JP2007005982A - 電力線通信装置とその電源方式 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力が比較的小さい電気機器に使用するACアダプタのみにフィルタの適用対象を限定するようにして、PLCシステムのコストを低減する。
【解決手段】 ACアダプタ5は、電力線3に通じるAC入力部10と、交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータ11と、変換後の直流電流が出力されるDCコード12とを有している。PLCモデム7は、DCコード12が接続されるDC入力部と、これに接続されたDC電源回路と、変復調回路と、DC入力部からの直流電流をネットワーク端末8側に供給するためのDC出力部20と、変復調回路に接続された通信ポートとを有している。そして、商用電流を通過させるローパスフィルタがAC/DCコンバータ11の商用電源側に接続され、電力線3中の通信信号を取り出してPLCモデム7の変復調回路に入力するためのバイパス信号路が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力線を情報通信の通信媒体として利用する電力線通信装置とその電源方式に関するものである。
電力線通信システム(以下、PLCシステムという。)は、商用周波数(一般的には50Hz又は60Hz)の商用電流が流れる電力線に、通信信号としての高周波信号(数kHzから高いものでは数十MHz以上に及ぶ。)を重畳して通信を行うものである。このようなPLCは専用の通信回線を使用することなく、各家屋等に引き込まれた既設の電力線(配電線あるいは電灯線とも呼ばれる。)を利用して、大容量のデータ送受信が可能であるシステムとして注目されている。
上記PLCシステムでは電力線を利用して通信信号の搬送を行うため、ユーザーの宅内での配線は、通常、例えば図7のようになる。
すなわち、PLC用の宅内モデム(子機:以下、単にPLCモデムという。)40がコンセント41に接続されて商用電流を受けて動作するとともに、他のコンセント42にパソコン等のネットワーク端末43が接続されて商用電源を受けて動作する。また、PLCモデム40は、LANケーブル44等を介してネットワーク端末43に接続されており、電力線45に重畳された通信信号を変復調してそのネットワーク端末43とデータ通信を行うようになっている。
上記の配線では、ネットワーク端末43やコンセントに接続されるその他の家庭内の電気機器(図示せず。)から発生するノイズやインピーダンスロスがPLCモデム40の通信性能に影響し、通信エラーが発生したり通信距離が短縮することがある。
そこで、コンセントの中継接続具やACコードの先端部に設けたプラグの内部に、電気機器のノイズや通信信号の周波数に対しては高インピーダンスとなり、かつ、商用電流の周波数(50Hz又は60Hz)に対しては低インピーダンスとなるローパスフィルタを内蔵したフィルタ装置が知られている。
従って、このフィルタ装置によれば、コンセントに接続される電気機器によるノイズやインピーダンスロスの影響が低減されるので、信頼性の高い通信が可能となるとともに、通信距離を長大化できる効果がある(特許文献1参照)。
特開平10−65583号公報
上記従来のフィルタ装置では、フィルタ回路を内蔵した中継接続具やコードプラグの接続対象が電気機器一般であり、消費電力が比較的小さいネットワーク端末だけでなく、消費電力が比較的大きい電気機器(例えば、掃除機やドライヤー)も接続され得る。
そして、かかる消費電力の大きい電気機器の使用に耐え得るフィルタ回路を構成するには、電流容量の大きなインダクタを使用する必要があるが、これではインダクタが大きくなってフィルタ回路を含む装置が肥大化するとともに、PLCシステム全体のコストアップに繋がるという欠点がある。
本発明は、このような実情に鑑み、消費電力が比較的小さい電気機器に使用するACアダプタのみにフィルタの適用対象を限定するようにして、フィルタ回路を含む装置の小型化と、その装置を有するPLCシステムのコストを低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、情報通信のための信号が重畳されている電力線中の商用電流をACアダプタで直流電流に変換し、この直流電流により、ネットワーク端末とこの端末に通信可能に接続されたPLCモデムとを駆動するようにした電力線通信装置の電源方式であって、
前記ACアダプタのAC/DCコンバータの商用電源側に接続されかつ前記電力線中の商用電流を通過させるローパスフィルタと、このローパスフィルタの商用電源側において前記電力線中の通信信号を取り出して前記PLCモデムの変復調回路に入力するためのバイパス信号路と、を備えていることを特徴とする。
また、上記電源方式を採用した本発明に係る電力線通信装置は、より具体的には次の構成を備えている。
すなわち、本発明に係る電力線通信装置は、情報通信のための信号伝送路として兼用されている電力線に通じるAC入力部と、このAC入力部に入力された交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータと、変換後の直流電流が出力されるDCコードとを有するACアダプタと、
前記DCコードが接続されるDC入力部と、このDC入力部に接続されたDC電源回路と、このDC電源回路で駆動される変復調回路と、前記DC入力部からの直流電流をネットワーク端末側に供給するためのDC出力部と、前記変復調回路に接続された通信ポートとを有するPLCモデムと、
前記AC/DCコンバータの商用電源側に接続されかつ前記電力線中の商用電流を通過させるローパスフィルタと、
このローパスフィルタの商用電源側において前記電力線中の通信信号を取り出して前記PLCモデムの変復調回路に入力するためのバイパス信号路と、
を備えていることを特徴とする。
上記の本発明によれば、電力線中の商用電流を通過させるローパスフィルタがAC/DCコンバータの商用電源側に接続され、このローパスフィルタの商用電源側において電力線中の通信信号を取り出してPLCモデムの変復調回路に入力するためのバイパス信号路が設けられているので、ACアダプタのAC/DCコンバータのノイズやインピーダンスロスによるPLCモデムの変復調回路に対する影響が防止ないし抑制される。
また、ACアダプタに付属するACコードには、当該ACアダプタ以外の電気機器を接続することができず、かかるACアダプタは、専ら消費電力が比較的小さい電気機器(例えばノートパソコン)に使用するものであり、消費電力が比較的高い電気機器(例えば、掃除機やドライヤー)に使用されることがない。このため、上記ローパスフィルタの許容電流を可及的に小さく抑えることができ、フィルタ回路の小型化が可能となる。
更に、本発明によれば、PLCモデムに対する電源供給がACアダプタのDC出力より行われるので、PLCモデム内にAC/DC変換回路を設ける必要がなくなり、PLCモデム自体の小型化も可能になる。
本発明において、ACアダプタがネットワーク端末用の専用品である場合には、このACアダプタの商用電源側にフィルタ回路を内部に有する信号結合器を接続させる。この信号結合器の内部には、前記ローパスフィルタと、このローパスフィルタの商用電源側に接続されかつ前記電力線中の前記通信信号を通過させるハイパスフィルタとが設けられている。そして、かかる信号結合器を採用する場合には、前記バイパス信号路は、前記ハイパスフィルタを前記PLCモデムの変復調回路に接続する信号ケーブルから構成することができる。
一方、上記のように、ネットワーク端末用の専用品であるACアダプタの商用電源側に信号結合器を接続する場合には、信号結合器とPLCモデムとを信号ゲーブルで接続する必要があり、DCコード以外の配線が必要になるため配線作業が繁雑になる。
そこで、このような不都合を解消するため、本発明は、ACアダプタのDCコードを通信信号の伝送路として利用することにより、配線作業がより簡単となる点で好ましい電力線通信装置を更に提供する。
すなわち、かかる配線作業が容易な電力線通信装置では、前記ACアダプタの内部に、前記ローパスフィルタと、前記電力線中の前記通信信号を通過させるハイパスフィルタと、このハイパスフィルタを経路中に含みかつ前記ローパスフィルタと前記AC/DCコンバータとをバイパスして同ローパスフィルタの商用電源側と前記DCコードとに接続された第一信号線とが設けられている。
また、前記PLCモデムの内部に、前記DCコード中の直流を通過させる第二のローパスフィルタと、前記DCコード中の前記通信信号を通過させる第二のハイパスフィルタと、このハイパスフィルタを経路中に含みかつ前記第二のローパスフィルタと前記DC電源とをバイパスして同ローパスフィルタの前記DC入力部側と前記変復調回路に接続された第二信号線とが設けられている。
この場合、電力線中の通信信号を取り出してPLCモデムの変復調回路に入力するためのバイパス信号路を、前記ACアダプタ内の前記第一信号線と、同ACアダプタと前記PLCモデムとを結ぶ前記DCコードと、前記PLCモデム内の前記第二信号線とから構成することができる。
このため、通信信号を伝送するための信号ケーブルをPLCモデムに配線する必要がなく、ACアダプタ側からのPLCモデムに対する配線がDCコードだけとなるので、配線作業がより簡便になる。
以上の通り、本発明によれば、消費電力が比較的小さい電気機器に使用されるACアダプタのみにフィルタの適用対象を限定したので、フィルタ回路を含む装置を小型化できるとともに、その装置を有するPLCシステムのコストを低減することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る電力線通信装置(以下、PLC装置という。)1の全体構成を示している。
同図において、屋内に設置されたコンセント2は、分電盤(図示せず。)から分岐する複数系統の商用電源の電力線3のコンセントの一部であり、このコンセント2に通じる電力線3は、上位のネットワークと通信可能な宅外に設置された親機モデム(図示せず。)、或いは、宅内の異なるコンセントに接続されたPLC装置(図示せず。)と通じている。このため、かかる電力線3は、商用電源となる交流電流を導通させる機能だけでなく、情報通信のための信号伝送路としての機能を併有している。
図1に示すように、本実施形態のPLC装置1は、一つのACアダプタ5と、このアダプタ5の商用電源側に接続された信号結合器6と、そのアダプタ5から電源供給されて駆動するPLCモデム7と、このPLCモデム7と通信可能に接続されたノートパソコン8として例示されるネットワーク端末から構成されている。
すなわち、このPLC装置1は、情報通信のための信号が重畳されている電力線3中の商用電流をACアダプタ5で直流電流に変換し、この直流電流により、ネットワーク端末8とこの端末8に通信可能に接続されたPLCモデム7とを駆動する電源方式を採用している。
本実施形態のACアダプタ5は、ネットワーク端末8に付属している専用品であって、ほぼ直方体形状の筐体と、この筐体に取り付けられた2ピンのインレットよりなるAC入力部10と、同筐体の内部に収納されかつAC入力部10に入力された交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータ11とを備えており、筐体には変換後の直流電流が出力されるDCコード12が一体に取り付けられている。
従って、後述する信号結合器6のAC出力部25が上記AC入力部10に接続されると、このAC入力部10はACコード13を介して前記電力線3に導通される。なお、上記DCコード12はACアダプタ5の筐体に対して着脱自在とすることもできる。
図2に示すように、前記PLCモデム7は、縦長の筐体と、この筐体に取り付けられたDC用のインレットよりなるDC入力部14とを備えている。その筐体の内部には、DC入力部14に接続されたDC電源回路(DC/DCコンバータ)15と、このDC電源回路15で駆動される変復調回路16とが収納されている。また、筐体には、後述する信号ケーブル26が接続されるPLCポート17と、ネットワーク端末8と通信するためのLANケーブル18が接続される通信ポート19が取り付けられており、この各ポート17,19は上記変復調回路16にそれぞれ接続されている。
更に、このPLCモデム7は、DC入力部14からの直流電流をそのままネットワーク端末8に供給するためのプラグよりなるDC出力部20を備えており、このDC出力部20は、筐体におけるDC入力部14とは反対側の部分に取り付けられている。
図3に示すように、前記信号結合器6は、ほぼ直方体形状の筐体と、この筐体の内部に収納されたローパスフィルタ22及びハイパスフィルタ23とを備えている。また、筐体には、前記ACコード13の先端部に設けられた2ピンのプラグ13Aが接続される2ピンのインレットよりなるAC入力部24と、2ピンのプラグよりなるAC出力部25とが取り付けられている。
上記ローパスフィルタ22は、AC入力部24とAC出力部25とを繋ぐ配線中に設けられている。他方、上記ハイパスフィルタ23は、筐体内の配線中におけるローパスフィルタ22とAC入力部24との間に接続されており、このハイパスフィルタ23に、PLCモデム7に対して通信信号を伝送するための信号ケーブル26が接続されている。
上記各フィルタ22,23のうち、ローパスフィルタ22は、AC/DCアダプタ11のノイズや通信信号の周波数(数kHzから数十MHz)に対しては高インピーダンスとなり、かつ、商用電流の周波数(50Hz又は60Hz)に対しては低インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。他方、ハイパスフィルタ23は、逆に、通信信号の周波数に対しては低インピーダンスとなり、かつ、商用電流の周波数に対しては高インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。
ACアダプタ5に信号結合器6を接続すると、その結合器6内のローパスフィルタ22がAC/DCコンバータ11の商用電源側に接続された状態となる。
また、上記ハイパスフィルタ23により、ローパスフィルタ22の商用電源側において電力線3中の通信信号が取り出される。従って、当該信号結合器6の信号ケーブル26は、PLCモデム7のPLCポート17に接続されることにより、ハイパスフィルタ23により取り出された通信信号を、AC/DCコンバータ11をバイパスしてPLCモデム7の変復調回路16に入力するためのバイパス信号路として機能する。
上記構成に係る本実施形態のPLC装置1によれば、信号結合器6をACアダプタ5に接続し、かつ、その信号結合器6の信号ケーブル26をPLCモデム7に接続することにより、電力線3中の商用電流を通過させるローパスフィルタ22がAC/DCコンバータ11の商用電源側に接続され、また、このローパスフィルタ22の商用電源側において電力線3中の通信信号を取り出してPLCモデム7の変復調回路16に入力するバイパス信号路が構成される。
このため、ACアダプタ5のAC/DCコンバータ11のノイズやインピーダンスロスによるPLCモデム7の変復調回路16に対する影響が防止ないし抑制され、通信の信頼性を高めることができるとともに、通信距離を長大化することができる。
また、ACアダプタ5の付属品であるACコード13には、当該ACアダプタ5以外の電気機器を接続することができない。そして、かかるACアダプタ5は消費電力が小さいネットワーク端末(例えば、ノートパソコン)8に使用するものであり、消費電力が比較的高い電気機器(例えば、掃除機やドライヤー)に使用されることがないので、ローパスフィルタ22の許容電流を可及的に小さく抑えることができ、フィルタ回路の小型化が可能となる。このため、そのフィルタ回路を含む信号結合器6を小型化できるとともに、PLC装置1全体のコストを低減することができる。
また、PLCモデム7に対する電源供給がACアダプタ5のDC出力で行われるので、PLCモデム7内にAC/DC変換回路を設ける必要がなくなり、このため、PLCモデム7自体の小型化が可能になるという利点もある。
図4は、本発明の第二実施形態に係るPLC装置1の全体構成を示している。
本実施形態のPLC装置1が第一実施形態のPLC装置1と異なる点は、ACアダプタ5の内部に信号結合部を構成して、DCコード12を通信信号の伝送路として利用することにより、ユーザーによる配線作業をより単純化している点にある。
図6に示すように、この場合のACアダプタ5も、直方体形状の筐体と、この筐体に取り付けられた2ピンのインレットよりなるAC入力部10と、同筐体の内部に収納されかつAC入力部10に入力された交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータ11とを備えており、筐体には変換後の直流電流が出力されるDCコード12が一体に取り付けられている。
本実施形態のACアダプタ5は、更に、第一ローパスフィルタ28と第一ハイパスフィルタ29を筐体の内部に備えている。
このうち、第一ローパスフィルタ28は、AC入力部10とAC/DCコンバータ11との間に接続されており、第一ハイパスフィルタ29は、筐体内の配線中における第一ローパスフィルタ28とAC入力部10との間に接続されている。すなわち、この筐体内には、第一ハイパスフィルタ29を経路中に含みかつ第一ローパスフィルタ28とAC/DCコンバータ11とをバイパスして同ローパスフィルタ28の商用電源側とDCコード12とに接続された第一信号線30が設けられている。なお、本実施形態では、AC/DCコンバータ11の直流側にも別のローパスフィルタ31が設けられている。
上記各フィルタ28,29,31のうち、第一ローパスフィルタ28は、AC/DCコンバータ11のノイズや通信信号の周波数(数kHzから数十MHz)に対しては高インピーダンスとなり、かつ、商用電流の周波数(50Hz又は60Hz)に対しては低インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。他方、第一ハイパスフィルタ29は、逆に、通信信号の周波数に対しては低インピーダンスとなり、かつ、商用電流の周波数に対しては高インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。
また、前記直流側のローパスフィルタ31は、AC/DCコンバータ11のノイズや通信信号の周波数(数kHzから数十MHz)に対しては高インピーダンスとなり、かつ、直流に対しては低インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。
一方、図5に示すように、本実施形態のPLCモデム7も、縦長の筐体と、この筐体に取り付けられたDC用のインレットよりなるDC入力部14とを備えている。その筐体の内部には、DC入力部14に接続されたDC電源回路(DC/DCコンバータ)15と、このDC電源回路15で駆動される変復調回路16とが収納されている。筐体には、ネットワーク端末8と通信するためのLANケーブル18が接続される通信ポート19が取り付けられており、このポート19は上記変復調回路16に接続されている。
また、このPLCモデム7も、DC入力部14からの直流電流をそのままネットワーク端末8に供給するためのプラグよりなるDC出力部20を備えており、このDC出力部20は、筐体におけるDC入力部14とは反対側の部分に取り付けられている。
本実施形態のPLCモデム7は、更に、第二ローパスフィルタ32と第二ハイパスフィルタ33を筐体の内部に備えている。
このうち、第二ローパスフィルタ32は、筐体内の配線中におけるDC入力部14とDC出力部20との間に挿入されている。また、第二ハイパスフィルタ33は、筐体内の配線中における第二ローパスフィルタ32のDC入力部14側と変復調回路16との間に挿入されている。すなわち、この筐体内には、第二ハイパスフィルタ33を経路中に含みかつ第二ローパスフィルタ32とDC電源回路15とをバイパスして同ローパスフィルタ32のDC入力部14側と変復調回路16とに接続された第二信号線34が設けられている。
上記各フィルタ32,33のうち、第二ローパスフィルタ32は、ネットワーク端末8のノイズや通信信号の周波数(数kHzから数十MHz)に対しては高インピーダンスとなり、かつ、直流に対しては低インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。他方、第二ハイパスフィルタ33は、逆に、通信信号の周波数に対しては低インピーダンスとなり、かつ、直流に対しては高インピーダンスとなるフィルタ回路よりなる。
上記構成に係る本実施形態のPLC装置1においては、電力線3中の商用電流を通過させる第一ローパスフィルタ28がACアダプタ5の内部においてAC/DCコンバータ11の商用電源側に接続されているとともに、電力線3中の通信信号を取り出してPLCモデム7の変復調回路16に入力するためのバイパス信号路が、ACアダプタ5内の第一信号線30、ACアダプタ5のDCコード12及びPLCモデム7内の第二信号線34とから構成される。
従って、ACアダプタ5のAC/DCコンバータ11のノイズやインピーダンスロスによるPLCモデム7の変復調回路16に対する影響が防止ないし抑制され、この点で第一実施形態のPLC装置1と同様の作用効果を奏する。
また、本実施形態のPLC装置1においても、第一ローパスフィルタ28を内蔵するACアダプタ5は、消費電力の比較的高い電気機器(例えば、掃除機やドライヤー)に使用されることがないので、第一ローパスフィルタ28の許容電流を可及的に小さく抑えることができ、フィルタ回路の小型化が可能となる。
しかも、PLCモデム7内にAC/DC変換回路を設ける必要がなく、PLCモデム7自体の小型化も可能になり、この作用効果の点でも第一実施形態のPLC装置1と同様である。
そして、本実施形態のPLC装置1では、上記バイパス信号路が、ACアダプタ5内の第一信号線30、ACアダプタ5のDCコード12及びPLCモデム7内の第二信号線34で構成されるため、第一実施形態のPLC装置1の場合に必要であった通信信号を伝送するための信号ケーブル26が不要となる。このため、同ケーブル26をPLCモデム7に配線する必要がなく、ACアダプタ5側からのPLCモデム7に対する配線がDCコード12だけとなるので、第一実施形態のPLC装置1に比べて配線作業が簡便になるという利点がある。
なお、上記実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の範囲に含まれる。
本発明の第一実施形態に係るPLC装置の全体構成を示す配線構造図である。 第一実施形態のPLC装置に用いるPLCモデムの回路ブロック図である。 第一実施形態のPLC装置に用いる信号結合器の回路ブロック図である。 本発明の第二実施形態に係るPLC装置の全体構成を示す配線構造図である。 第二実施形態のPLC装置に用いるPLCモデムの回路ブロック図である。 第二実施形態のPLC装置に用いるACアダプタの回路ブロック図である。 従来のPLC装置の配線構造図である。
符号の説明
1 電力線通信装置(PLC装置)
2 コンセント
3 電力線
5 ACアダプタ
6 信号結合器
7 PLCモデム
8 ノートパソコン(ネットワーク端末)
10 AC入力部
11 AC/DCコンバータ
12 DCコード
14 DC入力部
15 DC電源回路
16 変復調回路
19 通信ポート
20 DC出力部
22 ローパスフィルタ
23 ハイパスフィルタ
26 信号ケーブル(バイパス信号路)
28 第一ローパスフィルタ
29 第一ハイパスフィルタ
30 第一信号線(バイパス信号路)
32 第二ローパスフィルタ
33 第二ハイパスフィルタ
34 第二信号線(バイパス信号路)

Claims (4)

  1. 情報通信のための信号伝送路として兼用されている電力線に通じるAC入力部と、このAC入力部に入力された交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータと、変換後の直流電流が出力されるDCコードとを有するACアダプタと、
    前記DCコードが接続されるDC入力部と、このDC入力部に接続されたDC電源回路と、このDC電源回路で駆動される変復調回路と、前記DC入力部からの直流電流をネットワーク端末側に供給するためのDC出力部と、前記変復調回路に接続された通信ポートとを有するPLCモデムと、
    前記AC/DCコンバータの商用電源側に接続されかつ前記電力線中の商用電流を通過させるローパスフィルタと、
    このローパスフィルタの商用電源側において前記電力線中の通信信号を取り出して前記PLCモデムの変復調回路に入力するためのバイパス信号路と、
    を備えていることを特徴とする電力線通信装置。
  2. 前記ACアダプタは前記ネットワーク端末用の専用品であるとともに、このACアダプタの商用電源側に信号結合器が接続され、
    この信号結合器の内部に、前記ローパスフィルタと、このローパスフィルタの商用電源側に接続されかつ前記電力線中の前記通信信号を通過させるハイパスフィルタとが設けられ、
    前記バイパス信号路は、前記ハイパスフィルタを前記PLCモデムの変復調回路に接続する信号ケーブルからなる請求項1に記載の電力線通信装置。
  3. 前記ACアダプタの内部に、前記ローパスフィルタと、前記電力線中の前記通信信号を通過させるハイパスフィルタと、このハイパスフィルタを経路中に含みかつ前記ローパスフィルタと前記AC/DCコンバータとをバイパスして同ローパスフィルタの商用電源側と前記DCコードに接続された第一信号線とが設けられ、
    前記PLCモデムの内部に、前記DCコード中の直流を通過させる第二のローパスフィルタと、前記DCコード中の前記通信信号を通過させる第二のハイパスフィルタと、このハイパスフィルタを経路中に含みかつ前記第二のローパスフィルタと前記DC電源とをバイパスして同ローパスフィルタの前記DC入力部側と前記変復調回路に接続された第二信号線とが設けられ、
    前記バイパス信号路は、前記ACアダプタ内の前記第一信号線と、同ACアダプタと前記PLCモデムとを結ぶ前記DCコードと、前記PLCモデム内の前記第二信号線とからなる請求項1に記載の電力線通信装置。
  4. 情報通信のための信号が重畳されている電力線中の商用電流をACアダプタで直流電流に変換し、この直流電流により、ネットワーク端末とこの端末に通信可能に接続されたPLCモデムとを駆動するようにした電力線通信装置の電源方式であって、
    前記ACアダプタのAC/DCコンバータの商用電源側に接続されかつ前記電力線中の商用電流を通過させるローパスフィルタと、このローパスフィルタの商用電源側において前記電力線中の通信信号を取り出して前記PLCモデムの変復調回路に入力するためのバイパス信号路と、を備えていることを特徴とする電力線通信装置の電源方式。
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JP2008187636A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Sumitomo Electric Ind Ltd アドオン型電力線通信装置
JP2009022143A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Mitsubishi Electric Corp 列車情報制御システムの診断システム
US9369178B2 (en) 2010-10-20 2016-06-14 Megachips Corporation PLC/power-supply hybrid device and device with communication function

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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