JP2007021580A - スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット Download PDF

Info

Publication number
JP2007021580A
JP2007021580A JP2006161048A JP2006161048A JP2007021580A JP 2007021580 A JP2007021580 A JP 2007021580A JP 2006161048 A JP2006161048 A JP 2006161048A JP 2006161048 A JP2006161048 A JP 2006161048A JP 2007021580 A JP2007021580 A JP 2007021580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
backing plate
solder alloy
target material
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006161048A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Ono
直紀 尾野
Taizo Morinaka
泰三 森中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2006161048A priority Critical patent/JP2007021580A/ja
Publication of JP2007021580A publication Critical patent/JP2007021580A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【解決手段】本発明のはんだ合金は、スパッタリングターゲット製造の際にターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとの接合に用いられるはんだ合金であって、Znを3〜9重量%含み、残部がSnおよび不可避的不純物からなることを特徴としている。
【効果】本発明のはんだ合金によれば、高温時においても高い接合強度を有する接合材層を形成できるため、過酷なスパッタリング条件下でもターゲット材がバッキングプレートから剥離するのを防止でき、さらに接合時におけるバッキングプレートのCu侵食量を著しく低減して、該バッキングプレートの繰り返し使用による強度劣化を防止できる。また、本発明のはんだ合金によれば、裏打ち膜不要となる程度にターゲット材との濡れ性が優れているため、裏打ち膜の作製に必要な装置と工程を省略でき、スパッタリングターゲットの生産性を大幅に向上できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲットに関する。より詳しくは、本発明は、ターゲット材とバッキングプレートとを接合してスパッタリングターゲットを製造する際に用いられ、高温時においても接合強度が高く、さらにCu製もしくはCu合金製バッキングプレートに対する侵食が極めて微量な、はんだ合金およびこれを用いて製造されたスパッタリングターゲットに関する。
従来、薄膜形成法の1つとしてスパッタリング法が知られている。
スパッタリングに用いられるターゲット材は、スパッタリング時にイオンなどの高エネルギー粒子による衝撃を受け続けるため、熱が内部に蓄積し高温となる。このため熱伝導性の良い材料、通常、CuやCu合金からなるバッキングプレートと呼ばれる冷却板をターゲット材に接合し、このバッキングプレートを冷却することにより、ターゲット材の熱を逃がすようにしている。
ターゲット材とバッキングプレートとの接合は、接合材を介してなされたり、拡散接合によってなされたりしているが、前者の接合材を使用する方法がより一般的である。
接合材としては、従来、低融点であるInやInを主成分とするIn合金が広く用いられてきた(特許文献1参照)。
しかしながら、InやIn合金からなる接合材では、近年のフラットパネルディスプレイ業界におけるマザーガラスの大型化の要請に伴うターゲット材の大面積化および厚型化に対応できないという問題があった。具体的には、ターゲット材の大面積化に起因するターゲット材自身の反りによって、ターゲット材がバッキングプレートから剥離するという問題、さらに、スパッタリング時の投入電力密度増加に起因するターゲット材の温度上昇ならびにターゲット材の厚型化に起因するスパッタリング時の冷却効率の悪化などにより接合材層が高温になった際に、接合材の接合強度不足によってターゲット材がバッキングプレートから剥離するという問題が発生している。またInは価格が高騰していることからコスト面で不利であるという問題もある。
このような問題に対して、純Snを接合材として用いて接合する方法が一般に行われている。しかしながら、純Snはバッキングプレート材であるCuもしくはCu合金と反応し、バッキングプレートを浸食する。
一般に、バッキングプレートは、接合された使用済ターゲット材を剥ぎ取り、新品のターゲット材を接合して繰り返し使用されるが、接合の度にバッキングプレートが侵食されると、バッキングプレートの厚さは徐々に薄くなり、それ自身の強度が弱くなる。その結果、強度低下による反りが引き起こされ、最終的には接合したターゲット材の反りや割れといった問題が発生する。また、バッキングプレートは、その内部に冷却水路を設けているものが多いため、強度低下や反りにより漏水する恐れもある。
このようなバッキングプレートの侵食の問題に対して、バッキングプレートをNiメッキする方法が知られている。しかしながら、この方法もメッキしたNiが侵食されるため、バッキングプレートを繰り返し使用するには定期的にNiメッキを施す必要があり、生産効率やコストの点から好ましい解決法とはいえない。
また特許文献2には、In(30〜60重量%)−Sn(30〜60重量%)−Zn(0.1〜10重量%)からなる、はんだ合金を用いて接合されたスパッタリングターゲットが記載されている。しかしながら、このようにInを27重量%以上含むと、金属間化合物であるβ−In3Snが生成して低融点化するため、高温時の接合強度不足を招き、
ターゲット材とバッキングプレートとの剥離の問題を解決できない。
特許文献3には、ターゲット材とクロム銅製のバッキングプレートとの間に2層の接合材層が設けられたスパッタリングターゲットが記載されている。このなかで、ターゲット材と接触する第1の接合材層の接合材としてSn(90〜70重量%)−Zn(10〜30重量%)合金が記載され、バッキングプレートと接触する第2の接合材層の接合材としてIn−Au−Sn合金が記載されている。しかしながら、第1の接合材は、Znを多量に含んでいるため、酸化物が生成しやすく、接合強度が低下するという問題があり、さらには、第2の接合材がPbを1000ppm以上含んでおり、環境に与える影響が大きく、RoHS指令などの法規制にも反するため、実際には使用できない。
特許文献4には、剥離の生じ難いスパッタリングターゲットの提供を目的として、Al系ターゲットとAl系バッキングプレートとをSn−Pb−Agはんだ合金で接合したスパッタリングターゲットが記載されている。しかしながら、該はんだ合金はPbを1000ppm以上含んでいるため、上記と同じ理由で実際には使用できない。
特許文献5には、Al(0.01〜3.0重量%)−In(0.1〜50重量%)−Ag(0.1〜6.0重量%)−Cu(0〜6.0重量%)−Zn(0〜10.0重量%)−Sn(残部)からなる、鉛フリーはんだが記載されている。このようにプリント基板用途等の電子部品向け鉛フリーはんだとしては、多元系(3元系、4元系、さらには5元系以上)合金が一般的に使用されているが、多元素を調合する必要があるうえ、設備費などのコストがかかる。たとえば、特許文献5の場合には、融点が962℃であるAgを偏析なく溶解するための高温炉等の設備やAg原料費が必要となる。さらに、これらのはんだ合金を大面積(例えば1.5m角以上)のターゲット材を接合するための接合材として使用した場合には、接合面内でのはんだの組成偏析、強度ムラが発生し易いという問題がある。また、はんだ合金のAgやInの含有量によっては、Agとバッキングプレートに含まれるCuとが反応し金属間化合物を生成して接合強度が低下したり、InとSnとが反応し金属間化合物(たとえばβ−In3Sn)を生成して低融点化し高温時の接合強度が
不足したりして、ターゲット材とバッキングプレートとの剥離の問題を解決できない。
特許文献6には、プリント基板用途等の電子部品向け鉛フリーはんだとして、Sn−Zn(9重量%)合金が知られていることが記載され、さらにZn(3〜5重量%)−Bi(10〜23重量%)−Sn(残部)からなるはんだ合金が提案されている。しかしながら、これらは、プリント基板用途等の電子部品向け鉛フリーはんだであって、スパッタリングターゲット製造に用いられる接合材についての記載は存在しない。また、後者の量のBiを添加すると、はんだの融点が著しく低下し、高温時の接合強度が不足するため、ターゲット材とバッキングプレートとの剥離といった問題を解決できない。
特許文献7には、Sn(85〜92重量%)−Ag(1〜6重量%)−In(4〜10重量%)からなる鉛フリーはんだ合金が、また特許文献8には、Sn(92〜97重量%)−Ag(3〜6重量%)−Cu(0.1〜2.0重量%)からなる鉛フリーはんだ合金が記載されている。しかしながら、このようにZnを含まない組成では、Cu製もしくはCu合金製バッキングプレートの侵食という問題を解決できない。さらに上記組成では、Agを2000ppm以上含むため、Agとバッキングプレートに含まれるCuとが反応し金属間化合物を生成し、接合強度が低下する恐れもある。
特許文献9には、Sn(91.2重量%)−Zn(8.8重量%)の鉛フリーはんだが知られていることが記載されているが、これは光学装置およびマイクロエレクトロニクス装置のはんだ付けに使用される鉛フリーはんだであって、スパッタリングターゲット製造に用いられる接合材についての記載は存在しない。
特許文献10には、スパッタリングターゲットの製造の際に、ターゲット材がCu等で作製されたバッキングプレートに低融点ロウ材(Sn−Znはんだ等)で接合されることが記載されている。しかしながら、Sn−Znはんだの具体的な組成については何ら記載されていない。
また、従来、ターゲット材と接合材との濡れ性が悪い場合には、ターゲット材の接合面に裏打ち膜とよばれるCu膜やNi−Cu合金膜をスパッタや蒸着により成膜し、濡れ性を確保するという手法がとられていたが、このような方法では成膜装置が必要でコストがかかる上、工程数が増えるため生産性が低下するという問題があった。
特開平7−48667号公報 特開平7−227690号公報 特開平8−269704号公報 特開平10−46327号公報 特開2000−141078号公報 特開平8−164495号公報 特開平8−187591号公報 特開平9−326554号公報 特開平8−118067号公報 特開2001−340959号公報
本発明は、ターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとを接合してスパッタリングターゲットを製造する際に用いられ、高温時においても接合強度が高く、さらに接合によるバッキングプレートの侵食が極めて微量な、はんだ合金およびこれを用いて製造されたスパッタリングターゲットを提供することを課題としている。
さらに、本発明は、裏打ち膜不要となる程度にターゲット材との濡れ性が優れる、はんだ合金およびこれを用いて製造されたスパッタリングターゲットを提供することをも課題としている。
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、Snを主成分として特定量のZnを含む2元系のはんだ合金を、ターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとを接合するための接合材として用いると、過酷なスパッタリング条件下で接合材層の温度が上昇した場合でも、接合強度を高く維持し、ターゲット材がバッキングプレートから剥離するのを防止できること、さらに該はんだ合金によればバッキングプレートの侵食量を著しく低減できる上、ターゲット材との濡れ性も向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
本発明に係るはんだ合金は、スパッタリングターゲット製造の際にターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとの接合に用いられるはんだ合金であって、Znを3〜9重量%含み、残部がSnおよび不可避的不純物からなることを特徴としている。
本発明では、前記ターゲット材は、金属または合金からなることが好ましく、AlまたはAl合金からなることがより好ましい。
また、本発明に係るスパッタリングターゲットは、前記はんだ合金を用いて、ターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとを接合して得られることを特徴としている。
本発明のはんだ合金によれば、高温時においても高い接合強度を有する接合材層を形成できるため、過酷なスパッタリング条件下でもターゲット材がバッキングプレートから剥離するのを防止でき、さらに接合時におけるバッキングプレートのCu侵食量を著しく低減して、該バッキングプレートの繰り返し使用による強度劣化を防止できる。
また、本発明のはんだ合金は、裏打ち膜不要となる程度にターゲット材との濡れ性が優れているため、裏打ち膜の作製に必要な装置と工程を省略でき、スパッタリングターゲットの生産性を大幅に向上できる。
また本発明のスパッタリングターゲットによれば、マザーガラスの大型化の要請に沿い、大面積の薄膜形成を安定に行うことができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<スパッタリングターゲット製造用はんだ合金>
本発明のはんだ合金は、スパッタリングターゲットの製造の際にターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとの接合に用いられる接合材であって、Znを3〜9重量%の量で含み、残部がSnおよび不可避的不純物からなることを特徴としている。ここで、不可避的不純物とは、合金に不可避的に含まれるごく微量の、ZnおよびSn以外の他の元素を意味する。言い換えれば、本発明のはんだ合金は、実質的にはSnとZnとからなる。
該はんだ合金は、Snを主成分として含有しているため、高温時においても高い接合強度を維持できる。具体的には、ターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとを該はんだ合金を用いて接合した場合の150℃における接合強度は、2.5kgf/mm2以上、好ましくは3.0kgf/mm2以上に達し得る。なお、この場合、接合強度の上限値はとくに限定されない。該はんだ合金は、このように高温時の接合強度が高いため、ターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとを該はんだ合金を用いて接合した後、過酷なスパッタリング条件下で接合材層の温度が上昇した場合でも、ターゲット材がバッキングプレートから剥離するのを防止できる。
さらに、該はんだ合金は、Znを上記特定の範囲内の量で含有しているため、はんだ合金中のSnと、バッキングプレートを構成する主要な元素であるCuとの反応を抑制して、接合時におけるバッキングプレートの侵食量を著しく低減できる上、はんだ合金の融点を好ましい範囲に調節でき、しかもターゲット材との濡れ性をも向上できる。
該はんだ合金のZnの含有量が上記下限値未満であると、接合時にバッキングプレートのCuの侵食量が多くなることがあり、ターゲット材、とくにAl製ターゲット材との濡れ性が低下する傾向がある。一方、Znの含有量が上記上限値を超えると、酸化物が生成しやすくなり、接合強度が低下する傾向がある。
本発明のはんだ合金を接合材として適用できるバッキングプレートの材質としては、該
はんだ合金との濡れ性がよく、接合強度がとくに高くなる点から、CuおよびCu合金が好ましく、Cuがより好ましい。Cu合金としては、クロム銅などのCuを主成分とする合金が挙げられる。本発明のはんだ合金によれば、上記Cu製もしくはCu合金製バッキングプレートとターゲット材とをはんだ合金で接合する際の、バッキングプレートのCuの侵食量を著しく低減できるため、該バッキングプレートの繰り返し使用による強度劣化を防止できる。
上記はんだ合金の融点は、198〜220℃であることが望ましい(なお、Sn−Zn合金の共晶点は198℃である。)。はんだ合金の融点が220℃を超えると、はんだ合金およびバッキングプレートの酸化が促進され、接合強度が低下する恐れがあり、また、高温のため作業性を確保できず生産性や歩留りが低下する。
本発明のはんだ合金を接合材として適用しうる、ターゲット材の材質としては、とくに限定されないが、具体的には、Al、Ti、Mo、Ta、Nb、Cu、Cr、Agのいずれか1種の金属またはSi、あるいはこれらの少なくとも1種を主成分として含有する合金が挙げられる。
上記合金としては、たとえば、Al−Ni合金、Al−Nd合金、Al−Cu合金、Al−Ti合金などのAl合金;Ti−W合金などのTi合金;Mo−W合金などのMo合金;Ag−Pd合金、Ag−Au合金などのAg合金;Cu−Ni合金などのCu合金;Cr−Ni合金などのCr合金などが挙げられる。これらの合金組成は、スパッタリングによって得ようとする薄膜の組成に従い、適宜決定でき、とくに制限されない。
これらのうち、スパッタリングにより大電力を投入した際に温度が上昇しやすく、本発明の効果がより有効に発揮されうる点からは、Alターゲット材あるいはAl合金ターゲット材が好ましく挙げられる。一般に、このようなAlまたはAl合金製ターゲット材の接合にInやSnを接合材として使用する場合には、ターゲット材との濡れ性が悪いため、ターゲット材の接合面に裏打ち膜とよばれるCu膜やNi−Cu合金膜をスパッタや蒸着により成膜し、濡れ性を確保するという手法が採用されてきた。しかしながら、このような方法は、成膜装置が必要でコストがかかる上、工程が増えるため生産性が低下することから望ましい方法ではない。
これに対して、本発明のはんだ合金は、AlまたはAl合金製ターゲット材を接合する場合でも濡れ性がよいため、上記裏打ち膜を形成する必要はとくになく、コストダウンおよび生産性の向上に資することができる。
本発明のはんだ合金は、上述した各成分を上記の量で含まれるように、公知の方法で、計量、添加、撹拌、混合、加熱、溶融、冷却等することで得ることができ、その製造方法はとくに限定されない。
<スパッタリングターゲット>
本発明のスパッタリングターゲットは、上述したターゲット材とバッキングプレートとを、通常の方法で、本発明のはんだ合金から形成される接合材層を介して接合することによって製造することができる。
上記ターゲット材およびバッキングプレートの形状は、これらの接合面が実質的に平行であればよく、それ自体の形状は特に限定されない。なお、必要に応じて、上記ターゲット材の接合面にはんだ合金との濡れ性をより向上させるため、公知の手法により粗面化処理を施してもよい。
具体的には、たとえば、上記ターゲット材の接合面を、フライスや旋盤、平面研削盤などで加工し、必要に応じて粗面化処理を施した後、有機溶剤等を用いた洗浄により脱脂し、該ターゲット材をはんだ合金の融点以上に加熱した状態で、はんだ合金をターゲット材の接合面にディッピングにより塗布し、接合材層を形成するとともに、バッキングプレートを同様に脱脂し、はんだ合金の融点以上に加熱して、これらの接合面同士を、接合材層を介した状態で合わせ適宜加圧すればよい。加圧時の圧力はとくに限定されないが、ターゲット面積に対して通常0.0001〜0.1MPaであるとよい。
また、必要な場合には、同様にしてターゲット材の接合面に接合材層を形成するとともに、同様に脱脂し加熱したバッキングプレートの接合面にもはんだ合金を塗布し、接合材層を形成した後、はんだ合金の融点以上に加熱した状態でこれらの接合面同士を、接合材層を介した状態で合わせ加圧してもよい。
このようにして得られるスパッタリングターゲットの接合材層は、はんだ合金の抵抗を考慮すると、通常2mm以下、好ましくは0.1〜1mmの厚さを有しているとよい。さらに、得られたスパッタリングターゲットを室温まで冷却した後に矯正仕上げを行ってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2、比較例1〜6]
Sn(純度99.99%)、Zn(純度99.99%)を原料として、これらをSn/
Zn(重量%)=97/3、91/9の割合で含むSn−Znはんだ合金(各順にサンプルNo.1、2という)を調製した。
また、比較対照として、同原料をSn/Zn(重量%)=100/0、99/1、90/10、85/15の割合で含むSn−Znはんだ合金(サンプルNo.3〜6という)を調製した。
さらに、比較対照として、In(純度99.99%)、Sn(純度99.99%)を原料として、これらをIn/Sn(重量%)100/0、15/85の割合で含むはんだ合金
(各順にサンプルNo.7、8という)を調製した。
得られたサンプルNo.1〜8を用いて、以下の方法で(1)融点と(2)接合強度の温度
依存性と(3)バッキングプレート(Cu)の侵食量と(4)Al製ターゲット材との濡れ性を評価した。
評価結果を表1に示す。
(1)融点の測定方法
上記サンプルNo.1〜8それぞれについて、示差熱分析装置TG-DTA2000S(MAC Science社
製)にて昇温速度20℃/時間で300℃まで加熱した時の吸熱反応ピーク値を測定し、該ピーク値の温度を融点とした。
(2)接合強度の測定方法
上記サンプルNo.1〜8をそれぞれ使用して、裏打ち膜なしのφ10mm×50mmの円柱状
のAlターゲット材と20mm×20mm×5mmtのCu製バッキングプレートとを接合し
、引張り試験装置オートグラフAGS-500B(島津製作所製)を用いて室温(23℃)における接合強度を測定した。また、接合部付近を熱電対で温度を計測しながらHeating Gun(白
光社製)で加熱し、温度上昇時(60、90、120、150℃)の接合強度についても、同様にそれぞれ測定した。
(3)バッキングプレート(Cu)侵食量の測定方法
上記サンプルNo.1〜8をそれぞれ、ホットプレート上で260℃に加熱したCu製バッキングプレート50×50mm□内に超音波ハンダゴテを用いて下塗りした。下塗り後、バッキングプレート上のはんだ合金をシリコンラバーのハケで削ぎ取り、削ぎ取ったはんだ合金をICP(SPS5100;エスアイアイナノテクノロジー製)を用いて分析し、Cu量を定量し
た。
(4)Alターゲット材との濡れ性の評価方法
上記サンプルNo.1〜8をそれぞれ、ホットプレート上で260℃に加熱したAl製ターゲット材50×50mm□内に超音波ハンダコテを用いて10秒間下塗りした。次いで、Al製ターゲット材を、一旦室温まで冷まし、再び260℃まで加熱した後、該Al製ターゲット材上
のはんだ合金をシリコンラバーのハケで削ぎ取った。その後、はんだ合金が剥げずにAl製ターゲット材上に一面に均一に残っているかを目視にて観察し、濡れ性がよく、はんだ合金が一面に均一に残り、剥げていないものを○で、濡れ性が悪く、はんだ合金が剥げたものを×で評価した。
Figure 2007021580
表1より、実施例1および2(サンプルNo.1,2)は、比較例2〜6(サンプルNo.3〜8
)と異なり、高温時の接合強度が高く、かつバッキングプレート由来のCuの侵食量が著しく低減されており、さらにAl製ターゲット材との濡れ性も良好であることがわかる。
また、実施例1および2(サンプルNo.1,2)は、その融点もスパッタリングターゲット製造作業の効率を上げるうえで、好ましい範囲にあることがわかる。
[実施例3〜17]
上記実施例2のサンプルNo.2(Sn/Zn(重量%)=91/9)のはんだ合金を用いて、裏打ち膜なしのφ10mm×50mmの円柱状の各種ターゲット材(Al合金、Ti、Ti合金、Mo、Mo合金、Ta、Si、Nb、Cu、Cr、Ag、Ag合金)と20mm×20mm×5mmtのCu製バッキングプレートとを接合し、引張り試験装置オートグラフAGS
-500B(島津製作所製)を用いて室温(23℃)における接合強度を測定した。また、接合
部付近を熱電対で温度を計測しながらHeating Gun(白光社製)で加熱し、温度上昇時(60、90、120、150℃)の接合強度についても、それぞれ測定した。
その結果を表2に示す。
なお、各バッキングプレート(Cu)の侵食量を実施例2と同様の方法で測定したところ、実施例2の結果とほぼ同じ値となった。
Figure 2007021580
表2より、本発明のはんだ合金を使用して、ターゲット材とCu製バッキングプレートとを接合した場合には、ターゲット材の種類に拘わらず、高温時の接合強度が高く維持されていることがわかる。

Claims (4)

  1. スパッタリングターゲット製造の際にターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとの接合に用いられるはんだ合金であって、Znを3〜9重量%含み、残部がSnおよび不可避的不純物からなることを特徴とするはんだ合金。
  2. 前記ターゲット材が、金属または合金からなることを特徴とする請求項1に記載のはんだ合金。
  3. 前記ターゲット材が、AlまたはAl合金からなることを特徴とする請求項1に記載のはんだ合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のはんだ合金を用いて、ターゲット材とCu製もしくはCu合金製バッキングプレートとを接合して得られることを特徴とするスパッタリングターゲット。
JP2006161048A 2005-06-15 2006-06-09 スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット Pending JP2007021580A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006161048A JP2007021580A (ja) 2005-06-15 2006-06-09 スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005175628 2005-06-15
JP2006161048A JP2007021580A (ja) 2005-06-15 2006-06-09 スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007021580A true JP2007021580A (ja) 2007-02-01

Family

ID=37783004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006161048A Pending JP2007021580A (ja) 2005-06-15 2006-06-09 スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007021580A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101056059B1 (ko) 2008-12-01 2011-08-10 주식회사 코멧네트워크 타겟 접합제
CN103785911A (zh) * 2012-10-30 2014-05-14 宁波江丰电子材料有限公司 靶材组件的焊接方法
JPWO2014007151A1 (ja) * 2012-07-04 2016-06-02 Jx金属株式会社 スパッタリングターゲット
JP2017060990A (ja) * 2015-09-23 2017-03-30 住華科技股▲フン▼有限公司Sumika Technology Co.,Ltd はんだ、スパッタリングターゲット材およびスパッタリングターゲット材の作製方法
US20180282859A1 (en) * 2017-03-31 2018-10-04 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Sputtering target-backing plate assembly and production method thereof
JP2020059915A (ja) * 2019-03-20 2020-04-16 Jx金属株式会社 スパッタリングターゲット−バッキングプレート接合体及びその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101056059B1 (ko) 2008-12-01 2011-08-10 주식회사 코멧네트워크 타겟 접합제
JPWO2014007151A1 (ja) * 2012-07-04 2016-06-02 Jx金属株式会社 スパッタリングターゲット
CN103785911A (zh) * 2012-10-30 2014-05-14 宁波江丰电子材料有限公司 靶材组件的焊接方法
JP2017060990A (ja) * 2015-09-23 2017-03-30 住華科技股▲フン▼有限公司Sumika Technology Co.,Ltd はんだ、スパッタリングターゲット材およびスパッタリングターゲット材の作製方法
US20180282859A1 (en) * 2017-03-31 2018-10-04 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Sputtering target-backing plate assembly and production method thereof
JP2018172740A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 Jx金属株式会社 スパッタリングターゲット−バッキングプレート接合体及びその製造方法
US11414745B2 (en) 2017-03-31 2022-08-16 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Sputtering target-backing plate assembly and production method thereof
JP2020059915A (ja) * 2019-03-20 2020-04-16 Jx金属株式会社 スパッタリングターゲット−バッキングプレート接合体及びその製造方法
JP6991172B2 (ja) 2019-03-20 2022-01-12 Jx金属株式会社 スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5285079B2 (ja) はんだ合金および半導体装置
CN101529583B (zh) 功能部件用盖及其制造方法
KR100875125B1 (ko) 스퍼터링 타겟 제조용 땜납합금 및 이를 이용한 스퍼터링타겟
JP2007021580A (ja) スパッタリングターゲット製造用はんだ合金およびこれを用いたスパッタリングターゲット
CN109732166B (zh) 一种硬质合金与奥氏体不锈钢的扩散钎焊方法
JP6036202B2 (ja) Au−Ag−Ge系はんだ合金
KR100771434B1 (ko) 스퍼터링 타겟의 제조방법 및 스퍼터링 타겟
KR100785208B1 (ko) 스퍼터링 타깃 제조용 땜납 합금 및 이것을 이용한스퍼터링 타깃
EP0587307B1 (en) Aluminium alloys
JP5672132B2 (ja) Znを主成分とするPbフリーはんだ合金およびその製造方法
US20130048153A1 (en) High-Temperature Solder with Multi-Layer Structure and Manufacturing Method Thereof
TW201837218A (zh) 清洗濺鍍靶的靶材的方法、靶材的製造方法、再生鑄錠的製造方法及再生鑄錠
JP6887183B1 (ja) はんだ合金および成形はんだ
JP5526997B2 (ja) Bi系はんだ接合用の電子部品と基板及び電子部品実装基板
JP2017035708A (ja) Pbを含まないSb−Cu系はんだ合金
SK500792017U1 (sk) Mäkká bezolovnatá aktívna spájka a spôsob spájkovania
CN111001923B (zh) 一种搅拌工具表面处理方法
TWI511827B (zh) Active soft solder filler composition
JP5652001B2 (ja) Znを主成分とするPbフリーはんだ合金
JP2011235314A (ja) Znを主成分とするPbフリーはんだ合金
JP2016052687A (ja) はんだ接着体
CN109175573A (zh) 一种Cu-Ni合金化基板与无铅钎料的焊点及其制备方法
JP2022026897A (ja) 積層体および積層体の製造方法
JP2013132643A (ja) はんだ接着体
JP2011240372A (ja) Znを主成分とするPbフリーはんだ合金

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090624

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090630

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20090817

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020