JP2006504500A - プリオン汚染除去 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(i)汚染を除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品を1種以上のプロテアーゼと接触させること、及び任意に(iii)この物品をオートクレーブ処理することを含む、プリオン汚染除去方法に関する。
本発明はさらに、洗浄剤及びプロテアーゼを含有するプリオン汚染除去用キット、並びに洗浄剤及びプロテアーゼを含有するプリオン汚染除去用組成物に関する。

Description

本発明は、プリオン汚染除去に使用される方法及び試薬に関する。本発明は特に外科用器具のプリオン汚染除去に関する。
vCJDを引き起こすプリオン病原体の遺残及び耐性によって、外科手術後の医原性感染の可能性が懸念されている。
プリオン病には、ヒツジのスクレイピー及びウシのBSE並びにヒトのCJDがある。これらは新規な感染性致死性神経変性疾患群である。このプリオンと呼ばれる感染性病原体は、正常な細胞性PrP蛋白質の立体配座異性体から主に或いは単独で構成されている。PrPScと示されるこの配座異性体には、蛋白分解に耐性である、洗浄剤(detergent)に不溶性である、熱安定性が高いなど、異常な特性が幾つかある。プリオンの感染性が従来のオートクレーブ処理耐性であるということは公知であるので、これらの物性は、PrPScが外科用鋼鉄に強く付着するという最近の知見と共に、外科用器具の洗浄及び消毒における問題を提起している。
vCJDには症状発現前の診断検査法がないので、患者の術前検査は不可能である。CJDが疑われている又は確認されている少数の症例では使用済み器具の検疫又は破壊が可能であるが、大半の手順については新たな汚染除去方法が必要である。英国保健省は現在、医原性CJD感染の問題に取り組むために複数の研究プロジェクトを実施中である。
標準的オートクレーブ処理法、及び一部の場合では134℃まで昇温する高温オートクレーブ処理が、プリオン汚染除去のために病院で使用される標準法である。しかし、従来の研究で、オートクレーブ処理条件下でプリオンは破壊されないことがわかっている。明らかに、オートクレーブ処理条件下でプリオンは徐々に蓄積する。さらに、熱処理を行っても死滅しないプリオンは、その汚染除去耐性を強めることができるため、そのような高耐性プリオンが、オートクレーブ処理に繰り返しかけられてもプリオンが破壊されない外科用器具上に蓄積する可能性がある。また、効果の最も高いオートクレーブでも、処理中の物品を熱と蒸気が貫通する程度まで消毒できるだけである。多数の複雑な器具からなる外科セットを扱う際には、熱と蒸気の貫通は簡単ではない。
プリオン汚染除去方法に関するWHOガイドラインは、1M NaOH中に浸漬しながら行うオートクレーブ処理を推奨している。これは極めて危険な方法である。さらに、安全面に加えて、この濃度の苛性アルカリの腐食作用は、オートクレーブ処理で使用される温度及び圧力と組み合わさると、精巧な外科用器具を壊す、或いは少なくとも重大な損傷を与える恐れがある。
オートクレーブ処理前の外科用器具洗浄に現在使用されている市販試薬にはPrPSc汚染に対する作用はほとんどないか全くない。
LpH、LpHse、及びEndozyme Plusを含む方法など、既存の汚染除去方法は、感染性の破壊には限定的にしか使用されていない。
Taylor 1999(Taylor D. M.、Inactivation of prions by physical and chemical means. 1999、J. Hosp. Infect. 43、69-76.)は、プリオン不活化における次亜塩素酸ナトリウム溶液及び2M水酸化ナトリウムの使用を開示している。しかし、この方法には、不活化が完全でないなどの問題がある。さらに、プリオンのオートクレーブ処理耐性が報告されている。
本発明は、従来の技術に関連する問題を克服することを目的とする。
Taylor D. M.、Inactivation of prions by physical and chemical means. 1999、J. Hosp. Infect. 43、69-76.
本発明者らは、プリオン感染価を下げる洗浄剤及び蛋白分解酵素併用処理を開発した。幾つかの実施態様では、約100万分の1に感染価を低減できる。使用される試薬は水溶性で安定かつ低毒性である。これらの使用プロトコールは、オートクレーブ処理に先立つ医療機器の予備洗浄に用いられる機械などの既存のハードウェアに適合する。従って、本発明により、医療機器などの物品のプリオン感染性汚染を除去できる方法及び試薬が得られる。
本発明の方法、特に併用法は、vCJDプリオン不活化などのプリオン不活化に有効である。本方法は、特に金属表面などの表面に用途がある。
本発明の方法及び病院用器具洗浄機への添加用試薬などの組成物は、世界中の病院業務又は滅菌業務提供者に用途があり、医原性CJDをもたらすようなプリオン汚染の可能性を低減する。
本発明の方法は、オートクレーブ処理に加えて及び好ましくはオートクレーブ処理に先立って有利に使用される。
驚くべきことに、vCJDプリオンが他のプリオンに比べて比較的熱不安定性であることが本明細書中で示される。この驚くべき知見により、以下に記載する本発明の方法の増強が可能となる。
理論に拘束されることは望まないが、本発明は、PrPScの化学の具体的な知識を利用している。本発明者らは、SDSなどの洗浄剤で処理(例えば煮沸)することによりPrPScのプロテアーゼ感受性を高められるはずであるという論拠を立てた。次いで、多数のプロテアーゼ及び条件を検討し、本発明の方法を発明するに至った。
一態様においては、本発明により、オートクレーブ処理の破壊作用を増強することによりプリオン汚染除去方法が提供される。この態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品をSDSなどの洗浄剤と接触させること、及び(ii)この物品をオートクレーブ処理することを含む方法が提供される。
別の態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品をプロテアーゼと接触させること、及び任意に(iii)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
別の態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品を第一のプロテアーゼと接触させること、(iii)この物品を第二のプロテアーゼと接触させること、及び任意に(iv)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
好ましくは、上記第一及び第二のプロテアーゼは異なる。物品は、第一及び第二のプロテアーゼに同時に又は順次接触させてよい。好ましくは、物品を第一及び第二のプロテアーゼに順次接触させる。
任意に、さらなるプロテアーゼ処理工程を本発明の方法に組み込んでもよい。従って、他の態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品を第一のプロテアーゼと接触させること、(iii)この物品を第二のプロテアーゼと接触させること、(iv)この物品をさらに1種類以上のプロテアーゼに接触させること、及び任意に(v)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
プロテアーゼ
温度/プロテアーゼ濃度の最適条件
当業者には明らかであるが、プロテアーゼ(1種以上)の濃度が高いほど、破壊度と破壊速度は高くなる。プロテアーゼ濃度と時間の組み合わせは必要に応じて選択できる。これらは通常の試行錯誤によって最適化できる。
本明細書中に提示する実施例には自動洗浄装置での使用に最適な条件が包含されている。さらに、選択された条件は有利なことに低コストである。
プロテアーゼのインキュベーション温度は、使用するプロテアーゼにより異なる。一般に、室温(例えば20℃)から60℃までの温度であればいかなる温度も許容できる。パパインの好適温度は30℃であり、プロテイナーゼKの好適温度は55℃であり、プロナーゼの好適温度は45℃であり、ブロメラインの好適温度は40℃である。温度がある特定のプロテアーゼの最適値から離れるにつれて不活化時間は長くなる。明らかに、このことは、インキュベーション時間を伸ばすかプロテアーゼ濃度を高くすることによって補償できる。温度が60℃を超えると、活性が低下する可能性があり、酵素の不活化が可能となるが、明らかに個々のプロテアーゼ調製物の不活化温度は個々に異なるので、可能であれば常に製造者の使用説明に従うべきである。
プロテアーゼは、洗浄剤が過剰に存在すると悪影響を受ける恐れがある(例えば活性低下又は活性喪失が起こる)。個々のプロテアーゼの特性は個々に異なり、洗浄剤の作用による活性喪失を避けることは当業者の能力の範囲内にある。可能であれば常に製造者の使用説明に従うべきである。プロテアーゼとの接触前及び接触時にプロテアーゼ活性が大きく低下しないように有利に洗浄剤濃度を下げられる。
上記プロテアーゼは、好ましくは、国際生化学・分子生物学連合命名規約委員会(http://www.chem.qmw.ac.uk/iubmb/enzyme/)によって定義されるE.C.3.4.分類に属するプロテアーゼ及びペプチダーゼ酵素からなる群より選択される。
上記プロテアーゼは、プロテアーゼの混合物でもよい。しかし、数種のプロテアーゼに一度に接触させる場合には、個々の活性の低下が起こることがあり、例えば接触時間を長くすることにより活性低下を補償する必要が出る可能性があることに留意すべきである。このことについて以下詳細に考察する。
好ましくは、上記プロテアーゼは、プロテイナーゼK、プロナーゼ、パパイン、又はブロメラインの1種又はそれ以上からなる。
上記プロテアーゼがブロメラインである場合には、好ましくはプロテアーゼ処理工程に洗浄剤は実質的に存在しない。
プロテアーゼ処理工程が2工程以上用いられる場合には、好ましくはこのプロテアーゼの少なくとも1種はプロテイナーゼKである。
プロテアーゼ処理工程が1工程しか用いられない場合には、好ましくは上記プロテアーゼは、プロテイナーゼK、プロナーゼ、又はパパインであり、より好ましくはプロテイナーゼK又はプロナーゼ、さらに好ましくはプロテイナーゼKである。
好ましくは少なくとも2工程のプロテアーゼ処理工程が用いられる。
好ましくは少なくとも1工程の洗浄剤処理工程及び少なくとも2工程のプロテアーゼ処理工程が用いられる。
プロテアーゼは、遺伝子レベル及び/又はペプチドレベル又は化学レベルの操作或いは改変を受けやすい。酵素のペプチダーゼ活性がそのような操作によっても保持されていれば、プロテアーゼの切断、変異、又は適応(例えば上記プロテアーゼ自体をよりプロテアーゼ耐性にすること)が本発明を妨げるものでないことは当業者には明らかである。実際に、プロナーゼは組み換え精製酵素よりも分画プロテアーゼ調製物に似ていることは一般に認められており、プロナーゼの部分分画製品の使用又はプロナーゼからなるペプチダーゼ(1種以上)のクローニング及び組み換え精製画分の使用は本発明に包含される。熱安定プロテアーゼは、既存のプロテアーゼの改変によって得られたものでも好熱生物由来のプロテアーゼのクローニングによって得られたものでも、特に好ましい。
一態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品をプロナーゼと接触させること、及び任意に(iii)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
好ましい態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品をプロテイナーゼKと接触させること、及び任意に(iii)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
好ましい態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品をプロナーゼと接触させること、(iii)この物品をパパインと接触させること、及び任意に(iv)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
好ましい態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品をプロテイナーゼKと接触させること、(iii)この物品をプロナーゼと接触させること、及び任意に(iv)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
好ましい態様においては、本発明により、(i)汚染除去すべき物品を洗浄剤と接触させること、(ii)この物品をプロナーゼと接触させること、(iii)この物品をプロテイナーゼKと接触させること、及び任意に(iv)この物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法が提供される。
順次/同時接触
2種以上のプロテアーゼを使用する場合には、それらのプロテアーゼを単一工程にまとめてもよい。しかし、そのような態様においては、各プロテアーゼが他のプロテアーゼを消化するために、プロテアーゼ活性が低下することがある。従って、最大効果を得るには、本発明の方法における各工程を順次実施すると有利である。また、第二のプロテアーゼ又はそれ以降のプロテアーゼに物品を接触させる前に、第一のプロテアーゼの少なくとも一部は有利に除去される。より好ましくは、第二のプロテアーゼ又はそれ以降のプロテアーゼに物品を接触させる前に、第一のプロテアーゼは実質的にすべて除去される。このことは、複数工程シーケンスにおける各プロテアーゼ処理工程に一様にあてはまる。
洗浄剤がプロテアーゼ(1種以上)を不活化する恐れがあるので、有利性の点では、洗浄剤処理工程(1工程以上)及びプロテアーゼ処理工程(1工程以上)は、一緒にすべきでない。従って、プロテアーゼ活性を最大にするために、物品をプロテアーゼに接触させる前に洗浄剤の少なくとも一部を除去(又は希釈)すると、有利である。好ましくは、洗浄剤処理工程(1工程又はそれ以上)はプロテアーゼ処理工程(1工程又はそれ以上)に先行する。
洗浄剤
上記洗浄剤は、好ましくはイオン性洗浄剤、好ましくはアニオン性洗浄剤、好ましくはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、タウロデオキシコール酸ナトリウム水和物、1−オクタンスルホン酸ナトリウム1水和物、ドデシル硫酸リチウム又はN−ラウロイルサルコシンナトリウム塩のうちの1種又はそれ以上である。好ましくは、上記洗浄剤はSDSである。
洗浄剤は、有効な濃度であればいかなる濃度でも使用できる。有効濃度は、試行錯誤によって簡単に決定及び/又は最適化できる。洗浄剤がSDSである場合には、洗浄剤処理工程による接触に関する洗浄剤の最終濃度は、好ましくは約2%から約6%、好ましくは約3%から約5%、好ましくは約4%、好ましくは4%である。
物品は好適温度であればいかなる温度においても上記洗浄剤と接触可能である。洗浄剤処理工程の最適温度は自由に変更でき、好ましくは70℃以上、好ましくは80℃以上、好ましくは90℃以上、好ましくは100℃以上である。上記温度は、物品の性質により制約を受ける可能性がある。例えば内視鏡などの一部の医療機器は、オートクレーブ処理で使用されるような高温には耐えられない。このような状況では、本発明の方法は有利なことにオートクレーブ条件を必要とせず、温度選択は、汚染除去対象物品の耐性を顧慮して実施者が行うべきである。オートクレーブ条件を使用しない本発明による方法の例は、実施例の項のプロトコールBに見出すことができる。実施例の項のプロトコールBに見出される方法などの本発明による方法は有利なことに、LpH、LpHse、及びEndozyme Plus処理などの従来技術による従来処理を代替することができる。
洗浄剤処理工程のインキュベーション時間は自由に変更でき、好ましくは2分以上である。数時間又は数日或いはそれ以上など、洗浄剤処理工程においてインキュベーション時間の延長は有利なことがある。
オートクレーブ処理
オートクレーブ処理は、適切なオートクレーブサイクルであればいかなるサイクルによっても実施できる。代表的なサイクルとしては、121℃で18分間、又は好ましくは134℃で18分間がある。実施者が自らの特別なニーズに合わせて他のサイクルを選択することもできる。オートクレーブサイクルを有利に延長することもできる。
オートクレーブ処理工程は、本発明の方法の最終工程として有利に実施される。本発明の方法をオートクレーブ処理工程と組み合わせることには、外科用器具などの汚染除去対象物品経由の感染拡大を最小限に抑えるというさらなる利点がある。さらに、このようにオートクレーブ処理と組み合わせることにより有利に有効性が乗算的に高まる。即ち、各方法が感染価を対数で5だけ低減できる場合、これらを組み合わせると感染価は対数で10など、さらに低下し得る。
汚染除去すべき物品
汚染除去すべき物品は、プリオンの不活化又は除去が望ましい物理的アイテムであればどんなものでもよい。この用語には、溶液(1液以上)及び装置又は医療機器(外科用器具を含む)などの物体、特に金属製の物体又はそれらの部品(1つ以上)が包含される。不活化又は除去されるプリオンは、物品中(例えば溶液中又は懸濁物中)に存在していてもよく、或いは物品上に存在(例えば物品表面に結合、付着、又はそれ以外の結びつきを)していてもよい。従って、上記物品は表面を有していてもよい。この表面は、医療機器の表面であってもよい。この表面は、金属を含んでいてもよい。この金属は、外科用鋼鉄などの鋼鉄であってもよい。
汚染除去
汚染除去とは、特定の検体又は環境におけるプリオン価の低減を指す。汚染除去とは、このプリオンが不活化されているかどうかに関わらず表面からのプリオンの除去を指す場合がある。従って、汚染除去には不活化が包含され、また、プリオンが破壊/不活化されるかどうかとは無関係にプリオンを除去することが包含される。汚染除去を行う場合、汚染除去対象表面又は溶液からプリオン感染性が取り除かれることが重要である。このことは、破壊(不活化)又は単純な分離によって行える。重要な点は、汚染除去対象表面又は溶液にプリオン(即ちPrPSc)がもはや結びついていないこと、或いは数及び/又は感染価が低下していることである。明らかに、非感染性のプリオン断片が汚染除去後に依然として表面に付着していたとしても、汚染除去つまりこの表面の汚染除去が成功したという事実には実質的影響はないであろう。
汚染除去は、好適なアッセイであればいかなるアッセイによっても評価できる。好ましくは、このアッセイはウェスタンブロット法又はバイオアッセイである。明らかに、バイオアッセイ及び/又はウェスタンブロット法などのアッセイは感度に限界がある。プリオン価(プリオン数/感染性)が低減されている限り、プリオン汚染除去が起こったと見なされる。
好ましくは、プリオン汚染除去は、100分の1、好ましくは1000分の1、好ましくは10,000分の1、好ましくは100,000分の1、好ましくは1,000,000分の1、又はそれ以上である。好ましくは、プリオンは完全に除去又は不活化される。
アッセイ方法
本発明の方法により達成されるプリオン低減は、好適な手段であれば当業者に公知のいかなる手段によってもモニターできる。プリオン低減の評価を示すため、本明細書中に好適なアッセイ手法の具体例を提示する。
明らかに、ある特定の状況には他の方法よりもある特定の方法が適することがある。例えば、プリオン汚染除去が溶液中で起こっている場合には、ウェスタンブロット法が最も好適であろう。プリオン汚染除去が表面上で起こっている場合には、表面の直接視覚化が最も好適であろう。或いは、表面上で起こっているプリオン汚染除去については、バイオアッセイが最も好適であろう。個々の状況に対し個々のアッセイ法をどう選択するかは、裕に当業者の能力の範囲内のことである。当然のことながら、多くの状況において最も重要な指標は、感染性の喪失/低下である。現在、プリオン感染性はバイオアッセイによって評価されるのが最も普通である。しかし、感染性配座異性体であるPrPScの生化学アッセイは同様に適切である。
好適なモニタリング方法の一例として、イムノブロットアッセイがある。有利なことにこのイムノブロットアッセイは、Wadsworth et al 2001 Lancet vol 358 pp 171-180に記載のアッセイであるか、或いはこれに基づく。
好適なモニタリング方法の一例として、バイオアッセイがある。バイオアッセイ法は一般に、アッセイ対象である個々のプリオン種に適合するように調整されている。好適なバイオアッセイ法の選択は有利なことに、アッセイ対象であるプリオン種に基づく。
キット
本発明はまた、汚染除去に使用するキットに関する。従って、本発明により、洗浄剤並びにプロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼ、及びブロメラインからなる群より選択されるプロテアーゼを含むキットが提供される。好ましくは、このキットは、2種類以上のプロテアーゼを含む。好ましくは、このキット中の洗浄剤はSDSである。
組成物
本発明はまた、汚染除去に使用するための組成物に関する。一態様においては、本発明により、イオン性洗浄剤並びにプロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼ、及びブロメラインからなる群より選択される1種以上のプロテアーゼを含む組成物が提供される。好ましい態様においては、この組成物はこのようなプロテアーゼを2種以上含む。より好ましい態様においては、この組成物の洗浄剤はSDSである。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の範囲はこれらには限定されない。実施例においては以下の図を参照する。
洗浄剤及びプロテアーゼ併用処理
プリオン感染価を100万分の1に低減させる洗浄剤及び蛋白分解酵素併用処理について説明する。
この推定値は、使用される特殊なウェスタンブロットプロトコール(Wadsworth et al Lancet 2001)(これは好ましいアッセイ法である)に関して過去に定量されている検出限界に基づいている。
このアッセイ法を用いて、PK消化後の5nlの10%(w/v)脳ホモジネートの検出が可能であることが確認された。図1において、3レーンは各々、10mlの10%(w/v)脳ホモジネートから得たリンタングステン酸ナトリウム沈殿ペレットである。プロトコールAによる処置後このPrP即ち約5nl当量がやっと目に見えることがわかる。このホモジネートは最初10,000,000nl当量を含有していたので、破壊度は約100万分の1である。
使用試薬は水溶性で安定かつ低毒性である。試薬使用プロトコールは、例えば病院の汚染除去部門で器具の予備洗浄及びオートクレーブ処理のために使用されるような既存のハードウェアに適合している。従って、本発明により、外科用器具のプリオン感染性汚染除去が可能である。本発明の方法は、既存の機械類を用いて有利に実施できる。
水性検体中のPrPScの破壊
この実施例では、洗浄剤の存在下で物品を2種類の蛋白分解酵素(プロテイナーゼK及びプロナーゼ、又はプロナーゼ及びパパイン)に順次曝露することにより感染性物質であるPrPScを水性懸濁物中で不活化できる方法について説明する(この実施例では、この物品とは被感染脳組織である)。
不活化度(この実施例では不活化は破壊と相関する)は、ウェスタンブロットの免疫検出結果から推定できる。
組織検体の調製
脳組織を18ゲージ、21ゲージ、及び23ゲージの注射針に通すことにより、vCJDに感染したヒト前頭皮質の脳をPBS−ダルベッコ培地(GIBCO-BRL 14190-094)中にホモジナイズして20%(w/v)にした。ホモジネートをPBSで希釈して15%(w/v)にし、少量のアリコートとして−70℃で冷凍保存した。
プロトコールA:プロテイナーゼK及びプロナーゼを用いる、vCJD脳ホモジネート由来PrP Sc の3段階破壊
(a)洗浄剤による処理:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)。15%ホモジネートのアリコート20μlを、スクリューキャップ付きエッペンドルフ試験管に量り取り、5μlの20% SDSを加えて最終濃度を4% SDSとした。この混合物を15分、99−100℃で加熱した後、室温まで冷却した。40℃までの冷却であれば同様に許容されるであろう。
(b)第一のプロテアーゼによる処理:プロテイナーゼK(PK)。40μg/mlのPK溶液を二回蒸留水で調製した。この酵素溶液のアリコート5μlを、上記手順(a)で作製した洗浄剤処理したホモジネート溶液25μl溶液に加えた。即ち、プロテイナーゼKの最終濃度は6.6ug/mlである。この混合物を40℃で30分間インキュベートした。
(c)第二のプロテアーゼによる処理:プロナーゼ。2mg/mlプロナーゼの0.1M TRIS/HCl pH7.5溶液を調製した。この酵素溶液のアリコート0.5μlを、順次上記手順(a)及び(b)を用いて作製した、SDS処理及びPK処理したホモジネートの30μl溶液に加えた。即ち、プロナーゼの最終濃度は33ug/mlである。この混合物を40℃で30分間インキュベートした。
プロトコールB:プロナーゼ及びパパインを用いるvCJD脳ホモジネート由来のPrP Sc の3段階破壊
(a)洗浄剤による処理:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)。15%ホモジネートのアリコート20μlをスクリューキャップ付きエッペンドルフ試験管に量り取り、5μlの20% SDSを加えて最終濃度を4% SDSにした。この混合物を15分間99−100℃で加熱した。次いで室温と40℃の間の温度まで冷却した後に次の工程に進んだ。
(b)第一のプロテアーゼによる処理:プロナーゼ。0.5mg/mlプロナーゼの0.1M TRIS/HCl pH7.5溶液を調製した。この酵素溶液のアリコート5μlを、上記手順(a)によって作製した洗浄剤処理したホモジネートの溶液25μlに加えた。即ち、プロナーゼの最終濃度は83ug/mlである。この混合物を40℃で30分間インキュベートした。
(c)第二のプロテアーゼによる処理:パパイン。0.4mg/mlパパインの0.1M TRIS/HCl pH6.0溶液を調製した。この酵素溶液のアリコート0.5ulを、順次上記手順(a)及び(b)により調製したSDS処置及びプロナーゼ処理したホモジネートの30μl溶液に加えた。パパインの最終濃度は6.5ug/mlである。この混合物を40℃で30分間インキュベートした。
ウェスタンブロットによるPrP Sc の検出
上記SDS/PK/プロナーゼ(プロトコールA)及びSDS/プロナーゼ/パパイン(プロトコールB)処理から得た材料をウェスタンブロット分析に出した(図2を参照)。検体中の残存PrPScをすべて検出するため、ICSM18抗体及びICSM35抗体を用いてブロットを視覚化した。どちらの抗体を用いてもPrPScは検出できなかった。
上記の各種酵素処理を行った後、検体をSDS−PAGEにかけ、ウェスタンブロット法及びICSM35抗体による検出を行って視覚化した。第一レーン(レーン1−未処理物質)は未処理物質のコントロール検体である。
第二レーンは、100℃で15分間、4%(w/v)SDSのみで処理されている(レーン2−4% SDS、100℃、15分間)。
第三レーンは、SDS及びパパイン処理、(レーン3−4%SDS & パパイン:プロトコールBの工程1及び工程3に相当する2工程)である。
第四レーンは、SDS、プロナーゼの後パパインという組み合わせである(レーン4−プロトコールB即ち3工程)。
第五レーンは、SDSの後PKのみである(レーン5−時間、濃度、及び温度は、プロトコールAの工程1及び2と同様である)。
第六レーンは、SDS及び順次PKの後プロナーゼである(レーン6−プロトコールA)。
第七レーンは、SDS及び順次プロナーゼ後PKである(レーン7−プロトコールAであるが、工程2及び3が逆)。
最後の第八レーンは、SDS及びプロナーゼのみである(レーン8−プロトコールBの工程1及び2のみ)。
ICSM18をウェスタンブロットの視覚化に用いても、同様の結果が観察される。
図2の説明に関する注:バンドはすべてPrPである。コントロールレーンには総PrP、即ちPrP及びPrPScの両方が含まれている。これらは機能によって定義されるので、どれがPrPScであるのか帰納的に定義することはできない。しかし、いかなるPrPも存在しない場合、本発明者らは、PrPScは存在しないと言える。図2を調べると、本発明の方法が有意なプリオン汚染除去をもたらすことは明らかである。例えば、プロトコールB(レーン4)では、免疫反応性バンドが一部残っている。これらはPrP(PrPScである可能性が最も高い)である。しかし、その濃度が出発原料から激減しているので、本発明によるプリオン汚染除去が有意であることを示していることは明白である。
外科用鋼鉄上におけるプリオン感染性の無効化
この実施例は、表面上におけるプリオン感染性の無効化への本発明の方法の応用(この実施例では、表面とは外科用鋼鉄である)であり、従って外科用器具の汚染除去への適用可能性について示すものである。依然として、本発明の方法は、病院の汚染除去部門で行われる予備洗浄手順において有利に実施可能である。残存感染性のバイオアッセイを行うために、この外科用鋼鉄の小型試料をトランスジェニックマウスに移植する。
この実験は、酵素処理によって得られる消毒の有効性を既存の処理方法と比較して示すことを目的としていた。5mm×0.15mmの鋼鉄製ワイヤを30分間、Rocky Mountain Laboratories(RML)スクレイピーの末期症状状態であるCD1マウスの脳から調製した20%ホモジネートと共にインキュベートした。次いでこれらのワイヤを洗浄せずに乾燥し、Tg20/ZH1トランスジェニックマウス(正常プリオン蛋白PrPを過剰発現するよう予め交配しておいた)の脳に挿入した。
挿入前にワイヤを、無消毒(ポジティブコントロール群)、90分間室温で既存の消毒用化合物(LpH、LpHse、Endozyme Plus)と共にインキュベート、オートクレーブ処理、或いは酵素処理(オートクレーブ処理有り又は無し)のいずれかで処理した。
上記酵素処理は、99−100℃にて4%SDS中で15分間加熱後、40℃まで冷却し、次いでプロナーゼ添加後パパインを添加する工程を含んでいた。
各酵素インキュベーションは、40℃で30分間行った。(即ちプロトコールB)。(プロトコールA(SDS、PK、プロナーゼ)も外科用器具の汚染除去に好適である−実施例4(‘汚染除去2')を参照。)
次いで上記ワイヤをPBSで短時間洗浄した。ネガティブコントロール群は、RMLホモジネートと共にインキュベートしていないワイヤを挿入することに より作製した。
ワイヤをインキュベートしたRMLホモジネートの感染性(即ち臨床的疾患誘発能)を確認するため、1%希釈物を含む各種希釈物を各々30μlずつさらなるマウス群の脳内に接種した。これにより、使用したホモジネートが感染性であることが確認された。これら各種希釈物を比較することにより、必要に応じてホモジネートの感染価を定量できる。
正常脳(20%ホモジネートの対照である)に鋼鉄を曝露することの影響を検定するため、1群のマウスに、末期症状CD1マウスの脳に30分間浸漬しておいたワイヤを挿入した。これらのワイヤをリン酸緩衝生理食塩水−ダルベッコ培地(PBS)で短時間すすいでから乾燥させた後、挿入した。
詳細な実験手順
材料
プロナーゼ(SIGMA CODE P5147;1.16mg/ml、0.1M TRIS/HCl pH7.5溶液)
パパイン(SIGMA CODE P3375;0.21mg/ml、0.1M TRIS/HCl pH6.0溶液)
非感染ワイヤの移植
G26注射針をガイドとして用いて、Tg20マウスの脳内に未処理のワイヤ小片を1本ずつ手で移植した。
(A群)
浸漬及び浸漬したワイヤの移植
ワイヤ小片(5mm)10本をRML感染CD1マウスの脳内(ブレグマの右側)に30分間一時的に挿入した。容量50mlのFALCON試験管を用いて50mlのPBSダルベッコ培地(GIBCO-BRL 14190-094)中で“浸漬”ワイヤ小片を短時間すすぎ、ペトリ皿上で室温で30分間乾燥させた。G26注射針をガイドとして用いて、マウス6匹の各脳に小片を1本ずつ手で移植した。残りのワイヤ小片4本はこの実施例ではそれ以上使用しなかった。
(B群)
20%(w/v)RML脳ホモジネートの調製
PBSダルベッコ培地(GIBCO-BRL 14190-094)中の脳ホモジネート(20%(w/v))を、18ゲージ、21ゲージ及び23ゲージ注射針に通すことにより調製した。浸漬に用いたRML感染CD1マウスの脳(湿重量:400mg)を1mlのPBS中でホモジナイズした。PBSで検体の最終容量を2mlにした。このホモジネート全体を 20%(w/v)(遠心分離工程無し)と呼び、直ちに次の工程に使用した。アリコートを−20℃で冷凍した。
ワイヤの20%(w/v)RML脳ホモジネートへの曝露
各々20本のワイヤ小片からなる各群を、調製したての20%(w/v)RML脳ホモジネート(0.1ml)に1.5mlセーフロック付きエッペンドルフ試験管中で曝露し、撹拌しながら30分間22℃でインキュベートした。インキュベート後、脳ホモジネートをピペットで採取し、曝露済みワイヤをペトリ皿にそのまま移した。室温で30分間ワイヤを乾燥させた。G26注射針をガイドとして用いることにより、各マウスの脳に小片を1本ずつ手で移植した。
(C群)
汚染除去のための処理
LpH、LpHse及びEndozyme Plusによる処理
LPH/LPHse(英国、RG22 4AX、ハンツ、ベージングストーク、バイアブルズ、ジェイズクロース、ステリスハウス、ステリス社製)、Endozyme Plus(米国、NY 11501、ミネオラ:サガモアアベニュー393、ルホフコーポレーション社製)。LPH及びLPHseは、汚染に曝される恐れのある作業台及び同様の表面の消毒用として設計された自社開発化合物である。Endozyme Plusは、医療機器の消毒用として市販されている。
脳ホモジネートに(上記の通り)曝露したワイヤ小片20本から各々なる3群を、0.2mlの溶液(LpH、LpHse、又はEndozyme Plus;各々、濃度は二回蒸留水中10%(v/v))を入れたエッペンドルフ試験管に移した。これらを室温で90分間インキュベートした。(各溶液は、二回蒸留水1.35mlに対して原液0.15mlを加えることにより、使用前に調製した。)ワイヤを50ml及び25mlのPBSを用いて短時間すすいだ。LpH(D群)。
LpHse(E群)。
Endozyme Plus(F群)。
オートクレーブ処理
脳ホモジネートに曝露したワイヤ小片20本(3を参照)を、密封したオートクレーブ処理袋に入れて蓋無しオートクレーブトレイ上にて121℃で20分間、及び134℃で30分間それぞれオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理済みワイヤ小片をTg20マウスの脳内に移植した(各マウス1本ずつ)。
121℃(G群)。
134℃(H群)。
酵素処理のみ又は酵素処理後オートクレーブ処理
脳ホモジネートに曝露したワイヤ小片20本(3を参照)を、4%(w/v)SDSを含む二回蒸留水溶液を入れたエッペンドルフ試験管に移し、100℃で15分間煮沸した。エッペンドルフ試験管を4%のSDS存在下で40℃まで冷却し、ピペットで液体を除去した。プロナーゼ溶液(1.16mg/ml)100μlを同じエッペンドルフ試験管に加え、40℃で30分間インキュベートした。溶液を除去し、パパイン溶液(0.21mg/ml)100μlを同じエッペンドルフ試験管に加え、さらに40℃で30分間インキュベートした。50ml及び25mlのPBSでワイヤを短時間すすいだ。1群の処理ワイヤを、Tg20マウスの脳に1片ずつ永久移植して感染性を分析した。
(I群)
2群の上記処理ワイヤを、4.1.に記載した通りに、検体と平行してオートクレーブ処理にかけ、その後各Tg20トランスジェニックマウスの脳内に1片ずつ移植した。
酵素処理及び121℃20分(J群)。
酵素処理及び134℃20分(K群)。
表1に結果を示す(図3を参照:‘汚染除去1')。図7で結果の経時変化を見ることができる(‘汚染除去1')。
以上により、本発明の方法が有意なプリオン汚染除去をもたらすことが示される。
外科用鋼鉄上におけるプリオン感染性の無効化
この実施例は、表面上におけるプリオン感染性の無効化への本発明の方法の応用である(この実施例では、表面は外科用鋼鉄である)ので、外科用器具の汚染除去への応用性を示すものである。この場合もまた、本発明の方法は病院の汚染除去部門で行われる予備洗浄手順において有利に実施可能である。残存感染性のバイオアッセイを行うために、この外科用鋼鉄の小試料をトランスジェニックマウスに移植する。
この実験は、酵素処理による消毒の有効性を既存の処理方法と比較して示すことを目的としていた。5mm×0.15mmの鋼鉄製ワイヤを30分間、Rocky Mountain Laboratories(RML)スクレイピーの末期症状状態であるCD1マウスの脳から調製した10%ホモジネートと共にインキュベートした。次いでゆるく付着している組織片を除去するために上記ワイヤをボルテックスミキサー上で500ulのPBS中にて短時間洗浄してから乾燥させ、Tg20/ZH1トランスジェニックマウス(正常プリオン蛋白PrPを過剰発現するように予め交配しておいた)の脳内に挿入した。
挿入前にワイヤを、無消毒(ポジティブコントロール群‘被感染ワイヤ、滅菌無し')、134℃でオートクレーブ処理、又は本実施例に記載の本発明に従う酵素処理のいずれかで処理した。個々の処理を図5に示す(表2)。
酵素処理は、実施例2のプロトコールA(SDS、PK、プロナーゼ)により行った;ワイヤを99−100℃で4%のSDS中にて15分間インキュベートし、40℃まで冷却後、プロテイナーゼKを添加し、次いでプロナーゼを添加した。各酵素インキュベートは40℃で30分間行った。
次いでワイヤを乾燥させた。ネガティブコントロール群は、RMLホモジネートと共にインキュベートしなかったワイヤを挿入することにより作製した。
ワイヤを入れてインキュベートしたRMLホモジネートの感染性を測定するために、さらなるマウス群に30ulの1%希釈物を脳内接種した。これにより、使用したホモジネートが感染性であることが確認された。
詳細な実験手順
材料
プロテイナーゼK(MERCK CODE 390973P; 0.00625mg/ml 0.1M TRIS/HCl pH7.6溶液)。
プロナーゼ(SIGMA CODE P5147; 0.0336mg/ml 0.1M TRIS/HCl pH7.6溶液)
ワイヤの移植
G26注射針をガイドとして用いてTg20マウスの脳に被処理/未処理のワイヤ小片を1本ずつ手で移植した。
10%(w/v)RML脳ホモジネートの調製
脳ホモジネート(10%(w/v))を基本的に上記の通り調製した。即ち、順次孔径の小さい注射針(18ゲージ、21ゲージ、及び23ゲージ注射針)に脳を通すことによりPBS中で調製した。アリコートを−70℃で冷凍した。
他の手順は上記の通りであった。
各群の被処理ワイヤをそれぞれ指標マウスの脳に移植し、匹数を数えた。結果を図5(表2)に示す。
このアッセイの経時変化を図6のグラフに示す(‘汚染除去2')。
見てわかる通り、非感染ワイヤからの発病はなかった。脳内感染物質からは100%発病し、未処理の被感染ワイヤ小片も同様であった。
病院における標準的プリオン汚染除去処理である高温オートクレーブ処理も100%発病するに至った。
最後に、本発明による処理では、18匹のうち1匹のみ発病するに至った。このレベルでは、この群のこの発病マウスは単回感染用量に曝露したにすぎないと考えられた。
従って、本発明に従って実施される物品のプリオン汚染除去が感染性を極めて効果的に低減するに至ることがわかる。この低減は、プリオンがないと実質的に見なせる程度までの低減である。
上記詳細な説明の中で言及した全刊行物を本明細書中に参考として援用する。本発明の範囲及び精神から逸脱せずに上記本発明の方法及び組成物の様々な改変及び変更が行えることは当業者には明らかである。本発明は特定の好ましい実施態様と共に記載されているが、請求項に記載された本発明は、このような特定の実施態様に不当に限定されるべきでないことが理解されるべきである。それどころか、生化学及びバイオテクノロジー又は関連分野の当業者にとって自明な、本発明を実施するための上記態様の様々な変更は以下の請求項の範囲内であるものとする。
図1はウェスタンブロットの結果である。 図2はウェスタンブロットの結果である。 図3は表である。 図4は実験計画表である。 図5は表である。 図6はグラフである。 図7はグラフである。

Claims (23)

  1. (i)物品を洗浄剤と接触させること、(ii)該物品をプロテアーゼと接触させること、及び任意に(iii)該物品をオートクレーブ処理することを含む、物品のプリオン汚染除去方法。
  2. 前記プロテアーゼが、国際生化学・分子生物学連合命名規約委員会が定義するE.C.3.4.分類に属するプロテアーゼ及びペプチダーゼ酵素からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プロテアーゼが、プロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼ、及びブロメラインからなる群より選択される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記プロテアーゼがプロナーゼである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記プロテアーゼがプロテイナーゼKである、請求項3に記載の方法。
  6. (i)汚染除去すべき物品を洗浄剤に接触させること、(ii)該物品を第一のプロテアーゼと接触させること、(iii)該物品を第二のプロテアーゼと接触させること、及び任意に(iv)該物品をオートクレーブ処理することを含むプリオン汚染除去方法。
  7. 前記第一のプロテアーゼ及び第二のプロテアーゼが、プロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼ、及びブロメラインからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第一のプロテアーゼがプロナーゼであり、かつ前記第二のプロテアーゼがパパインである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第一のプロテアーゼがプロテイナーゼKであり、かつ前記第二のプロテアーゼがプロナーゼである、請求項7に記載の方法。
  10. 前記第一のプロテアーゼがプロナーゼであり、かつ前記第二のプロテアーゼがプロテイナーゼKである、請求項7に記載の方法。
  11. 前記洗浄剤がイオン性洗浄剤である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記洗浄剤がアニオン性洗浄剤である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記洗浄剤がSDSである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記物品が表面を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記表面が医療機器の表面である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記表面が金属である、請求項14又は請求項15に記載の方法。
  17. 前記金属が鋼鉄である、請求項16に記載の方法。
  18. 洗浄剤並びにプロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼ、及びブロメラインからなる群より選択されるプロテアーゼを含有するキット。
  19. 前記プロテアーゼを2種類以上含有する、請求項18に記載のキット。
  20. 前記洗浄剤がSDSである、請求項18又は19に記載のキット。
  21. イオン性洗浄剤並びにプロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼ、及びブロメラインからなる群より選択される1種類以上のプロテアーゼを含有する組成物。
  22. 前記プロテアーゼを2種類以上含有する、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記洗浄剤がSDSである、請求項21又は22に記載の組成物。
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