JP2007039560A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガラス転移温度の高いポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤の組み合わせで極めて速い硬化が可能であり、しかもその塗膜は優れた耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を発揮するポリエステル樹脂組成物を提供する
【解決手段】 以下(1)〜(5)の条件を満たすポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート樹脂(B)ならびにスズ化合物(C)を含むポリエステル樹脂組成物に関する。
(1)酸成分の合計を100モル%としたとき、酸成分の0.5〜50モル%が不飽和結合を有するジカルボン酸である。
(2)酸成分の合計を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上である。
(3)重合触媒がチタン系化合物であり、そのチタン原子がポリエステル樹脂中に10〜200ppm含まれる。
(4)ガラス転移温度が10〜100℃である。
(5)酸価が2〜150当量/106gである。
【選択図】 なし

Description

本発明は塗料、コーティング剤、接着剤に適した高Tgポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、各種素材に適し優れた硬化性、耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を有するポリエステル樹脂組成物に関するものである。
ポリエステル樹脂とイソシアネート化合物の組合せは熱硬化性を有し、各種接着剤・塗料・コーティング剤として使用されている。イソシアネート化合物は少量の使用で十分な架橋密度が得られ、しかも硬化剤として用いられるメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂とポリエステル樹脂の組合せと比較して低温で硬化できる点から好んで使用されている。また塗料・コーティング剤には耐汚染性を発揮させる場合に硬化剤としてブチル化メラミン樹脂が一般的に用いられるが、メラミン樹脂がシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを含んでいるといった理由から、メラミン樹脂を含まない耐汚染性に優れた塗料・コーティング剤が望まれるようになってきた。
ポリエステル樹脂とイソシアネート化合物の反応は、ポリエステル樹脂の分子末端や側鎖の水酸基やカルボキシル基、変性等によって設けられたアミノ基を反応点とすることが多い。しかしながら、ポリエステル樹脂とポリイソシアネート化合物は反応速度が遅く十分な架橋密度を得ることができない。特にポリエステルの分子量が大きくなると反応点が減少するため反応性がさらに低下する。従って、これらの欠点を改良するため様々な手法が開示されている。
反応性を改良するためにポリエステル樹脂に変性等により水酸基、アミノ基を多数導入することがよくおこなわれ、3官能ポリオールとポリイソシアネートの組合せが開示されているが(例えば特許文献1参照)、それら官能基が多くなると製造上ゲル化の恐れが生じ製造工程が煩雑になるだけでなく硬化物の架橋間距離が短くなり、例えば加工性に優れるというようなポリエステル樹脂が本来の物性を失い、目的とする性能を得ることができなくなることがある。
また、ポリエステルのイソシアネート架橋にエポキシを導入する手法が(例えば特許文献2参照)、あるいは主剤に水を含有する接着剤(特許文献3参照)が開示されているが、これらは硬化度を上げるには有効なものの、導入したエポキシや水により接着剤層が硬くなり耐衝撃性が低下することがある。
他方、硬化性の向上にはガラス転移温度が極端に低いポリエステル樹脂に二重結合を有するモノマーを導入する手法が開示されているが(例えば特許文献4参照)、ガラス転移温度が比較的高いポリエステル樹脂では十分な硬化反応を進めることができない場合があった。
特開平9−32239号公報(特許請求の範囲) 特開平8−199147号公報(特許請求の範囲) 特開平6−299135号公報(特許請求の範囲) 特開2004−225013号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、従来では得られなかったガラス転移温度の高いポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤の組み合わせで極めて速い硬化を可能にすることであり、しかもその塗膜は優れた耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を発揮することで、産業上有用なポリエステル樹脂組成物を提供することである。
本発明者等はガラス転移温度の高いポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤との硬化反応を鋭意検討した結果、二重結合を持つ化合物を用いて、チタン系触媒を使用してポリエステル樹脂を共重合し、塗料配合時にスズ化合物を特定量配合することにより、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が高いにもかかわらずイソシアネート化合物との反応性を著しく改善でき、耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性に優れることを見出し本発明に到達した。すなわち本発明は以下のポリエステル樹脂組成物である。
以下(1)〜(5)の条件を満たすポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート樹脂(B)ならびにスズ化合物(C)を含むポリエステル樹脂組成物。
(1)酸成分の合計を100モル%としたとき、酸成分の0.5〜50モル%が不飽和結合を有するジカルボン酸である。
(2)酸成分の合計を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上である。
(3)重合触媒がチタン系化合物であり、そのチタン原子がポリエステル樹脂中に10〜200ppm含まれる。
(4)ガラス転移温度が10〜100℃である。
(5)酸価が2〜150当量/106gである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、従来、ガラス転移温度が高いポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤の組み合わせでは得られなかった硬化特性が得られ、しかも優れた耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性をも有する。本発明の組成物は、環境負荷が少なくかつ優れた耐汚染性を示すプレコートメタル用塗料として用いることが可能である。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)の構成成分としては従来から慣用されている二塩基酸成分とグリコール成分が使用でき、二塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。これらのうち、耐溶剤性、耐汚染性、耐傷付き性を高めるという点より芳香族ジカルボン酸を50モル%以上共重合していることが好ましく、その中でもテレフタル酸及び/又はイソフタル酸を30モル%以上共重合しているものが好ましい。好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上である。
グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコールを挙げることができる。さらに、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類やp−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸もポリエステル樹脂の原料として挙げられる。これらのうち、耐汚染性を高める観点からポリエステル樹脂(A)を高比重とすることが好ましく、その範囲は1.21以上1.36未満であることが好ましい。好ましくは1.30以上1.36未満である。比重が1.36を超えると耐汚染性は向上するが溶剤溶解性が低下することがある。高比重のポリエステル樹脂とするためには、ポリエステル樹脂中の芳香環を多くする、鎖長の短いグリコールを共重合する等従来知られた手法を採ることができるが、例えば具体例としてはグリコール成分にエチレングリコールとエチルエーテルグリコールを共重合するものが好ましい。エチレングリコールが50モル%以下の場合ポリエステル樹脂のTgが極端に低くなり耐汚染性が低下し、エチルエーテルグリコールが10モル%以下の場合には溶剤溶解性が低下するため、エチレングリコールは50〜90モル%、エチルエーテルグリコールは10〜50モル%共重合することが好ましい。エチルエーテルグリコールとは例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのうち溶剤溶解性を満足しつつTgを高めるためにはジエチレングリコールを共重合することが好ましい。
また、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、無水トリメリット酸等の三官能以上の成分もポリイソシアネート架橋反応後のポリエステルの物性を損なわない程度に併用しても構わない。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)は酸成分の一部に不飽和結合を有するジカルボン酸を共重合しており、ポリエステル樹脂の酸成分の合計を100モル%としたとき、その共重合量が酸成分の0.5〜50モル%であることが好ましい。より好ましくは2〜30モル%であり、更に好ましくは5〜20モル%である。不飽和結合は二重結合であることが好ましい。不飽和結合を含有するジカルボン酸が0.5モル%未満の場合、ポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート化合物(B)との硬化性に効果が低くなる場合があり、また50モル%を越えると不飽和結合の開裂によるゲル化の可能性が高くなり高分子量のポリエステルの製造が困難になることがある。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)に使用する不飽和二重結合を含有するジカルボン酸としては、α、β−不飽和ジカルボン酸類としてフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、不飽和二重結合を含有する脂環族ジカルボン酸として2,5−ノルボルナンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。これらのうち、短時間硬化を可能とする点で好ましいものはフマル酸、マレイン酸および2,5−ノルボルネンジカルボン酸(エンド−ビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸)であり、特に好ましいものはフマル酸である。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)に含まれる重合触媒としてのチタン系化合物の量は、ポリエステル樹脂中にチタン原子として10〜200ppm、より好ましくは15〜100ppm、更に好ましくは20〜80ppmである。10ppm以下では触媒として用いる場合に活性が極端に低下するため好ましくない。200ppm以上では塗膜の耐水性、耐熱性、色調が低下する傾向にあるため好ましくない。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)を重合する際に重合触媒として使用するチタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネートなどが挙げられ、特にテトラ−n−ブチルチタネートの使用が好ましい。
また一方で、本発明に用いるポリエステル樹脂(A)は、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化合物、アルミニウム化合物などの重合触媒を、これらの成分の添加が前述のような塗膜の耐水性、耐熱性、色調等に問題を生じない添加量の範囲内において共存させて用いることは、これらを重合触媒として用いる場合に重合時間の短縮による生産性を向上させる際に有効であり、好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)にはラジカル重合禁止剤を共存させることが好ましい。その量はポリエステル樹脂中にラジカル重合禁止剤分子として10〜800ppm、より好ましくは100〜400ppmである。10ppm以下では二重結合開裂によるゲル化の可能性が高くなり高分子量のポリエステルの製造が困難になることがある。800ppm以上ではポリエステル樹脂(A)が着色する場合があり、塗膜の色調が低下し外観を損ねることがある。
本発明に使用するラジカル重合禁止剤は主にポリエステル樹脂(A)を重合する際に二重結合開裂によるゲル化防止、さらには塗料の硬化性向上のために用いられるものであるが、ポリエステル樹脂の貯蔵安定性を高めるために重合後に添加しても良い。ラジカル重合禁止剤としてはフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、無機化合物系酸化防止剤など公知のものが例示できる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4,4’−ブチルデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス−メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレートなど、またはそれらの誘導体等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシルホスファイト)、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイトなど、またはそれらの誘導体等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、フェニル−ベータ−ナフチルアミン、フェノチアジン、N,N’− ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−ベータナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、アルドール−アルファ−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンポリマーなど、またはそれらの誘導体等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオビス(N−フェニル−ベータ−ナフチルアミン、2−メルカプトベンチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルイソプロピルキサンテートなど、又はそれらの誘導体が挙げられる。
ニトロ化合物系酸化防止剤としては、1,3,5−トリニトロベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、p−ニトロソジメチルアニリン、1−クロロ−3− ニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、ニトロベンゼン、2−ニトロ−5−シアノチオフェンなど、又はそれらの誘導体が挙げられる。
無機化合物系酸化防止剤としては、FeCl3、Fe(CN)3、CuCl2、CoCl3、Co(ClO43、Co(NO33、Co2(SO43等が挙げられる。
本発明に用いるラジカル重合禁止剤としては、上記の酸化防止剤の中で、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が熱安定性の点で好ましく、融点が120℃以上で分子量が200以上のものがより好ましく、融点が170℃以上のものがさらに好ましい。具体的には、フェノチアジン、4,4’−ブチルデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などである。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は10〜100℃が好ましく、より好ましくは20〜90℃であり、更に好ましくは30〜80℃である。10℃以下では塗膜の硬度が低く、耐汚染性・耐傷付き性の低下する傾向にある。100℃を越えると溶液粘度が高くなり、作業上の弊害が顕著になる場合がある。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)の酸価は2〜150当量/106gが好ましい。150当量/106gを越えると硬化時にイソシアネートと反応できなかったカルボン酸末端基が塗膜中に残存し、耐水性、耐熱性が低下する場合がある。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)の還元粘度は0.20〜1.50dl/gが好ましく、より好ましくは0.30〜1.00dl/gである。0.20dl/g未満では塗膜の強靱性が劣ることがあり、加工性が低下する傾向にある。1.50dl/gを越えると溶液粘度が高くなり、作業上の弊害が顕著になる場合がある。
本発明のポリイソシアネート化合物(B)としては、従来から慣用されている芳香族、脂肪族、脂環族等の有機ポリイソシアネートを使用でき、具体例として、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート、又はこれらの変性多価ポリイソシアネート又はこれらの混合物が挙げられる。特にポリエステル樹脂の硬化には3価以上のポリイソシアネートが好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(B)はイソシアネート基をブロック剤で封鎖し、ブロックイソシアネートとすることもできる。そのブロック剤としては、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物等がある。
より具体的なブロック化剤の例を下記に示す。
(1)アルコール系;メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等
(2)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェノール類であって、例えばn−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類
(3)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等
(4)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等
(5)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等
(6)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等
(7)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等
(8)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等
(9)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等
(10)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等
(11)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等
(12)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等
(13)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等がある。
イソシアネート基のブロック剤は、アルコール系、オキシム系、酸アミド系、活性メチレン系、ピラゾール系から選ばれる少なくとも1種が好ましく、更に好ましくはアルコール系、オキシム系、活性メチレン系、ピラゾール系である。ブロック剤は2種以上混合しても良い。
本発明に用いるスズ化合物(C)としては、従来から慣用されている芳香族、脂肪族、脂環族等の有機スズを使用でき、具体例としてジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ブチルスズトリ(2−エチルヘキサノエート)等の有機金属化合物が挙げられる。
またトリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性に問題を生じない添加量の範囲内において共存させて用いてもよい。
本発明ではメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂等ポリイソシアネート化合物以外の熱硬化性樹脂を併用してもよい。
本発明で用いられるポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及びスズ化合物(C)の配合比は、(A)/(B)/(C)=100/0.5〜30/0.01〜2.0(質量部)が好ましく、さらに好ましくは100/1〜25/0.05〜1.0(質量部)であり、最も好ましくは100/10〜20/0.1〜0.5(質量部)である。
ポリイソシアネート化合物(B)がポリエステル樹脂(A)100質量部に対し0.5質量部未満ではポリエステル樹脂との硬化性が低く、塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を低下する傾向にあり、30質量部を越えるとイソシアネート成分が過剰となり硬化後の塗膜に未反応成分が残り、塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を低下する原因になる。
スズ化合物(C)がポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部未満ではポリエステル樹脂との硬化性が低く、塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を低下する傾向にあり、2.0質量部を超えると硬化速度が速くなりすぎフロー性が低下して、焼付後の塗膜の外観を損なう恐れがある。
本発明における組成物全体において、スズ化合物(C)に起因するスズ原子とポリエステル樹脂(A)の重合触媒に起因するチタン原子のモル比において、含まれるスズ原子とチタン原子のモル比はスズのモル数/チタンのモル数が0.1〜10の範囲にあることが好ましい。より好ましくは1〜8.5の範囲にあること、さらに好ましくは4〜6の範囲にあることである。Snのモル数/Tiモル数が0.1未満であるとポリエステル樹脂との硬化性が低く、塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性を低下する傾向にあり、6を超えると硬化速度が減少する傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、接着剤、コーティング剤、塗料用途に用いることが有効であり、特にプレコートメタル用塗料として用いると速硬化、低温硬化の効果を発揮する。塗布するための基材は特に限定されないが、鉄、銅、アルミ等の金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムが挙げられる。
以下実施例を上げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。実施例に単に部とあるものは質量部を示す。各項目は以下の方法に従った。
1.組成分析
クロロホルムD溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
2.還元粘度
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25ccに溶かし、30℃で測定した。単位はdl/gで表した。
3.ガラス転移温度
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。測定用サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
4.酸価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求め、単位は当量/106gで表した。指示薬には、フェノールフタレインを用いた。
5.ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物中の金属含有量
(1)チタン分析
試料1gを白金製るつぼに精秤し、電気炉で炭化・灰化させた。残渣を硫酸水素カリウムで溶融した後、溶融物を希塩酸で溶解させ、チタン量はジアンチピリルメタン比色法を用いて行った。単位は金属原子としてppmで表した。
(2)スズ分析
試料0.2gを石英製三角フラスコに精秤し、硫酸−過酸化水素分解した。分解液を、6M塩酸10mlを用いて20mlメスフラスコに移し、精製水を用いてメスアップした。溶液中のスズは、ICP発光分析法を用いて求めた。なお定量は、検量線法により行った。単位は金属原子としてppmで表した。
6.耐溶剤擦り性
キシレンを含ませたフェルトで荷重1kgをかけながら塗装鋼板の塗面を100回拭いたのち、塗面を観察した。評価基準は次の通りである。
◎:塗面に変化がなく良好、
○:塗面に傷がわずかに認められ硬化性が劣る
△:塗面に傷が認められ硬化性が劣る、
×:塗膜表面がキシレンで溶解し硬化性が著しく劣る。
7.耐マジック汚染性
赤マジックインクを塗装鋼板の塗面に塗布し、室温で48時間放置した後、エタノールを浸した柔らかい布で塗布したマジックインクを拭い去った跡を目視で観察した。
◎:汚れ跡がみられない
○:汚れ跡がわずかに認められる
△:汚れ跡がかなり残る
×:汚れ跡が濃く残る
8.加工性
塗装鋼板を180度折り曲げ、屈曲部に発生する割れを10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合をさし、0Tは板を挟まなくて180度折り曲げた場合をさす。
9.鉛筆硬度
塗装鋼板の塗面をJIS−K−5400に準じて鉛筆引っかき試験を行い、傷がつかない硬度を測定した。
ポリエステル合成例(A)
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸(以下TPAと略)259、イソフタル酸(以下IPAと略)227部、フマル酸(以下FAと略)18部、無水トリメリット酸(以下TMAと略)6.10部、2−メチル1,3−プロパンジオール(以下2MGと略)326部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略)158部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.32部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.15部を仕込み、160℃から240℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて30分間重縮合反応を行った。ついで窒素気流下220℃まで冷却し、TMA6.10部を仕込み30分攪拌し、末端基のカルボキシル変性を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA/TMA/TMA(後付加)=49/44/5/1/1でありグリコール成分がモル比で2MG/CHDM=71/29であった。還元粘度は0.55dl/g、ガラス転移温度は51℃、酸価は85当量/106gであった。結果を表1に示す。
ポリエステル合成例(B)
合成例(A)と同様の反応容器にテレフタル酸ジメチル(以下DMTと略)547部、エチレングリコール(以下EGと略)73.1部、1,2−プロパンジオール(以下PGと略)359部、トリメチロールプロパン(以下TMPと略)、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.31部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.12部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。ついでFA17.4部を仕込み230℃まで90分かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて50分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/FA=95/5でありグリコール成分がモル比でEG/PG/TMP=27/72.4/0.6であった。還元粘度は0.53dl/g、ガラス転移温度は78℃、酸価は19当量/106gであった。結果を表1に示す。
ポリエステル合成例(C)
合成例(A)と同様の反応容器にDMT282部、イソフタル酸ジメチル(以下DMIと略)282部、EG322部、ジエチレングリコール(以下DEGと略)97.1部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.32部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.12部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。ついでFA17.7部を仕込み230℃まで90分かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて60分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA=48/47/5でありグリコール成分がモル比でEG/DEG=77/23であった。還元粘度は0.48dl/g、ガラス転移温度は49℃、酸価は8当量/106gであった。結果を表1に示す。
ポリエステル合成例(D)
合成例(A)と同様の反応容器にDMT246部、DMI246部、EG334部、DEG101部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.33部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.24部を仕込み、エステル交換反応後にFA73.5部仕込む以外は合成例(C)と同様の方法で反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA=40/40/20でありグリコール成分がモル比でEG/DEG=78/22であった。還元粘度は0.53dl/g、ガラス転移温度は44℃、酸価は6当量/106gであった。結果を表1に示す。
ポリエステル比較合成例(E)
合成例(A)と同様の反応容器にIPA290部、SA182部、FA35部、TMA12部、2MG271部、ネオペンチルグリコール313部(以下NPGと略)、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.31部、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン0.14部を仕込み、160℃から240℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて60分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でIPA/SA/FA/TMA=58/30/10/2でありグリコール成分がモル比で2MG/NPG=55/45であった。還元粘度は0.86dl/g、ガラス転移温度は−6℃であった。結果を表1に示す。
ポリエステル比較合成例(F)
反応触媒として三酸化アンチモン0.46部仕込む以外は合成例(A)と同様の方法で行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA/FA/TMA/TMA(後付加)=49/44/5/1/1でありグリコール成分がモル比で2MG/CHDM=71/29であった。還元粘度は0.55dl/g、ガラス転移温度は51℃、酸価は85当量/106gであった。結果を表1に示す。
ポリエステル合成例(G)
合成例(A)と同様の反応容器にDMT291部、DMI291部、EG316部、DEG95.4部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.32部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。次いで、系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃にて60分間重縮合反応を行った。組成分析では酸成分がモル比でTPA/IPA=50/50でありグリコール成分がモル比でEG/DEG=78/22であった。還元粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度は50℃、酸価は7当量/106gであった。結果を表1に示す。
Figure 2007039560
ポリエステル樹脂組成物(a)の作成
合成例(A)のポリエステル樹脂100部をシクロヘキサノン233部に溶解し、ポリイソシアネート化合物として3,5−ジメチルピラゾールブロック型のヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(固形分濃度75質量%)を20部、白色顔料として酸化チタン(石原産業(株)製CR−93)を120量部、硬化触媒としてブチルスズトリ(2−エチルヘキサノエート)を0.5量部、レベリング剤としてポリフローS(共栄者化学(株)製)を0.5量部加え、ガラスビーズ型高速振とう機で5時間分散しポリエステル樹脂組成物(a)を得た。配合比とポリエステル樹脂組成物に含まれるスズ原子とチタン原子のモル比を表2に示す。
ポリエステル樹脂組成物(b)〜(f)の作成
合成例(B)〜(F)のポリエステル樹脂を用いてポリエステル樹脂組成物(a)の作成同様にしてポリエステル樹脂組成物(b)〜(f)を得た。配合比とポリエステル樹脂組成物に含まれるスズ原子とチタン原子のモル比を表2に示す。
Figure 2007039560
プライマー塗料(g)の作成
あらかじめ溶解した市販の高分子量ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン296、固形分濃度40質量%)100固形部に酸化チタン50部、硬化剤としてのヘキサメトキシロール化メラミン(三井サイッテクス(株)製サイメル303、固形分濃度60質量%)20固形部、硬化触媒としてのp−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部を加え、ガラスビーズ型振とう機で5時間分散しプライマー塗料を作成した。溶剤はシクロヘキサノン/ソルベッソ(エクソン化学製)150=50/50(質量比)混合品を適量使用した。
プライマー塗装鋼板の作成
クロメート処理を施された0.5mm厚の亜鉛メッキ鋼板を基材とした。この基材にプライマー塗料(g)を乾燥膜圧が5μmになるように塗布し、210℃×50秒焼き付けた。
実施例1
ポリエステル樹脂組成物(a)をプライマー塗装鋼板上にバーコーターを用いて焼付後18μmになるよう塗布し、235℃×50秒熱風乾燥機で乾燥させた。乾燥直後、塗装鋼板を冷水に浸し室温以下に冷却し、水分を除去した後所定の試験を行った。結果を表3に示す。
実施例2〜4
ポリエステル樹脂組成物(b)〜(d)を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
比較例1〜3
比較ポリエステル樹脂組成物(e)〜(g)を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2007039560
表3より明らかなようにポリエステル重合触媒にチタン系化合物を使用し、二重結合を有するモノマーを共重合したポリエステル樹脂を用いた実施例1〜4は、比較例に比べて耐溶剤性(硬化性)、加工性が優れていることがわかる。中でも比重が1.3以上のポリエステル樹脂を用いた実施例3、4は耐汚染性に優れていることがわかる。また、ポリエステル重合触媒にチタン系化合物以外のものを使用した比較例2は、二重結合を有するモノマーを共重合したポリエステル樹脂にも関わらず耐溶剤性と加工性の向上効果が認められない。このことからポリエステル樹脂に二重結合を持つ化合物をポリエステル重合触媒にチタン系化合物を使用して共重合し、塗料配合時にスズ化合物を特定量配合することがこれらの効果を高めるために有効であることがわかる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、従来、ガラス転移温度が高いポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤の組み合わせでは得られなかった硬化特性が得られ、しかも優れた耐溶剤性、耐汚染性、加工性、耐傷付き性をも有する。本発明の組成物は、環境負荷が少なくかつ優れた耐汚染性を示すプレコートメタル用塗料として用いることが可能である。

Claims (5)

  1. 以下(1)〜(5)の条件を満たすポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート樹脂(B)ならびにスズ化合物(C)を含むポリエステル樹脂組成物。
    (1)酸成分の合計を100モル%としたとき、酸成分の0.5〜50モル%が不飽和結合を有するジカルボン酸である。
    (2)酸成分の合計を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上である。
    (3)重合触媒がチタン系化合物であり、そのチタン原子がポリエステル樹脂中に10〜200ppm含まれる。
    (4)ガラス転移温度が10〜100℃である。
    (5)酸価が2〜150当量/106gである。
  2. ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート樹脂(B)、スズ化合物(C)の配合比が、(A)/(B)/(C)=100/0.5〜30/0.01〜2.0(質量比)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. スズ化合物(C)に起因するスズ原子とポリエステル樹脂(A)の重合触媒に起因するチタン原子のモル比において、(スズのモル数÷チタンのモル数)の値が0.1〜10の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. ポリエステル樹脂(A)の比重が1.21以上1.36未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. プレコートメタル用塗料に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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