JP2006514694A - 潰瘍の予防および/または治療のためのデヒドロエピアンドロステロン(dhea)コンジナー - Google Patents

潰瘍の予防および/または治療のためのデヒドロエピアンドロステロン(dhea)コンジナー Download PDF

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Abstract

本発明はデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)コンジナーの急性治療的使用に関する。これらの使用は、潰瘍の治療または予防方法であって、潰瘍に罹患するリスクがあるかまたはかかる治療または予防を必要とする対象体にDHEAコンジナーの治療量を投与することを含む方法を包含する。

Description

発明の詳細な説明
(発明の背景)
本発明は、有効な抗潰瘍薬としてのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)コンジナーの治療的使用に関する。これらの使用は皮膚潰瘍および粘膜潰瘍の両方の治療および/または予防を包含する。粘膜潰瘍は、口腔組織、胃組織、消化組織、腸組織、結腸組織および直腸組織の病変を含む;一方、皮膚潰瘍は皮膚組織および深部静脈組織の両方の病変を含む。本発明によれば、これらの症状は、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)またはDHEAの化学的誘導体およびコンジナーを投与することにより予防または治療される。
本発明の背景を明らかにし、特定の場合に、実施に関してさらなる詳細を提供するために本明細書において使用される刊行物および他の資料を出典明示により援用して本明細書の一部とし、便宜上、該刊行物および他の資料は以下の明細書中では数字により示し、添付した文献リストにそれぞれ分類している。
潰瘍の医学的な定義は、損傷を受けた組織の炎症、壊死および脱落によって特徴付けられる皮膚または粘膜の経壁病変である。潰瘍は熱湯傷、化学熱傷または電気熱傷、ならびに擦過、穿刺および切開により生じる創傷と異なる。潰瘍は結果的に、上部上皮およびある程度の量の上皮下層の損失を生じさせる組織に対する炎症作用により生じる。それぞれ、正常な皮膚、潰瘍化皮膚、正常な腸粘膜および潰瘍化腸を例示する図1〜4を参照。
口腔粘膜炎。口腔潰瘍性粘膜炎は癌のための薬物および放射線療法の一般的な有痛性の投与量限定毒性である。該障害は、口腔中における上皮、粘膜下組織および血管回路網の破壊により特徴付けられ、潰瘍性病変を形成する。粘膜炎は、抗腫瘍薬療法を受けている患者の3分の1を超える患者においてある程度生じる。その頻度および重篤度は、白血病のための誘導療法または骨髄移植のための多くの順化療法で処置される患者の間で有意に大きい。これらの個体のうち4分の3を超える患者において中等症から重症の粘膜炎が生じる。中等症から重症の粘膜炎は、頭部および頚部の腫瘍の放射線療法を受けている患者のほぼ全てにおいて生じる。
臨床的に、粘膜炎はいくつかの段階を経て進行する:(1)局所麻酔薬に反応し得る有痛性の粘膜紅斑を伴う炎症;(2)偽膜形成を伴う有痛性潰瘍化、および骨髄抑制性処置の場合における抗微生物療法を必要とする生命を危うくする敗血症(疼痛は、しばしば、非経口麻薬性鎮痛薬を必要とするほどの強さのものである);および(3)抗腫瘍薬療法の休止の約2〜3週間後に生じる自然治癒。リドカインのような局所鎮痛薬の適用および/または麻薬および抗生物質の全身投与を含む粘膜炎に対する標準的な療法は主に対症的である。粘膜炎としては、例えば、口内炎/口腔粘膜炎、胃腸粘膜炎、鼻粘膜炎、および直腸炎が挙げられる。現在、粘膜炎に対する療法として認可されたものはない。
口内炎。癌療法関連口腔粘膜炎以外の、感染、全身性疾患または物理的因子により生じる口の炎症および潰瘍化を口内炎と呼んでいる。細菌感染において、通常原因因子は連鎖球菌である。しかしながら、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、梅毒、ナイセリア・ゴノレエ(Neisseria gonorrhea)、顔面頸部放線菌症、ペラグラならびに単純ヘルペスウイルスI型およびII型を包含するがこれらに限定されものではない他の微生物が該疾患の原因に結びつけられている。
口内炎の他の原因。出血性口腔病変は、多形性紅斑(下記参照)、壊血病、白血病、血小板減少性紫斑病および血小板障害において生じ得る。ビタミンBもしくはビタミンC欠乏症、鉄分欠乏性貧血および口腔乾燥症は口を口内炎に罹り易くする。口腔多形性紅斑は、発熱、倦怠感、関節痛を伴う唇および口腔粘膜のびまん性出血性病変により特徴付けられる激しい疼痛を伴う口内炎である。該病変が出血性であり、症状が全身性であることは、口腔粘膜炎と類似の上皮下組織内の潰瘍化および全身性炎症活性を示す。
これらの種々の形態の口内炎の治療は全身の鎮痛薬または麻酔薬を含む。
胃炎。胃粘膜の炎症である胃炎はまた、胃内の関与部位(すなわち、噴門、胃体部、幽門洞)に従って分類することができ、さらに、急性または慢性に分類することができる。
消化性潰瘍。消化性潰瘍は、粘膜筋板を含む、典型的には、胃内(胃潰瘍)または最初の数センチメートルの十二指腸(十二指腸潰瘍)におけるGI粘膜の剥脱したセグメントである。潰瘍は数ミリメートルから数センチメートルまで様々な大きさがある。潰瘍は貫通の深さによりびらんと区別される;びらんは上皮の剥皮を生じる表層的なものであり、上皮下層は無傷のままである。消化性潰瘍は胃または十二指腸の壁を貫通し、隣接する閉鎖空間(小嚢)または器官(例えば、膵臓、肝臓)に入っていく。胃潰瘍および十二指腸潰瘍の治療は、以前には、胃の酸性度を中和または低下させることに集中していた。しかしながら、ヘリコバクター・ピロリ(Heliobacter pylori)の根絶に関心が移ってきた。急性潰瘍をもつヘリコバクター・ピロリ感染患者の全てにおいて抗生物質療法が用いられている。H2ブロッカーは抗ヘリコバクター・ピロリ療法における抗分泌性薬物としての役割をもつ。ある種のプロスタグランジン(特に、ミソプロストール)は酸分泌を阻害することができ、粘膜防御を亢進することができる。スクラルファートは、おそらくペプシン−基質相互作用の阻害、粘膜プロスタグランジン生成の刺激および胆汁酸塩の結合により、潰瘍治癒を促進することができるシュークロース−アルミニウム複合体である。制酸剤は症状を軽減し、潰瘍治癒を促進し、再発を減少させる。
クローン病。クローン病(限局性腸炎、肉芽腫性回腸炎または回結腸炎)は、最も一般的には遠位回腸および結腸に影響を及ぼすがGI管のいずれの部分においても生じ得る非特異的慢性経壁炎症性疾患である。クローン病の基本的な原因は知られていない。遺伝的な素因が環境因子、食物因子または感染因子に対する未制御の腸の炎症反応を引き起こすことを示唆している証拠がある。喫煙は、クローン病の発症または憎悪に関与していると考えられる。クローン病の最も初期の粘膜病変は、炎症の形態の陰窩損傷(陰窩炎)および陰窩膿瘍であり、小さな巣状のアフタ様潰瘍に進行する。炎症の経壁伝播はリンパ浮腫および腸壁の肥厚を引き起こし、結果的には広範囲に線維症を生じることがある。治療法は知られていない。痙攣および下痢は、抗コリン薬の経口投与により軽減し得る。スルファサラジンおよびメサラミン(5−アミノサリチル酸)である活性部分は、主に軽症から中等症の大腸炎および回結腸炎の患者に有益であるが、回腸炎において効力を有することもあり、寛解を維持することもできる。コルチコステロイド療法は、発熱および下痢を劇的に減少させ、腹痛および腹部圧痛を軽減し、食欲および満足感を向上させることにより急性期のクローン病を治療する。プレドニゾンは5または10mg/日のような僅かな量でも患者によっては症状のコントロールに役立つこともあるが、長期間のコルチコステロイド療法はしばしば利点よりもむしろ危害を与えることの方が大きい。コルチコステロイドは、明白な感染症(例えば、瘻孔、膿瘍)が存在する場合には避けるべきである。代謝拮抗物質であるアザチオプリンおよび6−メルカプトプリンはクローン病の長期療法として有効である。高用量のシクロスポリンは炎症性および瘻孔性疾患における効果を示しているが、その長期使用は複数の毒性により禁忌である。腫瘍壊死因子を阻害するモノクローナル抗体であるインフリキシマブもまた、他の治療に抵抗性の中等症または重症のクローン病(特に瘻孔性疾患)に対して静脈内投与される;長期の効果および副作用は明らかになっていない。
潰瘍性大腸炎。潰瘍性大腸炎は、血性下痢によって最もしばしば特徴付けられる、大腸粘膜に起こる慢性炎症性潰瘍性疾患である。
病理学的変化は粘膜上皮の下の網状線維の変性、上皮下毛細管の閉塞、ならびにプラズマ細胞、好酸球、リンパ球、マスト細胞およびPMNの固有層への進行性浸潤で始まる。陰窩膿瘍、上皮壊死および粘膜潰瘍化が最終的に生じる。該疾患は通常、直腸S状結腸にて始まり、近位に広がり、ついには大腸全体を侵すか、または、一度に大腸の大部分を侵し得る。直腸に局在している潰瘍性直腸炎は、非常に一般的でより良性の形態の潰瘍性大腸炎である。しばしば、治療に対して抵抗性であり、約20〜30%のケースで遅延性に近位に広がることがある。
大腸炎の再燃は、無症状の間欠期をはさむ、様々な強度および期間の血性下痢の出現によって注目される。通常、発作は、排便の緊急性の増大、軽症の下腹部痙攣、および粘血便で潜行的に始まる。しかしながら、発作は急性かつ劇症性であることがあり、突然の激しい下痢、高熱、腹膜炎の徴候、および深刻な毒血症を伴う。立証された感染症(例えば、アメーバー症、細菌性赤痢)の後に発症する場合がある。
出血は最も一般的な局所合併症である。他の特に重篤な合併症である中毒性大腸炎は潰瘍化の経壁拡大が結果として限局性イレウスおよび腹膜炎を引き起こす場合に生じる。中毒性大腸炎が進行するに従って、結腸は筋緊張を失い、数時間または数日以内に膨張が始まる。腹部の単純X線は、結腸の長くつながっている麻痺部分に蓄積された腔内ガスを示す− −筋緊張を失った結果である。
横行結腸の直径が6cmを超える場合、中毒性巨大結腸症(または中毒性拡張)が存在する。重症患者には40℃(104°F)の発熱、白血球増多症、腹痛および反跳圧痛がみられる。この症状は、通常、特に重症の大腸炎の経過において自然に生じるが、熱心すぎる麻薬性または抗コリン作動性止瀉薬の使用によって促進されるケースもある。危険な合併症(例えば、穿孔、汎発性腹膜炎、敗血症)を避けるために、初期に、好ましくは、本格的な巨大結腸症が生じる前に治療を施さなければならない。迅速で有効な治療は、致死率を4%未満に維持することができるが、穿孔が起こると40%を超えることがある。
肉芽腫性大腸炎における合併症のような主な直腸周囲の合併症(例えば、瘻孔、膿瘍)は生じない。
大腸炎には様々な治療法がある。生の果物および野菜を避けて炎症を起こした大腸粘膜へのメカニカルな外傷を制限し、症状を減らすことができる。牛乳を含まない食事が役立つこともあるが、改善がみられなければ続けなくてもよい。比較的軽症の下痢に対しては経口で1日2回〜4回の抗コリン作動性薬、ロペラミド2.0mgまたはジフェノキシラート2.5mgが適用される;より激しい下痢に対してはより多量の経口投与量のロペラミド(朝4mg、排便後ごとに2mg)またはジフェノキシラート(5mgを1日3回または4回)、4〜6時間毎に脱臭アヘンチンキ0.5〜0.75mL(10〜15滴)、または4〜6時間毎にコデイン15〜30mgを必要とする。これらの止瀉薬はより重篤なケースではそれらが中毒性拡張を誘発することがあるので細心の注意を払って使用しなければならない。
軽症または中等症の疾患において、しばしば、経口コルチコステロイド療法の代わりにヒドロコルチゾン注腸を用いて治療を行うこともある。メサラミンもまた注腸により投与され、難治性の直腸S状結腸炎および左側結腸炎の多くの症例で効果がある。より広範囲の軽症または中等症の疾患も局所的疾患と同様に経口スルファサラジンに反応し得る。一度寛解が達成された後は、再発を予防するためにスルファサラジン1〜3g/日による長期維持療法が適用される。
外来患者における適度に重症の疾患は通常、全身的なコルチコステロイド療法を必要とする。1日10回を超える血便、頻脈、高熱または重症の腹痛によって明らかにされる重症疾患は入院を必要とする。患者が入院時に30日以上のコルチコステロイド療法を受けていた場合、ヒドロコルチゾン300mg/日を持続点滴静注により投与しなければならない。7〜10日の非経口療法で寛解が達成された後、経口プレドニゾン60mg/日に変更することができる。3〜4日間の経口療法で良好な状態のままである患者は退院してよく、緊密な医師の指示の下に自宅でコルチコステロイド投与量を漸減することができる。
免疫抑制薬は難治性またはコルチコステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の患者に受け入れられる。アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンはT細胞機能を阻害し、ナチュラルキラー細胞および細胞障害性T細胞のどちらの活性の低下も臨床応答と相関している。シクロスポリンは急速に効き始め、主に高用量の静脈投与コルチコステロイドに対して非反応性の急性重症潰瘍性大腸炎に対して適用される。
褥瘡(皮膚潰瘍)。褥瘡(床ずれ;褥瘡性潰瘍;栄養障害性潰瘍)は長期の圧迫にさらされた骨***上の組織の虚血性壊死および潰瘍化により生じ得る。褥瘡は感覚の鈍ったまたは失った患者または衰弱しているか、るいそうであるか、麻痺しているかまたは寝たきりである患者において最も頻繁に生じる。仙骨、坐骨、大転子、くるぶし、および踵上の組織が特に受けやすく;患者の***に依存して他の部位も含まれる。褥瘡はまた、筋肉および骨にも影響を及ぼす。潰瘍は氷山に似ている;可視表面は小さいが、より広範な不明基部をもつ。
深部静脈潰瘍(皮膚潰瘍)。深部静脈潰瘍は下肢を冒す最も一般的なタイプの潰瘍である。正常な血管は血液の逆流を防ぐ弁をもっている。これらの弁が役立たなくなると、静脈血の逆流は該エリアの正常な血管分布状態の閉塞および血管供給の欠損に依存する筋肉の壊死を引き起こす静脈うっ血の原因となる。典型的な静脈潰瘍はうちくるぶしの近くに出現し、下肢の浮腫および硬化を併発し、浅く、痛み過ぎず、脚からの分泌物の滲出を呈することがある。静脈潰瘍の治療は、潰瘍感染がないように維持すること、過剰の分泌物を吸収すること、湿性の創傷環境を維持すること、圧迫すること、患者および関与する肢の活性を促進すること、および患者の医学的問題を管理することに向けられる。浮腫の管理が第1の関心である。
潰瘍の発生および修復に関与する生物学的プロセスの複雑さは十分には明らかになっていないが、急性期および慢性期の両方の潰瘍における炎症のための中心的な役割は認識されている。疾患のヒトおよび動物モデルの両方において、潰瘍は、上皮細胞および上皮下組織と炎症促進性サイトカインおよび局所因子との連続的な相互作用の結果として発生する。上皮変性は単独で潰瘍化と称されるが、臨床用語としては上皮下環境(軟組織、脈管構造および筋肉)への深い浸透を含む。(National Digestive Disorders Information Clearinghouse, at www.niddk.nih.gov)(Pathology, Rubin E and Fara JL, eds. JB Lippincott Co, 2nd Edition, 1994)。炎症プロセスは、上皮下層にて始まり、胚上皮に向かって進行する。他のタイプの創傷はまず上皮を破壊し、引き続いて、上皮下層を破壊する潜在能力を有する炎症反応を活性化する(例えば、熱傷、化学的熱傷または電気的熱傷、切開および穿刺)。
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA;(3β)−3−ヒドロキシアンドロスト−5−エン−17−オン)はアンドロゲンおよびエストロゲンのどちらの生合成においても主要な前駆物質としての役割を果たす弱いアンドロゲンである(De Peretti et al., 1978)。DHEAは肥満、糖尿病、発癌、自己免疫、神経学的な記憶喪失(Schwartz et al., 1981;Yen et al., 1977;Coleman, 1982;Flood, 1988)、およびネズミT細胞によるIL−2産生に対するGCSの負の効果(Daynes et al.,1990)において緩和する役割を果たすことが報告されている。Araneo et al. (1993)において、やけどしたネズミに創傷後1時間以内にDHEAを投与すると正常なT細胞誘導リンホカイン産生能力、細胞性免疫応答の発生および誘発された感染症に抵抗する能力を含む正常な免疫適格性の保存が生じたことが立証されている。Eich et al. (1992a;1992b)には、それぞれ、血小板凝集の速度を低下させるためのDHEAの使用およびトロンボキサンの生成を減少させるためのDHEAまたはDHEA硫酸(DHEAS)の使用が記載されている。
Nestler et al. (1990)において、DHEAの投与がヒト患者において体脂肪量を減少させることができ、筋肉量を増加させることができ、HDLコレステロールレベルに影響を及ぼさずにLDLコレステロールレベルを低下させることができ、血清アポリポタンパク質Bレベルを低下させることができ、およびインスリンに対する組織感受性に影響を及ぼすことがなかったことが立証されている。Kent(1982)には、DHEAが肥満、老化、真性糖尿病および心臓疾患を予防し得る「新特効薬」であることが報告されている。DHEAは薬物療法として長年広範に処方されてきた。しかしながら、食品医薬品局は最近その使用を制限した。DHEAは細胞内スルファターゼおよびスルホトランスフェラーゼの作用によりその硫酸エステルDHEASと容易に相互変換可能である。
Daynes et al.(1994)には、ある種のDHEA誘導体の投与が熱傷の後の進行性組織壊死の軽減または予防にとって有用であることが示されている。DHEAは無傷の腸膜を通る細菌の移動および成人呼吸窮迫症候群の予防に有用である。やけどしたマウスを熱傷後1時間以内にDHEAで処置すると熱傷の発生および回復が未処置またはニセの処置をした熱傷対照よりも速やかにかつ速いこともまた見出された。Daynes et al.(1996)には、DHEASおよび他のDHEA誘導体の投与もまたこれらの使用に適していることが示されている。Araneo et al.(1998)には、DHEA誘導体が肺高血圧症の軽減または予防に有用であることが示されている。Araneo(1999)にはまた、DHEAおよび誘導体が、損傷または喪失した皮膚の最外層または粘膜を回復させるプロセスである再上皮化または再内皮化を亢進するのに有用であることが示されている;ここで、該損傷は特異的な原因事象を有しており、特異的な原因を有していない潰瘍とは異なる状態である。最後に、DHEAS血中濃度を低い正常レベルに回復させる量のDHEAを投与することによる潰瘍性大腸炎の治療が報告されている(Andus et al., 2000)。
DHEA誘導体について無数の生物学的活性が報告されているにもかかわらず、DHEA誘導体が潰瘍の予防および/または処置に対して何らかの影響を及ぼすことは報告されていない。
(発明の概要)
本発明は、潰瘍の予防および/または治療における活性薬剤としてのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)コンジナーまたはその代謝物(一括してDHEA治療薬とも称される)の治療的使用に関する。好ましい実施態様において、該活性薬剤はDHEAである。これらの使用は、皮膚および粘膜組織における潰瘍の発症を治療および/または予防するための方法を包含する。本発明によると、これらの方法は、治療および/または予防を必要とする患者またはかかる潰瘍を発症するリスクがある患者にDHEAコンジナーまたはその代謝物の治療量を投与することにより行われる。
第1の実施態様において、本発明は、潰瘍化のリスクがある対象体における潰瘍の重篤度および期間を軽減または予防する方法であって、潰瘍の出現前に活性薬剤としてDHEAコンジナーまたはその代謝物を投与することを含む方法を提供する。これは、患者の潰瘍の寛解を維持するための処置と類似している。DHEA治療薬は、慣用の薬理学的プラクティスを用いて潰瘍および症状の軽減および/または予防を引き起こす方法および用量で投与される。好ましい実施態様において、活性薬剤はDHEAである。
第2の実施態様において、本発明は、潰瘍の治療方法であって、潰瘍または潰瘍性の症状をもつ患者にDHEAコンジナーまたはその代謝物を投与して組織の急速な修復および再生を促進することを含む方法を提供する。該潰瘍または症状は皮膚潰瘍または粘膜潰瘍のどちらのタイプでもあり得、上皮だけに関与しているか、またはその周囲の上皮下組織および血管供給を含み得る。好ましい実施態様において、活性薬剤はDHEAである。
第3の実施態様において、本発明は、体重減少、悪液質の予防または軽減方法であって、かかる予防または軽減を必要とする対象体にDHEAコンジナーまたはその代謝物を投与することを含む方法を提供する。好ましい実施態様において、体重減少は、対象体に対する主療法(例えば、癌に対する放射線照射または化学療法)に関連する因子により誘発され得る。さらに好ましい実施態様において、体重減少は、潰瘍により引き起こされる全身性炎症から生じ得る。体重減少は軽症または中等症であり得、および/または短期間または長期間であり得る。好ましい実施態様において、活性薬剤はDHEAである。
(図面の簡単な記載)
図1は正常な皮膚を例示している。
図2は皮膚の潰瘍化を例示している。
図3は正常な腸粘膜を例示している。
図4は潰瘍化した腸を例示している。
図5A−5Bは照射後の体重変化に対するDHEAの効果を示すグラフである。
図6A−6Dは照射後の粘膜炎の発生に対するDHEAの効果を示すグラフである。
図7は大腸炎モデルにおける体重減少に対するDHEAの効果を示すグラフである。
図8は大腸炎モデルにおける結腸損傷の発生に対するDHEAの効果を示すグラフである。
図9は大腸炎モデルにおける結腸重量変化に対するDHEAの効果を示すグラフである。
(発明の詳細な説明)
本発明の一の態様において、潰瘍を予防および/または治療するための方法を提供する。潰瘍は上記したように皮膚または粘膜組織における潰瘍であり得る。本発明のこの態様によると、DHEAコンジナーまたはその代謝物が治療量で投与される場合、組織は潰瘍化の減少を示す。治療量は、必要とするかまたはリスクがある対象体において治療係数を達成する用量である。
DHEAコンジナーの例としては、一般式Iで示される化合物およびそれらの医薬上許容される塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない:
Figure 2006514694
式中、
XはHまたはハロゲンであり;
1、R2およびR3は独立して=O、−OH、−SH、H、ハロゲン、医薬上許容されるエステル、医薬上許容されるチオエステル、医薬上許容されるエーテル、医薬上許容されるチオエーテル、医薬上許容される無機エステル、医薬上許容される単糖、二糖もしくは多糖、スピロオキシラン、スピロチラン、−OSO24または−OPOR45であり;
4およびR5は独立して−OH、医薬上許容されるエステルまたは医薬上許容されるエーテルである。
DHEAの適当な代謝物としては、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、16α−ヒドロキシデヒドロエピアンドロステロン、16α−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,17−ジオン、アンドロスト−4−エン−3,17−ジオン、7α−ヒドロキシアンドロステンジオン、7α−ヒドロキシテストステロンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
DHEAコンジナーのさらなる例としては、一般式IIおよびIIIで示される化合物およびそれらの医薬上許容される塩およびその生理学上許容される塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない:
Figure 2006514694
Figure 2006514694
式中、
6、R7、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19およびR24は独立してH、−OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであり;
10はH、−OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであり;
20
(1)R21が−C(O)OR25である場合、H、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであるか;または
(2)R21がH、ハロゲン、OHまたはC1-10アルキルである場合、H、ハロゲン、OHまたはC1-10アルキルであるか;または
(3)R21がOHである場合、H、ハロゲン、C1-10アルキル、C1-10アルケニル、C1-10アルキニル、ホルミル、C1-10アルカノイルまたはエポキシであるか;または
20およびR21は一緒になって=Oであり;
22およびR23は独立して
(1)R21がH、OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたは−C(O)OR25である場合、H、−OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであるか;または
(2)R20およびR21が一緒になって=Oである場合、H、(C1-10アルキル)nアミノ、(C1-10アルキル)nアミノ−C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ヒドロキシ−C1-10アルキル、C1-10アルコキシ−C1-10アルキル、(ハロゲン)m−C1-10アルキル、C1-10アルカノイル、ホルミル、C1-10カルボアルコキシまたはC1-10アルカノイルオキシであるか;または
22およびR23は一緒になって=Oであるか、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、酸素原子0または1個を含有する3〜6員環を形成するか;または
20およびR22はそれらが結合している炭素と一緒になってエポキシド環を形成し;
25はH、(ハロゲン)m−C1-10アルキルまたはC1-10アルキルであり;
nは0、1または2であり;
mは1、2または3である;
ただし、
(a)R6、R7、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R17、R18、R19およびR22がHであり、R16がH、ハロゲン、OHまたはC1-10アルコキシであり、R23がHまたはハロゲンであり、R20およびR21が一緒になって=Oである場合、R10はH、ハロゲンまたはC1-10アルコキシ以外であり;
(b)R6、R7、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R17、R18、R19およびR22がHであり、R16がH、ハロゲン、OHまたはC1-10アルコキシであり、R23がHまたはハロゲンであり、R20がHであり、R21がH、OHまたはハロゲンである場合、R10はH、ハロゲンまたはC1-10アルコキシ以外である。
一般式Iで示される化合物には多くの立体異性体が存在し、式は種々の立体異性体を含むものとする。式Iで示される適当なDHEAコンジナーの例としては式中が以下のとおりである化合物が挙げられる:
(1)R2が=Oであり、R3およびXが各々Hであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(2)R2が=Oであり、R3がHであり、Xがハロゲンであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(3)R2が=Oであり、R3およびXが各々Hであり、R1が−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(4)R2が=Oであり、R3がHであり、Xがハロゲンであり、R1が−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(5)R2が=Oであり、XがHであり、R1およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(6)R2が=Oであり、Xがハロゲンであり、R1およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(7)R2が=Oであり、XがHであり、R1およびR3が独立して−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(8)R2が=Oであり、Xがハロゲンであり、R1およびR3が独立して−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(9)R2が−OHであり、R3およびXが各々Hであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(10)R2が−OHであり、R3がHであり、Xがハロゲンであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(11)R2が−OHであり、R3およびXが各々Hであり、R1が−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(12)R2が−OHであり、R3がHであり、Xがハロゲンであり、R1が−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(13)R2が−OHであり、XがHであり、R1およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(14)R2が−OHであり、Xがハロゲンであり、R1およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(15)R2が−OHであり、XがHであり、R1およびR3が独立して−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(16)R2が−OHであり、Xがハロゲンであり、R1およびR3が独立して−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(17)R2が−SHであり、R3およびXが各々Hであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(18)R2が−SHであり、R3がHであり、Xがハロゲンであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(19)R2が−SHであり、R3およびXが各々Hであり、R1が−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(20)R2が−SHであり、R3がHであり、Xがハロゲンであり、R1が−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(21)R2が−SHであり、XがHであり、R1およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(22)R2が−SHであり、Xがハロゲンであり、R1およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(23)R2が−SHであり、XがHであり、R1およびR3が独立して−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(24)R2が−SHであり、Xがハロゲンであり、R1およびR3が独立して−SH、その医薬上許容されるチオエステル、その医薬上許容されるチオエーテルまたは医薬上許容される塩である;
(25)XがHであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩であり、R2およびR3が独立して=O、−OH、糖残基、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩であり、ここで、R2およびR3のうち少なくとも1つは糖残基である;
(26)Xがハロゲンであり、R1が=O、−OH、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩であり、R2およびR3が独立して=O、−OH、糖残基、その医薬上許容されるエステル、その医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩であり、ここで、R2およびR3のうち少なくとも1つは糖残基である;
(27)XがHであり、R1が=Oまたは−OHであり、R2およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容される無機エステルまたは医薬上許容される塩であり、ここで、R2およびR3のうち少なくとも1つは無機エステルである;
(28)Xがハロゲンであり、R1が=Oまたは−OHであり、R2およびR3が独立して=O、−OH、その医薬上許容される無機エステルまたは医薬上許容される塩であり、ここで、R2およびR3のうち少なくとも1つが無機エステルである。
医薬上許容されるエステルまたはチオエステルとしては、プロピオナート、エナンタート、シピオナート、スクシナート、デカノアートおよびフェニルプロピオナートエステルのような、式−OOCRまたは−SOCR(式中、Rは医薬上許容されるアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、スフィンゴシンまたは置換スフィンゴリピド基である)で示されるエステルまたはチオエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
医薬上許容されるエーテルまたはチオエーテルとしては、式−ORまたは−SR(式中、Rは上記にて定義したとおりであるかまたはエノールであるか、または−ORは非置換または置換スピロオキシランであるか、または−SRはスピロチアンである)で示されるエーテルまたはチオエーテルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
適当な糖残基としては、グルクロナートのような単糖類、二糖類および多糖類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
医薬上許容される無機エステルとしては、式−OSO24または−OPOR45(式中、R4およびR5は独立して−OH、医薬上許容されるエステル、医薬上許容されるエーテルまたは医薬上許容される塩である)で示される無機エステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式IIおよびIIIで示される化合物は、米国特許第4,898,694号;第5,001,119号;第5,028,631号;および第5,175,154号(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されるように合成される。一般式IIおよびIIIで示される化合物には多くの立体異性体が存在し、これらの式は種々の立体異性体を包含するものとする。一般式IIおよびIIIで示される範囲内となる代表的な化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
5α−アンドロスタン−17−オン;
16α−フルオロ−5α−アンドロスタン−17−オン;
3β−メチル−5α−アンドロステン−17−オン;
16β−フルオロ−5α−アンドロスタン−17−オン;
17β−ブロモ−5−アンドロステン−16−オン;
17β−フルオロ−3β−メチル−5−アンドロステン−16−オン;
17α−フルオロ−5α−アンドロスタン−16−オン;
3β−ヒドロキシ−5−アンドロステン−17−オン;
17α−メチル−5α−アンドロスタン−16−オン;
16α−メチル−5−アンドロステン−17−オン;
3β,16α−ジメチル−5−アンドロステン−17−オン;
3β,17α−ジメチル−5−アンドロステン−16−オン;
16α−ヒドロキシ−5−アンドロステン−17−オン;
16α−フルオロ−16β−メチル−5−アンドロステン−17−オン;
16α−メチル−5α−アンドロスタン−17−オン;
16−ジメチルアミノメチル−5α−アンドロスタン−17−オン;
16β−メトキシ−5−アンドロステン−17−オン;
16α−フルオロメチル−5−アンドロステン−17−オン;
16−メチレン−5−アンドロステン−17−オン;
16−シクロプロピル−5α−アンドロスタン−17−オン;
16−シクロブチル−5−アンドロステン−17−オン;
16−ヒドロキシメチレン−5−アンドロステン−17−オン;
3α−ブロモ−16α−メトキシ−5−アンドロステン−17−オン;
16−オキシメチレン−5−アンドロステン−17−オン;
3β−メチル−16ξ−トリフルオロメチル−5α−アンドロスタン−17−オン;
16−カルボメトキシ−5−アンドロステン−17−オン;
3β−メチル−16β−メトキシ−5α−アンドロスタン−17−オン;
3β−ヒドロキシ−16α−ジメチルアミノ−5−アンドロステン−17−オン;
17α−メチル−5−アンドロステン−17β−オール;
17α−エチニル−5α−アンドロスタン−17β−オール;
17β−ホルミル−5α−アンドロスタン−17β−オール;
20,21−エポキシ−5α−プレグナン−17α−オール;
3β−ヒドロキシ−20,21−エポキシ−5α−プレグナン−17α−オール;
16α−フルオロ−17α−エテニル−5−アンドロステン−17β−オール;
16α−ヒドロキシ−5−アンドロステン−17α−オール;
16α−メチル−5α−アンドロスタン−17α−オール;
16α−メチル−16β−フルオロ−5α−アンドロスタン−17α−オール;
16α−メチル−16β−フルオロ−3−ヒドロキシ−5−アンドロステン−17α−オール;
3β,16β−ジメチル−5−アンドロステン−17β−オール;
3β,16,16−トリメチル−5−アンドロステン−17β−オール;
3β,16,16−トリメチル−5−アンドロステン−17−オン;
3β−ヒドロキシ−4α−メチル−5−アンドロステン−17α−オール;
3β−ヒドロキシ−4α−メチル−5−アンドロステン−17−オン;
3α−ヒドロキシ−1α−メチル−5−アンドロステン−17−オン;
3α−エトキシ−5α−アンドロスタン−17β−オール;
5α−プレグナン−20−オン;
3β−メチル−5α−プレグナン−20−オン;
16α−メチル−5−プレグネン−20−オン;
16α−メチル−3β−ヒドロキシ−5−プレグネン−20−オン;
17α−フルオロ−5−プレグネン−20−オン;
21−フルオロ−5α−プレグナン−20−オン;
17α−メチル−5−プレグネン−20−オン;
20−アセトキシ−シス−17(20)−5α−プレグネン;
3α−メチル−16,17−エポキシ−5−プレグネン−20−オン。
潰瘍の減少におけるDHEAの有効性をヒト疾患についてのモデルとして幅広く用いられている動物系にて実験した。一の態様において、例えば、該動物系は、ラットまたはハムスターの潰瘍化モデルを含むことができる。これらのモデルは高度に再現性があり、軟組織が関与する潰瘍化、例えば、ヒトにおける口腔咽頭潰瘍の代表例としての口腔粘膜炎および胃腸潰瘍性疾患の代表例としての大腸炎を達成する。これらのモデルにおけるDHEAの投与はDHEAが潰瘍化を治療することも予防することもできることを立証している。かくして、このモデルは、DHEAコンジナーの、口腔潰瘍、消化性潰瘍、腸潰瘍、結腸潰瘍および直腸潰瘍を含む粘膜潰瘍ならびに表面および深部静脈潰瘍のどちらも含む皮膚潰瘍のような潰瘍性症状を治療および/または予防する能力を立証している。本明細書において本発明を記載するために用いた該動物モデルは同等に、ヒトの潰瘍におけるそれらの効果を予測するのに役立つ。
かくして、本発明は、皮膚および粘膜組織における潰瘍の発生を治療および/または予防する方法を提供する。本発明によると、これらの方法は、かかる治療および/または予防を必要とする患者またはかかる潰瘍を発症するリスクがある患者にDHEAコンジナーまたはその代謝物の治療量を投与することにより行われる。
第1の実施態様において、本発明は、潰瘍化のリスクがある対象体における潰瘍の重篤度および期間を軽減または予防する方法であって、潰瘍の出現前に活性薬剤としてDHEAコンジナーまたはその代謝物を予防的に投与することを含む方法を提供する。これは、患者の潰瘍症状を軽減または改善するための処置と類似している。DHEA治療薬は、慣用の薬理学的プラクティスを用いて潰瘍および症状の軽減および/または予防を引き起こす方法および用量で投与される。好ましい実施態様において、活性薬剤はDHEAである。
第2の実施態様において、本発明は、潰瘍の治療方法であって、潰瘍または潰瘍性の症状をもつ患者にDHEAコンジナーまたはその代謝物を治療的に投与して潰瘍症状の寛解の誘発を促進することを含む方法を提供する。該潰瘍または症状は皮膚潰瘍または粘膜潰瘍のどちらのタイプでもあり得、上皮だけに関与しているか、またはその周囲の上皮下組織および血管供給を含み得る。好ましい実施態様において、活性薬剤はDHEAである。
第3の実施態様において、本発明は、体重減少、悪液質の予防または軽減方法であって、かかる予防または軽減を必要とする対象体にDHEAコンジナーまたはその代謝物を投与することを含む方法を提供する。好ましい実施態様において、体重減少は、対象体に対する主療法(例えば、癌に対する放射線照射または化学療法)に関連する因子により誘発され得る。さらに好ましい実施態様において、体重減少は、潰瘍により引き起こされる全身性炎症から生じ得る。体重減少は軽症または中等症であり得、および/または短期間または長期間であり得る。好ましい実施態様において、活性薬剤はDHEAである。
活性成分として本発明の化合物を含む医薬組成物は慣用の医薬調合技法(Remington's Pharmaceutical Sciences)に従って調製することができる。典型的には、該活性成分の治療上有効量を医薬上許容される担体と混合する。該担体は、投与、例えば、経口投与、静脈内投与、クモ膜下腔内および硬膜外投与、経皮投与、経頬側投与、眼投与、鼻投与、坐剤投与に望ましい製剤の剤形に依存して様々な形態をとり得る。ヒトにおける潰瘍の亜急性的および慢性的治療および/または予防のためには経口投与により活性薬剤を投与するのが好ましい。当該組成物はさらに抗酸化剤、安定剤および保存剤などを含有してもよい。
経口投与については、当該化合物を、カプセル剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤、メルト剤、散剤、懸濁剤または乳剤のような固体または液体製剤に処方することができる。経口投与剤形の組成物を調製するには、経口液体製剤(例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤)の場合には例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤、可溶化剤または懸濁化剤など;または経口固体製剤(例えば、散剤、カプセル剤および錠剤)の場合にはデンプン、糖、ビカーボナート、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤および分散剤などの担体のような通常の製薬媒体のいずれかを用いることができる。錠剤およびカプセル剤はそれらの投与し易さのために最も有利な経口投与単位剤形であり、その場合、固体の医薬担体が用いられるのは明らかである。望ましい場合には、錠剤は標準的な技法により糖衣または腸溶性被覆されていてもよい。該活性薬剤をカプセルに入れて胃腸管を安定に通過させることができ、同時に血液脳関門を横断させることができる。例えば、WO 96/11698(出典明示により本明細書の一部とする)を参照。
所望の治療的血中濃度を満たすために、当該化合物(すなわち、活性薬剤)を標準的な技法を用いて処方して該活性薬剤の高いバイオアベイラビリティを有する組成物を調製し、体循環において治療レベルを達成する。活性薬剤、活性薬剤およびシクロデキストリンの複合体、またはナノ粒子送達系中の活性薬剤を医薬担体に溶解し、溶液または懸濁液のいずれかとして投与することができる。全てのクラス(α、βおよびγ)のシクロデキストリンおよびそれらの置換形態もしくは誘導体を用いることができ、それらの混合物も同様に用いることができる。活性薬剤のシクロデキストリンとの複合体またはナノ粒子送達系中の活性薬剤を使用するのが好ましい。活性薬剤およびシクロデキストリン、好ましくは、米国特許第4,727,064号および/または欧州特許第0149197号(各々出典明示により本明細書の記載とする)に従って製造されるような2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの複合体を使用するのが特に好ましい。当該化合物をシクロデキストリン複合体またはナノ粒子送達系の一部として使用することにより、高濃度の活性成分を含む非経口および経口液剤ならびに経口固体投与剤形の調製が可能になる。活性薬剤および賦形剤の複合体に適当な担体の例としては、水、生理食塩水、デキストロース溶液、フルクトース溶液、エタノール、または動物、植物もしくは合成起源の油が挙げられる。該担体はまた、他の成分、例えば、保存剤、懸濁化剤、可溶化剤および緩衝剤などを含むことができる。当該化合物をクモ膜下腔内投与する場合、それらまたはそれらのシクロデキストリン複合体もしくはナノ粒子送達系を脳脊髄液に溶解してもよい。
該活性薬剤は好ましくは治療上有効量で投与される。実際に投与される量ならびに投与の速度および時間経過は治療しようとする症状の性質および重篤度に依存するであろう。かくして、活性薬剤の高度に生物が利用可能な複合体を、血中濃度を治療係数に維持するように1日24時間の間数回に分けて投与するのが望ましい。処方された活性薬剤を1日2回〜4回投与するのが好ましく、1日2〜3回投与するのがより好ましい。別法として、経口制御放出法の1つを用いて24時間の間にわたって吸収に利用できる薬物を計量することができ、これにより、1日1回の投与を必要とするだけである。治療の処方、例えば、投与量、タイミングなどの決定は、一般開業医または専門医の責務の範囲内であり、典型的には、治療されるべき障害、個々の患者の状態、送達の部位、投与方法および開業医が知っている他の因子を考慮する。技法およびプロトコールの例はRemington's Pharmaceutical Sciencesにおいて見つけることができる。
活性薬剤の用量は、等価な用量の該活性薬剤またはコンジナーを送達するように、周知の医薬上許容される原理に基づいている。一の実施態様において、活性薬剤はDHEAである。保護されていない化合物、すなわち、ヒトスルホトランスフェラーゼまたはスルファターゼによって硫酸化することができるものは、特にスルファターゼが投与部位で活性がない場合には、過剰用量を投与して十分な活性薬剤が投与されることを確実にすることが好ましい。活性薬剤の用量は1日1回〜4回投与されるであろう。好ましい実施態様において、該用量は1日2回投与され、DHEAである。
本明細書において用いる場合、活性成分に適用している「治療上有効量」および「治療上有効な用量」なる用語は、宿主の治療係数の増加を引き起こす、組成物中の該成分の量または宿主に投与される該成分の量をいう。「治療係数」は、効力、すなわち、潰瘍の軽減または阻害の程度の点から本明細書における目的のために定義され得る。活性成分の適当な用量は周知の方法を用いて決定することができ、例えば、体重減少に対する抵抗性、総体的症状の減少、病態の軽減および疾患の寛解などの障害に関連するマーカーの測定を含む種々の方法が薬科学において知られており、容易に利用可能である。送達される活性薬剤の用量は、正常な内因性DHEA血中濃度よりも高いDHEAまたはDHEA等価物血中濃度を達成するように選択される。DHEAの正常な内因性血中濃度は20ng/ml未満である。したがって、20ng/mlを超えるDHEAまたはDHEA等価物のピーク血中濃度が望ましい。適当な用量は約30ng/ml〜約100mg/mlの範囲、好ましくは、約50ng/ml〜約10mg/ml、より好ましくは、約100ng/ml〜約1mg/mlの範囲、さらにより好ましくは、100ng/ml〜約100μg/mlの範囲、最も好ましくは、約100ng/ml〜約10μg/mlである。
当業者には理解されるように、活性薬剤の医薬組成物の剤形および投与様式によって送達されるべき活性薬剤の用量が決定されるであろう。所望のピーク血中濃度を満たすための適切な用量を決定するのに重要な因子は、医薬組成物中の活性薬剤のバイオアベイラビリティ、すなわち、DHEAまたはDHEA等価物の血中濃度を上昇させるための活性薬剤の利用能である。該バイオアベイラビリティはまた投与様式に依存する。例えば、静脈内にて送達される医薬組成物中の活性薬剤のバイオアベイラビリティは経口的に送達される同医薬組成物についてのものよりも大きい。かくして、経口的に使用される場合よりも低い用量の活性薬剤を含む医薬組成物を静脈内投与することができる。低い水溶解度を有する活性薬剤の経口投与については、該活性薬剤の、溶解を促進するかまたは溶解度を増強する物質との同時処方が該活性薬剤のバイオアベイラビリティを増強させることは十分に認識される。例えば、DHEAまたはDHEA等価物の血中濃度を増加させるために用いられる活性薬剤は、シクロデキストリンと複合体を形成した場合、シクロデキストリンを用いない場合の1000倍を超える高い水溶性である。同様に、同活性薬剤は、表面積が大きい高表面積粒子に吸着させた場合、複合体を形成していない薬剤よりも非常に速く水に溶解し、高いバイオアベイラビリティを有するであろう。これらを考慮して、DHEAの適当な血中濃度は、例えば、シクロデキストリン−DHEA複合体100mgを静脈内投与することにより、または、シクロデキストリン−DHEA複合体600mgを経口投与することにより、または、ナノ粒子送達系中にてDHEA500mgを経口投与することにより達成することができる。
当業者には理解されるように、DHEAコンジナーの医薬組成物の好ましい剤形は意図される投与様式に依存するであろうし、次に、治療される障害の部位および性質に依存するであろう。例えば、送達は、水ベースの経口液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、ゲル剤、パッチ剤、ロゼンジ剤、錠剤またはカプセル剤の剤形であり得る。胃腸管への送達(例えば、胃腸粘膜炎、消化性潰瘍および炎症性腸疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、病型不定型大腸炎、および感染性大腸炎の治療のため)は、経口液剤、ゲル剤、懸濁剤、錠剤およびカプセル剤などの剤形であり得る。
液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤および加圧組成物を調製するには液体担体が用いられる。活性成分を、水、シクロデキストリン、有機溶媒、両者の混合物または医薬上許容される油もしくは脂肪のような医薬上許容される液体担体に溶解または懸濁させることができる。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色料、粘度調整剤、安定剤または浸透圧調整剤のような他の適当な医薬添加剤を含有することができる。経口投与に適当な液体担体の例としては、水(上記のような可溶化剤を部分的に含む)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを包含する)およびそれらの誘導体、油(例えば、落花生油、ゴマ油、オリーブ油およびヤシ油)、ならびにこれらを組み合わせたものが挙げられる。かかる担体および補助剤を含む組成物は周知の慣用的な物質および方法を用いて処方することができる。かかる物質および方法は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
固体担体は、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、滑剤、圧縮助剤、結合剤または錠剤崩壊剤として作用することもある1種類またはそれ以上の物質を含むことができる;カプセル化物質であってもよい。散剤においては、該担体は、微粉活性成分と混合した状態の微粉固体である。該担体および薬剤は、胃腸管における溶解速度を効果的に速める、薬物を表面に吸着させた単一の組成物を形成し得る。散剤および錠剤は、活性成分を99%まで含有することができ、活性成分の即時および/または持続放出のために処方され得る。経口錠剤は、種々の周知の方法を用いて種々の慣用的な剤形で調製され得る。
錠剤においては、活性成分は、必要な圧縮特性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形状および大きさに圧縮される。形態の例としては、乾燥粉末圧縮錠剤、微小粒子系(例えば、活性成分を足場粒子上にスプレー乾燥する)、およびハードまたはソフト−ゲルカプセルが挙げられる。錠剤は、腸溶剤皮で被覆されていてもよく、これは胃の中では無傷のままであるが、一度小腸に達した後は溶解して錠剤の内容物を放出する。別法として、該錠剤は胃摂取を増強して、腸吸収後の肝臓における初回通過効果を回避することができる。目標に依存して多くの商業的に入手可能なコーティング剤を使用することができる。
当該組成物は1種類またはそれ以上の持続または制御放出賦形剤を含んでいてよく、その結果、活性成分のゆっくりとした放出または持続した放出、好ましくは、一定の放出が達成される。広範囲に及ぶ種々の適当な賦形剤は当該技術分野で知られており、本発明の一部ではない。かかる持続/制御放出賦形剤および系は、例えば、米国特許第5,612,053号(Baichwal et al.)、米国特許第5,554,387号(Baichwal)、米国特許第5,512,297号(Baichwal)、米国特許第5,478,574号(Baichwal et al.)および米国特許第5,472,711号(Baichwal et al.)(各々、出典明示により本明細書の記載とする)に記載されている。望ましい場合には、当該医薬組成物は、活性成分のパルス投与を提供するように処方することができる。低または高パルス投与を提供する種々のパルス投与系は、当該技術分野で知られている。本発明の別の実施態様において、医薬組成物は、胃腸管内の特定の解剖部位、例えば、十二指腸、空腸、回腸、盲腸および/または結腸への活性成分の直接的および/または標的化送達を提供するように処方される。哺乳動物宿主内の特定の組織または器官へのタンパク質およびポリペプチドを含む巨大分子の標的化送達を提供する方法は当該技術分野でよく知られている。
(実施例)
以下の実施例を引用して本発明を記載するが、該実施例は例示として提供されるものであり、如何なる場合も本発明を制限するものではない。当該技術分野で周知の標準的な技法または以下に詳細に記載する技法を用いた。
実施例1
口腔粘膜炎の急性放射線照射モデルにおけるDHEAの効果
ハムスターの急性放射線照射モデル(例えば、Sonis et al., 2000を参照)は、抗粘膜炎化合物の予備評価を提供するのに正確で効率的で対費用効果の高い技法であることが立証されている。このモデルにおける粘膜炎の過程は十分に定義されており、放射線照射から約14〜16日後にピーク潰瘍化スコアを生じる。急性モデルは粘膜炎の発生における特異的な機構的要因を研究するために用いられてきた。急性放射線照射モデルにおいて効力を示す分子を、さらに、フラクショネートされた放射線照射、化学療法または併用療法のより複雑なモデルにおいて評価することができる。この実施例では、0日目に40Gyの急性放射線量を投与し、ほぼ14日目に臨床的に有意な粘膜炎が観察された。
動物。雄性ゴールデンシリアンハムスターを、照射前に以下のとおりランダムにかつ先を見越して6つの処置群に分けた:
群1 生理食塩水対照、経口、1日2回;−1日目から27日目まで。
群2 ビヒクル対照、経口、1日2回;−1日目から27日目まで。
群3 DHEA 25mg/kg/日、腹腔内;−1日目から27日目まで。
群4 DHEA 50mg/kg/日、腹腔内;−1日目から27日目まで。
群5 DHEA 250mg/kg/日、経口;−1日目から27日目まで。
群6 DHEA 500mg/kg/日、経口;−1日目から27日目まで。
ハムスターの口腔粘膜に向けて急性放射線量を照射した。試験物質を注射によって(1日1回)または経口投与によって(1日1回または2回)投与した。経口投与は給餌針を用いて行った。照射の前日(−1日目)に投与を開始し、27日目まで続けた。使用した試験物質は、本実施例についてはDHEAおよびシクロデキストリンの複合体を含むインフラブロック(Inflabloc(登録商標))医薬製剤であった。
6日目に開始し、その後2日毎(8日目、10日目、12日目、14日目、16日目、18日目、20日目、22日目、24日目、26日目および28日目)に続け、粘膜炎のスコアリングについて各動物を評価した。
粘膜炎のスコアリング。測定したパラメーターは粘膜炎スコア、体重変化および生存率であった。粘膜炎の評価のために、吸入麻酔薬で動物に麻酔をかけ、左の頬袋(pouch)を裏返した。粘膜炎は、認証された写真スケールと比較して視覚的に、正常の0から重篤な潰瘍化の5までの範囲(臨床的スコアリング)でスコア付けした。
1〜2のスコアは該疾患の軽症段階を表すと考えられ、一方、3〜5のスコアは中等症から重症の粘膜炎を示すと考えられる。視覚的スコアリングの後、標準化された技法を用いて各動物の粘膜の写真を撮った。実験の終わりに、全てのフィルムを現像し、写真にランダムに番号を付けた。少なくとも二人の別個の訓練した観察者が上記スケールを用いて盲検様式で写真を等級分けした(盲検スコアリング)。
プラセボと比較した各薬物処置の粘膜炎に対する効果をこれらのパラメーターに従って評価した:各群のハムスターが重症(スコア3)の粘膜炎にかかっている日数の差および毎日の粘膜炎スコアの順位和差。評価日毎に、各薬物処置群において盲検粘膜炎スコアが3である動物の数を対照群と比較した。差を累積的に分析した。評価日毎に、対照群のスコアをプラセボ群およびビヒクル群のスコアと比較した。
粘膜炎誘発。0日目に単一用量の放射線照射(40Gy/投与)を用いて標準化された急性放射線照射プロトコールを用いて粘膜炎を誘発させた。
結果
体重減少(図5)。25mg/kg/日または50mg/kg/日の腹腔内注射により処置された群はどちらも対照群において観察されたものと厳密に一致した体重増加パターンを示した。250mg/kg/日または500mg/kg/日の経口投与により処置された群はどちらも体重減少のパターンを示さなかった。
粘膜炎(図6)。各群についての日平均粘膜炎スコアを図6A〜6Dに示す。生理食塩水対照動物についての粘膜炎スコアのパターンは急性放射線照射モデルの典型である。25mg/kgの腹腔内投与による処置は生理食塩水対照群において観察されたものと類似の出現した粘膜炎重篤度のパターンを生じ、一方、DHEA 50mg/kgを投与している群についてのスコアは実験全体について生理食塩水対照群におけるものよりも有意に低かった。DHEA 250mg/kgで処置した群は、生理食塩水対照群において観察されたものと類似の出現した粘膜炎重篤度のパターンを生じた。DHEA 500mg/kg/日を投与している経口処置群についての日粘膜炎スコアは生理食塩水対照群におけるものよりも有意に低かった。
実施例2
TNBS誘発性大腸炎モデルにおけるDHEAの効果
この実施例において、低い結腸内濃度のTNBS(10mg)を用いて、胃管栄養法によって1日2回投与した所定の経口投与量でのTNBSモデル(例えば、Boughton-Smith et al., 1988;Morris et al., 1989;Reuter et al., 1996)におけるDHEAの効果を評価した。このTNBSの攻撃投与は、点滴注入から3日後に測定されたように再現性があるが過度に重症の結腸における粘膜損傷を生じることが知られている。この現在の研究において、結腸の巨視的損傷は評価されてきた。DHEAに加えて、抗炎症作用の広いプロフィルを有するデキサメタゾンの単一の毎日低経口投与量の効果もまたこのモデルにおいても評価された。
実験開始前に雄性Wistarラット(220〜300g)をランダムにグループ分けした。0日目に、該ラットにエーテルで一時的に麻酔をかけ、ラット直腸に挿入したソフトプラスチックカテーテルを用いてTNBS(50%エタノール0.25ml中10mg)を結腸内に点滴注入した。該ラットに食餌および飲料水を自由に摂取させて回復させた。実験の終わりに、TNBS投与から72時間後(すなわち3日目の朝)、遠位結腸を解剖し、写真を撮り、次の分析のために適当に貯蔵した。結腸の遠位8cmの巨視的スコアリングを主要な有効性パラメーターとして測定した。さらに、結腸セグメントの重量を浮腫の間接的かつ非特異的なマーカーとして評価し、研究の間毎日、動物の体重を測定した。
TNBS攻撃を用いた研究についての群(n=8〜12)は以下のとおりである:(a)ラット1匹につき0.5mlを1日2回経口投与した生理食塩水対照;(b)DHEA(ラット1匹につき50mgを1日2回);(c)デキサメタゾン(0.3mg/kg、1日1回経口投与);(d)TNBSで攻撃しておらず、薬物処置していない対照(生理食塩水だけを1日2回投与)。TNBS投与の前に48時間DHEAを1日2回経口投与し、0日目にTNBS投与した。1日目および2日目にDHEAを、高いバイオアベイラビリティを提供する固体ビカーボネート組成物として投与した。TNBS投与から72時間後(3日目)に組織を取り出した。このモデルを用いて試験した個々のラットの体重増加に対する効果を図7に示す。最終日の生理食塩水処理動物は平均開始体重の95.6±1.7%であった。同様に、DHEA処置動物はそれらの平均開始体重の95.4±1.1%であった。デキサメタゾン処置群における体重減少は開始体重の84.5±1.3%で有意であった。
巨視的結腸損傷。対照群のラットにおける攻撃から72時間後に測定した結腸損傷の面積は、コンピューターによるアニメトリック測定によって測定した研究された該セグメントの全結腸面積の48±2%(n=9)が関与していた。非攻撃群のラットからの結腸における検出可能な巨視的損傷はなかった。DHEA処置動物における損傷は結腸の31±3%が関与しており、結腸損傷の面積が40%減少した(図8)。TBS誘発性結腸損傷のこの減少は統計学的に有意であった(P<0.001)。デキサメタゾン処置群(経口経路により1日1回0.3mg/kg)において、TNBS攻撃後に巨視的損傷の小さい明らかな減少があり、ダメージは粘膜面積の41±5%(n=8)が関与していたが、ダメージの程度はTNBS対照群とは有意に異ならなかった。
結腸重量。結腸組織における炎症性浮腫の間接的インデックスとして、結腸セグメントの重量を研究の最後に測定した。図9に示すとおり、生理食塩水を投与しており、かつ、TNBSで攻撃した群における結腸重量は、匹敵する組織切片についての攻撃しなかった結腸のものよりも有意に重かった。しかしながら、DHEAでの処置は標準セグメントの結腸重量を有意に(P<0.001)減少させ、デキサメタゾン群においても結腸重量の有意な(P<0.01)減少があった。
DHEA製剤の経口投与は巨視的に評価した結腸ダメージの程度の有意な低下を引き起こし、ダメージの面積を約40%減少させた。
かくして、本発見は、DHEAまたはその誘導体の使用が炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病および他の潰瘍性症状の治療への新規アプローチを提供することを立証している。
本発明の方法および組成物は種々の実施態様の形態に組み込むことができ、そのいくつかが本明細書に記載されているだけであることは明らかであろう。他の実施態様が存在し、本発明の趣旨から逸脱しないことは当業者に明らかであろう。かくして、記載した実施態様は例示的なものであり、これに限定するものと解釈すべきではない。
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図1は正常な皮膚を例示している。 図2は皮膚の潰瘍化を例示している。 図3は正常な腸粘膜を例示している。 図4は潰瘍化した腸を例示している。 図5A〜図5Bは照射後の体重変化に対するDHEAの効果を示すグラフである。 図6A〜図6Dは照射後の粘膜炎の発生に対するDHEAの効果を示すグラフである。 図7は大腸炎モデルにおける体重減少に対するDHEAの効果を示すグラフである。 図8は大腸炎モデルにおける結腸損傷の発生に対するDHEAの効果を示すグラフである。 図9は大腸炎モデルにおける結腸重量変化に対するDHEAの効果を示すグラフである。

Claims (31)

  1. 潰瘍のリスクがあるかまたは潰瘍の治療または予防を必要とする対象体に式I、式IIまたは式IIIで示されるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)コンジナー、DHEAの代謝物およびその医薬上許容される塩からなる群から選択される活性薬剤の、DHEAまたはDHEA等価物の血中濃度を正常な内因性血中濃度よりも高くするのに有効な量を投与することを含み、これにより潰瘍が治療または予防される、潰瘍の治療または予防方法:
    Figure 2006514694
    Figure 2006514694
    Figure 2006514694
    式中、
    XはHまたはハロゲンであり;
    1、R2およびR3は独立して=O、−OH、−SH、H、ハロゲン、医薬上許容されるエステル、医薬上許容されるチオエステル、医薬上許容されるエーテル、医薬上許容されるチオエーテル、医薬上許容される無機エステル、医薬上許容される単糖、二糖もしくは多糖、スピロオキシラン、スピロチラン、−OSO24または−OPOR45であり;
    4およびR5は独立して−OH、医薬上許容されるエステルまたは医薬上許容されるエーテルであり;
    6、R7、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19およびR24は独立してH、−OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであり;
    10はH、−OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであり;
    20
    (1)R21が−C(O)OR25である場合、H、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであるか、または
    (2)R21がH、ハロゲン、OHまたはC1-10アルキルである場合、H、ハロゲン、OHまたはC1-10アルキルであるか、または
    (3)R21がOHである場合、H、ハロゲン、C1-10アルキル、C1-10アルケニル、C1-10アルキニル、ホルミル、C1-10アルカノイルまたはエポキシであるか;または
    20およびR21は一緒になって=Oであり;
    22およびR23は独立して、
    (1)R21がH、OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたは−C(O)OR25である場合、H、−OH、ハロゲン、C1-10アルキルまたはC1-10アルコキシであるか、または
    (2)R20およびR21が一緒になって=Oである場合、H、(C1-10アルキル)nアミノ、(C1-10アルキル)nアミノ−C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ヒドロキシ−C1-10アルキル、C1-10アルコキシ−C1-10アルキル、(ハロゲン)m−C1-10アルキル、C1-10アルカノイル、ホルミル、C1-10カルボアルコキシまたはC1-10アルカノイルオキシであるか;または
    22およびR23は一緒になって=Oであるか、または、それらが結合している炭素と一緒になって、酸素原子0または1個を含有する3〜6員環を形成するか;または
    20およびR22はそれらが結合している炭素と一緒になってエポキシド環を形成し;
    25はH、(ハロゲン)m−C1-10アルキルまたはC1-10アルキルであり;
    nは0、1または2であり;
    mは1、2または3である;
    ただし、
    (a)R6、R7、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R17、R18、R19およびR22がHであり、R16がH、ハロゲン、OHまたはC1-10アルコキシであり、R23がHまたはハロゲンであり、R20およびR21が一緒になって=Oである場合、R10はH、ハロゲンまたはC1-10アルコキシ以外であり;
    (b)R6、R7、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R17、R18、R19およびR22がHであり、R16がH、ハロゲン、OHまたはC1-10アルコキシであり、R23がHまたはハロゲンであり、R20がHであり、R21がH、OHまたはハロゲンである場合、R10はH、ハロゲンまたはC1-10アルコキシ以外である。
  2. DHEAコンジナーが式Iで示される化合物である、請求項1記載の方法。
  3. DHEA代謝物がデヒドロエピアンドロステロンサルフェート、16α−ヒドロキシデヒドロエピアンドロステロン、16α−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,17−ジオン、アンドロスト−4−エン−3,17−ジオン、7α−ヒドロキシアンドロステン−ジオンおよび7α−ヒドロキシテストステロンからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  4. DHEAコンジナーが式IIで示される化合物である、請求項1記載の方法。
  5. DHEAコンジナーが式IIIで示される化合物である、請求項1記載の方法。
  6. 活性薬剤が経口液剤、ゲル剤、懸濁剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤またはカプセル剤の剤形の医薬組成物にて投与される、請求項1記載の方法。
  7. 組成物が、さらに、患者における活性薬剤のより速いまたはより有効な放出のための単一または複数の即時放出型担体化合物または送達系を含有する、請求項6記載の方法。
  8. 組成物が、さらに、患者の胃腸管における活性薬剤の持続放出のための持続放出型担体を含有する、請求項6記載の方法。
  9. DHEAコンジナーがDHEAである、請求項1記載の方法。
  10. 活性薬剤が経口投与される、請求項1記載の方法。
  11. DHEAコンジナーがDHEAである、請求項10記載の方法。
  12. 活性薬剤が固体として投与される、請求項1記載の方法。
  13. DHEAコンジナーがDHEAである、請求項12記載の方法。
  14. 活性薬剤が液剤または懸濁剤として投与される、請求項1記載の方法。
  15. DHEAコンジナーがDHEAである、請求項14記載の方法。
  16. DHEAが、DHEA、ならびにシクロデキストリン、置換シクロデキストリン、誘導体化シクロデキストリンおよびその混合物からなる群から選択されるシクロデキストリンを含む製剤として投与される、請求項15記載の方法。
  17. 活性薬剤が患者に1日に複数回投与される、請求項1記載の方法。
  18. DHEAコンジナーがDHEAである、請求項17記載の方法。
  19. 潰瘍が粘膜炎、口内炎、消化性および胃潰瘍、炎症性腸疾患ならびに皮膚潰瘍または深部静脈潰瘍からなる群から選択される疾患または障害を引き起こす、請求項1記載の方法。
  20. 疾患が炎症性腸疾患である、請求項19記載の方法。
  21. 炎症性腸疾患がクローン病である、請求項20記載の方法。
  22. 炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項20記載の方法。
  23. 炎症性腸疾患が病型不定型大腸炎である、請求項20記載の方法。
  24. 炎症性腸疾患が感染性大腸炎である、請求項20記載の方法。
  25. 疾患または障害が粘膜炎である、請求項19記載の方法。
  26. 疾患または障害が口腔粘膜炎である、請求項19記載の方法。
  27. 血中濃度が約30ng/ml〜約100mg/mlである、請求項1記載の方法。
  28. 血中濃度が約50ng/ml〜約10mg/mlである、請求項1記載の方法。
  29. 血中濃度が約100ng/ml〜約1mg/mlである、請求項1記載の方法。
  30. 血中濃度が約100ng/ml〜約100μg/mlである、請求項1記載の方法。
  31. 血中濃度が約100ng/ml〜約10μg/mlである、請求項1記載の方法。

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