JP2007038781A - 車両のインストルメントパネル及びその成形方法 - Google Patents

車両のインストルメントパネル及びその成形方法 Download PDF

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満晴 金子
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Abstract

【課題】 表皮層の素材として、例えば、塩化ビニル等の伸びが小さい特性を有する素材が用いられ、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルにおいて、エアバッグ展開時における表皮層等の破片の飛散を防止可能なインストルメントパネル及びその成形方法を提供する。
【解決手段】 発泡層16′を、スキン層15′(上記表皮層)における基材層13′側の面に接して、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル16c′の直径が0.40mm以上、0.75mm以下で、基材層13′側の面に凹凸が生じるように形成し、かつ、発泡層16′と基材層13′とを、スキン層15′よりも伸びが大きい特性を有する接着剤層14′により接合する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、表皮層として、発泡層よりも伸びが小さい等の特性を有する素材が用いられたインストルメントパネル及びその成形方法に関し、車両の内装技術の分野に属する。
車両のインストルメントパネルは、一般に、表皮層や基材層等の複数の樹脂層でなる積層体で構成されており、その表皮層としては、例えば、安価で、耐擦傷性や耐磨耗性に優れる塩化ビニルが利用される。しかし、塩化ビニルは、これらの利点を有する反面、伸びにくいという欠点を有している。このため、例えばエアバッグ展開用のドア部がシームレスに一体で設けられたインストルメントパネルにおいては、特に極低温時において、エアバッグの展開時に、ドア部とその周辺部との境界部近傍において表皮層に亀裂が生じて剥離し、その破片が周囲に飛散しやすいという問題がある。
この問題への対処としては、例えば、表皮層として、図11に示すように、塩化ビニルよりも伸び性能のよいオレフィン系樹脂(TPO)を用いることが考えられるが、オレフィン系樹脂は、塩化ビニルよりも高価であるという別の問題がある。
これらの問題に対処するものとして、例えば、特許文献1には、塩化ビニルでなる表皮層と、ポリプロピレンでなる基材層とを有するものにおいて、表皮層における基材層側の面のドア部及びその周辺部に、塩化ビニルとの良好な相容性を有し、該塩化ビニルよりも伸びのよいポリウレタンでなる非発泡層を形成すると共に、これらをポリウレタンでなる発泡層で接合したものが開示されており、これによれば、エアバッグ展開時に表皮層に亀裂が生じても非発泡層から剥離しにくくなるという効果が奏される。
特開2002−264758号公報
しかしながら、通常、ポリプロピレンでなる基材層とポリウレンタンでなる発泡層との接合強度は、塩化ビニルでなる表皮層とポリウレタンでなる発泡層及び非発泡層との接合強度よりも小さいので、エアバッグ展開時に、発泡層と基材層との間で剥離が起こりやすいという問題がある。また、この剥離に起因して、表皮層及び発泡層が飛散する虞がある。
そこで、本発明は、表皮層の素材として、例えば、塩化ビニル等の、オレフィン系樹脂よりも伸びが小さい等の特性を有する素材が用いられ、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルにおいて、エアバッグ展開時における表皮層等の破片の飛散を防止可能なインストルメントパネル及びその成形方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、内面側を構成する基材層と、外面側を構成する表皮層と、これらの層の間に設けられた発泡層とを有すると共に、前記表皮層が、発泡層よりも伸びが小さい特性と、経年劣化により発泡層よりも伸びが小さくなる特性との少なくとも一方を有し、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルであって、前記発泡層は、表皮層における基材層側の面に接して、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル径が0.40mm以上、0.75mm以下で、基材層側の面に凹凸が生じるように形成されており、かつ、発泡層と基材層とが、上記表皮層よりも伸びが大きい特性を有する接着剤層により接合されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記発泡倍率が1.5倍以上、2.0倍以下、発泡セル径が0.40mm以上、0.50mm以下であることを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、発泡層及び接着剤層はオレフィン系樹脂でなることを特徴とする。
そして、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、表皮材は塩化ビニルでなることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、内面側を構成する基材層と、外面側を構成する表皮層と、これらの層の間に設けられた発泡層とを有すると共に、前記表皮層が、発泡層よりも伸びが小さい特性と、経年劣化により発泡層よりも伸びが小さくなる特性との少なくとも一方を有し、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルの成形方法であって、まず、前記表皮層を成形し、次いで、該表皮層のいずれか一面に接して、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル径が0.40mm以上、0.75mm以下の発泡層を形成し、次いで、これらの層からなる表皮材、及び基材を一対の型にセットした状態で、表皮材と基材との間の空間に、固化したときに上記表皮層よりも伸びが大きくなる特性を有する接着剤を注入することを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、該表皮層が、表皮層よりも伸びがよい特性を有する発泡層及び接着剤層により裏面から補強されているので、エアバッグの展開時に、表皮層に亀裂が生じにくくなる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、基材層と発泡層とを接着剤層を介して接合する場合に、発泡層の発泡倍率が1.2倍以下、発泡セル径が0.35mm以下では、発泡層における接着剤層側の面に生じる凹凸が不十分で、基材層と発泡層との接着強度が不足し、表皮層及び発泡層の飛散が生じたが、本発明では、発泡層の発泡倍率を1.5倍以上、発泡セル径を0.40mm以上としたことにより、発泡層における接着剤層側の面に十分な凹凸が生じ、この結果、発泡層と接着剤層との接合面積が増加して、発泡層と接着剤層とが、エアバッグの展開時における表皮層及び発泡層の剥離が防止可能な接着強度で接着される。
ところで、前述のように、発泡層における接着材層側の面に凹凸が生じるということは、発泡セルの径次第では表皮層の外面側にも凹凸があらわれ、インストルメントパネルの外観等に影響を与える虞がある。例えば、発泡層の発泡倍率が3.0倍以上、発泡セル径が0.78mm以上の場合には、目視で表皮層の外面側に凹凸が存在するのがわかるが、本発明においては、発泡層の発泡倍率を2.5倍以下、発泡セル径を0.75mm以下としたことにより、表皮層に生じる凹凸を手でさわらなければわからないほどに抑制することができる。
したがって、発泡倍率を1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル径を0.40mm以上、0.75mm以下とすることにより、表皮層の表面性状を適切に保持しつつ、エアバッグの展開時における表皮層及び発泡層の破片の飛散を防止することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、発泡倍率を2.0倍以下、発泡セル径を0.50mm以下と絞り込むことにより、表皮層及び発泡層の破片の飛散を防止しつつ、表皮層に生じる凹凸を目視及び触診でも確認できないほどに一層抑制することができる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、発泡層及び接着剤層としてオレフィン系樹脂を用いることにより、前述の作用効果が得られる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、耐擦傷性や耐磨耗性に優れ、かつ安価な材料である塩化ビニルを用いた場合においても、前述の作用効果が得られる。
また、請求項5に記載の発明によれば、発泡層の特性を変更するだけで、請求項1に記載の効果を有するインストルメントパネルを成形することができる。
まず、本発明の実施の形態に係るインストルメントパネル11について説明する。図1に示すように、このインストルメントパネル11は、左ハンドル仕様車における助手席前部に配設されるものであり、図2にも示すように、反車室側の面にはエアバッグ装置20のケース21が取り付けられている。
このインストルメントパネル11は、図2、図3に示すように、外面側(車室に面する側)を構成する表皮材12でなる表皮層12′と、内面側を構成し、基材13でなる基材層13′と、表皮材12と基材13とを接合する接着剤14(図中に符号は示されていないが、説明便宜上付与している)が冷却硬化した接着剤層14′とでなる積層体で構成されている。表皮材12(表皮層12′)としては、塩化ビニルでなるスキン層15′(特許請求の範囲における表皮層)と、図11を用いて前述したように塩化ビニルよりも伸びがよい特性を有するオレフィン系樹脂(TPO)でなる発泡層16′(特許請求の範囲における発泡層)とを有し、かつパウダースラッシュ成形により予めインストルメントパネル形状に成形されたものが用いられている。基材13としては、公知の射出成形により、ポリプロピレン(PP)を用いて予めインストルメントパネル形状に形成されたものが用いられている。接着剤14としては、溶融したオレフィン系接着剤が用いられており、冷却硬化(固化)した接着剤層14′はスキン層15′よりも伸びが大きい特性を有する。スキン層15′と発泡層16′とは、パウダースラッシュ成形でスキン層15′上に発泡層16′を形成する際の熱でスキン層15′の接合面が溶融することにより接合されている。したがって、極低温時等に亀裂を生じやすいスキン層15′が、該スキン層15′よりも伸びがよい特性を有するオレフィン系樹脂でなる発泡層16′及び接着剤層14′により裏面から補強されるので、スキン層15′に亀裂が生じた場合でも、スキン層15′が発泡層16′から剥離しにくくなっている。
図1に示すように、材料としての基材13には、後述するノズル41,51,61,71が挿通される4つのノズル挿通孔13a,13b,13c,13dが分散して設けられており、成形時にこれらのノズル挿通孔13a〜13d内にも接着剤14が充填されるようになっている。
ここで、図1〜図3に示すように、前記エアバッグ装置20のケース21の蓋部22は、構造接着剤層19′を介して基材層13′に接着されている。詳しくは、該蓋部22には、エアバッグ装置20を収納する枠体22dにエアバッグ放出用の方形状の開口22aが設けられていると共に、該開口22a内には、該開口22aよりも若干小さい蓋材22bが配設され、前記枠体22dの外周にはフランジ22fが配設されて、該蓋材22bとフランジ22fとが基材層13′に構造接着剤19(図中に符号は示されていないが、説明便宜上付与している)を用いて接着されている。ここで、開口22aの縁部と蓋材22bの縁部とは、上辺部が断面略U字状に設けられた可撓連結部22eで連結され、他の辺に設けられた隙間は、蓋部22のティアライン22cを構成している。
また、インストルメントパネル11の各層12′,13′,14′には、エアバッグ装置20のケース21が配設される位置に、それぞれ、ティアライン12a,13e,14aが設けられており、これら各ティアライン12a,13e,14a,22cの内側の部分が、該インストルメントパネル11のドア部11aを構成している。
表皮層12′のティアライン12aは、図1,図3に示すように、上辺部以外の辺部に設けられ、連続的なV字状溝で構成されている。また、基材層13′及び接着剤層14′のティアライン13e,14aは、全辺部において面方向で同一位置に設けられ、途中に接続部を有する断続的なスリット13s…13s,14s…14sで構成されている。
ティアライン12a,13e,22cは、図1に示すように、表皮層12′のティアライン12aの内側に、基材層13′のティアライン13eが位置し、基材層13′のティアライン13eの内側に蓋部22のティアライン22cが位置するように設けられている。したがって、表皮層12′におけるティアライン12aの内側部分(表皮層12′におけるドア部構成部分)の周縁部は、基材層13′におけるティアライン13eの外側部分(基材層13′におけるドア部周辺部分)に重なり、基材層13′におけるティアライン13eの内側部分(基材層13′におけるドア部構成部分)の周縁部は、蓋部22におけるティアライン22cの外側部分(フランジ22f)に重なっている。
なお、上辺部は、前述のように、表皮層12′のティアラインが設けられておらず、ケース21の可撓連結部22eと共にドア部11aのヒンジ部11bとして構成されている。
また、本実施の形態に係るインストルメントパネル11においては、発泡層16′の発泡諸元をコントロールすることにより、図4に示すように、発泡層16′における基材層13′側の面(接着剤層14′に接する面)に凹凸が生じるように形成されている。くわしくは、塩化ビニルでなるスキン層15′上に発泡層16′を公知のパウダースラッシュ成形法により成形する際に、加熱条件及び発泡剤の量をコントロールすることにより、発泡層16′の発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル16c′の直径の平均値が0.40mm以上、0.75mm以下となるように形成され、その結果として、発泡層16′における基材層13′側の面に凹凸が生じるように形成されている。なお、発泡倍率とは、無発泡状態を1とした場合における発泡層16′の密度を示すパラメータであり、例えば、発泡倍率が1.5倍であれば、密度が1.5分の1で、発泡倍率が2.0倍であれば、密度が2.0分の1であることを示す。また、発泡セル径は、発泡セル16c′の直径の平均値(n=50程度)である。以下、前述の発泡倍率及び発泡セル径の範囲を導きだすために、該発泡倍率及び発泡セル径を変更して強度試験等の試験を行った結果について、表1を参照しながら説明する。
なお、試験条件は、表皮層12′のスキン層15′の厚みが0.6mm、該スキン層15′のV字状溝の底と表面との残肉厚が0.5mm、発泡層16′の厚みが1.5mm(平均厚み)、接着剤層14′の厚みが1.0mm、基材層13′の厚みが2.5mm、基材層13′及び接着剤層14′のスリット13s,14sの幅が1mm、温度が氷点下10℃(−10℃)である。
Figure 2007038781
表1の「発泡層の凹凸」は、図4に示すように、前記発泡セル16c′…16c′によって発泡層16′における接着剤層14′側の面に生じた凹凸のうち最も深いもの(図4に示すy)を測定したものである。この測定結果によれば、凹凸の深さは、発泡倍率(発泡セル径)が大きくなるにつれて、大きくなることがわかる。
「接着剤層と発泡層との接着強度」は、発泡層16′の接着剤層14′からの剥離し難さの指標として、インストルメントパネル11を25mm幅の短冊状に裁断したものについて、接着剤層14′と発泡層16′との接合面の剥離に要した力(N)を測定したものである。この測定結果によれば、この接着強度は、発泡倍率が2.0倍あたりまでは発泡倍率(発泡セル径)が大きくなるにつれて大きくなることがわかる。これは、前述の「発泡層の凹凸」により、接着剤層14′と発泡層16′との接合面積が増加しているためと考えられる。
「発泡層の引張強度」は、発泡層16′単体の剪断強度(MPa)を、温度が−10℃で、エアバッグ展開時にインストルメントパネル11に作用する圧力が360KPaの状態で測定したものである。この測定結果によれば、引張強度は、発泡倍率(発泡セル径)が大きくなるにつれて、小さくなることがわかる。
「エアバッグ展開時における表皮層の飛散」は、エアバッグ展開時における表皮層12′の飛散状況を確認したものであり、発泡倍率が1.0倍及び1.2倍のときには飛散が発生し、1.5倍〜2.5倍までは飛散が発生せず、3.0倍では若干飛散が発生することがわかった。これは、発泡倍率が1.0倍及び1.2倍(発泡セルなし、及び発泡セル径が約0.35mm)では、前述した「接着剤層と発泡層との接着強度」が不十分であることを意味していると考えられる。一方、発泡倍率が3.0倍(発泡セル径が0.95mm)では、前述した「発泡層の引張強度」が不十分であることを意味していると考えられる。したがって、「エアバッグ展開時における表皮層の飛散」防止の観点からは、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下で、発泡セル径が0.40mm以上、0.75mm以下とすることが望ましいことがわかる。
「表皮層のスキン層の凹凸」は、表皮層12′におけるスキン層15′の外面側(反発泡層16′側)に前記発泡セル16c′…16c′によって生じた凹凸を目視等により確認したものであり、「×」は、目視で凹凸を確認できたことを示し、「○」は、目視では確認できないが触ると確認できたことを示し、◎は目視、触診のいずれによっても凹凸を確認できなかったことを示す。この確認結果によれば、「表皮層のスキン層の凹凸」は、発泡倍率(発泡セル径)が大きくなるにつれて大きくなって目だってくることがわかる。したがって、「表皮層のスキン層の凹凸」の観点からは、発泡倍率が2.5倍以下で発泡セル径が約0.75mm以下が好ましいことがわかる。そして、特に発泡倍率が2.0倍以下で、発泡セル径が約0.5mm以下であれば、スキン層15′の外面側にほとんど凹凸のない非常に良好な表面性状を実現できることがわかる。
そして、「エアバッグ展開時における表皮層の飛散」の防止、及び「表皮層のスキン層の凹凸」の両観点から見ると、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下で、発泡セル径が約0.4mm以上、0.75mm以下であれば、表皮層12′のスキン層15′の凹凸を触らなければわからないほどに抑制しつつ、エアバッグ展開時における表皮層12′の飛散を防止することができる。そして、特に、発泡倍率が1.5倍以上、2.0倍以下で、発泡セル径が約0.40mm以上、0.50mm以下であれば、表皮層12′のスキン層15′の凹凸を目視及び触診のいずれによっても確認不能なほどに抑制しつつ、エアバッグ展開時における表皮層12′の飛散を防止することができる。
次に、このインストルメントパネル11の成形装置30について説明する。
なお、材料としての基材13は、公知の射出成形装置を用いて成形し、材料としての表皮材12は、公知のパウダースラッシュ成形型を用いて成形すればよく、装置についての説明は省略する。
成形装置30は、図5に示すように、図示しない駆動手段により上下方向に移動可能に支持されて基材13がセットされる可動側の上型31と,図示しない支持部材に固定されて表皮材12がセットされる固定側の下型32との一対の成形型を有する。
上型31の外面には、型締めにより前記表皮材12と基材13との間に形成される空間X(図8、図9参照)に接着剤14を注入する複数の接着剤注入装置40,50,60,70(図6参照)がブラケット33…33を介して取り付けられている。
接着剤注入装置50は、図5に示すように、上型31に設けられたノズル挿通孔31aに摺動可能に挿通されたノズル51と、該ノズル51への接着剤14の供給を制御するアプリケータ52と、ノズル51及びアプリケータ52を昇降させるノズル昇降機構53と、接着剤タンク44とを有する(図6参照)。アプリケータ52は、図6に示すように、接着剤タンク44内の接着剤14をノズル51側に移送するポンプ52aと、ノズル51側への接着剤14の供給を制御する電磁弁52bとで構成されている。ノズル昇降機構53はエアシリンダで構成されている。なお、該昇降機構53は油圧シリンダや電動モータ等を用いて構成してもよい。他の接着剤注入装置40,60,70は、接着剤注入装置50と同様の構成とされており、その説明は省略する。
また、上型31の内面には、前記基材13のスリット13s…13sに対応する位置に複数の仕切り板34…34が立設されている。
図6に示すように、成形装置30はコントローラ100を有し、該コントローラ100は、接着剤注入装置40,50,60,70のアプリケータ42,52,62,72のポンプ42a,52a,62a,72a、及び電磁弁42b,52b,62b,72bを制御してノズル41,51,61,71への接着剤14の供給を制御すると共に、ノズル昇降機構43,53,63,73を制御してノズル41,51,61,71及びアプリケータ42,52,62,72を昇降させる。コントローラ100には、接着剤注入装置40,50,60,70の作動を開始させるためのスタートスイッチが接続されている。
次に、インストルメントパネル11の成形方法について説明する。
まず、材料としての基材13を、公知の射出成形装置を用いて成形する。そして、この成形された基材13にティアライン13eをカッター装置等により予め形成しておく。また、材料としての表皮材12を、公知のパウダースラッシュ成形型を用いて成形する。すなわち、まず、図示は省略するが、塩化ビニルでなるスキン層15′を成形した後、該層15′に重ねて発泡層16′を成形する。なお、このとき、前述のように、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル径が0.4mm以上、0.75mm以下となるように、加熱条件、発泡剤の量を調整する。そして、このようにして成形された表皮材12にティアライン12aを超音波熱刃カッター等により予め形成しておく。
次に、図5に示すように、上型31、下型32を開き、図7に示すように、上型31の内面に、基材13をそのスリット13s…13sを前記仕切り板34…34に貫通させた状態でセットすると共に、下型32の内面に表皮材12をセットする。
次いで、図8に示すように、上型31、下型32を型締めする。ここで、仕切り板34…34の高さは、図9に示すように型締めしたときにおいて、仕切り板34…34の先端34aが、表皮材12の内面に当接する高さN(図7参照)とされている。
次いで、スタートスイッチをONにする。すると、コントローラ100によって接着剤注入装置40,50,60,70が以下のように制御される。
まず、コントローラ100は、接着剤注入装置40,50,60,70の昇降機構43,53,63,73を制御して、ノズル41,51,61,71及びアプリケータ42,52,62,72を下降させ、ノズル41,51,61,71を、上型31のノズル挿通孔31a…31a及び基材13のノズル挿通孔13a,13b,13c,13dを介して、接着剤注入空間X内に所定深さ位置まで挿入させる。
次いで、コントローラ100は、アプリケータ42,52,62,72を順次制御して接着剤14の供給を開始させる。この接着剤14の注入期間は、図10に示すように、各ノズル41,51,61,71毎に予め定められている。くわしくは、ノズル41については時刻t0から時刻t3まで、ノズル51については時刻t1から時刻t5まで、ノズル61については時刻t1から時刻t4まで、ノズル71については時刻t3から時刻t6までに設定されている。これは、接着剤注入空間X内のエアを空間X外へ排出しながら接着剤14をすみずみまでほぼ均等に行き渡らせることを目的としている。
次いで、前記空間Xに接着剤14の注入完了後、所定時間経過したときに、接着剤注入装置40,50,60,70のノズル昇降機構43,53,63,73を制御して、ノズル41,51,61,71を上昇させて上型31のノズル挿通孔31a…31a内に退避させる。なお、この所定時間は、空間X内に注入された接着剤14が十分固化可能な時間に設定されている。したがって、空間Xにおける仕切り板34…34が位置する部分には接着剤14が行き渡らない状態で該接着剤14が固化することとなり、固化により形成された接着剤層14′に基材層13′のスリット13s…13sと同位置にスリット14s…14sが形成されることとなる。
次いで、作業者が上型31及び下型32の型開きを行い、成形されたインストルメントパネル11を取り外す。
次いで、このインストルメントパネル11の基材層13′におけるティアライン13eの内側部分にケース21の蓋材22bを、またエアバッグケース21の本体を、基材層13′におけるティアライン13eの外側の部分にケース21のフランジ22fを位置させて構造接着剤19で貼り付ける。そして、これにより、インストルメントパネル11にエアバッグケース21が取り付けられたこととなる。
以上のように、本実施の形態に係る成形方法によれば、発泡層16′として、塩化ビニルよりも伸びがよい特性を有するオレフィン系の樹脂を用い、発泡層の発泡諸元をコントロールするだけで、表面性状に優れ、かつエアバッグ展開時における表皮層12′の飛散を防止可能なインストルメントパネル11を成形することができる。
なお、本実施の形態では、インストルメントパネル11へのエアバッグ装置20のケース21の取付けは、構造接着剤19を用いた接着としたが、振動溶着してもよい。また、表皮層12′のスキン層15′として本皮を用いた場合にも適用可能である。また、本実施の形態では、スキン層15′として、オレフィン系樹脂でなる発泡層16′よりも伸びが小さい特性を有する塩化ビニルを用いたものについて説明したが、これらのものに限られず、スキン層が、発泡層よりも伸びが小さい特性と、経年劣化により発泡層よりも伸びが小さくなる特性との少なくとも一方を有する場合に広く適用可能である。
最後に、特許請求の範囲の構成要素と、実施の形態の構成要素との対応について説明しておく。なお、符号の説明等から明らかなものは適宜省略する。まず、インストルメントパネルは、インストルメントパネル11に対応し、ドア部はドア部11aに対応し、表皮層は表皮層12′のスキン層15′に対応し、発泡層は表皮層12′の発泡層16′に対応し、基材層は基材層13′に対応し、接着剤層は接着剤層14′に対応し、発泡セル径は発泡セル16c′の直径の平均値に対応する。
本発明は、内面側を構成する基材層と、外面側を構成する表皮層と、これらの層の間に設けられた発泡層とを有すると共に、前記表皮層が、発泡層よりも伸びが小さい特性と、経年劣化により発泡層よりも伸びが小さくなる特性との少なくとも一方を有し、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルに広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係るインストルメントパネルの平面図(表面側)である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図3のC−C拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係るインストルメントパネルの成形装置の断面図である。 同成形装置の制御構成図である。 上型及び下型への基材及び表皮材のセットの説明図である。 同成形装置の型締め状態を示す図である。 型締め状態におけるティアライン形成部分の拡大断面図である。 各ノズルからの接着剤注入のタイミングを示すタイムチャートである。 塩化ビニル及びオレフィン系樹脂(TPO)の伸び特性を示す図である。
符号の説明
11 インストルメントパネル
11a ドア部
12 表皮材
12′ 表皮層
12a ティアライン
13 基材
13′ 基材層
13e ティアライン
13s…13s スリット
14 接着剤
14′ 接着剤層
14a ティアライン
15′ スキン層(表皮層)
16′ 発泡層
16c′ 発泡セル
20 エアバッグ装置
31 上型
32 下型

Claims (5)

  1. 内面側を構成する基材層と、外面側を構成する表皮層と、これらの層の間に設けられた発泡層とを有すると共に、前記表皮層が、発泡層よりも伸びが小さい特性と、経年劣化により発泡層よりも伸びが小さくなる特性との少なくとも一方を有し、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルであって、
    前記発泡層は、表皮層における基材層側の面に接して、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル径が0.40mm以上、0.75mm以下で、基材層側の面に凹凸が生じるように形成されており、
    かつ、発泡層と基材層とが、上記表皮層よりも伸びが大きい特性を有する接着剤層により接合されていることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
  2. 請求項1に記載の車両のインストルメントパネルであって、
    前記発泡倍率が1.5倍以上、2.0倍以下、発泡セル径が0.40mm以上、0.50mm以下であることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両のインストルメントパネルであって、
    発泡層及び接着剤層はオレフィン系樹脂でなることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両のインストルメントパネルであって、
    前記表皮層は塩化ビニルでなることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
  5. 内面側を構成する基材層と、外面側を構成する表皮層と、これらの層の間に設けられた発泡層とを有すると共に、前記表皮層が、発泡層よりも伸びが小さい特性と、経年劣化により発泡層よりも伸びが小さくなる特性との少なくとも一方を有し、かつエアバッグ展開用ドア部が設けられたインストルメントパネルの成形方法であって、
    まず、前記表皮層を成形し、
    次いで、該表皮層のいずれか一面に接して、発泡倍率が1.5倍以上、2.5倍以下、発泡セル径が0.40mm以上、0.75mm以下の発泡層を形成し、
    次いで、これらの層からなる表皮材、及び基材を一対の型にセットした状態で、表皮材と基材との間の空間に、固化したときに上記表皮層よりも伸びが大きくなる特性を有する接着剤を注入することを特徴とする車両のインストルメントパネルの成形方法。
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