JP2007003472A - 食肉商品用旨み評価システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 牛肉やマグロなどの食肉の旨みを客観的に評価可能な食肉商品用旨み評価システムを提供する。
【解決手段】 食肉商品の成分データを蓄積する手段と、
当該食肉商品の旨み評価を蓄積する手段と、蓄積された成分データと旨み評価の相関から旨みの評価指標を設定する評価指標設定手段と、当該基準に従って食肉商品の旨みの総合評価を行う総合評価手段とを備える。成分データとしては、主に、脂肪含有率や水含有率を利用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、牛肉や魚肉などの食肉商品の旨みを評価する食肉商品用旨み評価システムに関する。
近年、消費者の食品に対する意識の高まりから、食品の美味しさや安全性が高いレベルで求められている。これに伴い、生産者や卸業者や小売業者などの流通業者も、独自ブランドや証明書などにより、消費者の意識の変化に対応している。たとえば、果実の旨みを評価する方法としては、色や形等の外観による評価が広く行われているが、その他に、旨みをより客観的に評価する方法として、糖度などを測定する評価方法が提案されている(特許文献1)。
特開平11−142354
一方、食肉商品の旨みの判断基準としては、外観・ブランド・価格などが挙げられる。たとえば、牛肉やマグロなどの食肉商品の旨みを評価する際には、霜降りの状態や色調が良好か、ブランド(生産地や品種)の有無、価格はどの程度か、などにより漠然と評価している。
しかしながら、外観による判断は、経験や主観に大きく影響されるところがあり、信頼性に欠ける。産地や品種などで現されるブランドは、イメージが先行して適切な評価を受けていない場合もあり、更には、表示されているブランドが偽造である不安もある。表示される価格は、適正でない場合もあり、又、安全性などの旨み以外の価値が反映されている可能性もあり、必ずしも価格が旨みの程度を表している保証はない。これらを基準として得られる旨み評価は、客観性や信頼性に欠け、食肉商品に関しては、果実の糖度測定のような客観的な旨み評価を行う方法も確立されていない。
このため、消費者は、食肉商品の購入に際しては、外観やブランドや価格を総合的に勘案して主観的に旨みを評価するしかなく、購入した食肉商品が美味しくなかったり、価格に対して期待される旨みを満たしていない場合もある。
また、卸売業者や小売業者や輸入業者等の流通業者にとっても、外観やブランドにより仕入れ価格を判断しなければならず、その食肉商品の旨みに対して仕入れ価格や卸売り価格が適正か否は疑問であった。
また、生産者などの食肉供給者にとっては、生産地や水揚げ場や品種などのブランドを確立しても、ブランドの偽造などによりブランド力が低下するなどの事態が生じており、ブランドを裏付ける客観的な評価が求められている。また、適正な旨み評価により、新たなブランドを確立したり、市場への参入の機会を得たいという要望も高まっている。
本発明は、かかる実情を鑑みてなされたものであり、食肉の旨みを客観的に評価可能な食肉商品用旨み評価システムを提供することを目的とする。
本発明の食肉商品旨み評価システムは、食肉商品の成分データを蓄積する手段と、
当該食肉商品の旨み評価を蓄積する手段と、蓄積された成分データと旨み評価の相関から旨みの評価指標を設定する基準設定手段と、当該基準に従って食肉商品の旨みの総合評価を行う総合評価手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、生産業者や流通業者などから食肉商品の成分データが入力されると、その成分データを蓄積し、又、消費者や流通業者などから食肉商品の旨み評価が入力されると、その旨み評価を蓄積し、このようにして蓄積された食肉商品の成分データと旨み評価の相関を分析して旨みの評価指標を設定するため、その評価指標は客観性の高いものとなる。そして、その評価指標に従って食肉商品の旨みの総合評価を行うため、旨みに関する客観的な評価を得ることができる。
また、前記成分データは、脂肪含有率、及び/又は、水含有率であることが好ましい。成分データとしては、脂肪含有率のみを使用しても、水含有率のみを使用しても、その両方を使用しても良い。この発明によれば、成分データには旨みに大きく影響する脂肪や水の含有率のデータが含まれているため、より信憑性の高い総合評価が得られる。なお、水とはいわゆる肉汁のことであり、この肉汁の中には旨みの要素(グルタミン酸やイノシン酸等のアミノ酸など)が含まれている。
また、前記脂肪含有率、及び/又は、水含有率のデータは、磁気共鳴撮像装置により得られるエコー画像データを処理するデータ処理装置を用いて得られるデータであり、当該エコー画像データは、特定位置につきエコー時間の異なる三つ以上のエコー画像データであり、当該データ処理装置は、当該三つ以上の各エコー画像データの画像信号強度の変化について、所定の理論式によりカーブフィッティングを行う手段を備えることが好ましい。このデータ処理装置によれば、脂肪含有率や水含有率を正確に算出することができるため、これにより得られたデータを成分データとして使用すれば、さらに信頼性の高い総合評価が得られる。
本発明の食肉商品用旨み評価システムによれば、食肉商品ごとに成分データと旨み評価データとが蓄積され、これらの蓄積されたデータの相関から得られる旨み指標に従って、各食肉商品の旨みの総合評価がなされるため、この総合評価により食肉商品の旨み評価に客観性・信頼性を与えることができる。
生産者などの供給者にとっては、供給者した食肉に対する適正な評価を受けることができる。食肉のブランド表示にあたり、本システムによる総合評価を裏づけとして表示することが可能であり、ブランドを証明したり、偽ブランドを排除したりすることが可能となり、ブランド力の維持向上にも寄与する。また、ノンブランドであっても適正な評価を受けることができ、市場参入の機会が与えられ、ひいては新たなブランドを確立することも可能である。
卸売業者や小売業者や輸入業者などの流通業者は、本システムによる旨みの総合評価を参照することにより、卸売り価格や仕入れ価格などの流通過程における価格の適正化を図ることができる。
消費者は、本システムによる旨みの総合評価を参照することにより、その旨みを客観的に判断することができる。たとえば、総合評価と価格とを比較して、安価で美味しい食肉を購入したり、旨みに対して価格が適正であるかを確認したり、総合評価をブランドの証明として確認したりすることができ、期待に沿った旨みの食肉商品を安心して購入することができる。
さらには、本システムによる旨みの総合評価を、地域単位、又は、全国単位、又は、世界規模で旨み行う価格決定機関や格付け機関に導入し、食肉の流通価格を適正にコントロールすることも可能となる。
(第1の実施の形態)
以下、本実施の形態の食肉商品用旨み評価システムS1について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態の食肉商品用旨み評価システムS1を説明する説明図である。本システムSは、コンピュータシステムであるサーバにより実現され、食肉商品データベースDBと接続されて互いにデータの受け渡しが可能となっており、インターネットなどのネットワークを介して同じくコンピュータシステムである生産者の端末C1や、卸売業者の端末C2や、小売業者(スーパー、レストラン、生協、ネット販売業者など)の端末C3や、消費者の端末C4と接続可能となっている。たとえば、本システムS1による旨み評価のサービスはポータルサイトのような形態で提供され、各端末C1,,,C4から本システムSにアクセスすることにより、食肉商品データベースDBに情報を登録したり、ランクを閲覧したりできるようになっている。
食肉商品データベースDBは、食肉商品ごとに、食肉商品を識別する識別子、成分(脂肪含有率、水含有率など)、旨み評価のデータが蓄積記憶される。
本システムS1は、成分データ蓄積手段と、旨み評価蓄積手段と、評価指標設定手段と、総合評価手段とを備える。
成分データ蓄積手段は、生産者の端末C1や卸業者の端末C2から食肉商品の識別子と成分データを受信すると、食肉商品データベースにアクセスして、受信した情報を食肉商品データベースDBに蓄積させる機能を備える。成分データとしては、様々なものが挙げられるが、例えば、脂肪含有率や水含有率などである。脂肪含有率や水含有率は、食肉の旨みに大きく影響を与えるため、成分データとして採用すると、出力される旨みの総合評価の信頼性を高めることができる。脂肪含有率のみ、又は、水含有率のみを成分データとして用いても良いし、他のデータを成分データとして用いても良い。識別子としては、例えば食肉商品名や番号などであり、食肉商品を個々に識別可能なものであれば良い。
旨み評価蓄積手段は、各端末C1,,,C4から、食肉商品の識別子とその食肉商品の旨み評価を受信すると、食肉商品データベースDBにアクセスして、受信した情報を食肉商品データベースDBに蓄積させる機能を備える。旨み評価としては、例えば旨みの程度をAからEまでの5段階で表現したり、大変美味しい・美味しい・やや美味しい・不味い・大変不味いなどのように分類された評価から選択できるようにしたりしても良い。なお、各端末C1,,,C4からの旨み評価の入力は、各端末C1,,,C4からの要求に応じて専用の旨み評価入力画面を表示することにより促されても良い。旨み評価入力画面は、識別子により食肉商品を指定する項目と、その識別子の食肉商品に対する旨み評価を入力する項目があり、各項目が入力されて送信されると、本システムSがその情報を受信して食肉商品データベースDBに蓄積させるようになっている。旨みの総合評価としては、A,B,C・・・などの段階的な格付けが、処理の簡便さなどの観点から好ましい。
評価指標設定手段は、食肉商品データベースDBに蓄積された成分データと旨み評価の相関から旨み評価の評価指標を設定する機能を備える。たとえば、脂肪含有率と水含有率を座標軸とした座標系に旨み評価の値(A〜Dなど)をプロットして分布図を生成し、プロットされた旨み評価に基づいて座標系を領域分けすることにより評価指標を設定する。ひとつの食肉商品(例えば食肉商品1)はひとつの座標点により表されるが、その座標点に複数の異なる旨み評価(例えばA,A,B・・・など)をプロットしても良いし、例えば、旨み評価の数により重み付けを行うなどして、その座標点にプロットする旨み評価(A〜E)を決定しても良い。入力される旨み評価の情報が多いほど、客観性及び信頼性の高い評価指標となる。評価指標の設定方法は、これに限らず、その他、成分データと旨み評価データの相関から関数を導出し、その関数を評価指標として利用するなどしても良いし、他の成分データを用いて、その成分データに応じた他の評価指標を設定しても良い。
総合評価手段は、評価指標設定手段により決定された評価指標に従って、食肉商品の旨みの総合評価を行う機能を備える。たとえば、食肉商品1の成分データの値を、評価指標となる座標系にプロットし、その座標点がA〜Eのいずれの旨み評価の領域に属するかを確認し、その領域の旨み評価A〜Eを食肉商品1の総合評価(ランク)とする。その他、評価指標設定手段により導出された関数を用い、成分データを導出された関数に入力することによりランクの形態で総合評価を行っても良いし、上記評価指標設定手段により設定された評価指標に従って総合評価を行えばよい。
評価指標設定手段は定められた設定時刻に起動されるようにしても良いし、旨み評価の受信をトリガーとして起動されるようにしても良い。また、総合評価手段は、評価指標設定手段による処理の後続処理として起動され、食肉商品データベースDBに蓄積されるすべての食肉商品について総合評価を行い、その総合評価により食肉商品データベースDBに設けられた総合評価の項目(図示せず)を更新しても良く、この場合は、各端末C1,,,C4からの問い合わせに応じて、食肉商品データベースDBに記憶されている最新の総合評価を出力する。また、総合評価手段は、各端末C1,,,C4からの問い合わせに応じて起動されても良く、この場合は問い合わせごとに総合評価手段により総合評価を行って、そのランクを出力する。
また、上記食肉商品データベースDBは、旨み評価の情報ごとに、その旨み評価を行った者の出身地(国や県)・職業・性別等のデータを付加したり、各識別子に食肉の種類(牛肉、豚肉、マグロなど)のデータなどを追加したりして、それらによってデータを分類可能としても良い。分類ごとに評価指標設定手段により評価指標を設定し、総合評価手段により総合評価を行っても良い。食肉については、例えば出身地・職業・性別などによって嗜好が異なり、食肉の種類によっても旨みが異なるなど、分類によって旨みの指標が異なる。食肉商品を分類分けして評価指標を設定し、総合評価することにより、出身地の嗜好を反映した総合評価や、食肉の種類に応じた評価指標に基づいた総合評価が行われるなど、各分類に応じた総合評価を行うことができる。
以下、本システムS1の動作説明を行う。生産者や卸業者は、各々の端末C1,C2から食肉食品の識別子及び成分データを、インターネットなどのネットワークを介して本システムSにアップロードする。本システムSは、識別子と成分データを受信すると、成分データ蓄積手段により、食肉商品データベースDBに識別子と関連付けて成分データを蓄積する。
生産者や卸業者や小売業者は取り扱う食肉商品などの識別子と旨み評価を各端末C1,,,C3から送信可能であり、消費者は食した食肉商品などの旨み評価を端末C4から送信可能となっている。各端末C1,,,C4から識別子と旨み評価を送信すると、本システムSは、旨み評価蓄積手段により、その旨み評価を該当する識別子に関連付けて食肉商品データベースDBに蓄積する。食肉商品データベースDBに蓄積された識別子・成分データ・旨み評価は、各端末C1,,,C4からの要求に応じて、各端末C1,,,C4に接続される液晶表示装置やプリンターなどの出力装置に出力可能となっている。
本システムSは、各端末C1,,,C4からの要求や、定められたタイミングに合わせて、評価指標設定手段を起動し、食肉商品データベースDBに蓄積された成分データと旨み評価の相関を導出し、その相関が反映された旨み評価の評価指標を設定する。食肉商品データベースDBに旨み評価の蓄積が増えるほど、評価指標の客観性や信頼性が高くなる。
また、本システムSは、各端末C1,,,C4からの要求や、定められたタイミングに合わせて、総合評価手段を起動し、そのタイミングで設定されている評価指標を用いて食肉商品の総合評価を行う。得られる総合評価は、要求元の各端末C1,,,C4に返信されたり、食肉商品データベースDBの総合評価の項目(図示せず)に蓄積されたりする。
総合評価手段により得られる総合評価は、各端末C1,,,C4から閲覧可能となっている。また、流通業者が食肉商品に表示したりして用いても良い。消費者は、総合評価を参照すれば、客観的な旨み評価を知ることができ、例えば、安価で美味しい食肉商品を選んだり、ブランドや価格の裏づけとしたりでき、食肉商品を購入するに際して参考とすることができる。卸業者や小売業者などの流通業者(仲介業者)は、総合評価を確認することにより、卸価格や仕入れ価格などの流通過程における価格の適正化を図ることができる。生産者(供給者)は、食肉商品に対する適正な評価を受けることができ、食肉商品に総合評価を表示することによりブランドを裏付けたり、流通過程において総合評価を確認するにより格下の食肉商品が偽ブランドとして販売されるのを排除したりでき、ブランド力の維持と向上を図ることができる。また、食肉商品に総合評価を表示する等すれば、適正な評価を得ることができるので、ノンブランドでも市場への参入が可能となり、新たなブランドを確立することも可能である。
(第2の実施の形態)
本実施の形態の食肉商品用旨み評価システムは、上記第1の実施の形態のシステムS1に、流通過程をもサポートする様々な機能を追加した食肉商品用旨みシステムS2である。図2は、本実施の形態のシステムS2を概念的に説明する説明図である。追加機能以外は、上記第1の実施の形態と同様である。
生産者の端末C1からは、識別子と成分データのほかに、食肉商品の種類、販促・産地(例えば牛肉の場合は牧場の情報・魚肉の場合は漁獲や水揚げの場所など)、飼育方法、摂取飼料、投与薬、病歴などの、食肉商品に関する様々な情報がアップロードされる。これらのデータは、食肉商品によって様々であり、牛肉や豚肉であれば牧場や放牧方法のデータなど、魚肉であれば漁場・養殖場や漁業方法・養殖方法のデータなどとなる。本システムSは、それらの情報を受信すると、食肉商品データベースDBにそれらの情報を蓄積する。
各端末C1,,,C4からは、旨み評価として、A,B,C・・・のような段階的表現による評価のほかに、文章による感想や生産結果や購入結果の情報aなども含めることができるようになっている。これらの情報aも食肉商品データベースDBに蓄積され、各端末C1,,,C4から閲覧可能となっている。これにより、各端末使用者は、ランクのような段階的な総合評価以外にも、感覚的な評価や、その他詳細な情報を知ることができる。
また、本システムS2は、生産者に指導情報bを提供する指導手段を備える。たとえば、食肉商品データベースDBに蓄積されているデータから、食肉商品の種類に適する飼育方法や、上位ランクの食肉商品の摂取飼料や、病歴に対する摂取薬などの様々な情報を統計的に分析し、その分析結果を生産者の端末C1からの要求に応じて提供することにより、指導可能となっている。生産者は、この指導情報bを得ることにより、ランクが向上するような飼育を行ったり、治療に適する薬を投与したりできるようになる。そのほか、例えば漁業であれば、魚場・養殖場や漁法・養殖法の指導情報bなど、その食肉商品に応じた指導情報bが提供可能となっている。
また、本システムS2は、生産者や卸業者や小売業者や消費者の間で、食肉商品の売買を仲介する仲介手段を備える。例えば、生産者の端末C1から販売依頼の情報cを受信し、卸業者の端末C2から仕入れ情報dを受信すると、その情報を利用して、仕入れと販売の仲介を行う。卸業者や小売業者の間においても仕入れ依頼情報fや販売依頼情報eから、仕入れと販売の仲介を行う。また、消費者からの購入依頼の情報hと小売業者の販売依頼の情報gから、消費者と小売業者との購入と販売の仲介を行う。仲介手段は、仕入れ依頼や購入依頼に総合評価(ランク)の指定がある場合は、総合評価手段により得られた総合評価を参照し、その総合評価に該当する食肉商品を選択して仲介する機能を備える。仕入れ依頼や購入依頼では、総合評価の指定のほか、販売先指定や、種類指定や、識別子指定や、単価指定など、様々な指定を行うことも可能である。これにより、卸業者や小売業者や消費者などの仕入れ・購入側は、希望する食肉商品を簡単に入手することができる。総合評価を指定することにより、希望する旨みを有する食肉が入手可能である。また、生産者や卸業者や小売業者などの販売側は、総合評価に裏づけされた客観的な評価のもとに、食肉販売の機会が与えられる。とくに、近年は個人消費者の食肉に対する意識が高まっており、客観的は総合評価のほかに、食肉商品データベースDBのデータを参照することで生産地・飼料・病歴・投薬などの情報も得ることができ、地域の特産物を食べたい、安全な食肉を購入したいといった、個々の要求をも満たすことができる。
また、本システムS2は、これらの仲介機能の結果を蓄積し、顧客データを生成する機能を備える。顧客データは、例えば、生産者や卸業者や小売業者から販売結果の情報iを受信したり、卸業者や小売業者や消費者から仕入れ結果や購入結果の情報jを受信すると、その情報i,jを蓄積する。そして、それらを様々な着眼点からデータマイニングなどにより分析し、例えば、大口顧客情報を生成して提供したり、成分と販売量との関係を示す情報を提供したりする。
また、本システムS2は、格付け認定手段を備え、格付け機関としての役割も果たす。格付け認定手段は、各端末C1,,,C3からの格付け認定依頼情報を受けると、総合評価手段により得られた総合評価の情報を格付け認定情報kとして証明書とともに返信する。格付け認定依頼情報に食肉商品の識別子が含まれており、その識別子により格付け対象の食肉商品が特定され、特定された食肉商品の成分データを参照して総合評価が行われ、その総合評価を格付け認定情報kとして返信しても良い。また、格付け認定依頼情報に成分データが含められており、その成分データを利用して総合評価が行われ、その総合評価を格付け認定情報kとして返信しても良い。格付け認定情報kを受け取った生産者や卸業者などは、その格付け認定情報やその証明書をブランドの証明書として利用したり、価格設定に利用したりする。
また、本システムS2は、消費者や小売業者や卸業者からの要求に応じて、食肉商品データベースに蓄積されている牧場や漁場や養殖場などの生産地の情報を提供する。これにより、消費者等は仮想空間においてその生産地を訪問することができ、あたかも実際に訪問したかような情報を得ることができ、食肉商品の選択等に役立てることができる。生産者に直接連絡して、現実に訪問することも可能である。
(食肉商品旨み評価システムに用いる成分データを得るために好適なデータ処理装置・データ処理方法・磁気共鳴撮像装置・磁気共鳴撮像方法)
本発明の食肉商品旨み評価システムS1,S2に用いられる成分データを得るために公的なデータ処理装置、データ処理方法、磁気共鳴撮像装置、及び、磁気共鳴撮像方法について説明する。旨み評価に利用可能な成分データには様々なものがあるが、例えば、つぎのようなデータを成分データとして用いて、旨み評価を行うことができる。1)脂肪含有率。2)水含有率。3)磁気共鳴画像から画像処理装置で作成した三次元的な脂肪の分布。4)肉や魚などの食肉商品中のミオグロビン量に比例するT2*値。5)タンパク質と脂肪の核磁気共鳴スペクトル。これらの内、1)から4)までは、ポータブルMRIで測定できるので、出張測定としても利用可能である。また、5)の測定は高磁場の磁気共鳴撮像装置でしか測定できないので、1)から4)に5)を加えた測定は、精密測定用として検査場所を固定して使用する。これらの成分データは、細かく切り分けられる前の状態の食肉や市場に出ている製品の状態での食肉を、磁気共鳴撮像装置を用いて測定することにより得られる。1)から5)のデータを成分データとして食肉商品データベースDBに蓄積し、これらの成分データと旨み評価との相関をとり、成分データの値に基づく旨み評価指標を設定する。
脂肪含有率、水含有率、脂肪の分布などの、これらの成分データを測定する測定装置として、MRI(磁気共鳴撮像装置)を用いることにより求められる。MRIを用いた脂肪含有率測定法としては、様々なものが開発されており、例えば、Dixon法や周波数選択的測定法(SPIR)、二項パルス法(ProSet WS法と、ProSet FS法)などの手法である。なかでも特に、通常の二重GRE Dixon法が日常的に使用される傾向にある。
しかし,このGRE Dixon方法はT2*減衰による誤差を全く無視しており、また、位相周期にずれが生じやすいため測定点が正確にin−phaseとout−of−phase(opposed−phase)であるという保証がなく、このために、脂肪含有率の測定精度が高くないという問題を有していた。さらに、脂肪含有率が50%を越えると,50%以下の脂肪含有率と区別が付かなくなるという欠点があった。食肉の旨みは脂肪含有率に大きく影響されるものであり、本発明の食肉商品旨み評価システムに用いる成分データとして、測定精度の低い脂肪含有率のデータを使用すると、旨み評価の精度も低くなるという問題が生じる。とくに、食肉には脂肪含有率が50%を超えるものも多々あり、脂肪含有率が50%を超えるものであるか、50%以下であるかの区別が付かないと、旨みの評価が不可能となってしまう。
また、位相周期のずれや、T2*減衰による誤差は、エコー画像データから水画像や脂肪画像を分離生成する処理など、他の処理を行う場合においても、処理精度を低下させる要因の一つとなっていた。
そこで、エコー画像データを用いて、画像信号強度変化の位相周期を高精度に求めることが可能であり、また、T2*減衰による誤差の補正が可能であり、これらにより脂肪含有率を高精度に算出可能であり、さらに、脂肪含有率が50%を超える場合にも脂肪含有率が算出可能なデータ処理装置、データ処理方法、そのエコー画像データを得ることが可能な磁気共鳴撮像装置、及び、磁気共鳴撮像方法を開発した。この装置及び方法により、脂肪含有率の算出過程においてT2*も求めることができる。さらに、脂肪含有率とT2*に加えて、三次元的な脂肪の分布と核磁気共鳴スペクトルも磁気共鳴撮像装置によって測定することができる。
そこで、より高精度な成分データを得ることを目的として、磁気共鳴撮像装置により得られるエコー画像データを処理するデータ処理装置を開発した。当該エコー画像データは、特定位置につきエコー時間の異なる三つ以上のエコー画像データであり、当該データ処理装置は、当該三つ以上の各エコー画像データの画像信号強度の変化について、所定の理論式によりカーブフィッティングを行う手段を備えることを特徴とする。また、磁気共鳴撮像装置により得られるエコー画像データを処理するデータ処理方法を開発した。当該エコー画像データは、特定位置につきエコー時間の異なる三つ以上のエコー画像データであり、当該処理方法は、当該三つ以上の各エコー画像データの画像信号強度の変化について、所定の理論式によりカーブフィッティングを行うステップを備えることを特徴とする。ここで、前記エコー画像データは、out−of−phaseとin−phaseのグラディエントエコーのパルスシーケンスの組み合わせにより得られたものであることが好ましい。
この装置や方法によれば、三つ以上のエコー画像データを用いてカーブフィッティングを行うため、カーブフィッティングにより得られる変数が決定された理論式(フィッティングカーブ)から位相周期を精度良く求めることができる。
前記データ処理装置/データ処理方法における理論式には、水信号と脂肪信号の位相差の項、及び/又は、水信号のT2*減衰の項と脂肪信号のT2*減衰の項が含まれていることを特徴とする。
また、このデータ処理装置/データ処理方法は、前記カーブフィッティングを行って得られる変数が決定された理論式から前記水信号のT2*減衰の項と脂肪信号のT2*減衰の項を除去する手段/ステップを備えることが好ましい。この発明によれば、水信号と脂肪信号の各々のT2*減衰の項を除去することにより、T2*減衰の補正を行うことができる。
また、このデータ処理装置/データ処理方法は、前記カーブフィッティングを行って得られる変数が決定された理論式(フィッティングカーブ)から位相周期を求め、当該位相周期/2における画像信号強度を求める手段/ステップを備えることを特徴とする。この装置及び方法によれば、位相周期/2におけるout−of−phaseとin−phaseの画像信号強度を精度良く求めることができる。
また、このデータ処理装置/データ処理方法は、前記位相周期/2における画像信号強度を用いて、脂肪含有率を算出する手段/ステップを備えることを特徴とする。この装置と方法によれば、脂肪含有率、水含有率、脂肪の分布状態、水の分布状態、水と脂肪との比率などを精度良く算出することができ、食肉商品旨み評価システムにおいて高精度の成分データとして利用することができる。
また、このデータ処理装置/データ処理方法は、絶対値画像である前記エコー画像データに対応する実数値画像の信号強度が負の場合は、前記算出した脂肪含有率を100%から減算することを特徴とする。この装置と方法によれば、脂肪含有率が50%以上である場合にも、脂肪含有率を算出することが可能となり、食肉商品旨み評価システムにおいて高精度の成分データとして利用することができる。
また、このデータ処理装置/データ処理方法は、前記カーブフィッティングを行って得られる変数が決定された理論式(フィッティングカーブ)から、水の信号強度の初期値と脂肪の信号強度の初期値を算出し、両初期値を用いて脂肪含有率を算出する手段/ステップを備えることを特徴とする。この装置や方法によれば、位相周期の補正と、T2*減衰の補正とが行われたこととなり、脂肪含有率を精度良く算出することができる。さらに脂肪と水の混在した組織のT2*も計算過程において求められる。この装置と方法によれば、脂肪含有率、水含有率、脂肪の分布状態、水の分布状態、水と脂肪との比率などを精度良く算出することができ、食肉商品旨み評価システムにおいて高精度の成分データとして利用することができる。
また、このデータ処理装置/データ処理方法は、絶対値画像である前記エコー画像データに対応する実数値画像の信号強度の大きさにより、水と脂肪の信号強度の初期値の判別を行うことを特徴とする。これによれば、脂肪含有率が50%以上である場合にも、脂肪含有率を算出することが可能となる。
上記データ処理装置、又は、上記データ処理方法に用いられるエコー画像データを得る磁気共鳴撮像装置/磁気共鳴撮像装置の撮像方法であり、特定位置につきエコー時間の異なる三つ以上のエコー画像データを得るためのパルスシーケンスを印加する手段/ステップを備えることを特徴とする。これによれば、同一位置のエコー画像データを精度良く得ることができる。
この処理装置/データ処理方法によれば、画像信号強度の変化につき、位相周期やT2*減衰による誤差が補正され、様々なエコー画像データの処理精度の向上に有効である。とくに、脂肪含有率を算出する処理において有効であり、脂肪含有率の測定精度を飛躍的に向上させることができる。また、実数値画像を利用することにより、脂肪含有率が50%を超える場合でも、脂肪含有率の算出が可能となる。脂肪と水の混在した組織のT2*も求めることが可能である。また、このデータ処理装置は、例えば、脂肪肝の診断や治療効果判定、脂肪化を伴った肝細胞癌の検出及び評価、放射線照射に伴う脂肪変性の検出などを簡易且つ高精度に行うことができる。また、本発明の磁気共鳴撮像装置/磁気共鳴撮像装置の撮像方法によれば、上記データ処理装置/データ処理方法において使用されるエコー画像データを得ることができる。さらに脂肪含有率とT2*に加えて、三次元的な脂肪の分布と核磁気共鳴スペクトルもこの磁気共鳴撮像装置によって高精度に測定することができる。これらの装置や方法によって得られた高精度のデータを、本発明の食肉商品旨み評価システムに成分データとして用いることにより、高精度に旨みの評価を行うことができる。
図3(a)は、データ処理装置DS1と、そのデータ処理装置DS1に用いられるエコー画像データを得る磁気共鳴撮像装置Eを示す概念図であり、(b)はデータ処理装置DS1により実現されるデータ処理方法を説明する概略フローチャートである。
データ処理装置DS1において用いられるエコー画像データD1,D2,D3,D4は、磁気共鳴撮像装置Eにより得られる四つのエコー画像データである。磁気共鳴撮像装置Eには、特定位置(スライスの位置)につきエコー時間の異なる四つのエコー画像データを得るためのパルスシーケンスを印加するパルスシーケンス手段を備える。具体的には、特定位置に対して四重のグラディエントエコー画像を得るものである。たとえば、1.5T(テスラ)の場合は、エコー時間が2.3ms、4.6ms、6.9ms、9.2msとなる。また、第1エコーについては、絶対値画像に加えて実数値画像を得る。撮像時には、シミングと位相修正を行うことが好ましい。
なお、このパルスシーケンス手段は、三つ以上のエコー画像データが得られるものであれば良く、脂肪含有率の算出精度を高めるためには、より多くのエコー画像データを得るものであることが好ましい。また、このパルスシーケンス手段は、特定位置における同一スライスにおいて、エコー時間の異なる四つのエコー画像データを得るものであることが好ましいが、同一位置(同一スライス位置)におけるエコー画像データであれば、複数回のスライスによりエコー画像データが得られるものであっても良い。
データ処理装置DS1は、エコー画像データから脂肪含有率を算出するものであり、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータシステムにより実現され、コンピュータシステムに記憶されている特定のコンピュータプログラムにより後述する各手段を備えるデータ処理装置DS1として機能するものである。データ処理装置DS1は、後述するように、カーブフィッティングを行なう手段と、T2*減衰の項を除去する手段と、各phaseの画像信号強度を求める手段と、脂肪含有率を算出する手段を備える。そして、四つのエコー画像データD1,,,D4を磁気共鳴撮像装置Eから受信し、これらの画像D1,,,D4を用いて、上記各手段による下記の処理を順次実行し、脂肪含有率を算出する。なお、下記ステップは対応する上記各手段により実行される。
(カーブフィッティングを行うステップ)まず、各エコー画像データD1,,,D4の画像信号強度の変化を、下記の所定の理論式を用いて、カーブフィッティングを行う。数1の理論式には変数が代入され、フィッティングカーブFC1が得られる。図4に、数1の理論式に変数を代入後のフィッティングカーブFC1を示す。理論式には、水信号と脂肪信号との位相差と、水信号のT2*減衰と、脂肪信号のT2*減衰の項が組み込まれている。
Figure 2007003472
ここで、IwとIf は、水と脂肪それぞれの信号強度、Iw0とIf0は水と脂肪の信号強度の初期値、Δωは水と脂肪の周波数差、T2*wとT2*fは水および脂肪のT2*値である。
(T2*減衰の項を除去するステップ)つぎに、変数を代入後の変数が決定された理論式(フィッティングカーブFC1)からT2*減衰の項の除去を行う。T2*減衰の項を除去することにより、T2*減衰の影響を除去する補正を行うことができる。図4に、フィッティングカーブFC1についてT2*減衰の影響を除去する補正が行われた後のカーブFC2を示す。このT2*減衰項から脂肪成分と水成分および脂肪成分と水成分との混在組織のT2*の値を求める。
(信号強度を求めるステップ)つぎに、フィッティングカーブFC1から位相周期を求め、フィッティングカーブFC1又は補正後のカーブFC2を用いて、上記位相周期/2におけるout−of−phaseの信号強度Ioutと、in−phaseの信号強度Iinを得る。これにより、信号強度Ioutと信号強度Iinを精度良く求めることができる。
(脂肪含有率を算出するステップ)つぎに、信号強度Ioutと信号強度Iinを用いて脂肪含有率を算出する。脂肪含有率は、下記数2又は数3に各信号強度Iout,Ii
nを代入することにより求める。実数画像の信号強度が0以上の場合は数2を用い、実数画像の信号強度が0よりも小さい場合は数3を用いる。これにより、脂肪含有率が50%を超える場合でも、脂肪含有率を算出することができる。
Figure 2007003472
Figure 2007003472
(他の形態の磁気共鳴撮像装置とデータ処理装置)
図5(a)は、他の形態の磁気共鳴撮像装置Eとデータ処理装置DS2を説明する説明図であり、(b)はデータ処理装置DS2により実現されるデータ処理方法を説明する概略フローチャートである。データ処理装置DS2は、カーブフィッティングを行う手段と、脂肪含有率を算出する手段とを備える。カーブフィッティングを行う手段は、上記データ処理装置DS1と同一であるが、脂肪含有率を算出する手段は異なる。磁気共鳴撮像装置Eは上記のものと同様である。
(脂肪含有率を算出するステップ)脂肪含有率を算出する手段は、変数が代入された理論式(フィッティングカーブFC1)から、水の信号強度の初期値Iw0と、脂肪の信号強度の初期値If0を算出する。ここで、初期値Iw0と初期値If0の判別を次のように行う。
実数画像の信号強度≧0の場合 Iw0≧If0
実数画像の信号強度<0の場合 Iw0<If0
そして、下記の数4に初期値Iw0とIf0を代入して、脂肪含有率を算出する。
Figure 2007003472
これにより、データ処理装置DS1と比較して、脂肪含有率をより直接的に算出することができ、演算量が削減される。
(使用方法の例)
本発明の磁気共鳴撮像装置とデータ処理装置を用いた場合の脂肪含有率測定方法の例を説明する。撮像対象を食肉とし、T2*を補正するために、同一スライスにおいて、異なるエコー時間(TE)の組を、二回連続して撮像(2Dグラディエントエコー(GRE))して、四重のエコー画像データを得る。1.5テスラのMRシステムにおいて、最初の撮像のTE(out−of−phase)と、2番目の撮像のTE(in−phase)は、各々2.30msと6.90ms、4.60msと9.2msとする。フリップ角度は、水と脂肪におけるT1の違いの影響を除去するために12度とする(TR=122ms)。
その後、これらの四つのエコー画像データをデータ処理装置に取り込んで、装置内に記憶させる。データ処理装置は、所定のプログラムにより実現される上記各手段を用いたデータ処理方法に従い、脂肪含有率を算出し、出力手段から出力する。
(検証1)
本発明のデータ処理装置と磁気共鳴撮像装置の有用性を検証するために、図6に示すファントムを使用し、本発明の磁気共鳴撮像装置とデータ処理装置を用いて脂肪含有率を算出した場合(実施例)と、下記比較例1〜5とを比較する実験を行った。使用するファントムは種々の中性脂肪重量百分率(%)が入っている。比較例1〜5は下記の通りである。
(比較例1)二重エコーのグラディエントエコーを使用するDixon法(通常の二重GRE Dixon法)により得られたデータと、下記脂肪含有率算出式を用いて脂肪含有率を算出した。
Figure 2007003472

ここで,IinとIoutはin-phaseとout-of-phase
において測定した信号強度
(比較例2)SPIR法により得られたデータと、下記脂肪含有率算出式を用いて脂肪含有率を算出した。
Figure 2007003472
(比較例3)二項パルス ProSet WS法により得られたデータと、下記脂肪含有率算出式を用いて脂肪含有率を算出した。
Figure 2007003472
ここで、WSは水の選択励起
(比較例4)二項パルス ProSet FS法により得られたデータと、下記脂肪含有率算出式を用いて脂肪含有率を算出した。
Figure 2007003472
ここで、FSは脂肪の選択励起
(比較例5)X線を用いてCT値を測定した。
表1に、実施例(DDGRE)と上記各比較例1〜5との比較を示す。図7は、実施例と、各比較例1〜5について、実際の脂肪含有率と、算出された脂肪含有率との関係をグラフ化した図であり、(a)は実施例と比較例1に関するものであり、(b)は比較例2,3,4に関するものであり、(c)は比較例5に関するものである。
Figure 2007003472
実施例(DDGRE)は、算出された脂肪含有率が実際の脂肪含有率と最も良く一致した。比較例1(通常の二重GRE Dixon法)は、短いT2*の高い脂肪含有率において過大評価した(図7(a))。
比較例2(SPIR)は、算出された脂肪含有率が実際の脂肪含有率と良く一致していた (表1と図5(b))。しかし、高磁場(1.5テスラ以上)の磁気共鳴撮像装置しか使用できず、磁場不均一性の影響も受けやすい。これに対して、実施例(DDGRE)は、ポータブル装置のような高磁場でない磁気共鳴撮像装置でも使用可能であり、SPIRよりも磁場不均一性の影響を受けにくい。
比較例3(ProSet WS)と比較例4(ProSet FS)は、脂肪含有率の精度が、実施例(DDGRE)よりも劣っていた (表1と図7(b))。
比較例5(X線CT値)は、算出された脂肪含有率と実際の脂肪含有率とが比較的に一致していたが(図7(c))、脂肪含有率を直接測定することができず、放射線被曝の問題もある。これに対して、実施例(DDGRE)は、脂肪含有率を直接的に算出することが可能であり、安全性も高い。
以上より、比較例1〜5と比較して、実施例(DDGRE)は、簡便かつ高精度で脂肪含有率を測定できると結論づける。
以上、主に脂肪含有率について説明したが、水含有率を算出する処理、三次元的な脂肪の分布図を生成する処理、肉や魚などの食肉商品中のミオグロビン量に比例するT2*値を算出する処理、タンパク質と脂肪の核磁気共鳴スペクトルを算出する処理など、様々な処理に応用可能であり、高精度のデータを得ることができる。
水含有率は、下記のようにして得られる。
水含有率(%)=100−脂肪含有率
この成分データにより、例えば肉汁に含まれるアミノ酸などを反映させた旨み評価を行うことができる。
三次元的な脂肪の分布は、次のようにして得られる。上記の脂肪含有率を測定する過程において得られる脂肪画像を、画像処理装置を用いて三次元表示し,脂肪の分布と体積を求める。なお三次元的な脂肪の分布の評価は、脂肪含有率を算出するために得ているエコー画像を、直接閾値処理しても求められる。この成分データにより、例えば霜降りの状態などを反映させた旨み評価を行うことができる。
肉や魚などの食肉商品中のミオグロビン量に比例するT2*値は、次のようにして得られる。脂肪含有率を測定する際にフィッティングして得た理論式中のT2*減衰項の係数から、脂肪成分と水成分および脂肪成分と水成分との混在組織のT2*の値を求める。この成分データにより、例えば食肉の色調などを反映させた旨み評価を行うことができる。
タンパク質と脂肪の核磁気共鳴スペクトルは、次のようにして得られる。磁気共鳴画像上で任意の位置に関心領域を設定し、その領域から得られる1H核磁気共鳴スペクトルと31P核磁気共鳴スペクトルを測定して、様々な代謝物の同定と定量を行う。この成分データにより、アミノ酸の量を反映させた旨み評価を行うことができる。
そして、上記装置や方法によれば、脂肪含有率・水含有率・磁気共鳴画像から画像処理装置で作成した三次元的な脂肪の分布・三次元的な水の分布・肉や魚などの食肉商品中のミオグロビン量に比例するT2*値・タンパク質と脂肪の核磁気共鳴スペクトルなど、食肉のデータを精度良く得ることができ、これらを成分データとして食肉商品旨み評価システムに利用すると、高精度に旨みを評価することが可能となる。なお、利用する成分データは、これらに限らず、また、他の装置や方法により得られる成分データでもよく、上記成分データや装置や方法に限定されるものではない。
本発明の第1の実施の形態の食肉商品用旨み評価システムを概念的に説明する説明図である。 本発明の第2の実施の形態の食肉商品用旨み評価システムを概念的に説明する説明図である。 (a)は本発明の食肉商品用旨み評価システムに用いられる成分データを得るために好適な磁気共鳴撮像装置とデータ処理装置を説明する説明図、(b)はそのデータ処理装置により実現されるデータ処理方法を説明する概略フローチャート。 フィッティングカーブと、そのフィッティングカーブにT2*減衰補正を行ったカーブを示す図。 (a)は他の形態の磁気共鳴撮像装置とデータ処理装置を説明する説明図、(b)はそのデータ処理装置により実現されるデータ処理方法を説明する概略フローチャート。 種々の中性脂肪重量百分率(%)封入したファントムを説明する説明図。 実施例と、各比較例1〜5について、実際の脂肪含有率と、算出された脂肪含有率との関係をグラフ化した図であり、(a)は実施例と比較例1に関するものであり、(b)は比較例2,3,4に関するものであり、(c)は比較例5に関するものである。 上記磁気共鳴撮像装置とデータ処理装置とを用いたときの、コントロール群と脂肪肝群の各々における脂肪含有率をプロットした図。
符号の説明
S1,S2 食肉商品用旨み評価システム
D 食肉商品データベース
C1 生産者の端末
C2 卸業者の端末
C3 小売業者の端末
C4 消費者の端末
E 磁気共鳴装置
DS1,DS2 データ処理装置
FC1 フィッティングカーブ
FC2 フィッティングカーブをT2*減衰補正したカーブ

Claims (3)

  1. 食肉商品の成分データを蓄積する成分データ蓄積手段と、
    当該食肉商品の旨み評価を蓄積する旨み評価蓄積手段と、
    蓄積された成分データと旨み評価の相関から旨み評価の評価指標を設定する評価指標設定手段と、
    当該評価指標に従って食肉商品の旨みの総合評価を行う総合評価手段とを備えることを特徴とする食肉商品用旨み評価システム。
  2. 前記成分の情報は、脂肪含有率、及び/又は、水含有率であることを特徴とする請求項1記載の食肉商品用旨み評価システム。
  3. 前記成分データは、磁気共鳴撮像装置により得られるエコー画像データを処理するデータ処理装置を用いて得られるデータであり、
    当該エコー画像データは、特定位置につきエコー時間の異なる三つ以上のエコー画像データであり、
    当該データ処理装置は、当該三つ以上の各エコー画像データの画像信号強度の変化について、所定の理論式によりカーブフィッティングを行う手段を備えることを特徴とする請求項2記載の食肉商品用旨み評価システム。
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