JP2007021029A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、口許や鼻孔等の顔面の対象部位を覆うマスクに関するものである。
従来、マスクとしては、ガーゼを複数枚重ねて矩形状となし、その左右両側に耳掛け用のゴム紐を環状に取り付けたものが汎用されてきた。
また、使い捨て用としては、カップ状に成形された本体部の左右両側に耳掛け用のゴム紐を環状に取り付けたものや、矩形等に形成した発泡ウレタンシートの左右両側に耳掛け用の開孔を設けたものなどが用いられてきた。
さらに近年では、不織布を使用したマスクが開発されており、平坦状のものの他、当初は平坦状であるものの幅方向に沿ってプリーツが形成されており、口元、鼻の膨らみに追従して形状変形するもの(例えば特許文献1参照)や、左側部分及び右側部分を重ねて幅方向中央線で接合し、左側部分と右側部分との間を広げてその間の部分を口元や鼻にあてがうポケット型のもの(例えば特許文献2参照)等が提供されている。
しかしながら、従来のマスクは、不織布等のシート状素材を用いた部分における伸縮性が乏しかった。
特開2003−275332号公報
特開平7−275384号公報
そこで、本発明の主たる課題は、不織布等のシート状素材を用いた部分における伸縮性を向上することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
顔面の対象部位を覆う本体部と、この本体部を身体に係止するための係止部とを有するマスクにおいて、
少なくとも前記係止部の一部が、シート状素材と、シート状素材に対して伸張状態で固定された弾性部材と、シート状素材が弾性部材の弾性収縮に伴って収縮することにより形成される皺とを有し、
この皺を有する部分における伸張率が150〜350%である、
ことを特徴とするマスク。
<請求項1記載の発明>
顔面の対象部位を覆う本体部と、この本体部を身体に係止するための係止部とを有するマスクにおいて、
少なくとも前記係止部の一部が、シート状素材と、シート状素材に対して伸張状態で固定された弾性部材と、シート状素材が弾性部材の弾性収縮に伴って収縮することにより形成される皺とを有し、
この皺を有する部分における伸張率が150〜350%である、
ことを特徴とするマスク。
(作用効果)
このように、シート状素材に対して伸張状態で弾性部材を固定して皺(ギャザーもしくはシャーリングともいわれる)を形成することにより、係止部にシート状素材を用いても伸縮性に優れるようになり、フィット性および風合いに優れたマスクとなる。
このように、シート状素材に対して伸張状態で弾性部材を固定して皺(ギャザーもしくはシャーリングともいわれる)を形成することにより、係止部にシート状素材を用いても伸縮性に優れるようになり、フィット性および風合いに優れたマスクとなる。
さらに、次のような副次的な効果も奏する。すなわち、皺を有する部分においては皺の間に大量の空気を保持できるため、保温性が高くなる。しかも、皺を有する部分においては、皺の間に通気空間が形成されるため、皺に沿う方向の通気性に優れる。よって、保温性の割には蒸れ難いものとなる。
また、皺の寄り具合が上記伸張率の範囲内であると、伸縮性や通気性、保温性の点で好ましい。なお、伸張率とは、皺に外力を与えず、皺を全く伸ばしていない収縮状態における収縮方向長さに対する、皺を完全に伸ばして皺を無くした伸張状態における収縮方向長さの比率である。
また、皺の寄り具合が上記伸張率の範囲内であると、伸縮性や通気性、保温性の点で好ましい。なお、伸張率とは、皺に外力を与えず、皺を全く伸ばしていない収縮状態における収縮方向長さに対する、皺を完全に伸ばして皺を無くした伸張状態における収縮方向長さの比率である。
<請求項2記載の発明>
前記本体部は前記皺を有しない、請求項1記載のマスク。
前記本体部は前記皺を有しない、請求項1記載のマスク。
(作用効果)
本発明の皺は、少なくとも係止部の一部に形成されれば良く、したがって係止部全体、あるいはマスク全体に形成されても良いが、本体部に皺があると、通気性が高まることにより花粉等の微粒子の遮断効果が低下する、あるいは外観がすっきりしなくなるといった問題点もある。このため、本項記載のように本体部には皺が形成されないように構成するのも好ましい。
本発明の皺は、少なくとも係止部の一部に形成されれば良く、したがって係止部全体、あるいはマスク全体に形成されても良いが、本体部に皺があると、通気性が高まることにより花粉等の微粒子の遮断効果が低下する、あるいは外観がすっきりしなくなるといった問題点もある。このため、本項記載のように本体部には皺が形成されないように構成するのも好ましい。
<請求項3記載の発明>
弾性部材は幅方向に沿って弾性伸縮するように設けられており、縦方向に沿う皺が形成される、請求項1または2記載のマスク。
弾性部材は幅方向に沿って弾性伸縮するように設けられており、縦方向に沿う皺が形成される、請求項1または2記載のマスク。
(作用効果)
このように構成されていると、幅方向に沿って高い伸縮性が発揮され、また縦方向に沿って高い通気性が発揮される。よって、顔面に対して装着し易くなり、また呼吸等による湿気が抜け易くなり、蒸れ難いものとなる。
このように構成されていると、幅方向に沿って高い伸縮性が発揮され、また縦方向に沿って高い通気性が発揮される。よって、顔面に対して装着し易くなり、また呼吸等による湿気が抜け易くなり、蒸れ難いものとなる。
<請求項4記載の発明>
前記弾性部材は幅方向に沿って設けられた太さ620dtex以下の糸状部材であり、この糸状部材が縦方向に7.0mm以下の間隔で縦方向の実質的に全体にわたり設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスク。
前記弾性部材は幅方向に沿って設けられた太さ620dtex以下の糸状部材であり、この糸状部材が縦方向に7.0mm以下の間隔で縦方向の実質的に全体にわたり設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスク。
(作用効果)
太い糸ゴムを広い間隔で配置すると、体裁の悪い皺が発生する。より詳細には、図7に示すように、糸ゴムGの収縮に伴って発生する皺は、隣接する糸ゴムGの一方から他方に亘る形態で発生し、この凹凸の皺が周方向に繰り返し状態で生成する。さらに隣接する糸ゴムG相互間の皺と、一つ隣の隣接する糸ゴムG相互間の皺とは、連続せず独立的な傾向をもって生成する。
太い糸ゴムを広い間隔で配置すると、体裁の悪い皺が発生する。より詳細には、図7に示すように、糸ゴムGの収縮に伴って発生する皺は、隣接する糸ゴムGの一方から他方に亘る形態で発生し、この凹凸の皺が周方向に繰り返し状態で生成する。さらに隣接する糸ゴムG相互間の皺と、一つ隣の隣接する糸ゴムG相互間の皺とは、連続せず独立的な傾向をもって生成する。
これらの皺は、糸ゴムG相互の配置間隔が大きいほど、その離間距離に応じた長い稜または谷を持ち、かつ周方向の凹凸のピッチが大きい。したがって、製品の外面において全体的に見れば大きい皺がランダムに生成するために、製品の外面が「モコモコ」したものとなる。さらに、各糸ゴムGの太さが太く、収縮力が大きいと、たとえば一つの山皺を例に採ると、その山の糸ゴムG側の谷が深くなり、糸ゴムGの存在が明瞭となる。また、山または谷が大きくかつ収縮力が強く作用するので、山部または谷部に複雑な小皺がランダムに生成する。
これに対して、本項記載の太さ及び配置間隔の場合、図8に示すように、生成する皺は周方向に幅狭であり、縦方向(周方向に直交する方向)に長さが短く、皺がほぼ縦方向に連続する形態で生成する。そして、各皺の凹または凸はごく小さい。しかも、糸ゴムg部分での括れが殆どなく、外面を構成するシートの色と糸ゴムgの色とが同色である場合に糸ゴムgの存在が判別し難い。その結果、皺が目立たず、見えるとしても木目細かい皺であり、全体的には平坦面状の外面を呈し、すっきり感、すなわち製品の外面が「モコモコ」せず、見栄えに優れるようになる。しかも、局部的な過度の肌への圧迫がないことによりゴム跡の生成がなく、製品の内面と肌との摩擦が全体に及び、ぴったり接触することによりフィット性が良好となる。
<請求項5記載の発明>
前記係止部は、前記本体部の両側部を繋ぐ帯状部材であり、この帯状部材を頭部または首部に掛け回して係止するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマスク。
前記係止部は、前記本体部の両側部を繋ぐ帯状部材であり、この帯状部材を頭部または首部に掛け回して係止するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマスク。
(作用効果)
本発明の係止部はシート状素材により形成されるものであるため、本項記載のように構成することにより、頬や耳までを含む広範な部分を覆うことができ、防寒に優れたものとなる。頬や耳口及び鼻を覆うマスクは、寒い季節に需要が高まるものであるため、本項記載の形態とするのは特に好ましい。
本発明の係止部はシート状素材により形成されるものであるため、本項記載のように構成することにより、頬や耳までを含む広範な部分を覆うことができ、防寒に優れたものとなる。頬や耳口及び鼻を覆うマスクは、寒い季節に需要が高まるものであるため、本項記載の形態とするのは特に好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、不織布等のシート状素材を用いた部分における伸縮性が向上するようになる等、種々の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
(第一の形状例)
図1は、ポケット型のマスク1を示している。このマスク1は、口許及び鼻腔を覆う本体部2と、この本体部2を身体に係止するための係止部3とを備えている。本体部2は、幅方向中央線に関して対称をなす左側部分2L及び右側部分2Rからなり、両部分2L,2Rは平坦な素材からなり、かつ幅方向中央側の縁部4で接合されている。また、この接合部分4は、上下両側よりも中間部が外側に膨出する湾曲状をなしている。
(第一の形状例)
図1は、ポケット型のマスク1を示している。このマスク1は、口許及び鼻腔を覆う本体部2と、この本体部2を身体に係止するための係止部3とを備えている。本体部2は、幅方向中央線に関して対称をなす左側部分2L及び右側部分2Rからなり、両部分2L,2Rは平坦な素材からなり、かつ幅方向中央側の縁部4で接合されている。また、この接合部分4は、上下両側よりも中間部が外側に膨出する湾曲状をなしている。
一方、係止部3は、耳に掛けるための開口5を有する環状の平坦部材であり、本体部2の左右両側縁2e,2eに接合されている。
本体部2及び係止部3は、左側部分2Lと右側部分2Rとを重ね合わせた非使用状態では平坦になる。これに対して、本体部2は、左側部分2Lと右側部分2Rとの間を広げた使用状態(図示状態)ではカップ状になる。この状態で着用者の口許や鼻腔を覆うようにあてがうと、口許や鼻腔のまわりに空間を残して被覆することができる。
(第二の形状例)
第一の形状例では、本体部2と係止部3とを別の部材として形成し、両者を接合しているが、図2に示すように本体部2と係止部3とを単一の部材として一体的に形成することもできる。
第一の形状例では、本体部2と係止部3とを別の部材として形成し、両者を接合しているが、図2に示すように本体部2と係止部3とを単一の部材として一体的に形成することもできる。
(第三の形状例)
また、図示しないが、ポケット型の形態において、接合線を上下方向に沿って形成する必要はなく、例えば幅方向に沿って形成することもできる。
また、図示しないが、ポケット型の形態において、接合線を上下方向に沿って形成する必要はなく、例えば幅方向に沿って形成することもできる。
(第四の形状例)
図3は、平坦型のマスク11を示している、このマスク11は、口許及び鼻腔を覆う本体部2と、この本体部2を身体に係止するための係止部3とを備えている。係止部3は、本体部2の両側部を高さを維持したまま延長してなり、耳に掛けるための開口5を有する平坦部材である。本体部2の形状としては、図示のような矩形の他、楕円形、菱形等、適宜の形状を採用することができる。
図3は、平坦型のマスク11を示している、このマスク11は、口許及び鼻腔を覆う本体部2と、この本体部2を身体に係止するための係止部3とを備えている。係止部3は、本体部2の両側部を高さを維持したまま延長してなり、耳に掛けるための開口5を有する平坦部材である。本体部2の形状としては、図示のような矩形の他、楕円形、菱形等、適宜の形状を採用することができる。
(第五の形状例)
図1〜図3に示す形態の係止部3は、環状部材を耳に掛け止めるタイプであるが、図11に示すように、本体部2の両側部を係止部3としての帯状部材で繋ぎ、この帯状部材を頭部または首部に掛け回して係止するタイプも採用することができる(図示略)。このタイプの係止部は例えば特開平9−313631号公報に示されている。
図1〜図3に示す形態の係止部3は、環状部材を耳に掛け止めるタイプであるが、図11に示すように、本体部2の両側部を係止部3としての帯状部材で繋ぎ、この帯状部材を頭部または首部に掛け回して係止するタイプも採用することができる(図示略)。このタイプの係止部は例えば特開平9−313631号公報に示されている。
後述するように、本発明の係止部3はシート状素材により形成されるものであるため、本第五の形状例のように係止部3を帯状部材とし、後頭部に掛け回す形態を採用すると、頬や耳を含む広範な部分を覆うことができ、防寒に優れたものとなるため好ましい。
(本発明のポイント)
本発明では、少なくとも係止部3の一部が、図5や図6に示すように、シート状素材Sと、シート状素材Sに対して伸張状態で固定された弾性部材Gとを有するものである。このような部分においては、シート状素材Sが弾性部材Gの弾性収縮に伴って収縮することにより、図7及び図8に示すような皺Wが形成される。
本発明では、少なくとも係止部3の一部が、図5や図6に示すように、シート状素材Sと、シート状素材Sに対して伸張状態で固定された弾性部材Gとを有するものである。このような部分においては、シート状素材Sが弾性部材Gの弾性収縮に伴って収縮することにより、図7及び図8に示すような皺Wが形成される。
皺形成部分においては、図5に示すように、一対のシート状素材S,S間に弾性部材Gを伸張状態で挟み接着等により固定するのが好ましいが、図6に示すように、一層のシート状素材Sの一方の面に、弾性部材Gを伸張状態で接着等により固定することもできる。さらに、これら弾性部材Gを固定したシート状素材Sに対して、別のシート状素材を積層し、三層以上の積層構造とすることもできる。また、皺を有する部分以外の部分については、シート状素材Sを一層、または複数層積層することにより形成することができる。
皺の寄り具合は、皺形成部分における伸張率が150〜350%となるように定める。この皺形成部分における伸張率は特に200〜250%であるのが好ましい。このような伸張率は、弾性部材Gを同程度の伸張率で伸張した状態でシート状素材Sに固定することで達成することができる。
皺は少なくとも係止部3の一部に形成される限り、その形成範囲については特に限定されないが、図1〜図3に示すように、係止部2全体に弾性部材Gを設けて皺を形成するとともに、本体部2には皺を有しない形態が好ましい。また、図4に示すように、係止部3全体のみならず本体部2全体(一部でも良い)に弾性部材Gを設けて皺を形成することもできる。係止部3の一部に皺を形成する場合、幅方向の一部に対して、縦方向の実質的に全体にわたり皺を形成するのが好ましい。なお、「皺を有しない」とは、弾性部材Gを有しない場合のみならず、弾性部材Gを有するが、伸張状態で固定されていないために皺が形成されない場合も含む意である。
弾性部材Gとしては、糸ゴム、平ゴム、ゴムシート、ゴム網等を用いることができ、その形状や設置面積等に応じて設置数を適宜定めることができる。よって、弾性部材Gは単数設けても複数設けても良い。複数設ける場合、平行に配置する等のように相互に重ならない配置としても良く、また交差する等のように相互に重なる配置としても良い。なお、図示の形態は、糸ゴム等の細長状弾性部材Gを平行に複数設けた形態である。
皺の向きは皺の形成部位等に応じて適宜定めることができ、通常の場合、図示形態のように、弾性部材Gを幅方向に沿って弾性伸縮するように設け、縦方向に沿う皺が形成されるように構成するのが好ましい。しかし、弾性部材Gを縦方向や斜め方向に沿って弾性伸縮するように設け、幅方向や斜め方向に沿う皺を形成することもでき、さらに部位毎に異なる向きの皺を形成することもできる。
細長状の弾性部材Gを複数平行に設ける場合、皺の形状は、弾性部材Gの太さおよび配置間隔によって調整することができる。例えば、太さ620dtex以下の弾性部材を7.0mm以下の間隔で平行に設けると、図8に示すようにきめ細かい皺Wが形成され、これよりも太い弾性部材Gであったり、配置間隔が広かったりすると、図7に示すように粗い皺Wが形成される。
他方、皺を有しない部分は、弾性部材Gを設けない、あるいは弾性部材Gを伸張させずに固定することでも形成できるが、例えば図2に示す形態における外層2Aのように、皺を有する部分と有しない部分とを同じシート状素材に設ける場合には製造が困難となる。そこで、皺を形成しない部分において皺を形成する部分と同様にシート状素材に対して弾性部材を伸張状態で連続的に供給するものの、皺を形成しない部分では接着剤の塗布を間欠的に停止する等により、弾性部材をシート状素材に固定せずにおき、後にこの非固定部分における弾性部材を切断または溶断する方法を採用することができる。この切断等した部分では、弾性部材が伸張状態で固定されていないため、皺を有しない部分となる。このような方法は、本出願人による特開2002−178428号公報および特開2002−35029号公報に開示されている。
(シート状素材)
シート状素材Sとしては、適宜定めることができるが、JIS Z 0208に規定される透湿度が300g/m2・hr以上の透湿素材を用いることができる。
シート状素材Sとしては、適宜定めることができるが、JIS Z 0208に規定される透湿度が300g/m2・hr以上の透湿素材を用いることができる。
このような素材としては、多数の透過孔を有する多孔性シート、網材の他、織布、不織布等の短繊維若しくは長繊維集合体、ならびにこれらの積層体を挙げることができる。
繊維集合体を用いる場合、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維などを例示することができる。
さらに、不織布を用いる場合、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法等を例示することができる。また、花粉や細かな塵埃の遮断性能を高めるために、SMS不織布やSMMS不織不等のような、極細繊維(直径0.5〜5μm程度)からなる層を有する積層型不織布を用いることもできる。
繊維集合体を用いる場合、目付け量は15〜70g/m2程度、特に20〜50g/m2程度とすることができる。目付け量が過度に少なくなると強度に問題が生じ易くなる。特に着脱を繰り返すと係止部等において破れが発生するおそれがある。また、目付け量が過度に多くなると、風合いが損なわれ、喋りづらくなったり、肌との摩擦が強くなったりするおそれがある。
また、皺を有する部分および有しない部分において、共通のシート状素材を用いても、異なるシート状素材を用いても良い。
(層構造)
本体部2や係止部3は、一層構造であっても良いが、複数の層からなる構造とするのが好ましい。例えば、図2に示すように、外層2A及び内層2Bを有する2層構造としたり、図9に示すように、外層2A、内層2Bおよびこれらの間に介在された中間層2Cを有する三層構造としたりすることができる。さらに、図2に示すように、外層2Aにより、本体部2と係止部3とを単一の部材として一体的に形成し、その本体部相当部分の内面に、内層2Bを積層することにより、本体部2を二層構造とすることもできる(図示しないが、内層により本体部2と係止部3とを一体的に形成し、その本体部相当部分の外面に、外層を積層することもできる)。また、このような複数の層からなる層構造は、係止部3においても採用することができる。
本体部2や係止部3は、一層構造であっても良いが、複数の層からなる構造とするのが好ましい。例えば、図2に示すように、外層2A及び内層2Bを有する2層構造としたり、図9に示すように、外層2A、内層2Bおよびこれらの間に介在された中間層2Cを有する三層構造としたりすることができる。さらに、図2に示すように、外層2Aにより、本体部2と係止部3とを単一の部材として一体的に形成し、その本体部相当部分の内面に、内層2Bを積層することにより、本体部2を二層構造とすることもできる(図示しないが、内層により本体部2と係止部3とを一体的に形成し、その本体部相当部分の外面に、外層を積層することもできる)。また、このような複数の層からなる層構造は、係止部3においても採用することができる。
複数層とする場合、層相互は、全部または一部(上下端部、左右両端部、四隅部、散点状等)を他の隣接層や隣接部材に接合固定することも、また、そのような固定なしに、ある層を他の層間に挟む等により保持させることもできる。要は、層の脱落や剥離無に使用できれば良い。
また、複数層とする場合、少なくとも一層、例えば図2に示すような二層構造における内層2B、あるいは図9や図10に示すような三層構造における中間層2Cが、塵埃等の濾過機能、芳香機能、ウイルス・アレルゲン不活化機能、抗菌機能、形状保持機能、通気性向上機能、湿度調整機能、懐炉機能等の少なくとも一つの機能を有する機能層であるのが好ましい。
さらに、複数層とする場合、少なくとも一層を他の層に対して着脱自在に取り付けるのも好ましい形態である。このように着脱自在の層を設ける場合、その層は前述の機能層とすることができる。
例えば、図9に示すように、三層構造における中間層2Cを、本体部2の端縁(あるいは外層2Aもしくは内層2Bに設けた開口でも良い)の隙間を介して出し入れ自在とすることができる。図10に示す例では、両係止部3の頬に相当する部分における中間層2Cを出し入れ自在としている。この例では、出し入れする中間層2Cが懐炉であるのが好ましい。また、図示しないが、二層構造の場合、粘着材やメカニカルファスナー等の剥離及び際接着可能な接合手段を用い、一方の層を他方の層の外面に着脱自在に張り付けることもできる。着脱自在とする層の数は特に限定されるものではなく、一層でもまた複数層でも良い。
なお、これらの例からも理解できるように、これらの層構造における層は、シート状素材S自体のみならず、シート状素材Sを複数積層したものや、懐炉のような物品も含む意である。
(サイズ)
本体部2のサイズは適宜定めることができ、特に限定されるものではないが、例えば、ポケット型の場合で縦90〜150mm、横100〜350mmとすることができ、また平坦型の場合、縦60〜110mm、横80〜180mmとすることができる。
本体部2のサイズは適宜定めることができ、特に限定されるものではないが、例えば、ポケット型の場合で縦90〜150mm、横100〜350mmとすることができ、また平坦型の場合、縦60〜110mm、横80〜180mmとすることができる。
(その他)
部材相互や層相互(シート状素材相互も含む)の接合は、ヒートシールやホットメルト接着、超音波溶着、粘着(剥離再接着可能又は不可能)、メカニカルファスナー等、公知の接合手段により行うことができる。
部材相互や層相互(シート状素材相互も含む)の接合は、ヒートシールやホットメルト接着、超音波溶着、粘着(剥離再接着可能又は不可能)、メカニカルファスナー等、公知の接合手段により行うことができる。
また、上記ポケット型の形態の構成と平坦型の形態の構成とは、排他的なものではなく、相互に置換可能であることはいうまでもない。
本発明は、花粉症等におけるアレルゲンの遮断や、風邪等における感染防止を目的として、鼻や口を覆うマスクの他、広範な用途に適用できるものである。
1…マスク、2…本体部、3…係止部、4…接合部分、5…開口、6…プリーツ。
Claims (5)
- 顔面の対象部位を覆う本体部と、この本体部を身体に係止するための係止部とを有するマスクにおいて、
少なくとも前記係止部の一部が、シート状素材と、シート状素材に対して伸張状態で固定された弾性部材と、シート状素材が弾性部材の弾性収縮に伴って収縮することにより形成される皺とを有し、
この皺を有する部分における伸張率が150〜350%である、
ことを特徴とするマスク。 - 前記本体部は前記皺を有しない、請求項1記載のマスク。
- 弾性部材は幅方向に沿って弾性伸縮するように設けられており、縦方向に沿う皺が形成される、請求項1または2記載のマスク。
- 前記弾性部材は幅方向に沿って設けられた太さ620dtex以下の糸状部材であり、この糸状部材が縦方向に7.0mm以下の間隔で縦方向の実質的に全体にわたり設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスク。
- 前記係止部は、前記本体部の両側部を繋ぐ帯状部材であり、この帯状部材を頭部または首部に掛け回して係止するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマスク。
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