JP2007008268A - 運転者覚醒維持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 運転者覚醒維持装置1は、車両たる自動車Cのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の上部に取り付けられた第1のマーク3と、から構成されている。
【選択図】 図1
Description
このような事態を防止するための技術として、例えば特許文献1には、運転者の視界内に位置する車室内のサンバイザやオートマチックチェンジのインジケータやメーターパネル等に、適当な緊張感を与える覚醒照明部を設けて、運転者に適当な緊張感を与える自動車用覚醒照明装置が開示されている。
また、従来の装置は、運転者が自らの覚醒水準の低下に気付かず、スイッチを入れ忘れてしまうおそれがある。
かかる構成によれば、ステアリングホイールの少なくとも上部に、前記運転者の視覚によって前記ステアリングホイールと識別可能な第1のマークを備えることから、かかる第1のマークが運転者の周辺視に映ることとなる。
すなわち、通常、車両のステアリングホイールは、直進状態でも若干遊動することから、かかるステアリングホイールの少なくとも上部に設置された第1のマークもステアリングホイールとともに左右に遊動することとなる。そして、第1のマークは、ステアリングホイールと識別可能であることから、運転者の視覚には、第1のマークの左右方向の動きが認識され、視覚に刺激が与えられる。
特に、運転者の覚醒状態が低下すると、ステアリングホイールの動きが不自然になり、それにともなって第1のマークの左右方向の動きも不規則になることから、運転者への刺激が自動的に強くなり、覚醒状態を回復させることができる。
発光体としては、例えば発光ダイオード(LED)や電球などを用いることができる。
なお、第2のマークは、コントラストが際立つ範囲であれば、第1のマークに対して厳密に補色関係となる色でなくてもよい。具体的には、いわゆる色相環において補色を中心に45°〜60°程度の範囲内にある色であれば補色として用いて差し支えない。このような範囲の色であれば、第1のマークと第2のマークとのコントラストを際立たせることができる。
なお、発明者らの研究によれば、「運転者の視角の最小分離角よりも広い幅」とは、3.7mm以上であるのが好ましい。また、第1のマークは、幅(あるいは間隔)を調節できるように構成するのがよい。
なお、発光により視覚を刺激するため、夜間でも効果がある。
図1は、第1実施形態に係る運転者覚醒維持装置を示した斜視図である。
第1実施形態に係る運転者覚醒維持装置1は、運転者(図示せず)の視覚に左右方向の動きを与えることにより運転者の覚醒状態を維持する装置であり、図1に示すように、車両たる自動車Cのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の上部に取り付けられた第1のマーク3と、から構成されている。
なお、前記したように、ステアリングホイール2は、一般に、若干の遊びを有しており、直進状態でも左右に回動するため、第1のマーク3も左右方向に動くこととなる。
図2は、第1実施形態に係る運転者覚醒維持装置の動作を示した図面であり、(a)はステアリングホイールが回動していない状態、(b)は若干右に回動した状態、(c)は若干左に回動した状態、を示している。
つぎに、第2実施形態に係る運転者覚醒維持装置10について図面を参照して詳細に説明する。
図3は、第2実施形態に係る運転者覚醒維持装置を示した斜視図である。
第2実施形態に係る運転者覚醒維持装置10は、ステアリングホイール12と、ステアリングホイール12の上部に取り付けられた第1のマーク13と、メータバイザー14に取り付けられた第2のマーク15と、から構成されている。
すなわち、第2実施形態に係る運転者覚醒維持装置10は、第2のマーク15を備える点が、第1実施形態に係る運転者覚醒維持装置1と異なっている。
例えば、図4(a)に示すように、運転者が運転席に座っている状態での水平目線EHと、運転者の目と第1のマーク13とを結ぶ線EIとの成す角度(偏心度)θは、運転者の視点位置が高いほど大きくなる。そして、最小分離角MARは、図4(b)に示すように、偏心度θに略比例して大きくなる。
発明者らの研究によれば、運転者の身長が2.0m程度の場合、偏心度θは20°程度となり、そのときの最小分離角MARは図4(b)より20’(20分)程度となる。また、このときの運転者の目と第1のマーク13との距離L(図4(a)参照)は、63cm程度になる。これより、ステアリングホイール12上における最小分離角MARに対応する長さは3.7mmとなる。
したがって、図4(c)に示すように、第1のマーク13の幅d1(あるいは間隔d2)を3.7mm以上にすれば、ほとんどの運転者(換言すれば身長2.0m以下の運転者)に第1のマーク13を、ある程度以上の幅(面積)を持った範囲として認識させることができる。このため、第1のマーク13の視認性を向上させることができる。
図5は、第2実施形態に係る運転者覚醒維持装置の動作を示した図面であり、(a)はステアリングホイールが回動していない状態、(b)は若干右に回動した状態、(c)は若干左に回動した状態、を示している。
つぎに、第3実施形態に係る運転者覚醒維持装置20について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、第3実施形態に係る運転者覚醒維持装置を示した斜視図である。
第3実施形態に係る運転者覚醒維持装置20は、ステアリングホイール22と、メータバイザー24に設置された複数の発光体23,23と、ステアリングホイール22の操舵角を検出する操舵角検出手段25と、発光体23,23の発光を制御する発光体制御手段26と、から構成されている。
なお、第3実施形態では、発光体23はメータバイザー24に沿って配列されているが、これに限られるものではなく、運転者の視界内であれば、例えばダッシュボードの上部や、メーターパネルの内部などに配置されていてもよい。
なお、運転者覚醒維持装置20は、自動車CのイグニッションスイッチがONになると、自動車Cのバッテリーから電力が供給されるように構成するのが好ましい。このようにすると、運転者がスイッチを入れ忘れることがない。
図7は、第3実施形態に係る運転者覚醒維持装置の動作を示した図面であり、(a)はステアリングホイールが回動していない状態、(b)は若干右に回動した状態、(c)は若干左に回動した状態、を示している。
このとき、複数の発光体23,23…は、赤と緑のLEDランプが交互に配列されていることから、中央の発光体23とその両側の発光体23とのコントラストが最大になり、高い誘目性が発揮されることとなる。
図8は、運転者覚醒維持装置を備えるドライビングシミュレータを示した図面である。
発明者らは、図8に示すドライビングシミュレータを利用して、本発明に係る運転者覚醒維持装置を用いた場合と、運転者覚醒維持装置を用いない場合とを比較する実験を行った。実験条件は、以下のとおりである。
(1)ドライビングシミュレータは、単調で変化しない交通環境(具体的には草むらの直線道路)を走行する状態をシミュレートする。
(2)被験者は、フロントガラスに映る前走車FCに追従して走行する。
(3)被験者は、前走車FCのブレーキランプBが点灯したらブレーキを踏む。
(4)前走車FCのブレーキランプBが点灯してから被験者がブレーキを踏むまでの時間(反応時間)を計測する。
(5)運転者覚醒維持装置10は、図8に示すように、前記した第2実施形態と同様のものを用いる。
ここで、ステアリングホイール12に設置された第1のマーク13の縦縞模様の間隔は8mmとし、メータバイザー14に設置された第2のマーク15の縦縞模様の間隔は18mmとする。また、第1のマーク13は緑色とし、第2のマーク15は赤色とする。
図9に示すように、実験開始から450秒程度までは、実施例と比較例に大きな差は見られない。
しかし、比較例の方は、450秒を経過したあたりから反応時間の遅れが目立ち、ばらつきも大きくなっている。このことから、運転者の覚醒状態が低下しているものと判断される。
一方、実施例の方は、450秒以降、700秒までは反応時間のばらつきは見られず、運転者の覚醒状態が維持されて安定した運転が続いているものと判断される。
2,12,22 ステアリングホイール
3,13 第1のマーク
14,24 メータバイザー
15 第2のマーク
23 発光体
25 操舵角検出手段
26 発光体制御手段
C 自動車
Claims (11)
- 車両の運転者の覚醒状態を維持するための運転者覚醒維持装置であって、
ステアリングホイールの少なくとも上部に、前記運転者の視覚によって前記ステアリングホイールと識別可能な第1のマークを備えることを特徴とする運転者覚醒維持装置。 - 前記第1のマークは、前記ステアリングホイールと異なる色をしていることを特徴とする請求項1に記載の運転者覚醒維持装置。
- 前記第1のマークは、ステアリングホイールよりも誘目性の高い色をしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運転者覚醒維持装置。
- 前記第1のマークは、発光体からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の運転者覚醒維持装置。
- 前記第1のマークは、一つ以上の縦縞模様であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の運転者覚醒維持装置。
- 車両の運転者の覚醒状態を維持するための運転者覚醒維持装置であって、
ステアリングホイールの少なくとも上部に設置される前記ステアリングホイールと異なる色の第1のマークと、
直進状態で前記運転者から見て前記第1のマークの背後に見える位置に設置される前記第1のマークと異なる色の第2のマークと、を備えることを特徴とする運転者覚醒維持装置。 - 前記第1のマークおよび前記第2のマークのいずれか一方は前記ステアリングホイールよりも誘目性の高い色をしており、他方は前記誘目性の高い色に対して補色となる色をしていることを特徴とする請求項6に記載の運転者覚醒維持装置。
- 前記第2のマークは、運転者からみてステアリングホイールの上部の背後に見える位置を中心に少なくとも前記ステアリングホイールの遊び幅に対応する範囲に設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の運転者覚醒維持装置。
- 前記第1のマークは、運転者の視角の最小分離角よりも広く、ステアリングホイールの断面の直径よりも狭い幅であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の運転者覚醒維持装置。
- 車両の運転者の視界内であって、車室内の左右方向の異なる位置に設置された複数の発光体と、
ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記操舵角に応じて所定の前記発光体を発光させる発光体制御手段と、を備えることを特徴とする運転者覚醒維持装置。 - 前記複数の発光体は、メータバイザーに沿って設置されていることを特徴とする請求項10に記載の運転者覚醒維持装置。
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