JP2007009975A - 回動付勢装置 - Google Patents

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昌寛 原田
Hiroshi Ueno
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Abstract

【課題】 従来の回動付勢装置が有する諸問題を解決し、三次元的回動が可能な画期的装置を得る。
【解決手段】 外面に内側軌道面21を有する内側部材2と、内面に外側軌道面31を有し上記内側部材2との間で三次元的に相対回転可能な外側部材3と、上記内側軌道面21と外側軌道面31との間において上記三次元的な相対回転に追従して転動可能に介在した転動体4とを備えた回動付勢装置1である。上記内側軌道面21及び外側軌道面31の少なくとも一方が、上記内側部材2と外側部材3の三次元的な相対回転に伴い転動体4を転動させつつ当該転動体4の挟持間隔を漸次狭くして、上記相対回転により生じた内外部材間の三次元的な相対回転を解消する方向の回動付勢力を上記内外部材間に付与する異形軌道面2k,3kを少なくとも一部に有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、三次元的な回転方向に対してばね弾性を有する回動付勢装置に関するものである。
従来、たとえば産業用ロボットや義手・義足等の関節機構には、駆動の補助やアームのバランス保持等の為にコイルばねが用いられている。たとえば、特許文献1には、水平アームをバランスさせるトルクを水平アーム駆動軸に与えるねじりコイルばねが用いられている(特許文献1参照。)。
特開平9−70789号公報
上記従来技術のような関節機構において、当該関節機構を介して連結された部材間に三次元的な動作が求められる場合がある。このような場合は、たとえば自在継手のように、異なる方向に配向する複数の回転軸を設ける手法などが用いられる。一方、かかる関節機構の三次元的な動作に付勢力を付加する場合には、上記従来技術のようにねじりコイルばね等の回動付勢部材を追加する必要がある。
よって、三次元的な動きを許容しつつ三次元的な動作を解消するような方向に付勢力を生ずる回動付勢装置を得ようとすると、上述した自在継手等と、ねじりコイルばねとを組み合わせて用いる必要がある。また、ねじりコイルばねは、一の回転方向(二次元の回転方向)に対して付勢力を付与するのみであるから、三次元的に付勢力を得ようとする場合には、複数個のねじりコイルばねが必要となる。さらにこの場合、自在継手等の機構とねじりコイルばね等とを接合する接合部も必要となる。よって、回動付勢装置の構造が複雑となり、部品点数や組み立てコストが増加するとともに信頼性が低下するという問題があった。
更に、ねじりコイルばねや弾性材料等の回動付勢部材を用いた従来技術では種々の問題があった。
第一に、ねじりコイルばね等を用いる場合、設計自由度が低いという問題があった。例えばねじりばね定数を変化させるためには、ねじりコイルばねの場合は巻き数や巻き径等を変化させ、ゴム等の弾性部材を用いた場合は弾性部材の材質や厚みを変化させるが、これらの変化により得られるねじりばね定数の設計範囲は限られている。したがって、従来の回動付勢部材では、同一のサイズ(体格)で得られるねじりばね定数の範囲は極めて限定的であった。更に、ねじりコイルばねの場合、ねじれ角とねじりばね定数との関係は線形であり、ねじれ角に対してねじりばね定数を非線形に変化させる等、ねじれ角に応じてねじりばね定数を自在に変化させることはできなかった。
第二に、ねじりコイルばね等では、連続使用や経時変化により劣化しやすく、寿命が短いという問題があった。
第三に、ねじりコイルばね等を用いた回動付勢装置では、上述したように設計自由度が低く且つ構造が複雑となりやすいので、回動付勢装置のサイズ(体格)が大きくなりやすく、小型化に限界があった。
本発明は、従来とは全く異なる技術思想に基づきなされた新構造の回動付勢装置である。すなわち本発明は、ねじりコイルばね等の従来部材を用いた場合の諸問題を解決するとともに、三次元的な回動付勢力が得られる画期的な回動付勢装置を得ることを目的としている。
本発明の回動付勢装置は、外面に内側軌道面を有する内側部材と、内面に外側軌道面を有し、上記内側部材との間で三次元的に相対回転可能な外側部材と、上記内側軌道面と外側軌道面との間において上記三次元的な相対回転に追従して転動可能に介在した転動体とを備え、上記内側軌道面及び外側軌道面の少なくとも一方が、上記内側部材と外側部材の三次元的な相対回転に伴い上記転動体を転動させつつ当該転動体の挟持間隔を漸次狭くして、上記相対回転により生じた内外部材間の三次元的な相対回転を解消する方向の回動付勢力を上記内外部材間に付与する異形軌道面を少なくとも一部に有していることを特徴とする。
かかる構成によれば、ねじりコイルばね等を用いることのない簡素な構成で三次元的な回動付勢機能を付与することができる。また、異形軌道面の設計により三次元相対回転時の回動付勢力(以下、回動剛性ともいう。)等を自在に設計でき、設計自由度が極めて高くなる。そして、上記構成によれば、内外部材相互間に作用する力を転動体により支持でき、かつ三次元的な相対回転が可能となる。よって本発明によれば、三次元的な回動機能と、三次元的な回動付勢機能とを併せ持った装置とすることができる。
なお、三次元的な相対回転とは、相対回転軸が2本以上存在するような相対回転をいう。
上記回動付勢装置は、上記外側部材はその内部に中空部を有し、上記内側部材は上記外側部材の中空部に配置され当該外側部材と上記転動体とで三次元的に回動可能に支持されてなるとともに、上記内側部材から延び上記外側部材を貫通して外部に至る内側連結部と、上記外側部材の一部に設けられ、上記内側連結部の上記貫通を許容し且つ上記内側部材と外側部材との相対回転に伴う上記内側連結部の可動範囲を確保する開口部と、を有する構成とするのが好ましい。
このようにすると、内側連結部を介して内側部材と他部材(本発明の回動付勢装置と連結される周辺部材)とを容易に連結することができる。したがって、内側部材を第一の他部材に連結するとともに、外側部材を第二の他部材に連結することにより、内側部材と外側部材との間に作用する回動付勢力を取り出して利用することが容易となる。また、開口部により、内側連結部を外側部材に貫通させることができる。また開口部により内側連結部の可動範囲が確保されているので、内側連結部の存在下においても内側部材と外側部材との三次元的な相対回転が可能となる。
異形軌道面により内外部材間に回動付勢力を付与するという従来とは全く異なる技術思想により、簡素な構造で設計自由度の高い三次元回動付勢装置を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は、本発明の第一実施形態である回動付勢装置1を示しており、図1はその斜視図、図2はその一部断面斜視図、図3はその断面図である。図1では、外部から目視できない内部の輪郭線や稜線を破線で示している。
この回動付勢装置1は、内部が中空部とされた略球状の外側部材3と、この外側部材3の中空部に配置され外側部材3と球4とで三次元的に回動可能に支持された内側部材2と、を有している。内側部材2の外面は内側軌道面21とされ、外側部材3の内面は外側軌道面31とされている。そして、内側軌道面21と外側軌道面31との間に転動体としての球4が介在している。球4は、内側部材2の周囲に複数個(回動付勢装置1では12個)設けられており、これらの球4が、外側部材3の中空部の中央位置に配置された内側部材2を周囲から支持している。
内側部材2には、内側部材2から延び外側部材3を貫通して外部(外側部材3の外部)に至る内側連結部5が取り付けられている。内側部材2と内側連結部5とは一体化されている。一方、外側部材3の一部には、内側連結部5の外側部材3に対する上記貫通を許容する開口部6が設けられている。この開口部6は、外側部材3の外面と中空部とを連通する貫通孔7によって形成されている。また外側部材3には外側突起部8が一体的に取り付けられている。外側部材3において、外側突起部8は貫通孔7の略反対側に位置している。そして、内側連結部5と外側突起部8とは互いに略反対側に向かって延びている。
内側部材2と外側部材3とは互いに三次元的に相対回転することが可能である。球4は、内側軌道面21と外側軌道面31との間において、上記三次元的な相対回転に追従して転動する。その結果内側連結部5は、開口部6内において自由に動かされ得る。貫通孔7は内側連結部5の太さよりも大きい内径を有しているため、内側連結部5の周囲には、当該内側連結部5の可動範囲となる隙間が確保されている。逆にいえば、内側連結部5の可動範囲は開口部6の存在範囲に限定されている。開口部6の範囲を大きくすれば内側連結部5の可動範囲が増えることとなるが、その一方で開口部6の範囲を大きくすることにより外側軌道面31の範囲は狭くなる。よって開口部6の設置範囲は、開口部6の可動範囲と外側軌道面31の範囲(すなわち転動体の可動範囲)とのバランスや回動付勢装置1の用途などを考慮して決めることができる。なお、開口部6の範囲を大きくしすぎると、内側部材2を周囲から支持することができない。よって開口部6は、内側部材2を周囲から支持できるような範囲で設けられる。
内側部材2と外側部材3との相対回転軸は複数存在するが、いずれの回転軸も単一の中心点cを通る。一方、外側部材3は、全体としては略中空球状であるが、その内面、つまり外側軌道面31は単純な球面(上記中心点cを中心とする球)ではない。一方内側部材2の外面、つまり内側軌道面21も単純な球面(上記中心点cを中心とする球)ではない。
外側軌道面31は、中心点cを中心とする球面とは異なる面である異形軌道面、すなわち外側異形軌道面3kの連続により構成されている。同様に、内側軌道面21は、中心点cを中心とする球面とは異なる面である異形軌道面、すなわち内側異形軌道面2kの連続により構成されている。
内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kは、内側部材2と外側部材3との三次元的な相対回転に伴い球4を転動させつつ当該球4の挟持間隔を漸次狭くして、上記相対回転により生じた内外部材2,3間の三次元的な相対回転を解消する方向の回動付勢力を上記内外部材2,3間に付与する。図1〜図3の状態では、球4の挟持間隔が最も広くなっており、以下この状態を基準状態とする。この基準状態では回動付勢力が発生していないが、基準状態から内側部材2と外側部材3とを相対回転させるに従って球4の挟持間隔が漸次狭くなり、内側部材2と外側部材3と間に上記回動付勢力が発生する。
内側軌道面21は、2つの内側異形軌道面2kから構成されている。内側異形軌道面2kはいずれも凸曲面である。内側部材2の中央において内側軌道面21を2等分する内側中央稜線21bは単一平面内に位置する円となっている。また、この内側中央稜線21bを含む平面を内側赤道面p1(図3参照)とすると、2つの内側異形軌道面2kは内側赤道面p1を対称面として互いに対称である(ただし、内側連結部5の部分を除く。)。
内側中央稜線21bの中心点c1を通り内側赤道面p1に垂直な軸線を軸線z1としたとき(図3参照)、内側軌道面21の断面形状は、軸線z1を含む任意の断面について同一である。つまり内側軌道面21の断面形状は、軸線z1を含むいかなる断面であっても図3に示す形状となる。この断面視において、内側異形軌道面2kの曲率半径2krは、中心点c1から初期接点2mまでの長さr1よりも大きい。また、図3の断面視において、基準状態における球4と外側部材3との接点を初期接点3mとし、基準状態における球4と内側部材2との接点を初期接点2mとしたとき、当該球4が接する内側異形軌道面2kの曲率中心2kcは、初期接点2m及び初期接点3mと中心点c1とを結ぶ直線L1の延長線上にある。
一方、外側軌道面31は、2つの外側異形軌道面3kから構成されている。外側異形軌道面3kはいずれも凹曲面である。外側軌道面31の中央において上記外側軌道面31を2等分する外側中央稜線31bは単一平面内に位置する円となっている。また、この外側中央稜線31bを含む平面を外側赤道面p2(図3参照)とすると、2つの外側異形軌道面3kは外側赤道面p2を対称面として互いに対称である(ただし、開口部6により欠落した部分を除く。)。なお、基準状態においては、内側赤道面p1と外側赤道面p2とが同一平面となる。
外側中央稜線31bの中心点c2(上述の中心点c及び中心点c1と一致)を通り外側赤道面p2に垂直な軸線を軸線z2としたとき(図3参照)、外側軌道面31の断面形状は、軸線z2を含む任意の断面について同一である。つまり外側軌道面31の断面形状は、軸線z2を含むいかなる断面であっても図3に示す形状となる。この断面視において、外側異形軌道面3kの曲率半径3krは、中心点c2から初期接点3mまでの長さr2よりも小さい。なお、基準状態では、軸部z2は上述した軸線z1と一致する。また、図3の断面視において、球4が接する外側異形軌道面3kの曲率中心3kcは、当該球4と接する初期接点2m及び初期接点3mと中心点c2とを結ぶ直線L2(上述した直線L1と同一)上に位置し、且つこの直線L2上において中心点c2よりも当該外側異形軌道面3k寄りに位置する。
上述したように、内側異形軌道面2kの断面形状は軸線z1を含む任意の断面において軸線z1に関して線対称となり、且つ、外側異形軌道面3kの断面形状は軸線z2を含む任意の断面において軸線z2に関して線対称となる。よって、内側部材2を軸線z1周りに軸回転させた場合や、外側部材3を軸線z2周りに軸回転させた場合は、球4の一定の挟持間隔を維持しながら転動する。よってこれらの軸回転によっては球4の挟持間隔は変化せず、内側部材2や外側部材3は自由に軸回転することができる。換言すれば、上記軸回転によって当該軸回転を解消する方向の軸回動付勢力は発生しない。なお回動付勢装置1では、基準状態において内側連結部5と外側突起部8とが同軸でかつ互いに逆方向に延びている。
一方、内側部材2と外側部材3とを相対回転させると、軸線z1と軸線z2とのなす角が変化することとなるが、この場合は回動付勢力が生ずる。すなわち、上述したような内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kを設けたことにより、内外部材2,3の相対回転に伴い球4が転動するとともに球4の挟持間隔が漸次狭くされる。そのため球4が圧縮弾性変形し、回動付勢力が発生する。
次に、回動付勢力が発生する原理を説明する。
上述したように、基準状態においては、球4は初期接点3mと初期接点2mとに接する位置に配置されるが、この基準状態は、球4の挟持間隔(球4の接触位置における軌道面間隔)が最も広い状態である。よって、この基準状態では、両軌道面2k、3kから球4に作用する圧縮力は最小値(たとえば0)となる。なお、基準状態における初期接点2mと初期接点3mとの間の径方向距離は球4の直径と略一致させるが、若干の隙間(プラス隙間又はマイナス隙間)を与えても良い。
次に、この基準状態から内側部材2と外側部材3とを任意の方向で三次元的に相対回転させると、球4が転動するとともに、球4の挟持間隔は漸次狭くなる。よってこの相対回転に伴い球4は内側軌道面21及び外側軌道面31により圧縮されて弾性圧縮変形される。
回動付勢力が生じる点について更に詳細に説明する。図4は、回動付勢装置1により発生する回動付勢力について説明するための断面図であり、理解しやすいように内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kと球4の断面線のみを示している。図4では、内側部材2を固定し、外側部材3を反時計回りに角度θだけ回転させて静止させた釣り合い状態を示している。基準状態では、初期接点3mは図4のx軸上の位置3miに位置し、且つ初期接点2mもx軸上にある。またこの基準状態では球4の中心Prもx軸上にある。かかる基準状態から外側部材3を角度θだけ反時計回りに回転させると、球4が図4に示す位置まで反時計回りに転動する。この転動による球4の公転角度は、内側異形軌道面2kの曲率中心2kcに対して角度φiである。このとき、内側異形軌道面2kと球4との接触位置の中心をPi、外側異形軌道面3kと球4との接触位置の中心をPoとすると、PiとPoとの間の間隔は、基準状態における初期接点2mと初期接点3mとの間の間隔よりも狭くなっており、且つ、球4の直径2Rr(球4の半径Rrの2倍)よりも狭くなっている。
よって、球4は、内側軌道面21から垂直力Qiを受けるとともに、外側軌道面31から垂直力Qoを受けて圧縮弾性変形する。釣り合って静止している状態では、球4に接線力は殆ど働かず、図4に示すように点Ci,Co,Pi,Pr,Poは直線T1上に並ぶこととなる。そして、上記垂直力Qi及び垂直力Qoのベクトルの向きも直線T1と同じ向きとなり、内側部材2が球4から受ける垂直力Qi′、及び、外側部材3が球4から受ける垂直力Qo′も直線T1と同じ向きとなる。そして、外側部材3が球4から受ける垂直力Qo′は、球4との接触位置の中心Poと上記中心点cとを結ぶ方向(以下、中心向き方向ともいう)と相違しており、当該中心向き方向の成分とともに時計回りの成分を有することとなる。このようにして、外側部材3は、回動付勢力を発生させる時計回り方向のモーメント(以下、回動付勢モーメントともいう)を受ける。回動付勢モーメントの大きさは、〔(ベクトルQo′の大きさ)×(中心点cから直線T1までの距離U1)〕となる。図4の釣り合い状態では回動付勢モーメントが外側部材3を反時計回りに回そうとする外力のモーメントと釣り合っている。
上述したように、内側異形軌道面2kは凸曲面であり、且つ、外側異形軌道面3kは凹曲面である。しかも、内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kのそれぞれは滑らかに連続した曲面を構成している。内側軌道面21において滑らかに連続した曲面となっていないのは、内側中央稜線21b、及び、軸線z1と内側軌道面21との交点である頂点t1の部分のみである。また外側軌道面31において滑らかに連続した曲面となっていないのは、外側中央稜線31b、及び、軸線z2と外側軌道面31との交点である頂点t2の部分のみである。したがって、球4と軌道面との接触位置がこれら境界線21b,31bや頂点t1,t2に達しない限り、内側部材2と外側部材3との相対回転に伴う球4接触位置における軌道面間隔は漸次(徐々に)変化することとなる。回動付勢装置1では、開口部6の設置領域の全体が内側連結部5の可動範囲とされており、この可動範囲の全域において球4の挟持間隔は漸次変化する。よって、内側連結部5の可動範囲の全域において、内側部材2と外側部材3との間の回動付勢力が発生する。
回動付勢装置1によれば、ねじりコイルばね等を用いることのない簡素な構成で回動付勢機能を付与することができる。従って、従来の回動付勢部材と比較して連続使用や経時変化による劣化を抑制することができ、長寿命化が可能となる。また、従来、三次元的な相対回転に対して付勢力を得ようとすると、たとえば異なる方向に配向する2本以上の軸と、これらの軸のそれぞれに回動付勢する2個以上のねじりコイルばねが必要であった。しかしながら回動付勢装置1は、簡素な構造でありながら、3次元方向への回動機能と、3次元方向への回動付勢機能とを併せ持った極めて画期的な装置とされている。相対回転の回転軸は無数であり、極めて自由度の高い回動が得られる。また、従来の回動付勢部材と異なり、互いに相対回転する外側部材及び内側部材と回動付勢部材とを接合する接合部等の周辺部材を省略することができる。よって、周辺構造が簡素化でき、部品点数や組み立てコストを抑制できるとともに信頼性を向上させることができるとともに、部材の小型化が容易となる。
更に、回動付勢装置1では、従来の回動付勢部材と比較して、回動剛性等の設計自由度が極めて高くされている。すなわち、異形軌道面の設計(曲率、曲率中心の位置等)や球4の直径、さらには球4や内外部材2,3の剛性等により回動剛性を自在に設計できるので、設計自由度が極めて高くなり、特に部材のサイズ(体格)を変えなくても回動剛性等の特性を広範囲に亘って設定することができる。従来のねじりコイルばねでは、位相差(ねじれ角)とばね定数との関係は線形(一定)であったが、回動付勢装置1では、軸線z1と軸線z2とのなす角に対して回動剛性を非線形に変化させる等ができ、設計自由度が極めて高くされている。
また、各異形軌道面2k,3kは、軸線z1,z2を含む任意の断面において軸線対象の形状であるから、たとえばボールエンドミルを周回させる等により容易に作製することができる。また回動付勢装置1では、上述の通り、軸線z1や軸線z2周りの回転については自由(フリー)とされているから、そのような機能が求められる用途において好適に用いることができる。
回動付勢装置1では、内側部材2と外側部材3との間に作用する力を互いに支持しつつ三次元的な回動と三次元的な回動付勢力が得られるので、たとえば産業用ロボットや義手・義足等の関節部材に用いることができる。また回動付勢装置1では、内側連結部5に第一の外部部材を連結し、外側突起部8に第二の外部部材を連結することにより、外部部材に取り付けることが容易とされている。
図5〜図9は、本発明の第二実施形態である回動付勢装置50の図であり、図5はその斜視図、図6は一部断面斜視図、図7は断面図である。また図8は、図5の斜視図から内側部材2(及び内側部材2に一体的に取り付けられた内側連結部5)を抜き出して記載した斜視図である。更に図9は、図5の斜視図から外側部材3の外側軌道面31を示す線を抜き出して記載した斜視図である。なお、図1〜図3と同様、図5〜図9も基準状態における図である。
回動付勢装置50の構成は、外側軌道面31及び内側軌道面21の形状を除き上述した第一実施形態の回動付勢装置1と同様である。よって以下では、回動付勢装置1と同様の部分については説明を省略する。
また、外側軌道面31や内側軌道面21は、内側連結部5や貫通孔7の存在部分を除き内側赤道面p1や外側赤道面p2に関して対称な形状である。よって以下における内側軌道面21や外側軌道面31の説明においては、説明を簡略化するため、内側連結部5や貫通孔7の存在を適宜無視し、内側赤道面p1や外側赤道面p2に関して対称な形状のものとして説明する。
図8等に示すように、内側軌道面21は8つの内側異形軌道面2kから構成されている。これら8つの内側異形軌道面2kは全て同一形状である(内側連結部5が設けられた部分を除く)。各内側異形軌道面2kはそれぞれ球面の一部をなす凸曲面である。そして、球面の一部よりなる8つの内側異形軌道面2kが、正八面体を構成する8つの平面と同じように配置されている。換言すれば、内側軌道面21は、正八面体を構成する8つの平面のそれぞれを、球面の一部(すなわち内側異形軌道面2k)で置換することにより形成されている。内側軌道面21に内接する内接球の中心点をcnとしたとき、各内側異形軌道面2kを構成する球面の曲率半径(図示省略)は、中心点cnから初期接点2mまでの距離r3よりも大きい。各内側異形軌道面2kの曲率中心(図示省略)は、初期接点3m、初期接点2m及び中心点cnとを結ぶ直線L3上に位置する。また各内側異形軌道面2kの曲率中心は、中心点cnと比較して、当該内側異形軌道面2kからの距離が遠くされている。
一方、図9等に示すように、外側軌道面31も8つの外側異形軌道面3kか構成されている。これら8つの外側異形軌道面3kは全て同一形状である(貫通孔7が設けられた部分を除く)。各外側異形軌道面3kはそれぞれ球面の一部をなす凹曲面である。そして、球面の一部よりなる8つの外側異形軌道面3kが、正八面体を構成する8つの平面と同じように配置されている。換言すれば、外側軌道面31は、正八面体を構成する8つの平面のそれぞれを、球面の一部(すなわち外側異形軌道面3k)で置換することにより形成されている。外側軌道面31に外接する外接球の中心点をcgとしたとき、各外側異形軌道面3kの曲率半径(図示省略)は、中心点cgと初期接点3mとの距離r4よりも小さい。各外側異形軌道面3kの曲率中心(図示省略)は、初期接点3m、初期接点2m及び中心点cbを結ぶ直線L4上に位置する。また各外側異形軌道面3kの曲率中心は、中心点cnよりも当該内側異形軌道面2k側に位置する。
回動付勢装置50は、正八面体状に配置された各異形軌道面2k,3kの8つの組に対してそれぞれ一つずつ配置された合計8つの球4を有している。転動体を球4とすることにより、内側部材2と外側部材3との三次元的な相対回転に対して追従しうる転動体となすことができる。
各内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kはそれぞれ球面とされるとともに、初期接点3m,2mにおいて最大径となっている。したがって回動付勢装置50では、球4が基準状態の位置からいずれの方向に動いても、球4の挟持間隔が漸次狭くなるとともに回動付勢力が付与される。よって回動付勢装置50では、内側部材2や外側部材3の軸回転によっても、当該軸回転による内側部材2と外側部材3との相対回転を解消する方向の回動付勢力(軸回動付勢力)が生じる。なお、内側部材2の軸回転とは、中心点cnを通り内側赤道面p1に垂直な軸z3周りの内側部材2の回転を意味する。また外側部材3の軸回転とは、中心点cgを通り外側赤道面p2に垂直な軸z4周りの外側部材3の回転を意味する。なお、図7に示す基準状態においては軸z3と軸z4とは同軸である。
回動付勢装置1では、内側部材2や外側部材3は自由に軸回転することができたが、第二実施形態の回動付勢装置50では、内側部材2や外側部材3の軸回転に対しても回動付勢力(軸回動付勢力)が付与される。この軸回動付勢力が発生する理由は、回動付勢装置1における回動付勢力の発生理由と同様であり、図4で説明した通りである。つまり回動付勢装置50では、回動付勢装置1と異なり各異形軌道面2k,3kが球面(の一部)とされているので、上記軸回転によっても球4の挟持間隔が漸次狭くなり、上記軸回転付勢力が発生する。そして回動付勢装置50では、上記回動付勢装置1と同様に、内側部材2と外側部材3との三次元的な相対回転を解消する方向の回動付勢力をも生ずる。この理由も図4による説明で上述した通りである。
本発明の回動付勢装置は、従来のねじりコイルばね等と異なり、内外部材2,3間に作用する力を支持する支持機能をも有している。このように内外部材間の荷重を支持できる機能は、従来のねじりコイルばねやゴム等では全く得られない効果である。従って、従来回動付勢部材と回動軸とを組み合わせて用いていた用途(たとえば関節部材)に本発明の回動付勢装置を用いると、回動軸の負担を軽減できたり、回動軸を不要とできたりといった利点が得られる。
本発明では、転動体の形状等は限定されないが、内側部材2と外側部材3との三次元的な相対回転に追従して転動可能なものである必要があり、この観点から球が好ましい。また、回動剛性の設定自由度を高めるため、弾性圧縮変形しやすい中空の転動体(例えば中空の球等)を用いることもできる。また、転動体の材質は、回動付勢装置に求められる性能に合わせて適宜選択される。
上記各実施形態では、相対回転時において内側部材2及び外側部材3と転動体の接触領域における局所的な弾性変形を主に考慮していた。しかし、内側部材2や外側部材3の肉厚を薄くする等により、内側部材2及び/又は外側部材3の巨視的な弾性変形を大きくしてもよい。さらには、転動体はほとんど弾性変形せず、主として内側部材2又は外側部材3を弾性変形させることによって回動付勢力を得る構成としてもよい。内側部材や外側部材の剛性を設計要素として加えることにより、本発明の設計自由度が更に向上する。
たとえば、内側部材2や外側部材3の肉厚(平均肉厚)、肉厚分布、あるいは材質を変えることにより、内外部材の剛性(転動体による押圧力に対する剛性)を変化させることができる。肉厚分布を変化させる態様としては、内側部材や外側部材の肉厚を周方向で均等に変化させることもできる。また、内側部材2を中空部材としたり、内側部材2や外側部材3にスリット等を設けたりして、内側部材2や外側部材3の弾性変形を大きくしても良い。
本発明の第一実施形態である回動付勢装置の斜視図である。 図1の回動付勢装置の一部断面斜視図である。 図1の回動付勢装置の断面図である。 回動付勢力が発生する原理を説明するための図である。 本発明の第二実施形態である回動付勢装置の斜視図である。 図5の回動付勢装置の一部断面斜視図である。 図5の回動付勢装置の断面図である。 図5の回動付勢装置の内側部材(及び内側連結部)の斜視図である。 図5の回動付勢装置のうち、外側部材の外側軌道面を構成する線を示す斜視図である。
符号の説明
1 回動付勢装置
2 内側部材
2k 内側異形軌道面
21 内側軌道面
3 外側部材
3k 外側異形軌道面
31 外側軌道面
4 球(転動体)
5 内側連結部
6 開口部
50 回動付勢装置

Claims (2)

  1. 外面に内側軌道面を有する内側部材と、
    内面に外側軌道面を有し、上記内側部材との間で三次元的に相対回転可能な外側部材と、
    上記内側軌道面と外側軌道面との間において上記三次元的な相対回転に追従して転動可能に介在した転動体とを備え、
    上記内側軌道面及び外側軌道面の少なくとも一方が、上記内側部材と外側部材の三次元的な相対回転に伴い上記転動体を転動させつつ当該転動体の挟持間隔を漸次狭くして、上記相対回転により生じた内外部材間の三次元的な相対回転を解消する方向の回動付勢力を上記内外部材間に付与する異形軌道面を少なくとも一部に有していることを特徴とする回動付勢装置。
  2. 上記外側部材はその内部に中空部を有し、
    上記内側部材は上記外側部材の中空部に配置され当該外側部材と上記転動体とで三次元的に回動可能に支持されてなるとともに、
    上記内側部材から延び上記外側部材を貫通して外部に至る内側連結部と、
    上記外側部材の一部に設けられ、上記内側連結部の上記貫通を許容し且つ上記内側部材と外側部材との相対回転に伴う上記内側連結部の可動範囲を確保する開口部と、
    を有することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の回動付勢装置。
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