JP2007021550A - レーザ溶接装置、レーザ溶接システム、およびレーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接装置、レーザ溶接システム、およびレーザ溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバーが自在に移動可能なレーザ溶接装置を提供する。
【解決手段】レーザを導く光ファイバー6をX軸およびY軸で回転自在に保持し、エンコーダ14、15によりそれぞれの回転量を計測して、計測された回転量と逆方向に反射鏡11をモータ16および17により回動させことで、レーザの反射鏡11からの照射方向が光ファイバー6の移動に関わらず常に一定となるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ溶接装置、レーザ溶接システム、およびレーザ溶接方法に関する。
近年、ロボットを利用した溶接にもレーザ溶接が用いられるようになってきている。従来、このような溶接技術として、ロボットアーム先端に取り付けたレーザ溶接装置は溶接点から離して停止させた上で、レーザ溶接装置内部の反射鏡を回動させることでレーザを振り分け、複数の溶接点を溶接する技術がある(たとえば特許文献1参照)。このようなワークから離れたところからレーザにより溶接を行う技術をリモート溶接と呼んでいる。
特許第3229834号
このようなリモート溶接においては、レーザをレーザ発信器からロボットアーム先端に取り付けたレーザ溶接装置にまで導くために光ファイバーケーブルが用いられている。この光ファイバーケーブルは柔軟性を持つものではあるが、これまでのスポット溶接などに用いられている電気配線と比べると、曲げに対する強度が少なく、また、ロボット本体やロボットアームなどとぶつかったときの衝撃などに弱いという特性を持つ。
このため、ロボットの動作を遅くしたり、光ファイバーケーブルの曲がりが少なくなるようにロボットの姿勢を制御するなど、ロボットの使用に際して制約が生じているのが現状である。
そこで本発明の目的は、ロボットアーム先端にレーザ溶接装置を取り付けた場合でも、ロボットの動作および姿勢制御における制約を少なくすることのできるレーザ溶接装置を提供することである。また、このレーザ溶接装置を用いた溶接システムを提供することである。さらに、このレーザ溶接装置を用いたレーザ溶接方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、
レーザを導く光ファイバーケーブルを移動自在に保持する保持手段と、光ファイバーケーブルの移動量を計測するファイバー移動量計測手段と、前記光ファイバーケーブルから射出された前記レーザを反射させる反射手段と、前記反射手段による前記レーザの反射角度を変更するために前記反射手段を動かす駆動手段と、前記ファイバー移動量計測手段によって計測された前記光ファイバーケーブルの移動量に応じて前記反射手段による前記レーザの反射角度を補正するように前記駆動手段を制御する補正手段と、を有することを特徴とするレーザ溶接装置である。
本発明によれば、光ファイバーケーブルは自在に移動可能とし、その移動によるレーザの射出方向の変化を光ファイバーケーブルの移動量に応じて反射手段を動かすことで補正することとしたので、光ファイバーケーブルが移動しても反射手段はから反射されたレーザの射出方向は、光ファイバーケーブルの移動に関わらず常に一定に保つことが可能となる。したがって、光ファイバーケーブルが自在に動けることで光ファイバーケーブル自体の損傷を防ぎ、ロボットの動作および姿勢制御における制約を少なくしてすることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したレーザ溶接システムを説明するための概略斜視図、図2はレーザ加工ヘッド(レーザ溶接装置)を説明するための概略透視図である。
なお、本実施形態におけるレーザ溶接装置は、ロボットアームの先端に取り付けることを想定したものである。このため、レーザ溶接装置をレーザ加工ヘッドと称する。
図示するレーザ溶接システムを用いた溶接は、これまでのスポット溶接などと比較して、溶接冶具が直接ワークと接触せずに、レーザを用いてワークから離れた場所から溶接するものである。このためこのような溶接をリモート溶接と称している。
図示したレーザ溶接システムは、ロボット1と、このロボット1のアーム2先端に設けられ、レーザ100を射出するレーザ加工ヘッド3と、レーザ光源であるレーザ発振器5と、レーザ発振器5からレーザ加工ヘッド3までレーザを導く光ファイバーケーブル6とからなる。レーザ発振器5は、レーザを光ファイバーケーブル6によって導くためにYAGレーザ発振器を用いている。
ロボット1は、一般的な多軸ロボット(多関節ロボットなどとも称されている)などであり、教示作業によって与えられた動作経路のデータに従い、その姿勢を変えてアーム2の先端、すなわちレーザ加工ヘッド3をさまざまな方向に移動させることができると共にレーザ加工ヘッド3の向きも変更可能となっている。
レーザ加工ヘッド3は、レーザ溶接装置である。このレーザ加工ヘッド3は、図2に示すように、光ファイバーケーブル6によって導かれたレーザ100を、最終的に目的物方向へ射出する反射鏡11(反射手段)と、レーザ100を所定の位置に集光させるためのレンズ郡12と、光ファイバーケーブル6を移動自在に保持する保持機構13(保持手段)と、光ファイバーケーブル6の移動角度を計測するためのエンコーダ14および15(ファイバー移動量計測手段)と、反射鏡11を回動させるモータ16および17(駆動手段)とを有する。そして、エンコーダ14および15からの信号を受けて、反射鏡11の向きを補正する補正装置18(補正手段)が、エンコーダ14、15およびモータ16、17に接続されている。
光ファイバーケーブル6は、保持機構13によって保持されている。保持機構13は、光ファイバーケーブル6からレーザが射出される方向をZ軸として、Z軸に直交する方向をX軸、Z軸およびX軸に直交する方向をY軸とする3次元座標系を設定した場合に、X軸およびY軸を回転中心として自在に回転移動可能なように、かつ、光ファイバーケーブル6が自転(図中C)可能なようにジョイント20によって保持している。
ジョイント20は、たとえば内部にボールベアリングを用いて光ファイバーケーブル6を自転が自在となるように保持している。これにより光ファイバーケーブル6は、自在に自転(Z軸を中心に回転)するが、前後(Z軸方向)の動きを規制することができる。また、このジョイント20自体は、前記のとおりX軸およびY軸を中心に回転自在となっている。
そして、このX軸およびY軸を回転中心として光ファイバーケーブル6が回転した角度をエンコーダ14および15によって計測している。なお、エンコーダ14はX軸の回転角度を計測し、エンコーダ15はY軸の回転角度を計測する。
レンズ群12は、光ファイバーケーブル6のレーザ射出端側でジョイント20によって光ファイバーケーブル6の端部と一体化されている。したがって、レンズ群12は光ファイバーケーブル6の移動とともに移動する。これにより光ファイバーケーブル6が移動しても光ファイバーケーブル6から射出されたレーザは、常にレンズ群12内のレンズに対して一定の角度(通常はレンズの中央部に対して垂直)で入射する。つまり、光ファイバーケーブル6だけを移動自在にしてレンズを固定していると、レンズに対するレーザの入射角が光ファイバーケーブル6の移動によって変化してしまうためレンズ収差等により焦点位置が変わってしまうが、このように光ファイバーケーブル6のレーザ射出端とレンズ群12を一体化することで、光ファイバーケーブル6が移動してもレンズに対するレーザの入射角が変わってしまうことを防止し、焦点位置の変化などを抑えている。なお、光ファイバーケーブル6の移動によるレーザの射出方向の変化に対して十分に対応できる大きな口径のレンズを使用し、収差等による焦点位置の変化がなければ(または少なければ)、レンズ群12は光ファイバーケーブル6の端部から独立に固定されていてもよい。
反射鏡11は、鏡面を通る垂直な線をz軸(反射鏡11の向きが光ファイバーケーブル方向を向いている場合はレーザの射出方向である前記Z軸と同じとなる)として、このz軸と直行するx軸およびy軸をそれぞれ中心として独立に回動自在であり、回動することでレーザ100の射出方向を自在に振り分けることができる。このため、レーザ加工ヘッド3内には、反射鏡11を回動させるためのモータ16および17がそれぞれx軸とy軸に設けられている。なお、モータには必要によりギア機構(不図示)が設けられていてもよい。
このモータ16および17は、補正装置18による信号によって光ファイバーケーブル6の移動に伴うレーザの照射方向の補正を行うために反射鏡11を回動させると共に、制御装置(後述)からの信号によって溶接点方向へレーザを向けるために反射鏡11を回動させる。このようなモータ16および17は、たとえばサーボモータ、ステッピングモータなどを使用することができ、指示された回転角度に応じて回転動作するモータが好ましい。
レンズ群12内には、光ファイバーケーブル6端部から射出されたレーザを平行光にするコリメートレンズ121と、平行光になったレーザを所定位置で集光させる集光レンズ122を有する。
補正装置18は、エンコーダ14および15から信号を受けて、反射鏡11の向きをエンコーダ14および15から得られた回転角度に応じて回動させる。このときの反射鏡11の回動量(補正量)は、反射鏡11から反射されるレーザの向きが、光ファイバーケーブル6の移動によらず常に一定の方向となるようにする量である(詳細後述)。なお、この補正装置18は、実際にはコンピュータなどであり、レーザ加工ヘッド3内部にたとえばマイクロコンピュータを用いて設けてもよいし、レーザ加工ヘッド3の外部にパソコンなどを用いて設けてもよい。
レーザ発振器5は、YAGレーザ発振器である。ここでは、レーザを光ファイバーケーブル6によって導くためにYAGレーザを用いている。なお、その他のレーザであってもレーザ溶接に使用でき、光ファイバーケーブル6で導くことができるものであれば限定されない。
以下、このように構成されたリモート溶接システムの作用を説明する。
図3は、レーザの照射角度の補正を説明するための説明図である。なお、図において、レーザ100は、その中心経路のみを示す。
本システムでは、ロボットの姿勢を変更した場合、光ファイバーケーブル6はレーザ加工ヘッド3の動き対して自在に動くことができる。したがって、光ファイバーケーブル6はレーザ加工ヘッド3の動きによって無理な力が加わることなく自在に動けるので、ロボットアームに叩き付けられたり、ねじれたりすることがない。
しかし、光ファイバーケーブル6からレンズ群12を通して射出されるレーザ100の方向は光ファイバーケーブル6の動きによってさまざまな方向に変化する。本実施形態では、この光ファイバーケーブル6の移動量(X軸およびY軸における回転角度)をエンコーダ14および15によって計測し、それに応じて反射鏡11を回動させることでレーザ100の照射方向が変化しないように補正している。
このために、補正装置18は、エンコーダ14および15から受けた回転量の出力値に対して逆向きの回動となるようにリアルタイムで反射鏡11を動かすようにモータ16および17へ信号を出力している。
これは、たとえば図3(a)に示すように、光ファイバーケーブル6がX軸を中心としてA方向に移動(回転)した場合、反射鏡11がS1の位置でそのまま動かなければ、レーザ照射方向は元の照射位置をP1とした場合P2方向へずれてしまう。これに対し、本実施形態では、このような場合に、図3(b)に示すように、反射鏡11をエンコーダ14および15から受けた光ファイバーケーブル6の回転角度と同じだけ逆方向Bに回転させることで、S1からS2の位置に動かして、レーザ100の反射方向を変えて(補正)、最終的なレーザの照射位置が元のレーザ照射位置P1のままとなるようにしている。
したがって、本実施形態によるレーザ加工ヘッド3では、光ファイバーケーブル6が移動して光ファイバーケーブル6からのレーザ射出方向が変わっても、レーザ加工ヘッド3から射出されたレーザ100の照射位置が狂うことがない。
なお、光ファイバーケーブル6の自転(図2のC)動作による光ファイバーケーブル6からのレーザ射出方向の変化は、ジョイント20内において光ファイバーケーブル6自体が自転するだけであるためほとんどない。したがって、光ファイバーケーブル6からのレーザ射出方向の変化はX軸およびY軸による光ファイバーケーブル6の移動に伴って補正することで十分である。
図3においては、X軸における光ファイバーケーブル6の移動を例に説明したが、これはY軸においても同じである。
次に、レーザ溶接システムによるリモート溶接の制御について説明する。
図4は、このレーザ溶接システムの制御系の構成を説明するためのブロック図である。
レーザ溶接システムの制御系は、レーザ発振器5におけるレーザ出力のオン、オフなどを制御するレーザコントローラ51と、ロボット1の動きを制御するロボット制御装置52と、レーザ加工ヘッド3の反射鏡11の動きを制御する加工ヘッド制御装置53からなる。
レーザコントローラ51は、レーザ出力のオン、オフと、レーザの出力強度調整などを行っている。このレーザコントローラ51は、ロボット制御装置52からの制御信号によって、レーザ出力のオン、オフを行っている。
ロボット制御装置52は、本実施形態においては、ロボット1の動き(姿勢)を制御すると共にレーザ出力のオン、オフなどの制御信号の出力も行っている。なお、ロボット1の動きやレーザのオンオフ動作などは、すべてロボット1の動作教示のときに行われる。したがって、このロボット制御装置52は教示されたデータ(教示データと称する)をもとにロボット動作そのものと各種制御信号の出力を行う。
加工ヘッド制御装置53は、反射鏡11をモータ16および17によって動かしてレーザの射出方向を任意に変更する。この加工ヘッド制御装置53による反射鏡11の動作は、先に説明した補正動作による動きとは独立したものである。なお、ここでレーザの射出方向を任意に変更するとは、具体的には溶接点方向へレーザを向けるための動きである。この加工ヘッド制御装置53は、ロボット制御装置とともに制御手段を構成する。
このように構成されたレーザ溶接システムを用いた溶接方法を説明する。
図5は、レーザ溶接におけるレーザ加工ヘッド3とレーザ射出方向の動きを説明するための説明図である。なお、ここでは理解を容易にするためにごく簡単な基本形を例に説明する。
本実施形態では、図5に示すように、複数の溶接点201〜206がある場合に、目標とする一つの溶接点(たとえば201)へレーザ100を射出中にも、レーザ加工ヘッド3を、次の溶接点(たとえば202)へ向けて所定速度で移動させる。そして、同時にレーザ加工ヘッド3が移動しても現在溶接中の溶接点(たとえば201)の溶接が終了するまで、その溶接点(たとえば201)からレーザ100が外れないように反射鏡11を加工ヘッド制御装置53からの信号により回動させている。このとき、反射鏡は加工ヘッド制御装置53からの信号により回動とは独立して、常に、補正装置18からの信号によりレーザの反射方向が一定となるように反射鏡の向きを補正している。
したがって、図示する場合には、レーザ加工ヘッド3は、その位置aからjまで一定の速度で移動しつつ、レーザの射出方向がそれぞれの溶接点へ向くように反射鏡11が回動されている。
このときレーザ加工ヘッド3の位置移動はロボット姿勢の変更、すなわちロボットアーム2を動かすことで行っている。ロボット1の動きはロボット制御装置52によって制御されており、レーザ加工ヘッド3の位置が溶接中の溶接点から次の溶接点へ向けて一定速度で移動させている。したがって、図示する場合には、レーザ加工ヘッド3は、その位置aからjまで一定の速度で移動する。
ここでレーザ加工ヘッド3の位置を一定速度で移動させるのは、ロボットアームの移動に伴って発生するロボットアームの振動を極力減らして、レーザ100の焦点位置が目標位置(溶接点)から振動によって外れないようにするためである。ここでは、位置aからjまで常に一定速度に保つようにしたが、これは本実施形態の場合、実質的にある溶接点の溶接が終了してから次の溶接点へレーザの向きを変える際の非溶接時間はほとんどないため(詳細後述)、すべての溶接が終了するまではじめから終わりまで、すべて一定速度を保つようにしたものである。なお、非溶接時間が長くなるような場合には、その間、レーザ加工ヘッド3の位置を移動させる速度を変えてもよい。
一方、反射鏡11は、一つの溶接点を溶接中は、レーザ焦点位置が、レーザ加工ヘッド3の移動方向と相対的に逆方向で、かつ、レーザ焦点位置の移動速度がレーザ加工ヘッド3の移動速度とほぼ同じになるように回動させている。このときの反射鏡11の回動速度を溶接時の所定速度と称する。これにより、レーザ加工ヘッド3の移動と逆方向にほぼ同じ速度でレーザ焦点位置が移動することになるため、結果的に一つの溶接点の溶接中はレーザがその溶接点を外れることがなくなるのである。ここで、ほぼ同じ速度としているのは、溶接点のビード形成距離(ビードの大きさ)によっては、一つの溶接点においてレーザ照射位置(焦点位置)を移動させなければならないためである。すなわち、ビード形成距離に応じて、その分レーザ焦点位置の移動速度をレーザ加工ヘッド3の移動速度よりわずかに遅くなるようにして、レーザ加工ヘッド3の移動方向にビードが形成されるように調整することになる。
また、このレーザ加工ヘッド3の移動速度は、溶接速度より速い必要がある。これは、一つの溶接点(たとえば201)の溶接が終了した時点で、次の溶接点(たとえば202)に対してレーザが届くようにするためである。
通常、レーザ溶接の溶接速度は1〜5m/minである。これに対して、レーザ加工ヘッド3の移動速度(すなわちロボットアームを動作させる速度)は、ロボットによってさまざまであるが、たとえば最大10〜20m/min程度であり、また、反射鏡11によるレーザ焦点位置の移動速度は焦点位置が反射鏡11から1m程度の部分で最大100m/min程度が可能である。したがって、レーザ加工ヘッド3の移動速度を溶接速度より速くすることは十分可能である。
なお、このようなそれぞれの速度から実際の移動速度を選択する際には、レーザ加工ヘッド3の振動を抑えるようにするために、レーザ加工ヘッド3の移動速度ができるだけ低速となるように、各速度を選択することが好ましい。
一つの溶接点(たとえば201)の終了から、次の溶接点(たとえば202)へのレーザ焦点位置の移動も、反射鏡11の回動によって行う。このときの反射鏡11の回動は、可能な限り速く行うことが好ましい。このとき、レーザ出力は、停止せずにそのまま出力を続けるようにしてもよい。これは、上記のとおり、レーザ焦点位置の移動速度は溶接速度に対して桁違いに速いため、溶接点間の移動中に、溶接しない部分にレーザが照射されたとしても、その部分がレーザの焦点位置から外れていたり、焦点位置内にあったとしても一瞬レーザが当たるだけでほとんど影響がなく、レーザ100が当たった部分を傷つけることはないからである。なお、必要に応じてレーザコントローラ51にオフ信号を送りレーザ出力を一時停止することも可能である。
このようにロボット1によるレーザ加工ヘッド3の移動および反射鏡11の向きを制御することで、ロボットアーム先端に設けられているレーザ加工ヘッド3の位置は、順次溶接を行う方向に、溶接点(たとえば201)の溶接開始時にはその溶接点(たとえば202)より前にあり(たとえば位置b)、その溶接点(たとえば202)の溶接終了時にはその溶接点(たとえば201)より先にある(たとえば位置d)ことになる。
図6は、このリモート溶接における制御手順を示すフローチャートである。
まず、ロボット制御装置52は、あらかじめ教示された教示データに従って最初の溶接開始位置にレーザ加工ヘッド3を移動させて定速移動を開始すると共に、レーザ出力をオンにするようにレーザコントローラ51に指令する(S1)。同時に加工ヘッド制御装置53に対しても溶接時の所定速度で反射鏡11を回動させるように指令する(S2)。
続いて、ロボット制御装置52は、教示データに従い、次の溶接点の溶接開始位置に到達したか否かを判断する(S3)。ここで教示データに従う次の溶接点の溶接開始位置は、その前の溶接点の溶接が終了した位置でもある。
この段階で次の溶接点の溶接開始位置に到達していれば、反射鏡11を次の溶接点方向へ高速で回動するように加工ヘッド制御装置53に対して指令する(S4)。これにより、加工ヘッド制御装置53が次の目標となる溶接点方向へ反射鏡11を高速で回動させてレーザが次の溶接点方向へ向けて射出されるようになる。以降この動作を最終溶接点の溶接終了まで続けることになる。
一方、ステップS3において、次の溶接点の溶接開始位置に到達していなければ、全溶接点の溶接終了か否かを判断する(S5)。この判断は教示データに従って最終溶接点の溶接が終了したことにより判断される。ここで、最終溶接点の溶接終了でなければ、現在溶接中の溶接作業自体が終了していないので、そのまま処理はステップS3へ戻る。これにより現在溶接中の溶接がそのまま継続されることになる。
一方、ステップS5において、最終溶接点の溶接が終了していれば、教示データに従って、レーザ出力をオフにするようにレーザコントローラ51に指令し、レーザ加工ヘッドを待機位置(または作業終了位置など)に戻し(S6)、すべての作業を終了する。
この動作を、図5の例を使って説明すれば、はじめにロボット制御装置52はレーザ加工ヘッド3を溶接点201の溶接開始位置aまで移動し、レーザ加工ヘッド3を一定速度で移動させつつレーザ出力を開始させ、同時に反射鏡11を溶接点201にレーザが照射されるように溶接時の所定速度で回動させる。
続いて、位置bを経て、溶接点202の溶接開始位置cに到達した時点で(この時点で溶接点201の溶接が終了している)、ロボット制御装置52は、反射鏡11を教示されている最大速度で回動してレーザ射出方向を溶接点202方向に回動させる。そして溶接点202の溶接を継続して実行させる。以降溶接点206の溶接が終了するまでこれらの処理を繰り返し、溶接点206の溶接が終了した時点で、レーザ出力を停止させ、すべての溶接作業を終了する。
なお、このように複数の溶接点を溶接する際には、反射鏡11から溶接点までの距離が焦点深度を超える場合には、適宜レンズ郡12を調節して焦点位置を調整することになる。このようなレンズ郡12の調節も溶接点とレーザ加工ヘッド3の位置(その間の距離)からロボット1の動作を教示する際にあらかじめ設定しておくことになる。なお、自動合焦機能が付いたレーザ加工ヘッド3の場合には、レンズ郡12による焦点調節の必要はなく自動合焦機能に任せることになる。
図7は、他のレーザ溶接の動作を説明するための説明図である。
この方法では、レーザ加工ヘッド3がAの位置に来た時点でレーザ加工ヘッド3を停止させ、そこから反射鏡11を回動させてレーザ照射可能範囲内に位置する溶接点301、302、および303に対して連続的に溶接を行う。溶接点303の溶接終了後は、レーザをいったん停止させて、レーザ加工ヘッド3をA位置からB位置に移動し、レーザ加工ヘッド3をB位置で停止させて、溶接点304、305、および306に対してレーザ加工ヘッド3を回動させることにより連続的に溶接を行う。
図8は、このような他の方法による場合の制御手順を示すフローチャートである。
まず、ロボット制御装置52は、あらかじめ教示された教示データに従って溶接位置にレーザ加工ヘッド3を移動させて停止する(たとえばAの位置)(S11)。そして、レーザ出力をオンにするようにレーザコントローラ51に指令する(S12)。
続いて、加工ヘッド制御装置53は、教示データに従い、反射鏡11を回動させてレーザ照射可能範囲内に位置する溶接点(たとえば溶接点301、302、および303)に対して連続的に溶接を行う(S13)。
次にその溶接位置での溶接点の溶接が終了したか否かを判断する(S14)。この判断は教示データに従って最終溶接点の溶接が終了したことにより判断される。その溶接位置での当右折が終了している場合は、レーザ出力を一時停止するようにレーザコントローララ51に指令してレーザ出力を停止する(S14)。
次に全溶接点の溶接終了か否かを判断する(S15)。この判断は教示データに従って最終溶接点の溶接が終了したことにより判断される。ここで、最終溶接点の溶接終了でなければ、ステップS1へ戻り、ロボット制御装置52は、あらかじめ教示された教示データに従って次の溶接開始位置にレーザ加工ヘッド3を移動させて停止する(たとえばBの位置)(S11)。以後、前溶接点の溶接が終了するまで、以降の処理を繰り返すことになる。
一方、ステップS15において、最終溶接点の溶接が終了していれば、教示データに従ってレーザ加工ヘッドを待機位置(または作業終了位置など)に戻し(S16)、すべての作業を終了する。
以上、本発明の実施形態を説明したが本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
たとえば、上述した実施形態では、レーザ溶接のためのレーザの射出方向を変えるために反射鏡11を回動させていが、これに代えて、たとえば、反射鏡11の回動動作は光ファイバーケーブル6の移動に伴う補正動作に限定し、レーザ溶接のためのレーザの射出方向の変更はレーザ加工ヘッド3全体を移動(たとえば向きを変えるなど)させるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、直線的に複数の溶接点が並んだ基本形(図5および図7)を用いて説明したが、これは当然に、このような直線的な経路以外のさまざまな動作経路であっても本発明を適用することができるものである。
本発明は、ロボットを使用したレーザ溶接に利用可能である。
本発明を適用したレーザ溶接システムを説明するための概略斜視図である。 レーザ加工ヘッド(レーザ溶接装置)を説明するための概略透視図である。 レーザ照射角度の補正を説明するための説明図である。 レーザ溶接システムの制御系の構成を説明するためのブロック図である。 レーザ溶接におけるレーザ加工ヘッドとレーザ射出方向の動きを説明するための説明図である。 リモート溶接における制御手順を示すフローチャートである。 他のレーザ溶接の動作を説明するための説明図である。 他の方法による場合の制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ロボット、
2…アーム、
3…レーザ加工ヘッド、
5…レーザ発振器、
6…光ファイバーケーブル、
11…反射鏡、
13…保持機構、
14、15…エンコーダ、
16、17…モータ、
18…補正装置、
51…レーザコントローラ、
52…ロボット制御装置、
53…加工ヘッド制御装置。

Claims (13)

  1. レーザを導く光ファイバーケーブルを移動自在に保持する保持手段と、
    光ファイバーケーブルの移動量を計測するファイバー移動量計測手段と、
    前記光ファイバーケーブルから射出された前記レーザを反射させる反射手段と、
    前記反射手段による前記レーザの反射角度を変更するために前記反射手段を動かす駆動手段と、
    前記ファイバー移動量計測手段によって計測された前記光ファイバーケーブルの移動量に応じて前記反射手段による前記レーザの反射角度を補正するように前記駆動手段を制御する補正手段と、
    を有することを特徴とするレーザ溶接装置。
  2. 前記光ファイバーケーブルから前記レーザが射出される方向をZ軸として、当該Z軸に直交する方向をX軸、当該Z軸および当該X軸に直交する方向をY軸とする3次元座標系を設定した場合に、
    前記保持手段は、前記光ファイバーケーブルを少なくとも前記X軸および前記Y軸を回転中心として自在に移動可能となるように保持し、
    前記ファイバー移動量計測手段は、前記X軸および前記Y軸をそれぞれ回転中心とする光ファイバアーケーブルの移動角度を計測するエンコーダを有し、
    前記駆動手段は、前記エンコーダの出力値に対応して前記反射手段を前記X軸および前記Y軸をそれぞれ回転中心として回動させることを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接装置。
  3. 前記光ファイバーケーブルからのレーザ射出方向前方位置に、前記レーザを所定位置に集光させる集光レンズを有し、
    前記集光レンズは前記光ファイバーケーブルとともに移動することを特徴とする請求項1または2記載のレーザ溶接装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載のレーザ溶接装置と、
    前記レーザ溶接装置が接続され、前記レーザ溶接装置を移動させる多軸ロボットと、
    前記レーザ溶接装置が所定方向に所定速度で移動するように前記ロボットの姿勢を制御し、かつ、第1の溶接点の溶接中は当該第1の溶接点方向に前記レーザが射出されるように反射手段の向きを変更し前記第1の溶接点の溶接終了後は第2の溶接点方向に前記レーザが射出されるように前記反射手段の向きを変更するために駆動手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするレーザ溶接システム。
  5. 前記所定速度は、少なくとも一つの溶接点の溶接中は一定速度であることを特徴とする請求項4記載のレーザ溶接システム。
  6. 前記所定速度は、一つの溶接点を溶接する溶接速度よりも速いことを特徴とする請求項4または5記載のレーザ溶接システム。
  7. 前記所定方向は、第1の溶接点から第2の溶接点へ向かう方向であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載のレーザ溶接システム。
  8. 前記制御手段は、前記レーザ溶接装置の位置が、前記所定方向に向かって溶接開始時には溶接を開始する溶接点より前にあり、溶接終了時には溶接を終了した溶接点より先にあるように移動させることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一つに記載のレーザ溶接システム。
  9. ロボットに取り付けられた請求項1〜3のいずれか一つに記載の前記レーザ溶接装置が所定方向に所定速度で移動するように前記ロボットの姿勢を制御し、かつ、第1の溶接点の溶接中は当該第1の溶接点方向に前記レーザが射出されるように反射手段の向きを制御し、前記第1の溶接点の溶接終了後は第2の溶接点方向に前記レーザが射出されるように前記反射手段の向きを制御することを特徴とするレーザ溶接方法。
  10. 前記所定速度は、少なくとも一つの溶接点の溶接中は一定速度であることを特徴とする請求項9記載のレーザ溶接方法。
  11. 前記所定速度は、一つの溶接点を溶接する溶接速度よりも速いことを特徴とすることを特徴とする請求項9または10記載のレーザ溶接方法。
  12. 前記所定方向は、第1の溶接点から第2の溶接点へ向かう方向であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  13. 前記レーザ溶接装置の位置は、前記所定方向に向かって溶接開始時には溶接を開始する溶接点より前にあり、溶接終了時には溶接を終了した溶接点より先にあるように移動させることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
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