JP2007032725A - 冷媒輸送用ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性と柔軟性に著しく優れ、かつ長期熱老化後の耐インパルス性能、インパルス試験後の振動耐久試験、熱老化後の動的耐久試験等の耐久性能に優れた冷媒輸送用ホースを提供する。
【解決手段】最内層として、ポリケトン樹脂を樹脂成分とする樹脂層を有する。ポリケトン樹脂はガスバリア性に著しく優れるため、ポリケトン層を最内層に設けることにより、ガスバリア性と柔軟性に格段に優れ、長期熱老化後の耐インパルス性能、インパルス試験後の振動耐久試験、熱老化後の動的耐久試験等の耐久性能に優れた冷媒輸送用ホースが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性(耐冷媒透過性)、動的耐久性、柔軟性に優れた冷媒輸送用ホースに関する。
自動車用エアコン等の配管等に用いられる冷媒輸送用ホースには、大きく分けて高圧ライン用と低圧ライン用がある。高圧ラインは、コンプレッサで圧縮され気液混合状態となった高温の冷媒を高圧でコンデンサに供給するラインである。低圧ラインは、エバポレータで気化した低圧/低温の冷媒をコンプレッサに戻すラインである。
冷媒輸送用ホースには、冷媒(フレオン)の漏洩を確実に防止し得る優れたガスバリア性と、狭所での冷媒輸送用ホースの引き回し性確保のための柔軟性、更には耐久性確保のための耐老化性、耐衝撃性、機械的強度等の特性が求められるが、特に、ガスバリア性については、高圧ラインで冷媒の漏洩量がその機構上顕著であることから、高度なガスバリア性が求められている。
従来の冷媒輸送用ホースは、特に、ガスバリア性と柔軟性を確保するために、ポリアミド6(ナイロン6)等のポリアミド系樹脂に柔軟性付与剤としてのエラストマーを添加した複合樹脂よりなる最内層をガスバリア層として配置し、その外周にゴム層を被覆した複層構造とされている。この最内層においては、エラストマーの配合で、柔軟性は向上するものの、エラストマー自体のガスバリア性がポリアミドよりも劣るため、結果として複合樹脂よりなる最内層のガスバリア性が損なわれるという欠点がある。
そこで、この問題を解決するために、本出願人は先に、ガスバリア性と柔軟性に優れた冷媒輸送用ホースとして、最内層がポリアミド6:58〜72重量部とエラストマー:42〜28重量部とを含み、海相がポリアミド6であり、島相がエラストマーであり、かつ、エラストマーの島相中にポリアミド6が散点状に分散された海島構造の樹脂層よりなる冷媒輸送用ホースを提案した(特開2000−120944号公報)。
この冷媒輸送用ホースでは、最内層の樹脂層が、エラストマーの島相中にポリアミド6相が散点状に散在しているため、エラストマーの島相は、エラストマー本来の体積よりも内部に存在するポリアミド6相の分だけ、見掛け上の体積分率が大きくなる。このようにエラストマーの島相の見掛けの体積分率が大きくなると、エラストマーの配合量を増した場合と同様の柔軟性付与効果の向上効果が得られる。このため、実際のエラストマーの配合量は低く抑えて、従って、エラストマーの配合によるガスバリア性の低下を引き起こすことなく、良好な柔軟性の向上効果を得ることができる。
昨今、環境問題が大きく取り沙汰されるようになって来ており、自動車用クーラーに冷媒として用いられているフロンガスR−134aの地球温暖化係数が問題視されつつある。現行のフロンガスR−134aは、オゾン層破壊係数はゼロであるものの地球温暖化係数が1500近くあり、漏洩量の大幅な低減が求められるようになってきた。
この流れを受け、2003年中ごろにEUにて新しいフッ化ガスの排出規制案が採択され、自動車OE各社において、冷媒の漏洩量の大幅な削減が大きな関心事となり、前述の特開2000−120944号公報に記載されるようなポリアミドを主成分とする樹脂層ではガスバリア性能が十分でなく、EU規制に対応する為には、抜本的な見直しが必要となった。
特開2000−120944号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであって、ガスバリア性と柔軟性に著しく優れ、かつ長期熱老化後の耐インパルス性能、インパルス試験後の振動耐久試験、熱老化後の動的耐久試験等の耐久性能に優れた冷媒輸送用ホースを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ガスバリア性能に優れるポリケトン樹脂に着目し、ポリケトン樹脂を含む樹脂層を最内層とすることにより、柔軟性を損なうことのない薄さの最内層で十分なガスバリア性を得ることができ、ガスバリア性と柔軟性に著しく優れ、かつ長期熱老化後の耐インパルス性能、インパルス試験後の振動耐久試験、熱老化後の動的耐久試験等の耐久性能に優れた冷媒輸送用ホースを実現し得ることを見出した。
本発明はこのような知見に基き達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 最内層として、ポリケトン樹脂を含む樹脂層を有することを特徴とする冷媒輸送用ホース。
[2] [1]において、前記最内層がポリケトン樹脂層であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
[3] [1]又は[2]において、前記最内層の膜厚が20〜50μmであることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
[4] [1]〜[3]において、ポリケトン樹脂が下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
Figure 2007032725
((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
[5] [4]において、前記一般式(I)におけるRがエチレン由来の連結基であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
[6] [4]又は[5]において、前記ポリケトン樹脂の重合度が、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
本発明によれば、ガスバリア性に優れたポリケトン樹脂により、ガスバリア性と柔軟性、耐久性に優れたポリケトン系複合樹脂が実現される。従って、本発明の冷媒輸送用ホースによれば、ガスバリア性と柔軟性に格段に優れ、長期熱老化後の耐インパルス性能、インパルス試験後の振動耐久試験、熱老化後の動的耐久試験等の耐久性能に優れた冷媒輸送用ホースが提供される(請求項1,2)。
このポリケトン樹脂又はポリケトン系複合樹脂よりなる最内層の膜厚は20〜50μmであることが好ましい(請求項3)。
本発明において、ポリケトン樹脂は下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂であることが好ましく(請求項4)、Rはエチレン由来の連結基であり(請求項5)、重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることが好ましい(請求項6)。
Figure 2007032725
((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
以下に本発明の冷媒輸送用ホースの実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明で用いるポリケトン樹脂について説明する。
本発明で用いるポリケトン樹脂としては、下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂が好ましい。
Figure 2007032725
((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
上記ポリケトンは、分子中にCO単位(カルボニル基)とエチレン性不飽和化合物由来の単位とが配列された交互共重合体、即ち、高分子鎖中で各CO単位の隣に、例えばエチレン単位等のオレフィン単位が一つずつ位置する構造である。このポリケトンは、一酸化炭素と特定のエチレン性不飽和化合物の1種との共重合体であってもよく、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物の2種以上との共重合体であってもよい。
上記(I)中のRを形成するエチレン性不飽和化合物としては、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン等の不飽和炭化水素化合物、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,ウンデセン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体、更にはウンデセノール,6−クロロヘキセン,N−ビニルピロリドン,及びスルニルホスホン酸のジエチルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にポリマーの力学特性や耐熱性等の点から、エチレン性不飽和化合物としてエチレンを主体とするものを用いたポリケトンが好ましい。
ポリケトンを構成するエチレン性不飽和化合物として、エチレンと他のエチレン性不飽和化合物とを併用する場合、エチレンは、全エチレン性不飽和化合物に対し、80モル%以上になるように用いるのが好ましい。この割合が80モル%未満では得られるポリマーの融点が200℃以下になり、得られるポリケトン樹脂の耐熱性が不充分となる場合がある。ポリケトン樹脂の力学特性や耐熱性の点から、エチレンの使用量は、特に全エチレン性不飽和化合物に対し90モル%以上が好ましい。
前記のポリケトンは、公知の方法、例えばヨーロッパ特許公開第121965号,同第213671号,同第229408号及び米国特許第3914391号明細書に記載された方法に従って製造することができる。
上記ポリケトンの重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にあるのが好ましい。溶液粘度が1.0dL/g未満では、得られるポリケトン樹脂の力学強度やガスバリア性が不充分となる場合があり、ポリケトン樹脂の力学強度やガスバリア性の観点から、溶液粘度が1.2dL/g以上であるのが更に好ましい。一方、溶液粘度が10.0dL/gを超えると、柔軟性が不良となる場合があり、柔軟性の観点から、溶液粘度が5.0dL/g以下であるのが更に好ましい。ポリケトン樹脂の力学強度、ガスバリア性及び柔軟性などを考慮すると、この溶液粘度は1.3〜4.0dL/gの範囲が特に好ましい。
本発明において、ポリケトン樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明において、最内層は、ポリケトン樹脂のみで構成されるものであっても良いが、ポリケトン樹脂のみでは、冷媒輸送用ホースとしての柔軟性を十分に確保し得ない場合があるため、最内層は、ポリケトン樹脂に柔軟性付与剤としてのエラストマーを添加してポリマーアロイとしたポリケトン系複合樹脂で構成しても良い。
エラストマーとしては、エチレン・ブテン共重合体、変性エチレン・ブテン共重合体、EEA(エチレン−エチルアクリレート重合体)、変性EEA、変性EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、変性EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、アイオノマー、α−オレフィン共重合体、変性IR(イソプレンゴム)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)及びその酸変性物、及びそれらを主成分とする混合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明のポリケトン系複合樹脂中のエラストマー含有量は、少な過ぎるとエラストマーを配合したことによる柔軟性、耐久性の改善効果を十分に得ることができず、多過ぎるとガスバリア性が低下するため、ポリケトン系複合樹脂中の含有率で30重量%以下、特に10〜30重量%、とりわけ25〜28重量%であることが好ましい。ポリケトン系複合樹脂中のエラストマーの含有量が多過ぎると、後述の海島構造において海相と島相とが逆転し、ガスバリア性が著しく低下するため、好ましくない。
このようにポリケトン樹脂にエラストマーを配合することにより、柔軟性は改善されるものの、ガスバリア性の低下は避けられない。しかしながら、ポリケトン樹脂とエラストマーとの微細なアロイ構造をとることにより、特に、ポリケトン樹脂の海相内にエラストマーの島相が分散すると共に、このエラストマーの島相内にポリケトン樹脂が散点状に分散した構造であることにより、エラストマーを配合したことによるガスバリア性の低下を抑制することができ、好ましい。
なお、本発明のポリケトン系複合樹脂は、樹脂成分としてポリケトン樹脂以外の樹脂成分を含んでいても良いが、その場合において、ポリケトン系複合樹脂中の全樹脂成分のうちの70重量%以上がポリケトン樹脂であることが、ガスバリア性の確保のために好ましい。
この場合の他の樹脂成分としては、ポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。
また、本発明の冷媒輸送用ホースの最内層を構成するポリケトン樹脂又はポリケトン系複合樹脂には、必要に応じて老化防止剤、酸化劣化剤等の添加剤を加えても良い。
なお、前述のような海島構造のモルフォロジーを有するポリケトン系複合樹脂は、例えば、次の(1)又は(2)の方法で製造することができる。
(1)ポリケトン樹脂とエラストマーとを所定の配合比にして混練りし、マスターバッチを作った後、そのマスターバッチとポリケトン樹脂を混練りする方法。
(2)ポリケトン樹脂及びエラストマーブレンド物を高剪断により溶融混練りする方法。
次に、このようなポリケトン樹脂又はポリケトン系複合樹脂よりなる最内層を有する本発明の冷媒輸送用ホースについて、図面を参照して説明する。
図1は本発明の冷媒輸送用ホースの実施の形態を示す斜視図である。
図1の冷媒輸送用ホース10では、内層ゴム層2と外被ゴム5との間に補強糸層3が形成され、内層ゴム層2の内周に樹脂層1が形成されている。補強糸層3は、補強糸をスパイラル状に巻き付けた第1補強糸層3Aと、この第1補強糸層3Aとは逆方向にスパイラル状に補強糸を巻き付けた第2補強糸層3Bとが中間ゴム層4を介して積層形成されている。なお、必要に応じて樹脂層1と内管ゴム層2との間には接着剤層を設けても良い。
樹脂層1は、ポリケトン樹脂又はポリケトン系複合樹脂により構成される。この樹脂層1の膜厚は、ホースのガスバリア性、耐久性能上は厚ければ厚いほど好ましいが、一方で膜厚が厚くなると、ホースとしての柔軟性や耐インパルス性を犠牲にする。従って、樹脂層1の膜厚はエラストマーの含有量によっても異なるが、20〜50μm、特に30〜40μmであることが好ましい。
特に、ポリケトン樹脂は著しくガスバリア性に優れるため、ホースのガスバリア性確保のための膜厚を50μm以下と薄くすることで、柔軟性と耐インパルス性を確保することができる。
本発明のポリケトン樹脂又はポリケトン系複合樹脂よりなる樹脂層1は、単層構造でも、冷媒輸送用ホースの最内層として、長期熱老化後の耐インパルス性能、インパルス試験後の振動耐久試験、熱老化後の動的耐久試験等の耐久性能に優れ、かつガスバリア性能に優れた冷媒輸送用ホースを提供することができるため、このような本発明のポリケトン樹脂を用いた冷媒輸送用ホースであれば、多層構造にするための共押出しが不要で、容易に製造することができる。
ただし、本発明の冷媒輸送用ホースにおいて、必ずしも樹脂層1は図1に示す如く単層構造である必要はなく、ホースの総厚を過度に厚くして、柔軟性を損ないまたコストアップ、重量アップを招くことがない範囲において、積層樹脂層としたものであっても良い。
本発明の冷媒輸送用ホースのその他の構成については、特に制限はなく、通常の冷媒輸送用ホースの構成を採用することができる。
例えば、内管ゴム層2及び外被ゴム5を構成するゴムとしては、一般にブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(C1−IIR)、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、イソブチレン−ブロモパラメチルスチレン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、水素添加NBR、アクリルゴム、これらのゴムの2種以上のブレンド物或いは、これらのゴムを主成分とするポリマーとのブレンド物、好ましくはブチル系ゴム、EPDM系ゴムが用いられる。これらのゴムには、通常用いられる充填剤、加工助剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の配合処方を適用できる。
なお、内層ゴム層2のゴム種と外被ゴム5のゴム種は同種のものであっても、異種のものであっても良い。
また、中間ゴム層4のゴムは、内管ゴム層2及び外被ゴム5との接着性が良いものであれば良く、特に制限はない。
補強糸についても、通常用いられるものであれば特に制限はない。一般的には、ポリエステル、全芳香族ポリエステル、ナイロン、ビニロン、レーヨン、アラミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート及びこれらの混撚り糸が用いられる。
内管ゴム層2の厚さは、柔軟性の面から0.8〜4mm程度とするのが好ましい。更に、補強糸を含む中間ゴム層4の厚さは0.5〜5mm程度、外被ゴム層5の厚さは1〜2mm程度とするのが好ましい。
このような本発明の冷媒輸送用ホースは、常法に従って、マンドレル上に各構成層の材料を所定の厚さに押し出して積層し、140〜170℃で30〜120分間加硫することにより製造することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において用いた内層ゴム層、中間ゴム層及び外被ゴム層のゴム割合は下記表1〜3に示す通りである。
Figure 2007032725
Figure 2007032725
Figure 2007032725
実施例1,2、比較例1
最内層の樹脂層に、下記の材料を用いて、下記の手順で図1に示す構成の冷媒輸送用ホースを製造した。
ポリアミド樹脂:宇部興産社製 6ナイロン「1022B」
ポリケトン樹脂:前記一般式(I)において、Rがエチレンで、m−クレゾール中、
60℃で測定した溶液粘度が4.0dL/gを示す重合度のポリケ
トン樹脂
直径11mmのマンドレル上に、表4に示す樹脂配合で押し出して表1に示す膜厚の樹脂層1を形成した後、表1に示す内層ゴムを厚み1.6mmに押し出した。この上に、1100dtex/4で拠り回数10回/10cmのポリエステル補強糸を22本引き揃えてスパイラル状に巻き付け、この補強糸層上に表2に示す中間ゴムを厚み0.3mmに押し出し、更に、その上に1100dtex/4で拠り回数10回/10cmのポリエステル補強糸を22本引き揃えて、上記と逆方向にスパイラル状に巻き付けた。次いで、この上に表3に示す外被ゴムを厚み1.2mmに押し出し、150℃で45分間加硫して、内径11mm、外径19mmの冷媒輸送用ホースを得た。
得られた冷媒輸送用ホースについて、下記の方法で柔軟性、フロンガスバリア性及び耐インパルス性を調べ、結果を表4に示した。
柔軟性:
3点曲げ試験で測定した。
ローラー間スパン200mmで中心をロードセルにて500mm/minで押し込み、押し込み荷重を測定し、比較例1の値を100とした場合の指数で示した。この数値が小さいほど柔軟性に優れる。
フロンガスバリア性:
ホースにフロンガスを所定量充填し、90℃の恒温槽に放置し、24時間毎に減少重量を測定した。単位時間当たりの重量減少量が安定した後、ホース1m/1日あたりの漏洩量を測定し、比較例1の漏洩量を100とした場合の指数で示した。この数値が低いほどガスバリア性に優れる。
耐インパルス性:
繰り返し加圧試験により調べた。
0〜140℃、0〜3.3MPa、20CPMの条件で、ホース内面にPAGオイルにて繰り返し加圧し、ホース等の割れ、気密性の確保を確認した。表中の数値は気密性の確保が損なわれるまでの繰り返し数(万回)であり、この値が大きい程耐インパルス性に優れる。
Figure 2007032725
表4より、ポリケトン樹脂によれば、ガスバリア性に優れた冷媒輸送用ホースが得られること、特に柔軟性と耐インパルス性の確保のためには、ポリケトン樹脂層の膜厚は50μm以下とすることが好ましいことが分かる。
本発明の冷媒輸送用ホースの実施の形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 樹脂層
2 内管ゴム層
3 補強糸層
3A 第1補強糸層
3B 第2補強糸層
4 中間ゴム層
5 外被ゴム
10 冷媒輸送用ホース

Claims (6)

  1. 最内層として、ポリケトン樹脂を含む樹脂層を有することを特徴とする冷媒輸送用ホース。
  2. 請求項1において、前記最内層がポリケトン樹脂層であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
  3. 請求項1又は2において、前記最内層の膜厚が20〜50μmであることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、ポリケトン樹脂が下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
    Figure 2007032725
    ((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
  5. 請求項4において、前記一般式(I)におけるRがエチレン由来の連結基であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
  6. 請求項4又は5において、前記ポリケトン樹脂の重合度が、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
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