JP2007023028A - 内耳疾患治療剤 - Google Patents

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務 代谷
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Abstract

【課題】 突発性難聴等に代表される内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤の開発が切望されている。
【解決手段】 EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物、特にEP2アゴニストは、血管拡張作用に加えて、HGF産生亢進作用を有するので、内耳疾患の予防および/または治療、および/または内耳疾患に伴う種々の症状の進展抑制にも有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬として有用なEP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物を含有してなる内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤に関する。
内耳疾患には、平衡覚を担う半規管、卵形嚢、球系嚢、前庭神経からなる前庭部分に障害が生じることによる内耳性めまい疾患と、聴覚にかかわる蝸牛、聴覚神経からなる部分に障害をきたす内耳性難聴がある。それらの疾患は、例えば、ウイルス、薬物中毒、血管障害(塞栓、血栓、出血)等により、上記した神経や感覚器が侵され、それらの機能が消失、低下、異常反応することによるものと考えられている。
これらの疾患は、聴覚(平衡覚)を損なうだけでなく、内耳障害に伴う難聴、耳鳴、めまい、眼振、ふらつき、吐き気、耳痛、耳閉感、自声強調、聴覚過敏および耳漏等の症状が生じることにより、患者のQOLを著しく低下させる重大な疾患にも拘らず、その治療には、疾患の原因に応じた抗ウイルス薬、抗凝固薬、循環改善薬、ステロイド薬等の投与による薬物療法、星状神経節ブロック(SGB)、高気圧酸素療法(OHP)、LDL吸着療法(LDL−Apheresis:LDL−A)およびこれらの併用療法の対症的な治療法しかないのが現状である。
また、プロスタグランジンE1(PGE1)は、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用、細胞保護作用等の多様な生理活性を有するプロスタノイドであり、循環改善薬として使用されている。そのため、これまでに、PGE1製剤を突発性難聴の治療剤として使用できるか否か検討されている(例えば、非特許文献1および2参照)。さらに、プロスタグランジンE2(PGE2)は、蝸牛の血流を増加させる作用を有することが知られている(例えば、非特許文献3参照)。
一方、PGEレセプターの各サブタイプに特異的に結合活性を有する化合物のうち、特にEP2アゴニストは、免疫疾患、喘息、骨形成異常、神経細胞死、肝障害、早産、流産、緑内障等の網膜神経障害、骨疾患、アレルギー疾患等の治療に有用であることが開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。また、EP2アゴニストが内因性修復因子産生促進作用を有し、各種臓器障害の治療に有用であることも知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらの文献には、具体的にPGEレセプターのどのサブタイプが内耳において重要であるか精査されておらず、また、EP2アゴニストが、難聴等の内耳疾患の治療剤として有用であることや、内耳疾患に伴う症状の改善に有用であることは記載も示唆も一切なされていない。
欧州特許出願公開第860430号明細書 国際公開第03/074483号パンフレット 国際公開第04/032965号パンフレット 耳鼻臨床、第91巻、6号、567〜573ページ、1998年 オトロジー・アンド・ニューロトロジー(Otology & Neurotology)、第23巻、665〜668ページ、2002年 ヨーロピアン・アーカイブス・オブ・オトライノラリンゴロジー(European archives of otorhinolaryngology)、第256巻、479〜483ページ、1999年
突発性難聴やメニエール病等に代表される内耳疾患は、聴覚や平衡覚を損なう重大な疾患であるにも拘らず、対症療法以外の有効な治療法が未だに見出されていない。
このような内耳疾患の治療における問題に鑑み、有効性に優れた内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤を提供することを本発明の目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、驚くべきことに(1)EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物が難聴やメニエール病等の内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤として有効であること、(2)とりわけ、EP2アゴニストが、内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制により有用であることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]PGEレセプター結合活性を有する化合物を含有してなる内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤、
[2]PGEレセプター結合活性を有する化合物が、EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上である前記[1]記載の剤、
[3]PGEレセプター結合活性を有する化合物が、EP2アゴニストおよび/またはEP4アゴニストである前記[2]記載の剤、
[4]内耳疾患が、内耳性めまい疾患または内耳性難聴である前記[1]記載の剤、
[5]内耳性めまい疾患が、メニエール病、前庭神経炎または良性発作性頭位めまい症である前記[4]記載の剤、
[6]内耳性難聴が、中毒性内耳障害に起因する難聴、突発性難聴または老人性難聴である前記[4]記載の剤、
[7]内耳疾患の症状が、難聴、耳鳴、めまい、眼振、ふらつき、吐き気、耳痛、耳閉感、自声強調、聴覚過敏および耳漏から選択される1以上である前記[1]記載の剤、
[8]EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上の化合物と、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、抗ウイルス薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗凝固薬、血管拡張薬、ステロイド薬、血栓溶解薬、ビタミンBおよびその誘導体および内耳循環改善薬から選択される1種以上の薬とを組み合わせてなる内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制用医薬、
[9]EP2アゴニストが、一般式(I)
Figure 2007023028
[式中、Tは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表し、Rは、水素原子、水酸基、C1〜6アルキルオキシ基またはC1〜6アシルオキシ基を表し、Eは、炭素原子または窒素原子を表し、Xは、メチレン基、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を表し、Aは主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表し、Dは、保護されていてもよい酸性基を表し、Gは、主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表し、Rは置換基を有していてもよい環状基または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、
Figure 2007023028
は、一重結合または二重結合を表し、ただし、2つ同時に二重結合は表さず、
Figure 2007023028
は、α−配置またはβ−配置またはそれらの任意の割合の混合物を表す。]で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[2]記載の剤、
[10]EP2アゴニストが、一般式(IA)
Figure 2007023028
[式中、Rは、カルボキシル基またはヒドロキシメチル基を表し、
1Aは、酸素原子、メチレン基またはハロゲン原子を表し、
2Aは、水素原子、水酸基、またはC1〜4のアルコキシ基を表し、
3Aは、水素原子、C1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基、C2〜8のアルキニル基、または1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基またはC2〜8のアルキニル基を表し:(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4のアルコキシ基、(3)C3〜7のシクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基;
nAは、0〜4を表し、
Figure 2007023028
は、一重結合または二重結合を表し、
Figure 2007023028
は、二重結合または三重結合を表し、
Figure 2007023028
は、一重結合、二重結合または三重結合を表し、
Figure 2007023028
は、α配置に結合していることを表し、
Figure 2007023028
は、β配置に結合していることを表す。]で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[9]記載の剤、
[11]EP2アゴニストが、一般式(IB)
Figure 2007023028
[式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表し、
は、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表し、
は、A1BまたはA2Bを表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキニレン基を表し、
2Bは、−G1B−G2B−G3B−基を表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1〜4アルキレン−環1−基を表し、
は、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR1B−基を表し、
1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)単結合、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
は、D1BまたはD2Bを表し、
1Bは、(1)−COOH基、(2)−COOR2B基、(3)テトラゾール−5−イル基、または(4)−CONR3BSO4B基を表し、
2Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)フェニル基、(3)フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(4)ビフェニル基を表し、
3Bは、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
4Bは、(1)C1〜10アルキル基、または(2)フェニル基を表し、
2Bは、(1)−CHOH基、(2)−CHOR5B基、(3)水酸基、(4)−OR5B基、(5)ホルミル基、(6)−CONR6B7B基、(7)−CONR6BSO8B基、(8)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、(9)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基、(10)−COOR9B基、(11)−OCO−R10B基、(12)−COO−Z1B−Z2B−Z3B基、または
(13)
Figure 2007023028
を表し、
5Bは、C1〜10アルキル基を表し、
6BおよびR7Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
8Bは、フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
9Bは、(1)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいビフェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(2)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたビフェニル基を表し、
10Bは、(1)フェニル基、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
mBは、1または2を表し、
1Bは、(1)C1〜15アルキレン基、(2)C2〜15アルケニレン基、または(3)C2〜15アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1B−基、(5)−NRZ2BCO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2B−基、(10)−NRZ2BSO−基、(11)−NRZ3B−基、(12)−NRZ4BCONRZ5B−基、(13)−NRZ6BCOO−基、(14)−OCONRZ7B−基、または(15)−OCOO−基を表し、
3Bは、(1)水素原子、(2)C1〜15アルキル基、(3)C2〜15アルケニル基、(4)C2〜15アルキニル基、(5)環Z、または(6)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NRZ8B−基、または環Zで置換されたC1〜10アルキル基を表し、
環Zは、(1)炭素環または(2)複素環を表し、
Z1B、RZ2B、RZ3B、RZ4B、RZ5B、RZ6B、RZ7B、およびRZ8Bは、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、
Z1BとZ3B基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の含窒素複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1個のヘテロ原子を含んでもよく、
環Z、およびRZ1BとZ3Bが結合している窒素原子と一緒になって表される5〜7員の含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;
(1)C1〜15アルキル基、(2)C2〜15アルケニル基、(3)C2〜15アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、またはC1〜10アルキル−NRZ9B−基で置換されたC1〜10アルキル基;
Z9Bは水素原子、またはC1〜10アルキル基を表し、
は、E1BまたはE2Bを表し、
1Bは、
Figure 2007023028
を表し、
11Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)C1〜10アルキルチオ基、(3)C3〜8シクロアルキル基で置換されたC1〜10アルキル基、(4)環2で置換されたC1〜10アルキル基、または(5)−W1B−W2B−環2で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
1Bは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1B−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1BSO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表し、
11−1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
2Bは、(1)単結合、または(2)C1〜4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表し、
2Bは、(1)U1B−U2B−U3B基、または(2)環4基を表し、
1Bは、(1)C1〜4アルキレン基、(2)C2〜4アルケニレン基、(3)C2〜4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1〜4アルキレン基−環3−基、(6)C2〜4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2〜4アルキニレン基−環3−基を表し、
2Bは、(1)単結合、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12B−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12BSO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表し、
12Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、およびNR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基、(2)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、(3)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1〜8アルキル基、または(5)環4基を表し、
13BおよびR14Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環1、環2、環3、または環4は、1〜5個のRで置換されていてもよく、
は、(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR15B16B基、(10)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(13)−NR15B16B基で置換されたC1〜10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2〜10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2〜10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1〜10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(21)COOR17B基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、または(25)C2〜10アシル基を表し、
15B、R16B、およびR17Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基;
環1、環2、環3、環4、および環5は、それぞれ独立して、(1)炭素環、または(2)複素環を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[9]記載の剤、
[12]EP2アゴニストが、(1)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、および(2)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−アリルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[10]記載の剤、
[13]EP2アゴニストが、(1)2−[(2−{(2R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(2)2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(3)2−{[2−((5R)−2−オキソ−5−{[3−トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}ピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、および(4)2−[(2−{(2R)−2−[(ヘプチルアミノ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[11]記載の剤、
[14]EP2アゴニストが、リマプロストである前記[9]記載の剤、
[15]EP4アゴニストが、(1)11α,15α−ジヒドロキシ−9−オキソ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−3,7−ジチアプロスト−13E−エン酸、(2)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、および(3)(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(4−フルオロフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チア−8−アザプロスト−13−エン酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[2]記載の剤、
[16]EP1アンタゴニストが、(1)6−[(2S,3S)−3−(4−クロロ−2−メチルフェニルスルフォニルアミノメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル]−5Z−ヘキセン酸、および(2)4−[2−(N−イソブチル−2−フラニルスルフォニルアミノ)−5−トリフルオロメチルフェノキシメチル]桂皮酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[2]記載の剤、
[17]EP3アンタゴニストが、2−(2−((4−メチル−2−(ナフタレン−1−イル)ペンタノイル)アミノ)−4−(ピラゾール−1−イルメチル)ベンジル)安息香酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[2]記載の剤、
[18]EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上の化合物を含有してなる内耳神経の神経再生および/または神経保護剤、および
[19]EP2アゴニストが、(1)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、(2)2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、および(3)リマプロストから選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[18]記載の剤等に関する。
本明細書中、PGEレセプター結合活性を有する化合物とは、プロスタグランジンE(PGE)のレセプターサブタイプのうち、EP1、EP2、EP3および/またはEP4レセプターに結合し、アゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示すものならばどのような化合物でもよく、また既知のPGEレセプター結合活性を有する化合物だけでなく、今後見出されるPGEレセプター結合活性を有する化合物をすべて包含する。また、そのような化合物は、1つで複数のレセプターに結合するもの(例えば、デュアルアゴニスト等)であってもよいし、2つ以上の化合物がそれぞれ独立して異なるレセプターに結合して、2つ以上のレセプターの結合活性を示すものであってもよい。さらに、本発明のPGEレセプター結合活性を有する化合物は、IPアゴニスト作用を有していてもよい。
本発明におけるPGEレセプター結合活性を有する化合物としては、例えば、EP1アゴニスト、EP1アンタゴニスト、EP2アゴニスト、EP2アンタゴニスト、EP3アゴニスト、EP3アンタゴニスト、EP4アゴニスト、EP4アンタゴニスト等である。好ましくは、EP1アンタゴニスト、EP2アゴニスト、EP3アンタゴニスト、EP4アゴニストである。より好ましくは、EP2アゴニスト、EP4アゴニストである。特に好ましくは、EP2アゴニストである。
本明細書中、IPアゴニスト作用とは、プロスタグランジンI2(PGI2)のレセプターであるIPレセプターに結合し、アゴニスト活性を示す作用をいう。本発明において、IPアゴニスト作用を有する化合物、すなわち、IPアゴニストは、後記する併用薬として用いてもよく、そのようなIPアゴニストとしては、例えば、特公第3117800号公報、国際公開第04/032965号パンフレットに記載された化合物等が挙げられる。
本明細書中でいうアゴニストには、フルアゴニスト、およびパーシャルアゴニストを含む。
本発明におけるEP2アゴニストとしては、EP4アゴニスト作用を有していてもよく、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。本発明に用いられるEP2アゴニストとしては、例えば、一般式(I)
Figure 2007023028
[式中、Tは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表し、Rは、水素原子、水酸基、C1〜6アルキルオキシ基またはC1〜6アシルオキシ基を表し、Eは、炭素原子または窒素原子を表し、Xは、メチレン基、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を表し、Aは主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表し、Dは、保護されていてもよい酸性基を表し、Gは、主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表し、Rは置換基を有していてもよい環状基または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、
Figure 2007023028
は、一重結合または二重結合を表し、ただし、2つ同時に二重結合は表さず、Tがハロゲン原子またはEが窒素原子を表すときは、該記号は一重結合を表し、
Figure 2007023028
は、α−配置またはβ−配置またはそれらの任意の割合の混合物を表す。]で示される化合物が挙げられる。
本明細書中、Rによって表される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」としては、例えば、炭素環または複素環が挙げられる。
該炭素環としては、例えば、C3〜15の炭素環が挙げられる。C3〜15の炭素環には、C3〜15の単環または多環式炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環、スピロ結合した多環式炭素環および架橋した多環式炭素環が含まれる。例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン、5H−ベンゾ[7]アヌレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。このうち、C6〜10の芳香族炭素環としては、例えば、ベンゼン、アズレン、ナフタレン環等が挙げられる。
該複素環としては、例えば、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む3〜15員の複素環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、3〜15員の複素環には、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環または多環式複素環、スピロ結合した多環式複素環および架橋した多環式複素環が含まれる。例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロメン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、アザスピロ[4.4]ノナン、オキサザスピロ[4.4]ノナン、ジオキサスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、チアスピロ[4.5]デカン、ジチアスピロ[4.5]デカン、ジオキサスピロ[4.5]デカン、オキサザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、オキサスピロ[5.5]ウンデカン、ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、オキサアザスピロ[2.5]オクタン、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン、2,7−ジアザスピロ[4.5]デカン、1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン、アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン環等が挙げられる。
によって表される「置換基を有していてもよい環状基」における「置換基」としては、例えば(a)置換基を有していてもよいアルキル基、(b)置換基を有していてもよいアルケニル基、(c)置換基を有していてもよいアルキニル基、(d)置換基を有していてもよい炭素環基、(e)置換基を有していてもよい複素環基、(f)置換基を有していてもよい水酸基、(g)置換基を有していてもよいチオール基、(h)置換基を有していてもよいアミノ基、(i)置換基を有していてもよいカルバモイル基、(j)置換基を有していてもよいスルファモイル基、(k)カルボキシル基、(l)アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等のC1〜6アルコキシカルボニル基等)、(m)スルホ基(−SOH)、(n)スルフィノ基(−SOH)、(o)ホスホノ基(−PO(OH))、(p)ニトロ基、(q)オキソ基、(r)チオキソ基、(s)シアノ基、(t)アミジノ基、(u)イミノ基、(v)−B(OH)基、(w)ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(x)アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1〜6アルキルスルフィニル基等)、(y)アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル等のC6〜10アリールスルフィニル基等)、(z)アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜6アルキルスルホニル基等)、(aa)アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10アリールスルホニル基等)、(bb)アシル基(例えばホルミル、アセチル、プロパノイル、ピバロイル等のC1〜10アルカノイル基、例えばベンゾイル等のC6〜10アリールカルボニル基等)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜5個置換していてもよい。
置換基としての「置換基を有していてもよいアルキル基」における「アルキル基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル基等の直鎖状または分枝状のC1〜15アルキル基等が挙げられる。ここでアルキル基の置換基としては、例えば(a)水酸基、(b)アミノ基、(c)カルボキシル基、(d)シアノ基、(e)ニトロ基、(f)モノ−またはジ−C1〜10アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(g)C1〜10アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デカニルオキシ等)、(h)C1〜6アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ基等)、(i)C1〜10アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、(j)置換基を有していてもよい炭素環基(前記したものと同じ意味を表す。)、(k)置換基を有していてもよい複素環基(前記したものと同じ意味を表す。)、(l)ハロゲン原子(前記したものと同じ意味を表す。)、(m)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基(例えば、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等)、(n)−O−炭素環(前記した「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の炭素環と同じ意味を表す。)、(o)−O−複素環(前記した「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の複素環と同じ意味を表す。)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜4個置換していてもよい。
置換基としての「置換基を有していてもよいアルケニル基」における「アルケニル基」としては、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、ヘプタジエニル、オクテニル、オクタジエニル、ノネニル、ノナジエニル、デセニル、デカジエニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル基等の直鎖状または分枝状のC2〜15アルケニル基等が挙げられる。ここでアルケニル基の置換基としては、前記「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表す。
置換基としての「置換基を有していてもよいアルキニル基」における「アルキニル基」としては、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ブタジイニル、ペンチニル、ペンタジイニル、ヘキシニル、ヘキサジイニル、ヘプチニル、ヘプタジイニル、オクチニル、オクタジイニル、ノニニル、ノナジイニル、デシニル、デカジイニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル基等の直鎖状または分枝状のC2〜15アルキニル基等が挙げられる。ここでアルキニル基の置換基としては、前記「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表す。
置換基としての「置換基を有していてもよい炭素環基」における炭素環としては、前記した「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の炭素環と同じ意味を表す。ここで炭素環の置換基としては、例えば、(a)直鎖状または分枝状のC1〜15アルキル基(前記「置換基を有していてもよいアルキル基」におけるアルキル基と同じ意味を表す。)、(b)直鎖状または分枝状C2〜15アルケニル基(前記「置換基を有していてもよいアルケニル基」におけるアルケニル基と同じ意味を表す。)、(c)直鎖状または分枝状C2〜15アルキニル基(前記「置換基を有していてもよいアルキニル基」におけるアルキニル基と同じ意味を表す。)、(d)水酸基、(e)C1〜6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、(f)チオール基、(g)C1〜6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等)、(h)アミノ基、(i)モノ−またはジ−C1〜6アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ等)、(j)ハロゲン原子(前記したものと同じ意味を表す。)、(k)シアノ基、(l)ニトロ基、(m)トリフルオロメチル基、(n)トリフルオロメトキシ基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜5個置換していてもよい。
置換基としての「置換基を有していてもよい複素環基」における複素環としては、前記した「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の複素環と同じ意味を表す。ここで複素環の置換基としては前記した「置換基を有していてもよい炭素環基」における置換基と同じ意味を表す。
置換基としての「置換基を有していてもよい水酸基」、「置換基を有していてもよいチオール基」および「置換基を有していてもよいアミノ基」における「置換基」としては、例えば(i)置換基を有していてもよいアルキル基(前記したものと同じ意味を表す。)、(ii)置換基を有していてもよいアルケニル基(前記したものと同じ意味を表す。)、(iii)置換基を有していてもよいアルキニル基(前記したものと同じ意味を表す。)、(iv)置換基を有していてもよい炭素環基(前記したものと同じ意味を表す。)、(v)置換基を有していてもよい複素環基(前記したものと同じ意味を表す。)、(vi)アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ピバロイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル等のC1〜6アルカノイル基またはそれらの異性体基またはベンゾイル等のC6〜10芳香族炭素環カルボニル等)、(vii)置換基を有していてもよいカルバモイル基(後記したものと同じ意味を表す。)、(viii)アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜6アルキルスルホニル基等)、(ix)アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10アリールスルホニル基等)等が挙げられる。
置換基としての「置換基を有していてもよいカルバモイル基」としては、無置換のカルバモイル基、N−モノ−C1〜6アルキルカルバモイル(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、N−イソブチルカルバモイル、N−(tert−ブチル)カルバモイル、N−ペンチルカルバモイル、N−ヘキシルカルバモイル等)、N−フェニルカルバモイル等のN−モノ−C6〜10アリールカルバモイル、N,N−ジC1〜6アルキルカルバモイル(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N,N−ジペンチルカルバモイル、N,N−ジヘキシルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル等)、N,N−ジフェニルカルバモイル等のN−ジ−C6〜10アリールカルバモイル、N−C6〜10アリール−N−C1〜6アルキルカルバモイル(例えば、N−フェニル−N−メチルカルバモイル、N−フェニル−N−エチルカルバモイル、N−フェニル−N−プロピルカルバモイル、N−フェニル−N−ブチルカルバモイル、N−フェニル−N−ペンチルカルバモイル、N−フェニル−N−ヘキシルカルバモイル等)等が挙げられる。
置換基としての「置換基を有していてもよいスルファモイル基」としては、無置換のスルファモイル基、N−モノ−C1〜6アルキルスルファモイル(例えば、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−イソプロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N−イソブチルスルファモイル、N−(tert−ブチル)スルファモイル、N−ペンチルスルファモイル、N−ヘキシルスルファモイル等)、N−フェニルスルファモイル等のN−モノ−C6〜10アリールスルファモイル、N,N−ジC1〜6アルキルスルファモイル(例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジブチルスルファモイル、N,N−ジペンチルスルファモイル、N,N−ジヘキシルスルファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル等)、N,N−ジフェニルスルファモイル等のN−ジ−C6〜10アリールスルファモイル、N−C6〜10アリール−N−C1〜6アルキルスルファモイル(例えば、N−フェニル−N−メチルスルファモイル、N−フェニル−N−エチルスルファモイル、N−フェニル−N−プロピルスルファモイル、N−フェニル−N−ブチルスルファモイル、N−フェニル−N−ペンチルスルファモイル、N−フェニル−N−ヘキシルスルファモイル等)等が挙げられる。
本明細書中、Rによって表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基または置換基を有していてもよいアルキニル基等を表し、ここでの「置換基を有していてもよいアルキル基」、「置換基を有していてもよいアルケニル基」または「置換基を有していてもよいアルキニル基」は、前記した環状基中の置換基において定義した「置換基を有していてもよいアルキル基」、「置換基を有していてもよいアルケニル基」または「置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表す。
本明細書中、Rによって表される「C1〜6アルキルオキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
本明細書中、Rによって表される「C1〜6アシルオキシ基」としては、例えば、アセチルオキシ、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ基等が挙げられる。
本明細書中、Tによって表される「ハロゲン原子」としては、前記と同じ意味を表す。
本明細書中、Tによって表される「置換基を有していてもよいアシルオキシ基」における「アシルオキシ基」としては、例えばアセチルオキシ、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ピバロイルオキシ等のC1〜10アルカノイルオキシ基等が挙げられる。Tによって表される「置換基を有していてもよいアシルオキシ基」における「置換基」としては、前記したRにおいて定義した「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表す。
本明細書中、Xによって表される「置換基を有していてもよい窒素原子」における「置換基」としては、「置換基を有していてもよいアルキル基」または「置換基を有していてもよい環状基」を表し、ここでの「置換基を有していてもよいアルキル基」または「置換基を有していてもよい環状基」は、Rにおいて定義した「置換基を有していてもよいアルキル基」または「置換基を有していてもよい環状基」と同じ意味を表す。
本明細書中、AまたはGによって表される「主鎖の原子数1〜8のスペーサー」とは、原子が1〜8個連なっている間隔を意味する。ここで、「主鎖の原子数」は、主鎖の原子が最小となるように数えるものとする。例えば1,4−フェニレンの原子数を4個、1,3−フェニレンの原子数を3個として数える。「主鎖の原子数1〜8のスペーサー」としては、例えば、置換基を有していてもよいC1〜8アルキレン、C2〜8アルケニレン基、C2〜8アルキニレン基、環状基(前記した「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」と同じ意味を表す。)等が挙げられ、これらの炭素原子は、構造的に可能な位置に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基、カルボニルアミノ基、アミノカルボニル基に1〜5個置き換わっていてもよい。C1〜8アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基等が挙げられる。C2〜8アルケニレン基としては、例えば、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、ペンテニレン、ペンタジエニレン、ヘキセニレン、ヘキサジエニレン、ヘプテニレン、ヘプタジエニレン、オクテニレン、オクタジエニレン基等が挙げられる。C2〜8アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ブタジイニレン、ペンチニレン、ペンタジイニレン、ヘキシニレン、ヘキサジイニレン、ヘプチニレン、ヘプタジイニレン、オクチニレン、オクタジイニレン基等が挙げられる。「主鎖の原子数1〜8のスペーサー」が表す「置換基」としては、前記した「置換基を有していてもよいアルキル基」における「置換基」と同じ意味を表す。これら任意の置換基は置換可能な位置に1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個置換していてもよい。
本明細書中、Dによって表される「保護されていてもよい酸性基」とは「保護基」によって保護された「酸性基」を表し、「酸性基」としては、例えば、(a)水酸基、(b)ホルミル基(−CHO)、(c)アルコキシ基、(d)カルボキシル基(−COOH)、(e)スルホ基(−SOH)、(f)スルホンアミド(−SONHまたは−NR101SOH(R101は水素原子、または置換基を有していてもよいアルキル基(前記したRにおいて定義した「置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表す。)を表す。))、(g)ホスホノ基(−PO(OH))、(h)フェノール(−COH)、(i)−CONR101SO101(R101は前記と同じ意味を表す。)、(j)アミド(−CONH)または(k)脱プロトン化しうる水素原子を有する含窒素環残基等の各種ブレンステッド酸を表す。「ブレンステッド酸」とは、他の物質に水素イオンを与える物質のことを示す。「脱プロトン化しうる水素原子を有する含窒素環残基」としては、例えば
Figure 2007023028
等が挙げられる。好ましい「酸性基」としてはカルボキシル基または水酸基が挙げられる。さらに好ましくは、カルボキシル基が挙げられる。
Dによって表される「保護されていてもよい酸性基」における「保護基」としては、(a)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基(前記したRにおいて定義した「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」と同じ意味を表す。)、(b)置換基を有していてもよい環状基(前記したRにおいて定義した「置換基を有していてもよい環状基」と同じ意味を表す。)、(c)置換基を有していてもよいアミノ基(前記したRにおいて定義した「置換基を有していてもよいアミノ基」と同じ意味を表す。)、(d)アミノ酸、(e)置換基を有していてもよいアシル基等が挙げられる。ここでの「置換基を有していてもよいアシル基」における「アシル基」としては、前記したRにおいて定義した「アシル基」と同じ意味を表し、「置換基を有していてもよいアシル基」における「置換基」としては、前記したRにおいて定義した「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表す。ここでの「アミノ酸」としては、天然アミノ酸または非天然アミノ酸のアミノ酸残基を意味し、その天然アミノ酸または異常アミノ酸とは、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、β−アラニン、シスタチオニン、シスチン、ホモセリン、イソロイシン、ランチオニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、サルコシン、チロニン等が挙げられる。また、このアミノ酸にアミノ基を含む場合、そのアミノ基が前記したアミノ基の置換基によって置換されたものも含まれる。
本発明に用いられるEP2アゴニストとして、より具体的には、以下の(A)〜(M)に記載された化合物等が挙げられる。また、本発明に用いられるEP2アゴニストとしての、前記一般式(I)で示される化合物には、以下の(A)〜(D)に記載された、一般式(IA)、(IB)、(IC)および(ID)で示される化合物が含まれる。
(A)欧州特許出願公開第860430号明細書には、以下の一般式(IA)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IA)で示される化合物の各基の定義は、欧州特許出願公開第860430号明細書に詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IA)
Figure 2007023028
[式中、Rは、カルボキシル基またはヒドロキシメチル基を表し、
1Aは、酸素原子、メチレン基またはハロゲン原子を表し、
2Aは、水素原子、水酸基、またはC1〜4のアルコキシ基を表し、
3Aは、水素原子、C1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基、C2〜8のアルキニル基、または1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基またはC2〜8のアルキニル基を表し:(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4のアルコキシ基、(3)C3〜7のシクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基;
nAは、0〜4を表し、
Figure 2007023028
は一重結合または二重結合を表し、
Figure 2007023028
は二重結合または三重結合を表し、
Figure 2007023028
は一重結合、二重結合または三重結合を表す。
ただし、(1)5−6位が三重結合を表すとき、13−14位は三重結合を表さない。(2)13−14位が二重結合を表すとき、その二重結合はE体、Z体またはEZ体の混合物を表す。(3)Rがカルボキシル基を表し、かつR2Aが水酸基を表し、かつR3Aがエチル基を表し、かつnAが1を表し、かつ
Figure 2007023028
が一重結合を表し、かつ
Figure 2007023028
が二重結合を表し、かつ
Figure 2007023028
が二重結合を表す時、R1Aは塩素原子を表さない。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(B)国際公開第03/074483号パンフレットには、以下の一般式(IB)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IB)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第03/074483号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IB)
Figure 2007023028
[式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表し、
は、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表し、
は、A1BまたはA2Bを表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキニレン基を表し、
2Bは、−G1B−G2B−G3B−基を表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1〜4アルキレン−環1−基を表し、
は、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR1B−基を表し、
1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)単結合、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
は、D1BまたはD2Bを表し、
1Bは、(1)−COOH基、(2)−COOR2B基、(3)テトラゾール−5−イル基、または(4)−CONR3BSO4B基を表し、
2Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)フェニル基、(3)フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(4)ビフェニル基を表し、
3Bは、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
4Bは、(1)C1〜10アルキル基、または(2)フェニル基を表し、
2Bは、(1)−CHOH基、(2)−CHOR5B基、(3)水酸基、(4)−OR5B基、(5)ホルミル基、(6)−CONR6B7B基、(7)−CONR6BSO8B基、(8)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、(9)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基、(10)−COOR9B基、(11)−OCO−R10B基、(12)−COO−Z1B−Z2B−Z3B基、または
(13)
Figure 2007023028
を表し、
5Bは、C1〜10アルキル基を表し、
6BおよびR7Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
8Bは、フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
9Bは、(1)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいビフェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(2)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたビフェニル基を表し、
10Bは、(1)フェニル基、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
mBは、1または2を表し、
1Bは、(1)C1〜15アルキレン基、(2)C2〜15アルケニレン基、または(3)C2〜15アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1B−基、(5)−NRZ2BCO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2B−基、(10)−NRZ2BSO−基、(11)−NRZ3B−基、(12)−NRZ4BCONRZ5B−基、(13)−NRZ6BCOO−基、(14)−OCONRZ7B−基、または(15)−OCOO−基を表し、
3Bは、(1)水素原子、(2)C1〜15アルキル基、(3)C2〜15アルケニル基、(4)C2〜15アルキニル基、(5)環Z、または(6)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NRZ8B−基、または環Zで置換されたC1〜10アルキル基を表し、
環Zは、(1)炭素環または(2)複素環を表し、
Z1B、RZ2B、RZ3B、RZ4B、RZ5B、RZ6B、RZ7B、およびRZ8Bは、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、
Z1BとZ3B基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の含窒素複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1個のヘテロ原子を含んでもよく、
環Z、およびRZ1BとZ3Bが結合している窒素原子と一緒になって表される5〜7員の含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;
(1)C1〜15アルキル基、(2)C2〜15アルケニル基、(3)C2〜15アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、またはC1〜10アルキル−NRZ9B−基で置換されたC1〜10アルキル基;
Z9Bは水素原子、またはC1〜10アルキル基を表し、
は、E1BまたはE2Bを表し、
1Bは、
Figure 2007023028
を表し、
11Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)C1〜10アルキルチオ基、(3)C3〜8シクロアルキル基で置換されたC1〜10アルキル基、(4)環2で置換されたC1〜10アルキル基、または(5)−W1B−W2B−環2で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
1Bは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1B−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1BSO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表し、
11−1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
2Bは、(1)単結合、または(2)C1〜4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表し、
2Bは、(1)U1B−U2B−U3B基、または(2)環4基を表し、
1Bは、(1)C1〜4アルキレン基、(2)C2〜4アルケニレン基、(3)C2〜4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1〜4アルキレン基−環3−基、(6)C2〜4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2〜4アルキニレン基−環3−基を表し、
2Bは、(1)単結合、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12B−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12BSO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表し、
12Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、およびNR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基、(2)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、(3)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1〜8アルキル基、または(5)環4基を表し、
13BおよびR14Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環1、環2、環3、または環4は、1〜5個のRで置換されていてもよく、
は、(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR15B16B基、(10)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(13)−NR15B16B基で置換されたC1〜10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2〜10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2〜10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1〜10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(21)COOR17B基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、または(25)C2〜10アシル基を表し、
15B、R16B、およびR17Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基;
環1、環2、環3、環4、および環5は、それぞれ独立して、(1)炭素環、または(2)複素環を表す。
ただし、1)EがE2Bを表し、E2BがU1B―U2B―U3B基を表し、かつU1BがC2アルキレン基またはC2アルケニレン基を表すとき、U2Bは−CHOH−基を表さず、
2)U3Bが少なくともひとつの水酸基によって置換されたC1〜8アルキル基を表すとき、U1B―U2BはC2アルキレン基またはC2アルケニレン基を表さず、
3)AがA1Bを表し、かつDがD1Bを表すとき、EはE1Bを表さず、
4)Tが酸素原子を表し、Xが−CH−基を表し、DがD1Bを表し、D1BがCOOH基を表し、AがA1Bを表し、A1Bが直鎖のC2−8アルキレン基を表し、EがE2Bを表し、E2BがU1B―U2B―U3Bを表し、U1BがC1〜4アルキレン基を表し、かつU3BがC1〜8アルキル基を表すとき、U2Bは単結合、−CH−基、−NR12B−基、またはカルボニル基を表さず、
5)Tが酸素原子を表し、Xが−CH−基を表し、DがD1Bを表し、D1BがCOOH基を表し、AがA2Bを表し、G1BがC1〜4アルキレン基を表し、G2Bが−O−基または−NR1B−基を表し、G3Bが単結合またはC1〜4アルキレン基を表し、EがE2Bを表し、E2BがU1B―U2B―U3Bを表し、U1BがC1〜4アルキレン基を表し、かつU3BがC1〜8アルキル基を表すとき、U2Bは単結合、−CH−基、−NR12B−基、またはカルボニル基を表さず、
6)Tが酸素原子を表し、Xが−CH−基を表し、DがD1Bを表し、EがE2Bを表し、E2BがU1B―U2B―U3Bを表し、U1BがC2アルキレン基またはC2アルケニレン基を表し、かつU2Bが−CO−基を表すとき、AがA1Bを表さず、
7)4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸および4−{2−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチル}−安息香酸を除く。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(C)国際公開第99/033794号パンフレットには、以下の一般式(IC)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IC)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第99/033794号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IC)
Figure 2007023028
[式中、Aは、ベンゼン、チオフェンまたはフラン環を表し、
1Cは、水酸基、C1〜6のアルコキシ基、またはNR10C11C(式中、R10CおよびR11Cは、独立して水素原子またはC1〜4のアルキル基を表す。)で示される基を表し、
2Cは、C1〜4のアルキレン基、C2〜4のアルケニレン基、−S−C1〜4のアルキレン基、−S−C2〜4のアルケニレン基またはC1〜4のアルキレン−S−基を表し、
3Cは、オキソ基、メチレン基、ハロゲン原子、またはR32C−COO−(式中、R32CはC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェニル−C1〜4のアルキル基、R33C−OOC−C1〜4のアルキル基またはR33C−OOC−C2〜4のアルケニル基(式中、R33Cは水素原子またはC1〜4のアルキル基を表す。)を表す。)で示される基を表し、
4Cは、水素原子、水酸基またはC1〜4のアルコキシ基を表し、
5Cは、C1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基、C2〜8のアルキニル基、1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基またはC2〜8のアルキニル基を表し:
(1)ハロゲン原子、
(2)C1〜4のアルコキシ基、
(3)C3〜7のシクロアルキル基、
(4)フェニル基、または
(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基、
nCは、0〜4を表し、
Figure 2007023028
は、単結合または二重結合を表すが、2つ同時に二重結合は表さない。
ただし、8−9位が二重結合を表す場合は、R3Cは式R32C−COO−(基中、R32Cは前記と同じ意味を表す。)で示される基であり、R1CはC1〜6のアルコキシを表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(D)欧州特許出願公開第974580号明細書には、以下の一般式(ID)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(ID)で示される化合物の各基の定義は、欧州特許出願公開第974580号明細書に詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(ID)
Figure 2007023028
[式中、R1Dは、ヒドロキシ基、C1〜6のアルコキシ基、またはNR11D12D基(基中、R11DおよびR12Dは独立して、水素原子またはC1〜6のアルキル基を表す。)を表し、
は、塩素原子またはフッ素原子を表し、
2Dは、水素原子、C1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基、C2〜8のアルキニル基、1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基、またはC2〜8のアルキニル基を表し;(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4のアルコキシ基、(3)C3〜7のシクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基、
nDは、0または1〜4の整数を表し、
Figure 2007023028
は、一重結合または二重結合を表し、ただし、2つ同時に二重結合は表さず、
Figure 2007023028
は、一重結合、二重結合または三重結合を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(E)国際公開第95/019964号パンフレットには、以下の一般式(IE)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IE)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第95/019964号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IE)
Figure 2007023028
[式中、Rは、C1〜20の飽和もしくは不飽和の非環式炭化水素、または−(CHmE1Eを表し(基中、mEは0〜10であり、R1EはC3〜7の脂肪族環、C4〜10からなるアリールまたはヘテロ環アリールを表し(ここで、ヘテロ原子は窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる。)、
Figure 2007023028
は、一重結合または二重結合を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(F)米国特許出願公開第6376533号明細書には、以下の一般式(IF)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IF)で示される化合物の各基の定義は、米国特許出願公開第6376533号明細書に詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IF)
Figure 2007023028
[式中、R3Fは、ヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリール基を表し、
1FおよびR2Fは、独立して水素原子、C6までの低級アルキル、C6までの低級アシルからなる群から選択され、
は、CO4F、CONR4F 、CHOR4F、CONR4FSO4F、P(O)(OR4F)および
Figure 2007023028
からなる群から選択され(基中、R4Fは、水素原子、フェニル、C1〜6の低級アルキルからなる群から選択される。)、
nFは、0または1〜4の整数を表し、
Figure 2007023028
は、二重結合または一重結合を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(G)国際公開第04/078103号パンフレットには、以下の一般式(IG)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IG)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第04/078103号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IG)
Figure 2007023028
[式中、Aは、C1〜4アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜6シクロアルキルおよびC3〜6ヘテロシクロアルキルから選択され、;
は、C(O)Zを表し(基中、Zは、ヒドロキシ、アルコキシ、C1〜6アルキルC1〜6ヘテロアルキルおよびNR1G2Gを表す(基中、R1GおよびR2Gは独立して、水素原子、C3〜6シクロアルキル、C3〜6ヘテロシクロアルキル、アリールC1〜6アルキルおよびヘテロアリールC1〜6アルキルを表す。)。)、;
は、水素原子、ハロゲン原子およびC1〜6アルキルから選択され、;
は、水素原子およびC1〜6アルキルから選択され、;
は、水素原子、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキルC1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C3〜6ヘテロシクロアルキル、アリールC1〜6アルキル、ヘテロアリールC1〜6アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択されるか、;またはEおよびGは、それらが結合する炭素原子と一緒になってC3〜6シクロアルキル環を形成し、;
、KおよびLは、独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、;
は、水酸基および水素原子から選択され、;
nGは、0〜1から選択された整数を表し、;
(a)および(b)の二重結合は、独立してZまたはE配置になることができる。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(H)国際公開第05/012232号パンフレットには、以下の一般式(IH)で示される化合物がEP2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IH)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第05/012232号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IH)
Figure 2007023028
[式中、Aは、C3〜8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、;
は、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、およびC2〜6アルキニレンから選択され、;
1Hは、水素原子、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1〜6アルキル、ヘテロアリールC1〜6アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、;
2HおよびR3Hは、独立して水素原子、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルおよびC2〜6アルキニルから選択され、;
4Hは、水素原子およびC1〜6アルキルから選択され、;
5Hは、水素原子、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ヘテロアルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、アリールC1〜6アルキル、ヘテロアリールC1〜6アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、;
nHは、1、2、3、4、5および6から選択される整数を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(J)国際公開第98/028264号パンフレットには、以下の一般式(IJ)で示される化合物がPGE2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IJ)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第98/028264号パンフレットに詳細に記載されている。本発明において、PGE2アゴニストは、EP2アゴニストとしても使用できる。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IJ)
Figure 2007023028
[式中、(i)Bは、窒素原子を表し、
は、C1〜6アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルC1〜6アルキルスルホニルを表し(該Aの一部は、独立してヒドロキシ、C1〜4アルキルまたはハロゲン原子によって、炭素原子上に一、二、三置換されてもよい。)、
は、−C2〜6アルキレン−W−C1〜3アルキレン−、−C3〜8アルキレン(該C3〜8アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選ばれる1〜4個の置換基で置換されていてもよい。)、−X−C1〜5アルキレン−、−C1〜5アルキレン−X−、−C1〜3アルキレン−X−C1〜3アルキレン−、−C2〜4アルキレン−W−X−C0〜3アルキレン−、−C0〜4アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−、−C2〜5アルキレン−W−X−W−C1〜3アルキレン−(基中、2つのWはそれぞれ独立である。)、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C1〜4アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−C0〜5アルキレン−、―C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−、C1〜4アルキレン−エチニレン−C1〜4アルキレン−、または−C1〜4アルキレン−エチニレン−X−C0〜3アルキレン−を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−C1〜4アルキレンアミノスルホニル−、スルホニルアミノ、N−C1〜4アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−C1〜4アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−C1〜4アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイルオキシを表し(基中、該WJのアルキル基は、炭素上に1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
は、独立して酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を有していてもよい5〜6員の芳香環を表し(該環は、独立してハロゲン原子、C1〜3アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、またはカルバモイルで一、二置換されていてもよい。)、
は、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、C1〜4アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルを表し、
は、単結合、C1〜8アルキレン、チオC1〜4アルキレンまたはオキシC1〜4アルキレンを表し(該C1〜8アルキレンは、一不飽和であってもよく、基中、Kは、独立してフッ素原子、メチル、塩素原子で一、二、三置換されていてもよい。)、
は、−Ar、−Ar1J−V−Ar2J、―Ar1J−S−Ar2Jまたは−Ar1J−O−Ar2Jを表し(基中、ArJ、Ar1J、Ar2Jは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環を表す。)、
該ArJ、Ar1JおよびAr2Jの一部は、その一部が単環の場合は1つの環上に、その一部が二環の場合は1つまたは両方の環上に、R1J、R2JおよびR3Jから独立して選択される3個までの置換基によって、炭素上に置換されていてもよく(基中、R1J、R2JおよびR3Jは、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン原子、C1〜6アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜7アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルカノイル、ホルミル、C1〜8アルカノイル、C1〜6アルカノイルC1〜6アルキル、C1〜4アルカノイルアミノ、C1〜4アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニルまたはモノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノスルフィニルを表す。)、
1J、R2JおよびR3Jは、独立してハロゲン原子またはヒドロキシによって、炭素上に一、二または三置換していてもよく、および
は、単結合または独立してヒドロキシまたはフッ素原子によって、一または二置換されていてもよいC1〜3アルキレンを表す。
ただし、Kが、C2〜4アルキレンであり、MがArであり、Arが、シクロペンタ−1−イル、シクロヘキサ−1−イル、シクロヘプタ−1−イルまたはシクロオクタ−1−イルであるとき、該C5〜8シクロアルキルの置換基は、ヒドロキシで1位に置換されず、
または、
(ii):
は、窒素原子を表し、
は、C1〜6アルカノイル、またはC3〜7シクロアルキルC1〜6アルカノイルを表し(該Aの一部は、独立してヒドロキシまたはハロゲン原子によって、炭素上に一、二または三置換していてもよい。)、
は、−C2〜6アルキレン−W−C1〜3アルキレン−、−C4〜8アルキレン−(該−C4〜8アルキレン−は、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基によって、置換されていてもよい。)、−X−C2〜5アルキレン−、−C1〜5アルキレン−X−、−C1〜3アルキレン−X−C1〜3アルキレン−、−C2〜4アルキレン−W−X−C0〜3アルキレン−、−C0〜4アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−、−C2〜5アルキレン−W−X−W−C1〜3アルキレン−(基中、2つのWはそれぞれ独立である。)、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C1〜4アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−C0〜5アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エチニレン−C1〜4アルキレン、または−C1〜4アルキレン−エチニレン−X−C0〜3アルキレン−を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル−、−モノ−N−C1〜4アルキレンアミノスルホニル−、スルホニルアミノ、N−C1〜4アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−C1〜4アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−C1〜4アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイルオキシを表し(基中、該Wは、1〜3個のフッ素原子で炭素上に置換されていてもよいアルキル基を表す。)、
は、独立して酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を有していてもよい5〜6員の芳香環を表し(該環は、独立してハロゲン原子、C1〜3アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、またはカルバモイルによって、一または二置換されていてもよい。)、
は、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、C1〜4アルキルスルホニルカルバモイルまたはフェニルスルホニルカルバモイルを表し、
は、C1〜8アルキレン、チオC1〜4アルキレンまたはオキシC1〜4アルキレンを表し(基中、該C1〜8アルキレンは、一不飽和であってもよく、Kは、独立してフッ素原子、メチルまたは塩素原子によって、一、二または三置換されていてもよい。)、
は、−Ar、−Ar1J−V−Ar2J、―Ar1J−S−Ar2Jまたは−Ar1J−O−Ar2Jを表し(基中、Ar、Ar1J、Ar2Jは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環を表す。)、
該ArJ、Ar1JおよびAr2Jの一部は、その一部が単環の場合は1つの環上に、その一部が二環の場合は1つまたは両方の環上に、R1J、R2JおよびR3Jから独立して選択される3個までの置換基によって、炭素上に置換されていてもよく(基中、R1J、R2JおよびR3Jは、水素原子、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン原子、C1〜6アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜7アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルカノイル、ホルミル、C1〜8アルカノイル、C1〜6アルカノイルC1〜6アルキル、C1〜4アルカノイルアミノ、C1〜4アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニルまたはモノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノスルフィニルを表す。)、
1J、R2JおよびR3Jは、独立してハロゲン原子またはヒドロキシによって、炭素上に一、二または三置換されていてもよく、
は、単結合または独立してヒドロキシまたはフッ素原子によって、一または二置換されていてもよいC1〜3アルキレンを表す。
ただし、Kが、C2〜4アルキレンであり、MがArであり、Arは、シクロペンタ−1−イル、シクロヘキサ−1−イル、シクロヘプタ−1−イルまたはシクロオクタ−1−イルであるとき、該C5〜8シクロアルキルの置換基は、ヒドロキシで1位に置換されず、
かつ、ただし、6−[(3−フェニル−プロピル)−(2−プロピル−ペンタノイル)−アミノ]ヘキサン酸およびそのエチルエステルは含まれない。
または、
(iii)
は、C(H)であり、
は、C1〜6アルカノイル、またはC3〜7シクロアルキルC1〜6アルカノイルを表し(該Aの一部は、独立してヒドロキシまたはハロゲン原子によって、炭素上に一、二または三置換されていてもよい。)、
は、−C2〜6アルキレン−W−C1〜3アルキレン−、−C4〜8アルキレン−(該−C4〜8アルキレン−は、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基によって、置換されていてもよい。)、−X−C1〜5アルキレン−、−C1〜5アルキレン−X−、−C1〜3アルキレン−X−C1〜3アルキレン−、−C2〜4アルキレン−W−X−C0〜3アルキレン−、−C0〜4アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−、−C2〜5アルキレン−W−X−W−C1〜3アルキレン−(基中、2つのWはそれぞれ独立である。)、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C1〜4アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−C0〜5アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−、−C1〜4アルキレン−エチニレン−C1〜4アルキレン、または−C1〜4アルキレン−エチニレン−X−C0〜3アルキレン−を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル−、−モノ−N−C1〜4アルキレンアミノスルホニル−、スルホニルアミノ、N−C1〜4アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−C1〜4アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−C1〜4アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイルオキシを表し(基中、該Wは、1〜3個のフッ素原子で炭素上に置換されていてもよいアルキル基を表す。)、
は、独立して酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を有していてもよい5〜6員の芳香環を表し(該環は、独立してハロゲン原子、C1〜3アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、またはカルバモイルによって、一または二置換されていてもよい。)、
は、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、C1〜4アルキルスルホニルカルバモイルまたはフェニルスルホニルカルバモイルを表し、
は、単結合、C1〜8アルキレン、チオC1〜4アルキレン、C4〜7シクロアルキルC1〜6アルキレンまたはオキシC1〜4アルキレンを表し(基中、該C1〜8アルキレンは、一不飽和であってもよく、Kは、独立してフッ素原子、メチルまたは塩素原子によって、一、二または三置換されていてもよい。)、
は、−Ar、−Ar1J−V−Ar2J、―Ar1J−S−Ar2Jまたは−Ar1J−O−Ar2Jを表し(基中、Ar、Ar1J、Ar2Jは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環を表す。)、
該ArJ、Ar1JおよびAr2Jの一部は、その一部が単環の場合は1つの環上に、その一部が二環の場合は1つまたは両方の環上に、R1J、R2JおよびR3Jから独立して選択される3個までの置換基によって、炭素上に置換されていてもよく(基中、R1J、R2JおよびR3Jは、水素原子、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン原子、C1〜6アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜7アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルカノイル、ホルミル、C1〜8アルカノイル、C1〜6アルカノイルC1〜6アルキル、C1〜4アルカノイルアミノ、C1〜4アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニルまたはモノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノスルフィニルを表す。)、
1J、R2JおよびR3Jは、独立してハロゲン原子またはヒドロキシによって、炭素上に一、二または三置換されていてもよく、
は、単結合または独立してヒドロキシまたはフッ素原子で一または二置換されていてもよいC1〜3アルキレンを表す。
ただし、Kが、C2〜4アルキレンであり、MがArであり、Arが、シクロペンタ−1−イル、シクロヘキサ−1−イル、シクロヘプタ−1−イルまたはシクロオクタ−1−イルであるとき、該C5〜8シクロアルキルの置換基は、ヒドロキシで1位に置換されない。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(K)国際公開第99/19300号パンフレットには、以下の一般式(IK)で示される化合物がPGE2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IK)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第99/19300号パンフレットに詳細に記載されている。本発明において、PGE2アゴニストは、EP2アゴニストとしても使用できる。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IK)
Figure 2007023028
[式中、Aは、SOまたはCOを表し、
は、Ar、Ar1K−V−Ar2K、Ar−C1〜6アルキレン、Ar−CONH−C1〜6アルキレン、R1K2K−アミノ、オキシC1〜6アルキレン、Arで置換されたアミノ、またはArC1〜4アルキレンおよびR11Kで置換されたアミノを表し(基中、R11Kは、水素原子またはC1〜8アルキルを表し、R1KおよびR2Kは、別々で独立して水素原子およびC1〜8アルキルから選択されるか、またはR1KおよびR2Kは、アミノ基の窒素原子と一緒になって5〜6員のアザシクロアルキルを形成してもよい(該アザシクロアルキルは、酸素原子を含んでいてもよく、独立して2個までの酸素原子、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、フッ素原子または塩素原子によって、一、二または三置換されていてもよい。)。)、
は、窒素原子またはCHを表し、
は、−C2〜6アルキレン−W−C1〜3アルキレン−(該アルキレンは、それぞれ独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C4〜8アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−X−C1〜5アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C1〜5アルキレン−X−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C1〜3アルキレン−X−C1〜3アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C2〜4アルキレン−W−X−C0〜3アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C0〜4アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C2〜5アルキレン−W−X−W−C1〜3アルキレン−(基中、2つのWはそれぞれ独立であり、該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C1〜4アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−C0〜5アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C1〜4アルキレン−エテニレン−C0〜2アルキレン−X−W−C1〜3アルキレン−(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、−C1〜4アルキレン−エチニレン−C1〜4アルキレン(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、または−C1〜4アルキレン−エチニレン−X−C0〜3アルキレン−を表し(該アルキレンは、独立してフッ素原子またはC1〜4アルキルから選択される4個までの置換基で置換されていてもよい。)、
は、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−チアゾリル、C1〜4アルキルスルホニルカルバモイルまたはフェニルスルホニルカルバモイルを表し、
は、単結合、C1〜9アルキレン、チオC1〜4アルキレン、C1〜4アルキレンチオC1〜4アルキレン、C1〜4アルキレンオキシC1〜4アルキレンまたはオキシC1〜4アルキレンを表し(該C1〜9アルキレンは、一不飽和であってもよく、Kが単結合を表さないとき、Kは独立して塩素原子、フッ素原子、ヒドロキシまたはメチルで一、二または三置換されていてもよい。)、
は、−Ar3K、−Ar4K−V1K−Ar5K、−Ar4K−S−Ar5K、−Ar4K−SO−Ar5K、−Ar4K−SO−Ar5Kまたは−Ar4K−O−Ar5Kを表し、
Arは、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を独立して有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、部分飽和な、完全飽和な、または不完全飽和な5〜6員環が独立して縮合した三環からなる三環式の環を表し(該一部飽和な、または完全飽和な環は、炭素上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されるか、または硫黄原子上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されていてもよい。)、または、Arは、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の完全飽和な環を表し、
Ar1KおよびAr2Kは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を独立して有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、部分飽和な、完全飽和な、または不完全飽和な5〜6員環が独立して縮合した三環からなる三環式の環を表し(該一部飽和な、または完全飽和な環は、炭素上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されるか、または硫黄原子上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されていてもよい。)、
該Ar、Ar1KおよびAr2Kの一部は、その一部が単環式の環である場合、1つの環上に、その一部が二環式の環である場合、1〜2個の環上に、その一部が三環式の環である場合、1〜3個の環上に、R3K、R4KおよびR5Kから選択される3つまでの置換基により、それらの環上の炭素原子または窒素原子上で置換されていてもよく(ここで、R3K、R4KおよびR5Kは、独立して、水酸基、ニトロ、ハロゲン原子、カルボキシル、C1〜7アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルカノイル、ホルミル、C1〜8アルカノイル、C1〜6アルカノイルC1〜6アルキル、C1〜4アルカノイルアミノ、C1〜4アルコキシカルボニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノカルボニルアミノまたはモノ−N−、ジ−N,N−、ジ−N,N’−またはトリ−N,N,N’−C1〜4アルキルで置換されたアミノカルボニルアミノ、スルホンアミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−またはジ−N−C1〜4アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−またはジ−N−C1〜4アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニルまたはモノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノスルフィニルを表す。)、
は、酸素原子、硫黄原子、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル−、−モノ−N−C1〜4アルキレンアミノスルホニル−、スルホニルアミノ、N−C1〜4アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−C1〜4アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−C1〜4アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−C1〜4アルキレンカルバモイルオキシを表し(基中、該Wは、1〜3個のフッ素原子で炭素上に置換されていてもよいアルキル基を表す。)、
は、独立して酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を有していてもよい5〜6員の芳香環を表し(該環は、独立してハロゲン原子、C1〜3アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、またはカルバモイルで一、二または三置換されていてもよい。)、
1K、R2K、R3K、R4K、R5K、R11K、R31K、R41KおよびR51Kは、アルキル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン部分を含むとき、独立してハロゲン原子またはヒドロキシで炭素上に一、二または三置換されていてもよく、および
およびV1Kは、それぞれ独立して単結合、チオC1〜4アルキレン、C1〜4アルキレンチオ、C1〜4アルキレンオキシ、オキシC1〜4アルキレンまたは独立してヒドロキシまたはフッ素原子で一、二または三置換されていてもよいC1〜3アルキレンを表す。
ただし、
a.Kが、C2〜4アルキレンであり、MKがAr3Kであり、Ar3Kが、シクロペンタ−1−イル、シクロヘキサ−1−イル、シクロヘプタ−1−イルまたはシクロオクタ−1−イルであるとき、該C5〜8シクロアルキルの置換基は、ヒドロキシで1位に置換されず、および
b.Kが単結合を表し、Gがフェニル、フェニルメチル、置換されたフェニルまたは置換されたフェニルメチルを表し、QがC3〜8アルキレンを表し、MがAr3KまたはAr4K−Ar5Kを表すとき、Aはスルホニルを表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(L)欧州特許出願公開第0911321号明細書には、以下の一般式(IL)で示される化合物がPGE2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IL)で示される化合物の各基の定義は、欧州特許出願公開第0911321号明細書に詳細に記載されている。本発明において、PGE2アゴニストは、EP2アゴニストとしても使用できる。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IL)
Figure 2007023028
[式中、Bは、窒素原子またはC(Q1L)を表し(基中、Q1Lは、水素原子またはC1〜3アルキル基を表す。)、
は、n−プロピレニル−X−またはCH−メタフェニレン−CHを表し(基中、Xは、フラニル、チエニル、チアゾリルまたはテトラヒドロフラニル基を表す。)、該CH−メタフェニレン−CHまたはXは、独立して1〜3個の塩素原子、フッ素原子、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルまたはメチル基によって、芳香族の炭素上に一、二または三置換していてもよく、
は、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、テトラゾリル、5−オキソ−1,2,4−チアジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、C1〜4アルキルスルホニルカルバモイルまたはフェニルスルホニルカルバモイル基を表し、
1Lは、水素原子、メチル、エチルまたはプロピル基を表し、
2Lは、水素原子またはC2〜5アルカノイル基を表し、
3Lは、独立して水素原子、フッ素原子またはメチル基を表し、
4Lは、水素原子、C1〜7アルキル、またはR4LおよびR1Lは、一緒になって5〜9員の炭素環を形成してもよく、該アルキルは、一不飽和であってもよく、独立して1〜3個のフッ素原子、塩素原子、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルまたはメチル基によって、一、二または三置換していてもよく、
5Lは、独立して1〜3個の水酸基、フッ素原子、塩素原子、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルまたはメチル基によって、一、二または三置換していてもよい、C1〜6アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルC1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルカルボニル、C3〜7シクロアルキルカルボニル、C3〜7シクロアルキルC1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルカルボニル、C3〜7アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルC1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルカルボニル、C3〜7シクロアルキルカルボニル、C3〜7シクロアルキルC1〜6アルキルカルボニル基を表し、
は、メチレン、エチレン、プロピレンまたはエテニレン基を表し、
は、Ar、Ar1L−V−Ar2L、Ar−(C1〜6)アルキレン、Ar−CONH−C1〜6アルキレン、R12L13L−アミノ、オキシC1〜6アルキレン、Arで置換されたアミノ、ArC1〜4アルキレンおよびR11Lで置換されたアミノ基を表し(基中、R11Lは、水素原子またはC1〜8アルキルを表し、R12LおよびR13Lは、それぞれ独立して、水素原子およびC1〜8アルキルから選択されるか、またはR12LおよびR13Lは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜6員のアザシクロアルキル基を形成する。該アザシクロアルキル基は、酸素原子を含んでいてもよく、オキソ、水酸基、C1〜4アルキル、フッ素原子または塩素原子によって2個まで置換されていてもよい。)、
Arは、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を独立して有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、部分飽和な、完全飽和な、または不完全飽和な5〜6員環が独立して縮合した三環からなる三環式の環を表し(該一部飽和な、または完全飽和な環、二環式の環または三環式の環は、炭素上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されるか、または硫黄原子上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されていてもよい。)、または、Arは、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の完全飽和な環を表し、
Ar1LおよびAr2Lは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜8員の環、または窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を独立して有していてもよい部分飽和な、完全飽和な、または完全不飽和な5〜6員の環が2つ縮合したものからなる二環式の環、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、部分飽和な、完全飽和な、または不完全飽和な5〜6員環が独立して縮合した三環からなる三環式の環を表し(該一部飽和な、または完全飽和な環は、炭素上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されるか、または硫黄原子上にさらに1〜2個のオキソ基で置換されていてもよい。)、
該Ar、Ar1LおよびAr2Lの一部は、その一部が単環式の環である場合、1つの環上に、その一部が二環式の環である場合、1〜2個の環上に、その一部が三環式の環である場合、1〜3個の環上に、R14L、R15LおよびR16Lから選択される3つまでの置換基により、それらの環上の炭素原子または窒素原子上で置換されていてもよく(ここで、R14L、R15LおよびR16Lは、独立して、水酸基、ニトロ、ハロゲン原子、カルボキシル、C1〜7アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルカノイル、ホルミル、C1〜8アルカノイル、C1〜6アルカノイルC1〜6アルキル、C1〜4アルカノイルアミノ、C1〜4アルコキシカルボニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノカルボニルアミノまたはモノ−N−、ジ−N,N−、ジ−N,N’−またはトリ−N,N,N’−C1〜4アルキルで置換されたアミノカルボニルアミノ、スルホンアミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−またはジ−N、N−C1〜4アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−またはジ−N、N−C1〜4アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニルまたはモノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノスルフィニルを表す。)、および
は、単結合、チオ(C1〜4)アルキレン、C1〜4アルキレンチオ、C1〜4アルキレンオキシ、オキシC1〜4アルキレンまたはC1〜3アルキレンを表す。Vが単結合でないとき、独立して水酸基またはフッ素原子によって一、二または三置換されていてもよい。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(M)国際公開第98/058911号パンフレットには、以下の一般式(IM)で示される化合物がPGE2アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IM)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第98/058911号パンフレットに詳細に記載されている。本発明において、PGE2アゴニストは、EP2アゴニストとしても使用できる。従って、本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(IM)
Figure 2007023028
[式中、Aは、水素原子または水酸基を表し、;
は、プロピレン、プロペニレンまたはプロピニレンを表し、;
は、プロピレン、−CHOCH−、チアゾリル、ピリジル、フェニルまたはチエニルを表し、;
は、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリルまたは5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル基を表し、;
は、エチレンまたはエチニレンを表し、;
は、単結合または−CO−を表し、;
は、−Ar、−Ar1M、−V−Ar2M、―Ar1M−S−Ar2Mまたは−Ar1M−O−Ar2Mを表し(基中、ArおよびAr1Mは、以下の(1)、(2)のいずれかを表し、
(1)それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい5〜8員の完全不飽和環、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、一部飽和な、完全飽和な、または不完全飽和な5および/または6員環が独立して縮合した二環からなる二環式環状基、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、一部飽和した、完全飽和な、または不完全飽和な5および/または6員環が独立して縮合した三環からなる三環式環状基を表し、(該一部飽和な、または完全飽和な環は、炭素上にさらに1つ以上のオキソ基が置換していてもよい。)、または、
(2)それぞれ独立して、完全飽和な5〜8員の環を表す。)、;
Ar2Mは、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい5〜8員の完全不飽和環、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、一部飽和な、完全飽和な、または不完全飽和な5および/または6員環が独立して縮合した二環からなる二環式環状基、または窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有していてもよい、一部飽和した、完全飽和な、または不完全飽和な5および/または6員環が独立して縮合した三環からなる三環式環状基を表し(該一部飽和な、または完全飽和な環は、炭素上にさらに1つ以上のオキソ基が置換していてもよい。)、
該ArおよびAr1Mの一部は、完全不飽和な5〜8員の単環式、二環式、三環式の環状基である場合、および該Ar2Mの一部は、それぞれ独立して、その一部が単環式環状基である場合、炭素上か環上に置換基を有していてもよく、その一部が二環式環状基である場合、1〜2個の環上に置換基を有していてもよく、その一部が三環式環状基である場合、1〜3個の環状に置換基を有していてもよく、これらは、R1M、R2MおよびR3Mから選択される3つまでの置換基で置換されていてもよく(ここで、R1M、R2MおよびR3Mは、独立して、水酸基、ニトロ、ハロゲン原子、C1〜7アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルC1〜4アルカノイル、ホルミル、C1〜8アルカノイル、C1〜6アルカノイルC1〜6アルキル、アミノカルボニルアミノまたはモノ−N−、ジ−N,N−、ジ−N,N’−またはトリ−N,N,N’−C1〜4アルキルで置換されたアミノカルボニルアミノ、C1〜4アルカノイルアミノ、C1〜4アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、ヒドロキシスルホニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−またはジ−N−C1〜4アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−またはジ−N−C1〜4アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニルまたはモノ−N−またはジ−N,N−C1〜4アルキルアミノスルフィニルを表す。);
1M、R2MおよびR3Mは、アルキル、アルケニル、アルキレンまたはアルケニレン部分を含む場合、直鎖状または分枝状であってもよく、炭素上に独立してハロゲン原子または水酸基が1〜3個置換していてもよく、;および
は、単結合、−CO−または独立して水酸基またはフッ素原子が1〜2個置換してもよいC1〜3アルキレン基を表す。
ただし、(1)Lが−CO−のとき、Aは水酸基を表し、および(2)Lが単結合かつMがフェニルのとき、該フェニルは、R1M、R2MおよびR3Mから選択される1〜3個の置換基で置換される。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
本発明に用いられるEP2アゴニストとしては、さらに、ブタプロスト(butaprost)、リオプロスチル(rioprostil)、ミソプロストール(misoprostol)、リマプロスト(limaprost)、AH−13205、CP−533536、AY23626等が含まれる。
本発明に用いられるEP2アゴニストとしてのリマプロスト(limaprost)は、α−シクロデキストリン包接化合物、すなわちリマプロストアルファデクス(limaprost alfadex)として用いてもよい。
本発明のEP2アゴニストとしては、一般式(I)
Figure 2007023028
[式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。]で示される化合物、上記した一般式(IA)〜(IM)で示される化合物、ブタプロスト(butaprost)、リオプロスチル(rioprostil)、ミソプロストール(misoprostol)、リマプロスト(limaprost)、AH−13205、CP−533536、およびAY23626はいずれも好ましく、より好ましくは、一般式(I)、一般式(IA)〜(IM)で示される化合物およびリマプロスト(limaprost)であり、さらに好ましくは、一般式(IA)、(IB)で示される化合物およびリマプロスト(limaprost)である。
特に好ましい化合物としては、一般式(IA)で示される化合物では、例えば、(1)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、(2)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−アリルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸等が挙げられ、一般式(IB)で示される化合物では、例えば、(1)2−[(2−{(2R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(2)2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(3)2−{[2−((5R)−2−オキソ−5−{[3−トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}ピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(4)2−[(2−{(2R)−2−[(ヘプチルアミノ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、さらにリマプロスト(limaprost)等が挙げられる。
本発明に用いられるEP1アゴニストとしては、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP1アゴニストとしては、例えば、特開平11−322709号公報に記載された化合物等が挙げられる。好ましくは、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸等が挙げられる。
本発明に用いられるEP1アンタゴニストとしては、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP1アンタゴニストとしては、例えば、欧州特許出願公開第878465号明細書、国際公開第98/027053号パンフレット、国際公開第92/19617号パンフレット、国際公開第02/072564号パンフレット、国際公開第03/084917号パンフレットに記載された化合物等が挙げられる。好ましくは、欧州特許出願公開第878465号明細書、国際公開第98/027053号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられ、より好ましくは、6−[(2S,3S)−3−(4−クロロ−2−メチルフェニルスルフォニルアミノメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル]−5Z−ヘキセン酸、4−[2−(N−イソブチル−2−フラニルスルフォニルアミノ)−5−トリフルオロメチルフェノキシメチル]桂皮酸等が挙げられる。
本発明に用いられるEP3アゴニストとしては、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP3アゴニストとしては、例えば、特開平07−215929号明細書、特開平08−239356号明細書、国際公開第98/34916号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられる。好ましくは、国際公開第98/34916号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられ、より好ましくは、11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸等が挙げられる。
本発明に用いられるEP3アンタゴニストとしては、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP3アンタゴニストとしては、例えば、国際公開第02/016311号パンフレット、国際公開第02/020462号パンフレット、国際公開第03/016254号パンフレット、国際公開第04/069788号パンフレット、国際公開第04/058751号パンフレット、国際公開第06/044000号パンフレット、国際公開第06/044405号パンフレット、国際公開第06/044415号パンフレットに記載された化合物等が挙げられる。好ましくは、国際公開第03/016254号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられ、より好ましくは、2−(2−((4−メチル−2−(ナフタレン−1−イル)ペンタノイル)アミノ)−4−(ピラゾール−1−イルメチル)ベンジル)安息香酸等が挙げられる。
本発明に用いられるEP4アゴニストとしては、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP4アゴニストとしては、例えば、国際公開第03/009872号パンフレット、国際公開第00/003980号パンフレット、欧州特許出願公開第855389号明細書、特開2000−001472号明細書、国際公開第00/015608号パンフレット、国際公開第01/149661号パンフレット、国際公開第01/166518号パンフレット、国際公開第04/065365号パンフレット、国際公開第02/024647号パンフレット、国際公開第02/042268号パンフレット、国際公開第03/008377号パンフレット、国際公開第03/035064号パンフレット、国際公開第03/053923号パンフレット、国際公開第03/103664号パンフレット、国際公開第03/007941号パンフレット、国際公開第03/074483号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0049227号明細書、国際公開第04/085430号パンフレット、国際公開第04/085431号パンフレット、国際公開第04/063158号パンフレットに記載された化合物等が挙げられる。好ましくは、特開2000−001472号明細書、国際公開第00/003980号パンフレット、国際公開第03/009872号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられ、より好ましくは、11α,15α−ジヒドロキシ−9−オキソ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−3,7−ジチアプロスト−13E−エン酸、(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(4−フルオロフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チア−8−アザプロスト−13−エン酸等が挙げられる。
本発明に用いられるEP4アンタゴニストとしては、現在までに知られているものまたは今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP4アンタゴニストとしては、例えば、国際公開第01/62708号パンフレット、国際公開第02/016311号パンフレット、国際公開第02/020462号パンフレット、国際公開第03/016254号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられる。好ましくは、国際公開第02/016311号パンフレットに記載されている化合物等が挙げられ、より好ましくは、4−[4−シアノ−2−[2−(4−フルオロ−1−ナフチル)プロパノイルアミノ]フェニル]ブタン酸等が挙げられる。
本明細書中、内耳神経には、例えば、前庭神経、蝸牛神経等が含まれる。
本明細書中、内耳神経の神経再生剤とは、内耳を構成する内耳神経の神経細胞数を増加させる効果を有する剤を意味する。
本明細書中、内耳神経の神経保護剤とは、内耳神経の神経障害を修復、抑制する効果を有する剤を意味する。
[異性体]
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アシル基およびアシルオキシ基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E体、Z体、シス体、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R体、S体、α配置、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D体、L体、d体、l体)、クロマトグラフィー分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、およびこれらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。また、本発明においては、互変異性体による異性体をもすべて包含する。
また、本発明における光学活性な化合物は、100%純粋なものだけでなく、50%未満のその他の光学異性体が含まれていてもよい。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
Figure 2007023028
は、α配置に結合していることを表し、
Figure 2007023028
は、β配置に結合していることを表し、
Figure 2007023028
は、α配置、β配置またはそれらの任意の比率の混合物であることを表し、
Figure 2007023028
は、α配置とβ配置の混合物であることを表す。
[塩および溶媒和物]
一般式(I)で示される化合物の塩には薬理学的に許容されるものすべてが含まれる。薬理学的に許容される塩は、毒性の少ない、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等)が挙げられる。
さらに塩には、四級アンモニウム塩も含まれる。四級アンモニウム塩とは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、R基によって四級化されたものを表す。R基は、C1〜8アルキル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表す。
一般式(I)で示される化合物の適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。また、本発明化合物の溶媒和物には、上記本発明化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩の溶媒和物も含まれる。
本発明化合物は、公知の方法で上記の塩、上記の溶媒和物に変換することができる。
[シクロデキストリン包接化合物]
一般式(I)で示される本発明化合物は、α−、β−あるいはγ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、特公昭50−3362号、同52−31404号または同61−52146号明細書記載の方法を用いることによりシクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際好都合である。
[プロドラッグ]
本発明化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換される化合物をいう。本発明化合物のプロドラッグとしては、例えば、本発明化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、本発明化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);本発明化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);本発明化合物がカルボキシル基を有する場合、該カルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、本発明化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、本発明化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、本発明化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198ページに記載されているような、生理的条件で本発明化合物に変化するものであってもよい。さらに、本発明化合物は同位元素(例えば、H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
一般式(I)で示される本発明化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物(以下、本発明化合物と略記することがある。)は、溶解性、吸収性および代謝安定性に優れ、かつ長時間薬理活性(PGEレセプター結合活性)が持続し、しかも薬物代謝酵素の阻害が弱く、循環器への作用等の毒性も低い化合物である。これらの性質は、医薬品として開発するにあたって要求される最も重要な物理的、化学的、薬学的性質であり、本発明化合物はこれらの条件を満たし、大変優れた医薬品となる可能性を有している[ザ・メルク・マニュアル・オブ・ダイアグノウシス・アンド・セラピー(第17版)、メルク&Co.出版(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy (17th Ed.), Merck & Co.)参照。]。
本発明化合物が、医薬品として有用であることは、以下に示す各種実験系、生物学的実施例に記載の方法およびそれらを適宜改良して実施できる方法により評価することができる。また、本発明化合物が動態学的に、例えば、血中半減期の長さ、消化管内安定性、経口吸収性、バイオアベイラビリティ等の点において優れているということは、公知の方法、例えば、「薬物バイオアベイラビリティ(評価と改善の科学)」、現代医療社、1998年7月6日発行に記載の方法等によっても容易に評価することができる。
[本発明化合物の製造方法]
本発明化合物は、公知の方法、例えば、欧州特許出願公開第860430号明細書、国際公開第03/074483号パンフレット、国際公開第99/033794号パンフレット、欧州特許出願公開第974580号明細書、国際公開第95/019964号パンフレット、米国特許出願公開第6376533号明細書、国際公開第04/078103号パンフレット、国際公開第05/012232号パンフレット、国際公開第98/028264号パンフレット、国際公開第99/19300号パンフレット、欧州特許出願公開第0911321号明細書、国際公開第98/058911号パンフレット、欧州特許出願公開第878465号明細書、国際公開第98/027053号パンフレット、国際公開第92/19617号パンフレット、国際公開第02/072564号パンフレット、国際公開第03/084917号パンフレット、国際公開第02/016311号パンフレット、国際公開第02/020462号パンフレット、国際公開第03/016254号パンフレット、国際公開第04/069788号パンフレット、国際公開第04/058751号パンフレット、国際公開第03/009872号パンフレット、国際公開第00/003980号パンフレット、欧州特許出願公開第855389号明細書、特開2000−001472号明細書、国際公開第00/015608号パンフレット、国際公開第01/149661号パンフレット、国際公開第01/166518号パンフレット、国際公開第04/065365号パンフレット、国際公開第02/024647号パンフレット、国際公開第02/042268号パンフレット、国際公開第03/008377号パンフレット、国際公開第03/035064号パンフレット、国際公開第03/053923号パンフレット、国際公開第03/103664号パンフレット、国際公開第03/007941号パンフレット、国際公開第03/074483号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0049227号明細書、国際公開第04/085430号パンフレット、国際公開第04/085431号パンフレット、国際公開第04/063158号パンフレット、特開平11−322709号公報、特開平07−215929号明細書、特開平08−239356号明細書、国際公開第98/34916号パンフレット、国際公開第01/62708号パンフレット、特開昭55−100360号公報に記載された方法か、それに準じた方法で製造することができる。例えば、好ましいEP2アゴニストとして列挙した、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、および(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−アリルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸は、欧州特許出願公開第860430号明細書に記載された方法により製造することができる。また、例えば、好ましいEP2アゴニストとして列挙した、2−[(2−{(2R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、2−{[2−((5R)−2−オキソ−5−{[3−トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}ピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、および2−[(2−{(2R)−2−[(ヘプチルアミノ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸は、国際公開第03/074483号パンフレットに記載された方法により製造することができる。さらに、リマプロスト(limaprost)は、特開昭55−100360号公報に記載された方法により製造することができる。
[毒性]
本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分に安全であることが確認された。
[医薬品への適用]
EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物、特にEP2アゴニストは、血管拡張作用に加えて、肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor;HGF)産生亢進作用を有することから、内耳における血流増加作用および内耳神経の神経再生作用および/または神経保護作用を有すると考えられるので、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト動物(例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)等)において、内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制に有用である。
ここで、内耳疾患とは、内耳を構成する器官、組織、神経等の障害を原因とする疾患をすべて包含し、その病因によって限定されるものではない。内耳疾患としては、その症状としてめまいが主症状である内耳性めまい疾患と主症状が難聴である内耳性難聴に大別される。内耳性めまい疾患としては、例えば、外リンパ瘻、外リンパ漏、メニエール病、遅発性内リンパ腫、聴神経腫瘍、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、化膿性内耳炎、乗り物酔い、脳血管障害に伴うめまい等が挙げられる。内耳性難聴としては、内耳奇形に起因する難聴、前庭水管拡大症に起因する難聴、耳硬化症に起因する難聴、中毒性内耳障害に起因する難聴(該中毒性物質としては、例えば、鎮痛薬(例:アスピリン、フェンタニール、モルヒネ等)、アミノ配糖体系抗生物質(例:ストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、アミカシン、バイオマイシン、ゲンタマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン、ミクロノマイシン、アストロマイシン、トブラマイシン、ジベカシン、イセパマイシン、アルベカシン、フラジオマイシン等)、その他の抗生物質(例:クロラムフェニコール、エンビオマイシン、コリスチン、ポリミキシンB、ミノマイシン、エリスロマイシン、バンコマイシン等)、抗癌剤(例:シスプラチン、カルボプラチン、ナイトロジェンマスタード等)、ループ利尿剤(例:フロセミド、エタクリル酸、ブメタニド、トラセミド等)、麻酔薬(例:ノドカイン、コカイン等)、抗マラリア薬(例:キニーネ、クロロキン等)、一酸化炭素、重金属、アルコール等が挙げられる。)、頭頚部外傷に起因する難聴(例えば、内耳振盪、側頭骨骨折等)、腎臓障害に起因する難聴(該腎臓障害としては、透析、糖尿病等が挙げられる。)、自己免疫疾患に起因する難聴(該自己免疫疾患としては、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、パージェット病、結節性多発動脈炎等が挙げられる。)、突発性難聴(その原因としては、例えば、内耳のウイルス感染(例:ムンプス難聴(耳下腺炎性聾)、風疹、帯状疱疹、インフルエンザ、単核球症、サイトメガロウイルス等)、内耳の細菌感染(例えば、梅毒等)、内耳循環障害、内耳虚血障害、内リンパ水腫、内耳窓膜破裂等が挙げられる。)、騒音性難聴(例えば、急性騒音性難聴、慢性騒音性難聴、ヘッドフォン難聴等)、老人性難聴、先天性難聴(例えば、家族性内耳性難聴、遺伝性難聴(例:Pandred症候群、コネキシン26遺伝子難聴、Alport症候群、Usher症候群、Van der Hoeve症候群、Alstrom症候群、Hallgren症候群、Laurence-Moon-Biedl-Bardet症候群、Refsum症候群等)等)、急性低音障害型感音難聴等が挙げられる。本発明において、内耳疾患として好ましくは、内耳性めまい疾患では、メニエール病、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症等が挙げられ、内耳性難聴では、中毒性内耳障害に起因する難聴、突発性難聴、老人性難聴等が挙げられる。
また、上記したように便宜的に内耳疾患を大別したが、内耳には聴覚と平衡覚を担う器官が混在し、どちらかの感覚を担う器官や神経が限定的に障害を受けるわけではないため、いずれの疾患においても、内耳疾患に伴って発現する症状は共通である。そのような内耳疾患に起因する症状としては、例えば、難聴、耳鳴、めまい、眼振、ふらつき、吐き気、耳痛、耳閉感、自声強調、聴覚過敏、耳漏等が挙げられる。
本発明の内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤であるEP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物(以下、本発明の薬物と略記する場合がある。)は、1)内耳疾患の治療効果の補完および/または増強、2)該本発明の薬物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)該本発明の薬物の副作用の軽減のために、他の薬物と組み合わせて、併用薬として投与してもよい。
本発明の薬物と他の薬物の併用薬は、1つの製剤中に両成分を配合した配合製剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明の薬物を先に投与し、他の薬物を後に投与してもよいし、他の薬物を先に投与し、本発明の薬物を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
該他の薬物は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA,遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の薬物と他の薬物の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間等により適宜選択することができる。例えば、本発明の薬物1重量部に対し、他の薬物を0.01乃至100重量部用いればよい。他の薬物は任意の2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。また、本発明の内耳疾患の治療効果を補完および/または増強する他の薬物には、下記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。
他の薬物としては、例えば、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、抗ウイルス薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗凝固薬、抗トロンビン薬、抗血小板薬、血栓溶解薬、抗血栓薬、ファクターXa阻害薬、ファクターVIIa阻害薬、活性化プロテインC製剤、血管拡張薬、ステロイド薬、ビタミンBおよびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、内耳循環改善薬、プロスタグランジン類、ラジカルスカベンジャー、抗めまい薬、抗不安薬、制吐薬、造影剤等が挙げられる。
抗コリン薬としては、例えば、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸ビペリデン、塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、レバトロペート(UK−112166)等が挙げられる。
抗ヒスタミン薬としては、例えば、フマル酸ケトチフェン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸セチリジン、ベシル酸ベポタスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、塩酸オロパタジン、TAK−427、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾンフロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラスト、オーラノフィン、アクリバスチン、塩酸レボカバスチン、ニポラジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸メクリジン、シクリジン等が挙げられる。
抗ウイルス薬としては、例えば、アシクロビル、ガンシクロビル、ホスホノメルノート、イドキシウリジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、ビダラビン、ザナミビル水和物、リン酸オセルタミビル、シドフォビル、ファムシクロビル、フォミビルセン、ホスカルネット、ペンシクロビル、塩酸バラシクロビル等が挙げられる。
ロイコトリエン受容体拮抗薬としては、例えば、プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、アブルカスト、ポビルカスト、スルカスト、イラルカストナトリウム、ベルルカスト、リトルカスト、シナルカスト、ピロドマスト、トメルカスト、ドクアラスト等が挙げられる。
抗凝固薬としては、例えば、ワルファリンカリウム、ヘパリンナトリウム、ダルテバリンナトリウム等が挙げられる。
抗トロンビン薬としては、例えば、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナフォモスタット、アルガトロバン等が挙げられる。
抗血小板薬としては、例えば、ジピリダモール、塩酸チクロピン、アセチルサリチル酸、シロスタゾール、ベラプロストナトリウム、アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル、オザグレルナトリウム、塩酸サルボグレラート等が挙げられる。
血栓溶解薬としては、例えば、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、モンテプラーゼ等が挙げられる。
抗血栓薬としては、例えば、t−PA等が挙げられる。
ファクターXa阻害薬としては、例えば、BAY59−7939、YM150等が挙げられる。
血管拡張薬としては、例えば、例えば、塩酸ジルチアゼム、塩酸トリメタジジン、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、トラピジル、ニコランジル、ベラプロストナトリウム、アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル、リマプロストアルファデクス、リマプロスタット、エポプロステノールナトリウム、ヘプロニカート、塩酸イソクスプリン、塩酸トラゾリン、ジピリダモール除放剤等が挙げられる。
ステロイド薬としては、例えば、アムシノニド、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、ベタメタゾン、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸パラメタゾン、酢酸ベタメタゾン・リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸メチルプレドニゾロン、注射用コハク酸プレドニゾロンナトリウム、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン等が挙げられる。
ビタミンBおよびその誘導体としては、例えば、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサールシアノコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、メコバラミン等が挙げられる。
ビタミンEおよびその誘導体としては、例えば、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム等が挙げられる。
内耳循環改善薬としては、例えば、メシル酸ベタヒスチン、塩酸ジフェニドール、アデノシン三リン酸(ATP)、カルジノゲナーゼ、ニセルゴリン、イブジラスト、ニコチン酸アミド、塩酸パパベリン等が挙げられる。
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、例えば、PGE1製剤(例:アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル等)、PGI2製剤(例:ベラプロストナトリウム等)、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI2受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。
ラジカルスカベンジャーとしては、例えば、エダラボン等が挙げられる。
抗めまい薬としては、例えば、炭酸水素ナトリウム液、メシル酸ベタヒスチン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニドール、塩酸クロルプロマジン、ペルフェナジン、ジプロフィリン、臭化水素酸スコポラミン等が挙げられる。
抗不安薬としては、例えば、クロルジアゼポキシド、オキサゾラム、ジアゼパム、ブロマゼパム、ロフラゼプ酸エチル、アルプラゾラム等が挙げられる。
制吐薬としては、例えば、塩酸メトクロプラミド、ドンペリドン、マレイン酸ペルフェナジン、塩酸ヒドロキシジン、マレイン酸プロクロルペラジン、リンゴ酸チエチルペラジン、クロルプロマジン等が挙げられる。
造影剤としては、例えば、アミドトリゾ酸(ウログラフィン)等が挙げられる。
本発明の薬物、または本発明の薬物と他の薬物の併用薬を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、0.1ngから1000mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、0.1ngから1000mgの範囲で一日一回から数回非経口投与されるか、一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与されるか、または一日から3ヶ月の範囲で局所に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明の薬物、または本発明の薬物と他の薬物の併用薬を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
舌下錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L-ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L-ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L-ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤・乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点眼剤、点耳剤および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により製造、調製される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に研和、または溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造、調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて製造、調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて製造、調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。また、注射剤としては内耳局所に直接投与されるゲル製剤も含まれる。そのようなゲル製剤の基剤としては、例えば、ゼラチン、ヒアルロン酸、ポリペプチド、コレステロールプルラン等が挙げられる。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物、特にEP2アゴニストは、血管拡張作用に加えて、HGF産生亢進作用を有するので、内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制に有用である。
EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物、特にEP2アゴニストが本発明の効果を示すことは、以下の実験によって証明された。以下に実験方法を示すが、これに限定されるものではない。
[生物学的実施例]
生物学的実施例1:in vitro HGF産生作用の測定
ヒト肺線維芽細胞(HFL−1、American Type Culture Collection:ATCC、CCL−153TM)を用いて、被験化合物の肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor:HGF)産生に与える影響を評価した。HFL−1細胞は、10%ウシ胎児血清(Fatal Calf Serum:FCS)含有DMEM培地(GIBCO BRL社)を用いて、24ウェル培養用プレートに1.0×10cells/0.5mL/wellの細胞密度で播種し6日間、37℃で培養した。その後、FCSを含まないDMEM培地に交換し、被験化合物を添加し、さらに3日間同条件下で培養を行った。培養終了後、ヒト肝細胞増殖因子定量キット(human HGF ELISA kit、Cat. No.KAC2212、R&D SYSTEMS社)のマニュアルに従って、培地上清のHGF濃度を測定した。また、被験化合物としてEP2アゴニストである(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(以下、化合物1と略記することがある。)、2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(以下、化合物2と略記することがある。)およびEP4アゴニストであるメチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート(以下、化合物3と略記することがある。)を用いた。溶媒としては、ジメチルスルホキシド(Dimethylsulfoxide:DMSO)を用いた。なお、実験群として、培地群、コントロール群(0.01%DMSO添加)、化合物1添加群(1nM、10nM、100nM、1000nM)、化合物2添加群(1nM、10nM、100nM、1000nM)および化合物3添加群(1nM、10nM、100nM、1000nM)を設定した。
[結果]
HFL−1細胞における被験化合物のHGF産生に対する作用を図1および図2に示した。(図1中の実験群は、1:培地群、2:コントロール群、3〜6:化合物1添加群(左から1nM、10nM、100nM、1000nM)、7〜10:化合物3添加群(左から1nM、10nM、100nM、1000nM)を表す。また、図2中の実験群は、1:培地群、2:コントロール群、3〜6:化合物2添加群(左から1nM、10nM、100nM、1000nM)を表す。)
コントロール群に対して、化合物1、2および3は、添加した濃度に応じて培養上清中のHGF濃度を上昇させることが観察されたことから、EP2アゴニストおよびEP4アゴニストはHGF産生亢進作用を有していることがわかった。
生物学的実施例2:ラット皮膚血流量の測定
CD(SD)IGS系雄性ラット(日本チャールズリバー株式会社、6週齢)を用いて、被験化合物の皮膚血流量に与える影響を評価した。ラットを25%ウレタンにて麻酔し、右頚動脈に血圧測定用のC3カテーテルを挿入し、腹臥位にして37℃の定温マットに載せた。被験化合物投与用の25ゲージの翼付注射針(テルモ株式会社)をラットの尾静脈内に挿入した。血圧、心拍数および血流量が安定した後、上記の翼付注射針を通して、静脈内投与(投与速度:4mL/kg/hr)により、被験化合物として、化合物1(1μg/kg/min)、化合物2(10μg/kg/min)および化合物3(100ng/kg/min)の投与を行った。右足底部に血流量測定用の非接触型プローブを近づけることにより、レーザー血流計(FLO−N1;オメガウェーブ株式会社)を用いて皮膚血流量を測定した。皮膚血流量は投与前の値を100%として、投与中あるいは投与後の値を相対値で表した。皮膚血流量の測定は、30分間以上経時的にモニタリングし、モニタリング中の最大変化量を求めた。
[結果]
各被験化合物のラットにおける皮膚血流量の最大変化量に与える作用を図3に示した。
各被験化合物とも、投与前の値よりも最大血流量が増加した。特に、化合物2および3は、投与前に比べて最大1.5倍に血流を増加させることが観察されたことから、EP2アゴニストおよびEP4アゴニストは血流増加作用を有していることがわかった。
[製剤例]
製剤例1
(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(5g)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(15.0g)、ステアリン酸マグネシウム(10.0g)および乳糖(970g)を常法により混合した後打錠して、一錠中に0.5mgの活性成分を含有する直径6.5mm、厚さ3mm、重量100mgの錠剤10000錠を得た。
製剤例2
(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(2.8g)およびマルトース(400g)を蒸留水に溶解した後、リン酸水素2ナトリウム12水和物20gを加え、蒸留水にて全量を4000mLとした。濾塵フィルターで防塵後、溶液を0.2μm除菌フィルターを用いて滅菌し、1mLずつアンプルに充填し、1アンプル中に0.7mgの活性成分を含有する注射剤4000本を得た。
製剤例3
(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(5.6g)およびマルトース(400g)を蒸留水に溶解した後、リン酸水素2ナトリウム12水和物20gを加え、蒸留水にて全量を4000mLとした。濾塵フィルターで除塵後、溶液を0.2μm除菌フィルターを用いて滅菌し、1mLずつバイアルに充填し、常法により凍結乾燥し、1バイアル中に1.4mgの活性成分を含有する注射剤4000本を得た。
EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物は以下の点で医薬品として有用である。EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上のPGEレセプター結合活性を有する化合物、特にEP2アゴニストは、血管拡張作用に加えて、HGF産生亢進作用を有するので、内耳疾患(例えば、メニエール病、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症、中毒性内耳障害に起因する難聴、突発性難聴または老人性難聴等)の予防および/または治療、および/または内耳疾患に伴う種々の症状(例えば、難聴、耳鳴、めまい、眼振、ふらつき、吐き気、耳痛、耳閉感、自声強調、聴覚過敏および耳漏等)の進展抑制にも有用である。
実験群1(培地群)、実験群2(コントロール群)、実験群3〜6(化合物1添加群)および実験群7〜10(化合物3添加群)におけるヒト肺繊維芽細胞のHGF産生量を示すグラフである。 実験群1(培地群)、実験群2(コントロール群)および実験群3〜6(化合物2添加群)におけるヒト肺繊維芽細胞のHGF産生量を示すグラフである。 各被験化合物におけるラットの皮膚血流量の最大変化量を示すグラフである。

Claims (19)

  1. PGEレセプター結合活性を有する化合物を含有してなる内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制剤。
  2. PGEレセプター結合活性を有する化合物が、EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上である請求項1記載の剤。
  3. PGEレセプター結合活性を有する化合物が、EP2アゴニストおよび/またはEP4アゴニストである請求項2記載の剤。
  4. 内耳疾患が、内耳性めまい疾患または内耳性難聴である請求項1記載の剤。
  5. 内耳性めまい疾患が、メニエール病、前庭神経炎または良性発作性頭位めまい症である請求項4記載の剤。
  6. 内耳性難聴が、中毒性内耳障害に起因する難聴、突発性難聴または老人性難聴である請求項4記載の剤。
  7. 内耳疾患の症状が、難聴、耳鳴、めまい、眼振、ふらつき、吐き気、耳痛、耳閉感、自声強調、聴覚過敏および耳漏から選択される1以上である請求項1記載の剤。
  8. EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上の化合物と、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、抗ウイルス薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗凝固薬、血管拡張薬、ステロイド薬、血栓溶解薬、ビタミンBおよびその誘導体および内耳循環改善薬から選択される1種以上の薬とを組み合わせてなる内耳疾患の予防、治療および/または症状進展抑制用医薬。
  9. EP2アゴニストが、一般式(I)
    Figure 2007023028
    [式中、Tは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表し、Rは、水素原子、水酸基、C1〜6アルキルオキシ基またはC1〜6アシルオキシ基を表し、Eは、炭素原子または窒素原子を表し、Xは、メチレン基、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を表し、Aは主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表し、Dは、保護されていてもよい酸性基を表し、Gは、主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表し、Rは置換基を有していてもよい環状基または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、
    Figure 2007023028
    は、一重結合または二重結合を表し、ただし、2つ同時に二重結合は表さず、
    Figure 2007023028
    は、α−配置またはβ−配置またはそれらの任意の割合の混合物を表す。]で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項2記載の剤。
  10. EP2アゴニストが、一般式(IA)
    Figure 2007023028
    [式中、Rは、カルボキシル基またはヒドロキシメチル基を表し、
    1Aは、酸素原子、メチレン基またはハロゲン原子を表し、
    2Aは、水素原子、水酸基、またはC1〜4のアルコキシ基を表し、
    3Aは、水素原子、C1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基、C2〜8のアルキニル基、または1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8のアルキル基、C2〜8のアルケニル基またはC2〜8のアルキニル基を表し:(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4のアルコキシ基、(3)C3〜7のシクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基;
    nAは、0〜4を表し、
    Figure 2007023028
    は、一重結合または二重結合を表し、
    Figure 2007023028
    は、二重結合または三重結合を表し、
    Figure 2007023028
    は、一重結合、二重結合または三重結合を表し、
    Figure 2007023028
    は、α配置に結合していることを表し、
    Figure 2007023028
    は、β配置に結合していることを表す。]で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項9記載の剤。
  11. EP2アゴニストが、一般式(IB)
    Figure 2007023028
    [式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表し、
    は、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表し、
    は、A1BまたはA2Bを表し、
    1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキニレン基を表し、
    2Bは、−G1B−G2B−G3B−基を表し、
    1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
    2Bは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1〜4アルキレン−環1−基を表し、
    は、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR1B−基を表し、
    1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
    3Bは、(1)単結合、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
    は、D1BまたはD2Bを表し、
    1Bは、(1)−COOH基、(2)−COOR2B基、(3)テトラゾール−5−イル基、または(4)−CONR3BSO4B基を表し、
    2Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)フェニル基、(3)フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(4)ビフェニル基を表し、
    3Bは、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
    4Bは、(1)C1〜10アルキル基、または(2)フェニル基を表し、
    2Bは、(1)−CHOH基、(2)−CHOR5B基、(3)水酸基、(4)−OR5B基、(5)ホルミル基、(6)−CONR6B7B基、(7)−CONR6BSO8B基、(8)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、(9)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基、(10)−COOR9B基、(11)−OCO−R10B基、(12)−COO−Z1B−Z2B−Z3B基、または
    (13)
    Figure 2007023028
    を表し、
    5Bは、C1〜10アルキル基を表し、
    6BおよびR7Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
    8Bは、フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
    9Bは、(1)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいビフェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(2)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたビフェニル基を表し、
    10Bは、(1)フェニル基、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
    mBは、1または2を表し、
    1Bは、(1)C1〜15アルキレン基、(2)C2〜15アルケニレン基、または(3)C2〜15アルキニレン基を表し、
    2Bは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1B−基、(5)−NRZ2BCO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2B−基、(10)−NRZ2BSO−基、(11)−NRZ3B−基、(12)−NRZ4BCONRZ5B−基、(13)−NRZ6BCOO−基、(14)−OCONRZ7B−基、または(15)−OCOO−基を表し、
    3Bは、(1)水素原子、(2)C1〜15アルキル基、(3)C2〜15アルケニル基、(4)C2〜15アルキニル基、(5)環Z、または(6)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NRZ8B−基、または環Zで置換されたC1〜10アルキル基を表し、
    環Zは、(1)炭素環または(2)複素環を表し、
    Z1B、RZ2B、RZ3B、RZ4B、RZ5B、RZ6B、RZ7B、およびRZ8Bは、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、
    Z1BとZ3B基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の含窒素複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1個のヘテロ原子を含んでもよく、
    環Z、およびRZ1BとZ3Bが結合している窒素原子と一緒になって表される5〜7員の含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;
    (1)C1〜15アルキル基、(2)C2〜15アルケニル基、(3)C2〜15アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、またはC1〜10アルキル−NRZ9B−基で置換されたC1〜10アルキル基;
    Z9Bは水素原子、またはC1〜10アルキル基を表し、
    は、E1BまたはE2Bを表し、
    1Bは、
    Figure 2007023028
    を表し、
    11Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)C1〜10アルキルチオ基、(3)C3〜8シクロアルキル基で置換されたC1〜10アルキル基、(4)環2で置換されたC1〜10アルキル基、または(5)−W1B−W2B−環2で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
    1Bは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1B−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1BSO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表し、
    11−1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
    2Bは、(1)単結合、または(2)C1〜4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表し、
    2Bは、(1)U1B−U2B−U3B基、または(2)環4基を表し、
    1Bは、(1)C1〜4アルキレン基、(2)C2〜4アルケニレン基、(3)C2〜4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1〜4アルキレン基−環3−基、(6)C2〜4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2〜4アルキニレン基−環3−基を表し、
    2Bは、(1)単結合、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12B−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12BSO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表し、
    12Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
    3Bは、(1)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、およびNR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基、(2)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、(3)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1〜8アルキル基、または(5)環4基を表し、
    13BおよびR14Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
    環1、環2、環3、または環4は、1〜5個のRで置換されていてもよく、
    は、(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR15B16B基、(10)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(13)−NR15B16B基で置換されたC1〜10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2〜10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2〜10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1〜10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(21)COOR17B基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、または(25)C2〜10アシル基を表し、
    15B、R16B、およびR17Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
    環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    (1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基;
    環1、環2、環3、環4、および環5は、それぞれ独立して、(1)炭素環、または(2)複素環を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項9記載の剤。
  12. EP2アゴニストが、(1)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、および(2)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−アリルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項10記載の剤。
  13. EP2アゴニストが、(1)2−[(2−{(2R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(2)2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、(3)2−{[2−((5R)−2−オキソ−5−{[3−トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}ピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、および(4)2−[(2−{(2R)−2−[(ヘプチルアミノ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項11記載の剤。
  14. EP2アゴニストが、リマプロストである請求項9記載の剤。
  15. EP4アゴニストが、(1)11α,15α−ジヒドロキシ−9−オキソ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−3,7−ジチアプロスト−13E−エン酸、(2)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、および(3)(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(4−フルオロフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チア−8−アザプロスト−13−エン酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項2記載の剤。
  16. EP1アンタゴニストが、(1)6−[(2S,3S)−3−(4−クロロ−2−メチルフェニルスルフォニルアミノメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル]−5Z−ヘキセン酸、および(2)4−[2−(N−イソブチル−2−フラニルスルフォニルアミノ)−5−トリフルオロメチルフェノキシメチル]桂皮酸から選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項2記載の剤。
  17. EP3アンタゴニストが、2−(2−((4−メチル−2−(ナフタレン−1−イル)ペンタノイル)アミノ)−4−(ピラゾール−1−イルメチル)ベンジル)安息香酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項2記載の剤。
  18. EP2アゴニスト、EP4アゴニスト、EP1アンタゴニストおよびEP3アンタゴニストから選択される1種以上の化合物を含有してなる内耳神経の神経再生および/または神経保護剤。
  19. EP2アゴニストが、(1)(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、(2)2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)スルファニル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、および(3)リマプロストから選択される化合物、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項18記載の剤。
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