は温度によって著しく影響を受けるし、その他の条件、例えば自動車の車種や個体差などもあるため、スタータTN特性線L02a,L02bやエンジンTN特性線L03は、種々の環境条件によって大幅に変化する。したがって、スタータTN特性線L02a,L02bやエンジンTN特性線L03を一律に規定することは望ましくなく、あらゆる環境条件等を考慮してパラメータ化し、このパラメータに基づいてスタータTN特性線L02a,L02bやエンジンTN特性線L03を規定することは、複雑になりすぎて作業が煩雑となる。
そこで、この実施の形態においては、比較的数値のバラツキが少ないエンジンの着火可能回転数線L04のみを固有値として保有する一方、クランキング回転数nrについては、パラメータ等を用意して図4中の交点P01,P02を求めて算出するのではなく、エンジンの始動の際に実現される実際のクランキング回転数nrを検出し、このクランキング回転数nrをエンジンの着火可能回転数n01と比較して、エンジンが着火可能か否かを判断する。
そして、この実施の形態では、図5に示すように、クランキング回転数nrをクランク角センサ(センサ部)31から出力される検出信号に基づいて検出する。クランク角センサ31は、エンジンの図示しないクランク軸に取り付けられたタイミングロータ33に近接して配置され、その近傍をタイミングロータ33の歯が通過するごとに生じる磁場の変動を検出するようになっており、このクランク角センサ31の検出信号に基づいてエンジンのクランク角が検出できるようになっている。なお、タイミングロータ33の歯は一部に欠けた部分があり、その部分を基準としてタイミングロータ33等の回転角度位置が把握できるようになっている。
より詳細には、クランク角センサ31は、タイミングロータ33に近接配置されたコア31aと、コア31aに磁界を印加する磁界生成部(例えば、磁界発生用のコイル、永久磁石等)31bと、コア31a中の磁界の変化を検出する検出用コイル(あるいは、ホール素子等)31cとを備えて構成されており、タイミングロータ33の回転に伴って、図6(A)に示すような振動波形の検出信号を出力するようになっている。
そして、本実施の形態では、この検出信号を図6(B)に示すように波形整形し、その整形された信号を用いて、エンジンのクランキング回転数を検出するようになっている。例えば、図6(B)の信号の山の数をクランクシャフトの1回転分だけカウントするのに要する時間を計測する等して、クランキング回転数が検出される。
(1−3.第3の条件)
ただし、エンジン始動の際の実際のクランキングにおいては、一般に、1回転だけではエンジンが始動しない。例えば4気筒のエンジンでは、合計で4回程度のクランキングが行われないとエンジンが始動しないことが分かっている。エンジン始動の際に、バッテリ1からの電圧レベルが低いと、エンジン始動の際のクランキングを行っている一定の間に、クランキング回転数が徐々に低下していき、最終的にエンジンの着火が不能となる事態が生じ得る。したがって、上述のように、第3の条件として、エンジン始動の際のクランキングを行っている間、その回転数を維持することが必要となる。この第3の条件について判定するための手段としては、次の手段が考えられる。
即ち、その手段としては、エンジンのクランキング時にエンジンのクランキング回転数を検出し、クランキング期間15(図3等参照)内におけるそのクランキング回転数の経時変化の状況に基づいて、上記の第3の条件が満たされるか否かを判断する構成が考えられる。これは、試験の結果、バッテリ1のエンジン始動性能が良好なときは、クランキング回転数は経時的に増加傾向となるということが分かったことによるものである。ここで、クランキング期間15とは、プランジャ2への電圧印加によりクランキングが開始された時点T01からエンジンが始動してバッテリ1の出力電圧(バッテリ1の正端子の電圧レベル)がクランキング開始前のバッテリ1の開放電圧VOを上回る時点T02までの期間をいう。
より具体的には、クランキング回転数が時間経過に伴って増大している場合は上記の第3の条件が満たされていて、クランキング回転数が経時変化に伴って一定又は減少している場合は上記の第3の条件が満たされていないと判断される。
なお、クランキング回転数の検出は、上述のようにクランク角センサ31の検出信号に基づいて行われる。
このように、この実施の形態においては、第1〜第3の条件を満たすか否かを判断するだけで、バッテリ1の出力電圧に対してエンジンが始動するか否かを容易に判断することが可能となる。特に、一般にスタータモータ5やエンジンに使用されている潤滑油の粘度が温度によって著しく影響を受けたり、その他の条件、例えば自動車の車種や個体差などに起因して各種のパラメータを用意するのに繁雑な作業を必要とする場合に、クランキング実施の形態に実現されるバッテリ1の状態(出力電圧等)を検出するだけで、容易にエンジンが始動するか否かを判断できる利点がある。
<2.構成>
図7は、本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置のブロック図である。このバッテリ状態検知装置は、図7に示すように、電流センサ21、電圧センサ23、処理部25、記憶部27、出力部29及びクランク角センサ31を備えて構成されており、車両に搭載されたバッテリ1の状態を管理する。
電流センサ21は、バッテリ1から出力される電流及びバッテリ1へ入力される電流を検出する。電圧センサ23は、上記の<1.原理>で説明したバッテリ1の出力電圧13を検出する。クランク角センサ31は、<1.原理>で説明したようにエンジンのクランキング回転数を検出するための検出信号を処理部25に与える。処理部25は、CPU(制御部)等を備えて構成され、バッテリ1の管理のために各種の情報処理動作(制御動作も含む)を行う。記憶部27は、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ等により構成されている。出力部29は、バッテリ1の状態の判定結果等を出力するためのものであって、例えば、液晶表示パネル等の表示装置や音声出力装置等が適用される。また、バッテリ1の状態に応じて自動車に搭載されている各種の負荷(例えばオーディオ機器等)の遮断制御等を行う場合は、出力部29として負荷電源制御ユニット等も適用される。
そして、電圧センサ23で検出されたバッテリ1の出力電圧が、処理部25内に搭載されたA/D変換器(図示省略)によってデジタルデータ化された後、処理部25に与えられるとともに、クランク角センサ21の検出信号が図示しない波形整形回路にて上記のように波形整形された後、処理部25に与えれ、これらの入力信号に基づいて、処理部25内で、上記の<1.原理>で説明した第1〜第3の条件の判断がなされ、バッテリ1が正常であるか否かを出力部29に出力する。また、処理部25のCPUが動作する動作手順を規定したプログラム、上記したプランジャ駆動最低電圧Vc、エンジンの着火可能回転数n01等の各種のデータ、処理部25が行う各種の情報処理動作に必要な情報等は、記憶部27内に予め記憶されている。
そして、処理部25は、図8に示すように、第1の条件の判断を行う第1条件判断部25aと、第2の条件の判断を行う第2条件判断部25bと、第3の条件の判断を行う第3条件判断部25cと、これらの各条件判断部25a〜25cでの判断結果に基づいてバッテリ1の状態が正常であるか否かを総合判断し、その総合判断結果を出力部29に出力する総合判断部25dとを備える。
<3.動作>
上記構成のバッテリ状態検知装置の動作例を、図9に示したフローチャートに沿って説明する。
まず、イグニションスイッチ6がオンになると、バッテリ1の出力電圧を電圧センサ23で検出し、その検出結果が処理部25に出力される。
そして、図9中のステップS01において、処理部25の第3条件判断部25cにおいて、記憶部27内に予め記憶されているプログラムに従ってCPUが動作するなどして、クランク角センサ31の検出信号に基づいてクランキング回転数nrの検出が行われる。
そして、ステップS02において、第3の条件を満たしているか否か、即ち、クランク期間15(特に、次回のエンジン始動時のクランキング期間15)内において必要なクランキング回転数を維持できるか否かが判断される。この判断は、上述のように、クランキング期間15中においてクランキング回転数nrが経時的に上昇傾向にあるか否かを判定することにより行われる(なお、この判断に必要な数値条件等のデータは、予め記憶部27に記憶されているものとする)。
そして、ステップS02において、クランキング回転数を維持できると判断された場合にはステップS03に進む一方、クランキング回転数を維持できないと判断された場合にはステップS05に進む。
ステップS03では、処理部25の第2条件判断部25bにおいて、記憶部27内に予め記憶されているプログラムに従ってCPUが動作するなどして、上記の第2の条件が満たされているか、即ち、ステップS01で検出されたクランキング回転数nrを記憶部27に予め記憶されているエンジンの着火可能回転数n01と比較して、エンジンが着火可能か否かを判断する。そして、ステップS03で、クランキング回転数nrがエンジンの着火可能回転数n01以上であったと判断した場合はステップS04に進む一方、クランキング回転数nrがエンジンの着火可能回転数n01未満であったと判断した場合はステップS05に進む。
ステップS04では、処理部25の第1条件判断部25aにおいて、記憶部27内に予め記憶されているプログラムに従ってCPUが動作するなどして、第1の条件を満たしているか否か、即ち、図3中の時点T01(プランジャ2に対する給電用のイグニションスイッチ6がオンになった時点)で現れる下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc未満であるか否かを判断する。そして、ステップS03で下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc以上であると判断した場合には、ステップS06に進む一方、下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc未満であると判断した場合には、ステップS05に進む。
そして、ステップS06では、総合判断部25dを通じて、バッテリ1が正常状態である旨の情報を出力部29に出力する。
しかる後、ステップS07に進み、電流センサ21によって検出されたバッテリ1の充電量の収支を処理部25で積算し、ステップS08の満充電判定等の所定の処理を行う。なお、この場合において、満充電であると判断された場合は、バッテリ1に対する回生を停止するなどして、過充電を防止する制御を行う。
ステップS05では、バッテリ1に注意が必要である旨の情報を出力部29に出力する。出力部29においては、バッテリ1に注意が必要である旨の注意表示や注意を促す音声出力等を行う。また、出力部29として負荷電源制御ユニットを含む場合等においては、この負荷電源制御ユニットによって、バッテリ1の状態に応じて自動車に搭載されている各種の負荷(例えばオーディオ機器等)の遮断制御等を行う。
そして、ステップS09に進み、電流センサ21によって検出されたバッテリ1の充電量の収支を処理部25で積算し、ステップS10に進む。ステップS10では、充電収支が、自動車の所定の放置日数(例えば1週間)分の暗電流等を考慮した所定の値Pcを超えているか否かを判断し、超えていれば、所定の放置日数分の暗電流を考慮してもバッテリ1に対して充電が充分に行われていると判断し、ステップS11に進む。ステップS11では、総合判断部25dを通じて、バッテリ1が正常状態である旨の情報を出力部29に出力する。しかる後、ステップS09以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS10で、充電収支が上記の所定の値Pc以下であると判断した場合は、ステップS12に進み、まずはステップS13で満充電状態か否かを判断する。
ステップS13で、満充電でないと判断した場合は、ステップS09に戻って、それ以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS13で、満充電であると判断した場合は、ステップS14に進み、再度、充電収支が上記の所定の値Pcを超えているか否かを判断する。そして、充電収支が上記の所定の値Pcを超えていると判断した場合は、所定の放置日数分の暗電流を考慮してもバッテリ1に対して充電が充分に行われていると判断し、ステップS15に進む。ステップS15では、総合判断部25dを通じて、バッテリ1が正常状態である旨の情報を出力部29に出力する。しかる後、ステップS09以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS14において、充電収支が上記の所定の値Pc以下であると判断した場合は、バッテリ1の満充電までの充電量が少ないと判断して、このバッテリ1が寿命であると判断し、ステップS16において、その旨の情報を出力部29に出力する。この場合、バッテリ1の寿命がつきている旨の警告表示や警告に係る音声出力等を行う。また、出力部29として負荷電源制御ユニットを含む場合等においては、この負荷電源制御ユニットによって、バッテリ1の状態に応じて自動車に搭載されている各種の負荷(例えばオーディオ機器等)の遮断制御等を行う。
以上のように、劣化状況によっては実際の内部抵抗とバッテリの開放電圧との相関関係が悪くなり、これによって、実際の内部抵抗と、エンジン始動時のバッテリ出力電圧の降下量との相関関係が悪くなっても、出力電圧の降下量を直接的に用いて状態判定を行う従来技術では正確な状態判定が困難となる。
しかし、この実施の形態では、クランク角センサ31の検出信号に基づいてエンジンのクランキング回転数を検出し、その検出結果及びバッテリ1の出力電圧の監視結果に基づいて、上記した第1〜第3の条件を満たしているか否かを実際に検出し、その検出結果に基づいて、バッテリ1が正常であるか否かを判断するようにしているので、図1に示した方法のようにバッテリ1の特性曲線G1〜G5や始動限界線L01を予め一律に決定しておく必要がなくなる。したがって、劣化状況、温度等のバッテリの搭載環境や自動車の車種等の様々な諸条件を考慮せずに、現実の状況に即応してバッテリが正常であるか否かを正確に判断できる。
さらに、検出したクランキング回転数と予め設定されたエンジンの着火可能回転数と比較してバッテリ1の状態を評価するため、バッテリ1の出力との関係でクランキング回転数がエンジンの始動に必要な回転数に達しているか否か等を的確に判断して、バッテリ1の状態を判断することができる。
また、検出したクランキング回転数の経時変化の状況を考慮して、バッテリ1が正常であるか否かを判断するため、クランキング期間15中においてバッテリ1の出力との関係でクランキング回転数がエンジンの始動に必要な回転数を維持できるか否か等を的確に判断して、バッテリ1の状態を判断することができる。
さらに、クランク角センサ31の検出信号に基づいてクランキング回転数を検出するため、クランキング回転数を確実かつ正確に検出することができる。
なお、上記実施の形態では、クランク角センサ31の検出信号を用いてクランキング回転数を検出するようにしたが、カム角センサ等のエンジンの機構部の動作状況を検出する他のセンサの検出信号を用いてクランキング回転数を検出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1の条件において、下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc以上であるか否かを判断していたが、下限電圧VLがスタータモータ始動最低電圧以上であるか否かを判断しても差し支えない。ここでスタータモータ始動最低電圧は、プランジャ2の可動接点3が固定接点4に接続するために必要なプランジャ2の駆動電圧だけでなく、プランジャ2の可動接点3が固定接点4に接続した後にスタータモータ5が回転するために必要な駆動電圧をも加味したものである。スタータモータ5の駆動に際しては、その潤滑油の粘度が温度によって著しく影響を受けることから、その温度環境によって異なるスタータモータ始動最低電圧を予め記憶部27内に格納しておけばよい。
また、上記実施の形態では、第1〜第3の条件のうちの全てを判断するようにしていたが、第2又は第3の条件を少なくとも含むようにすれば、そのうちのいずれか1つ又は2つを組み合わせて判断するようにしてもよい。
劣化状況及び充電残量の異なるバッテリについて開放電圧とエンジン始動時の下限電圧とを試験により測定した測定結果を示すグラフである。 一般的なスタータの一例を示す模式図である。 エンジンの始動の際におけるバッテリの出力電圧の変化を示す図である。 クランキング回転数とエンジントルクとの関係を示す図である。 クランク角センサとその周辺の構成を概略的に示す図である。 クランク角センサの検出信号及びそれを波形整形した信号を示す図である。 本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置を示すブロック図である。 本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置の処理部を示すブロック図である。 本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 バッテリ
2 プランジャ
5 スタータモータ
6 イグニションスイッチ
7 ギヤ
10 エンジン気筒部
13 出力電圧
15 クランキング期間
21 電流センサ
23 電圧センサ
25 処理部
25a 第1の条件判断部
25b 第2の条件判断部
25c 第3の条件判断部
25d 総合判断部
27 記憶部
29 出力部
31 クランク角センサ

Claims (5)

  1. 自動車に搭載されたバッテリの状態を管理するバッテリ状態検知装置であって、
    エンジンの機構部の動作状況を検出するセンサ部と、
    前記センサ部の検出結果に基づいて前記エンジンのクランキング回転数を検出し、そのクランキング回転数を考慮して前記バッテリの状態を検知する処理部と、
    を備えることを特徴とするバッテリ状態検知装置。
  2. 請求項1に記載のバッテリ状態検知装置において、
    前記処理部は、前記クランキング回転数が所定の基準回転数を上回っているか否かを考慮して、前記バッテリの状態を検知することを特徴とするバッテリ状態検知装置。
  3. 請求項1に記載のバッテリ状態検知装置において、
    前記処理部は、前記クランキング回転数の経時変化の状況を考慮して、前記バッテリの状態を検知することを特徴とするバッテリ状態検知装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のバッテリ状態検知装置において、
    前記センサ部は、クランク角センサであることを特徴とするバッテリ状態検知装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のバッテリ状態検知装置において、
    前記センサ部は、カム角センサであることを特徴とするバッテリ状態検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013024127A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Kawasaki Heavy Ind Ltd 放電能力推定装置、それを備える乗物の制御システム及び放電能力推定方法

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