JP2007030027A - 水溶性中子の造型方法及びアルミ合金の鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流動性、充填性に優れ、強度を向上させた水溶性中子を用い、スラリー充填後の湿体砂でも中空中子を製造する方法を提供するとともに、時間サイクルを短縮した造型方法を提供し、水溶性中子を実用性のあるものとする。
【解決手段】 鋳物砂に水溶性バインダーを混合してスラリー状とし、該スラリーを型内に充填し、その後該充填物を乾燥させて成型する鋳物砂中子の造型方法において、該スラリー状の鋳物砂を該型内に加圧充填する工程(第1工程)と、該型を加熱して該型壁近傍の該スラリー状の鋳物砂を乾燥・固化させるとともに、該型内に加圧ブローして該スラリー状の鋳物砂から水分を排出して湿砂とし、更に加圧ブローして該型中央部の未固化砂を排出する工程(第2工程)と、熱風をブローして該鋳物砂を乾燥させ成型する工程(第3工程)とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流動性と充填性を低下させずに、強度を向上させた水溶性中子バインダーを用いた水溶性中子の造型方法に関する。又、水溶性中子を用いたアルミ合金の鋳造方法に関する。
型に溶湯を圧入し、急冷凝固させて鋳物を製造することが行なわれている。このような、精密鋳造技術においては、機械部品等の精密鋳造品の内部に空間を設けるために、中子が広く利用されている。例えば、アルミ合金を使ったシリンダの内部空間、エグゾースト内部の冷却媒体通路の作製に中子は不可欠なものである。
中子の強度を増加させるためには、樹脂、無機塩等のバインダーが使用されている。特に、中子バインダーとして無機塩を用いることにより、鋳造時のガス発生量を低減させ、鋳造後は中子砂落しを水で行うことのできる水溶性中子が考えられている。しかしながら、実用化・量産化されたものはない。その理由は、バインダーの結合力がないため、必要な中子強度を得ることが困難なことによる。
即ち、中子用鋳物砂に無機塩等のバインダーを添加する場合、
1)バインダー量を増加すれば、中子強度が向上する。
2)バインダーは、水に溶かして(飽和濃度にして)鋳物砂に添加する。よって、バインダー量の増加は、水の量の増加となる。
3)水の増加は、鋳物砂の流動性低下となり、中子型への鋳物砂の充填性を阻害する。
このように、鋳物砂に、バインダーだけの添加だと、中子強度と鋳物砂の流動性を両立させることができない。そこで、バインダー量を増加させずに、中子強度を向上させる技術が必要となっている。
下記特許文献1には、流動性、充填性、成形性の改善を目的として、無機粒子に黒鉛をバインダーで被覆してなる無機複合粒子であって、黒鉛の被覆量が無機粒子100重量部に対して0.1〜50重量部であり、かつ黒鉛に対するバインダーの重量比が0.002〜2である無機複合粒子からなる鋳物用砂の発明が開示されている。しかし、用いられているバインダーは、フェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチであり、本発明のように、水溶性中子を得るものではない。
ところで、従来水溶性無機中子砂による造型は余り報告されていない。これは、水溶性バインダーを混練した鋳物砂を型内にブローイングする際、非常に流動性が悪いため、十分に鋳物砂を充填した中子が造型できないことによるものである。
本発明者らは、水溶性バインダーと鋳物砂をスラリー状態とし、型内に充填する方法を開発する過程で、中子を結合しているバインダーの結晶中に存在する水分が鋳造時に水蒸気となって、鋳造品にガス欠陥を引き起こすことを技術課題として認識した。
水溶性バインダーの結晶中に存在する水分が鋳造時に水蒸気となって発生して鋳造品にガス欠陥を引き起こすことの対策として、中子を乾燥させることや、中子にドリル等でガス通気用の穴をあけること等が通常考えられる。しかし、これらの方法は、上記欠陥防止に十分でなく、エネルギー、コスト上昇の要因ともなる。このため、造型時に穴をあけたいという技術課題が存在した。
該技術課題の解決の一方法として、従来のシェル法によれば乾体のシェル砂を型上部から型内にブローイング充填後、ブロー口を下向きにし、バイブレーター等の振動を加えて、未焼成シェル砂を重力で下方の吹込口から抜け落とさせ、中子に空洞を作ることが考えられた。尚、この場合、型は約300℃に加熱しているので、型表面近傍のシェル砂は熱硬化を開始している。このため、型表面近傍のシェル砂は落下せず、必要な肉圧を残して中空化できる。
本発明者らは、スラリー造型法でも同様な方法を試したが、スラリー造型法では吹込口近傍しか抜けないことが判明した。この理由は、砂と十分な量の液体(スラリー)が存在する場合は非常に流動性がよいが、型内に充填完了時には砂粒間の余分な液体を加圧エアで排出しているため湿体砂となっており、流動性は非常に悪い。このため、バイブレーターを加えても重力落下しにくいものである。尚、砂粒間に多量のバインダーを残せば、重力落下は可能であるが、成形・乾燥後の中子表面が粗く実用的でないという問題がある。
特開2002−263782号公報
上記問題に鑑み、本発明は、流動性、充填性に優れ、強度を向上させた水溶性中子を用い、スラリー充填後の湿体砂でも中空中子を製造する方法を提供するとともに、時間サイクルを短縮した造型方法を提供し、水溶性中子を実用性のあるものとすることを目的とする。
本発明者らは、鋳物砂を従来の乾燥砂に代えて水溶性無機バインダーのスラリーとする際に、特定の方法で中子を中空にできることを見出し、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は、鋳物砂中子の造型方法の発明であり、鋳物砂に水溶性バインダーを混合してスラリー状とし、該スラリーを型内に充填し、その後該充填物を乾燥させて成型する鋳物砂中子の造型方法において、該スラリー状の鋳物砂を該型内に加圧充填する工程(第1工程)と、該型を加熱して該型壁近傍の該スラリー状の鋳物砂を乾燥・固化させるとともに、該型内に加圧ブローして該スラリー状の鋳物砂から水分を排出して湿砂とし、更に加圧ブローして該型中央部の未固化砂を排出する工程(第2工程)と、熱風をブローして該鋳物砂を乾燥させ成型する工程(第3工程)とを有する。
本発明の鋳物砂中子の造型方法においては、前記第1工程の型内への加圧充填を下方から加圧し、上方から吸引して行い、第2工程の型内への加圧ブローを上方から加圧ブローし、下方から排気して行い、及び第3工程の乾燥・成型を下方から熱風ブローし上方を開放して行なうことが好ましい。
特に、前記第1工程から第2工程の間に、鋳物砂中子造型装置を反転させ、第2工程から第3工程の間に、鋳物砂中子造型装置を再度反転させることが好ましい。
本発明において、前記第2工程の型の加熱を、約100℃付近、具体的には、80℃〜120℃で行なうと、スラリー状鋳物砂が型壁近傍での部分固化が進み好ましい。
本発明において、前記鋳物砂に水溶性バインダーを混合したスラリーの粘度としては、4〜12cpが好ましい。
水溶性バインダーとしては水溶性無機塩バインダーや有機バインダーを用い得ることができるが、加熱時に焦げ付きがないことから水溶性無機塩バインダーが好ましい。
混練される鋳物砂及び水溶性バインダーの量の目安としては、鋳物砂と水溶性バインダーの重量比が1:0.1〜1:5であることが好ましく、1:0.5〜1:1であることがより好ましい。
本発明の鋳物砂中子の造型方法に用いられる水溶性バインダーとしては無機、有機であり、特に限定されないが、マグネシウムイオン(Mg2+)、ナトリウムイオン(Na)、カルシウムイオン(Ca2+)から選択されるカチオンと、SO 2−、CO 2−、HCO 2−、B から選択されるアニオンとの組合せからなる水溶性無機塩の1種以上から成る水溶性中子バインダーが好ましく例示される。これら特定のカチオンとアニオンの組合せからなる無機塩は、バインダーとしての強度、可溶性、充填性等を満たす。より具体的には、硫酸マグネシウム(MgSO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、4ホウ酸ナトリウム(Na)、硫酸ナトリウム(NaSO)から選択される1種以上が挙げられる。
本発明では、水溶性無機塩バインダーに、珪砂(珪粉)、アルミナ、チタン酸カリウム、炭化珪素、珪酸ジルコン、繊維状チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウムから選択される無機フィラーの1種以上が添加することができる。無機フィラーを添加することで水溶性中子の高温強度が更に向上し、造型された中子のハンドリングに優れるという実用性が生じる。
本発明で用いられる特定の無機フィラーは、表面が無機塩バインダーで被覆された鋳物砂粒子の接点付近に存在して、鋳物砂粒子の結合力を高めるものである。その平均粒径は、数μm〜数10μm程度が鋳物砂の接点付近に存在するのに好ましい。
更に、本発明では、表面が水溶性無機塩バインダーで被覆された鋳物用砂の隙間を無機微粉末が充填されていることが好ましい。ここで、無機微粉末は、表面が無機塩バインダーで被覆された鋳物砂粒子の隙間に充填されて、鋳物砂粒子の結合力を高めるものである。具体的には、カオリナイト、デッカイト、ハロサイト等のカオリン、タルクから選択される1種以上が好ましく例示される。その平均粒径は、数μm〜数10μm程度が鋳物砂の隙間に充填するのに好ましい。
本発明で用いられる鋳物砂粒子は、従来知られたものを用いることができる。具体的には、SiC,アルミナ,ムライト,シリカ,ジルコンを用いることが好ましい。これらは,優れた強度,低熱膨張率を有するとともに入手が比較的容易であり、強度,寸法精度等に優れた水溶性中子を製造することができる。
本発明で造型される水溶性中子は、鋳物砂粒子の表面が水溶性無機塩バインダーで被覆された水溶性中子であり、十分な中子強度と流動性(充填性)を兼ね備えている。
第2に、本発明は、上記の鋳物砂中子の造型方法によって造型された水溶性中子を用いたアルミ合金の鋳造方法である。水溶性中子を用いているため、鋳造後の砂落としが容易である。本発明により、例えば、アルミ合金シリンダ等の精密鋳造品を製造することが出来る。
なお、本発明では、水溶性中子バインダーを砂落とし後に回収してリユースすることで、環境問題に対処することができる。鋳物砂と水溶性バインダーのスラリー状の混合物を用いて、該スラリーを型内に充填し、該スラリーを乾燥させて成型して鋳物砂中子を造型した後、鋳造工程、砂落とし工程を経た後、該水溶性バインダーを水溶液として回収し、得られた水溶液から水分を蒸発等で分離させて、水溶性バインダーを回収する。回収された水溶性バインダーは上記の鋳物砂中子の造型方法に再利用される。水溶性無機塩バインダーを繰り返し再利用することにより、環境負荷の少ない鋳物砂中子の造型方法となる。水溶性無機塩バインダーを水溶液として回収した後、イオン交換膜を用いた透析により該水溶性無機塩を濃縮することも可能であり好ましい。
水溶性中子バインダーの回収・再利用(リユース)方法により、従来大量の産業廃棄物として、水溶性中子バインダーを含む廃液の処置が困難であったものが、ほぼ全量回収することが可能となり、再度水溶性中子バインダーとして利用できることとなった。これにより、環境問題が解決されたのみならず、アルミ合金シリンダ等の製造コストを大幅に削減することが出来る。
本発明によれば、型を加熱して該型壁近傍の該スラリー状の鋳物砂を乾燥・固化させるとともに、該型内に加圧ブローして該スラリー状の鋳物砂から水分を排出して湿砂とし、更に加圧ブローして該型中央部の未固化砂を排出する工程(第2工程)を設けることで、無機バインダーを用いても複雑な形状の型も中空に製造することができ、鋳造時に吹込口側を待機開放すれば発生するガスによる鋳造欠陥は解消できる。また、第3工程において、乾燥・硬化する際、中空になっているので、熱風の通りが非常に良くなり、乾燥時間が短縮できる。
更に、鋳物砂と水溶性バインダーのスラリー状の混合物を用いることの効果として、該スラリーを型内に充填し、該スラリーを乾燥させて成型して鋳物砂中子を造型するため、型への鋳物砂と水溶性バインダーのスラリーの浸透性が向上し、鋳物砂中子の温間強度を上げることができる。特に、水溶性無機塩から成る水溶性中子バインダーを用いることで、十分な中子強度と水溶性を併せ持つ水溶性中子を得ることができる。また、この水溶性中子を用いることで、鋳造時に型崩れせず、鋳造後の除去が容易な鋳造を行うことができる。
即ち、本発明の効果を列挙すれば以下のようになる。
1.本発明により無機バインダーを用いても複雑な形状の型も中空に製造することができ、鋳造時に吹込口側を待機開放すれば発生するガスによる鋳造欠陥は解消できる。
2.第3工程において、乾燥・硬化する際、中空になっているので、熱風の通りが非常に良くなり、乾燥時間が短縮できる。
3.第2工程で排出した鋳物砂はブローヘッド内に戻るので、次サイクル造型に有効に使用できロス砂が発生しない。また再使用時の強度低下もない。
4.中空中子による他の効果として、中子重量が軽くなり、鋳造時発生するガスの総量も低減し、軽いことによる取扱い性向上が期待できる
上記直接的効果に加えて、下記の効果も奏される。
5.スラリー状の鋳物砂を充填した型内へ上方から加圧ブローして過剰な水分を抜くので、水分の多いスラリー状の場合に造型時間の短縮が図れる。スラリー状無機バインダーを用いた場合でも多量の水分を除去することが迅速にでき、ブローヘッドを外した時のスラリー落下飛散を防止できるので生産性を低下することなく造型可能である。
6.スラリー充填中に型を回転させる場合は、複雑な形状の型でも隅々まで充填できる。形状により90〜360度回転等で充填しにくい部位に重力を有効に利用できる。
7.第1工程の型内に下方から加圧充填時、及び第2工程の型内へ上方から加圧ブロー時に、型の反対側から減圧吸引することにより、充填性の向上と水分除去時間の短縮が図れる。
8.無機バインダーを用いても複雑な形状の型も砂充填でき、中空中子の造型が可能となる。
9.スラリー状の砂の準備は所定の濃度のバインダーをスラリー状になるように砂に加えるだけでよく、乾燥の心配も少なく取扱いが簡単である。(余分なバインダーはエアとともに排出されるのでコントロール不要)
10.減圧により水の沸点が下がり、より低温で水が蒸発・硬化するので金型温度を低下できる。
11.中子内の温度差により、塩濃度の分布は金型面(中子では外側)が密となる。鋳物砂粒子間隙が塩で満たされることにより中子表面が平滑になり、鋳物表面粗度が向上する。
12.鋳物を水に浸すことにより硬化バインダーが溶解し中子が崩壊するから、砂分離(砂落とし)が可能である。この際バインダー溶液そのものを用いれば、取り出された鋳物砂は造型前に近い組成のスラリーとなる。本発明によれば少しの水を加えてバインダー濃度を調整するだけでそのままスラリー状鋳物砂として扱えるので、いわゆる砂再生工程が不用となる。即ち、新砂相当にする必要もなく又焙焼や研磨等のあらゆる再生工程を省略できる。
13.所定比で混合された鋳物砂と水溶性バインダーのスラリーをブローイングするので、スラリーの取扱い、計量が容易で乾燥の心配も少なく、取扱いが容易である。
14.鋳物砂を工程内で再使用する場合、砂にバインダーが付着しているが、本発明によればそのまま事前混練砂として扱えるので、いわゆる砂再生工程が不用となる。新砂相当にするための、焙焼や研磨等も不用である。
水溶性無機塩を用いることによって、中子の温間強度を上げることができることの作用原理は必ずしも解明されないが、鋳物砂の表面の水溶性無機塩の結晶が、滑らかに、均一に被覆されることにより、結晶強度を発揮させ、造型された中子の温間強度を上げるものと推定される。
図1に、本発明の鋳物砂中子の各造型工程を示す。
図1(a)は、スラリー砂充填工程であり、無機水溶性バインダー溶液でスラリー状にした鋳物砂1をブローヘッド2に入れた状態で、加圧充填エア3を吹き込む。前記ブローヘッド2と型4は導入管5、吹き込みノズル6を介して連通かつ密着しているので鋳物砂1は型内のキャビティー7に充填される。この際、鋳物砂は多量のバインダー溶液でスラリー状になっているので、液体に近い状態で隅々まで充填できる。なお、減圧吸引14を第1工程で併用することは有効である。(以上、第1工程)
図1(b)は、急速排気・中空化工程であり、加圧エア8をブローすると、充填砂硬化にとって過剰なスラリー液はエアと共に型外へ排出され、スラリー状から湿体砂の状態となる。この時、型は100℃程度に加熱されているので、型表面近傍の鋳物砂は乾燥・硬化を始めている。次に、加圧エアを急速排気10、又、同時に上部から加圧ブロー8を入れ、中央未硬化湿体状鋳物砂9を排出する。上部からの加圧エアは中子の高さ・形状で大きく変わるが、0.01〜0.1Mpaが適当で、高すぎると薄い肉圧の中子しかできない。(以上、第2工程)
図1(c)は、乾燥・成型工程であり、ブローヘッドを熱風ヘッド11に取替え、乾燥用熱風12を入れ、上部から排気13を排出すると、第2工程で低水分となったキャビティー内の鋳物砂は乾燥、成型する。(以上、第3工程)
最後に、成形完了後型を開き、成型した型15を取り出す。
以下、図1に準じて、本発明の実施例を説明する。
鋳物砂として乾燥したムライト系人工砂を用い、水溶性無機塩バインダーとして硫酸マグネシウム(MgSO)10g(10%)と炭酸ナトリウム(NaCO)10g(10%)を水100cc当たりに溶かした水溶液を用いた。これら鋳物砂と水溶性無機塩バインダー水溶液を1:0.5の割合で混合した。得られた無機水溶性バインダー溶液でスラリー状にした鋳物砂1をブローヘッド2に入れた状態から、加圧エア3を吹き込むと同時に上方から減圧吸引14する。前記ブローヘッド2と型4は吹き込みスラリー中に開口部が達するようにした導入管5を介して連通かつ密着しているので鋳物砂1は型内のキャビティー7に充填される。この際、鋳物砂は多量のバインダー溶液でスラリー状になっているので、液体に近い状態で隅々まで充填する。(以上、第1工程:スラリー砂充填工程)
次に、加圧エア8をブローすると、充填砂硬化にとって過剰なスラリー液はエアと共に型外へ排出され、スラリー状から湿体砂の状態となる。この時、型は100℃程度に加熱されているので、型表面近傍の鋳物砂は乾燥・硬化を始めている。次に、加圧エアを急速排気10、また、同時に上部から加圧ブロー8を入れ、中央未硬化湿体状鋳物砂9を排出する。これにより、急速排気と中空化が行なわれる。(以上、第2工程:急速排気・中空化工程)
次に、ブローヘッドに代え、熱風ヘッド11をセットし、所定の熱風待ち保持時間待機後、下部から乾燥用熱風12を入れ、型内で前記スラリー状態の鋳物砂を乾燥し成形する。乾燥を熱風で行う以外に型の加熱も有効であり、また型加熱の代わりにマイクロウェーブで鋳物砂を加熱する方法もある。最後に、成形完了後、型を開き、中空中子15を取り出す。(以上、第3工程:乾燥・成形工程)
型を加熱して該型壁近傍の該スラリー状の鋳物砂を乾燥・固化させるとともに、該型内に加圧ブローして該スラリー状の鋳物砂から水分を排出して湿砂とし、更に加圧ブローして該型中央部の未固化砂を排出する工程(第2工程)を設けることで、無機バインダーを用いても複雑な形状の型も中空に製造することができる.また、鋳造時に吹込口側を待機開放すれば発生するガスによる鋳造欠陥は解消できる。更に、第3工程において、乾燥・硬化する際、中空になっているので、熱風の通りが非常に良くなり、乾燥時間が短縮できる。これにより、本発明は水溶性中子を用いた鋳造の普及に貢献する。
本発明の鋳物砂中子の各造型工程を示す。
符号の説明
1:スラリー状鋳物砂、2:ブローヘッド、3:加圧エア、4:型、5:導入管、6:ノズル、7:キャビティー、8:加圧ブロー、9:湿砂状鋳物砂、10:急速排気、11:熱風ヘッド、12:熱風、13:排気、14:減圧吸引。

Claims (11)

  1. 鋳物砂に水溶性バインダーを混合してスラリー状とし、該スラリーを型内に充填し、その後該充填物を乾燥させて成型する鋳物砂中子の造型方法において、該スラリー状の鋳物砂を該型内に加圧充填する工程(第1工程)と、該型を加熱して該型壁近傍の該スラリー状の鋳物砂を乾燥・固化させるとともに、該型内に加圧ブローして該スラリー状の鋳物砂から水分を排出して湿砂とし、更に加圧ブローして該型中央部の未固化砂を排出する工程(第2工程)と、熱風をブローして該鋳物砂を乾燥させ成型する工程(第3工程)とを有することを特徴とする鋳物砂中子の造型方法。
  2. 前記第1工程の型内への加圧充填を下方から加圧し、上方から吸引して行い、第2工程の型内への加圧ブローを上方から加圧ブローし、下方から排気して行い、及び第3工程の乾燥・成型を下方から熱風ブローし上方を開放して行なうことを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂中子の造型方法。
  3. 前記第1工程から第2工程、及び第2工程から第3工程の間に、鋳物砂中子造型装置を反転させることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳物砂中子の造型方法。
  4. 前記第2工程の型の加熱を、80℃〜120℃で行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  5. 前記鋳物砂に水溶性バインダーを混合したスラリーの粘度が、4〜12cpであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  6. 前記水溶性バインダーが水溶性無機塩バインダーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  7. 前記鋳物砂と水溶性バインダーの重量比が1:0.1〜1:5であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  8. 前記水溶性バインダーが、マグネシウムイオン(Mg2+)、ナトリウムイオン(Na)、カルシウムイオン(Ca2+)から選択されるカチオンと、SO 2−、CO 2−、HCO 2−、B から選択されるアニオンとの組合せからなる水溶性無機塩の1種以上から成る水溶性中子バインダーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  9. 前記水溶性バインダーに、珪砂(珪粉)、アルミナ、チタン酸カリウム、炭化珪素、珪酸ジルコン、繊維状チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウムから選択される無機フィラーの1種以上が添加されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  10. 前記鋳物砂と水溶性バインダーを混合する際に、鋳物砂粒子と水溶性バインダーに加えて、無機微粉末を配合・混練することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の鋳物砂中子の造型方法によって造型された水溶性中子を用いたアルミ合金の鋳造方法。
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