JP2007012391A - 非水電解液電池 - Google Patents

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政嗣 石澤
Hirokazu Nomura
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Abstract

【課題】放電容量の低下を抑えて放電効率を向上できながら、電極間に電解液を迅速に浸透させて電解液の注液速度を向上できる非水電解液電池を得る。
【解決手段】帯状の正極6と帯状の負極7とをセパレータ9を介在させた状態で電池缶1内に収容するとともに、電池缶1内に非水電解液を収容する。正極6には、1個又は複数個の貫通孔21が設けられる。貫通孔21の1個当たりの開口断面積は0.8〜320mm2 の範囲に設定してある。正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は、0.05〜5.5mm2 の範囲に設定してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの非水電解液電池に関する。
リチウムイオン電池に代表される非水二次電池は、電圧が高いうえに高エネルギー密度であることから、その需要がますます増えるとともに、その用途も広がっており、特に高エネルギー密度化への要望が高まっている。これに対応するために、正極と負極との電極の高密度化や電池内の空隙の有効利用で電極の面積を増やして、電池内にできるだけ多くの活物質を充填することが試みられている。
この場合、正極と負極との間に浸透する電解液の浸透性(注液性)の低下が問題となる。つまり、電解液の浸透性が悪いと電池特性が低下する。この問題を解決する方法としては、特許文献1・2に示すごとく、正極あるいは負極の電極に微細な貫通孔を設けて、電解液の浸透性を向上させ、充放電効率などを良くすることが知られている。
特開2001−236945号公報(段落番号0011、図4−6) 特開平10−326628号公報(段落番号0019、図1)
前述の微細な貫通孔を設けた方法では、電解液の浸透性は改善されるものの、実際の電池の製造工程において求められる電解液の電池内への注液速度の向上という観点からは必ずしも十分ではない。この場合、各貫通孔の開口断面積を大きくすると、電解液の注液速度が向上するが、各貫通孔の開口断面積を大きくした分だけ電極の面積が減少して、放電容量の低下を招いてしまうところに問題がある。
そこで本発明の目的は、放電容量の低下を抑えて放電効率を向上できながら、電極間に電解液を迅速に浸透させて電解液の注液速度を向上できる非水電解液電池を提供することにある。
本発明が対象とする非水電解液電池は、図1および図2に示すごとく、帯状の正極6と帯状の負極7とをセパレータ9を介在させた状態で電池缶1内に収容するとともに、電池缶1内に非水電解液を収容する。本発明では、少なくとも正極6に、1個当たりの開口断面積が0.8〜320mm2 、かつ正極6の裏表両面の面積100mm2 当たりに対する裏表両面分の総開口面積が0.05〜5.5mm2 である1個又は複数個の貫通孔21が設けられている。ここでは、負極7にも貫通孔21を設ける場合も含まれる。
貫通孔21の1個分の開口断面積が0.8mm2 よりも小さいと、貫通孔21を設けない場合と電解液の浸透性や注液速度がほとんど変わらないことになる。貫通孔21の開口断面積が320mm2 よりも大きいと、放電容量に寄与する電極の有効面積が大きく減少し、電池の放電容量が過度に低下する。正極6の裏表両面の面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の面積を裏表両面分としたのは、電解液は、貫通孔21の裏表のどちらの面からも浸透するからであるとともに、電極の有効面積は、貫通孔21の表裏の面積分だけ小さくなるからである。
貫通孔21の位置は、電極の活物質の塗膜が設けられている電極部であれば特に限定されるものではないが、電極の周縁に近すぎると電極の巻回時や電池の組み立て時に損傷を受けやすいため、電極の周縁から5mm以上は電極の内方に形成されることが好ましい。電極の幅方向の中央近傍は浸透性が悪いうえ、電解液の注液速度を向上させる点を考慮すると、各貫通孔21は、正極6の幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けることが好ましい。
正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積が、0.5〜2mm2 であると、初期容量および充放電のサイクル特性が良好となるのでより好ましい。
本発明によれば、正極6と負極7との間に電解液を迅速かつ確実に浸透させることができる。そのうえで、表1に示すごとく、貫通孔21を設けた分だけ正極6の有効面積が減少しても、それによる放電容量の低下を抑えることができる。しかも、本発明の非水電解液電池を二次電池に適用した場合には、電解液の流動性が高まって、充放電の繰り返しによる放電容量の低下を抑えることができる。
本発明に係る非水電解液電池は、図1および図2に示すような上面に左右横長の開口を有する有底角筒形状の電池缶1と、電池缶1内に収容された電極体2および非水電解液と、電池缶1の開口上面を塞ぐ左右横長の蓋3と、蓋3の内側に配置されるプラスチック製の絶縁体5とを含む。電池缶1の左右幅寸法は29.0mm、上下高さ寸法は46.0mm、前後厚み寸法は4.2mmとした。
電極体2は、電極として帯状の正極6と帯状の負極7とを有し、その正極6と負極7との間にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの微多孔性薄膜フィルムからなる帯状のセパレータ9を介在させた状態で渦巻状に巻回して製造される。なお、本発明に係る電池は、電池缶1が有底円筒形状であって、その電池缶1内に円筒状に巻回した電極体2を収容した円筒型の電池であってもよい。
正極6は、正極活物質を含有する塗膜がアルミニウム箔製の正極集電体の裏表両面に配され、正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムおよびニッケル酸リチウムや、これらを基本構造とするリチウム含有複合酸化物が該当する。負極7は、負極活物質を含有する塗膜が銅箔製の負極集電体の裏表両面に配され、負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料が該当する。正極6の正極集電体からは、薄板状の正極集電リード10が導出されている。負極7の負極集電体からは、薄板状の負極集電リード11が導出されている。
蓋3は、アルミニウム合金などの板材のプレス成形品であり、電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁がレーザーでシーム溶接される。蓋3の中央には、上側の絶縁パッキング12および下側の絶縁板13を介して負極端子15を貫通状に取り付ける。蓋3の左右方向の右端寄りには、電解液を電池缶1内に注入するための円形の注液孔16が上下貫通状に形成されている。注液孔16は、電解液の注入後に栓17で塞いで封口する。
負極端子15の下端には、蓋3の内面において左右横長の薄板からなるリード体19を接続する。リード体19は、注液孔16の反対側に延びており、下側の絶縁板13で蓋3と絶縁されている。このリード体19の下面に負極集電リード11をレーザー溶接する。正極集電リード10は、蓋3の裏面において絶縁板13と注液孔16との間のスペースにレーザー溶接する。これで正極集電リード10が蓋3および電池缶1に導通して、蓋3および電池缶1が正極電位に帯電する。蓋3の左右方向の一端寄り(図2の左端寄り)には開裂ベント20が形成されており、開裂ベント20は、電池内圧が異常上昇したときに開裂して電池内圧を解放する。
正極6には、図3および図4に示すごとく、1個又は複数個の円形の貫通孔21が正極6の幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けられている。電池缶1内への電解液の注入の際には、電解液の一部が貫通孔21を通って正極6と負極7との間に浸透するようになっている。
正極6に貫通孔21を設ける工程は、正極集電体に塗膜を形成した後であればいつでもよいが、塗膜の形成後であって正極6のプレス加工前に貫通孔21を設けた場合は、プレスの際に貫通孔21が変形して開口面積が変化したり、正極6が貫通孔21を起点に損傷するなどのおそれがあるので、電極体2に巻回加工する直前に行うことが好ましい。正極6に貫通孔21を設ける加工方法は限定されないが、錐形状や針形状の加工具による突き刺し加工、パンチング加工あるいは打ち抜きポンチによる加工などの通常の機械的加工が、設備導入の容易さの点などから好ましい。
電池の組み立てに際しては、蓋3に対し、前述のように負極端子15、絶縁パッキング12、絶縁板13およびリード体19を取り付けておき、電極体2を電池缶1内に収容したのちに、負極集電リード11をリード体19に、正極集電リード10を蓋3にそれぞれ前述の要領で溶接する。次に、電池缶1の開口周縁に蓋3をレーザーでシーム溶接したのちに、電池缶1内を減圧して注液孔16から電解液を注入する。
前記電解液は、電極体2の上面側から正極6とセパレータ9との間や、負極7とセパレータ9との間などを通って電極体2の全体に浸透し、この際、電解液の一部が、正極6の貫通孔21を通って正極6とセパレータ9との間に速やかに広がっていく。そして、電解液の注入完了後に、注液孔16を栓17で封口することで電池が完成する。なお、電解液の一部は、図4に示すごとく電極体2の中心部に生じた空間や電極体2と電池缶1の内面との間に生じた隙間などを通って電極体2の下側に流れ込んだのちに、電極体2に浸透する。
電極体2は、具体的には以下のように作製される。
(正極) 比表面積が0.5m2 /gのLiCoO2 と、導電助剤としてのカーボンブラックとを重量比が98:2の比率で混合し、この混合物と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを混合してスラリーにした。この正極合剤のスラリーをフィルタに通過させて粒の大きなものを取り除いた後、厚さ寸法が15μmのアルミニウム箔からなる正極集電材の裏表両面に均一に塗付して乾燥させた。その後、ローラプレス機によりプレス加工した後に幅41mmに切断し、正極集電リード10を溶接して帯状の正極6を作製した。なお、負極7と対向しない部分には、前記正極合剤の塗布を行わなかったため、電極塗布部の寸法は、片方の面が323mm、他方の面が264mmである。
(負極) 負極活物質としての平均粒径が20μmの黒鉛98重量%と、結合剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)とを重量比が98:2の比率で混合し、この混合物と、水とを混合して負極塗料を調製した。この負極塗料を厚さ寸法が10μmの銅箔の両面に均一に塗付して乾燥させた。その後、ローラプレス機でプレスした後に所定の幅に切断し、負極集電リード11を溶接して帯状の負極7を作製した。
この正極6と負極7とを厚み寸法が20μmの微孔性ポリエチレンフィルム製のセパレータ9を介して巻回して、断面長円形状の電極体2を作製した。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1) 直径寸法L(図3)が3.1mmである貫通孔21を打ち抜きポンチを用いて正極6の上下幅方向のほぼ中央部(正極6の端面から約20mmだけ内方)に1個だけ設けた。この貫通孔21の開口断面積は7.5mm2 であり、貫通孔21の裏表両面分を合わせた開口面積は15mm2 となる。
貫通孔21を設けない状態の正極6の塗膜の裏表両面の総面積は24067mm2 であり、貫通孔21の裏表両面分の開口面積を除いた正極6の塗膜の裏表両面の面積(有効面積)は24052mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は0.06mm2 となる。
(実施例2) 直径寸法Lが3.1mmの2個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例2では、貫通孔21の1個当たりの開口断面積は7.5mm2 であるために、2個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は30mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は0.13mm2 となる。
(実施例3) 直径寸法Lが6.2mmの2個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例3では、貫通孔21の1個当たりの開口断面積は30.2mm2 であり、2個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は121mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は0.50mm2 となる。
(実施例4) 直径寸法Lが6.2mmの4個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例4では、貫通孔21の1個当たりの開口断面積は30.2mm2 であるために、4個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は242mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は1.01mm2 となる。
(実施例5) 直径寸法Lが6.2mmの8個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例5では、貫通孔21の1個当たりの開口断面積は30.2mm2 であるために、8個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は483mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は2.05mm2 となる。
(実施例6) 直径寸法Lが6.2mmの16個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例6では、貫通孔21の1個当たりの開口断面積は30.2mm2 であるために、16個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は966mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は4.18mm2 となる。
(実施例7) 直径寸法Lが1.0mmの8個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例7では、貫通孔21の1個当たりの開口断面積は0.8mm2 であり、8個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は13mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は0.05mm2 となる。
(実施例8) 直径寸法Lが10mmの1個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍に設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。実施例8では、貫通孔21の開口断面積は78.5mm2 であり、貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は157mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の開口面積は0.66mm2 となる。
(実施例9) 直径寸法Lが20mmの1個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍に設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。貫通孔21の開口断面積は314mm2 であり、貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は628mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は2.68mm2 となる。
(実施例10) 直径寸法Lが10mmの8個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。貫通孔21の1個当たりの開口断面積は78.5mm2 であるために、8個の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は1257mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は5.51mm2 となる。
(実施例11) 直径寸法Lが10mmの1個の貫通孔21を正極6の上下幅方向の中央近傍に設けるとともに、負極7に直径寸法Lが5mmの1個の貫通孔21を負極7の上下幅方向の中央近傍に設けた。負極7の貫通孔21は電極体2の作製完了時に正極6の貫通孔21に臨んでいる。これ以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。
実施例11では、正極6の貫通孔21の開口断面積は78.5mm2 であり、正極6の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は157mm2 となる。負極7の貫通孔21の開口断面積は19.6mm2 であり、負極7の貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は39mm2 となる。正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は0.66mm2 となる。
(比較例1) 貫通孔21を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。
(比較例2) 直径寸法Lが1.0mmの貫通孔21を正極6の上下幅方向の中央近傍に1個だけ設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。貫通孔21の開口断面積は0.8mm2 であり、貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は1.6mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は0.007mm2 となる。
(比較例3) 直径寸法Lが10mmの16個の貫通孔21を、正極6の上下幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に分散させた状態で設けたこと以外は、実施例1と同様にして電極体2を作製した。貫通孔21の1個当たりの開口断面積は78.5mm2 であるために、貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は2513mm2 となる。したがって、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積は11.66mm2 となる。
本発明の実施例1〜11に係る電極体2と、比較例1〜3に係る電極体2とをそれぞれ用意し、前述のように電極体2を電池缶1に収容して電池を組み立てたのちに、電池缶1内を15秒かけて減圧し、次いで注液孔16へエチレンカーボネート(EC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒を作製し、これにLiPF6 を1.0mol/リットルの濃度で溶解させた非水電解液を注入した。そして、1.8ミリリットルの電解液が電池缶1内に完全に注入された時間を測定した。
また、実施例1〜11に係る各電池と、比較例1〜3に係る各電池とに対して、温度25℃の環境下において、4.2Vの定電圧、かつ700mAの定電流で2.5時間だけ充電したのちに、700mAの定電流で放電し、終止電圧が2.75Vになると放電を終了する充放電サイクルを500回繰り返した。そして、1回目(初回)、100回目、200回目、300回目、400回目および500回目での充放電サイクルにおいて、各電池の放電容量をそれぞれ測定した。前記放電容量は、放電開始から前記終止電圧になるまでの時間に基づいて求めた。表1は、前記測定結果を示す。
Figure 2007012391
表1の実施例1〜11および比較例2・3に示すごとく、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積の割合が大きくなるほど、浸潤時間が短くなっている。つまり、貫通孔21の裏表両面分の総開口面積を大きくすれば、電解液が電極間に迅速に浸透することが確認できた。
表1では、貫通孔21を設けていない電池(比較例1)による初回の充放電サイクルの放電容量を標準容量とし、この標準容量に対する実施例1〜11と比較例2・3との各電池での初回の充放電サイクルの放電容量の比率(初期容量比率)をそれぞれ求めた。全ての実施例で十分な初期容量比率(95%以上)が得られ、充放電効率が向上したことが確認できた。これは、電極の端面から離れた部分であっても電解液が十分に行きわたって浸透性が向上し、イオン伝導性が良くなって充放電効率が向上したためと考えられる。
また、前記標準容量に対する実施例1〜11と比較例1〜3との各電池での500回目の充放電サイクルの放電容量の比率(放電容量維持率)をそれぞれ求めた。表1の実施例1〜11に示すごとく、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積が大きくなるほど、放電容量維持率が高くなった。これは、貫通孔21によって電極体2内での電解液の流動性が高まって、充放電の繰り返しで電解液内に生じた老廃物が分散し易くなり、該老廃物によるイオンの移動の妨げが低減されたためと考えられる。一方、比較例3では、実施例5・6よりも放電容量維持率が低くなった。これは、電解液の流動性の向上よりも、正極6の有効面積の現象による放電容量の低下の割合の方が大きくなるためと考えられる。
正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積が0.05〜5.5mm2 の範囲内であれば、充放電サイクル特性に優れ、電解液の浸透性に優れた電池を提供できる。貫通孔21の裏表両面分の総開口面積が前記範囲外の場合には、電解液の浸透性向上に効果がなく、初期容量比率が低くなり、高エネルギー密度の電池としては不適となる。
また、正極6の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積が0.5〜2.0mm2 の範囲内であれば、初期容量に非常に優れ、充放電サイクル特性に優れ、電解液の浸透性に優れた電池を提供できる。
前記各実施例では、貫通孔21の直径寸法Lを1mmから20mmまで、貫通孔21の個数を1個から16個まで変更したが、正極6に対する貫通孔21の裏表両面分の総開口面積が同じであれば、貫通孔21の直径寸法Lを小さくして貫通孔21の個数を多くしても同じ結果が得られる。
本発明の実施例では、各貫通孔21は、正極6の幅方向の中央近傍において正極6の長さ方向に適宜分散させたが、一度に複数個の打ち抜く場合には、決まったパターンであってもよい。
貫通孔21の形状は、特に限定されず四角形や三角形などであってもよいが、貫通孔21の穿孔に伴うバリなどの発生を少なくできる点からは円形が好ましい。また、複数種類の形状の貫通孔21が混在していても問題がない。正極6の貫通孔21と、負極7の貫通孔21とは対面させることが好ましい。負極7に貫通孔21を設ける場合には、負極7の貫通孔21の開口断面積を正極6の貫通孔21の開口断面積以下に設定することが、金属リチウム析出を防ぐうえで好ましい。
本発明に係る非水電解液電池の分解斜視図 非水電解液電池の縦断正面図 本発明に係る正極の断面図 非水電解液電池の横断平面図
符号の説明
1 電池缶
2 電極体
6 正極
7 負極
9 セパレータ
16 注液孔
21 貫通孔

Claims (3)

  1. 帯状の正極と帯状の負極とをセパレータを介在させた状態で電池缶内に収容するとともに、前記電池缶内に非水電解液を収容する非水電解液電池において、
    少なくとも前記正極は、1個当たりの開口断面積が0.8〜320mm2 、かつ前記正極の裏表両面の面積100mm2 当たりに対する裏表両面分の総開口面積が0.05〜5.5mm2 である1個又は複数個の貫通孔が設けられていることを特徴とする非水電解液電池。
  2. 前記各貫通孔が、前記正極の幅方向の中央近傍において前記正極の長さ方向に分散させた状態で設けられている請求項1記載の非水電解液電池。
  3. 前記正極の裏表両面の有効面積100mm2 当たりに対する前記貫通孔の裏表両面分の総開口面積が、0.5〜2mm2 である請求項1又は2記載の非水電解液電池。
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