JP2007005642A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含むIII−V化合物半導体のバリア層を有する量子井戸構造の活性領域を備えリーク電流を低減可能な半導体発光素子を提供する。
【解決手段】埋め込み半導体領域19は、第1導電型埋め込み層および第2導電型埋め込み層を含む。第2導電型埋め込み層23は、活性領域17の側面18上に設けられている。第1導電型埋め込み層25は、第2導電型埋め込み層23上に設けられている。活性領域17は量子井戸構造31を有する。バリア層29は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含む第1のIII−V化合物半導体から成る。第1のIII−V化合物半導体は1マイクロメートルを超えるバンドギャップ波長λBgを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
特許文献1には、半導体レーザが記載されている。この半導体レーザは,光導波路を備えている。この光導波路は,下部クラッド層、コア層、第1上部クラッド層および第2上部クラッド層を備えている。光導波路では、これらの層が順に積層されており、第1上部クラッド層とコア層とを含むチャネル部が形成されている。該チャネル部は,下部埋め込み層と上部埋め込み層とにより埋め込まれている。コア層は,下部クラッド層上に,InGaAsPからなる下部SCH層と、ホール停止層と、1.3マイクロメートル帯の発光波長のAlInGaAsからなる活性層と、電子停止層と、InGaAsPからなる上部SCH層とを含む。コア層では、これらの層が順に積層されている。半導体レーザでは,チャネル部のAl組成比率が小さいために、チャネル部のAl自然酸化膜の生成が抑制される。キャリア注入効率が向上し高温動作に適し製造容易な半導体装置の製造方法及び半導体装置が提供される。
非特許文献1では、発光波長が1.3マイクロメートル帯のInGaAsP/InP埋め込みヘテロ構造レーザにおける高温でのリーク電流が解析されている。この半導体レーザは、pn電流ブロック構造を有している。
特開2000−286508号公報 IEEE Journal of Quantum Electronics.VOL. 25, NO. 6, June 1989, pp1369-1375
光通信により伝達される情報量の増大とともに、より高速変調が可能で低コストな発光素子が求められている。ペルチェ素子といった温度調節機構なしで用いられる直接変調型の1.3μm帯の半導体レーザは、その目的に適合したものとして注目されている。温度調節機構がないので、発光素子が高温で良好な特性を示すことが必要であり、これまで広く光通信用半導体レーザの活性層として用いられてきたInGaAsP系材料に代わり、半導体レーザの温度特性を向上させることができるAlGaInAs系材料を用いることが有利である。活性層を含む半導体積層をInP基板上に形成した後、エッチングによりメサストライプを形成する。メサストライプは、電流ブロック層で埋め込まれる。埋め込み型半導体レーザは、電流を効率的に活性層に狭窄できるので、低しきい値電流であること、また、安定した横モード動作が得られることという特長がある。電流ブロック層としては、p型InPとn型InPとの組み合わせにより電流を狭窄するものが用いられる。特許文献1では、p型InP下部埋め込み層およびn型InP上部埋め込み層を用いたp−、n−ブロック層を含む埋め込み半導体レーザが示されているが、p−、n−ブロック層を流れるリーク電流を低減することに関しては記述がない。
背景技術には、リーク電流を低減する手法が記載されている。p−、n−ブロック層で電流狭窄を行う半導体レーザの構造の電気的なモデルでは、pnpn構造の寄生サイリスタが半導体レーザのpnダイオードに接している。このモデルにおいて、リーク電流低減のためにはn型ブロック層とn型クラッド層が接しない構造が必須であるので、この構造では、p型クラッド層とp型ブロック層が接する。ブロック層に注入される少数キャリア(p型ブロック層については電子、n型ブロック層については正孔)がある値を超えると寄生サイリスタがターンオンして、p−、n−ブロック層を介して流れるリーク電流が増える。背景技術に記載された文献の半導体レーザでは、活性層がpブロック層に接しているが、活性層の構成がブロック層を流れるリーク電流に与える影響については全く触れられていない。
発明者らが、n−InP/p−InP半導体層を用いて活性層を埋め込む構造の半導体発光素子を作製した。この活性層は、バンドギャップ波長が1.3マイクロメートル帯にあるAlGaInAs半導体層を含む。しかしながら、半導体発光素子からは、期待された光出力が得られない。この光出力の低下は、pn埋め込み層を流れるリーク電流によって生じていると考えられる。一方、InGaAsP/InP埋め込みヘテロ構造レーザでは、十分小さいリーク電流が実現されている。
本発明は、上記の事項を鑑みて為されたものであり、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含むIII−V化合物半導体のバリア層を有する量子井戸構造の活性領域を含みリーク電流を低減可能な半導体発光素子を提供することを目的としている。
本発明の一側面によれば、半導体発光素子は、(a)第1導電型半導体領域と、(b)第2導電型半導体領域と、(c)前記第1導電型半導体領域と前記第2導電型半導体領域との間に設けられており半導体メサ内に位置する活性領域と、(d)前記第1導電型半導体領域と前記第2導電型半導体領域との間に位置しており前記半導体メサの側面上および前記第1導電型半導体領域上に設けられた埋め込み半導体領域とを備え、前記埋め込み半導体領域は、前記活性領域の側面上に設けられた第2導電型埋め込み層と、前記第2導電型埋め込み層上に設けられた第1導電型埋め込み層とを含み、前記活性領域は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含む第1のIII−V化合物半導体から成るバリア層と第2のIII−V化合物半導体から成る井戸層とを含む量子井戸構造を有しており、前記第1のIII−V化合物半導体は1マイクロメートルを超えるバンドギャップ波長を有している。
この半導体発光素子によれば、バリア層は、1マイクロメートルを超えるバンドギャップ波長を有する第1のIII−V化合物半導体から成る。上記のバリア層のバンドギャップ波長が大きくなるにつれて、バリア層の伝導帯のエネルギが低くなる。これ故に、バリア層から第2導電型埋め込み層へのキャリアの注入が減少する。この半導体発光素子は、第1導電型半導体領域、第2導電型埋め込み層、第1導電型埋め込み層および第2導電型半導体領域から構成される寄生サイリスタを含むけれども、この寄生サイリスタのターンオンが抑制される。
本発明に係る半導体発光素子では、前記第1のIII−V化合物半導体は1.05マイクロメートル以上のバンドギャップ波長を有することができる。
本発明に係る半導体発光素子では、前記井戸層の前記第2のIII−V化合物半導体は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含んでいる。この半導体発光素子によれば、1.3μm帯半導体発光素子に関して、井戸層とバリア層との好適な組み合わせが提供される。
本発明に係る半導体発光素子では、前記第1のIII−V化合物半導体は1.15マイクロメートル以下のバンドギャップ波長を有することができる。この半導体発光素子では、高速特性が優れている。
本発明に係る半導体発光素子では、前記第1のバリア層は引っ張り歪みを有することができる。更に、本発明に係る半導体発光素子では、前記井戸層は圧縮歪みを有することができる。この半導体発光素子によれば、1.3μm帯半導体発光素子に関して、井戸層とバリア層の歪みの好適な組み合わせが提供される。
本発明に係る半導体発光素子では、前記バリア層はAlGaInAs半導体から成り、前記第1導電型埋め込み層はInP半導体から成り、前記第2導電型埋め込み層はInP半導体から成ることができる。この半導体発光素子によれば、1.3μm帯半導体発光素子に関して、バリア層、第1導電型埋め込み層および第2導電型埋め込み層の好適な組み合わせが提供される。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含むIII−V化合物半導体のバリア層を有する量子井戸構造の活性領域を備えリーク電流を低減可能な半導体発光素子が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体発光素子に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1(A)は、第1の実施の形態に係る半導体発光素子を示す図面である。図1(B)は、図1(A)に示された半導体発光素子の活性領域付近の構成を示す図面である。半導体発光素子11は、第2導電型半導体領域13と、第1導電型半導体領域15と、活性領域17と、埋め込み半導体領域19とを備える。活性領域17は、第2導電型半導体領域13と第1導電型半導体領域15との間に設けられており、また半導体メサ21内に位置する。埋め込み半導体領域19は、第2導電型半導体領域13と第1導電型半導体領域15との間に位置しており、また半導体メサ21の側面22上および第1導電型半導体領域15上に設けられている。埋め込み半導体領域19は、第2導電型埋め込み層23および第1導電型埋め込み層25を含む。第2導電型埋め込み層23は、活性領域17の側面18上および第1導電型半導体領域15上に設けられている。第1導電型埋め込み層25は、第2導電型埋め込み層23上に設けられている。活性領域17は、井戸層29、31およびバリア層27を含む量子井戸構造31を有している。バリア層27は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含む第1のIII−V化合物半導体から成る。第1のIII−V化合物半導体は1マイクロメートルを超えるバンドギャップ波長λBgを有している。
図2(A)は、図1(A)に示された半導体発光素子の一例を模式的に示した図面である。本実施例の半導体発光素子11aでは、第1導電型半導体領域15aはn導電型を示し、第2導電型半導体領域13aはp導電型を示す。図2(A)を参照しながら具体的に説明すれば、n型半導体領域15a、p型埋め込み半導体層23a、n型埋め込み半導体層25aおよびp型半導体領域13aは、pnpnサイリスタを構成する。
再び、図1を参照すると、この半導体発光素子11によれば、バリア層27の第1のIII−V化合物半導体は、1マイクロメートルを超えるバンドギャップ波長λBgを有する。上記のバリア層27のバンドギャップ波長λBgが大きくなるにつれて、バリア層27の伝導帯のエネルギが低くなる。これ故に、バリア層27から第2導電型埋め込み層23へのキャリアの注入が減少する。この半導体発光素子11は、第1導電型半導体領域15、第2導電型埋め込み層23、第1導電型埋め込み層25および第2導電型半導体領域13から構成される寄生サイリスタを含むけれども、この寄生サイリスタのターンオンが抑制される。
次いで、InGaAsP半導体から成るバリア層を含む量子井戸構造を活性層に用いた半導体レーザと、AlGaInAs半導体から成るバリア層を含む量子井戸構造を活性層に用いた半導体レーザとを比較して、本実施の形態の利点を説明する。図2(B)は、InP基板に格子整合するAlGaInAs/InP系におけるバンド不連続比として広く用いられている比(△Ec:△Ev=0.72:0.28)を用いてInPとのバンド不連続を計算した結果を示す。また、図2(C)は、InP基板に格子整合するInGaAsP/InP系の伝導帯と価電子帯のバンド不連続比として広く用いられている比(△Ec:△Ev=0.4:0.6)を用いてInPとのバンド不連続を計算した結果を示す。InGaAsP/InP系の接合では、InP半導体の伝導帯エネルギレベルよりもInGaAsP半導体の伝導帯エネルギレベルが約7.0×10−21ジュール(44meV)低くなっている。一方、InP半導体とAlGaInAs半導体との接合では、AlGaInAs半導体の伝導帯は、InP半導体の伝導帯エネルギレベルよりも約1.68×10−20ジュール(105meV)高い。半導体発光素子の活性層には、電子とホールが注入されて発光再結合により光を発生する。量子井戸構造では、発光は井戸層で生じるが、電子はバリア層の伝導帯を通って井戸層に提供される。
リーク電流低減のために、活性層の側面にはp型ブロック層が接する。バリア層とInPのバンド不連続の関係は図2(B)および図2(C)に示されるようになるので、バリア層がInGaAsP半導体からなる半導体レーザでは、バリア層の伝導帯からInP半導体に電子が注入されにくい。しかしながら、バリア層がAlGaInAsから成る半導体レーザでは、バリア層の伝導帯からInPに電子が注入されると考えられる。
p型ブロック層への少数キャリア(電子)の注入量が増えてpnpnサイリスタがターンオンしてしまうと、リーク電流が増える。バリア層がAlGaInAs半導体から成る半導体レーザへの電流量を増やすと、バリア層からp型InPブロック層への電子の注入が増えてリーク電流が増える。このような機構によるリーク電流の増加は、活性領域に、AlGaInAs系材料といった半導体材料(InPよりも伝導帯のエネルギが高い材料)を用いることにより初めて生じるものである。バリア層にInGaAsP半導体を用いる場合は問題がない。本実施の形態では、バリア層のバンドギャップは、波長1.0マイクロメートルに相当するバンドギャップより小さい。バリア層のバンドギャップを小さくするとAlGaInAsの伝導帯のエネルギは低くなるので、バリア層からp型InPブロック層への電子の注入が減少する。このため、pnpnサイリスタのターンオンが抑制され、発光素子により高い電流を印加してもリーク電流を少ない。
一実施例では、図1に示されるように、第1導電型半導体領域15は、半導体メサ21に含まれる第1導電型III−V化合物半導体層33を含み、第1導電型のIII−V化合物半導体層33は、導電性の半導体基板35上に設けられている。第2導電型半導体領域13は、半導体メサ21に含まれる第2導電型の第1のIII−V化合物半導体層37を含み、第1のIII−V化合物半導体層37および埋め込み半導体領域19上には、第2導電型の第2のIII−V化合物半導体層39が設けられている。III−V化合物半導体層33は、例えば第1導電型クラッド層として働く。また、第1のIII−V化合物半導体層37および第2のIII−V化合物半導体層39は、例えば第2導電型クラッド領域として働く。
半導体発光素子11は、第2のIII−V化合物半導体層39上に設けられたコンタクト層40を含む。コンタクト層40上には第1の電極42aが設けられており、第1の電極42aは、半導体メサ21上に位置している。基板35の裏面35aには、第2の電極42bが設けられている。
半導体発光素子11では、活性領域17は、井戸層29と第1導電型III−V化合物半導体層33との間に設けられた第1の光ガイド層44を含む。また、活性領域17は、井戸層31と第2導電型III−V化合物半導体層37との間に設けられた第2の光ガイド層46を含む。
好適な実施例では、バリア層27の第1のIII−V化合物半導体は、1.05マイクロメートル以上のバンドギャップ波長を有しているようにしてもよい。この半導体発光素子11によれば、第1のIII−V化合物半導体が1.05マイクロメートルを越えるバンドギャップ波長を有するので、埋め込み領域を流れるリーク電流を低減することができる。
好適な実施例ではバリア層27の第1のIII−V化合物半導体は、1.15マイクロメートル以下のバンドギャップ波長を有しているようにしてもよい。この半導体発光素子11によれば、微分利得が高く高速特性に優れている。
本実施の形態は、1.3マイクロメートル帯の半導体レーザに好適な構造である。一実施例の半導体発光素子11を例示すると、
埋め込み半導体領域19:n型/p型InP半導体
第1導電型半導体層25:n型InP半導体
第2導電型半導体層23:p型InP半導体
第1導電型半導体領域15:n型InP半導体
第1導電型半導体層33:n型InP半導体
半導体基板35:n型InP基板
第2導電型半導体領域13:p型InP半導体
第2導電型コンタクト層40:p型InGaAs半導体
第1の電極42a:アノード電極
第2の電極42b:カソード電極
である。
活性領域17の構造を例示すると、
第2の光ガイド層46
p型AlGaInAs層:バンドギャップ波長1.0マイクロメートル、
厚さ40ナノメートル
アンドープAlGaInAs層:バンドギャップ波長1.1マイクロメートル、
厚さ32ナノメートル
量子井戸構造 (9層の井戸層を含む)
アンドープAlGaInAs井戸層:バンドギャップ波長1.4マイクロメートル
厚さ5ナノメートル
アンドープAlGaInAsバリア層:バンドギャップ波長1.1マイクロメートル
厚さ8ナノメートル
第1の光ガイド層44
アンドープAlGaInAs層:バンドギャップ波長1.1マイクロメートル、
厚さ32ナノメートル
n型AlGaInAs層:バンドギャップ波長1.0マイクロメートル、
厚さ40ナノメートル
である。この例は、井戸層およびバリア層に歪みを含まない量子井戸構造である。
好適な実施例ではバリア層27の第1のIII−V化合物半導体は引っ張り歪みを有しているようにしてもよい。この半導体発光素子11によればバリアの伝導帯のエネルギーを低くできるので、埋め込み領域を流れるリーク電流を低減することができる。また、井戸層29の第2のIII−V化合物半導体は圧縮歪みを有しているようにしてもよい。
半導体発光素子11では、井戸層29の第2のIII−V化合物半導体は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含むことができる。井戸層29の第2のIII−V化合物半導体のバンドギャップ波長は、第1のIII−V化合物半導体のバンドギャップ波長より長い。例えば、第2のIII−V化合物半導体のバンドギャップ波長は、1.4マイクロメートルである。
歪みを含む活性領域17の構造を例示すると、
第2の光ガイド層46
p型AlGaInAs層:バンドギャップ波長1.0マイクロメートル、
厚さ40ナノメートル
アンドープAlGaInAs層:バンドギャップ波長1.1マイクロメートル、
厚さ40ナノメートル
量子井戸構造 (9層の井戸層を含む)
アンドープAlGaInAs井戸層(圧縮歪み1.0%):バンドギャップ波長1.4マイクロメートル
厚さ5ナノメートル
アンドープAlGaInAsバリア層(引っ張り歪み0.5%):バンドギャップ波長1.1マイクロメートル
厚さ8ナノメートル
第1の光ガイド層44
アンドープAlGaInAs層:バンドギャップ波長1.1マイクロメートル、
厚さ40ナノメートル
n型AlGaInAs層:バンドギャップ波長1.0マイクロメートル、
厚さ40ナノメートル
である。この例は、井戸層に圧縮歪を加えると共にバリア層に引っ張り歪を加える量子井戸構造である。
好適な実施例では、井戸層のIII−V化合物半導体の格子不整△a/a(a:InP半導体の格子定数、△a:格子定数差(InP半導体の格子定数−III-V化合物半導体の格子定数))はマイナス1.5パーセント以上であり、格子不整はマイナス0.7パーセント以下である。バリア層のIII−V化合物半導体の格子不整△a/aはプラス0.5パーセント以上であり、格子不整△a/aはプラス1.0パーセント以下である。
図3(A)は、シミュレーション用の半導体発光素子モデルを示す図面である。図3(B)は、シミュレーション用の半導体発光素子モデルの活性領域の構造を示す図面である。図3(C)は、シミュレーション用の半導体発光素子の詳細なモデルを示す図面であり、各半導体領域は、シミュレーションの計算の便宜のために矩形に近い形状である。図3(A)を参照すると、半導体発光素子11bでは、電流Iは半導体メサ21bを流れる。電流Iは、埋め込み領域19bを流れるリーク電流である。
図3(A)を参照すると、埋め込み領域19bおよび半導体メサ21bは、基板35b上に設けられている。埋め込み領域19bは、p型InP半導体層23bおよびn型InP半導体層25bを含むことができ、p型InP半導体層23bは、基板35b上および半導体メサ21bの側面上に設けられている。半導体メサ21bは、n型半導体領域15bとp型半導体領域13bとの間に設けられた活性領域17bを含む。活性領域17bは、図3(B)に示されるように、バリア層29a〜29kと井戸層27a〜27jとを含んでおり、バリア層29a〜29kと井戸層27a〜27jは交互に配列されている。バリア層29a〜29kは引っ張り歪みを受けており、井戸層27a〜27jは圧縮歪みを受けている。活性領域17bの発光波長は、例えば1.3マイクロメートルに設定されている。n型半導体層33bと井戸層27aとの間には光ガイド層44bが設けられており、p型半導体層37bと井戸層27jとの間には光ガイド層46bが設けられている。光ガイド層44bは、アンドープ光ガイド層44cおよびn型光ガイド層44dを含むことができる。また、光ガイド層46bは、アンドープ光ガイド層46cおよびp型ガイド層46dを含むことができる。
シミュレーションモデルに用いた値を示す。
n型半導体層15b:n型InP半導体
キャリア濃度:1×1018cm−3
厚さ、0.9マイクロメートル
p型半導体層13b:p型InP半導体
キャリア濃度:8×1017cm−3
厚さ、0.8マイクロメートル
p型埋め込み層23b:p型InP半導体
キャリア濃度:1.6×1018cm−3
厚さ、1.0マイクロメートル
活性領域3aとn型InP(n型埋め込み層31)との間に幅0.1マイクロメートルを設ける。
n型埋め込み層25b:n型InP半導体
キャリア濃度:9×1017cm−3
厚さ、1.0マイクロメートル
である。アンドープAlGaInAs半導体の井戸層(バンドギャップ波長:1.4マイクロメートル、発光波長が1.3マイクロメートルになるように微調整される)とInP半導体層との格子不整(△a/a)は、マイナス1パーセント程度であり、井戸層は圧縮歪みを有する。また、アンドープAlGaInAs半導体のバリア層とInP半導体層との格子不整(△a/a)は、プラス0.5パーセント程度であり、バリア層は引っ張り歪みを有する。
図4は、上記のシミュレーションモデルを用いて計算されたリーク電流を示すグラフである。横軸は、AlGaInAsバリア層のバンドギャップ波長を示しており、縦軸は、100ミリアンペアの電流を流したシミュレーションモデル用半導体発光素子におけるリーク電流を示す。図4を参照すると、AlGaInAsバリア層のバンドギャップ波長が1.0マイクロメートルより大きくなると、急激にリーク電流が小さくなっている。また、AlGaInAsバリア層のバンドギャップ波長が1.15マイクロメートル以上では、リーク電流の変化の割合が小さくなっている。これ故に、1.0マイクロメートルより大きいバンドギャップ波長のバリア層(バリア層のバンドギャップを小さくする)を用いると、リーク電流が低減される。1.05マイクロメートルより大きいバンドギャップ波長のバリア層を用いると、この半導体発光素子のリーク電流は、バンドギャップ波長が1.0マイクロメートルの半導体発光素子のリーク電流に比べて約60パーセントにまで低減される。1.1マイクロメートルより大きいバンドギャップ波長のバリア層を用いると、この半導体発光素子のリーク電流は、バンドギャップ波長が1.0マイクロメートルの半導体発光素子のリーク電流に比べて約35パーセントにまで低減される。
図5は、上記のシミュレーションモデルを用いて計算された微分利得を示すグラフである。横軸は、AlGaInAsバリア層のバンドギャップ波長をマイクロメート単位で示しており、縦軸は、シミュレーションモデルの半導体発光素子における微分利得値をcm単位で示す。図5を参照すると、バリア層のバンドギャップ波長が1.1マイクロメートル以下であるとき、この半導体発光素子の微分利得は1.2×10−15cmを越える値でほぼ平坦である。バリア層のバンドギャップ波長が1.1マイクロメートルを越えると、この半導体発光素子の微分利得は1.2×10−15cmから小さくなりはじめる。バンドギャップ波長が1.15マイクロメートルのバリア層では、微分利得は1.1×10−15cm程度である。バンドギャップ波長が1.2マイクロメートルより大きいバリア層では、微分利得は1.0×10−15cm程度である。
AlGaInAs量子井戸層を含む活性層とp−/n−InP半導体層を含む埋め込み領域とを用いる1.3マイクロメートル帯の半導体レーザでは、リーク電流の観点からバリア層のバンドギャップ波長は1.05マイクロメートル以上であることが好適であり、微分利得の観点からバリア層のバンドギャップ波長は1.15マイクロメートル以下であることが好適である。例えば、リーク電流および微分利得の両方が良好であるバリア層のバンドギャップ波長は1.1マイクロメートル程度である。半導体レーザの用途に応じてより大きな微分利得が求められるとき、バリア層のバンドギャップ波長は1.05マイクロメートル程度である。
以上説明したように、半導体発光素子11bは、バリア層29a〜29kと井戸層27a〜27jとを含む量子井戸構造を有する活性領域17bと、p型半導体埋め込み層23bとn型半導体埋め込み層25bを含み活性領域17bの側面上に設けられた埋め込み半導体領域19bと、p型III−V化合物半導体領域37b、39bと、n型III−V化合物半導体領域33b、35bとを備える。例えば、バリア層29aは、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含むIII-V化合物半導体から成る。例えば、井戸層27aは、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含むIII-V化合物半導体から成る。活性領域17bおよび埋め込み半導体領域19bは、n型III−V化合物半導体領域35b上に設けられている。p型III−V化合物半導体領域39bは、活性領域17bおよび埋め込み半導体領域19b上に設けられている。活性領域17bの側面にはp型埋め込み半導体層23bが設けられている。バリア層29aの第1のIII-V化合物のバンドギャップを波長1.0μmに相当するバンドギャップより小さい。そのため、接しているp型埋め込み半導体層23bへの少数キャリア(電子)の流入が少なくなり、pnpnサイリスタ(半導体領域39b、25b、23b、35bから構成される)がターンオンすることを防ぐことができ、このため、寄生サイリスタに起因するリーク電流の増加が避けられる。本実施の形態の一例としては、温度特性に優れたpn逆接合を利用した埋め込み半導体レーザが説明された。この半導体レーザによれば、pn−InP埋め込み領域を貫通するリーク電流が低減される。
したがって、AlGaInAs半導体層を含む活性層を有し、特に発光波長が1.3マイクロメートル帯であるAlGaInAs量子井戸構造を有する活性層を有しリーク電流を低減可能な半導体発光素子が提供される。
図6は、バリア層27が引っ張り歪みを受けており井戸層29が圧縮歪みを受けている量子井戸構造31を示す。一点鎖線E は歪みの無いバリア層の伝導帯レベルを示しており、一点鎖線E は歪みの無いバリア層の価電子帯レベルを示す。この井戸層29では、価電子帯の重い正孔HH(heavy hole)のエネルギレベルEHH と伝導帯のエネルギレベルE との差VHH は、価電子帯の軽い正孔LH(light hole)のエネルギレベルELH と伝導帯のエネルギレベルE との差VLH より小さい。この量子井戸構造31のバリア層27では、重い正孔HHのエネルギレベルEHH と伝導帯のエネルギレベルE との差VHH は、軽い正孔LHのエネルギレベルELH と伝導帯のエネルギレベルE との差VLH より大きい。バリア層27のバンドギャップ波長は、軽い正孔LHのエネルギレベルELH と伝導帯のエネルギレベルE との差VLH に対応する。量子井戸構造31における発光は、重い正孔HHのエネルギレベルEHH と伝導帯のエネルギレベルE との間の遷移によって生じる。重い正孔HHに対する量子効果は、井戸層29の重い正孔HHのエネルギレベルとバリア層27の重い正孔HHのエネルギレベルVHH との差△VHHによって決定される。このため、図6の構成で井戸層に量子効果を与える実効的なバンドギャップはVHH となる。
リーク電流を減らすためにはバリアの伝導帯のエネルギーを低くすることが必要である。これまでは、バンドギャップ波長を大きくすることでバリアの伝導帯のエネルギーを低くすることを述べてきたが、バリア層に引っ張り歪みを、井戸層に圧縮歪みを有した構成にすることで伝導帯のエネルギーを低くすることができる。AlGaInAs材料を用いる半導体発光素子では、バンドギャップ波長を大きくする(すなわち、バンドギャップを小さくする)と、バンドギャップ波長の拡大量のうちの約72%は伝導帯のエネルギーの低下に寄与し、残りの28%は価電子帯のエネルギーの低下に寄与する。バリア層の価電子帯のエネルギーを低下させて井戸層の価電子帯とのエネルギー差が小さくなると、量子効果が小さくなり過ぎるため、例えば、微分利得が低く所望の値にならないことがある。井戸層に圧縮歪みを加えAlGaInAs材料のバリア層に引っ張り歪みを加えた場合には、その歪みの効果によりバンドギャップ波長が大きくなる(すなわち、バンドギャップが小さくなる)。このバンドギャップ波長の拡大分のうちの約92%は伝導帯のエネルギーの低下に寄与し、残りの約8%が価電子帯のエネルギーの低下に寄与する。上記の価電子帯は重い正孔(HH)の価電子帯のことを指している。また、バンドギャップ波長は実効的なバンドギャップ(図6におけるVHH )に対応する波長のことである。井戸層に圧縮歪みをバリア層に引っ張り歪みを与えた構成では、バリア層の実効的なバンドギャップに対応する波長が歪みのないバリア層のバンドギャップ波長と同じでも伝導帯のエネルギーがより低くなり、リーク電流の低減に有効である。図7は、AlGaInAsバリア層がInPと格子整合する場合と、0.5%の引っ張り歪みを含む場合とのInPとの伝導帯とのバンド不連続の計算結果である。特性線S0は、InPに格子整合するAlGaInAsバリア層の不連続を示しており、特性線S1は、引っ張り歪み(0.5%)を含むAlGaInAsバリア層および圧縮歪を含むAlGaInAs井戸層における不連続を示している。この場合の横軸は、量子効果を与える実効的なバンドギャップVHH に対応する波長を示している。引っ張り歪みのバリアではInPとのバンド不連続が小さくなり、リーク電流の低減に有利である。
図8(A)は、本実施の形態の一変形例を示す図面である。半導体発光素子11cは、第1のp型半導体埋め込み層109、n型半導体埋め込み層111および第2のp型半導体埋め込み層113を含み活性領域105の側面上に設けられた埋め込み半導体領域115と、量子井戸構造を有する活性領域105と、p型III−V化合物半導体領域104と、n型III−V化合物半導体領域108とを備える。p型III−V化合物半導体領域104は、p型InP基板101およびp型InPクラッド層103を含むことができる。n型III−V化合物半導体領域108は、第1のn型クラッド層107、第2のn型InPクラッド層117およびInGaAsコンタクト層119を含むことができる。バリア層は、引っ張り歪みを受けており、井戸層は、圧縮歪みを受けている。第1の実施の形態と同様に、量子井戸構造は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含む第1のIII-V化合物半導体の第1のバリア層27と第2のIII−V化合物半導体の井戸層29とを含む。活性領域105および埋め込み半導体領域115は、p型III−V化合物半導体領域101、103上に設けられている。活性領域105の側面上にはp型埋め込み半導体層109が位置している。バリア層27の第1のIII−V化合物のバンドギャップを波長1.0μmに相当するバンドギャップより小さい。そのため、接しているp型埋め込み半導体層109への少数キャリア(電子)の流入が少なくなり、その結果、pnpnサイリスタ(半導体領域101、109、111、113、117から構成される)のターンオンに起因するリーク電流が増加することを防ぐことができる。
また、図8(B)は、本実施の形態の別の変形例を示す図面である。半導体発光素子1bは、量子井戸構造を有する活性領域205と、n型半導体埋め込み層209およびp型半導体埋め込み層211を含み活性領域205の側面上に設けられた埋め込み半導体領域213と、p型III−V化合物半導体領域204と、n型III−V化合物半導体領域208とを備える。p型III−V化合物半導体領域204は、p型InP基板101およびp型InPクラッド層203を含むことができる。n型III−V化合物半導体領域208は、第1のn型クラッド層207、第2のn型InPクラッド層215およびInGaAsコンタクト層217を含むことができる。第1の実施の形態と同様に、量子井戸構造は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含む第1のIII-V化合物半導体のバリア層27と第2のIII−V化合物半導体の井戸層29とを含む。活性領域205および埋め込み半導体領域213は、p型III−V化合物半導体領域204上に設けられている。活性領域205の側面はp型埋め込み半導体層211で覆われている。バリア層27の第1のIII-V化合物のバンドギャップを波長1.0μmに相当するバンドギャップより小さい。そのため、接しているp型埋め込み半導体層211への少数キャリア(電子)の流入が少なくなり、その結果、pnpnサイリスタ(半導体領域101、209、211、215から構成される)のターンオンに起因するリーク電流が増加することを防ぐことができる。
本実施の形態に記載された半導体発光素子11、11b、11c、11dによれば、AlGaInAs半導体層を含む活性領域を有し、特に発光波長が1.3マイクロメートル帯であるAlGaInAs量子井戸構造を含む活性層を有しリーク電流を低減可能な半導体発光素子が提供される。
(第2の実施の形態)
図9(A)、図9(B)、図9(C)、図10(A)、図10(B)および図10(C)は、第2の実施の形態に係る半導体素子を製造する方法を示す図面である。図9(A)を参照すると、n型InP基板といったIII−V化合物半導体基板41が準備されている。基板41上に順に、n型InP半導体層といったn型クラッド膜43、AlGaInAs半導体膜といった下部SCH半導体膜45、MQW領域47、AlGaInAs半導体膜といった上部SCH半導体膜49、およびp型InP半導体層といったp型クラッド膜51を形成する。これらの膜の堆積は、例えば有機金属気相成長装置53を用いて行うことができる。MQW領域47は、1.05マイクロメートル以上であり1.15マイクロメートル以下のバンドギャップ波長を有するAlGaInAsバリア膜と、このバリア膜のAlGaInAs半導体のバンドギャップ波長より長いバンドギャップ波長(例えば、バンドギャップ波長1.4マイクロメートル)の井戸膜とを含む。
MQW領域47では、AlGaInAsバリア膜は引っ張り歪みを受けており、井戸膜は、圧縮歪みを受けている。好適な半導体材料の組み合わせの例として、
AlGaInAsバリア膜:バンドギャップ波長1.1マイクロメートル、
AlGaInAs井戸膜:バンドギャップ波長1.4マイクロメートル、
がある。
図9(B)に示されるように、基板41上の半導体積層部55上に、半導体メサを形成するためのマスク層57を形成する。マスク層57は、誘電体から成り、例えば、シリコン窒化物、シリコン酸化膜から成ることができる。一例を示せば、マスク層57の幅は、1〜4マイクロメートル程度である。
図9(C)に示されるように、マスク層57を用いて、半導体積層部55をエッチングして、半導体ストライプ55aを形成する。この形成は、例えば、ウエットエッチング、ドライエッチング、またはこの両方を用いて行うことができる。エッチングは、最下層の半導体膜43がエッチングされて基板41が露出するまで行われる。半導体ストライプ55aは、基板41上に設けられたn型クラッド膜43a、下部SCH半導体膜45a、MQW領域47a、上部SCH半導体膜49aおよびp型クラッド膜51aを含む。
図10(A)に示されるように、次いで、埋め込み領域63を形成する。好適な実施例では、半導体ストライプ55aの側面上および基板41上にp型電流ブロック膜59を形成する。p型電流ブロック膜59は、下部SCH半導体膜45a、MQW領域47a、上部SCH半導体膜49aの側面を覆い、p型クラッド膜51aの少なくとも一部に接するように成長される。次に、p型電流ブロック膜59上に、n型電流ブロック膜61を成長する。これらの成長は、マスク層57を除くこと無く行われる。これらの電流ブロック膜は、半導体ストライプ55aを埋め込んでいるので、埋め込み領域としても機能している。電流ブロック膜の成膜が完了した後に、マスク層57を除去する。
図10(B)に示されるように、埋め込み領域63上に、p型InP膜といったp型クラッド膜65を形成する。次いで、p型InGaAs膜といったp型コンタクト膜67をp型クラッド膜65上に形成する。p型クラッド膜51およびp型クラッド膜65の合計膜厚は、例えば、2マイクロメートル程度である。
図10(C)に示されるように、p型コンタクト膜67上に、Ti/Pt/Au膜といったpオーミック電極膜69を形成する。基板41の裏面に、AuGe/Ni/Au電極膜といったnオーミック電極膜71を形成する。これらの電極膜69、71の形成に先立って、基板41を100マイクロメートル程度に研削することができる。
以上説明したように、本実施の形態の半導体素子を形成する方法によれば、AlGaInAsバリア層を含む活性層、p型InP埋め込み層およびn型InP埋め込み層を有しておりリーク電流を低減可能な半導体発光素子を製造することができる。AlGaInAsバリア層に好適な半導体材料の組み合わせとして、井戸層は、AlGaInAs半導体に限らず、InGaAsP等を用いることができる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子は、レーザダイオード、半導体光増幅素子、発光ダイオード等であることができる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子を示す図面である。図1(B)は、図1(A)に示された半導体発光素子の活性領域を示す図面である。 図2(A)は、第1の実施の形態に係る半導体発光素子を示す図面である。図2(B)および図2(C)は、それぞれ、InP基板に格子整合するInGaAsP/InGaAs系の伝導帯と価電子帯のバンド不連続比(△Ec:△Ev=0.4:0.6)、同じくInP基板に格子整合するAlGaInAs/InGaAs系のバンド不連続比(△Ec:△Ev=0.72:0.28)を用いてInPとのバンド不連続を計算した結果を示す図面である。 図3(A)は、シミュレーションのための半導体発光素子モデルを示す図面である。図3(B)は、シミュレーションのための半導体発光素子モデルの活性領域の構造を示す図面である。図3(C)は、シミュレーション用の半導体発光素子の詳細なモデルを示す図面である。 図4は、上記のシミュレーションモデルを用いて計算されたリーク電流を示すグラフである。 図5は、上記のシミュレーションモデルを用いて計算された微分量子効率を示すグラフである。 図6は、活性領域の量子井戸構造のエネルギレベルを示す図面である。 図7は、AlGaInAsバリア層がInPと格子整合する場合と、0.5%の引っ張り歪みを含む場合とのInPとの伝導帯とのバンド不連続の計算結果を示す図面である。 図8(A)は本実施の形態の一変形例を示す図面であり、図8(B)は本実施の形態の別の変形例を示す図面である。 図9(A)、図9(B)および図9(C)は、第2の実施の形態に係る半導体素子を製造する方法を示す図面である。 図10(A)、図10(B)および図10(C)は、第2の実施の形態に係る半導体素子を製造する方法を示す図面である。
符号の説明
11、11b、11c、11d…半導体発光素子、17…活性領域、27a〜27i…バリア層、19…埋め込み半導体領域、29a〜29j…井戸層、27…バリア層、31…量子井戸構造、29…量子井戸層、15…第1導電型半導体層、13…第2導電型半導体層、23…第2導電型埋め込み層、25…第1導電型埋め込み層、35…基板、37、39…第2導電型半導体層、40…第2導電型コンタクト層、42a、42b…電極、44、44b…光ガイド層、44c…アンドープ光ガイド層、44d…第1導電型光ガイド層、46、46b…光ガイド層、46c…アンドープ光ガイド層、46d…第2導電型光ガイド層、41…III−V化合物半導体基板、43…n型クラッド膜、43a…n型クラッド膜、45…下部光閉じ込め半導体膜、45a…下部光閉じ込め半導体膜、47…MQW領域、47a…MQW領域、49…上部光閉じ込め半導体膜、49a…上部光閉じ込め半導体膜、51…p型クラッド膜、51a…p型クラッド膜、55…半導体積層部、55a…半導体ストライプ、57…マスク層、59…p型電流ブロック膜、61…n型電流ブロック膜、65…p型クラッド膜、67…p型コンタクト膜、69…pオーミック電極膜、71…nオーミック電極膜

Claims (7)

  1. 第1導電型半導体領域と、
    第2導電型半導体領域と、
    前記第1導電型半導体領域と前記第2導電型半導体領域との間に設けられており半導体メサ内に位置する活性領域と、
    前記第1導電型半導体領域と前記第2導電型半導体領域との間に位置しており前記半導体メサの側面上に設けられた埋め込み半導体領域と
    を備え、
    前記埋め込み半導体領域は、前記活性領域の側面上および前記第1導電型半導体領域上に設けられた第2導電型埋め込み層と、前記第2導電型埋め込み層上に設けられた第1導電型埋め込み層とを含み、
    前記活性領域は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含む第1のIII−V化合物半導体から成るバリア層と第2のIII−V化合物半導体から成る井戸層とを含む量子井戸構造を有しており、
    前記第1のIII−V化合物半導体は1マイクロメートルを超えるバンドギャップ波長を有している、ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1のIII−V化合物半導体は1.05マイクロメートル以上のバンドギャップ波長を有する、ことを特徴とする請求項1に記載された半導体発光素子。
  3. 前記井戸層の前記第2のIII−V化合物半導体は、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびヒ素を含んでいる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された半導体発光素子。
  4. 前記第1のIII−V化合物半導体は1.15マイクロメートル以下のバンドギャップ波長を有する、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  5. 前記バリア層は引っ張り歪みを有している、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  6. 前記井戸層は圧縮歪みを有する、ことを特徴とする請求項5に記載された半導体発光素子。
  7. 前記バリア層はAlGaInAs半導体から成り、
    前記第1導電型埋め込み層はInP半導体から成り、
    前記第2導電型埋め込み層はInP半導体から成る、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
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