JP2006517717A - 導電性ポリマーフィルム - Google Patents

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Abstract

自立性導電性ポリマーフィルムであって、その中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布している、自立性導電性ポリマーフィルム。この導電性ポリマーフィルムは、熱可塑性ポリマーの液体分散物から形成されるものであって、好ましくは、約10オーム/スクエア〜約1010オーム/スクエアの表面抵抗率を有し、そして好ましくは、該分散物の中に導電性ポリマー組成が分布している。好ましい実施形態において、ヒートシール可能なフルオロポリマーフィルムが調製される。

Description

本発明は、導電性自立性ポリマーフィルムおよびそれらの調製方法に関する。
エレクトロニクス産業において、ICP(本質的に導電性であるポリマー)としても既知である導電性有機ポリマーが、金属および無機半導体にますます代わりつつある。ナサ(NASA)のケネディー宇宙センター(Kennedy Space Center)によって新規導電性ポリマー系が開発されて、そしてこれはビスワナサン(Viswanathan)への米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に記載されている。このポリマーは、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基の導電性組成である。この新規系では、水溶性が増加し、加工性が増加し、そして高架橋性である。特に興味深いものは、リグノスルホン酸ドープポリアニリンである。リグノスルフェートは、製紙産業の副産物であり、そして環境的に安全であり、かつ安価である。リグノスルホン酸は、共役π系、ポリアニリンの溶解性を改善する。
ビスワナサン(Viswanathan)は、これらのポリマー系を、繊維および織物に適用される帯電防止コーティング用に開発した。この帯電防止コーティングは、可燃性雰囲気における発火および点火を防止するためにクリーンルームにおいて着用される衣服に有用である。
リグノスルホン酸ドープポリアニリンのもう1つの用途は、腐食制御に関する。リグノ−パニ(Ligno−PANI)(商標)の商標名で、ジオテック ケミカル カンパニー(GeoTech Chemical Company)(オハイオ州、アコン(Akon,OH))は、本質的に導電性であるポリマーのコーティング添加剤を開発している。金属粒子とともに、リグノ−パニ(Ligno−PANI)(商標)は、商標名キャティズ(CATIZE)(商標)でジオテック(GeoTech)が市販するコーティング系の一部である。キャティズ(CATIZE)(商標)系は、さびの成長を遅れさせることによって、鋼橋のような建築構造物における腐食を抑制するために利用される。
自立性フィルムにおけるICPに関して、多くの潜在的用途がある。プラスチックマトリックス中に均一に分散可能である場合、そして電気的散逸性(electrodissipative)包装の分野、半導体チップの精密製造において使用される加工面を保護するラミネート構造、またはクリーンルームおよび同様の環境の壁紙における潜在的用途のためのフィルムまたはシートへと加工可能である場合、ICPは顕著な価値を有するであろう。
特に興味深いものは、フルオロポリマーフィルム中へのICPの組み入れである。フルオロポリマーは、それらの相対的に高い費用にもかかわらず、電気的応用において幅広く使用されている。それらの有利点の中でも、それらの化学的攻撃、特に酸化に対する抵抗、それらの高い融点、およびそれらの非常に広範囲の温度におよぶ有用な特性の保持が挙げられる。静電気放電の応用のための炭素充填フルオロポリマー組成は既知であり、そしてそれらの相対的な不活性および溶媒抵抗のため、化学的に活性な環境に遭遇する場合、他の導電性ポリマー系より好ましい。これらの組成において使用される炭素の形態に関して、カーボンブラックが典型的である。
しかしながら、導電性を達成するために、カーボンブラックが添加された場合、フルオロポリマーの自立性フィルムの製造において困難がある。1つの困難は、カーボンブラックがフルオロポリマーに添加された時に生じるブレンドの有効溶融粘度における相対的に大きくかつ迅速な上昇である。この大きくかつ迅速な粘度上昇は、より困難で、かつ時間消費する加工をもたらす。加えて、フィルム製造間にストリーキングまたはスキッピングが生じる可能性があり、バッチ間の均一性を提供することが困難である。より低レベルのカーボンブラックにおいては、有効溶融粘度における影響は少ないが、導電性は完全に損失し得るか、または所望よりも低い範囲内となり得る。
米国特許第5,968,417号明細書 米国特許第6,059,999号明細書 米国特許第6,242,547号明細書 米国特許第6,403,740号明細書 米国特許第3,524,906号明細書 米国特許第4,931,324号明細書 米国特許第5,707,697号明細書 米国特許第2,419,008号明細書 米国特許第2,510,783号明細書 米国特許第2,599,300号明細書 米国特許第3,139,470号明細書 米国特許第2,953,818号明細書 米国特許第6,403,740 B1号明細書
適切レベルの導電性を提供し、一定の均一性を有して容易に製造可能である自立性導電性ポリマーフィルムが非常に望まれている。
本発明は、自立性導電性ポリマーフィルムであって、その中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布している自立性導電性ポリマーフィルムを提供する。好ましい実施形態において、自立性フィルムは、少なくとも21MPaの最小引張強さおよび少なくとも6%の破断点伸び(elongation−to−break)を有する。本発明の特に好ましい実施形態において、導電性ポリマーフィルムは、約1010オーム/スクエア未満、好ましくは約10オーム/スクエア〜約1010オーム/スクエアの範囲の表面抵抗率を有する。自立性導電性ポリマーフィルムは、熱可塑性ポリマーの液体分散物から形成されるものであって、該分散物の中に好ましくは、導電性ポリマー組成が分布している。より好ましくは、ポリマーフィルムは、225℃未満の加工温度で液体分散物から製造される。
本発明のさらなる実施形態に従って、自立性導電性ポリマーフィルムは、フルオロポリマーと、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成との凝集可能な液体分散物を調製する工程と、液体分散物を支持体上に流延して、支持体上に導電性ポリマーフィルムを形成する工程と、支持体と接触している間に、導電性ポリマーフィルムを乾燥および凝集する工程と、によって製造される。好ましい実施形態において、乾燥フィルムを支持体から取り外す。あるいは、溶媒補助押出または溶融押出によって、自立性フィルムを製造することができる。自立性フィルムの加工に関する全ての加工温度は、好ましくは225℃未満である。
本発明のフィルムからヒートシール可能なフィルムを調製することができる。
(ポリマーフィルム)
本発明は、導電性ポリマーを含有する自立性ポリマーフィルムに関する。自立性とは、ポリマーフィルムまたはシートが、自己完全性(self integrity)を有し、支持体を使用せずに形成されるか、または支持体から自立性フィルムとして取り外すことができることを意味する。本発明によるフィルムは、好ましくは、21MPaの最小引張強さおよび少なくとも6%の破断点伸びを有する(ASTM D638に従う)。自立性フィルムは、通常、約0.25ミル(6.4μm)〜約15ミル(381μm)の間の厚さを有し、そして乾燥状態において自立性ではないコーティングとは区別される。本発明によるフィルムは自立性であるが、それらはしばしば他のポリマー材料と関連して使用されるか、またはラミネート構造の形態で金属、木材、ガラスおよびプラスチックのような基材材料に適用される。
本発明は、広範囲の熱可塑性および熱硬化性有機ポリマーに適用可能である。熱可塑性ポリマーの例としては、ビニル、ポリオレフィン、アクリルおよびフルオロポリマーが挙げられる。熱硬化性ポリマーの例としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエーテル、架橋ビニルおよびアクリル樹脂が挙げられる。
本発明での使用のために好ましいポリマーは、約225℃未満の加工温度で自立性フィルムへと加工可能である。約225℃未満の加工温度で自立性フィルムへと加工可能とは、本発明のポリマーの自立性フィルムを製造するために使用される全加工工程が約225℃未満の温度で実行されることを意味する。かかる加工工程としては、溶融、分散、流延、押出、乾燥、架橋および自立性フィルムを形成するための他の周知の加工工程が挙げられる。例えば、リグノスルホン酸ドープポリアニリンを含有する好ましい系において、225℃より高い温度が使用される場合、導電性ポリマーの導電性が低下する可能性がある。
本発明において好ましいものは、中でも、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、モノクロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロブチルエチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルのポリマーおよびコポリマーのような広範囲のフルオロポリマーであり、そしてそれらのブレンドおよびフルオロポリマーと非フルオロポリマーとのブレンドが含まれる。本発明の実施に関して、225℃未満の温度で加工可能であるフルオロポリマーがより好ましい。
本発明において特に好ましいものは、フッ化ビニル(VF)のポリマーおよびコポリマー、フッ化ビニリデン(VF2)のポリマーおよびコポリマー、およびこれらのブレンド、フッ化ビニリデンの、非フルオロポリマー、例えば、アクリルポリマーとののポリマーおよびコポリマーである。例えば、フルオロポリマーは、ポリフッ化ビニリデンホモポリマー(PVDF)またはポリフッ化ビニルホモポリマー(PVF)、あるいはフッ化ビニルまたはフッ化ビニリデンと、フルオロオレフィン、フッ素化ビニルエーテルまたはフッ素化ジオキソールを含むフッ素化コモノマーとのコポリマーであってよい。有用なフッ素化コモノマーの例としては、多くの中でも、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、ペルフルオロブチルエチレン、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、ペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)およびペルフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)が挙げられる。コポリマーとは、VFまたはVF2と、いずれかの数の追加的フッ素化モノマー単位とのインターポリマーを意味し、ジポリマー、ターポリマーおよびテトラポリマーを含む。VFコポリマーは本発明の好ましい実施形態であり、その調製については、アスコールド(Uschold)への米国特許公報(特許文献3)および米国特許公報(特許文献4)に教示されている。
より好ましくは、本発明は、フルオロポリマーの自立性導電性フィルムによって利用される。フルオロポリマーの(1)溶液であるか、または(2)分散物である液体組成からフルオロポリマーフィルムを製造することができる。流延または押出加工によって、かかるフルオロポリマーの溶液または分散物からフィルムを形成する。好ましくは、利用されるフルオロポリマーは225℃未満の温度で加工可能である。本発明の実施において、配向および非配向フルオロポリマーフィルムの両方を使用することができる。
ポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデンのコポリマーのための典型的な溶液または分散物は、フィルム形成/乾燥加工の間のバブリング形成を回避するために十分高い沸点を有する溶媒を使用して調製される。これらの溶液または分散物におけるポリマー濃度は、溶液の加工可能な粘度を達成するように調節され、そして一般的に、溶液の約25重量%未満である。適切なフルオロポリマーフィルムを、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献6)および米国特許公報(特許文献7)に記載されるように主要成分として、ポリフッ化ビニリデン、またはそれらのコポリマーおよびターポリマー、ならびにアクリル樹脂のブレンドから形成する。本発明による導電性フィルムは、ポリマー溶液または分散物、特にフルオロポリマー溶液または分散物を流延することによって製造されるものであって、該溶液または分散物中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布している。
ポリマーフィルムの流延加工において、スプレー、ロール、ナイフ、カーテン、グラビアコーター、またはストリークもしくは他の欠陥を生じることなく実質的に均一なフィルムの適用を可能にするいずれかの他の方法のような、いずれかの適切な従来の手段を使用することによって、分散物を基材上に流延することによって、ポリマー、好ましくはフルオロポリマーを、その所望の形状へと形成する。得られるフィルムが、自立性であるように、および分散物が流延される支持体から満足に取り外されるように十分な厚さを有する限り、流延分散物の厚さは重大ではない。一般的に、少なくとも約0.25ミル(6.4μm)の厚さが満足のいくものであり、そして本発明の分散物流延技術を使用することによって、約15ミル(381μm)までの厚さを製造することができる。本発明によるフィルムを流延するために、特定のポリマーおよび凝集条件に依存して、多種多様の支持体を使用することができる。分散物が流延される表面は、凝集後、最終フィルムの容易な除去がもたらされるように選択されるべきである。フルオロポリマー分散物を流延するために、いずれの適切な支持体を使用することもできるが、適切な支持体の例としては、ポリマーフィルムまたは鋼ベルトが挙げられる。
基材上にポリマー分散物を流延した後、ポリマーを乾燥および凝集させて、支持体と接触している、凝集されたフィルムを形成する。ポリマー系に依存して、乾燥および凝集を同時または別々に実行することができる。ポリマーを乾燥/凝集するために使用される条件は、他の操作条件の中でも、使用されるポリマー、流延分散物の厚さによって変更される。典型的に、PVF分散物を利用する場合、熱を適用して、ポリマーを同時に乾燥および凝集させる。フィルムを凝集させるために、約340°F(171℃)〜約480°F(249℃)のオーブン温度を使用することができ、そして約380°F(193℃)〜約450°F(232℃)の温度が特に満足のいくものであることが見出されている。オーブン温度は、もちろん、より低温の処理されるポリマーの温度の代表ではない。好ましくは、フィルム加工において使用される全ての加工温度は、導電性ポリマーの導電性を低下させないために、225℃未満である。凝集後、いずれかの従来技術を使用して、最終フィルムを支持体から剥がす。
ポリフッ化ビニル(PVF)のフィルムを使用する、本発明の特に好ましい形態において、フルオロポリマーの分散物から適切なフィルムを調製することができる。かかる分散物の性質および調製については、米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献9)および米国特許公報(特許文献10)に詳細に記載されている。例えば、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、スルホランおよびジメチルアセトアミドにおいて、適切なPVF分散物を形成することができる。分散物におけるPVF濃度は、使用される特定のポリマー、加工装置および条件によって変更される。一般的に、分散物の約30重量%〜約45重量%のフルオロポリマーが含まれる。
米国特許公報(特許文献11)および米国特許公報(特許文献12)に記載されるもののような溶媒補助押出手順によって、ポリフッ化ビニルのフィルムを形成してもよい。これらの特許における教示と同様に、ポリマーであって、その中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布しているポリマー、好ましくはフルオロポリマー、より好ましくはポリフッ化ビニルの液体分散物を、溝付き流延ホッパーに連結する加熱された押出機に供給することができる。ポリマーの強靭な凝集押出物を、潜在性溶媒を含有するフィルムの形態で連続的に押出する。フィルムを単に乾燥させるか、あるいは加熱し、そして溶媒をフィルムから揮発させながら、1つまたは複数の方向で延伸することができる。延伸を使用する場合、配向フィルムが製造される。好ましくは、フィルム加工において使用される全ての加工温度は、導電性ポリマーの導電性を低下させないために、225℃未満である。
もう1つの実施形態において、ポリマー、好ましくはフルオロポリマーを溶融し、そして本発明のために使用される導電性ポリマー組成を溶融物に添加する。次いで、溶融物を押出し、そして冷却させ、本発明の自立性導電性ポリマーフィルムを形成する。好ましい実施形態において、導電性ポリマーの導電性を低下させないために、ポリマーは225℃未満の溶融温度を有する。
好ましい実施形態において、本発明において使用される導電性ポリマー組成を含有するフルオロポリマーフィルムは、接着性が増強されるように表面処理される。気体状ルイス酸、硫酸または熱水酸化ナトリウムにフィルムを暴露することによって、表面処理を達成することができる。好ましくは、反対面を冷却しながら、片面または両面を裸火に暴露することによって、表面を処理することができる。都合のよい火炎処理の方法において、フィルム表面から数インチの炎によってフィルムを横切って通過するプロパントーチ炎が利用される。当該分野において既知の技術および接着剤を使用して、多種多様な支持体上に本発明によるフィルムを接着することができる。いくつかの例としては、金属支持体、特に、鉄、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼;ガラス、磁器または陶磁器;織物布、紙、ボール紙、木材、合板、セメントボードまたはプラスチックが挙げられる。ポリマー支持体は、熱可塑性または熱硬化性材料のいずれであってもよい。本発明のフィルムは、多くの支持体にヒートシール可能であり、またそれ自体にヒートシール可能である。このヒートシール性能によって、包装材料のためのこれらのフィルムの使用がもたらされる。
(導電性ポリマー)
本発明において使用される導電性ポリマーは、ビスワナサン(Viswanathan)への米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に十分に教示されているように、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む。これらの特許参考文献によって説明されるように、線状共役π電子系において、電子は、部分的に酸化または還元された分子鎖に沿って迅速に移動する。1つの線状共役π系の共役領域がもう1つの線状共役π系の共役領域に隣接し、そして電場が適用される場合、電子が最初の線状共役π系から隣接する線状共役π系へと流動できるように、好ましくは、個々の線状共役π系の共役領域は延在する。
線状共役π電子系の例としては、置換および未置換芳香族環および芳香族複素環を含むポリマーが挙げられる。好ましくは、環は、連続的な共役πネットワークに連結している。具体的な線状共役π電子系は、イオン対の陽性部を形成し得る共役基本原子を組み入れているモノマー単位を構成する1つまたは複数の共役領域を含む。好ましい基本原子は窒素である。他の基本原子はイオウである。本発明の好ましい線状共役π電子系は、アニリン、チオフェン、ピロールまたはフェニルメルカプタンの繰り返しモノマー単位を含み、前記アニリン、チオフェン、ピロールまたはフェニルメルカプタンの繰り返しモノマー単位は、それぞれ1〜10個の炭素原子、または好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する1つまたは複数の直鎖または分枝鎖アルキル、アルコキシもしくはアルコキシアルキル基によって任意選択的に環置換されている。本発明の線状共役π系は、3〜100個のモノマー単位を含んでよい。系は、好ましくは酸化型重合によって調製される。特に好ましくは、ポリアニリンの線状共役π電子系である。
線状共役π電子系に加えて、本発明において利用される導電性ポリマーは、スルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を有する。スルホン化リグニン(すなわち、リグノスルホネート)は、紙および木材パルプ産業の亜硫酸法において廃液として製造される。スルホン化ポリフラボノイド(例えば、スルホン化縮合タンニン)およびスルホン化リグニンは、それらを本発明の組成の調製に特に適切なものにさせるスルホン化ポリアリール環の共通の構造的特徴を含有する。イオン結合または共有結合によって、ならびに静電的相互作用(例えば、水素結合)によって、両スルホン化化合物の残基を線状共役π電子系に結合することができる。「の残基」という用語は、スルホン化ポリアリール化合物が、1つまたは複数の部位において、1つまたは複数の線状共役π電子系に結合(イオン結合、共有結合または静電的結合)しているスルホン化ポリアリール化合物の基および/またはイオンを含むことを意味する。スルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドにグラフト(すなわち、共有結合)された共役π電子系を含む、問題の組成を調製することができる。
本発明において使用される導電性ポリマーの調製については、ビスワナサン(Viswanathan)への米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に広範囲に教示されている。
本発明の導電性ポリマーに関して、特に興味深く、かつ特に好ましいものは、リグノスルホン酸ドープポリアニリンであり、その調製については、米国特許公報(特許文献1)の実施例3に教示されている。またリグノスルホン酸ドープポリアニリンは、リグノ−パニ(Ligno−PANI)(商標)の商標名で、ジオテック ケミカル カンパニー(GeoTech Chemical Company)(オハイオ州、アコン(Akon,OH))から入手可能である。
本発明の自立性導電性フィルムは、約10重量%〜約40重量%、好ましくは、約10重量%〜約35重量%、そしてより好ましくは、約15重量%〜約25重量%(乾燥基準)の、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基の導電性ポリマー組成を含有する。
本発明において使用される導電性ポリマーは、好ましくは、フィルムにおいてポリマーのバルク中に分散されており、フィルムの両側で一定の抵抗率を有する自立性フィルムが得られる。
本発明の自立性導電性フィルムは、約1010オーム/スクエア未満、好ましくは約10オーム/スクエア〜約1010オーム/スクエアの範囲の表面抵抗率を有する。以下に記載の方法によって、表面抵抗率を決定する。
意外なことに、本発明において使用される導電性ポリマーは、大きな粘度増加がなく、フルオロポリマー組成、特にポリフッ化ビニルにおいて均一に分散され得る。フルオロポリマー組成への本発明の導電性ポリマーの導入によって、容易な加工、および導電性におけるバッチ間の均一性を達成するために添加される導電性材料の量の調節能力が可能となる。
カーボンブラックのような従来技術の導電性材料よりも有効に、本発明のために使用される導電性ポリマーをフルオロポリマーに添加することによって、粘度を制御することができる。ストリーキングまたはスキッピングのない均一な厚さの導電性フルオロポリマーフィルムが製造される。実施例によって示されるように、フルオロポリマーフィルムにおける導電性ポリマーの均一分散のため、フィルムの両側において所望の一定の表面抵抗率を有するフィルムを製造することができる。さらに、相対湿度の変化によって、フィルム導電性が変化することもない。
さらに、以下の実施例において示されるように、フィルムの導電性増加は、液体分散剤および粉砕時間に依存するように見える。例えばリグノスルホン酸ドープポリアニリンのような導電性ポリマーに対する、より長い粉砕時間は、より高いフィルム導電性をもたらす。対照的に、フルオロポリマーフィルムにおいて典型的に使用される添加剤であるカーボンブラックの場合、粉砕時間が長すぎると、導電性が損失し、逆に粉砕時間が短すぎると、十分な導電性を示さない。
さらにもう1つの実施形態において、導電性ポリマー組成は金属粒子をさらに含有する。金属粒子を有する組成は、フィルムのポリマーに添加された場合、鋼および鉄のような建築金属構造物における腐食を抑制することができる導電性フィルムの形成を可能にする。フィルムは、バリヤーとアクティブな保護との両方を提供する。鋼または鉄よりも貴金属ではない金属粒子は、鋼または鉄基材よりも活性なアノードとして機能する。金属粒子は電子を提供し、そしてICPは電子が流動するための導電性を提供する。これは、電気化学的さび機構を有効に短絡し、そして金属への損害を引き起こすよりも、フィルム保護を犠牲にする。好ましい実施形態において、金属粒子はアルミニウムである。かかるフィルムは、これらの建築構造物の下塗り層を提供し得、次いで、この下塗りは、層上での追加的な耐候性および/または装飾性を有し得る。
(使用)
本発明による自立性導電性フィルムに関して、多くの用途がある。エレクトロニクス産業において、プラスチック支持体にラミネート化された導電性フィルムを作業台として使用することができる。本発明の導電性フィルムは、ヒートシールされた場合、包装として、好ましくはバッグの形態で、電気的充填を成形する危険がなくエレクトロニクス部品を輸送するために使用することが可能である。自立性導電性フルオロポリマーフィルムは、精密機器の製造のためのクリーンルームにおけるような化学的抵抗および電気的散逸(electrodissipation)の両方を必要とするそれらの適用に、大きな利点を提供する。本発明による自立性フィルムは、クリーンルーム環境における壁カバーとして特に有用である。本発明によるフィルムを、ラジオ、レーダーおよびテレビキャビネット、コンピューター等の電磁干渉遮蔽として使用することができる。上記の通り、フィルムが犠牲金属粒子を追加的に含有する場合、フィルムは、建築金属構造物のためのバリヤーとアクティブな保護との両方を提供し得る。
(試験法)
表面抵抗率−流延フィルムを支持体から剥がし、そしてモデル SRM110メーター(アリゾナ州、チャンドラー ハイツのブリッジ テクノロジーズ(Bridge Technologies,Chandler Heights AZ)から入手可能)を使用して導電性に関して試験する。
引張強さおよび破断点伸び−流延フィルムを支持体から剥がし、そしてASTM D638に記載の標準試験手順を受けさせる。
結合強度−チャティロン(Chatillon)TCD200テスター(ペンシルバニア州、パオリのアメテック(Ametek,Paoli PA)から入手可能)上でラミネートに試験を受けさせることにより、ラミネートフィルム構造の結合強度を決定する。0.025インチ(6.4mm)の厚さを有するアルミニウム基材(オハイオ州、クリーブランドのQ パネル(Q panel Cleveland OH)からAL612として入手可能)への導電性フィルムのラミネートを製造することによって、結合強度を決定する。約0.002インチ(0.05mm)の厚さのドライ68040(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington DE)の本願特許出願人から入手可能)の接着剤を使用して、導電性フィルムを基材へと接着させる。ラミネートを154℃で10秒間、ヒートシーラーに置き、約3インチ(7.6cm)のフィルムが基材に接着せず、そして1インチ(2.5cm)が接着する。非接着フィルムをチャティロン(Chatillon)プラーのジョーに置き、そしてアルミニウム基材を静止ジョーに置く。フィルムを基材に対して180度で引張り、そしてフィルム破壊またはデラミネーションの前の最大力を記録する。デラミネーションの種類(接着剤からのフィルム破壊またはフィルムデラミネーション)を記録する。
本発明によるフィルムおよびコーティング材料を製造し、そして試験する。特記されない限り、全ての部およびパーセントは重量基準による。
(実施例1)
本実施例は、流延導電性ポリフッ化ビニル(PVF)フィルムの形成を説明する。
15分間、ペイントシェーカー(ミネソタ州、ブルックリン パークのレッド デビル イクイップメント カンパニー(Red Devil Equipment Co,Brooklyn Park,MN)から入手可能)中で、1mmガラス媒体(ニュージャージー州、クリフトンのグレン ミルス インコーポレイテッド(Glen Mills Inc,Clifton NJ)から入手可能)によって、リグノ−パニ(Ligno−PANI)(商標)(オハイオ州、ストリートボロのシーガット(Seegott,Streetsboro,OH)により配布される)として販売されるリグノスルホン酸ドープポリアニリン18部と、炭酸プロピレン70部と、PVF微粒子樹脂(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington DE)のデュポン フルオロプロダクツ(DuPont Fluoroproducts)からPV−116として入手可能)12部とを粉砕することによって、導電性ポリマーの分散物を調製する。
モデルLMJ2ミル(ペンシルバニア州、エクストン(Exton,PA)のネッツシュ インコーポレイテッド(Netzsch Inc)から入手可能)を使用して、1mmガラス媒体において、40部のPVFと、60部の炭酸プロピレンとを粉砕することによって、炭酸プロピレン中ポリフッ化ビニルの均質分散物を調製する。
導電性ポリマー分散物100部を、媒体粉砕されたPVF/炭酸プロピレン分散物158部に添加し、分散物の混合物を形成する。5ミル(125μm)のドクターブレードを使用して、フィルムを流延することによって、デュポン テイジン フィルムス(DuPont Teijin Films)からメリネックス(Melinex)337として入手可能なマットポリエステルフィルム支持体上に分散物混合物を流延する。5分間、オーブン中で180℃で焼成することによって、流延フィルムを乾燥させる。焼成時間の最初の2分間、分散物が被覆される。焼成時間の最後の3分間、湿潤フィルムは被覆されない。フィルムを支持体から剥がし、そしてモデル SRM110メーター(アリゾナ州、チャンドラー ハイツのブリッジ テクノロジーズ(Bridge Technologies,Chandler Heights AZ)から入手可能)を使用して導電性に関して試験する。フィルムは約1ミル(25.4μm)の厚さであり、そして連続的に孔を有さない。破壊時の引張強さは、いずれかの方向において平方インチあたり6000ポンド(41MPa)であり、破壊時の伸び率は8%である。表面抵抗率は、10オーム/スクエアである。
(実施例2)
本実施例は、流延導電性ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムの形成を説明する。
ペイントシェーカー中で、PVDF(ペンシルバニア州、フィラデルフィアのアトフィナ(Atofina,Philadephia,PA)からカイナー(Kynar)301として入手可能)33部と、炭酸プロピレン67部と、ポリアニリン7部とを粉砕することによって、PVDFとリグノスルホン酸ドープポリアニリンとの分散物を調製する。分散物からガラス媒体を分離し、そして分散物をポリエステルウェブ上に流延し、そして実施例1に記載のものと同一条件下で5分間焼成する。乾燥フィルムをウェブ支持体から剥がし、そして表面導電性に関して測定する。フィルムは約1ミル(25.4μm)の厚さである。表面抵抗率は、10オーム/スクエアである。
(実施例3)
本実施例は、流延フッ化ビニルジポリマーフィルムの形成を説明する。
以下の手順を使用して、米国特許公報(特許文献13)(アスコールド(Uschold))に記載の技術に従って、フッ化ビニルとテトラフルオロエチレンとのフッ化ビニルジポリマー(VF/TFE〜40/60モル%)を調製する。
重合容器として、容量7.6L(2U.S.ガル)の撹拌ジャケット付きステンレス鋼水平オートクレーブを使用する。オートクレーブに、温度および圧力を測定するための器具類、ならびに所望の圧力でオートクレーブにモノマー混合物を供給することができる圧縮機を装備する。界面活性剤として50mLのフルオラド(Fluorad)(登録商標)FC118、20%ペルフルオロオクタン酸アンモニウム水溶液(ミネソタ州、セントポールの3M コーポレイション(3M Corp.,St.Paul,MN))を含有する脱イオン水を、オートクレーブにその体積の55%〜60%まで充填する。次いで、窒素により2.1MPa(300psi)まで圧力をかけ、そして3回排気する。次いで、水を90℃まで加熱し、そして所望の比率のモノマーを使用して、オートクレーブ圧力を2.1MPaにさせた。1Lの脱イオン水中に2gのAPSを溶解して、開始剤溶液を調製する。最初の5分間、25mL/分の速度で反応器に開始剤溶液を供給し、次いで供給速度を低下させ、そして実験期間中は1mL/分に維持する。オートクレーブを半バッチ様式で操作し、ここでは重合が生じて一定圧力を維持している時に、所望のモノマー混合物を反応器に添加する。これを実行するために、圧縮機の高圧側から低圧側へのループを通して、モノマー供給を再循環させる。この再循環モノマー流のいくらかは、自動圧力規制バルブによってオートクレーブに収容される。再循環ループの低圧側における再循環流の残部に、所望の比率で新しいモノマー供給が添加され、反応器に送られる材料を埋め合わせる。最終的なラテックス固体が得られるように事前に決められた量がオートクレーブに供給されるまで、モノマー供給は続けられる。重合を完了するために、約2時間が必要とされる。次いで、供給を停止し、そしてオートクレーブの内容物を冷却し、排気する。乳白色均質混合物として、ポリマーラテックスは受け器に容易に放出される。ラテックスのpHを10%NaOHによって約5.0まで調整し、そしてラテックス1リットルあたり水に溶解された4.0gのMgSO7HOを添加することによって、ポリマーを吸引濾過で単離する。濾過ケーキを水で洗浄し、そしてエアオーブン中、90℃〜100℃で乾燥させる。反応器圧力は2.1MPaであり、反応器温度は90℃であり、総モノマー供給量は1381.0gであり、ポリマー中TFE量は43.3モル%であり、そして固体は23.3重量%である。
実施例2に記載されたものと同一の調製方法を使用して、上記の通り調製されたフッ化ビニル/テトラフルオロエチレン(60/40)コポリマー100部と、炭酸プロピレン300部と、リグノスルホン酸ドープポリアニリン25部との分散物を調製し、ポリエステル支持体上に流延し、焼成し、そして剥がして、流延フィルムを形成する。このフィルムは厚さ約1ミル(25.4μm)である。表面抵抗率は、10オーム/スクエアである。
(実施例4)
本実施例は、流延フッ化ビニルターポリマーフィルムの形成を説明する。
容量11.4L(3U.S.ガル)の撹拌ジャケット付きステンレス鋼水平オートクレーブにおいて、フッ化ビニル(VF)と、テトラフルオロエチレン(TFE)と、ペルフルオロブチルエチレン(PFBE)とのフッ化ビニルターポリマー[TFE/VF/PFBE〜60/40/8モル%]を調製する。オートクレーブに、温度および圧力を測定するための器具類、ならびに所望の圧力でオートクレーブにモノマー混合物を供給することができる圧縮機を装備する。45mLのフルオラド(Fluorad)(登録商標)FC−118界面活性剤[ミネソタ州、セントポールの3M カンパニー(3M Co.,St.Paul,MN)]を含有する6.2Lの脱イオン水を、オートクレーブにその体積の55%まで充填し、そして90℃まで加熱する。次いで、窒素により2.1MPa(300psig)まで圧力をかけ、そして3回排気する。TFE/VF/PFBEに対して、それぞれ60.5/33.0/6.5の重量比のモノマーでオートクレーブを事前に充填し、そして2.1MPa(300psig)の作用圧力にさせた。1Lの脱イオン水中に2gのAPSを溶解して、開始剤溶液を調製する。脱イオン水中に15g/LのAPSを溶解することによって開始剤溶液を調製し、次いで、これを最初の5分間、25mL/分の速度で反応器に供給する。次いで速度を低下させ、そして実験期間中は1mL/分に維持する。オートクレーブを半バッチ様式で操作し、ここではモノマー混合物を反応器に添加して、重合開始時の一定圧力を維持する。この構成供給物の組成は、TFE/VF/PFBEに対して、それぞれ57.4/35.2/7.4の重量比であり、そしてモノマー反応性の差異のため、事前に充填された混合物とは異なる。反応器において一定モノマー組成が維持されるように組成を選択するため、組成が均一である生成物が形成される。TFEおよびVFからなる構成モノマー供給物を、圧縮機の高圧側から低圧側へのループを通して再循環させる。このループからのモノマーの側流は、反応器圧力を維持するための自動圧力規制バルブによってオートクレーブに収容される。気体状モノマーが反応器に供給された場合、自動制御ポンプによって液体としてPFBEが供給される。ループの低圧側における再循環流に、所望の比率で新しいTFEおよびVFが同時に添加され、反応器に送られる材料を埋め合わせる。最終的なラテックス固体が得られるように事前に決められた量がオートクレーブに供給されるまで、モノマー供給は続けられた。重合を完了するために、約2〜3時間が必要とされる。次いで、供給を停止し、そしてオートクレーブの内容物を冷却し、そして過剰量のモノマーを排気した。21.6重量%の固体を含有する乳白色均質混合物として、ポリマーラテックスは受け器に容易に放出される。ラテックス1リットルあたり水に溶解された15gの炭酸アンモニウム、続いてラテックス1リットルあたり70mLのHFC−4310(1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン)を迅速に撹拌しながら添加することによって、ポリマー分散物を凝固させる。生成物の粒状スラリーが形成され、これを濾過装置上で回収した。濾過ケーキを水で洗浄し、そしてエアオーブン中、90℃〜100℃で乾燥させる。F−nmrによる生成物の分析によって、これが、42.5モル%のTFE、55.4モル%のVFおよび2.1モル%のPFBEであることが示された。DSCによる融点は177℃であり、そして毛細管レオメトリーによる、150℃および100/秒剪断速度における40重量%ポリマー/60重量%DMAC混合物の粘度は、173Pa秒である。
実施例2に記載されたものと同一の調製方法を使用して、上記の通り調製されたTFE/VF/PFBE(60/40/8)ターポリマー100部と、炭酸プロピレン300部と、リグノスルホン酸ドープポリアニリン25部との分散物を調製し、ポリエステル支持体上に流延し、焼成し、そして剥がして、流延フィルムを形成する。このフィルムは厚さ約1ミル(25.4μm)である。表面抵抗率は、10オーム/スクエアである。
(実施例5)
本実施例は、導電性PVFフィルムを組み入れているラミネート構造の調製を説明する。それによって、火炎処理された導電性PVFフィルムを他の基材に接着可能であり、そしてそれ自体にヒートシール可能でもあることが示される。
実施例1に記載の方法を使用して、実施例1のリグノ パニ(Ligno Pani)分散物100グラムと、PVF炭酸プロピレン分散物52.6グラムとを混合し、その後、流延し、乾燥させ、そして支持体から剥がすことによって、リグノスルホン酸ドープポリアニリンを含有するPVFの導電性フィルムを調製する。プロパントーチ炎(ニューヨーク州、メディナのメルンゾマティック(Bernzomatic,Medina NY)から入手可能であるベルンゾマティック プロパントーチ(Bernzomatic Propane torch))を使用し、そしてフィルム表面から約3インチの炎によってフィルムを横切って通過させて、流延フィルムを火炎処理する。デュポン フルオロプロダクツ(DuPont Fluoroproducts)から入手可能なアクリル系接着剤、68040の厚さ約0.002インチ(0.05mm)の層を、オハイオ州、クリーブランド(Cleveland,Ohio)に位置するQ パネル(Q Panel)からAL612として入手可能な厚さ0.25インチ(6.5mm)を有するアルミニウム基材上にコーティングする。流延導電性PVFフィルムの処理側を、コーティングされたアルミニウムの接着剤上に適用し、そしてヒートシーラー(ウィスコンシン州、フランクスビルのパック ライト マシンズ(Pack Rite Machines,Franksville,WI))を使用して170℃で10秒間、25psiでシールする。試料をチャティロン(Chatillon)TCD200テスター(ペンシルバニア州、パオリのアメテック(Ametek,Paoli PA)から入手可能)上に付着させる。基材からフィルムを引張ろうとすることによって、フィルム破壊が生じた。直系インチあたり1150グラムにおいてフィルムが破壊する前には、結合剤の接着性損失は観察されない。
(比較例1)
本例は、PVFフィルムの接着性を増加させるためにしばしば使用される代替のコロナ処理法が、導電性PVFに関する有用な処理ではないことを説明する。
粉砕用1mmガラス媒体を使用するペイントシェーカーにおいて、10分間振盪することによって、炭酸プロピレン中の事前に粉砕された40%固体PVFの分散物100部と、N−メチルピロリドン(ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ ケミカルズ(Aldrich Chemical Milwaukee WI)から入手可能)50部と、リグノスルホン酸ドープポリアニリン20部とを含有する分散物を調製する。実施例1の通り、炭酸プロピレン分散物を流延し、乾燥させ、そして支持体から剥がす。得られたフィルムは、6%伸び率を有した。
テスラ(Tesla)コイルによってフィルムをコロナ処理し、そして実施例5と同一の様式で接着剤コーティングアルミニウム基材に接着する。ヒートシール後、ラミネートに上記の結合強度試験を受けさせる。120g/インチにおいて、フィルムは基材から剥離する。
(実施例6)
本実施例は、分散物媒体の変更および粉砕時間の変化の影響を説明する。
粉砕1mmガラス媒体を使用するペイントシェーカーにおいて、3つの別々の分散物を調製する。これらはそれぞれ、炭酸プロピレン中の事前に粉砕された40%固体PVFの分散物100部と、N−メチルピロリドン(ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ ケミカルズ(Aldrich Chemical Milwaukee WI)から入手可能)50部と、リグノスルホン酸ドープポリアニリン20部とを含有する。第1の分散物を10分間、ペイントシェーカー中で粉砕する。第2の分散物を20分間、粉砕する。第3の分散物を30分間、粉砕する。コーティング粘度を改善する目的で、全3つの分散物に追加の16.8部PVF/炭酸プロピレン分散物を添加し、フィルム中ポリアニリンの重量%を28まで低下させる。
実施例1に記載の方法を使用して、分散物をポリエステル支持体上に流延し、焼成し、そして剥がして、流延フィルムを形成する。このフィルムは厚さ約1ミル(25.4μm)である。SRM110メーターを使用して、導電性に関してフィルムを試験する。10分粉砕分散物は、10オーム/スクエアの表面抵抗率を有する流延フィルムを製造する。20分粉砕分散物は、10オーム/スクエアの表面抵抗率を有する流延フィルムを製造する。30分粉砕分散物は、10オーム/スクエアの表面抵抗率を有する流延フィルムを製造する。本実施例は、試験された系において粉砕時間によって導電性が改善すること、および試験された系の30分粉砕後さえも最大導電性に達しなかったことを示す。
(実施例7)
本実施例は、非フルオロポリマーとブレンドされたフルオロポリマーの導電性フィルムの調製を説明する。
粉砕用1mmガラス媒体を使用するペイントシェーカーにおいて、10分間振盪することによって、35部のPVDFと、187部のN−メチルピロリドンとを含有する分散物を調製する。粉砕および濾過後、173部のPVDF/NMP分散物を、50部のデュポン フルオロプロダクツ(DuPont Fluoroproducts)から入手可能なアクリルポリマー68080と組み合わせて、そして5分間、ペイントシェーカーを使用して強力に混合する。この混合物に、実施例1において使用されたリグノ パニ(Ligno Pani)(商標)/PVF/炭酸プロピレン分散物71.5部を添加する。フィルムをポリエステル支持体上に流延し、そして170℃で5分間焼成する。乾燥フィルムを支持体から剥がし、試験する。このフィルムは厚さ約(25.4μm)である。表面抵抗率は、10オーム/スクエアである。
(実施例8)
本実施例は、フィルムの両側における一定表面抵抗率を説明する。
ペイントシェーカー中で15分間、1mm媒体によって2構成成分を粉砕することによって、NMP中のリグノ パニ(Ligno Pani)(商標)の25重量%固体分散物を作製する。分散物から媒体を濾過後、40%固体PVF/炭酸プロピレンの分散物100部に160部の分散物を添加する。分散物を強力に混合し、次いでメリネックス(Melinex)442ウェブ上に流延した。乾燥後、フィルムは厚さ約1.7ミルである。空気側で、フィルム抵抗率は10オーム/スクエアであり、そしてウェブ側も10オーム/スクエアである。
(実施例9)
本実施例において、液体分散物の混合物中で導電性ポリマー組成を調製する。
15分間、ペイントシェーカー(ミネソタ州、ブルックリン パークのレッド デビル イクイップメント カンパニー(Red Devil Equipment Co,Brooklyn Park,MN)から入手可能)中で、1mmガラス媒体(ニュージャージー州、クリフトンのグレン ミルス インコーポレイテッド(Glen Mills Inc,Clifton NJ)から入手可能)によって、10部のリグノ−パニ(Ligno−PANI)(商標)(オハイオ州、ストリートボロのシーガット(Seegott,Streetsboro,OH)により配布される)として販売されているリグノスルホン酸ドープポリアニリンと、80部のN−メチルピロリドン(ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ ケミカルズ(Aldrich Chemical Milwaukee WI)から入手可能)と、20部のPVF微粒子樹脂(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington DE)のデュポン フルオロプロダクツ(DuPont Fluoroproducts)からPV−116として入手可能)とを粉砕することによって、導電性ポリマーの分散物を調製する。
表1に示される通り、様々な比率の2つの分散物において媒体ミルを使用して作製された、炭酸プロピレン(テキサス州、ヒューストンのハントスマン ケミカル(Huntsman Chemical,Houston TX)から入手可能)中40重量%固体ポリフッ化ビニルの分散物を上記混合物に添加し、混合物を形成する。各分散物混合物をガラス上に引き出し、そして180℃で10分間焼成する。最初の5分間の焼成時間で、分散物が被覆される。最後の5分間で、湿潤フィルムは被覆されない。フィルムを支持体から剥がし、そしてSRM110メーター(アリゾナ州、チャンドラー ハイツのブリッジ テクノロジーズ(Bridge Technologies,Chandler Heights AZ)から入手可能)を使用して導電性に関して試験する。抵抗率の結果も表1に示す。
Figure 2006517717
(実施例10)
実施例9の分散物を使用して、2つの導電性コーティング組成を製造する。ブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用して、各混合物の粘度を測定する。組成物の組成および粘度を表2に示す。
Figure 2006517717
意外なことに、ICP量の増加によって粘度低下が観察される。フィルム流延操作に関して、低粘度は有利である。
(比較例2)
15部のラベン ブラック(Raven Black)16(ジョージア州、マリエッタのコロンビアン ケミカルズ(Columbian Chemicals,Marietta GA))と、8.7部のPVFと、6.2部のディスパーバイク(Disperbyk)160(コネチカット州、ウィリングホールドのバイク シェミー(Byk Chemie,Wllingford CT))と、70.1部のn−メチルピロリドンとの媒体粉砕された分散物と、40%固体PVF/炭酸プロピレン混合物とを混合することによって、表2のコーティング組成と同一固体でPVF/カーボンブラック分散物を作製する。混合比は、35.79%のブラック分散物、および64.21%のPVF/炭酸プロピレン分散物である。実施例8と同一条件下で、混合物を引き出し、そして焼成する。フィルムは、10オーム/スクエアの抵抗率を有する。流延粘度は、15800センチポイズである。
実施例9のコーティング組成2によって例示された本発明の導電性ポリマー分散物は、同一充填および固体レベル、ならびにより低下された粘度で、カーボンブラックを含有する分散物と同様の抵抗率を有することが観察される。さらに、実施例9のコーティング組成1によって例示されるような、より多量のICPを導電性ポリマー分散物に組み入れることができ、カーボンブラックを使用して製造されたものよりも実質的に低粘性の分散物を製造することが観察される。流延操作において、低粘度は非常に有利である。

Claims (41)

  1. 自立性(self-supporting)導電性ポリマーフィルムであって、その中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布していることを特徴とする自立性導電性ポリマーフィルム。
  2. 前記フィルムが、少なくとも21MPaの最小引張強さおよび少なくとも6%の破断点伸びを有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  3. 約1010オーム/スクエア未満の表面抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  4. 約10オーム/スクエア〜約1010オーム/スクエアの範囲の表面抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  5. 前記ポリマーフィルムが熱可塑性ポリマーの液体分散物から形成されるものであって、該分散物の中に線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布し、そして該分散物が凝集する(coalesced)ことを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  6. 前記ポリマーフィルムが、約225℃未満の加工温度で前記液体分散物から加工されることを特徴とする請求項5に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  7. 前記ポリマーフィルムが前記液体分散物から流延(cast)されることを特徴とする請求項5に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  8. 前記フィルムが前記液体分散物から押出されることを特徴とする請求項5に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  9. 前記ポリマーが溶融押出可能であることを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  10. 前記ポリマーフィルムが、225℃未満の温度で溶融ポリマーを押出することによって形成され、該溶融ポリマーの中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成が分布していることを特徴とする請求項9に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  11. 前記フィルムが火炎処理されていることを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  12. 前記ポリマーがフルオロポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  13. 前記フィルムが火炎処理されていることを特徴とする請求項12に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  14. 前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンのポリマーおよびコポリマー、フッ化ビニルのポリマーおよびコポリマー、ならびにフッ化ビニリデンのアクリルポリマーとのポリマーブレンドおよびコポリマーとよりなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  15. 前記導電性組成物が金属粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  16. 前記金属粒子がアルミニウムであることを特徴とする請求項15に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  17. 前記フィルムが、フルオロポリマーと前記導電性組成との液体分散物から形成され、該導電性組成が、液体分散剤中に線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含むことを特徴とする請求項5に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  18. 前記液体分散剤が、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、スルホランおよびジメチルアセトアミドよりなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  19. 前記ポリマーフィルムが、フルオロポリマーの溶液と前記導電性組成の分散物との混合物から流延され、該導電性組成が線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含むことを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  20. 前記線状共役π電子系が、アニリン、チオフェン、ピロールまたはフェニルメルカプタンの繰り返しモノマー単位を含み、前記アニリン、チオフェン、ピロールまたはフェニルメルカプタンの繰り返しモノマー単位が、1つまたは複数の直鎖または分枝鎖アルキル、アルコキシもしくはアルコキシアルキル基によって任意選択的に環置換されていることを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  21. 前記線状共役π電子系がポリアニリンであることを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  22. 前記線状共役π電子系が、前記残基にグラフトされていることを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  23. 前記ポリアニリンが、スルホン化リグニンの残基にグラフトされていることを特徴とする請求項21に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  24. 線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む前記導電性組成を約10重量%〜約40重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  25. 線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む前記導電性組成を約10重量%〜約35重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  26. 線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む前記導電性組成を約15重量%〜約25重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の自立性導電性ポリマーフィルム。
  27. ポリマーと、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性ポリマー組成との凝集可能な液体分散物を調製する工程と、
    前記液体分散物を支持体上に流延して導電性ポリマーフィルムを形成する工程と、
    支持体と接触している間に、前記導電性ポリマーフィルムを乾燥および凝集する工程と、
    を含むことを特徴とする、自立性導電性ポリマーフィルムの製造方法。
  28. 前記凝集された導電性ポリマーフィルムを前記支持体から取り外す工程をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 前記凝集された導電性ポリマーフィルムを火炎処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 前記の凝集可能なポリマー液体分散物が、フルオロポリマーの分散物であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  31. 前記自立性導電性ポリマーフィルムが、約225℃未満の温度で加工されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  32. 前記液体分散物が金属粒子をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
  33. 前記金属粒子がアルミニウムであることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. フルオロポリマーと、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性組成との凝集可能な液体分散物を調製する工程と、
    前記液体分散物を押出して押出物とする工程と、
    前記押出物に熱を適用して、前記液体を揮発させ、そして凝集された自立性導電性ポリマーフィルムを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、自立性導電性ポリマーフィルムの製造方法。
  35. 前記自立性導電性ポリマーフィルムが、約225℃未満の温度で加工されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 前記凝集された自立性導電性ポリマーフィルムを延伸させて、配向フィルムを製造することを特徴とする請求項34に記載の方法。
  37. 前記液体分散物が金属粒子をさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
  38. 前記金属粒子がアルミニウムであることを特徴とする請求項37に記載の方法。
  39. ヒートシール可能な自立性導電性ポリマーフィルムから形成される包装であって、その中に、線状共役π電子系およびスルホン化リグニンまたはスルホン化ポリフラボノイドの残基を含む導電性組成が分布されていることを特徴とする包装。
  40. 請求項1に記載の導電性ポリマーフィルムが接着していることを特徴とする基材。
  41. 前記導電性ポリマーフィルムが火炎処理されていることを特徴とする請求項40に記載の基材。
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