JP2007039560A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 以下(1)〜(5)の条件を満たすポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート樹脂(B)ならびにスズ化合物(C)を含むポリエステル樹脂組成物に関する。
(1)酸成分の合計を100モル%としたとき、酸成分の0.5〜50モル%が不飽和結合を有するジカルボン酸である。
(2)酸成分の合計を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上である。
(3)重合触媒がチタン系化合物であり、そのチタン原子がポリエステル樹脂中に10〜200ppm含まれる。
(4)ガラス転移温度が10〜100℃である。
(5)酸価が2〜150当量/106gである。
【選択図】 なし
Description
(1)酸成分の合計を100モル%としたとき、酸成分の0.5〜50モル%が不飽和結合を有するジカルボン酸である。
(2)酸成分の合計を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上である。
(3)重合触媒がチタン系化合物であり、そのチタン原子がポリエステル樹脂中に10〜200ppm含まれる。
(4)ガラス転移温度が10〜100℃である。
(5)酸価が2〜150当量/106gである。
(1)アルコール系;メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等
(2)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェノール類であって、例えばn−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類
(3)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等
(4)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等
(5)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等
(6)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等
(7)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等
(8)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等
(9)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等
(10)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等
(11)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等
(12)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等
(13)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等がある。
またトリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性に問題を生じない添加量の範囲内において共存させて用いてもよい。
クロロホルムD溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25ccに溶かし、30℃で測定した。単位はdl/gで表した。
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。測定用サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求め、単位は当量/106gで表した。指示薬には、フェノールフタレインを用いた。
(1)チタン分析
試料1gを白金製るつぼに精秤し、電気炉で炭化・灰化させた。残渣を硫酸水素カリウムで溶融した後、溶融物を希塩酸で溶解させ、チタン量はジアンチピリルメタン比色法を用いて行った。単位は金属原子としてppmで表した。
(2)スズ分析
試料0.2gを石英製三角フラスコに精秤し、硫酸−過酸化水素分解した。分解液を、6M塩酸10mlを用いて20mlメスフラスコに移し、精製水を用いてメスアップした。溶液中のスズは、ICP発光分析法を用いて求めた。なお定量は、検量線法により行った。単位は金属原子としてppmで表した。
キシレンを含ませたフェルトで荷重1kgをかけながら塗装鋼板の塗面を100回拭いたのち、塗面を観察した。評価基準は次の通りである。
◎:塗面に変化がなく良好、
○:塗面に傷がわずかに認められ硬化性が劣る
△:塗面に傷が認められ硬化性が劣る、
×:塗膜表面がキシレンで溶解し硬化性が著しく劣る。
赤マジックインクを塗装鋼板の塗面に塗布し、室温で48時間放置した後、エタノールを浸した柔らかい布で塗布したマジックインクを拭い去った跡を目視で観察した。
◎:汚れ跡がみられない
○:汚れ跡がわずかに認められる
△:汚れ跡がかなり残る
×:汚れ跡が濃く残る
塗装鋼板を180度折り曲げ、屈曲部に発生する割れを10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合をさし、0Tは板を挟まなくて180度折り曲げた場合をさす。
塗装鋼板の塗面をJIS−K−5400に準じて鉛筆引っかき試験を行い、傷がつかない硬度を測定した。
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸(以下TPAと略)259、イソフタル酸(以下IPAと略)227部、フマル酸(以下FAと略)18部、無水トリメリット酸(以下TMAと略)6.10部、2−メチル1,3−プロパンジオール(以下2MGと略)326部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略)158部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.32部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.15部を仕込み、160℃から240℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて30分間重縮合反応を行った。ついで窒素気流下220℃まで冷却し、TMA6.10部を仕込み30分攪拌し、末端基のカルボキシル変性を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA/TMA/TMA(後付加)=49/44/5/1/1でありグリコール成分がモル比で2MG/CHDM=71/29であった。還元粘度は0.55dl/g、ガラス転移温度は51℃、酸価は85当量/106gであった。結果を表1に示す。
合成例(A)と同様の反応容器にテレフタル酸ジメチル(以下DMTと略)547部、エチレングリコール(以下EGと略)73.1部、1,2−プロパンジオール(以下PGと略)359部、トリメチロールプロパン(以下TMPと略)、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.31部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.12部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。ついでFA17.4部を仕込み230℃まで90分かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて50分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/FA=95/5でありグリコール成分がモル比でEG/PG/TMP=27/72.4/0.6であった。還元粘度は0.53dl/g、ガラス転移温度は78℃、酸価は19当量/106gであった。結果を表1に示す。
合成例(A)と同様の反応容器にDMT282部、イソフタル酸ジメチル(以下DMIと略)282部、EG322部、ジエチレングリコール(以下DEGと略)97.1部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.32部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.12部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。ついでFA17.7部を仕込み230℃まで90分かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて60分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA=48/47/5でありグリコール成分がモル比でEG/DEG=77/23であった。還元粘度は0.48dl/g、ガラス転移温度は49℃、酸価は8当量/106gであった。結果を表1に示す。
合成例(A)と同様の反応容器にDMT246部、DMI246部、EG334部、DEG101部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.33部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.24部を仕込み、エステル交換反応後にFA73.5部仕込む以外は合成例(C)と同様の方法で反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA=40/40/20でありグリコール成分がモル比でEG/DEG=78/22であった。還元粘度は0.53dl/g、ガラス転移温度は44℃、酸価は6当量/106gであった。結果を表1に示す。
合成例(A)と同様の反応容器にIPA290部、SA182部、FA35部、TMA12部、2MG271部、ネオペンチルグリコール313部(以下NPGと略)、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.31部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.14部を仕込み、160℃から240℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて60分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でIPA/SA/FA/TMA=58/30/10/2でありグリコール成分がモル比で2MG/NPG=55/45であった。還元粘度は0.86dl/g、ガラス転移温度は−6℃であった。結果を表1に示す。
反応触媒として三酸化アンチモン0.46部仕込む以外は合成例(A)と同様の方法で行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA/TMA/TMA(後付加)=49/44/5/1/1でありグリコール成分がモル比で2MG/CHDM=71/29であった。還元粘度は0.55dl/g、ガラス転移温度は51℃、酸価は85当量/106gであった。結果を表1に示す。
合成例(A)と同様の反応容器にDMT291部、DMI291部、EG316部、DEG95.4部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.32部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて60分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA=50/50でありグリコール成分がモル比でEG/DEG=78/22であった。還元粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度は50℃、酸価は7当量/106gであった。結果を表1に示す。
合成例(A)のポリエステル樹脂100部をシクロヘキサノン233部に溶解し、ポリイソシアネート化合物として3,5−ジメチルピラゾールブロック型のヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(固形分濃度75質量%)を20部、白色顔料として酸化チタン(石原産業(株)製CR−93)を120量部、硬化触媒としてブチルスズトリ(2−エチルヘキサノエート)を0.5量部、レベリング剤としてポリフローS(共栄者化学(株)製)を0.5量部加え、ガラスビーズ型高速振とう機で5時間分散しポリエステル樹脂組成物(a)を得た。配合比とポリエステル樹脂組成物に含まれるスズ原子とチタン原子のモル比を表2に示す。
合成例(B)〜(F)のポリエステル樹脂を用いてポリエステル樹脂組成物(a)の作成同様にしてポリエステル樹脂組成物(b)〜(f)を得た。配合比とポリエステル樹脂組成物に含まれるスズ原子とチタン原子のモル比を表2に示す。
あらかじめ溶解した市販の高分子量ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン296、固形分濃度40質量%)100固形部に酸化チタン50部、硬化剤としてのヘキサメトキシロール化メラミン(三井サイッテクス(株)製サイメル303、固形分濃度60質量%)20固形部、硬化触媒としてのp−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部を加え、ガラスビーズ型振とう機で5時間分散しプライマー塗料を作成した。溶剤はシクロヘキサノン/ソルベッソ(エクソン化学製)150=50/50(質量比)混合品を適量使用した。
クロメート処理を施された0.5mm厚の亜鉛メッキ鋼板を基材とした。この基材にプライマー塗料(g)を乾燥膜圧が5μmになるように塗布し、210℃×50秒焼き付けた。
ポリエステル樹脂組成物(a)をプライマー塗装鋼板上にバーコーターを用いて焼付後18μmになるよう塗布し、235℃×50秒熱風乾燥機で乾燥させた。乾燥直後、塗装鋼板を冷水に浸し室温以下に冷却し、水分を除去した後所定の試験を行った。結果を表3に示す。
ポリエステル樹脂組成物(b)〜(d)を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
比較ポリエステル樹脂組成物(e)〜(g)を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
Claims (5)
- 以下(1)〜(5)の条件を満たすポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート樹脂(B)ならびにスズ化合物(C)を含むポリエステル樹脂組成物。
(1)酸成分の合計を100モル%としたとき、酸成分の0.5〜50モル%が不飽和結合を有するジカルボン酸である。
(2)酸成分の合計を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上である。
(3)重合触媒がチタン系化合物であり、そのチタン原子がポリエステル樹脂中に10〜200ppm含まれる。
(4)ガラス転移温度が10〜100℃である。
(5)酸価が2〜150当量/106gである。 - ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート樹脂(B)、スズ化合物(C)の配合比が、(A)/(B)/(C)=100/0.5〜30/0.01〜2.0(質量比)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- スズ化合物(C)に起因するスズ原子とポリエステル樹脂(A)の重合触媒に起因するチタン原子のモル比において、(スズのモル数÷チタンのモル数)の値が0.1〜10の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(A)の比重が1.21以上1.36未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- プレコートメタル用塗料に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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JP2005225502A JP2007039560A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | ポリエステル樹脂組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009054430A1 (ja) * | 2007-10-24 | 2009-04-30 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | 樹脂組成物、接着剤、塗料およびコーティング剤 |
CN105542633A (zh) * | 2016-03-07 | 2016-05-04 | 立邦涂料(天津)有限公司 | 一种聚酯涂料及其制备方法 |
CN115151594A (zh) * | 2020-02-26 | 2022-10-04 | 东洋纺株式会社 | 异物少的聚酯树脂及使用其的涂料组合物或粘接剂组合物 |
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2005
- 2005-08-03 JP JP2005225502A patent/JP2007039560A/ja active Pending
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