JP2007013407A - 音像定位移動通信システム、移動通信端末装置、無線基地局装置および移動通信端末上における音像定位方法 - Google Patents

音像定位移動通信システム、移動通信端末装置、無線基地局装置および移動通信端末上における音像定位方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 通話相手の方位角に通話音声を音像定位することのできる音像定位移動通信システムを実現する。
【解決手段】 移動通信端末100a内に、自端末と通話相手の端末100bとの相対位置情報を音像定位処理パラメータに変換する変換テーブル5と、音像定位部6と、を設ける。一方、無線基地局(300a,300b)内にベクトル情報算出手段23aを設ける。各端末(100a,100b)は、GPS衛星200を用いて得られた現在位置情報を無線基地局300aに送信し、無線基地局内で端末間の相対位置をベクトル情報として算出し、そのベクトル情報を各端末(100a,100b)に送り返し、これを用いて、各端末にて受話音声の音像定位処理を実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音像定位移動通信システム、移動通信端末装置、無線基地局装置および移動通信端末上における音像定位方法に関する。
近年、PHS(Personal Handy Phone System)、携帯電話端末、PDAなどの通信機能を備えた移動通信端末の多機能化、高機能化が進展しており、その一つとして、移動通信端末において、楽曲の再生機能を強化し、複数のスピーカによるステレオ再生を可能とする提案(例えば、特許文献1)や、移動体通信端末においても、いわゆるハンズフリー通話を可能とする提案(例えば、特許文献2)がなされている。
移動通信端末への、ステレオ再生機能やハンズフリー機能の搭載は、移動通信端末の使用形態を変化させる。
従来、携帯電話端末は、ユーザが片方の耳に押し当てて使用するのが一般的であったが、ステレオ再生機能の付加により、その携帯電話端末をユーザの正面に置いた状態にて楽曲を再生したり、あるいは、ステレオヘッドセット(ヘッドホンやイヤホン等)によって楽曲のステレオ再生を楽しむという使用形態も一般化すると予想される。
また、ハンズフリー機能を搭載することにより、ユーザが、携帯電話端末から離れた位置にて会話をするということも可能となる。
一方、臨場感ある楽曲等の再生を可能とする技術として、従来から、音像定位技術が知られている。ここで、「音像定位」の用語は多義的であるが、もともとは、「音源の3次元的な位置を特定する」という意味であり、音響効果の見地からは、「特定の音源を自由に移動させ、聞き手に対して、任意の方向から音が発生しているような聴覚を与えるような音響効果を意図的につくりだす」という意味をもつ。
人間には、本来、音を聞いた時に、その音の大きさ,高さ、音色だけでなく、 その方向や距離などの空間的な情報も得ることができる音像定位能力が備わっており、音像定位の物理的要因を解明し制御することによって、臨場感ある音場を再現することができる。
音像定位の要因としては、人の両耳に到達した信号間の時間差や強度差、頭や耳たぶなどによる回折で生ずる音波の周波数特性の変化、あるいは、部屋の壁などによる反射がある。これらが人に与える影響を人工的に制御するためには、頭部音響伝達関数という物理特性が重要になる。
頭部音響伝達関数(Head Related Transfer Function,HRTF)とは、反射波が全くない空間(自由空間)における、頭部や耳たぶの影響を含め、音源から聴取者の鼓膜までの音の伝達特性を表す関数である。この頭部音響伝達関数のパラメータを制御することによって、様々な音環境を模擬することができ、臨場感ある音の再現が可能となる。例えば、音楽データの再生により楽曲を視聴する時、楽器やボーカルがあたかもその場にいるような臨場感を実現することができる。
音像定位技術の一つであるクロストーク(左スピーカから右耳に到達する音、ならびに、右スピーカから左耳に到達する音のこと)のキャンセル技術については、例えば、特許文献3に記載されている。
また、頭部音響伝達関数を用いた畳み込み演算によって音像を定位させる技術については、例えば、特許文献4に記載されている。
一方、携帯電話端末等では、多機能化の一環として、自機の現在位置を検出する測位手段をもつものが開発され、市販されている。
測位手段としては、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が使用される。GPS受信機は、GPS用の人工衛星からの送信電波を受信し、ローカル周波数にシフト後に復調して、受信位置情報としての緯度/経度を算出する。
GPSを利用したナビゲーション機能を付加した携帯電話端末は、例えば、特許文献5に記載されている。
特開2002−57768号公報 特開2003−348221号公報 特開平5−41900号公報 特開平9−215100号公報 特開平8−111725号公報
先に記載したように、携帯電話端末におけるステレオ再生やハンズフリートークが可能になると、携帯電話端末の使用態様も変化し(つまり、ユーザの片耳に押し当てて使用する態様とは異なる態様で使用されことになり)、また、必然的に、ステレオ再生機能等をさらに発展、応用させて、携帯電話端末の使用価値を高めようとする動きも出てくる。
本発明の発明者は、この点に着目し、携帯電話端末に音像定位技術を導入し、通話相手の会話音声について音像定位処理を施すことを検討した。
例えば、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声の音像の位置を変化させることによって、遠く離れた位置の通話相手が、あたかも近くにいるような臨場感のある会話を楽しむことができ、また、ハイテクを使用した新規な音声通信を単純に楽しむこともできる。
しかし、上記の検討の結果、携帯電話端末への音像定位技術の適用には、以下の困難があることがわかった。
(1)移動体通信では、自己の携帯電話端末ならびに通話相手の携帯電話端末の位置が変化するため、相対的な位置関係を把握することが困難である。特に、通話相手の絶対位置を知ることの困難性がある。
(2)仮に、自機と通話相手の端末の絶対位置がわかったとしても、特許文献5に記載されるようなナビゲーションシステムを使用して自機の現在位置からみた、通話相手の端末の方位と距離を知るには、液晶ディスプレイに表示された地図上に記載された双方の端末位置から、2点間の方向と相対距離を読み取る必要がある。ここで、地図の方位は携帯端末の方位と一致しているとは限らないため、今現在の自機が居る位置に対してどちらの方位に通話相手が居るか知るために、地図の方位と現在自分の存在している方位が一致するように携帯端末を回転させる必要等が生じる。
また、地図の方位と携帯端末の方位とが一致している場合であっても、自機ならびに通話相手の端末の各位置を、地図上に重ね合わせて初めて相対的な位置関係がわかるのであり、手間がかかるという問題がある。
また、何処の位置においても自機と通話相手の端末の位置を知り得るようにするためには、広範な地図データが必要となる。携帯機器として、例えば、日本の地図の全データを保持することはデータ量が非常時大きくなり現実的ではないため、電話回線等を使用して、必要な位置付近の地図情報を、適宜、受信して取得する必要が生じる。
このように、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声の音像の位置を変化させることは、現状の技術では困難である。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、移動通信端末に負担をかけることなく、かつ、効率的に、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声や発着信音の音像定位を実現することを目的とする。
本発明の音像定位移動通信システムは、移動通信端末上で、通話相手の移動通信端末との相対的位置関係に対応して、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つの音像を移動させる機能を実現する、音像定位移動通信システムであって、自機の位置情報を取得するための測位手段と、音像定位処理手段と、複数の音出力手段と、を備える前記移動通信端末と、通話に使用される2台の前記移動通信端末間の相対位置情報を算出する無線通信基地局とを有し、前記2台の移動通信端末の各々が、前記測位手段を用いて自己の位置情報を取得し、その取得した位置情報を、前記無線通信基地局に送信し、前記無線通信基地局に内蔵される、あるいは、無線通信基地局と連携した前記相対位置情報算出手段が、一方の移動通信端末からみた他方の移動通信端末の方位情報を算出し、その算出された方位情報を相対位置情報として、前記一方の移動通信端末に送信し、前記相対位置情報を受信した移動通信端末において、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つについて、前記音像定位処理手段による音像定位処理を実施し、その音像定位処理を経て得られる複数の出力チャンネルの信号を、前記複数の音出力手段から併行的に出力する。
移動通信端末2台の移動通信端末の各々が、測位手段により取得した自機の現在位置情報を、無線通信基地局に、例えばデータチャネルを使用して送信し、無線基地局内あるいはこれと連携する相対位置情報算出手段にて両者の相対的位置関係(例えば、一方から見た他方の方位)を算出し、その算出結果を移動通信端末に、例えば制御チャネルを使用して送信するものである。これにより、移動通信端末において通話相手の端末との相対的位置関係を求める必要がなくなり、また、全国の地図を保持する必要もなくなり、移動通信端末の負担が軽減される。そして、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声の音像定位によって、遠く離れた位置の通話相手が、あたかも近くにいるような臨場感のある会話を楽しむことができ、また、ハイテクを使用した新規な音声通信を単純に楽しむこともできる。また、液晶ディスプレイ上の地図を参照することなく、音によって、通話相手が位置する方向を知ることができるという効果も得ることができる。発信音(例えば、IP電話の利用態様を示す発信音や相手の呼出音等)についても、着呼側の移動通信端末の方位に応じて音像定位処理を施すことにより、同様の効果を得ることができる。また、着呼側の移動通信端末の着信音についても、発呼側の移動通信端末の方位に応じた音像定位処理を施すことによって、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の音像定位移動通信システムでは、前記相対位置関係情報を受信した移動通信端末において、変換テーブルを用いて音像定位パラメータに変換し、その音像定位パラメータを用いて、前記音像定位処理としての頭部音響伝達関数を用いた信号処理を実行するものを含む。
例えば、受信した方位情報から音像定位パラメータへの変換を、変換テーブル(ルックアップテーブル(LUT)等)を用いて行うことにより、高速かつ効率的に音像定位パラメータの出力が可能である。また、IIR型のデジタルフィルタ等を用いて、頭部音響伝達関数に基づく信号処理を施して音像定位された各チャンネルの信号を生成することによって、高精度な音像定位が可能である。
また、本発明の音像定位移動通信システムは、前記移動通信端末のユーザが、前記無線通信基地局に対して自機の位置情報を送信しないことを選択可能であるものをふくむ。
通話を行う2台の端末のユーザの少なくとも一人が、音像定位処理を望まない場合もあり得るため、この場合には、そのユーザの自発的な機器操作によって、自己の端末の現在位置情報の送信を停止することができるようにしたものである。これにより、個人情報としての現在位置情報の開示(流出)を防ぐことが可能となり、また、ユーザの選択の幅が広がる。
また、本発明の音像定位移動通信システムの他の態様では、前記相対位置情報算出手段がさらに、2台の移動通信端末間の距離情報を算出し、その算出された距離情報を前記相対位置情報として、前記一方の移動通信端末に送信し、前記相対位置情報を受信した移動通信端末において、前記音像定位処理を実施し、前記距離情報に応じて受話音声の音量、発信音または着信音の音量を変化させる。
例えば、距離が10m以内であれば、予め設定していた発信/着信/通話音量をそのまま出力し、上記距離が100m以上であれば、予め設定していた発信/着信/通話音量の半分の音量とし、距離が10m以上かつ100m以下であれば、それに見合った音声の出力を行なう、というような処理を実施する。これにより、音量によって、通話相手との距離を感覚的に認識することができ、より臨場間のある会話を楽しむことができる。
また、本発明の音像定位移動通信システムの他の態様では、前記移動通信端末上で音楽の再生を行っている途中において着呼があった場合、前記再生されている音楽について前記音像定位処理を実施し、その音楽に変化を与えることによって、着信があったことをユーザに通知する。
移動通信端末上で、音楽ソースを再生している時に着信があった場合に、その音楽ソースの出力に対して音像定位処理を施し、着信があることをユーザに報知するものである。音像定位処理を、音楽再生中の着信の報知に利用するものであり、これにより、ユーザの気分を害することなく、着信があったことを伝えることが可能となる。
また、本発明の移動通信端末装置は、音像定位移動通信システムにおいて使用される、自機の位置情報を取得するための測位手段と、音像定位処理手段と、複数の音出力手段とを具備している。
本発明の移動通信端末によって、移動通信端末上における音像定位処理が可能となり、移動通信端末の多機能化、高機能化、ならびに使用価値の向上を実現することができる。
また、本発明の無線通信基地局装置は、本発明の音像定位移動通信システムにおいて使用される、通話に使用される2台の前記移動通信端末間の相対位置情報を算出する、相対位置情報算出手段を内蔵し、あるいは、その相対的位置関係の算出手段と連携可能である。
移動通信システムの重要な構成要素である基地局装置に、音像定位用の相対位置情報の算出機能を設け、あるいは、外部の相対位置情報算出手段との連携機能を設けることによって、容易に音像定位移動通信システムを構築することが可能となる。
また、本発明の移動通信端末上における音像定位方法は、複数の音出力チャンネルをもち、かつ、自機の位置情報を取得するための測位手段をもつ移動通信端末上で、自機と通話相手の移動通信端末との相対的な位置関係に応じて、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つの音像を移動させる、移動通信端末上における音像定位方法であって、自機ならびに通話相手の移動通信端末の各々が、前記測位手段を用いて自己の位置情報を取得し、その取得した位置情報を、無線通信用基地局に送信する第1のステップと、前記無線通信用基地局が前記自機ならびに通話相手の移動通信端末の各々の位置情報を受信し、前記無線通信用基地局内において、あるいは、この無線通信用基地局と有線または無線により接続される外部装置内において、前記各々の位置情報を用いて前記自機からみた前記通話相手の通信機器の方位と両者間の距離を検出して相対位置情報を算出し、その相対位置情報を、前記自機または前記通話相手の移動通信端末に送信する第2のステップと、前記自機または前記通話相手の移動通信端末内において、受信した前記相対位置情報を用いて、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つについての音像定位処理を実施し、その音像定位処理を経て得られる複数の信号を、前記複数の音出力チャンネルから併行的に出力する第3のステップと、を含む。
移動通信端末が備える、無線通信機能と測位手段を活用して通話相手の機器との相対位置関係を効率的に求め、移動通信端末上において音像定位を実現するものである。本方法は、多地点を通信機器で接続する遠隔会議システム等にも応用が可能である。
本発明の音像定位移動通信システムでは、分散処理システムの考え方を導入し、端末間の相対位置の算出を無線基地局等の外部の装置や施設内で行わせるようにすることによって、移動通信端末上で、通話相手の端末との相対的位置関係を求める必要がなくなり、また、全国の地図を保持する必要もなくなり、移動通信端末の負担が軽減される。
そして、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声の音像定位によって、遠く離れた位置の通話相手が、あたかも近くにいるような臨場感のある会話を楽しむことができ、また、ハイテクを使用した新規な音声通信を単純に楽しむこともできる。
また、液晶ディスプレイ上の地図を参照することなく、音によって、通話相手が位置する方向を知ることができるという効果も得られる。
また、発呼側の移動通信端末における発信音(例えば、IP電話の利用態様を示す発信音や相手の呼出音等)についても、着呼側の移動通信端末の方位に応じて音像定位処理を施すことにより、同様の効果を得ることができる。また、着呼側の移動通信端末の着信音についても、発呼側の移動通信端末の方位に応じた音像定位処理を施すことによって、同様の効果を得ることができる。
また、受信した方位情報から音像定位パラメータへの変換を、変換テーブル(ルックアップテーブル(LUT)等)を用いて行うことにより、高速かつ効率的に音像定位パラメータの出力が可能である。
また、IIR型のデジタルフィルタ等を用いて、頭部音響伝達関数に基づく信号処理を施して音像定位された各チャンネルの信号を生成することによって、高精度な音像定位が可能である。
また、ユーザの自発的な機器操作によって、自己の端末の現在位置情報の送信を停止することができるようにすることにより、個人情報としての現在位置情報の開示(流出)を防ぐことが可能となり、また、ユーザの選択の幅が広がる。
また、通話相手までの距離に応じて受話音声の音量、発信音または着信音の音量を変化させることにより、音量によって、通話相手との距離を感覚的に認識することができ、より臨場間のある会話を楽しむことが可能となる。
また、音像定位処理を、音楽再生中の着信の報知に利用することにより、ユーザの気分を害することなく、着信があったことを伝えることが可能となる。
また、本発明の移動通信端末によって、移動通信端末上における音像定位処理が可能となり、移動通信端末の多機能化、高機能化、ならびに使用価値の向上を実現することができる。
また、移動通信システムの重要な構成要素である基地局装置に、音像定位用の相対位置情報の算出機能を設け、あるいは、外部の相対位置情報算出手段との連携機能を設けることによって、容易に音像定位移動通信システムを構築することが可能となる。
また、本発明の音像定位方法によって、移動通信端末が備える、無線通信機能と測位手段を活用して通話相手の機器との相対位置関係を効率的に求め、移動通信端末上において音像定位を実現することができる。本方法は、多地点を通信機器で接続する遠隔会議システム等にも応用が可能である。
本発明によって、音像定位技術を携帯電話端末等においても効果的に利用することができるようになり、携帯電話端末等の可能性を広げることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の音像定位移動通信システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の移動通信端末(ここでは、携帯電話端末とする)100a,100bは、無線通信機能、GPSを用いた測位手段の他に、発信音、着信音および受話音声の少なくとも一つの音像を、通話相手が実際にいる方位に音像定位する音声定位機能をもつ。
本実施形態の移動通信端末100a,100bでは、IIRデジタルフィルタ等を使用して、頭部音響伝達関数に基づく信号処理を施し、音像定位処理を実施する。
また、音像定位のためには、移動通信端末100a,100b間の相対的な位置関係(一方の端末から見た他方の端末の方位角や両者間の距離)を特定することが必要であるが、この相対的位置関係の特定処理は、基地局(BS)300a内に設けられたベクトル情報算出手段23aにて、あるいは、この基地局300aと連携する、外部のベクトル情報算出手段23bにて、実施する。
特定された相対的位置関係を示す情報は、各移動通信端末100a,100bに送信される。その情報は、各移動通信端末100a,100b内にて、音像定位パラメータの発生のために使用される。
図1に示されるように、移動通信端末(携帯電話端末)100a(100bも同じ構成をもつ)は、無線通信用アンテナAN−1a(AN−1b)と、GPS衛星200からの電波を受信するアンテナAN−2a(AN−2b)と、電話番号出力手段1と、測位手段2と、無線送信手段3と、無線受信手段4と、相対位置情報を音像定位パラメータに変換する変換テーブル5と、音像定位処理を実施する音像定位部6と、音出力手段SP(左チャンネルに対応するスピーカ7aと、右チャンネルに対応するスピーカ7bを有する)と、マイク8と、各部の動作を統括的に制御するCPU9と、操作部10と、音楽ソース再生部11と、表示部(液晶ディスプレイ)12と、を有する。
また、基地局(BS)300aは、無線アンテナAN−3と、無線インタフェース20と、有線インタフェース21と、ベクトル情報算出手段23aと、システムバス22と、
CPU24と、を備える。
この基地局300aは、有線インタフェース21を介して他の基地局300bと通信が可能であり、また、ネットワーク(NW)を経由した情報通信が可能であり、また、上記のとおり、外部のシステム(例えば、携帯電話端末の位置登録センター)に設けられているベクトル情報算出手段23bと通信をすることもできる。
以下、図1の音像定位移動通信システムの基本的な動作について説明する。
通話相手の受話音声信号は、無線送信手段4により受信され、音像定位部6を経てスピーカー7a,7bに出力される。
また、移動通信端末100a(100b)の位置を検出するために、GPS衛星200からの送信電波をアンテナAN−2aで受信し、測位手段2によって、受信位置情報としての緯度/経度が算出される。
この算出された緯度/経度の情報は、無線送信手段3により、一旦、無線基地局300aに送信される。無線基地局300aは、移動通信端末100a,100bから送られてくる各々の現在位置を示す緯度/経度情報を、アンテナAN−3および無線インタフェース20を介して受信し、受信したその緯度/経度情報を、ベクトル情報算出手段23a(あるいは、連携している外部のベクトル情報算出手段23b)に送る。
ベクトル情報算出手段23a(23b)は、各移動通信端末100a,100bの位置情報(緯度/経度)に基づき、一方の移動通信端末からみた他方の移動通信端末の方位情報(ならびに必要に応じて距離情報も含める)を算出し、その算出結果を、ベクトル情報として出力する。
得られたベクトル情報は、基地局300aから各移動通信端末100a,100bに送信される。各移動通信端末100a,100bは、アンテナAN−1aおよび無線受信手段4によって、そのベクトル情報を受信する。
受信されたベクトル情報は、音像定位部6に入力される。この音像定位部6は、そのベクトル情報を変換テーブル5(ここでは、ファームウエアとしてのルックアップテーブルとする)に入力する。変換テーブル5からは、その結果として、音像定位処理用のパラメータ(デジタルフィルタ係数、遅延回路の遅延定数、出力アンプのゲイン等)が出力される。
音像定位部6は、得られた音像定位処理用パラメータを用いて、相手の受信音声、着信音や発信音についての音像定位処理を実施し、通話相手の方位に音像定位する。音像定位処理用パラメータとして音量制御パラメータも含まれるときは、音量も制御される。
このように、2台の移動通信端末100a,100bの各々が、測位手段により取得した自機の現在位置情報を、無線通信基地局に、例えばデータチャネルを使用して送信し、無線基地局300a内の、あるいはこれと連携する外部の相対位置情報算出手段23a,23b)にて両者の相対的位置関係(一方から見た他方の方位等)を算出し、その算出結果を移動通信端末に、例えば制御チャネルを使用して送信することにより、移動通信端末(100a,100b)において通話相手の端末との相対的位置関係を求める必要がなくなり、また、全国の地図を保持する必要もなくなり、移動通信端末の負担が軽減される。
そして、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声の音像定位によって、遠く離れた位置の通話相手が、あたかも近くにいるような臨場感のある会話を楽しむことができ、また、ハイテクを使用した新規な音声通信を単純に楽しむこともできる。
また、液晶ディスプレイ上の地図を参照することなく、音によって、通話相手が位置する方向を知ることができるという効果も得られる。発信音(例えば、IP電話の利用態様を示す発信音や相手の呼出音等)についても、着呼側の移動通信端末の方位に応じて音像定位処理を施すことにより、同様の効果を得ることができる。また、着呼側の移動通信端末の着信音についても、発呼側の移動通信端末の方位に応じた音像定位処理を施すことによって、同様の効果を得ることができる。
また、受信した方位情報から音像定位パラメータへの変換を、変換テーブル(ルックアップテーブル(LUT)等)を用いて行うことにより、高速かつ効率的に音像定位パラメータの出力が可能である。
また、IIR型のデジタルフィルタ等を用いて、頭部音響伝達関数に基づく信号処理を施して音像定位された各チャンネルの信号を生成することによって、高精度な音像定位が可能である。
図2は、図1の音像定位部(参照符号6)の内部構成の一例を示すブロック図である。
図示されるように、音像定位部6は、両耳間時間差信号生成器51、左チャンネル用頭部音響伝達関数処理器(デジタルフィルタ)52、右チャンネル用頭部音響伝達関数処理器(デジタルフィルタ)53と、左チャンネル用出力段アンプ54と、右チャンネル用出力段アンプ55と、を備える。
変換テーブル5からは、音像定位処理用パラメータとしての遅延係数、フィルタ係数ならびに増幅係数が出力され、これによって、左右の各チャンネルの信号の遅延量や周波数特性、ならびに音量が制御される。こにれよって、音像を、通話相手の方位に対応させて移動させることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、本発明の音像定位移動通信システムの利用形態のバリエーションや、より具体的な各部の動作手順等について説明する。
図3は、移動通信端末の利用形態ならびに音像定位処理のための手順を説明するための図である。図3において、図1と共通する部分には、同じ参照符号を付している。
図示されるように、ユーザXは、ステレオヘッドホンセット(HP)を頭部に装着しており、このステレオヘッドホンセット(HP)を介して、移動通信端末100aを利用する。
また、ユーザYは、移動通信端末100bの筐体の前面に設けられた2個のスピーカ7a,7b(図3では不図示)から出力されるステレオ音声を、ハンズフリー機能を使用して直接に聞き取る。
先に説明したように、移動通信端末100a,100bは、まず、GPS衛星200から測位情報を受信して端末の緯度/経度を測定する(ステップS1)。
次に、各移動通信端末100a,100bは、現在の自機の緯度/経度情報を、無線基地局300aに送信する(ステップS2)。
次に、無線基地局は300aは、受信した各移動通信端末100a,100bの緯度/経度情報から、一方の移動通信端末から見た他方の移動通信端末の相対位置関係情報(方位角と距離)を算出し、その相対位置関係情報を、各々の移動通信端末(100a,100b)に対して送信する(ステップS4)。
そして、各々の移動通信端末(100a,100b)にて、相対位置関係情報に基づいて音像定位処理用パラメータを算出し、そのパラメータを用いて、受話音声等について音像定位処理を実施する。
図4は、移動通信端末(携帯電話端末)と、無線基地局と、GPS衛星との間の通信シーケンスを示す図である。
移動通信端末(100a,100b)は、電源投入後、位置登録処理を実施する。位置登録処理は無線基地局(300a,300b)のBCCHデータを連続受信して、受信したBCCHの中からCSIDの値を読み出だし、その時の電界強度とCSIDを対応付け記憶しテーブル化する。すなわち、連続受信をしている最中、受信されたBCCHを繰り返しテーブルに記憶しておく。
そして、端末側が、電界強度が一番高かったCSIDに対して、リンクチャネル確立要求を送信し、そのリンクチャネル確立要求を受け取った無線基地局(ここでは、無線基地局300bとする)は、リンクチャネル割り当てを送信する。リンクチャネル割り当てを受信した移動通信端末(100a,100b)は、位置登録処理を終了する。
次に、GPS衛星200から、各移動通信端末(100a,100b)の現在位置情報を入手する。
位置情報の入手手順は次のとおりである。すなわち、移動通信端末(100a,100b)から位置情報取得要求をGPS衛星200に送信し、それを受けたGPS衛星200が、位置情報を移動通信端末(100a,100b)に送信する。このようにして、測位情報の取得処理が完了する。
以後、この位置登録動作は定期的に行なわれ、移動通信端末(100a,100b)の現在位置情報は適宜、更新される。
次に、各移動通信端末(100a,100b)から、GPS衛星200に、現在位置情報の取得要求が送信され、これに応えて、GPS衛星200から各移動通信端末(100a,100b)に、現在位置情報が送信される。
次に、各移動通信端末(100a,100b)間の相対位置情報の生成動作に移行する。以下、図5ならびに図6を参照しつつ説明する。
図5は、各移動通信端末間の緯度/経度情報に基づく相対位置情報の生成について説明するための表形式の図である。図6は、移動通信端末を使用して通話している通話者の具体的な相対位置関係を示す図である。
図6において、一方の移動通信端末100bが発呼し、他方の移動通信端末100aに着信すると、各移動通信端末(100a,100b)は、無線基地局(300a,300b)に対して、現在位置情報(緯度/経度情報)を送信する。
それらの現在位置情報を受信した無線基地局(300a,300b)は、専用線を介して相互にデータの交換が可能であり、一方の無線基地局(例えば300b)は、カバーエリア内に居るユーザYの移動通信端末100bの緯度/経度情報を、他方の無線基地局(例えば300a)に送信する。
無線基地局300aは、図1に示したように、ベクトル情報算出手段23aを内蔵しており、このベクトル情報算出手段23aによって、相対位置関係情報が生成される。
すなわち、図5に示すように、双方の移動通信端末(100a,100b)の緯度/経度情報から、一方の端末から他方の端末を見た場合の方位角および距離の情報を含む相対位置情報を算出する。
双方の移動通信端末(100a,100b)の具体的な位置関係は、図6に示されるとおりであり、移動通信端末100aは、移動通信端末100bの南南西(方位角190度)、距離50kmの地点に位置している。
各移動通信端末(100a,100b)は方位角と距離を含む相対位置情報を、基地局(300a,300b)から受信して、通話相手が自分の位置に対してどの方向にどれだけの距離に離れて存在するかを知る。
そして、通話が開始されると、相手の音声に対して相対位置情報の方位角情報から、変換テーブル5を用いて音像定位パラメータを再設定する。また、必要に応じて、距離情報に応じて、音量も調整する。
通話相手の音声は、左右のスピーカ(7a,7b)から出力される。この音声は、音像定位処理がなされていることから、ユーザは、通話相手の方位に音像が定位された音声(また、距離に応じて音量が調整された音声)を聞くことになり、立体感、臨場感のある会話を楽しむことができる。
双方の端末間の距離に応じて受話音声の音量(発信音または着信音の音量)を変化させる場合の具体例は、以下のとおりである。
発信/着信/通話の音量は予め各移動通信端末に設定されているが、この設定した音量に対して、距離に見合った係数をに掛け合わせて音量を決定する。これにより、音量によって通話距離を感覚的認識することが可能となる。
すなわち、例えば、距離が10m以内であれば、予め設定していた発信/着信/通話音量をそのまま出力し、上記距離が100m以上であれば、予め設定していた発信/着信/通話音量の半分の音量とし、距離が10m以上かつ100m以下であれば、それに見合った音声の出力を行なう、というような処理を実施する。
これにより、音量によって、通話相手との距離を感覚的に認識することができ、より臨場間のある会話を楽しむことができる。
また、先に説明したように、着信側の端末においては、受話音声の他、呼出音についても音像定位処理を施すことができる。これにより、着信側の端末のユーザは、音によって発呼者の方位を感覚的に知ることができる。
また、発呼側の端末において、発呼をした際に、発信音(IP電話の使用の有無を示す報知音や呼出音等)について音像定位処理を施すことによって、着信側のユーザの居る方位を、音によって感覚的に知ることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、ユーザの自発的な機器操作によって、自己の移動通信端末の現在位置情報の送信を停止することができるようにすることにより、個人情報としての現在位置情報の開示(流出)を防ぐことを可能とする。すなわち、着呼/発呼動作がなされる前に相手の端末に対する音像定位の無効を設定可能とする。自己の現在位置情報の開示をしたくないというユーザがいることを考慮したものである。
移動通信端末の構成は、図1に示されるものの構成と同じである。音像定位処理を望まないユーザは、図1の操作部10を操作し、予め、CPU9(に付属するメモリ)に、その旨を示すフラグ信号を登録しておく。すなわち、ユーザが、メニュー設定にて音像定位の無効を予め設定しておく。
このようにしておくと、発呼/着呼時において、その移動通信端末(100a,100b)が無線基地局(300a,300b)に送信する現在位置情報は、実際の位置にかかわらず決った値(例えば、FFFF)となる。これにより、通信相手に対して自分の位置を知らせないことが可能である。
無線基地局(100a,100b)は、少なくとも一方の端末からFFFFのデータを受信すると、その移動通信端末の位置情報をFFFFに設定し、固定する。これにより、ベクトル情報算出手段(23a,23b)による相対位置情報の生成は禁止され、通話相手の移動通信端末に対して、音像定位処理が禁止される旨の報知情報が、無線基地局(23a,23b)から報知される。この報知は、例えば、無線通信の制御チャネルを利用して行われる。
この結果、通話相手のスピーカー等から出力される通話や発着信音の音像定位はなされず、従来どおりの動作が実施されることになる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、移動通信端末上で、音楽ソースを再生している時に着信があった場合に、その音楽ソースの出力に対して音像定位処理を施し、着信があることをユーザに報知するようにする。音像定位処理を、音楽再生中の着信の報知に利用するものであり、これにより、ユーザの気分を害することなく、着信があったことを伝えることが可能となる。
移動通信端末の構成は、図1に示したものと同じである。
すなわち、図1において、音楽ソース再生部11にて、音楽用のミニディスク(MD)等の再生を行っているとき、着信があると、音像定位部6は、その再生された音楽について音像定位処理を施し(音像定位フィルタの係数を変化させ)、音像の位置を変化させる。これにより、ユーザは、着信があったことを知ることができる。
音楽再生が急に切断されることもなく、あるいは、報知音や光の点滅等による報知が不要であることから、ユーザの気分を害することなく、着信があったことをユーザに伝えることが可能となる。
本発明の移動通信端末によって、移動通信端末上における音像定位処理が可能となり、移動通信端末の多機能化、高機能化、ならびに使用価値の向上が実現される。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々、変形、応用が可能である。
例えば、上記の説明では、各移動通信端末の現在位置の測定は、GPS衛星を用いて行っているが、光ビーコンやブルートゥース(Bluetooth)装置/無線LAN装置/Irda装置/映像による位置認識装置/超音波位置検出装置等を用いて現在位置情報を取得することもできる。
また、相対位置情報の演算は、主として基地局にて行なっているが、上記のとおり、各基地局から位置登録通信センターなどの他の装置や施設を経由して相対位置情報を取得する構成としてもよい。
移動通信端末の無線方式としては、PHSの他、PDCやGSMやFOMAなど、各種の無線通信方式を採用することができる。
また、通話開始時、レシーバーから音声が出力されている場合、音声出力先をレシーバからスピーカーに切り替えることで、音像定位がなされるようにしてもよい。
通話音声の出力及び音像定位は、移動通信端末に付属のスピーカの他、ヘッドセット/ハンドセット/車載スピーカ等を使用して行うこともできる。
音声を出力するスピーカは2個以上あればよく(つまり、2チャンネル以上の音出力チャンネルがあればよく)、その数(音出力チャンネルのチャンネル数)は問わない。
本発明は、多地点を通信機器で接続する遠隔会議システム等にも応用が可能である。すなわち、本発明の音像定位技術を使用して、音像遠隔地にいる複数人が、あたかも一つのテーブルに座っているような感覚で会話することを可能とすることもできる。
以上説明したように、本発明の音像定位移動通信システムにより、移動通信端末において通話相手の端末との相対的位置関係を求める必要がなくなり、また、全国の地図を保持する必要もなくなり、移動通信端末の負担が軽減される。
そして、自己の携帯電話端末と通話相手の携帯電話端末との相対的位置関係を特定し、その相対的位置関係に応じて、受話音声の音像定位によって、遠く離れた位置の通話相手が、あたかも近くにいるような臨場感のある会話を楽しむことができ、また、ハイテクを使用した新規な音声通信を単純に楽しむこともできる。
また、液晶ディスプレイ上の地図を参照することなく、音によって、通話相手が位置する方向を知ることができるという効果も得られる。
また、発呼側の移動通信端末における発信音(例えば、IP電話の利用態様を示す発信音や相手の呼出音等)についても、着呼側の移動通信端末の方位に応じて音像定位処理を施すことにより、同様の効果を得ることができる。また、着呼側の移動通信端末の着信音についても、発呼側の移動通信端末の方位に応じた音像定位処理を施すことによって、同様の効果を得ることができる。
また、受信した方位情報から音像定位パラメータへの変換を、変換テーブル(ルックアップテーブル(LUT)等)を用いて行うことにより、高速かつ効率的に音像定位パラメータの出力が可能である。
また、IIR型のデジタルフィルタ等を用いて、頭部音響伝達関数に基づく信号処理を施して音像定位された各チャンネルの信号を生成することによって、高精度な音像定位が可能である。
また、ユーザの自発的な機器操作によって、自己の端末の現在位置情報の送信を停止することができるようにすることにより、個人情報としての現在位置情報の開示(流出)を防ぐことが可能となり、また、ユーザの選択の幅が広がる。
また、通話相手までの距離に応じて受話音声の音量、発信音または着信音の音量を変化させることにより、音量によって、通話相手との距離を感覚的に認識することができ、より臨場間のある会話を楽しむことが可能となる。
また、音像定位処理を、音楽再生中の着信の報知に利用することにより、ユーザの気分を害することなく、着信があったことを伝えることが可能となる。
また、本発明の移動通信端末によって、移動通信端末上における音像定位処理が可能となり、移動通信端末の多機能化、高機能化、ならびに使用価値の向上を実現することができる。
また、移動通信システムの重要な構成要素である基地局装置に、音像定位用の相対位置情報の算出機能を設け、あるいは、外部の相対位置情報算出手段との連携機能を設けることによって、容易に音像定位移動通信システムを構築することが可能となる。
また、本発明の音像定位方法によって、移動通信端末が備える、無線通信機能と測位手段を活用して通話相手の機器との相対位置関係を効率的に求め、移動通信端末上において音像定位を実現することができる。本方法は、多地点を通信機器で接続する遠隔会議システム等にも応用が可能である。
本発明によって、音像定位技術を携帯電話端末等においても効果的に利用することができるようになり、携帯電話端末等の可能性を広げることが可能となる。
本発明は、音像定位技術を移動通信端末においても効果的に利用することができるようにして、移動通信端末の可能性を広げることができるという効果を奏し、したがって、PHS(Personal Handy Phone System)、携帯電話端末、PDA等の通信機能ならびに測位手段を備えた移動通信端末、ならびに、これらを使用する移動通信システムに利用することができる。
本発明の音像定位移動通信システムの構成を示すブロック図 図1の音像定位部の内部構成の一例を示すブロック図 移動通信端末の利用形態ならびに音像定位処理のための手順を説明するための図 移動通信端末(携帯電話端末)と、無線基地局と、GPS衛星との間の通信シーケンスを示す図 各移動通信端末間の緯度/経度情報に基づく相対位置情報の生成について説明するための図 移動通信端末を使用して通話している通話者の具体的な相対位置関係を示す図
符号の説明
1 電話番号発信手段
2 測位手段
3 無線送信手段
4 無線受信手段
5 変換テーブル
6 音像定位部
7a,7b スピーカ
8 マイク
9 移動通信端末内のCPU
10 操作部
11 音楽ソース再生部
12 表示部
20 無線インタフェース
21 有線インタフェース
23a,23b ベクトル情報算出手段
24 無線基地局内のCPU
51 両耳間時間差信号生成器
52 左チャンネル用音響伝達関数処理器(デジタルフィルタ)
53 右チャンネル用音響伝達関数処理器(デジタルフィルタ)
54 左チャンネル用出力段アンプ
55 右チャンネル用出力段アンプ
100a,100b 移動通信端末(携帯電話端末)
200 GPS衛星
300a,300b 無線基地局

Claims (10)

  1. 移動通信端末上で、通話相手の移動通信端末との相対的位置関係に対応して、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つの音像を移動させる機能を実現する、音像定位移動通信システムであって、
    自機の位置情報を取得するための測位手段と、音像定位処理手段と、複数の音出力手段とを具備した前記移動通信端末と、
    通話に使用される2台の前記移動通信端末間の相対位置情報を算出する、相対位置情報算出手段と連携可能な無線通信基地局とを有し、
    前記2台の移動通信端末の各々が、前記測位手段を用いて自己の位置情報を取得し、その取得した位置情報を、前記無線通信基地局に送信し、
    前記無線通信基地局と連携した前記相対位置情報算出手段が、一方の移動通信端末からみた他方の移動通信端末の方位情報を算出し、その算出された方位情報を相対位置情報として、前記一方の移動通信端末に送信し、
    前記相対位置情報を受信した移動通信端末において、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つについて、前記音像定位処理手段による音像定位処理を実施し、その音像定位処理を経て得られる複数の出力チャンネルの信号を、前記複数の音出力手段から併行的に出力する移動通信端末上における音像定位移動通信システム。
  2. 請求項1記載の音像定位移動通信システムであって、
    前記相対位置関係情報を受信した移動通信端末において、変換テーブルを用いて音像定位パラメータに変換し、その音像定位パラメータを用いて、前記音像定位処理としての頭部音響伝達関数を用いた信号処理を実行する音像定位移動通信システム。
  3. 請求項1記載の音像定位移動通信システムであって、
    前記移動通信端末のユーザが、前記無線通信基地局に対して自機の位置情報を送信しないことを選択可能である音像定位移動通信システム。
  4. 請求項1記載の音像定位移動通信システムであって、
    前記相対位置情報算出手段がさらに、前記2台の移動通信端末間の距離情報を算出し、その算出された距離情報を前記相対位置情報として、前記一方の移動通信端末に送信し、前記相対位置情報を受信した移動通信端末において、前記音像定位処理を実施し、前記距離情報に応じて受話音声の音量、発信音または着信音の音量を変化させる音像定位移動通信システム。
  5. 請求項1記載の音像定位移動通信システムであって、
    前記移動通信端末上で音楽の再生を行っている途中において着呼があった場合、前記再生されている音楽について前記音像定位処理を実施し、その音楽に変化を与えることによって、着信があったことをユーザに通知する音像定位通信システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の音像定位移動通信システムであって、
    相対位置情報算出手段が前記無線通信基地局に内蔵された音像定位移動通信システム。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の音像定位移動通信システムであって、
    相対位置情報算出手段が、前記無線通信基地局の外部に設けられ、前記前記無線通信基地局と連携されている音像定位移動通信システム。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の音像定位移動通信システムにおいて使用される、自機の位置情報を取得するための測位手段と、音像定位処理手段と、複数の音出力手段とを備えた移動通信端末装置。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の音像定位移動通信システムにおいて使用される、通話に使用される2台の前記移動通信端末間の相対位置情報を算出する、相対位置情報算出手段と連携可能な無線通信基地局装置。
  10. 複数の音出力チャンネルをもち、かつ、自機の位置情報を取得するための測位手段をもつ移動通信端末上で、自機と通話相手の移動通信端末との相対的な位置関係に応じて、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つの音像を移動させる、移動通信端末上における音像定位方法であって、
    自機ならびに通話相手の移動通信端末の各々が、前記測位手段を用いて自己の位置情報を取得し、その取得した位置情報を、無線通信用基地局に送信する第1のステップと、
    前記無線通信用基地局が前記自機ならびに通話相手の移動通信端末の各々の位置情報を受信し、前記各々の位置情報を用いて前記自機からみた前記通話相手の通信機器の方位と両者間の距離の少なくとも一つを検出して相対位置情報を算出し、その相対位置情報を、前記自機または前記通話相手の移動通信端末に送信する第2のステップと、
    前記自機または前記通話相手の移動通信端末内において、受信した前記相対位置情報を用いて、受話音声、発信音および着信音の少なくとも一つについての音像定位処理を実施し、その音像定位処理を経て得られる複数の信号を、前記複数の音出力チャンネルから併行的に出力する第3のステップと、
    を含む移動通信端末上における音像定位方法。
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