JP2007023263A - レーザー溶着用熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた複合成形体 - Google Patents

レーザー溶着用熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた複合成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー透過用として熱安定性に優れたダーク系の無彩色を発現し、また射出成形による製品設計自由度を低下させることなく、かつ、レーザー光線透過側成形体として適用することのできる、優れたレーザー溶着用着色樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、酸化コバルト、Co−Al複合酸化物、Cr−Fe複合酸化物およびCo−Cr−Fe複合酸化物などの(B)Mnを含まない金属酸化物を0.01〜5重量部配合してなるレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、極めて優れたレーザー溶着性を有するレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物およびそれを用いた複合成形体に関し、さらには他の物品にレーザー溶着して得られる複合成形体に関するものである。
従来から、製品形状の複雑化に伴う熱可塑性樹脂製の各パーツの接合においては、接着剤による接合、ボルトなどによる機械的接合などが行われてきた。しかしながら、接着剤ではその接着強度が、また、ボルトなどによる機械的接合では、費用、締結の手間、重量増が問題となっている。一方、レーザー溶着、熱板溶着などの外部加熱溶着、振動溶着、超音波溶着などの摩擦熱溶着に関しては短時間で接合が可能であり、また、接着剤や金属部品を使用しないので、それにかかるコストや重量増、環境汚染等の問題が発生しないことから、これらの方法による組立が増えてきている。
外部加熱溶着のひとつであるレーザー溶着は、例えば、特許文献1に開示されているように重ね合わせた樹脂成形体にレーザー光を照射し、照射した一方を透過させてもう一方で吸収させ溶融、融着させる工法であり、三次元接合が可能、非接触加工、バリ発生が無いなどの利点を利用して、幅広い分野に広がりつつある工法である。
当工法において、レーザー光線透過側成形体に適用する樹脂材料においては、レーザー光線を透過する特徴が必須となり、レーザー光線透過率の低い成形体をレーザー光線透過側成形体に用いた場合、レーザー光線入射表面で溶融、発煙するなどの不具合を生じる可能性が十分に考えられる。
各種用途に金属代替を目指し、数多く使用されているポリフェニレンスルフィドをはじめとする結晶性の熱可塑性樹脂においては、非晶性の熱可塑性樹脂とは異なり、レーザー光線透過率が低く、熱可塑性樹脂をレーザー光線透過側の成形品として用い、レーザー溶着工法を適用する際には、そのレーザー光線透過率の低さから厚み制限が非常に厳しく、レーザー光線透過率の向上のために薄肉化による対応が必要となり、製品設計自由度が小さかった。さらに、熱可塑性樹脂製の製品には、使用される部位によっては、他の部分との色調バランスや製品意匠の面から、グレー色の様なダーク系の無彩色を求められるケースがあり、レーザー溶着工法の透過側成形品においても同様にレーザー光を透過するダーク系の着色が必要になる。熱可塑性樹脂の着色方法で公知技術であるカーボンブラックによる着色では、微量添加によってもレーザー光を透過しないためレーザー溶着工法の透過側成形品への適用は不可能である。そのため、染料や有機系顔料の着色検討が進められてきた。
染料や有機系顔料によるレーザー透過用の着色技術として、特許文献2にはトリフェニルメタン系造塩染料を含有してなるレーザー光透過性着色熱可塑性樹脂組成物に関するもの、特許文献3にはジスアゾ造塩染料を含有してなるレーザー光透過性着色熱可塑性樹脂組成物に関するもの、特許文献4にはジオキサジン顔料を含有してなるレーザー光透過性ポリプロピレン樹脂組成物に関するものの記載がそれぞれある。しかし、上記いずれの染料及び有機顔料は、成形品が高温環境下に曝される場合や、結晶性樹脂の中でもポリフェニレンスルフィド樹脂の様に加工温度が300℃近傍の熱可塑性樹脂に適用する場合には、色剤そのものの熱安定性の悪さから、高温環境下での変色や退色、射出成形時の色剤分解による成形不良、金型汚染などの問題がある。
特開昭60−214931号公報(第2〜3頁) 特開2004−155888号公報 特開2004−168997号公報 特開2004−224925号公報
本発明は、上述した従来の問題点を解消し、ポリフェニレンスルフィドの様な高い融点を持つ熱可塑性樹脂においてもレーザー透過用として熱安定性に優れたダーク系の無彩色を発現し、また射出成形による製品設計自由度を低下させることなく、かつ、レーザー光線透過側成形体として適用することのできる、優れたレーザー溶着用着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、(B)Mnを含まない金属酸化物を0.01〜5重量部配合してなるレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(2)(B)Mnを含まない金属酸化物が、Fe、Cr、Co及びAlから選択される少なくとも1種以上の金属の酸化物を含む上記(1)記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(3)(B)Mnを含まない金属酸化物が、酸化コバルト、Co−Al複合酸化物、Cr−Fe複合酸化物およびCo−Cr−Fe複合酸化物から選ばれる少なくとも1種である上記(2)記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(4)(A)熱可塑性樹脂の融点が220℃以上の結晶性樹脂である上記(1)〜(3)記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(5)(A)熱可塑性樹脂の降温結晶化温度が205℃以下のポリフェニレンスルフィド樹脂である上記(1)〜(4)のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(6)(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、(C1)単繊維径が12μm以上であるガラス繊維、(C2)平均粒子径が30μm以上である非繊維状フィラーから選択される1種以上の(C)フィラーを1〜600重量部配合してなる上記(1)〜(5)のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(7)(C)フィラーの屈折率が1.6〜1.8である上記(6)記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(8)さらに(D)酸化防止剤を(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部配合してなる上記(1)〜(7)のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物からなるレーザー光線透過側の成形体であって、溶着部位の透過部厚みが5mm以下であることを特徴とするレーザー溶着用の成形体。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか記載のレーザー溶着用着色樹脂組成物からなる成形体をレーザー溶着した複合成形体である。
以下に説明する通り、本発明のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物は、高温環境下に曝された場合の変退色および、射出成形時の金型汚染が少なく、耐熱性に優れるダーク系の色調を有している。また、レーザー溶着可能なレーザー透過性を合わせ持つため、レーザー溶着接合性に極めて優れる成形体の取得が可能となり、電気・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車・車両関連部品、建材、包装材、家具、日用雑貨などの各種用途の樹脂成形体のレーザー溶着接合に有用である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において、「重量」とは「質量」を意味する。
本発明のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、(B)Mnを含まない金属酸化物を0.01〜5重量部配合してなることが必要であり、(B)Mnを含まない金属酸化物がFe、Cr、CoおよびAlから選択される少なくとも1種以上の金属の酸化物を含むことが好ましい。また、本発明のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物においては、色剤の耐熱性が必要となる融点220℃以上の結晶性の熱可塑性樹脂に対してより有効であり、その中でも更に融点の高いポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPS樹脂と称す)に対して有効である。さらに上記組成物は、フィラーの配合量等を適宜選択することにより調整することができる。
(1)熱可塑性樹脂
本発明で使用する熱可塑性樹脂の例としては、加熱により可塑化し成形加工を行うための樹脂として使用されている公知の熱可塑性樹脂を挙げることができる。その代表的な例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、メタクリル樹脂、アクリルポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)などのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、フッ素樹脂、液晶性樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
また、前記熱可塑性樹脂の2種又は3種以上の共重合体樹脂を用いることができる。例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体樹脂、PA−PBT共重合体樹脂、PET−PBT共重合体樹脂、PC−PBT共重合体樹脂、PC−PA共重合体樹脂等が挙げられる。
なお、これら熱可塑性樹脂の分子量は特に限定されるものではなく、また、レーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物の機械特性、耐熱性、寸法特性、耐薬品性、成形性を向上させる目的で、これら熱可塑性樹脂を2種以上混合して使用することもできる。
(2)結晶性樹脂
本発明のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物においては、色剤の耐熱性が必要となる融点220℃以上の結晶性樹脂に対して特に有効であり、例えば、公知の製造方法で得られるポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂などポリアミド系樹脂やPBT樹脂、PPS樹脂などが挙げられるが、これらの中でも特に融点の高いPPS樹脂が本発明における効果を有効的に発揮できる。
ここで、結晶性樹脂の融点は、結晶性樹脂のペレットから約10mgをサンプルとして採取し、パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で昇温させたときの融点ピーク(吸熱ピーク)温度を測定し融点とする。
(3)PPS樹脂
本発明で使用する熱可塑性樹脂の中のPPS樹脂とは、下記構造式で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
Figure 2007023263
上記構造式で示される繰り返し単位を70モル%以上、特に90モル%以上含む重合体であることが耐熱性の点で好ましい。またPPS樹脂は、その繰り返し単位の30モル%未満を、下記の構造を有する繰り返し単位等で構成されることが可能である。
Figure 2007023263
本発明で使用するPPS樹脂は、降温結晶化温度が205℃以下であることが好ましい。ここで、降温結晶化温度は、熱可塑性着色樹脂組成物のペレットから約10mgをサンプルとして採取し、パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で昇温し、340℃で5分間保持後、20℃/分の速度で降温させた時の結晶化のピーク(発熱ピーク)温度を測定し、降温結晶化温度とする。
本発明で使用するPPS樹脂の降温結晶化温度は、さらに200℃以下であることが好ましく、195℃以下であることがさらに好ましい。下限としては耐熱性の点で170℃以上であることが好ましい。降温結晶化温度が低いPPS樹脂を得るためには、PPS樹脂として分子量の大きい(メルトフローレート(MFR)の低い)ものを使用するのが好ましい。PPS樹脂のMFRは500g/10分以下であることが好ましく、350g/10分以下であることが特に好ましく、200g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRの下限としては流動性の損失の点で30g/10分以上であることが好ましい。なお上記MFRは、PPS樹脂粉末5gを130℃、3時間乾燥し、315.5℃、5分滞留させた後、5kg荷重をかけ測定(JIS−K7210準拠)し、求められる値である。
また、メタフェニレンスルフィド単位とパラフェニレンスルフィド単位の共重合は、低融点化に伴い、降温結晶化温度も低下させることができるため好ましい。さらに、重合開始時にトリハロ以上のポリハロ芳香族化合物を併用すると、分岐または架橋重合体が形成され、降温結晶化温度を低下させることができるため好ましい。
(PPS樹脂の重合)
一般に、PPS樹脂は、特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造することができる。
前者と後者の違いは重合助剤であるアルカリ金属カルボン酸塩の重合系内における有無である。
前者は重合系内にアルカリ金属カルボン酸塩を添加しないため、重合度が上がらず比較的分子量が小さく、降温結晶化温度が高くなる。また、不純物も多分に含有している重合体であるため、組成物や成形品を製造する際の加熱により着色され、レーザー溶着性が低下する。
後者は重合系内にアルカリ金属カルボン酸塩を添加するため、重合度が上がり比較的分子量が大きく、降温結晶化温度が低くなり、本発明の範囲内とすることが比較的容易である。また、不純物の含有も少なく、加熱による着色を抑制でき、レーザー溶着性に優れている。
本発明で規定する条件を比較的容易に満足させ得るのは後者である。ただし、前者のPPS樹脂を併用することによりPPS樹脂の流動性などを調整することは可能である。
また、PPS樹脂の繰り返し単位として、パラフェニレンスルフィド単位のみの重合体に比べると、パラフェニレンスルフィド単位とメタフェニレンスルフィド単位を含むポリフェニレンスルフィド共重合体の方が、降温結晶化温度が低くなり好ましい。共重合比のモル分率としては、メタフェニレンスルフィド単位とパラフェニレンスルフィド単位の全量に対し、メタフェニレンスルフィド単位が1モル%以上であることが好ましく、3モル%以上であることがさらに好ましい。上限としては、耐熱性の点から30モル%未満であることが好ましい。共重合様式としては、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれでも良いが、レーザー溶着性と耐熱性のバランスの点から、ランダム共重合の方が好ましい。
さらに、重合開始時にトリハロ以上のポリハロ芳香族化合物を併用すると、分岐または架橋重合体が形成され、降温結晶化温度を低くできるため好ましい。ポリハロ芳香族化合物の共重合量のモル分率としては、ポリハロ芳香族化合物とジハロ芳香族化合物の全量に対し、ポリハロ芳香族化合物が0.01モル%以上であることが好ましく、0.04モル%以上であることが特に好ましく、0.06モル%以上であることがさらに好ましい。上限としては、流動性の損失の点から0.1モル%以下であることが好ましい。ポリハロ芳香族化合物の具体例としては、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼンなどが挙げられる。また、活性水素含有ハロゲン芳香族化合物およびハロゲン芳香族ニトロ化合物などをジハロ芳香族化合物と併用することも可能である。
(後処理)
本発明において上記PPS樹脂からの降温結晶化温度低下によるレーザー溶着性向上、ならびに機械的物性向上のため、加熱処理、有機溶媒洗浄、酸処理などの後処理を施すことができる。
加熱処理は着色原因となる不純物の除去を目的として行うことが可能である。ただし、過度の加熱処理は酸化着色を引き起こし、レーザー溶着性が低下するため好ましくない。具体的な加熱処理条件については、通常はPPS樹脂を200〜260℃という高温で加熱されるが、このような高温域では酸化着色の原因となるため、本発明では120〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度範囲で行うと良い。加熱時間は5〜20時間が好ましく、10〜15時間がさらに好ましい。加熱処理の雰囲気は通常、酸素雰囲気下、または窒素雰囲気下で行われるが、酸素雰囲気では酸化着色によるレーザー溶着性の著しい低下を起こすため、窒素雰囲気下であることが好ましい。
次にPPS樹脂の有機溶媒洗浄について説明する。有機溶媒洗浄は着色原因となる不純物の除去が可能であるため好ましい。PPS樹脂の洗浄に用いる有機溶媒は、PPS樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホラスアミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒のうちでも、NMP、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなどの使用が特に好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、本発明の効果をより顕著にすることを目的として、撹拌または加熱することが好ましい。PPS樹脂に対する有機溶媒の使用量に特に制限はないが、乾燥したPPS樹脂1kgに対して1〜100kgであることが好ましく、2〜50kgであることがより好ましく、3〜15kgであることがさらに好ましい。
有機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。ただし、洗浄温度が高くなる程洗浄効率が高くなる傾向があるため、100〜300℃の高温で洗浄することが好ましい。
圧力容器中で、有機溶媒の沸点以上の温度で加圧下(好ましくは250〜300℃)に洗浄することも可能である。また、洗浄時間についても特に制限はないが、本発明の効果をより顕著にすることを目的として、バッチ式洗浄の場合、30〜60分間以上洗浄することが好ましい。また連続式で洗浄することも可能である。
重合により生成したPPS樹脂を有機溶媒で洗浄するに際し、本発明の効果をさらに発揮させるために、水洗浄と組合わせるのが好ましい。また、N−メチルピロリドンなどの高沸点水溶性有機溶媒を用いた場合は、有機溶媒洗浄後、水で洗浄することにより、残存有機溶媒の除去が比較的容易に行えて好ましい。これらの洗浄に用いる水は蒸留水、脱イオン水であることが好ましい。上記水洗浄の温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが好ましい。
次に酸処理について説明する。酸化着色の原因となる不純物の除去効果、または機械的物性の向上効果を目的として行うことが可能である。ただし、過度の酸処理は、PPS樹脂の末端置換反応が進行し、降温結晶化温度を上げてしまい、レーザー溶着性を低下させるため好ましくない。具体的な酸処理条件について示す。PPS樹脂の酸処理に用いる酸は、PPS樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はないが、酢酸、珪酸、炭酸、プロピル酸が好ましく、なかでも酢酸がより好ましい。例えば塩酸、硫酸、リン酸などのpHが2以下であるような強酸による酸処理は、過度の酸処理を引き起こし、降温結晶化温度が上昇してしまい、レーザー溶着性の点で好ましくない傾向にある。また、硝酸のようなPPS樹脂を分解、劣化させるものも好ましくない。
酸処理の方法は、酸または酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、本発明の効果をより顕著にすることを目的として、撹拌または加熱することが好ましく、処理時間は30〜60分間以上であることが好ましい。また、PPS樹脂の酸処理に用いる酸について、pHは3.5〜5.5であることが好ましく、使用量は乾燥したPPS樹脂1kgに対して2〜100kgであることが好ましく、4〜50kgであることがより好ましく、5〜15kgであることがさらに好ましい。処理温度に特に制限はなく、通常室温で行うことが可能であり、加熱する場合には50〜90℃で行うことが可能である。例えば、酢酸を用いる場合、室温に保持したPH4の水溶液中にPPS樹脂粉末を浸漬し、30〜60分間以上撹拌することが好ましい。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸または塩などを物理的に除去するため、水で数回洗浄する。上記水洗浄の温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが好ましい。
洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の本発明および好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水、脱イオン水が用いられる。本発明においては、上記後処理を組み合わせることも可能であり、複数回繰り返すことも可能である。
(2)金属酸化物
本発明では、レーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物をダーク系の無彩色に着色し、かつレーザー光の透過性を付与するために、(B)Mnを含まない金属酸化物を顔料として添加する必要がある。なお、ここで示す金属酸化物とは、複合酸化物系顔料を含み、熱可塑性樹脂へ添加した際の発色性や、加工性の観点から、平均粒子径としては0.01〜50μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.04〜5μmが好ましい。平均粒径の測定は、島津製作所社製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−3100を用いて各粒子径区間における粒子量(%)をプロットし、その累積した分布曲線より、D50(平均粒径)を求めた。
(B)Mnを含まない金属酸化物の中でも、Fe、Cr、CoおよびAlから選択される少なくとも1種以上の金属の酸化物を含む顔料が好ましく、具体例としては、例えば、酸化コバルト、Co−Al複合酸化物、Co−Al−Cr複合酸化物、Cr−Fe複合酸化物、Co−Cr−Fe複合酸化物、Ti−Sb−Cr複合酸化物、Fe−Zn−Cr複合酸化物、Fe−Ni−Al複合酸化物、Ti−Zn−Ni−Co複合酸化物、Ti−Ni−Co複合酸化物、Ti−Sb−Ni複合酸化物、Ti−Sb−Cr複合酸化物、Zn−Fe複合酸化物、Zn−Fe−Cr複合酸化物、Ti−Zn−Co−Ti複合酸化物、Co−Al−Cr−Ti複合酸化物、Cu−Cr複合酸化物などが挙げられる。
本発明においては、上記金属酸化物のうち、レーザー溶着性に必須であるレーザー光の透過性とダーク系の無彩色着色の面から、(B)Mnを含まない金属酸化物としては、酸化コバルト、Co−Al複合酸化物、Cr−Fe複合酸化物及びCo−Cr−Fe複合酸化物から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。
なお、上記(B)の配合量は、レーザー透過性、色調、および機械強度等のバランスから、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であり、好ましくは0.02〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。(B)金属酸化物の配合量が少なすぎるとダーク系の発色が不足し、多すぎると機械強度、流動性が低下し、実用的でない。
また、金属酸化物として、Mnを含む金属酸化物を使用すると、レーザー溶着用樹脂組成物に必要となるレーザー透過性が低下するために、金属酸化物としてはMnを含まない金属酸化物を使用する必要がある。
(3)フィラー
本発明ではさらに耐熱性、機械強度等の特性を向上させるために(C)フィラーを添加することができる。添加する(C)フィラーの具体例としては、繊維状もしくは、板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など非繊維状の充填剤が挙げられ、具体的には例えば、ガラス繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、アルミナ水和物(ウィスカー・板状)、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、タルク、カオリン、シリカ(破砕状・球状)、石英、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、破砕状・不定形状ガラス、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化アルミニウム(破砕状)、酸化チタン(破砕状)、酸化亜鉛などの金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、窒化アルミニウム、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物などが挙げられる。金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。また、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブ、PAN系やピッチ系の炭素繊維、マイカなどのフィラーはレーザー溶着性を低下させるが、主に本発明の熱可塑性着色樹脂組成物の実用的なレーザー溶着性能を損なわない程度の少量を添加することは可能である。ガラス繊維あるいは炭素繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。
本発明においては、上記フィラーのうち、レーザー溶着性に必須である赤外光の透過性から、(C1)単繊維径が12μm以上であるガラス繊維、(C2)平均粒子径が30μm以上の非繊維状フィラーであることが好ましい。なかでも単繊維径が15μm以上のガラス繊維、平均粒子径が50μm以上の非繊維状フィラーであることが好ましい。また、このようなガラス繊維の単繊維径の上限としては、強化材としての観点から35μm以下であることが好ましく、非繊維状フィラーの平均粒子径の上限としては成形時のゲート詰まりトラブル回避の観点から、上限としては1000μm以下であることが好ましい。また、透光性フィラーであることが好ましく、材質としては、具体的にはEガラス、Cガラス、Hガラス、アルミナ水和物、透光性アルミナ、酸化亜鉛、透光性窒化アルミニウム、シリカ、天然石英ガラス、合成石英ガラス、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物等が挙げられ、その形状としては繊維状もしくは、板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など非繊維状のものなどが挙げられる。なお、単繊維径はJIS-R3420 5,6に基づく試験法により測定した値である。平均粒子径は試料0.70gにエタノールを加え、3分間超音波分散させたものにレーザー光を照射させるマイクロトラック法により求めた数平均である。
上記透光性フィラーの中では、屈折率が1.6〜1.8、好ましくは1.63〜1.77のものがレーザー透過率の点から特に好ましく、具体的にはHガラス、アルミナ水和物が特に好ましい。なお、ここでいう屈折率は同じ組成からなる10mm角の立方体状の試験片を用いて、プルフリッヒ屈折計により、全反射の臨界角による方法に基づいて測定されるものである。
また、上記フィラーは機械強度と成形品そりのバランスを得るために2種以上を併用して使用することもでき、例えば、ガラス繊維とマイカあるいはガラスフレークとアルミナ(酸化アルミニウム)(粉砕状)、ガラス繊維とガラスビーズ、シリカと破砕状ガラス、ミルドファイバーと破砕状ガラス等が挙げられる。
なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
本発明で用いられる(C)フィラーの配合量は、レーザー溶着性、耐熱性、および機械強度等のバランスから、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜600重量部であり、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜70重量部である。(C)フィラーの配合量が少なすぎると、耐熱性および機械強度等が不足し、多すぎると機械強度および流動性が低下し、実用的でない。
(4)酸化防止剤
また、本発明においては酸化着色によるレーザー透過率低下を抑制するために
(D)酸化防止剤を添加することが可能である。(D)酸化防止剤の具体例としては、次亜リン酸カルシウム、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジン)イソシアヌレート等のフェノール系化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート等のイオウ化合物、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系化合物などが挙げられるが、なかでも次亜リン酸カルシウムが好ましい。(D)酸化防止剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜1重量部である。
また、上記酸化防止剤は酸化着色によるレーザー透過率低下を抑制するために2種以上を併用して使用することもできる。
(5)エラストマー
さらに、本発明におけるレーザー溶着用樹脂組成物の耐衝撃性、および耐冷熱性を改良するために、(E)エラストマーを添加することが可能である。(E)エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、変性オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。
オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレンなどのα−オレフィン単独または2種以上を重合して得られる(共)重合体、α−オレフィンとアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、などのα,β−不飽和酸およびそのアルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体(“/”は共重合を表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体などが挙げられる。
レーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物の耐衝撃性、および耐冷熱性をさらに改良するために変性オレフィン系エラストマーを添加することが可能である。変性オレフィン系エラストマーは、上記したオレフィン系エラストマーにエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分(官能基含有成分)を導入することにより得られるが、その官能基含有成分の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ[2.2.1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの酸無水物基を含有する単量体、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する単量体、カルボン酸金属錯体などのアイオノマーを含有する単量体が挙げられる。
これら官能基含有成分を導入する方法は特に制限なく、前記オレフィン系エラストマとして用いられるのと同様のオレフィン系(共)重合体を(共)重合する際に共重合せしめたり、オレフィン系(共)重合体にラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。官能基含有成分の導入量は変性オレフィン系(共)重合体を構成する全単量体に対して0.001〜40モル%、好ましくは0.01〜35モル%の範囲内であるのが適当である。
特に有用なオレフィン重合体にエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分を導入して得られるオレフィン(共)重合体の具体例としては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体(”g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体の亜鉛錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のマグネシウム錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のナトリウム錯体などを挙げることができる。
好ましいものとしては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。
一方、スチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/エチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/イソプレンン共重合体などが挙げられるが、なかでもスチレン/ブタジエン共重合体が好ましい。さらに好ましくは、スチレン/ブタジエン共重合体のエポキシ化物が挙げられる。
(E)エラストマーの配合量は、(A)成分に対して通常、0.5〜20重量部、好ましくは0.8〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部である。
また、上記エラストマーは耐衝撃性、耐冷熱性、およびレーザー透過性のバランスを得るために2種以上を併用して使用することもできる。
(6)その他の添加剤
本発明におけるレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えばシラン化合物(エポキシシラン化合物、アミノシラン化合物、ウレイドシラン化合物、イソシアネートシラン化合物等)、耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、着色用カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー、ポリエーテルエーテルケトン等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体を添加することができる。
(7)各成分の配合
本発明のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物の製造方法は、通常公知の方法で製造される。例えば、(A)熱可塑性樹脂、(B)金属酸化物、その他の必要な添加剤および(D)酸化防止剤、を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。また、(C)フィラーを添加する際、特に繊維状フィラーの繊維の折損を抑制するために好ましくは、(A)熱可塑性樹脂、(B)金属酸化物、その他の必要な添加剤および(D)酸化防止剤を押出機の元から投入し、(C)フィラーはサイドフィーダーを用いて、押出機へ供給することにより調製される。
レーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”(R)タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成物とすることができる。
(8)熱可塑性着色樹脂組成物の成形・用途
本発明のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、吹込成形、射出圧縮成形、トランスファー成形、真空成形など一般的に熱可塑性樹脂の公知の成形方法により成形されるが、なかでも射出成形が好ましい。
かくして得られる成形体は、レーザー透過性とダーク系の無彩色を両立して保持し、さらに、高温環境下での変退色が少ないことを活かし、レーザー溶着して用いられる成形品、好ましくはレーザー光線透過側の成形体に用いられ、他の部材とレーザー溶着することにより、実用的な複合成形体を与えることができる。例えば、電気・電子用途、自動車用途、一般雑貨用途、建築部材等に有用であり、具体的には、パソコン、液晶プロジェクター、モバイル機器、携帯電話等の電子部品ケースおよびスイッチ類のモジュール品、リモコン内部接合部品、電装部品のモジュール品、エンジンルーム内のモジュール部品、インテークマニホールド、アンダーフード部品、ラジエター部品、インパネなどに用いるコックピットモジュール部品、あるいは筐体、その他情報通信分野において電磁波などの遮蔽性を必要とする設置アンテナなどの部品、あるいは建築部材で高寸法精度を必要とする用途、特に軽量化等で金属代替が熱望されている自動車部品用途、電気・電子部品用途等のレーザー溶着して用いられる成形体に有用であり、特にダーク系の無彩色であることから、各種用途の樹脂成形体のレーザー溶着接合のレーザー光線透過側の意匠としてダーク系の無彩色が求められる成形体に有用である。本発明のレーザー溶着用樹脂組成物はレーザー光線透過性に優れるため、レーザー光線による溶着部位のレーザー光線透過部の厚みが5mm以下の比較的厚い範囲であっても良好な接着力が得られ、特に3.5mm以下、さらには2.5mm以下であれば、より強い接着力が得られる。なお、実質的な成形体の強度および生産性を得るうえで下限厚みは0.1mmであることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(参考例)PPS−1の製造
攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.787kg(9.6モル)およびNMP5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.712kg(25.25モル)ならびにNMP2.4kgを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。次に100℃に加熱されたNMP10kg中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに80℃の熱水で30分の洗浄を3回繰り返した。これを濾過し、酢酸カルシウムを10.4g入れた水溶液25リットル中に投入し、密閉されたオートクレーブ中で192℃で約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥し、融点278℃、降温結晶化温度180℃、MFR100g/10分のPPS−1を得た。この方法で得たPPS−1を、以下の実施例、比較例に供した。
なお、MFRは、PPS樹脂粉末5gを130℃、3時間乾燥し、315.5℃、5分滞留させた後、5kg荷重をかけ測定(JIS−K7210準拠)して求めた。
(実施例、比較例で使用した熱可塑性樹脂)
PA−1:ポリアミド樹脂“アミラン”CM1010(東レ社製)融点222℃、降温結晶化温度170℃
PBT−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂“トレコン”1100S(東レ社製)融点224℃、降温結晶化温度175℃
(実施例、比較例で使用した着色剤)
複合酸化物系顔料−1:ダイピロキサイドブラック#9595(大日精化工業社製)、Fe−Cr複合酸化物系顔料、(Fe,Cr)
複合酸化物系顔料−2:ダイピロキサイドブラック#9590(大日精化工業社製)、Co−Cr−Fe複合酸化物系顔料、(Co,Fe)(Fe,Cr)
複合酸化物系顔料−3:黒色顔料D(東洋インキ製造社製)、Fe−Cr複合酸化物系顔料、(Fe,Cr)
複合酸化物系顔料−4:酸化コバルト(大日精化工業社製)、Co
複合酸化物系顔料−5:ダイピロキサイドブルー#9410(大日精化工業社製)、Co−Al複合酸化物系顔料、CoAl
複合酸化物系顔料−6:ダイピロキサイドブラック#9550(大日精化工業社製)、Cu−Fe−Mn複合酸化物系顔料、(Cu,Fe,Mn)(Fe,Mn)
染料−1:アントラキノン系赤色染料/アントラキノン系青色染料/ペリノン系橙色染料=2:1:2
有機顔料−1:モノアゾ系赤色顔料
有機顔料−2:モノアゾ系緑色顔料
CB−1:カーボンブラック
(実施例、比較例で使用したフィラー)
ガラス繊維(GF1):T−747H(日本電気ガラス社製)Eガラス、単繊維径10.5μm、屈折率(n)1.55
ガラス繊維(GF2):T−187N(日本電気ガラス社製)Eガラス、単繊維径17μm、屈折率(n)1.55
ガラス繊維(GF3):T−747T(日本電気ガラス社製)Eガラス、単繊維径23μm、屈折率(n)1.55
Eガラス粉砕品(EG−1):Eガラス(日本電気ガラス社製)をヘンシェルミキサーで粉砕後、63μmパス、9.5μmアンダーカットで篩分けをし、平均粒子径20μm(マイクロトラック法)のEGを得た。屈折率(nD)1.55
Hガラス粉砕品(HG−1):Hガラス(日本電気ガラス社製)をヘンシェルミキサーで粉砕後、63μmパス、9.5μmアンダーカットで篩分けをし、平均粒子径20μm(マイクロトラック法)のHG1を得た。屈折率(nD)1.74
(実施例、比較例で使用した酸化防止剤)
酸化防止剤:“次亜リン酸カルシウム”(太平化学産業社製)
実施例1〜24、比較例1〜6
参考例で製造したPPS−1、上記熱可塑性樹脂、着色剤、フィラーおよび酸化防止剤をリボンブレンダーで表1、2に示す量でブレンドし、3ホールストランドダイヘッド付きPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)にて表1、2に示す樹脂温で溶融混練を行い、ペレットを得た。ついで130℃の熱風オーブンで4時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。結果を表1、2に示す。
(1)融点
熱可塑性樹脂のペレットから約10mgをサンプルとして採取し、パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で昇温させた時の融点ピーク(吸熱ピーク)温度を測定し、融点とした。
(2)降温結晶化温度
熱可塑性樹脂のペレットから約10mgをサンプルとして採取し、パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で昇温し、340℃で5分間保持後、20℃/分の速度で降温させた時の結晶化のピーク(発熱ピーク)温度を測定し、降温結晶化温度とした。
(3)レーザー透過性評価
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1に示す樹脂温度、金型温度で、図1に示す試験片を作成した。ここで示すLは80mm、Dは1mmである。透過率の測定には島津製作所社製の紫外近赤外分光光度計(UV−3100)を用い、また検出器には積分球を用いた。レーザー透過性の指標としては近赤外線の940nm波長での透過率を指標とし、レーザー溶着に最適な透過率10%以上を「○」、10%未満を「×」と表記した。
(4)レーザー溶着強度評価
レーザー透過性評価で使用した試験片と同様の試験片を用い、図2に示す形状に加工した。ここで示すLは70mm、Wは24mm、Dは1mmである。図3と図4に示すように、レーザー透過用試料とレーザー吸収側試料を重ね合わせ長さLを30mmとし、レーザー溶着距離Yは20mmとして、レーザー溶着を行い、引張破断強度を測定した。
なお、溶着条件および溶着強度測定条件は以下の通りである。
ライスター社のMODULAS Cを用い、レーザー溶着条件は、出力15〜35W範囲および、レーザ走査速度1〜50mm/secの範囲で最も良好な溶着強度が得られる条件で行った。尚、焦点距離は38mm、焦点径は0.6mm固定で実施した。また、溶着強度測定には一般的な引張試験機(AG−500B)を用い、該試験片の両端を固定し、溶着部位には引張剪断応力が発生するように引張試験を行った。強度測定時の引張速度は1mm/min、スパンは40mmである。溶着強度は溶着部位が破断したときの溶着部破面単位面積当たりの破壊荷重とし、その面積は溶着部破面の長辺と、その中央部の幅より算出した。尚、レーザー光線透過試料へは本発明の熱可塑性樹脂組成物を用い、レーザー光線吸収側試料には、それぞれ透過側試料の組成物に更にカーボンブラックを0.4部添加した材料を用いた。
(5)色調評価
レーザー透過性評価で使用した試験片と同様の試験片を用い、スガ試験機社製SMカラーコンピューター(SM−5)を使用して、成形品の測色を行った。測定条件はC光2度視野、TM式2光路眩防止光学系を使用し、直径12mmの試料台と、その試料台用の集光レンズを使用した。なお、ダーク系の色調が発現しているかどうかの指標としては、L*(L値)を指標とし、L値が70以上(明色)には「×」、L値が30以上70未満(グレー色)には「○」、L値が30未満(黒色)には「◎」と記載した。
(6)色調変化評価
レーザー透過性評価及び色調評価で使用した成形品と同様の試験片を用い、150℃の高温処理を24時間行い、処理実施前からの色調変化を、スガ試験機社製SMカラーコンピューター(SM−5)を使用して測定した。尚、色調変化の指標としてはΔEを用い、ΔEが5以下を「○」、5以上を「×」と記載した。
(7)金型汚染性評価
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1に示す樹脂温度、金型温度で、レーザー透過性評価及び色調評価で使用した成形品と同様の試験片を連続成形し、500ショット後の金型表面及びガスベントをアルコール系溶剤で払拭した際の汚染レベルを目視観察し、軽微な汚染を「○」、著しい汚染を「×」と記載した。
Figure 2007023263
Figure 2007023263
上述したように、本発明のレーザー溶着用着色樹脂組成物は、良好なレーザー透過性を保持しながら、耐熱性の優れるダーク系の色調を有するため、レーザー溶着接合性に極めて優れる成形体の取得が可能となり、電気・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車・車両関連部品、建材、包装材、家具、日用雑貨などの各種用途の樹脂成形体のレーザー溶着接合に有用であるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
(a)は実施例で用いたレーザー透過性、色調、色調変化、金型汚染性評価用試験片の平面図であり、(b)は同試験片の側面図である。 (a)は実施例で用いたレーザー溶着用試験片の平面図であり、(b)は同試験片の側面図である。 レーザー溶着方法の概略を示す概略図である。 (a)は実施例で用いたレーザー溶着強度測定用試験片の平面図であり、(b)は同試験片の側面図である。
符号の説明
1.スプル
2.ランナー
3.ゲート
4.評価用試験片
5.測定部位
6.レーザー溶着用試験片
7.レーザー光照射部
8.レーザー光
9.レーザー光の軌道
10.レーザー透過側試料
11.レーザー吸収側試料
12.レーザー溶着部
13.レーザー溶着強度測定用試験片

Claims (10)

  1. (A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、(B)Mnを含まない金属酸化物を0.01〜5重量部配合してなるレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  2. (B)Mnを含まない金属酸化物が、Fe、Cr、Co及びAlから選択される少なくとも1種以上の金属の酸化物を含む請求項1記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  3. (B)Mnを含まない金属酸化物が、酸化コバルト、Co−Al複合酸化物、Cr−Fe複合酸化物およびCo−Cr−Fe複合酸化物から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  4. (A)熱可塑性樹脂の融点が220℃以上の結晶性樹脂である請求項1〜3記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  5. (A)熱可塑性樹脂の降温結晶化温度が205℃以下のポリフェニレンスルフィド樹脂である請求項1〜4のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  6. (A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、(C1)単繊維径が12μm以上であるガラス繊維、(C2)平均粒子径が30μm以上である非繊維状フィラーから選択される1種以上の(C)フィラーを1〜600重量部配合してなる請求項1〜5のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  7. (C)フィラーの屈折率が1.6〜1.8である請求項6記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  8. さらに(D)酸化防止剤を(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部配合してなる請求項1〜7のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載のレーザー溶着用熱可塑性着色樹脂組成物からなるレーザー光線透過側の成形体であって、溶着部位の透過部厚みが5mm以下であることを特徴とするレーザー溶着用の成形体。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載のレーザー溶着用着色樹脂組成物からなる成形体をレーザー溶着した複合成形体。
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