JP2006523218A - 光学活性アミン類の製造方法 - Google Patents

光学活性アミン類の製造方法 Download PDF

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JP2006523218A JP2006507658A JP2006507658A JP2006523218A JP 2006523218 A JP2006523218 A JP 2006523218A JP 2006507658 A JP2006507658 A JP 2006507658A JP 2006507658 A JP2006507658 A JP 2006507658A JP 2006523218 A JP2006523218 A JP 2006523218A
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Abstract

【課 題】 本発明は、保護基の導入及び脱保護の工程を必要とせず、作業性が向上し、高光学純度で光学活性テトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類が得られる製造方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(6)
【化1】
Figure 2006523218

で表されるイミン等価体と、一般式(7)
【化2】
Figure 2006523218

で表されるアルケン類又は一般式(8)
【化3】
Figure 2006523218

で表されるアルキン類とを不斉触媒の存在下で反応させることを特徴とする一般式(9)
【化4】
Figure 2006523218

又は一般式(10)
【化5】
Figure 2006523218

で表される光学活性アミン類の製造方法。

Description

本発明は、例えば医薬、農薬等の合成中間体等として有用な光学活性アミン類、特にジヒドロキノリン類及びテトラヒドロキノリン類の製造方法に関する。
近年、アミン類、特にジヒドロキノリン類及びテトラヒドロキノリン類は、医薬、農薬等に広く用いられ、これまでにそのようなアミン類、特にジヒドロキノリン類及びテトラヒドロキノリン類の種々の製造法が検討されている。
かかるアミン類の製造方法としては、中間体としてアミノ酸誘導体を経由する方法が特許文献1及び2等に開示されている。
特許文献1及び2には、1級アミンとハロゲン化アリールとを反応させて2級アミンとしたアミン類を原料とする製造法が開示されている。しかしながら、アミノ酸等の光学活性な1級アミンのアミノ基部分にアルキル基やアリール基を導入する際に、ラセミ化を生じないような条件設定が必要である。
非特許文献1には、イミン類への不斉求核付加反応によるアミノ基部分が2級アミノ基である光学活性なアミノ酸類の製造法が開示されている。しかしながら、所望のアミン類を製造するには、発火性のジエチル亜鉛を過剰に用いる必要があり、作業性等に問題点を有していた。
非特許文献2には、アミノ基をアセチル基で保護したエナミン類を不斉水素化反応に付すβ−アミノ酸類の製造法が開示されている。しかしながら、非特許文献2の方法では、エナミン類を不斉水素化反応に付すために2級アミノ基をアセチル基等の保護基で保護しなければならず、保護基の導入及び脱保護の2工程が必要であるという問題点を有していた。
このような問題点を解決するために、種々検討が行われている(特許文献3〜5)。
特許文献3及び4には、アミン類、アルデヒド及びベンゾトリアゾールとを反応させ、得られたイミン等価体とN−ビニルカルバメートとをp−トルエンスルホン酸の存在下で反応させることにより1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類を得る方法が開示されている。また、特許文献5には、アミン類とアルデヒドとを反応させ、次いでN−ビニルカルバメートとを三フッ化ホウ素エーテラートの存在下で反応させることにより1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類を得る方法が開示されている。更に、非特許文献4には、キラルルイス酸を用いた1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法が開示されている。
しかしながら、これら特許文献及び非特許文献に記載の方法は、高光学純度でキノリン類は得られておらず、より高い光学純度で得られる1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法が望まれていた。
また、非特許文献4には、得られるシス体及びトランス体の1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類のそれぞれの光学純度が記載されているものの、非特許文献4に記載の方法により得られる1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類は、シス体及びトランス体の混合物である、という問題点を有していた。
特許文献6及び非特許文献8には、N−ベンジリデン−2−ヒドロキシアニリンとアルキルビニルエーテルとを不斉ランタニド触媒の存在下で反応させることによる1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の合成方法が記載されている。しかしながら、非特許文献8の方法では、高光学純度を達成するためには、アニリン環の2位に水酸基が存在することが必要であるという問題点を有していた。
非特許文献9及び10には、イミン等価体と例えば9−ビニルカルバゾール等のビニル化合物とを反応させて、N,N−ジメチル−3−(カルバゾール−9−イル)−3−(ベンゾトリアゾール−N−イル)プロパンアミンを製造する方法が記載されている。
しかしながら、非特許文献9及び10には、不斉合成については何も記載されていない。 さらにその他の公知文献として、非特許文献3、5〜7を参考までに下記する。
国際公開第02/088069号パンフレット 国際公開第02/088085号パンフレット 国際公開第01/40190号パンフレット 国際公開第02/13797号パンフレット 国際公開第00/17164号パンフレット 特開平10−87628号公報 Chemistry Letters 254−255(2001). Tetrahedron Asymmetry,Vol.2,No.7,543−554(1991). J.Org.Chem.,65,5009−5013,(2000). Org.Lett.,1973−1976,(2001). Tetrahedron Lett.,5765−5768(1989). Angew.Chem.Int.Ed.,38,No.19,2873(1999). J.Am.Chem.Soc.,116,10520−10524(1994). Tetrahedron Lett.,Vol.37,No.41,7357−7360(1996). J.Org.Chem.,58,812−813,(1993). J.Org.Chem.,60,2588−2596,(1995).
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、保護基の導入及び脱保護の工程を必要とせず、作業性が向上し、高光学純度で所望のアミン類、特にテトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類が得られる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、光学活性アミン類、特に光学活性テトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類を製造するために鋭意検討を行った結果、特定のイミン等価体又はイミン類を不斉触媒、特にキラルルイス酸の存在下で特定のアルケン類又はアルキン類、特にN−ビニルカルバメート類と反応させることにより、上記課題を解決することを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は以下の通りである。
1) 一般式(6)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示す。)で表されるイミン等価体と、一般式(7)
Figure 2006523218
(式中、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)
で表されるアルケン類又は一般式(8)
Figure 2006523218
(式中、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示す。)で表されるアルキン類とを不斉触媒の存在下で反応させることを特徴とする一般式(9)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、
Figure 2006523218
は上記した環Aで示される基に対応する二価の基であり、R10及びR12〜R16は前記と同じ。)又は一般式(10)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、
Figure 2006523218
、R10、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性アミン類の製造方法、
2) 反応系に反応中間体として一般式(9b)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、環Aで示される基、R10〜R16は前記と同じ。)で表される光学活性化合物、又は一般式(10b)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、環Aで示される基、R10、R11、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性化合物が生成することを特徴とする上記1)記載の製造方法、
3) 一般式(9b)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示し、*は不斉炭素を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表される光学活性化合物、又は一般式(10b)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。)で表される光学活性化合物を環化反応させることを特徴とする一般式(9)
Figure 2006523218
(式中、
Figure 2006523218
は上記した環Aで示される基に対応する二価の基であり、*は不斉炭素を示し、R10、R12〜R16は前記と同じ。)又は一般式(10)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、
Figure 2006523218
、R10、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性アミン類の製造方法、
4) 一般式(6a)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示す。)で表されるイミン類と、一般式(7a)
Figure 2006523218
(式中、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R23はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示す。また、R23とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表されるアルケン類又は一般式(8)
Figure 2006523218
(式中、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示す。)で表されるアルキン類とを不斉触媒の存在下で反応させる一般式(9a−1)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、
Figure 2006523218
は上記した環Aで示される基に対応する二価の基であり、R12、R13、R15、R16及びR23は前記と同じ。)又は一般式(10a)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、
Figure 2006523218
、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性アミン類の製造方法、
5) 一般式(2)
Figure 2006523218
(式中、Rは脱離基を示し、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示し、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示し、R10は水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるイミン等価体と一般式(3)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1A)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、R、R〜R、R10は前記と同じ。)で表される光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法、
6) 一般式(2a)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示し、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるイミン類と一般式(3)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、R、R〜Rは前記と同じ。)で表される光学活性キノリン類の製造方法、
7) 一般式(4)
Figure 2006523218
(式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるアミン類、一般式(5)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示す。)で表されるアルデヒド、及びイミン等価体を形成する化合物とを反応させ、得られた一般式(2)
Figure 2006523218
(式中、Rは脱離基を示し、R〜Rは前記と同じ。)で表されるイミン等価体と一般式(3)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、R及びR〜Rは前記と同じ。)で表される光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法、
8) 一般式(4)
Figure 2006523218
(式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるアミン類と一般式(5)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示す。)で表されるアルデヒドとを反応させ、得られたイミン類と一般式(3)
Figure 2006523218
(式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1)
Figure 2006523218
(式中、*は不斉炭素を示し、R、R〜Rは前記と同じ。)で表される光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法、
9) 一般式(9)
Figure 2006523218
(式中、
Figure 2006523218
は下記する環Aで示される基に対応する二価の基であり、R10は水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示し、*は不斉炭素を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表される光学活性アミン類及び一般式(9b)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R11は脱離基を示し、R10、R12〜R16及び*は前記と同じ。)で表される光学活性化合物の混合物、
10) 一般式(10)
Figure 2006523218
(式中、
Figure 2006523218
は下記する環Aで示される基に対応する二価の基であり、R10は水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。)で表される光学活性アミン類及び一般式(10b)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R11は脱離基を示し、R10、R12、R17、R18及び*は前記と同じ。)で表される光学活性化合物の混合物、
11) 一般式(9c)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R24は炭化水素基、置換炭化水素基、又はCOOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示し、*は不斉炭素を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表される光学活性化合物、
12) 一般式(10c)
Figure 2006523218
(式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R24は炭化水素基、置換炭化水素基、又はCOOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。但し、R15及びR16が同じ基であるときは、R15及びR16が結合している炭素原子は、不斉炭素とはならない。)で表される光学活性化合物、及び
13)一般式(9c)で表される光学活性化合物が、次式
Figure 2006523218
(式中、R及び*は、前記と同じ。)
で示される光学活性化合物であることを特徴とする請求項11に記載の一般式(9C)で表される光学活性化合物、
に関する。
本発明によれば、保護基の導入及び脱保護の工程を必要としない、作業性に優れた、高光学純度のアミン類、特に高光学純度のテトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類の製造方法を提供するものである。また、本発明の製造方法は、キラルルイス酸を用いることが特徴である。それにより、従来の製造方法に比べ、原料のアミン類からより短工程で所望のテトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類が得られるという効果をも奏するのである。
上記各式中の各官能基について説明する。
11及びRで表される脱離基は、上記一般式(6)で表されるイミン等価体(以下、イミン等価体(6)という。)又は上記一般式(2)で表されるイミン等価体(以下、イミン等価体(2)という。)とアルケン類又はアルキン類と不斉触媒との反応により脱離して光学活性アミン類、特にテトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類を生成するために作用する基である。前記脱離基の具体例としては、例えば、脂肪族複素環基や芳香族複素環基などのヘテロ環基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換アルコキシ基、置換アリールオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アルキルチオ基、置換アリールチオ基、置換アラルキルチオ基、ニトロ基、スルホニル基、置換脂肪族複素環基、置換芳香族複素環基、置換ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールチオ基、含窒素芳香族複素環化合物のオニウム塩の基等が挙げられる。
このような脱離基は、従来十分確立されているので、本発明でもこれらの脱離基を使用することができる。
上記脱離基におけるヘテロ環基については後述する。
上記脱離基におけるアシルオキシ基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等のカルボン酸由来の炭素数2〜18のアシルオキシ基が挙げられる。アシルオキシ基の具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリクロロアセトキシ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記脱離基におけるアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、2−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、5−メチルペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6〜14のアリールオキシ基が挙げられ、具体的にはフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるアラルキルオキシ基としては、アラルキルオキシ基及び置換アラルキルオキシ基が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、例えば炭素数7〜12のアラルキルオキシ基が挙げられる。アラルキルオキシ基の具体例としては、ベンジルオキシ基、2−フェニルエトキシ基、1−フェニルプロポキシ基、2−フェニルプロポキシ基、3−フェニルプロポキシ基、1−フェニルブトキシ基、2−フェニルブトキシ基、3−フェニルブトキシ基、4−フェニルブトキシ基、1−フェニルペンチルオキシ基、2−フェニルペンチルオキシ基、3−フェニルペンチルオキシ基、4−フェニルペンチルオキシ基、5−フェニルペンチルオキシ基、1−フェニルヘキシルオキシ基、2−フェニルヘキシルオキシ基、3−フェニルヘキシルオキシ基、4−フェニルヘキシルオキシ基、5−フェニルヘキシルオキシ基、6−フェニルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるヘテロアリールオキシ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、炭素数2〜14のヘテロアリールオキシ基が挙げられる。ヘテロアリールオキシ基の具体例としては、2−ピリジルオキシ基、2−ピラジルオキシ基、2−ピリミジルオキシ基、2−キノリルオキシ基等が挙げられる。
上記脱離基における脂肪族複素環基としては、例えば、炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
上記脱離基における芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられる。芳香族複素環基の具体例としては、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
上記脱離基におけるアルキルチオ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルキルチオ基が挙げらる。アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、2−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、2−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるアリールチオ基としては、例えば、炭素数6〜14のアリールチオ基が挙げられ、具体的にはフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるアラルキルチオ基としては、例えば、炭素数7〜12のアラルキルチオ基が挙げられ、具体的にはベンジルチオ基、2−フェネチルチオ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるヘテロアリールチオ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、炭素数2〜14のヘテロアリールチオ基が挙げられる。ヘテロアリールチオ基の具体例としては、例えば、2−ピリジルチオ基、2−ベンズイミダゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基、4−ニトロフェニルチオ基、2−ニトロフェニルチオ基等が挙げられる。
上記脱離基におけるスルホニル基としては、例えば、式:R−SO−(Rは、炭化水素基、置換炭化水素基又は置換アミノ基を示す。)で表されるアルキルスルホニル基、置換アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基及び置換アリールスルホニル基等の置換スルホニル基である。スルホニル基の具体例としては、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、−SON(CH等が挙げられる。
で示される炭化水素基、置換炭化水素基及び置換アミノ基は、置換基として上記した炭化水素基及び置換炭化水素基で定義したそれぞれと同義である。
上記置換アリール基及び置換芳香族複素環基における上記置換アミノ基としては、例えばアルキル基で置換されたアミノ基、即ちアルキルアミノ基が挙げられ、その具体例としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ−又はジ−アルキルアミノ基等が挙げられる。
アリール基で置換されたアミノ基、即ち、アリールアミノ基の具体例としては、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ−又はジ−アリールアミノ基が挙げられる。アラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルアミノ基の具体例としては、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ−又はジ−アラルキルアミノ基が挙げられる。
アシル基で置換されたアミノ基、即ち、アシルアミノ基の具体例としては、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルで置換されたアミノ基、即ち、アルコキシカルボニルアミノ基の具体例としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ち、アリールオキシカルボニルアミノ基としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子が上記アリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基が挙げられ、その具体例として、フェノキシカルボニルアミノ基、ナフチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ち、アラルキルオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、ベンジルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。上記スルホニルアミノ基の具体例としては、−NHSOCH,−NHSO,−NHSOCH,−NHSOCF,−NHSON(CH等が挙げられる。
上記脱離基における置換アルコキシ基としては、上記アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、アルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基、ハロゲン原子は上記と同じである。また、置換アミノ基及びアルキレンジオキシ基については、下記する置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アミノ基及びアルキレンジオキシ基と同義であってよい。アルコキシ基で置換されたアルコキシ基の具体例としては、メトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
上記脱離基における置換アリールオキシ基としては、上記アリールオキシ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換されたアリールオキシ基、上記アリールオキシ基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基で置換されたアリールオキシ基等が挙げられる。置換アリールオキシ基の具体例としては、4−ニトロフェニルオキシ基、2−ニトロフェニルオキシ基等が挙げられる。
上記脱離基における置換アラルキルオキシ基としては、上記アラルキルオキシ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換されたアラルキルオキシ基、上記アラルキルオキシ基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等で置換されたアラルキルオキシ基が挙げられる。
上記脱離基における置換アルキルチオ基としては、アルキルチオ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、アルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアルキルチオ基が挙げられる。
上記脱離基における置換アリールチオ基としては、アリールチオ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基及びアルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアリールチオ基が挙げられる。置換アリールチオ基の具体例としては、4−ニトロフェニルチオ基、2−ニトロフェニルチオ基等が挙げられる。
上記脱離基における置換アラルキルチオ基としては、アラルキルチオ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基等の置換基で置換されたアラルキルチオ基が挙げられる。
上記脱離基における置換脂肪族複素環基としては、上記脂肪族複素環基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換された脂肪族複素環基が挙げられる。
上記脱離基における置換芳香族複素環基としては、上記芳香族複素環基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換された芳香族複素環基が挙げられる。
上記脱離基における置換ヘテロアリールオキシ基としては、上記ヘテロアリールオキシ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換されたヘテロアリールオキシ基が挙げられる。
上記脱離基における置換ヘテロアリールチオ基としては、上記ヘテロアリールチオ基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換されたヘテロアリールチオ基が挙げられる。
上記脱離基における含窒素芳香族複素環化合物のオニウム塩の基の具体例としては、下記式で表される基等が挙げられる。
Figure 2006523218
(上記において、Xで示されるTsはp−トルエンスルホニル基を意味し、Msはメタンスルホニル基を意味し、Rで示されるalkylはアルキル基を意味する。以下同じ。)
上記脱離基におけるヘテロ環基の具体例としては、上記脂肪族複素環基、上記芳香族複素環基、上記置換脂肪族複素環基、上記置換芳香族複素環基及び上記含窒素芳香族化合物のオニウム塩の基、及び下記式で表される基等が挙げられ、中でも下記式で表されるヘテロ環基が好ましい。
式:
Figure 2006523218
これら脱離基は、中でもヘテロ環基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、芳香族複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールチオ基、含窒素芳香族複素環化合物のオニウム塩の基が好ましい。
一般式(6)及びその他の式において、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示す。
環Aで示される基におけるアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換アリール基としては、上記アリール基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリール基、上記アリール基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアリール基が挙げられる。置換基については後述する。
環Aで示される基における芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられる。芳香族複素環基の具体例としては、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
環Aで示される基における置換芳香族複素環基としては、上記芳香族複素環基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された芳香族複素環基が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基の具体例としては、炭化水素基、置換炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、アシル基、置換アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、置換アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、置換シリル基等が挙げられる。
置換基としてのハロゲン原子、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基及びアシルオキシ基は、上記環Aで示される基或いは上記脱離基で説明した各基と同じである。
置換基としての炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でもよい、例えば炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
アルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられ、その具体例としてはエテニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等が挙げられ、中でも炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。
アルキニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数2〜10のアルキニル基が挙げられ、その具体例としてはエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられ、中でも炭素数2〜6のアルキニル基が好ましい。
アリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、その具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子が前記アリール基で置換された基が挙げられ、例えば炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、その具体例としてはベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられる。
置換基としてのハロゲン化炭化水素基としては、上記炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化等)された基が挙げられる。ハロゲン化炭化水素の具体例としては、例えば、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基が挙げられ、その具体例としてはクロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、3−ブロモプロピル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基、フルオロペンチル基、フルオロヘキシル基、フルオロヘプチル基、フルオロオクチル基、フルオロノニル基、フルオロデシル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、フルオロシクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−n−ブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロ−tert−ペンチル基、ペルフルオロ−n−ヘキシル基、ペルフルオロイソヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、2−ペルフルオロオクチルエチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。これらハロゲン化アルキル基は、中でも炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基が好ましく、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基がより好ましく、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基等の炭素数1〜3の含フッ素アルキル基が更に好ましい。
置換基としてのアシル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば、炭素数1〜18のアシル基が挙げられ、その具体例としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ラウロイル基、ステアロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
置換基としてのアルキルオキシカルボニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数2〜19のアルキルオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、2−プロポキシカルボニル基、2−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ラウリルオキシカルボニル基、ステアリルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基としてのアリールオキシカルボニル基としては、例えば炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてはフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基としてのアラルキルオキシカルボニル基としては、例えば炭素数8〜15のアラルキルオキシカルボニル基が挙げられ、具体的にはベンジルオキシカルボニル基、フェニルエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル等が挙げられる。
置換基としてのアルキレンジオキシ基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基が挙げられ、その具体例としてはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基等が挙げられる。
置換基としての置換炭化水素基としては、上記炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が上記置換基で置換された炭化水素基が挙げられる。例えば、置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換アリール基、置換アラルキル基等が挙げられる。
上記置換炭化水素基における置換アルキル基としては、上記アルキル基の少なくとも1個の水素原子が上記置換基で置換されたアルキル基が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアルキル基、即ち、ハロゲン化アルキル基としては、上記置換基として説明したハロゲン化炭化水素基におけるハロゲン化アルキル基と同じである。
置換アルケニル基(例えば置換ビニル基)、置換アルキニル基(例えば置換プロパルギル基)における置換基も上記置換アルキル基における置換基と同様でよい。
置換アリール基としては、上記アリール基の少なくとも1個の水素原子が炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基又は置換アミノ基等の上記置換基で置換されたアリール基、上記アリール基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等で置換されたアリール基等が挙げられる。アルキル基で置換されたアリール基の具体例としては、トリル基、キシリル基、メシチル基等が挙げられる。
置換アラルキル基としては、上記アラルキル基のアリール基の少なくとも1個の水素原子が炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基又は置換アミノ基等の上記置換基で置換されたアラルキル基、上記アラルキル基中のアリール基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアラルキル基等が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アシル基としては、上記アシル基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、アルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアシル基が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アルキルオキシカルボニル基としては、上記アルキルオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、アルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アリールオキシカルボニル基としては、上記アリールオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基等の置換基で置換されたアリールオキシカルボニル基、上記アリールオキシカルボニル基中のアリール基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等で置換されたアリール基が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アラルキルオキシカルボニル基としては、上記アラルキルオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基等の置換基で置換されたアラルキルオキシカルボニル基、上記アラルキルオキシカルボニル基中のアリール基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等で置換されたアラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アミノ基としては、アミノ基の1個又は2個の水素原子が保護基等の置換基で置換されたアミノ基が挙げられる。保護基としては、アミノ保護基として用いられるものであれば何れも使用可能であり、例えば「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Third Edition (JOHN WILEY & SONS, INC.(1999))」にアミノ保護基として記載されているものが挙げられる。アミノ保護基の具体例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、スルホニル基等が挙げられる。
上記アミノ保護基としてのアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基及びアラルキルオキシカルボニル基は、上記で置換基として説明した各基と同じである。
上記アミノ保護基としてのスルホニル基としては、例えば、アルキルスルホニル基、置換アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基及び置換アリールスルホニル基等のR−SO−(Rは炭化水素基、置換炭化水素基又は置換アミノ基を示す。)で表される置換スルホニル基が挙げられる。そのようなスルホニル基の具体例としては、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、−SON(CH等が挙げられる。Rで表される炭化水素基、置換炭化水素基及び置換アミノ基はそれぞれ上記置換基としての炭化水素基、置換炭化水素基及び置換アミノ基と同義であってよい。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換アミノ基において、アルキル基で置換されたアミノ基、即ちアルキルアミノ基の具体例としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基が挙げられる。アリール基で置換されたアミノ基、即ちアリールアミノ基の具体例としては、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基が挙げられる。アラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルアミノ基の具体例としては、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基が挙げられる。アシル基で置換されたアミノ基、即ちアシルアミノ基の具体例としては、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアルコキシカルボニルアミノ基の具体例としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアリールオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子が前記したアリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基が挙げられ、その具体例としてはフェノキシカルボニルアミノ基、ナフチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、ベンジルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。スルホニルアミノ基の具体例としては、−NHSOCH、−NHSO、−NHSOCH、−NHSOCF、−NHSON(CH等が挙げられる。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としてのスルホニル基は上記アミノ保護基におけるスルホニル基と同義であってよい。
上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基としての置換シリル基としては、例えば、シリル基の3個の水素原子が上記アルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、上記アルコキシ基等の置換基で置換されたトリ置換シリル基が挙げられ、その具体例としてはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、環Aで示される基におけるアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、その具体例としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
環Aで示される基における置換アリール基としては、上記アリール基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基等の置換基で置換されたアリール基、上記アリール基の隣接した2個の水素原子がアルキレンジオキシ基等の置換基で置換されたアリール基が挙げられる。アルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子及び置換アミノ基は、上記と同じである。アルキル基で置換されたアリール基の具体例としては、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アルキレンジオキシ基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基が挙げられ、その具体例としてはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等が挙げられる。
環Aで示される基における芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、その具体例としては、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
環Aで示される基における置換芳香族複素環基としては、上記芳香族複素環基の少なくとも1個の水素原子がアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の置換基で置換された芳香族複素環基が挙げられる。アルキル基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基及びハロゲン原子は、上記と同じである。
一般式(6)及びその他の式におけるR10で示されるアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基及び置換アラルキルオキシカルボニル基としては、上記置換アリール基又は置換芳香族複素環基における置換基として上記のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基及び置換アラルキルオキシカルボニル基と同じである。
12で示される炭化水素基及び置換炭化水素基、並びにCOOR19におけるR19で示される炭化水素基及び置換炭化水素基は、上記置換基として説明した炭化水素基及び置換炭化水素基と同じである。R12で示される置換アミノ基及びCOR20におけるR20で示される置換アミノ基としては、上記置換基として説明した置換アミノ基と同じである。
本発明においては、R12で示される基は、上記R12の定義のうち、水素原子以外の基であるのが好ましい。
一般式(7)及びその他の式において、R13、R15及びR16で示されるアルキル基としては、上記置換基として説明した炭化水素基におけるアルキル基と同じである。R14で示されるアリール基及び置換アリール基としては、上記置換基として説明した炭化水素基におけるアリール基、置換炭化水素基における置換アリール基と同じである。R14で示される脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アラルキルチオ基、置換アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基及び置換シリル基としては、上記置換基として説明した各基と同じである。
14で示されるアルキルセレノ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい。例えば炭素数1〜6のアルキルセレノ基が挙げられ、その具体例としてはメチルセレノ基、エチルセレノ基、n−プロピルセレノ基、2−プロピルセレノ基、n−ブチルセレノ基、2−ブチルセレノ基、イソブチルセレノ基、tert−ブチルセレノ基、ペンチルセレノ基、ヘキシルセレノ基、シクロヘキシルセレノ基等が挙げられる。
14で示されるアラルキルセレノ基としては、例えば炭素数7〜12のアラルキルセレノ基が挙げられ、その具体例としてはベンジルセレノ基、2−フェネチルセレノ基等が挙げられる。
14で示されるアリールセレノ基としては、例えば炭素数6〜14のアリールセレノ基が挙げられ、その具体例としてはフェニルセレノ基、ナフチルセレノ基等が挙げられる。
14で示されるヘテロアリールセレノ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、炭素数2〜14のヘテロアリールオキシ基が挙げられ、その具体例としては4−ピリジルセレノ基、2−ベンズイミダゾリルセレノ基、2−ベンズオキサゾリルセレノ基、2−ベンズチアゾリルセレノ基等が挙げられる。
14で示される脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基及び置換芳香族複素環基についてはさらに詳細に後述する。
14で示される置換アミノ基としては、式:−NR2122(R21は水素原子又はアルキル基を示し、R22はアルキル基、シアノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシル基、スルホニル基又はアルコキシ基を示す。また、R21とR22とが結合して環状アミンや環状アミド等の環を形成してもよい。)で示される。環状アミン及び環状アミドの具体例としては、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
21で表されるアルキル基は上記置換基で説明したアルキル基と同義であってよい。
22で表されるアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシル基、スルホニル基又はアルコキシ基は、上記置換基で説明した各基と同じである。
置換アミノ基の具体例としては、上記置換基としての置換アミノ基で例示した基と同様の基が挙げられる。
一般式(7)及びその他の式において、R14とR16とが結合して環を形成する場合には、アルキレン鎖で環を形成したものが挙げられ、また、該アルキレン鎖は酸素原子等の異種原子を含んでいてもよい。これら形成する環の具体例としては、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等が挙げられる。
一般式(8)及びその他の式において、R18で示されるアルキル基としては、上記置換基として説明した炭化水素基におけるアルキル基と同じである。R17で示されるアリール基及び置換アリール基としては、上記置換基として説明した炭化水素基におけるアリール基、置換炭化水素基における置換アリール基と同じである。R17で示される脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基及び置換シリル基としては、上記置換基として説明した各基と同じである。
17で表される置換アミノ基は、上記したR14で示される置換アミノ基と同義であってよい。
一般式(7a)及びその他の式において、R23で示されるアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アラルキルチオ基、置換アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基及びヘテロアリールセレノ基は、上記R14で説明した各基と同じである。
一般式(7)、(7a)及びその他の式において、R14及びR17で示される脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基及び置換芳香族複素環基は、それぞれ上記した脱離基における脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基及び置換芳香族複素環基と同義であってよい。より具体的には、下記式で表される環基等が挙げられる。
Figure 2006523218
上記式中、Rは同一又は異なって、水素原子又は置換基を示す。前記置換基は上記した置換基と同じである。上記複素環基は上記のR以外に更に上記した種々の置換基から選ばれる置換基等を有していてもよい。
一般式(7a)及びその他の式において、R23とR16とが結合して形成する環は、上記したR14とR16とが結合して形成する環と同義であってよい。
一般式(2)及びその他の式において、R〜Rで示される炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基としては、上記置換基として説明した各基と同じである。
ここで、Rは水素原子が好ましい。R〜Rの少なとも1つの好ましい基は、炭化水素基、ハロゲン原子又はハロゲン化炭化水素基等であり、そしてR〜Rの少なくとも1つはハロゲン原子又はハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくはR〜Rの少なくとも1つはハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である。
一般式(2)についてさらに具体的に説明すると、Rは好ましくは水素原子であり、R〜Rの少なくとも1つは水素原子、アルコキシ基、ハロゲン化炭化水素基又はハロゲン原子である。このうち、好ましいのは、(a)Rがアルコキシ基又はハロゲン化炭化水素基である場合、又は(b)R〜Rの少なくとも1つはハロゲン原子であり、他のR〜Rはそれぞれ水素原子である場合であり、より好ましいのは、(c)Rがアルコキシ基又はハロゲン化炭化水素基であり、R、R及びRがそれぞれ水素原子である場合、又は(d)R及びRがハロゲン原子であり、R及びRが水素原子である場合であり、さらに好ましいのは、(e)Rがメトキシ基又は炭素数1〜3の含弗素アルキル基であり、R、R及びRが水素原子である場合、又は(f)R及びRが、塩素原子であり、R及びRがそれぞれ水素原子である場合であり、最も好ましいのは、Rがトリフルオロメチル基であり、R,R及びRがそれぞれ水素原子である場合である。これらR〜Rは、下記各式にも適用される。
一般式(2)及び他の式において、Rで示される炭化水素基及び置換炭化水素基は、上記した置換基としての炭化水素基及び置換炭化水素基と同義であってよい。COORにおけるRで示される炭化水素基は、上記した置換基としての炭化水素基と同義であってよい。
上記一般式(2)において、Rは炭化水素基が好ましく、より好ましくはアルキル基であり、さらに好ましいのはエチル基である。
一般式(3)及びその他の式において、Rで示される炭化水素基としては、上記置換基として説明した炭化水素基と同じである。
一般式(3)において、Rはアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(9c)及び(10c)において、R24で示される炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19、COR20及び置換アミノ基は、上記R12で説明した各基と同義であってよい。
なお、置換位置が異なるが同一用語で記載された複数の置換基又は置換基を表すシンボルは異なるが同一用語で記載された複数の置換基のそれぞれは、特に断わりのない限り、同義である。
一般式(6)又は一般式(2)で表されるイミン等価体は、上記イミン類を不斉触媒の存在下で上記アルケン類、特に下記するN−ビニルカルバメート類又は上記アルキン類と反応させる際に、該イミン類と同様な性質を有し、同様に挙動する化合物であるから、本明細書においては、イミン等価体と称している。
一般式(6)で表されるイミン等価体としては、例えば、上記一般式(2)で表されるイミン等価体(以下、イミン等価体(2)という。)が挙げられる。上記イミン等価体の構成成分である脱離基は、反応に関与してもよい。イミン等価体(2)は下記一般式(2−1)で表されるイミン等価体が好ましい。
Figure 2006523218
(式中、R,R及びR〜Rは前記と同じ。)
これらイミン等価体の具体例としては、N−1−(1−アセチルオキシ)プロピル−4−トリフルオロメチルアニリン、N−1−(1−プロピオニルオキシ)プロピル−4−トリフルオロメチルアニリン、N−1−(1−ブチリルオキシ)プロピル−4−トリフルオロメチルアニリン等や、下記式で表されるイミン等価体等が挙げられる。
Figure 2006523218
Figure 2006523218
一般式(6a)で表されるイミン類としては、例えば、上記一般式(2a)で表されるイミン類(以下、イミン類(2a)、という。)が挙げられる。イミン類(2a)は、中でも下記一般式(2a−1)で表されるイミン類が好ましい。
Figure 2006523218
(式中、R及びR〜Rは前記と同じ。)
これらイミン類の具体例としては、N−エチリデン−4−トリフルオロメチルアニリン、N−プロピリデン−4−トリフルオロメチルアニリン、N−ブチリデン−4−トリフルオロメチルアニリン、N−ベンジリデン−4−トリフルオロメチルアニリン等が挙げられる。
一般式(7)で表されるアルケン類としては、上記一般式(3)で表されるN−ビニルカルバメート類(以下、N−ビニルカルバメート類(3)という)、シクロペンタジエン、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、N−ビニルピロリジン等が挙げられるが、上記一般式(7a)で表されるアルケン類が好ましく、これらのうちN−ビニルカルバメート類(3)がより好ましい。
N−ビニルカルバメート類(3)の具体例としては、N−ビニルカルバミン酸メチル、N−ビニルカルバミン酸エチル、N−ビニルカルバミン酸イソプロピル、N−ビニルカルバミン酸ブチル、N−ビニルカルバミン酸ベンジル等が挙げられる。
上記一般式(7a)におけるR23で示される基は、アリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アラルキルチオ基、置換アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基等が好ましい。
本発明で用いられるアルキン類(8)の具体例としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2006523218
上記式中、Rは同一又は異なって、水素原子又は置換基を示す。Meはメチル基を表し、Etはエチル基を示し、iPrはイソプロピル基を示し、Bnはベンジル基を示し、Allylはアリル基を示す。置換基は上記した種々の置換基と同じである。上記複素環基は上記のR以外に更に上記した種々の置換基から選ばれる置換基等を有していてもよい。
本発明で用いられるアルケン類(7)及びアルキン類(8)は、それらの前駆体を用いてもよい。前記前駆体は、本発明の製造方法を行う際に、アルケン類(7)又はアルキン類(8)として作用し、所望の光学活性アミン類が得られるものであればよい。N−ビニルカルバメート類に対するそのような前駆体の具体例としては、下記式(A)で表されるビスウレタン類や下記式(B)で表されるアルコキシ体等が挙げられる。
Figure 2006523218
(上記式中、Rは炭化水素基又は置換炭化水素基を示し、Rは前記と同じ。)
一般式(4)で表されるアミン類(以下、アミン類(4)という。)は、一般式(4−1)
Figure 2006523218
(式中、R〜Rは前記と同じ)で表されるアミン類が好ましい。該アミン類の具体例としては、例えば、4−トリフルオロメチルアニリン、3−トリフルオロメチルアニリン、2−トリフルオロメチルアニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、4−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、2−フルオロアニリン、3,4−ジフルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、2,4,5−トリフルオロアニリン、4−クロロアニリン、3−クロロアニリン、2−クロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,3,4−トリクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、3,4,5−トリクロロアニリン、4−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、2−ブロモアニリン、2,4−ジブロモアニリン、2,5−ジブロモアニリン、3,4,5−トリブロモアニリン、4−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、2−ヨードアニリン、4−メトキシアニリン、3−メトキシアニリン、2−メトキシアニリン等が挙げられる。
上記したイミン等価体を形成する化合物の具体例としては、ベンゾトリアゾール、プリン、イミダゾール、4−ニトロフェノール、2−メルカプトピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メルカプトベンゾチアゾール等のヘテロ化合物、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類等が挙げられる。
本発明で用いられる不斉触媒はキラルルイス酸又はキラルルイス酸としての性質を有する化合物である。キラルルイス酸は、金属元素と配位子とから形成される。金属元素としては、例えばホウ素、アルミニウム等の典型元素、チタン、ジルコニウム等の遷移元素、イッテルビウム等の希土類元素等が挙げられ、好ましくはホウ素、チタン、ジルコニウム、イッテルビウム等が挙げられる。但し、イミン類をアルケン類又はアルキン類と反応させる際には、イッテリビウムを除くホウ素、チタン又はジルコニウム等の元素が、好ましく用いられる。前記配位子としては、例えば下記に示す配位子等が挙げられる。
Figure 2006523218
(上記において、arylは上記したアリール基を示し、trialkylsilylは例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基を示し、triarylsilylは例えばトリフェニルシリル基等のトリアリールシリル基を示し、halogeneは上記したハロゲン原子を示し、arylthioは上記したアリールチオ基を示し、nは自然数(好ましくは1〜10)を示す。以下同じ。)
キラルルイス酸の具体例としては、非特許文献3〜7に記載の化合物、「均一系触媒反応設計のための戦略」(化学同人) p.177−192に記載の化合物、Yamamoto, H, ‘Lewis Acid in Organic Synthesis’; Wiley −VCH: New York,2000等に記載の化合物や、下式で表されるキラルルイス酸が挙げられる。それらキラルルイス酸は、市販品を用いても適宜製造したものを用いてもよい。
Figure 2006523218
(上記式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、Etはエチル基、i−Buはイソブチル基を示す。以下同じ。1)R=Cl、2)R=Et、3)R=i−Buの場合には、Rが塩素原子、エチル基又はイソブチル基であることを示す。)
Figure 2006523218
(上記において、1)、2)、3)は上記と同様R又はR’に選択肢があることを示す。i−Prはイソプロピル基を示し、n−Buはn−ブチル基を示し、p−tolylはp−トリル基を示し、mesitylはメシチル基を示す。以下同じ。)
Figure 2006523218
(上記において、1)、2)は上記と同様Ln又はRに選択肢があることを示す。Arは上記したアリール基を示し、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示し、tertiary amineは例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等を示す。以下同じ。)
Figure 2006523218
(式中、o−tolylはo−トリル基を示し、OPrはイソプロポキシ基を示す。)
Figure 2006523218
(式中、OBu−tはt−ブトキシ基を示し、THFはテトラヒドロフランを示す。)
さらに、系内(in situ)で製造されたこれらのキラルルイス酸も、本発明の製造方法に適用できる。
本発明の製造方法により得られる上記一般式(9)及び(9a)で表される光学活性アミン類としては、上記一般式(1)で表される光学活性テトラヒドロキノリン類(以下、光学活性テトラヒドロキノリン類(1)という。が挙げられ、その具体例としては下記一般式(1a)〜(1d):
Figure 2006523218
(式中、各符号は前記と同義である。)が例示される。
上記一般式(1a)〜(1d)で表される光学活性テトラヒドロキノリン類は、中でも上記一般式(1a)及び(1b)で表される光学活性テトラヒドロキノリン類が好ましく、上記一般式(1a)で表される光学活性テトラヒドロキノリン類がより好ましく、但し、一般式(1A)において、R10が水素原子であるときは、一般式(1A)のテトラヒドロキノリン類は、一般式(1)で表されるテトラヒドロキノリン類である。
上記一般式(9)で表される(1)光学活性アミン類としては、例えば、一般式(1)で表されるテトラヒドロキノリン類(1)が挙げられる。上記一般式(1)で表されるテトラヒドロキノリン類(以下、光学活性テトラヒドロキノリン類(1)という。)の例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006523218
Figure 2006523218
本発明の製造方法により得られる一般式(10)で表される光学活性アミン類は、一般式(1e)
Figure 2006523218
(式中、R〜R、R10、R12、R17、R18及び*は、それぞれ前記と同義。)で表される光学活性ジヒドロキノリン類が挙げられ、その具体例としては、下記一般式(1f)及び(1g)で表される化合物が例示される。
Figure 2006523218
(式中、R〜R、R10、R12、R17及びR18は前記と同じ。)
上記一般式(10)で表される光学活性アミン類の例としては、以下の化合物等が挙げられる。
Figure 2006523218
Figure 2006523218
本発明に関与する、イミン等価体を原料化合物として用いた不斉触媒存在下での主たる反応は、下記式のとおりである。
Figure 2006523218
本発明の製造方法は、化合物(6)と化合物(7)又は(8)とを不斉触媒の存在下で反応させて光学活性化合物(9b)又は(10b)を生成させること及びさらに光学活性化合物(9b)又は(10b)の環化反応によって最終化合物(9)又は(10)を生成させることにより行われる。従って、本発明の製造方法は、光学活性化合物(9b)又は(10b)が生成した段階で反応を終了させてもよいし、光学活性化合物(9b)又は(10b)と最終の光学活性化合物(9)又は(10)との混合物が生成した段階で反応を終了させてもよいし、或いは光学活性化合物(9b)又は(10b)の全てが最終化合物(9)又は(10)に環化した後に反応を終了させてもよい。従って、化合物(6)と化合物(7)又は(8)と不斉触媒を出発原料とする本発明方法の目的化合物は、上記光学活性化合物(9b)又は(10b)、光学活性化合物(9b)又は(10b)と最終化合物との混合物又は最終化合物である。上記出発原料を使用し、上記最終化合物を製造する方法は、新規且つ技術的進歩性を有する。上記光学活性化合物(9b)又は(10b)は、前記本発明の製造方法に貢献する新規且つ有用な化学物質である。
イミン等価体(2)又はイミン類(2a)と、N−ビニルカルバメート類(3)をキラルルイス酸の存在下に反応させる例を本発明の好ましい例として詳細に説明する。
イミン類(2a)は、アミン類(4)と一般式(5)で表されるアルデヒド(以下、アルデヒド(5)ともいう)とを反応させることにより得ることができる。
アルデヒド(5)の使用量は、アミン類(4)に対して通常0.1〜20当量、好ましくは0.3〜5.0当量の範囲から適宜選択される。
反応は、溶媒の存在下で行うことが好ましいが、基質によっては無溶媒でも差し支えない。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、アミン類(4)の質量に対して、通常0.1〜100倍、好ましくは0.5〜30倍の範囲から適宜選択される。
反応温度は、通常−78〜100℃、好ましくは−78〜50℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常1分〜10日、好ましくは5分〜48時間の範囲から適宜選択される。
得られたイミン類は適宜後処理等を行っても、後処理等を行わず反応終了後の反応液をそのまま次の反応に付してもよい。
また、イミンは、イミン等価体を適宜、処理することにより得ることができる。
イミン等価体(2)は、アミン類(4)、アルデヒド(5)及びイミン等価体を形成する化合物とを反応させることにより得ることができる。
アルデヒド(5)の使用量は、アミン類(4)に対して通常0.1〜20当量、好ましくは0.3〜5当量の範囲から適宜選択される。
イミン等価体を形成する化合物の使用量は、アミン類(4)に対して通常0.1〜20当量、好ましくは0.3〜5当量の範囲から適宜選択される。
反応は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒の種類及びその使用量は上記と同じである。
反応温度は、通常−78〜200℃、好ましくは−50〜100℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常1分〜10日、好ましくは5分〜48時間の範囲から適宜選択される。
得られたイミン等価体は適宜後処理等を行っても、後処理等を行わずそのまま次の反応に付してもよい。
次に、光学活性テトラヒドロキノリン類(1)は、イミン類(2a)又はイミン等価体(2)とN−ビニルカルバメート類(3)とをキラルルイス酸の存在下で反応させることにより得ることができる。
N−ビニルカルバメート類(3)の使用量は、イミン類又はイミン等価体に対して通常0.1〜50当量、好ましくは0.3〜10当量の範囲から適宜選択される。
キラルルイス酸の使用量は、触媒量がよく、イミン類とN−ビニルカルバメート類との反応の場合には、イミン類に対して通常0.001〜10当量、好ましくは0.001〜0.3当量の範囲から適宜選択される。また、イミン等価体とN−ビニルカルバメート類との反応の場合には、イミン等価体に対して通常0.001〜10当量、好ましくは0.001〜0.3当量の範囲から適宜選択される。
反応は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、イミン類又はイミン等価体に対して、通常0.1〜100倍、好ましくは0.5〜30倍の範囲から適宜選択される。
本発明の製造方法は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行うことができる。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
本発明の製造方法は、必要に応じて脱水剤の存在下で行ってもよい。脱水剤としては、シリカゲル、アルミナ、シリカアルミナ等の固体酸化物、例えば濃硫酸、五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類、ポリリン酸、例えば無水酢酸等の酸無水物、カルボニルジイミダゾール、p−トルエンスルホニルクロライド、例えばモレキュラーシーブズ(3A、4A等)等のゼオライト類、無水塩化カルシウム、無水硫酸カルシウム、無水塩化マグネシウム、無水硫酸マグネシウム、無水炭酸カリウム、無水硫化カリウム、無水亜硫酸カリウム、無水硫酸ナトリウム、無水亜硫酸ナトリウム、無水硫酸銅等の(無水)無機塩類等、例えばHPW1240、HPW11MoO40、HPW10Mo40、HPWMo40、HPWMo40、HPVW1140、HPV1040、HPV40、HPV40、HSiW1240、HSiW11MoO40、HSiW10Mo40、HSiWMo40、HSiWMo40、HSiVW1140、HSiV1040、HSiV40、HSiV40等のヘテロポリ酸(これらヘテロポリ酸は、1分子以上の水分子が付加されていても、また、担体に担持されていてもよい。)、例えばスチレン系スルホン酸型陽イオン交換樹脂、フェノールスルホン酸型陽イオン交換樹脂、フッ素化アルキルスルホン酸型陽イオン交換樹脂等の陽イオン交換樹脂等が挙げられる。
陽イオン交換樹脂の具体例としては、アンバーリスト(Amberlyst、登録商標)15、アンバーリスト(Amberlyst、登録商標)16、アンバーリスト(Amberlyst、登録商標)36、アンバーライト(Amberlite、登録商標)XE−284(以上、Rohm&Haas社製)、ナフィオン(NAFION、登録商標)(E.I.DuPont社製)等が挙げられる。また、陽イオン交換樹脂は、担体に担持されていてもよい。担体としては、シリカ等が挙げられる。
脱水剤の使用量は、イミン等価体(6)又はイミン類(6a)に対して通常0.1〜5.0当量、好ましくは0.5〜2.0当量の範囲から適宜選択される。
また、イミン類(2a)をキラルルイス酸の存在下でN−ビニルカルバメート類と反応させる際に、イミン等価体を形成する化合物を反応系中に共存させて反応させてもよい。
本発明の製造方法は、バッチ式でも連続式でも実施することができる。
本発明の製造方法で用いられるキラルルイス酸は、回収し、再利用することができる。回収されたキラルルイス酸は、後処理及び精製されることなく、本発明の製造方法に直接、再利用してもよい。
本発明の製造方法によれば、上記一般式(9b)又は(10b)で表される光学活性化合物が得られる。例えば、上記一般式(6)で表されるイミン等価体と上記一般式(7)で表されるアルケン類を反応させると、上記一般式(9)で表される光学活性アミン類、上記一般式(9b)で表される光学活性化合物、又は上記一般式(9)で表される光学活性アミン類と上記一般式(9b)で表される光学活性化合物との混合物が得られる。この際、得られた化合物が、実質的に上記一般式(9)で表される光学活性アミン類のみである場合には、適宜後処理等を行えばよい。得られた化合物が、実質的に上記一般式(9b)で表される光学活性化合物のみである場合には、環化反応を行えばよい。また、得られた化合物が、上記一般式(9)で表される光学活性アミン類と上記一般式(9b)で表される光学活性化合物との混合物である場合には、混合物のまま環化反応を行っても、或いは該光学活性アミン類を単離した後、上記一般式(9b)で表される光学活性化合物の環化反応を行ってもよい。
上記後処理、単離等の具体的手段としては、上記一般式(9)で表される光学活性アミン類及び/又は一般式(9b)で表される光学活性化合物を、自体公知の手段、例えば、溶媒抽出、転溶、塩析、晶出、再結晶、クロマトグラフィー法などによって分離精製する手段などが挙げられる。
一般式(10)で表される光学活性アミン類及び/又は一般式(10b)で表される光学活性化合物についても上記と同様に環化反応、後処理等に付してよい。
上記一般式(9b)で表される光学活性化合物は、中でも上記一般式(9c)で表される光学活性化合物が好ましい。より好ましくは下記一般式(9d)で表される光学活性化合物が挙げられる。
Figure 2006523218
(式中、R〜R、R、R10、R11、R13、R15、R16、R24及び*は前記と同じ。)
一般式(9d)において、R24は炭化水素が好ましく、より好ましくはアルキル基であり、更に好ましいのはエチル基である。
上記一般式(9d)で表される光学活性の化合物の具体例としては、例えば、以下の式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2006523218
Figure 2006523218
上記式中、*は前記と同義である。
上記一般式(10b)で表される光学活性化合物は、中でも上記一般式(10c)で表される光学活性化合物が好ましく、下記一般式(10d)で表される化合物がより好ましく挙げられる。
Figure 2006523218
(式中、R〜R、R、R10、R11、R18、R24及び*は前記と同じ。)
一般式(10d)において、R24は炭化水素が好ましく、より好ましくはアルキル基であり、更に好ましいのはエチル基である。
上記一般式(10d)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下の式で表される化合物等が例示される。
Figure 2006523218
Figure 2006523218
上記式中、*は前記と同義である。
環化反応は、上記一般式(9b)で表される光学活性化合物が、該式中のR11が上記ヘテロ環基である場合には、R11が上記ヘテロ環基のまま環化反応を行っても、必要に応じて該ヘテロ環基を他の脱離基に置換した後行ってもよい。
例えば、上記一般式(9b)で表される光学活性化合物とナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドとを常法に従って反応させることにより、前記へテロ環基以外の脱離基を導入した一般式(9b)で表される光学活性化合物を得ることができる。また、上記一般式(9b)で表される光学活性化合物とメタノール等の上記溶媒として例示したアルコール類等の求核剤とを常法に従って反応させても前記へテロ環基以外の脱離基を導入した一般式(9b)で表される光学活性化合物を得ることができる。
環化反応は、上記一般式(6)で表されるイミン等価体と上記一般式(7)で表されるアルケン類とを反応させた後、そのまま(ワンポットで)反応を行っても、また、適宜後処理等を行ってから反応を行ってもよいが、その際に、必要に応じて、酸や、更に不斉触媒、脱水剤等を適宜添加して行ってもよい。
酸としては、無機酸、有機酸、ルイス酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸、過ヨウ素酸等挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、吉草酸、ヘキサン酸、クエン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、フタル酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソプロピルアルミニウム等のハロゲン化ジアルキルアルミニウム、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリプロピルボレート、トリ−tert−ブチルボレート等のトリアルキルボレート、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム、四塩化チタン等のハロゲン化チタン、テトライソプロポキシチタニウム等のテトラアルコキシチタニウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等のハロゲン化ホウ素、塩化亜鉛、臭化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。これら酸は、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。これら酸は、中でも硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が好ましい。
酸の使用量は、イミン等価体(6)又はイミン類(6a)に対して通常0.001〜10当量、好ましくは0.001〜0.3当量の範囲から適宜選択される。
反応温度は、通常−78〜200℃、好ましくは−50〜100℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常1分〜10日、好ましくは5分〜48時間の範囲から適宜選択される。
本発明の製造方法により得られた光学活性テトラヒドロキノリン類の光学純度は、好ましくは85%e.e.以上、より好ましくは90%e.e.以上である。
かくして得られた光学活性アミン類は、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類等の光学活性テトラヒドロキノリン類、又は1,2−ジヒドロキノリン類等の光学活性ジヒドロキノリン類であり、より好ましくは光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類である。
なお、本発明の製造方法は、全体として上記の好ましい例以外の場合を含むが、本発明に属する上記好ましい例以外の場合は、上記好ましい例と同様にして実施される。
更に、上記記載において、*で示される位置の炭素原子は不斉炭素である(例えば、一般式(9)、(9a−1)、(9b)、(9c)、(10)、(10a)、(10b)、及び(10c)参照)。しかしながら、当然のことであるが、*が付された位置の炭素原子に結合した基のうち2つが同一である場合は、その炭素原子は不斉炭素ではない。例えば、R15で示される基とR16で示される基が同一である場合のR15及びR16が結合している炭素原子は不斉炭素ではない。従って、R12が結合している炭素原子並びにR15とR16とが結合している炭素原子は一般的にいえば不斉炭素である場合もあるし、不斉炭素でない場合もある。本発明は、これらのいずれも包含する。もっとも、R13とR14は同一であることがないので、R13とR14が結合している炭素原子は常に不斉炭素である。よって、本発明によって得られる化合物は、少なくとも1個の不斉炭素原子を有する。
しかしながら、R12については、その定義のうち、水素原子以外の基が好ましい。
以下に実施例及び参考例を示すが、本発明はこれら実施例によりその範囲が限定されるものではない。
以下の実施例及び参考例において、物性等の測定に用いた装置は次の通りである。
核磁気共鳴スペクトル:
(1)DRX500(BRUKER JAPAN CO.LTD.)。H−NMR (500.13MHz)、
(2)Gemini 2000 (Varian) H−NMR(200MHz)
融点:Yanaco MP−500D
高速液体クロマトグラフィー(HPLC): 島津製作所 LC10AT & SPD10A
質量分析(MASS):日立 M−80B
参考例1.下記式で表されるキラルルイス酸の合成
Figure 2006523218
窒素気流下、(R)−ビナフトール50mg(0.17mmol)、1M−トリメトキシボラン−ジクロロメタン溶液0.09mL(0.09mmol)及びジクロロメタン10mLを混合し、モレキュラーシーブ4A 4gを装着した冷却管のもとで3時間還流反応させて、目的とする上記式で表されるキラルルイス酸のジクロロメタン溶液(0.09mmol)を得た。次いで、全量5.0mlまで減圧濃縮し、0.018M(キラルルイス酸)−ジクロロメタン溶液とした。
実施例1. (2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチルの合成
4−トリフルオロメチルアニリン161.3mg(1.0mmol)及びプロピオンアルデヒド58.1mg(1.0mmol)をジクロロメタン5.0mL中で混合し、次いで、室温で3時間撹拌反応させた。次に、得られたN−プロピリデン−4−トリフルオロメチルフェニルアミンのジクロロメタン溶液2.5mL、N−ビニルカルバミン酸メチル111.0mg(1.1mmol)及び参考例1で調製した0.018M−(キラルルイス酸)−ジクロロメタン溶液2.5mL(0.045mmol)を混合し、−30℃で5時間撹拌反応させた。反応終了後、2.5wt%重曹水2.0mLを反応混合物に加え、10分間攪拌した。有機層を3.0mLの水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して目的の表題化合物67.9mgを収率22.5%で得た。
光学純度:91.3%ee。GC−MS:302(M
H−NMR(500MHz,CDCl):1.00(t,3H,J=7.4Hz),1.51−1.62(m,3H),2.19(ddd,1H,J=2.8Hz,5.5Hz,12.2Hz),3.46−3.52(m,1H),3.67(s,3H),4.90−4.95(m,1H),5.62(brs,1H),6.51(brd,1H,J=8.7),6.65(d,1H,J=8.7),7.20(d,1H,J=8.7Hz),7.31(s,1H).
実施例2. (2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチルの合成
(1) (1−ベンゾトリアゾール−1−イルプロピル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの合成
窒素雰囲気下、ベンゾトリアゾール22.16g(186.0mmol)及びトルエン90mLを混合した溶液に、室温で4−トリフルオロメチルアニリン30.0g(186.0mmol)、及びプロピオンアルデヒド11.88g(204.6mmol)を順次加え、室温で18時間撹拌反応させた。反応終了後、反応液にn−ヘプタン100mlを加え、徐々に−10℃まで冷却しながら、3時間攪拌した。析出した結晶をろ過して目的の(1−ベンゾトリアゾ−ル−1−イルプロピル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン54.0gを収率90.6%で得た。
H−NMR(200MHz,CDCl):0.97(t,3H,J=7.4Hz),2.37(m,2H),5.04(brd,1H,J=7.8),6.31(m,1H),6.74(d,2H,J=8.4Hz),7.30−7.46(m,4H),7.69(d,1H,J=8.0Hz),8.09(d,1H,J=8.4Hz)
(2) (2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチルの合成
窒素気流下、参考例1と同様の方法で調製した0.046M−(キラルルイス酸)−ジクロロメタン溶液3.0mL(0.138mmol)に氷冷下でN−ビニルカルバミン酸メチル202.2mg(2.0mmol)及びジクロロメタン5.0mLを加えた。次いで(1)で合成した(1−ベンゾトリアゾール−1−イルプロピル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン320.3mg(1.0mmol)のジクロロメタン溶液5.0mLを氷冷下で滴下し、4時間撹拌反応させた。反応終了後、2.5wt%重曹水2.0mL、酢酸エチル30.0mLを加え、10分間攪拌した。有機層を水3.0mLで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して目的のアミノキノリン202.7mgを収率67.1%で得た。光学純度:97.9%ee。H−NMRは、実施例1と一致した。
参考例2.下記式で表されるキラルルイス酸の合成
Figure 2006523218
窒素気流下、(R)−ビナフトール50mg(0.17mmol)をトルエン(1mL)に懸濁し、チタンテトライソプロポキシド26μL(0.09mmol)を滴下した。溶液は褐色均一溶液となった。室温でそのまま30分撹拌を行って目的とする上記式で表されるキラルルイス酸のトルエン溶液とした。
実施例3. (2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−カルバミン酸メチルの合成
参考例2で得られたキラルルイス酸のトルエン溶液に、ジクロロメタン(1mL)を加えた後、(1−ベンゾトリアゾール−1−イルプロピル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン320.3mg(1.0mmoL)とN−ビニルカルバミン酸メチル111.0mg(1.0mmol)のトルエン(2.2mL)、及びジクロロメタン(2.2mL)の溶液を滴下し、反応混合物を20℃で2時間撹拌させた。反応終了後、2.5wt%重曹水2.0mLを加え、10分間攪拌したのち、有機層を水3.0mLで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して目的のアミノキノリン115mgを収率38%で得た。光学純度:50%ee。H−NMRは実施例1と一致した。
参考例3. 下記式で表されるキラルルイス酸の合成
Figure 2006523218
窒素気流下、(R)−ビナフトール880mg(3.07mmol)、トリメトキシボラン159.7mg(1.53mmol)、及びトルエン26mLの混合物を、45〜50℃で2時間攪拌反応させた。反応混合物を濃縮乾固して得た結晶を、ジクロロメタン10mLに溶解し、目的とする上記式で表されるキラルルイス酸のジクロロメタン溶液(0.15M)を得た。
実施例4. (2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチル及び(3R)−[1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ペンチル]−カルバミン酸メチルの合成
窒素気流下、実施例2の(1)と同様の方法で合成した(1−ベンゾトリアゾール−1−イルプロピル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン3.20g(10.0mmol)、N−ビニルカルバミン酸メチル1.21g(12.0mmol)及びジクロロメタン9.6mLの混合物を−20℃に冷却した。この混合物に参考例3で調製した0.15Mキラルルイス酸のジクロロメタン3.3mL(0.5mmol)溶液を滴下し、同温で2時間攪拌反応させた。(高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、転化率99%、(2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチル及び(3R)−[1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ペンチル]−カルバミン酸メチルの生成比は16.1:83.9であった。)反応終了後、トルエン9.6mLを加え、反応溶液を−30℃に冷却して2時間攪拌した。析出した結晶を吸引ろ取し、表題化合物(混合物)0.89gを収率21.1%で得た。
(3R)−[1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ペンチル]−カルバミン酸メチルのMS及びH−NMR
MS:444(M+Na
H−NMR(500MHz,CDCOCD):0.98(t,3H,J=7.2Hz),1.63−1.74(m,2H),2.40(m,1H),2.88(m,1H),3.49(s,3H),3.74(m,1H),5.02(brd,1H,J=9.4Hz),6.70−6.75(m,1H),6.73(d,2H,J=8.4Hz),7.36(d,2H,J=8.4),7.40(dd,1H,J=8.2Hz,6.0Hz),7.53(dd,1H,J=7.3Hz,6.1Hz),7.84−7.93(m,2H),8.01(d,1H,J=8.3Hz).
参考例4. 下記式で示されるキラルルイス酸の合成
Figure 2006523218
窒素気流下、(R)−ビナフトール880mg(3.07mmol)、トリメトキシボラン159.7mg(1.53mmol)、及びトルエン26mLの混合物を、45〜50℃で2時間攪拌反応させた。反応溶液を全量10mLまで濃縮後、シクロペンチルメチルエーテル6.0mLを加え、上記式で表される0.1Mキラルルイス酸のトルエン−シクロペンチルメチルエーテル溶液を得た。
実施例5. (2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチル(中間体の環化工程を含めた合成)
窒素気流下、実施例2の(1)と同様の方法で合成した(1−ベンゾトリアゾール−1−イルプロピル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン3.20g(10.0mmol)、N−ビニルカルバミン酸メチル1.21g(12.0mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル10.0mLの混合物を−15℃に冷却した。その混合物に参考例4で調製した0.1Mキラルルイス酸のトルエン−シクロペンチルメチルエーテル溶液5.3mL(0.5mmol)を滴下し、2時間攪拌反応させた。(高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、転化率99%、(2R、4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチル及び(3R)−[1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ペンチル]−カルバミン酸メチルの生成比は22.5:77.5で、転化率99%であった。)。28wt%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液2.32g(12.0mmol)を加えた後、反応混合物を徐々に室温に戻しながら3時間攪拌反応させた。水10.0mLを加えて15分攪拌した後、有機層をさらに水10.0mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去して得た濃縮物をトルエン10.0mLに溶解した。p−トルエンスルホン酸・1水和物38.0mg(0.2mmol)を加え、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液10.0mLで洗浄し、次いで水10.0mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去して得た濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して表題化合物2.75gを得た。収率:91.0%。光学純度:93.8%ee。
実施例6 (2R,4S)−(2−エチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−カルバミン酸メチルの合成((3R)−[1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ペンチル]−カルバミン酸メチルの環化反応)
窒素気流下、実施例4で得られた(3R)−[1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)ペンチル]−カルバミン酸メチル421.4mg(1.0mmol)及びp−トルエンスルホン酸1水和物19mg(0.1mmol)のメタノール2.0mLの溶液を50℃で1時間、攪拌反応させた。得られた混合液に酢酸エチル20mL及び0.5%重曹水6.0mLを加え、10分間、攪拌した。有機層を分離し、水10mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、生成物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して表題化合物257mgを収率85.0%で得た。光学純度:99.7%ee.
本発明の方法によって、医薬、農薬等の合成中間体等として有用な光学活性テトラヒドロキノリン類及びジヒドロキノリン類を製造できる。

Claims (13)

  1. 一般式(6)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示す。)で表されるイミン等価体と、一般式(7)
    Figure 2006523218
    (式中、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)
    で表されるアルケン類又は一般式(8)
    Figure 2006523218
    (式中、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示す。)で表されるアルキン類とを不斉触媒の存在下で反応させることを特徴とする一般式(9)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、
    Figure 2006523218
    は上記した環Aで示される基に対応する二価の基であり、R10及びR12〜R16は前記と同じ。)又は一般式(10)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、
    Figure 2006523218
    、R10、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性アミン類の製造方法。
  2. 反応系に反応中間体として一般式(9b)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、環Aで示される基、及びR10〜R16は前記と同じ。)で表される光学活性化合物、又は一般式(10b)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、環Aで示される基、R10、R11、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性化合物が生成することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 一般式(9b)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示し、*は不斉炭素を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表される光学活性化合物、又は一般式(10b)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。)で表される光学活性化合物を環化反応させることを特徴とする一般式(9)
    Figure 2006523218
    (式中、
    Figure 2006523218
    は上記した環Aで示される基に対応する二価の基であり、*は不斉炭素を示し、
    10、R12〜R16は前記と同じ。)又は一般式(10)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、
    Figure 2006523218
    、R10、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性アミン類の製造方法。
  4. 一般式(6a)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示す。)で表されるイミン類と、一般式(7a)
    Figure 2006523218
    (式中、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R23はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示す。また、R23とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表されるアルケン類又は一般式(8)
    Figure 2006523218
    (式中、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示す。)で表されるアルキン類とを不斉触媒の存在下で反応させる一般式(9a−1)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、
    Figure 2006523218
    は上記した環Aで示される基に対応する二価の基であり、R12、R13、R15、R16及びR23は前記と同じ。)又は一般式(10a)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、
    Figure 2006523218
    、R12、R17及びR18は前記と同じ。)で表される光学活性アミン類の製造方法。
  5. 一般式(2)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは脱離基を示し、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示し、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示し、R10は水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるイミン等価体と一般式(3)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1A)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、R、R〜R、R10は前記と同じ。)で表される光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法。
  6. 一般式(2a)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示し、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるイミン類と一般式(3)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、R、R〜Rは前記と同じ。)で表される光学活性キノリン類の製造方法。
  7. 一般式(4)
    Figure 2006523218
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるアミン類、一般式(5)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示す。)で表されるアルデヒド、及びイミン等価体を形成する化合物とを反応させ、得られた一般式(2)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは脱離基を示し、R〜Rは前記と同じ。)で表されるイミン等価体と一般式(3)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、R及びR〜Rは前記と同じ。)で表される光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法。
  8. 一般式(4)
    Figure 2006523218
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、置換炭化水素基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホニル基又は置換シリル基を示す。また、RとR、RとR、RとR或いはRとRとが結合して縮合環を形成してもよい。但し、R又はRの何れか一方は水素原子である。)で表されるアミン類と一般式(5)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基、置換炭化水素基又はCOOR(Rは炭化水素基を示す。)を示す。)で表されるアルデヒドとを反応させ、得られたイミン類と一般式(3)
    Figure 2006523218
    (式中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるN−ビニルカルバメート類とをキラルルイス酸の存在下で反応させる一般式(1)
    Figure 2006523218
    (式中、*は不斉炭素を示し、R、R〜Rは前記と同じ。)で表される光学活性1,2,3,4−テトラヒドロキノリン類の製造方法。
  9. 一般式(9)
    Figure 2006523218
    (式中、
    Figure 2006523218
    は下記する環Aで示される基に対応する二価の基であり、R10は水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示し、*は不斉炭素を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表される光学活性アミン類及び一般式(9b)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R11は脱離基を示し、R10、R12〜R16及び*は前記と同じ。)で表される光学活性化合物の混合物。
  10. 一般式(10)
    Figure 2006523218
    (式中、
    Figure 2006523218
    は下記する環Aで示される基に対応する二価の基であり、R10は水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R12は炭化水素基、置換炭化水素基、COOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。)で表される光学活性アミン類及び一般式(10b)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R11は脱離基を示し、R10、R12、R17、R18及び*は前記と同じ。)で表される光学活性化合物の混合物。
  11. 一般式(9c)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R24は炭化水素基、置換炭化水素基、又はCOOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R13、R15及びR16は夫々独立して水素原子又はアルキル基を示し、R14はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換ヘテロアリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基又はヘテロアリールセレノ基を示し、*は不斉炭素を示す。また、R14とR16とが結合して環を形成してもよい。)で表される光学活性化合物。
  12. 一般式(10c)
    Figure 2006523218
    (式中、環Aで示される基は、アリール基、置換アリール基、芳香族複素環基又は置換芳香族複素環基を示し、R10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アルキルオキシカルボニル基、置換アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又は置換アラルキルオキシカルボニル基を示し、R11は脱離基を示し、R24は炭化水素基、置換炭化水素基、又はCOOR19(R19は炭化水素基又は置換炭化水素基を示す。)、COR20(R20は置換アミノ基を示す。)又は置換アミノ基を示し、R17はアリール基、置換アリール基、脂肪族複素環基、置換脂肪族複素環基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、置換アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換アラルキルオキシ基、置換アミノ基又は置換シリル基を示し、R18は水素原子又はアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。)で表される光学活性化合物。
  13. 一般式(9c)で表される光学活性化合物が、下式
    Figure 2006523218
    (式中、R及び*は、前記と同じ。)で表される光学活性化合物であることを特徴とする請求項11に記載の一般式(9C)で表される光学活性化合物。

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