JP2006501484A - ナノスケール磁気顕微鏡用のナノチューブカンチレバープローブ - Google Patents
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Abstract
本発明は、単一陽子および単一電子スピンを検出することができる微小寸法プローブを備えるMFMまたはMRFM分析装置を提供する。本発明はさらに、およそ1ナノメートルの大きさの磁気構造を検出することができる微小寸法プローブを備えるMFMまたはMRFM装置を提供する。本発明は特に、MFMまたはMRFM装置用の微小寸法プローブを提供し、微小寸法プローブは、ナノスケールの強磁性体材料を含むCNTカンチレバーを備える。CNTカンチレバーは、顕微鏡プローブの構成要素として電極に取り付けられることができ、顕微鏡プローブは、ナノスケールMFMまたはMRFM微小寸法プローブ装置の構成要素として電気回路と結合される。プローブと電気回路とを備えるこの装置は、電気的読み出しに対応した既存の走査型プローブ顕微鏡(SPM)装置に組み込むことができる。
Description
[発明の分野]
本発明は、磁気力顕微鏡および磁気共鳴力顕微鏡用の微小次元解析用プローブに関する。本発明は特に、磁気力顕微鏡または磁気共鳴力顕微鏡における電磁気解析用プローブとして機能する、所定の形態を有するカーボンナノチューブ(CNTs)等、圧電特性を有するナノスケール材料に関する。
本発明は、磁気力顕微鏡および磁気共鳴力顕微鏡用の微小次元解析用プローブに関する。本発明は特に、磁気力顕微鏡または磁気共鳴力顕微鏡における電磁気解析用プローブとして機能する、所定の形態を有するカーボンナノチューブ(CNTs)等、圧電特性を有するナノスケール材料に関する。
[政府支援]
本発明は、国立科学財団認可番号0210533の部分援助によりなされたものである。米国政府は本発明の一定の権利を有する。
本発明は、国立科学財団認可番号0210533の部分援助によりなされたものである。米国政府は本発明の一定の権利を有する。
[発明の背景]
磁気力顕微鏡(本明細書中の以下ではMFMと称する)および磁気共鳴力顕微鏡(本明細書中の以下ではMRFMと称する)は、磁気構造および表面のミクロンスケールの画像を提供する。MFMでは、強磁性先端を有するカンチレバーは試料表面に近接し、先端と試料との間の力が検出される。先端は表面を走査して試料の磁区構造を明らかにする。MFMの典型的な応用例としては磁気ディスクドライブ等のデータ保存技術が挙げられる。MRFMは、潜在的にMFMよりかなり高感度であり、半導体量子ドット(例えば、量子計算のため)および細胞、タンパク質、DNA等の生物試料等の小さい構造のナノスケールの三次元(3D)画像を提供できる。
磁気力顕微鏡(本明細書中の以下ではMFMと称する)および磁気共鳴力顕微鏡(本明細書中の以下ではMRFMと称する)は、磁気構造および表面のミクロンスケールの画像を提供する。MFMでは、強磁性先端を有するカンチレバーは試料表面に近接し、先端と試料との間の力が検出される。先端は表面を走査して試料の磁区構造を明らかにする。MFMの典型的な応用例としては磁気ディスクドライブ等のデータ保存技術が挙げられる。MRFMは、潜在的にMFMよりかなり高感度であり、半導体量子ドット(例えば、量子計算のため)および細胞、タンパク質、DNA等の生物試料等の小さい構造のナノスケールの三次元(3D)画像を提供できる。
MRFMは核磁気共鳴イメージング(MRI)および原子間力顕微鏡(AFM)を複合したものである。核磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)は顕微鏡画像装置であり、永久磁石とスピン磁化との間の力を測定し、機械的に磁気共鳴シグナルを検出する。従来のMRIは、例えば筋肉組織の画像を、組織中の原子の磁気スピンが無線周波数(RF)磁界により励起されたときコイルインダクター内で誘導される電圧の変化を測定することで形成することができる。RF磁界はスピンの固有周波数または「共鳴」周波数で駆動され、スピンを強い静磁界内で回転または歳差運動させる。人体MRI研究の場合、スピンは体内の脂肪および水中の水素(人体の約2/3は水素である)原子核(プロトン)スピンである。画像は、傾斜または空間的に変化する静磁界を用いるとき形成され、その時々で試料の極薄片部のみがRF磁界と共鳴状態になる。この薄片部の位置は、しばしば制御下に変化され、共鳴スピン磁区(MRI像)の位置検知型測定を可能にする。したがってMRIは、電磁スペクトルの無線周波数範囲のエネルギーの吸収および放出に基づいている。MRIの空間分解能は約0.1ミリメートル(mm)またはそれよりわずかに小さい(実験室内の非市販品NMR顕微鏡にて10μmの分解能が達成されている)。
AFMは、走査型トンネル顕微鏡(STM)の後に創られたものである。AFMは、材料表面上の個々の原子と追従カンチレバー先端(通常はシリコンまた窒化珪素からできている)との間の原子スケールの反発力を測定することにより、その原子自体を画像化する能力を有する。研究対象の表面に極めて接近させると(約1ナノメートル)、表面と先端との間の相互作用力がカンチレバーを撓ませるか曲げる。次にこの撓みを、通常はカンチレバーの背面からフォトダイオード検出器に向けてレーザビームを反射させることにより、測定する。AFMは、オングストロームスケール(10−10m)まで正確に構造を画像化することができ、これはMRIの約100万分の1の精度である。
MFMおよびMRFM装置はいずれも、通常は、AFMカンチレバーの末端に取り付けられる小さい強磁性体を備える。この強磁性体は不均一な磁界(勾配磁界)を発生し、それにより強磁性体の磁界がカンチレバーから離れるにつれて急激に小さくなる。磁気モーメントMは、勾配磁界(δB/δr)に曝されると、モーメントと勾配の積に等しい力F(F=MδB/δr)を受ける。関連の磁性先端を有するAFMカンチレバーが、複数の磁気モーメント(スピン)を含む標本材料の表面付近に配置されると、これらのスピンが磁気勾配δB/δrを受け、したがって力Fを受ける可能性がある。これにより、カンチレバーは等しいが逆向きの力を受けて撓む。したがってカンチレバーは、標本表面において、またMRFMの場合は標本表面の下でも、磁気スピンの存在を感知する。
MFMまたはMRFM装置において、カンチレバーと標本との相対位置は変化され、すなわち走査されて、カンチレバーが受ける力Fの空間マップを生成することができ、これは標本に内在する磁気スピン構造の空間マップとなる。標本表面の地形図を提供するAFM装置に特有の横方向および垂直方向の走査に加えて、MRFM装置は、さらに垂直方向の走査情報を提供し、これにより、MRIと同等な表面下能力(sub-surface capability)を有するがAFMスケールの分解能を有する標本の三次元イメージングが行われる。
MFM装置およびMRFM装置両方の最終的な空間分解能および磁気モーメント分解能は、磁界勾配δB/δrの大きさ、カンチレバーの機械的限界、およびカンチレバー移動検出器の感度によって決まる。カンチレバーの物理的寸法が小さいほど、細胞、タンパク質、およびDNA等のより小さい粒子の画像化を可能にするのに極めて望ましい。しかしながら、現在の技術水準の検出方式は、カンチレバーに向けられてカンチレバーの背面から光検出器または干渉計に向けて反射するレーザ光を用いる。カンチレバーのサイズが小さくなると、特にカンチレバーの寸法が検出器ビームの光の波長に近づくかまたはそれよりも小さくなる場合、光検出がますます困難になる。ミクロスケールのカンチレバーの使用は、目下10,000〜100,000スピンレベルである現在の装置のMFM分解能、特にMRFM分解能を制限する主要因子である。したがって、単一のプロトンおよび単一の電子スピンを検出することが可能な微小寸法プローブは、現在のカンチレバーを用いる限り不可能である。
[発明の概要]
本発明は、単一のプロトンおよび単一の電子スピンを検出することが可能な微小寸法プローブを備える、MFMまたはMRFM解析装置を提供する。さらに、本発明は、約1ナノメートルのサイズの磁気構造を検出することが可能な微小寸法プローブを備える、MFMまたはMRFM装置を提供する。さらに、本発明は、MFMまたはMRFM装置用の微小寸法カンチレバー圧電プローブを提供する。特に、本発明は、ナノスケールの強磁性材料、すなわち「ナノ磁性体」を含むカーボンナノチューブ(本明細書の以下ではCNTカンチレバーと称する)から成るカンチレバーを備える、MFMまたはMRFM装置用の微小寸法プローブを提供する。CNTカンチレバーは、微小プローブの構成要素として電極に取り付けることができ、電極は、ナノスケールMFMまたはMRFM微小寸法プローブのデバイスの構成要素として電気回路と結合される。プローブおよび電気回路を備えるこのデバイスは、電気的に読み出しを行うようになっている既存の走査型プローブ顕微鏡(本明細書中の以下ではSPMと称する)装置に組み込んでもよい。
本発明は、単一のプロトンおよび単一の電子スピンを検出することが可能な微小寸法プローブを備える、MFMまたはMRFM解析装置を提供する。さらに、本発明は、約1ナノメートルのサイズの磁気構造を検出することが可能な微小寸法プローブを備える、MFMまたはMRFM装置を提供する。さらに、本発明は、MFMまたはMRFM装置用の微小寸法カンチレバー圧電プローブを提供する。特に、本発明は、ナノスケールの強磁性材料、すなわち「ナノ磁性体」を含むカーボンナノチューブ(本明細書の以下ではCNTカンチレバーと称する)から成るカンチレバーを備える、MFMまたはMRFM装置用の微小寸法プローブを提供する。CNTカンチレバーは、微小プローブの構成要素として電極に取り付けることができ、電極は、ナノスケールMFMまたはMRFM微小寸法プローブのデバイスの構成要素として電気回路と結合される。プローブおよび電気回路を備えるこのデバイスは、電気的に読み出しを行うようになっている既存の走査型プローブ顕微鏡(本明細書中の以下ではSPMと称する)装置に組み込んでもよい。
カーボンナノチューブ(本明細書中の以下ではCNTsと称する)は、圧電特性を有するという点で重要な利点を提供する。圧電特性により、CNTから成るカンチレバーの移動を内部で検出する手段が得られる。内部検出方法により、カンチレバーからフォトダイオード検出器に向けた反射等、外部検出方法が必要なくなる。CNTsは、シリコン等の他の材料よりも実質的に高い強度対重量比および優れた機械的特性も有する。CNTsは、線形または非線形形態を採ることができる。線形CNTsは、本明細書で定義する場合、個々のCNTチューブルの表面からその線形軸に沿っていかなる分岐も発生していないCNTsを指す。分岐CNTsは、本明細書で定義する場合、線形チューブル軸に沿った少なくとも1つの場所、またはチューブル端から、発生元のチューブルと同一ではない線形チューブル軸を有する1つまたは複数のチューブルが発生している非線形CNTsを指す。付加的なチューブルのこのような発生点(分岐点)は、本明細書では「接合部」とも称する。分岐CNTは、例えば、「Y字」CNTsおよび「V字」CNTsを含んでもよい。一実施形態では、カンチレバーはY字CNTである。別の実施形態では、カンチレバーはV字CNTである。その機械的および電気的特性を決定するCNTsの重要な構造的属性は、特定のプローブ要件にあわせて制御および「調整(tailored)」することができる。
MFMおよびMRFMベースの検出等のように、測定装置が磁気表面付近で従来の手段(例えば、通常の走査型プローブ顕微鏡により用いられるもの)によって走査される従来の光検出系システムとは異なり、本発明のカンチレバーデバイスは、カンチレバーを出入りする(すなわち通る)電流を伴い、カンチレバー先端の移動は、ピエゾ抵抗効果による撓み時の電気抵抗の変化によって検出される。抵抗値およびカンチレバーの移動によるその変化の測定には、従来の抵抗ブリッジ回路が用いられる。これは、従来の定電流振幅源または定電圧振幅源を用い、DC(直流)モードまたはAC(交流)モードで動作させることができる。ACモードでの動作時には、特に測定(電流/電圧)周波数がカンチレバーデバイスの機械的共振周波数と一致する場合、若干の信号対雑音比の利点が得られる。
検出回路としては、ACまたはDCモードで動作するホイートストンブリッジ、比率変圧器(ratio transformer)またはロックイン検出器を用いるAC位相高感度検出、または定電流源および高感度電圧計を用いるDC検出が挙げられる。一方のみが調査対象の試料表面に近接している、名目上同一の2つのピエゾ抵抗センサを通して電流を送ることにより、感度を高めるために示差測定を用いてもよい。
本発明はまた、解析装置を作製する方法と、CNTカンチレバープローブを備える解析装置を用いて、ナノスケールMFMおよびナノスケールMRFMによって標本試験試料を解析する方法とを提供する。本発明のCNTプローブは、MRFMに使用される場合、DNA等の生物学的分子、生体細胞、および固体中の単一の(single)不純物等の微視的欠陥を、分子/原子レベルで検出するための、試料の三次元磁気共鳴イメージングを可能にする。
一観点では、本発明は、CNTカンチレバー構成要素を含むMRFMプローブを含む。好ましくは、プローブは、強磁性材料を備える分岐CNTカンチレバーを含み、これは電極に取り付けられる。一実施形態では、分岐CNTカンチレバーは、CNTカンチレバーチューブルの少なくとも1つによって電極に取り付けられる。好ましい一実施形態では、分岐CNTカンチレバーは、分岐CNTカンチレバーの上の2つのアームの端部によって電極に取り付けられ、カンチレバーの下の3つ目のアームは、基板から延出している。基板から延出している分岐は張り出し(cantilevered)端部と称する。一実施形態では、強磁性材料は、CNTカンチレバーの張り出し分岐の端に取り付けられる。別の実施形態では、強磁性材料は、CNTカンチレバーの接合部に取り付けられる。別の実施形態では、カンチレバーは、端を覆われた(terminally capped)強磁性層を備える。好ましくは、強磁性材料は強磁性ナノ粒子である。強磁性ナノ粒子は、標本表面付近でMRFMスピンプローブとしての役割を果たすことができる。
別の観点では、本発明は、電極に結合された強磁性材料が取り付けられたカーボンナノチューブカンチレバーを備えるプローブを備える、解析装置を意図している。
本発明の別の観点は、カーボンナノチューブカンチレバーを用いるナノスケールMRFMの検出方法を含む。カンチレバーの読み取りは電気的に行うことができるため、カンチレバーの寸法が光波長よりも小さくなると問題となる、干渉分光法または他の光検出方法は必要ない。本方法は、カーボンナノチューブに固有の圧電特性またはピエゾ抵抗特性を用いて、ナノスケールのMRFM装置において読み出しを行う。
本発明の別の観点は、カーボンナノチューブカンチレバープローブの作製および単離を含む。一実施形態では、多層CNTsが好ましい。別の実施形態では、基板は電子ビームでパターニングされた基板である。CNTカンチレバーは、化学気相蒸着を含む複数の既知の方法により、CNTsを触媒含有基板表面上に成長させることにより得ることができる。CNTsはアレイ状に成長させることができる。CNT成長のための触媒含有表面を、従来のリソグラフィによって材料表面上にパターニングすることにより、CNT「ナノ回路」を形成することができる。強磁性材料は、当該技術分野で既知の積層技術を用いてカンチレバーの分岐の1つの端に取り付けることができる。一実施形態では、コバルトナノロッドが、高分子接着剤を用いてカンチレバーに取り付けられる。
別の実施形態では、強磁性材料は、ナノチューブ形成の結果としてナノチューブに取り付けられる。すなわち、CNT群の核となる(強磁性)触媒の一部が、CNTの端部に固定されたままとなる。
本発明の別の観点は、本発明のCNTカンチレバープローブを備える電極の作製を含む。一実施形態では、CNTsは、当該技術分野で既知の標準的な方法によるSPM操作を用いて、リソグラフィーにより作製された基板上の電極に取り付けることができる。別の実施形態では、プローブに含まれるCNTは、基板上に直接形成されてもよい。
CNTプローブを含む本発明の別の観点は、ナノスケールMRFMで用いられる解析装置を組み立てる方法である。
CNTプローブを含む本発明の別の観点は、ナノスケールMRFMで試料を解析する方法である。
[発明の詳細な説明]
定義
用語「CVD」は、化学気相蒸着を指す。CVDでは、化学物質の気体混合物が高温で分離する(例えば、CO2がCおよびO2に)。これは、CVDの「CV」部分である。続いて、遊離分子の一部は近くの基板上に蒸着することができるが(CVDの「D」)、残りの遊離分子は排出される。
定義
用語「CVD」は、化学気相蒸着を指す。CVDでは、化学物質の気体混合物が高温で分離する(例えば、CO2がCおよびO2に)。これは、CVDの「CV」部分である。続いて、遊離分子の一部は近くの基板上に蒸着することができるが(CVDの「D」)、残りの遊離分子は排出される。
用語「ピエゾ抵抗」は、当該技術分野では、応力を加えることにより生じる材料の抵抗の変化として定義される。CNTsのピエゾ抵抗または圧電特性は、少なくとも一端部の撓みまたは曲がりにより生じる応力による、CNTの電気抵抗の変化である。
用語「強磁性」は、当該技術分野で一般的に与えられる用語として与えられる。「強磁性材料」は、磁界の非存在下で磁化を維持する能力を有する材料である。通常の強磁性材料は、周期表の遷移金属およびそれらの合金から選択される元素を含む。好ましい強磁性元素は、コバルト、鉄、ニッケル、およびそれらの合金である。
「ナノ磁性体」は、当該技術分野では、約1ナノメートル(nm)〜約10マイクロメートルの寸法を有する強磁性材料として定義される。
[CNT強磁性プローブを備えるMRFM装置]
本発明は、単一のプロトンおよび単一の電子スピンを検出することが可能な微小寸法プローブを備える、MRFM解析装置を提供する。特に、本発明は、強磁性粒子を含むCNTカンチレバーを備えるMRFM装置用の微小寸法プローブを提供する。CNTカンチレバーは、プローブの構成要素として電極に取り付けることができる。プローブは、ナノスケールMRFM微小寸法プローブ用デバイスの構成要素として電気回路と結合させることができる。
本発明は、単一のプロトンおよび単一の電子スピンを検出することが可能な微小寸法プローブを備える、MRFM解析装置を提供する。特に、本発明は、強磁性粒子を含むCNTカンチレバーを備えるMRFM装置用の微小寸法プローブを提供する。CNTカンチレバーは、プローブの構成要素として電極に取り付けることができる。プローブは、ナノスケールMRFM微小寸法プローブ用デバイスの構成要素として電気回路と結合させることができる。
図1は、本発明の装置を示す。分岐CNTカンチレバー1の2つのアームは、基板4の表面上にある電極3に接続される。強磁性材料2は、CNTカンチレバー1の張り出し端部に取り付けられる。矢印5は、装置を流れる交流電流の方向を示す。標本スピンが受ける勾配磁界は、線6によって表される。
CNTは、約0.4nm(1nm=10−9m)もの小ささの円筒直径を有し得るネットワーク化した炭素原子の円筒である。CNTsは、通常は約10nm〜約100,000nm(0.1mm)の長さおよび約1nm〜約100nmの直径で作製され得る。最小直径のCNT(通常は約0.4nm〜約10nm)は、ネットワーク状炭素原子の単一チューブルから成り、単層カーボンナノチューブと称する(本明細書中の以下ではSWNTと称する)。CNTは、多層カーボンナノチューブと称する(本明細書中以下ではMWNTと称する)入れ子式(Nested)の同心円筒の形態である場合もある。本発明の場合、好ましい寸法は、直径約1nm〜約50nm、長さ約サブミクロン〜約100マイクロメートルである。現在好ましい実施形態では、CNTチューブルは、約1マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲の長さを有する。CNTは、キラリティ(円筒軸に沿った炭素ネットワークの回転対称)に応じた導電特性を有する。CNTsは、金属性、半導電性、または絶縁性であってもよい。単層ナノチューブは、キラリティに応じて金属性または半導電性であるが、MWNTは、おそらく炭素層間のキラリティが混ざり合う結果、金属性だけが観察される。いずれのCNT種も、機械的に頑強であり、ヤング率は約1TPa(1012Pa)である。
直径がサブミクロンである場合、CNTsは、試料中のナノスケールの特徴をMRFMイメージングするのに必要な小サイズの「ナノスケール」カンチレバーの理想的な候補となる。さらに、寸法が小さいことにより質量がより小さくなるため、機械的共振周波数が高くなり(共振周波数は質量の平方根に反比例して変化するf0〜1/m1/2)、これはイメージングに有益な性質である。CNTsは、圧電特性を有するという点で重要な利点を提供する。圧電特性により、CNTから成るカンチレバーの移動を内部で検出する手段が得られる。移動を内部で検出する手段により、カンチレバーからフォトダイオード検出器に向けた反射等の外部検出が必要なくなる。CNTsは、シリコン等の他の材料よりも実質的に高い強度対重量比および優れた機械的特性も有する。
CNTsは、線形または非線形であってもよい。「線形CNT」は、本明細書で定義する場合、個々のCNTチューブルの表面からその線形軸に沿っていかなる分岐も発生していないCNTsを指す。「分岐CNTs」は、本明細書で定義する場合、線形チューブル軸に沿った、またはチューブル端における少なくとも1つの場所から、発生元のチューブルと同一ではない線形チューブル軸を有する1つまたは複数のチューブルが発生している非線形CNTsを指す。付加的なチューブルのこのような発生点(分岐点)は、本明細書では「接合部」とも称する。分岐CNTsは、例えば、「Y字」CNTsおよび「V字」CNTsを含んでもよい。分岐チューブルを構成する個々のアームは、アームの長さおよび隣接アーム間の角度の両方に関して、対称または非対称である。一実施形態では、個々のアームは、約1nm〜約100マイクロメートルの長さである。図3は、Y字CNTsの画像の例を示す。本発明の一実施形態では、プローブはY字のCNTsを含む。Y字CNTsは、(1)基板に取り付けられて基板外面から外側に延びる複数の自立形分岐CNTs、および(2)CNTチューブル構造が、名目上直線状の管状アームを有するとともに当該アーム間の角度が名目上固定されているY接合部を有する、分岐形態の1つまたは複数のCNTs、として存在する。本発明の別の実施形態では、プローブはV字のCNTカンチレバーを含む。図4aは、V字CNTsの画像を示す。その機械的および電気的特性を決定するCNTsの重要な構造的属性は、特定の要件にあわせて制御および「調整」することができる。
本発明の強磁性粒子は強磁性材料をからなる。通常の強磁性材料は、周期表の遷移金属およびそれらの合金から選択される元素をからなる好ましい強磁性元素は、コバルト、鉄、ニッケル、およびそれらの合金である。一実施形態では、強磁性粒子はナノロッドの形態であり、好ましい長さは約10nm〜約100nm、好ましい長さ対直径比は約2〜約100である。
本発明は、CNTカンチレバープローブを備える解析装置を作製する方法を提供する。図1および図2は、MRFM解析装置に含まれる構成要素の組立体を示す。MRFM用途の場合、ナノチューブは以下のように配置される。図1および図2に示すように、Yの2つのアームを基板上の2つの電極に固定し、3つ目のアームを基板縁部から外側に張り出させる。図2は、本装置の完全なMRFMレイアウトを示し、この場合、CNTカンチレバー1が基板3から外側に張り出し、強磁性材料2がCNTカンチレバー1の自由アームに取り付けられる。試料スピン5が勾配磁界6を受ける。基板3に組み込まれるマイクロコイル4としてRFコイルが図示されており、これはRF磁界7を発生する。
分岐CNTカンチレバーは、表面金属電極を含むリソグラフィにより作製された基板上に取り付けられるか、または当該基板上で成長させられる。好ましい一実施形態では、基板は、オンチップシグナル処理能力を備える。
Y字CNTは、Yの上の2つのアームの端部を基板に取り付けて、下の3つ目のアームを基板の縁部の上から張り出させることにより、MRFMカンチレバーとして用いられる。Y字カーボンナノチューブの例を図3に示す。
V字CNTは、Vのアームを基板に取り付けて、接合部を基板の縁部の上から張り出させることにより、MRFMカンチレバーとして用いられる。V字カーボンナノチューブの例を図4に示す。
Y字およびV字CNTは、当該技術分野で既知の走査型プローブ顕微鏡法(SPM)操作技法を用いて基板上に配置される。Y字およびV字CNTは、装置のカンチレバーが縁部から張り出すように、基板から垂直に突出するか、または基板縁部において基板と平行に延びるように位置付けられる。
CNTカンチレバーを例えばシリコン等の基板に接続することは、以下の方法、すなわち、電極上デバイスおよびデバイス上電極で行うことができる。前者の電極上デバイス構成では、金属リード電極が、おそらく電子ビームリソグラフィを含む従来のリソグラフィ技法によって、不動態化された半導体基板(例えばシリコン上の二酸化珪素または窒化珪素)に積層される。これらの電極は、適切な厚さ、幅、および長さであり、CNTカンチレバーを後で取り付けられるだけの近さにある。一観点では、好ましい電極寸法は、厚さが約100nm、幅が約100nm、長さが最大数ミリメートル(一実施形態では長さが約1mm)であり、(2つの平面電極間の距離が)約100nmまで近接している。基板は、垂直方向に空隙領域、すなわち縁部を有するように作成され、上記の電極はこの縁部に積層される。次に、CNTカンチレバーを、CNTs溶液の分散等により基板上に配置して、続いてこれを蒸着させ、作製された電極上の所定位置に物理的に操作する。「Y」の一端部または「V」の接合部は、基板縁部から、すなわち空隙領域から張り出されて、カンチレバーを形成する。「V」または「Y」CNTの固定端部を表面金属電極にさらに電気的に接触させることは、走査型電子顕微鏡(SEM)での電着、無電解メッキ、または電子ビーム「溶接」により行うことができる。
後者のデバイス上電極構成の場合、CNTカンチレバーは金属電極の積層前に基板に位置付けられる。前者の電極上デバイスの構成と同様に、CNTはSPMによって所定位置に操作され、カンチレバーが形成される。CNTの最終的な場所の平面座標は、SEMまたはSPMで確定することができる。これらの座標を後で用いて、フォトリソグラフィまたは電子ビームリソグラフィシステムをプログラムし、CNTの固定位置の端部に重ねて表面上に金属電極を正確に配置し、電気接点を設ける。デバイス上電極構造の作製の別の観点は、基板上に平坦に位置付けられるY字またはV字CNTを含む。次に、当該技術分野で既知のフォトリソグラフィ技法を用いて、Y字またはV字CNTの端部に重ねて金属電極を正確に配置するとともに、基板をエッチングして、CNTの一部の下の基板材料を除去し、張り出し配置を促進する。
V字CNTsを用いる利点は、基板上に直接CNTカンチレバーを成長させることができ、予め成形したCNTカンチレバーを基板に取り付けるという付加的なステップを伴わないことである。V字カーボンナノチューブデバイスは、ナノスケール電子ビームリソグラフィを用いて2つのナノチューブを正確に近接させて(通常は約10nm〜約100nm)成長させ、強磁性粒子をその接合部に付着させることによって形成することができる。
図7は、シリコンウェハー表面上の窒化珪素上のタングステン線のAFM画像を示す。各線の端部に見える***は、後でCNTsを成長させる触媒部位としての役割を果たすように位置付けられるニッケルナノドットである。図4aおよび図4bを参照すると、密接に離間したナノチューブを静電的に接触させて、続いて、例えば無電解メッキにより強磁性ナノ粒子を接合部に付着させることができる。次に、MRFM検出の場合、得られたV字デバイスを電磁的に励起させ(ローレンツ力)機械的に共振させることができる。
[ナノ磁性組み込みCNTプローブ]
例えば、Y字CNTs等の所定の形態を有するCNTsは、当該技術分野で既知の種々の方法を用いて合成することができる。Y字CNTsを含む様々な形態を有する多量のCNTsを製造するのに好ましいプロセスは、W.Z. Li, et al. Applied Physics Letters, Volume 79 (12), 2001, Pages 1879-1881およびLi, et al. Applied Physics Letters, Volume 75 (3), 1999, Pages 367-369に記載されており、これらはその全文が参照により本明細書に援用される。
例えば、Y字CNTs等の所定の形態を有するCNTsは、当該技術分野で既知の種々の方法を用いて合成することができる。Y字CNTsを含む様々な形態を有する多量のCNTsを製造するのに好ましいプロセスは、W.Z. Li, et al. Applied Physics Letters, Volume 79 (12), 2001, Pages 1879-1881およびLi, et al. Applied Physics Letters, Volume 75 (3), 1999, Pages 367-369に記載されており、これらはその全文が参照により本明細書に援用される。
図3に示すように、分岐CNTsは通常、複数のY接合部を含み、ほぼ直線状のアームが当該接合部から直線状に延びている。大半の分岐CNTsは、数ミクロンの長さ(約2〜約10μm)の2つの長いアームと、それよりも短い(約0.01〜約2μm)3つ目のアームとを有するY接合部を有する。3つの長いアーム(最長約10μm)からなるY接合部、およびほぼ線形の直線状アームを有する複数の分岐を形成する複数のY接合部を有するCNTsも、本発明の方法により得ることができる。高倍率SEM顕微鏡写真(図3b)は、分岐CNTsが、通常は平滑な表面と約200nmの直径の均一なチューブル直径とを有することを示す。隣接アーム間の角度は約120°に近いため、ほぼ対称な構造を有する分岐CNTsができる。全てのY接合部は、チューブル直径の相違に関係なく、ほぼ同様の構造形状を有する。
本発明のプローブに含まれるCNTは、アドレス可能なアレイに合成することができる。アドレス可能なCNTアレイの作製には、マイクロリソグラフィおよびナノリソグラフィによるCNT触媒部位の形成と、単結晶シリコンウェハー上の金属アドレス線との両方を利用する。その後、CVDによって触媒表面上に整列したCNTsの成長が行われる。基本的に、一連の金細線がシリコンウェハーの表面上にリソグラフィにより画定され、各ワイヤの対の内側端部は、例えば約100nmの距離で互いに近接している。CNT成長触媒(例えば、ニッケル(Ni)またはコバルト(Co))のナノドット部位は、eビームリソグラフィを用いてこれらの近位端部に画定され、これに続いて触媒材料が積層される。次に、ウェハーを化学気相蒸着(CVD)室内に配置して、CNT成長を開始させる。CNT成長は、触媒核形成部位でのみ行われる。
本発明のMRFMプローブの作製方法は、強磁性材料等のナノ磁性体をフィールドセンサとして用いることに依存する。一実施形態では、強磁性材料は、合成後に、当該技術分野で既知の典型的な積層技術(例えば、CVDおよび無電解メッキ)を用いて本発明の分岐CNTカンチレバーに取り付けることができる。別の実施形態では、強磁性材料は、in situでのナノチューブ形成の結果としてCNTカンチレバーに組み込まれる。
一観点では、本発明のCNTカンチレバープローブのチューブル端部のナノ磁性体材料は、CNT合成中にin situで生成される。一実施形態では、チューブル合成に用いられる触媒材料は、合成時に分岐CNTsのチューブル端部に保持される強磁性材料を含み、それにより、本発明のCNTプローブにおいて「in situ積層」ナノ磁性体としての役割を果たす。好ましい金属触媒としては、強磁性を有する金属材料(それらの混合物および合金を含む)が挙げられる。好ましい遷移金属としては、鉄、コバルト、およびニッケル(それらの混合物および合金を含む)が挙げられる。現在好ましい一実施形態では、遷移金属はコバルトである。本発明のCNTプローブへのナノ強磁性体材料のin situ組み込みの場合、触媒材料は、少なくとも1つの遷移金属または遷移金属合金からなり、これは、金属材料または例えば非金属酸化物等の非金属材料からなる支持構造上にミクロ粒子として積層されるか、または当該支持構造内に含浸される。触媒ミクロ粒子は、CNT成長プロセスにおいてチューブル成長の核となり、それにより、分岐CNTチューブルの成長中の端部に向かって移動し、凝集してナノ磁性体を形成する。触媒基板を構成する非金属酸化物は、遷移または非遷移金属酸化物であってもよく、または非金属無機酸化物であってもよい。触媒材料に有用な金属酸化物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムの酸化物が挙げられる。好ましい金属酸化物としては、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムが挙げられる。現在好ましい一実施形態では、金属酸化物は酸化マグネシウム(MgO)である。CNT成長プロセスは、アレイ内でほぼ均一な寸法のチューブルを得るように制御することができる。成長条件(触媒材料の影響を受ける)に応じて、アレイ内の個々のチューブルは、任意所与の1回の成長につき約10%〜約50%の高さの変動があり得る。本発明のCNTプローブ構成要素の成長プロセスにおける重要なパラメータは、基板上の触媒部位間(したがって、チューブル対間およびチューブル分岐間)の距離間隔と、チューブル成長の核となる触媒ミクロ粒子の寸法(直径および高さ)および触媒積層方法とを含むように変化させることができ、それによりin situでのナノ磁性体成長のサイズが制御される。CNT成長プロセスの制御を利用して、in situ生成ナノ磁性体と、約100nmまで制御可能なチューブル直径を有する多層CNTsからなる、本発明のCNTプローブを得ることができる。単層ナノチューブの整列したCNTアレイを用いることにより、チューブルサイズがより小さいCNTプローブを得ることができる。
ナノチューブ構造は、ローレンツ力によって機械的に共振させることができ、ローレンツ力は、図2に示すように、構造の2つの固定アーム間に交流電流が流れることにより生じる「Y」または「V」の平面に向けられる分極静磁界(static polarizing field)を用いて得られる。CNTカンチレバーに固定される強磁性材料は、解析されるスピン系が受ける強い磁界勾配の発生源(例えば、図2を参照)として、およびこのスピン系に加えられる反力を感知する能動磁気センサとしての、両方の役割を果たす。通常のSPMの方法では、このMRFM検出器は、試料の3Dイメージングを容易にするようにx−y−z走査され得る。
分岐CNTカンチレバーの2つの固定アームは金属電極に取り付けることができ、図1に示すように、一方のアームに電流が送られて他方のアームから出ることができる。分岐組立体の張り出し端部が磁気力の影響下で移動すると、組立体の電気抵抗の歪み誘導変化が測定される。
分岐CNT構造の特有の形状により、直接的な電気抵抗測定が容易になり、ナノチューブカンチレバーの撓みがピエゾ抵抗効果による抵抗の変化を引き起こし、これが分岐CNTカンチレバーの2つの取り付け端部を介して測定される。
このような多層CNTsの導電およびピエゾ導電(piezoconducting)特性は欠陥に敏感であり、このような欠陥は成長段階においてある程度制御される。この欠陥感受性は有益であり得る。ピエゾ抵抗に加えて、分岐CNTは、例えばダイオードにおけるような非線形整流特性を示すことができ、ナノチューブの歪み依存導電性を、例えばFET等のナノスケールの増幅回路に組み込んで、移動に対する感度を劇的に高めることができる。室温でのダイオード様挙動は、STMによる研究および大きいアレイにわたる直接輸送の両方によって観察される。したがって、分岐CNTカンチレバーの移動を検出するためにピエゾ抵抗を用いることに加えて、関連する検出方法は、構造体をナノ電子トランジスタ回路に組み込むことによって、感度が著しく高まる可能性がある。
本発明はいくつかの利点を有する。本発明は、カンチレバーを用いた分子レベルの観察に関する主な欠点の1つ、出力シグナルに関する欠点を直接克服する。本発明の方法は、CNTカンチレバーによる圧電検出を用いることにより、シリコン系カンチレバーが必要とするようなレーザ干渉法による鏡面反射光検出の必要がなくなる。CNTは、高強度で機械的に頑強な軟質導電性材料として当該技術分野において既知である。MRFMにおいてシリコン系カンチレバーの代わりにCNTをカンチレバーとして用いることにより、現在の技術水準の技術が、マイクロメートルスケールの分解能からナノメートルスケールの分解能へと著しく向上する。ナノチューブは、シリコン系カンチレバーで可能であるよりも約1,000倍まで感度および空間分解能を向上させる。CNTカンチレバーは、シリコンへの溝のエッチングまたは太いナノワイヤ接点の表面積層等、従来の導電性ナノ回路の作製技術に適合する。ナノチューブカンチレバーは、生物学的媒体等の都合のよい環境で用いることができる。開示されたデバイスは、アレイ形態で形成することが可能であり、リアルタイムの相関分光法およびイメージングが可能となる。機能的MRIに関しては、空間的または時間的に相関した検出が可能である。本発明は、高速イメージングに用いることができる超高感度MRFM装置のアレイを作製する革新的な能力を有する、独特な実現技術である。本発明は、測定具のサイズをナノスケールに縮小することにより、磁気検出の測定能力を向上させる。シリコンを適当なサイズに縮小するよう微細加工する代わりに、本発明はCNTを用いる。
本発明は、感度および分解能に関して現世代のMRFM機器よりも桁違いに優れた性能を有するMRFM機器を製造する新たな技術を提供する。CNTsは、固体中の単一の不純物、生体細胞、およびDNA等の生物学的分子等の試料の、分子レベルでの三次元磁気共鳴イメージングを可能にする。
本発明の装置は、それを作製するための機械的および化学的プロセスならびにその作製方法を含め、上記の実施形態および以下の非制限的な実施例に基づいて当業者には明らかとなるであろう。
[実施例1]
線形CNTsの合成のための触媒基板の調製
Li et al.(Science, (1996), Vol. 274, 1701-3)により記載されている方法に従って、但し以下の変更を加えて、水溶液中の硝酸鉄の存在下でのテトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解によるゾルゲルプロセスによって、鉄ナノ粒子を含有するメソポーラスシリカを調製した。触媒ゲルを乾燥させて過剰な水および溶媒を除去し、450℃にて10−2トールで10時間焼成して、酸化鉄ナノ粒子が内部に分布したほぼ均一な孔を有するシリカネットワークを得た。次に、ボールミルを用いて機械的に、または乳棒と乳鉢を用いて手作業で、触媒ゲルを微細なミクロ微粒子粉末に粉砕する。粉砕した触媒粒子は、粉砕条件下で0.1〜100μMの範囲の粒径となる。
線形CNTsの合成のための触媒基板の調製
Li et al.(Science, (1996), Vol. 274, 1701-3)により記載されている方法に従って、但し以下の変更を加えて、水溶液中の硝酸鉄の存在下でのテトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解によるゾルゲルプロセスによって、鉄ナノ粒子を含有するメソポーラスシリカを調製した。触媒ゲルを乾燥させて過剰な水および溶媒を除去し、450℃にて10−2トールで10時間焼成して、酸化鉄ナノ粒子が内部に分布したほぼ均一な孔を有するシリカネットワークを得た。次に、ボールミルを用いて機械的に、または乳棒と乳鉢を用いて手作業で、触媒ゲルを微細なミクロ微粒子粉末に粉砕する。粉砕した触媒粒子は、粉砕条件下で0.1〜100μMの範囲の粒径となる。
[実施例2]
分岐CNTsの合成のための触媒基板の調製
Li et al.(Applied Physics Letters (2001) Vol. 79 (12), 1879-1881)により記載されている方法に従って、触媒基板を調製した。エチルアルコール40ml中に硝酸コバルト六水和物(Co(NO3)2・6H2O、98%)0.246gを溶解することにより、酸化マグネシウム(MgO)担持コバルト(Co)触媒を調製し、浸漬後、粒子MgO粉末2g(−325メッシュ)を溶液に添加して、50分間音波処理した。固体残渣を濾過し、乾燥させて130℃にて14時間焼成した。
分岐CNTsの合成のための触媒基板の調製
Li et al.(Applied Physics Letters (2001) Vol. 79 (12), 1879-1881)により記載されている方法に従って、触媒基板を調製した。エチルアルコール40ml中に硝酸コバルト六水和物(Co(NO3)2・6H2O、98%)0.246gを溶解することにより、酸化マグネシウム(MgO)担持コバルト(Co)触媒を調製し、浸漬後、粒子MgO粉末2g(−325メッシュ)を溶液に添加して、50分間音波処理した。固体残渣を濾過し、乾燥させて130℃にて14時間焼成した。
[実施例3]
分岐CNTsの一般的な合成手順
実施例2のMgO担持コバルト触媒を、まず、200トールの圧力で水素(40sccm)および窒素(100sccm)の混合物を流した熱分解室内で1,000℃にて1時間還元させた。その後、窒素ガスをメタン(10sccm)で置き換えて、CNT成長を開始させた。分岐CNTsを生成するのに最適な反応時間は1時間であった。
分岐CNTsの一般的な合成手順
実施例2のMgO担持コバルト触媒を、まず、200トールの圧力で水素(40sccm)および窒素(100sccm)の混合物を流した熱分解室内で1,000℃にて1時間還元させた。その後、窒素ガスをメタン(10sccm)で置き換えて、CNT成長を開始させた。分岐CNTsを生成するのに最適な反応時間は1時間であった。
[実施例4]
走査型電子顕微鏡法(SEM)によるCNTの形態および純度と、透過型電子顕微鏡法(TEM)によるチューブルの構造および直径との特定
CNTの形態および純度の特定および検証のために、エネルギー分散型X線(EDS)補助装置(accessory)を備えたJEOL JSM−6340F分光光度計で走査型電子顕微鏡法(SEM)を行った。JEOL JSM−6340F顕微鏡を用いたSEMによる特定には、標準的な試料調製および解析方法を用いた。チューブルの形態、分布、および純度を検証するために、適当な倍率のSEM顕微鏡写真を得た。
走査型電子顕微鏡法(SEM)によるCNTの形態および純度と、透過型電子顕微鏡法(TEM)によるチューブルの構造および直径との特定
CNTの形態および純度の特定および検証のために、エネルギー分散型X線(EDS)補助装置(accessory)を備えたJEOL JSM−6340F分光光度計で走査型電子顕微鏡法(SEM)を行った。JEOL JSM−6340F顕微鏡を用いたSEMによる特定には、標準的な試料調製および解析方法を用いた。チューブルの形態、分布、および純度を検証するために、適当な倍率のSEM顕微鏡写真を得た。
CNTの個々のチューブルの構造および直径を特定するために、JEOL 2010 TEM顕微鏡で透過型電子顕微鏡法(TEM)を行った。TEM解析用の試料標本は、無水エタノール中でCNTを粗粉砕することにより調製した。多孔炭素薄膜で覆われたマイクログリッド上に、数滴の粉砕懸濁液を滴下した。解析はJEOL 2010顕微鏡で実行した。チューブルの構造および直径の判定のために、適当な倍率のTEM顕微鏡写真を得た。
[実施例5]
アドレス可能多層カーボンナノチューブのアレイの制御可能な作製
eビームでパターニングした基板上を含むプラズマ励起熱フィラメント化学気相蒸着法により、CNTsを成長させた。電気リード線を提供する非触媒金属上にeビームリソグラフィによって積層させた金属ニッケルを、CNT成長の触媒として用いる。
アドレス可能多層カーボンナノチューブのアレイの制御可能な作製
eビームでパターニングした基板上を含むプラズマ励起熱フィラメント化学気相蒸着法により、CNTsを成長させた。電気リード線を提供する非触媒金属上にeビームリソグラフィによって積層させた金属ニッケルを、CNT成長の触媒として用いる。
[実施例6]
電気的にアドレス可能な微小寸法プローブの作製
基板上の触媒積層
プローブ作製の予備工程は、単結晶シリコンウェハー上へのCNT触媒部位および金属アドレス線のマイクロリソグラフィおよびナノリソグラフィによる作製を含む。基板上でeビームリソグラフィ工程を行って、eビームレジストに触媒部位を画定した後、ニッケル(Ni)またはコバルト(Co)の従来のeビーム蒸着を用いる。続いて、金リード線の上部のみにNiまたはCoナノドットを残して、(不要な触媒材料の)剥離工程を行う。あるいは、触媒含有溶液からの触媒ナノ粒子の自己集合を用いると、剥離ステップが必要なくなる。いずれの場合も、この段階の終わりに、高さおよび横方向の間隔が明確に画定された電気的にアドレス可能なCNTs対が作製される。ナノチューブ間の間隔を10nmまで縮めることは、これらの方法によって再現可能に行うことができる。
電気的にアドレス可能な微小寸法プローブの作製
基板上の触媒積層
プローブ作製の予備工程は、単結晶シリコンウェハー上へのCNT触媒部位および金属アドレス線のマイクロリソグラフィおよびナノリソグラフィによる作製を含む。基板上でeビームリソグラフィ工程を行って、eビームレジストに触媒部位を画定した後、ニッケル(Ni)またはコバルト(Co)の従来のeビーム蒸着を用いる。続いて、金リード線の上部のみにNiまたはCoナノドットを残して、(不要な触媒材料の)剥離工程を行う。あるいは、触媒含有溶液からの触媒ナノ粒子の自己集合を用いると、剥離ステップが必要なくなる。いずれの場合も、この段階の終わりに、高さおよび横方向の間隔が明確に画定された電気的にアドレス可能なCNTs対が作製される。ナノチューブ間の間隔を10nmまで縮めることは、これらの方法によって再現可能に行うことができる。
電気的にアドレス可能なカーボンナノチューブアレイの作製
整列したCNTsのアレイを、熱フィラメントプラズマ励起化学気相蒸着法(PECVD)によって触媒部位を含む基板上で成長させる。シリコン上に一連の金細線をリソグラフィによって画定し、各ワイヤの対の内側端部は互いに非常に近接している(約100nm)。これらの近位端部において、eビームリソグラフィを用いてCNT成長触媒(例えばNiまたはCo)ナノドット部位を画定し、触媒材料を積層させる。次に、このウェハーをCVD室に配置し、続いて触媒核形成部位でのみCNT成長を行わせる。この時点で、電解重合を用いて金線を不動態化することができる。必要と思われる場合、アレイのCNTを厳密に均一な高さにするようにさらなる工程を導入してもよい。用いられる成長条件に応じて、所与の1回の成長でのアレイのCNTの高さは、10%〜50%の変動があり得る。高さの均一性は、さらなる機械研磨工程を行うことにより得られる。
整列したCNTsのアレイを、熱フィラメントプラズマ励起化学気相蒸着法(PECVD)によって触媒部位を含む基板上で成長させる。シリコン上に一連の金細線をリソグラフィによって画定し、各ワイヤの対の内側端部は互いに非常に近接している(約100nm)。これらの近位端部において、eビームリソグラフィを用いてCNT成長触媒(例えばNiまたはCo)ナノドット部位を画定し、触媒材料を積層させる。次に、このウェハーをCVD室に配置し、続いて触媒核形成部位でのみCNT成長を行わせる。この時点で、電解重合を用いて金線を不動態化することができる。必要と思われる場合、アレイのCNTを厳密に均一な高さにするようにさらなる工程を導入してもよい。用いられる成長条件に応じて、所与の1回の成長でのアレイのCNTの高さは、10%〜50%の変動があり得る。高さの均一性は、さらなる機械研磨工程を行うことにより得られる。
本明細書で引用される特許、特許出願、および刊行されている参照文献は全て、その全文が参照により本明細書に援用される。本発明は、本発明の好ましい実施形態を参照して特に図示および説明されているが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱しない限り、形態および詳細に種々の変更を加えることができることは、当業者には理解されるであろう。
Claims (44)
- a)基板材料に取り付けられた電極アレイと、
b)前記電極アレイに取り付けられた複数のミクロ微粒子強磁性材料を有するカンチレバー配置に構成されたナノチューブアレイと、
c)前記電極アレイとプローブ部とを結合する電気回路とを含む、微小寸法プローブ。 - 前記ナノチューブはピエゾ抵抗を示す、請求項1に記載の微小寸法プローブ。
- 前記ナノチューブはカーボンナノチューブである、請求項1に記載の微小寸法プローブ。
- 前記カーボンナノチューブは、少なくとも1つのY字またはV字形態のチューブルを有する、請求項3に記載の微小寸法プローブ。
- 前記カーボンナノチューブは多層形態である、請求項3に記載の微小寸法プローブ。
- 前記チューブルは、1ナノメートル〜100ナノメートルの範囲の直径を有する、請求項4に記載の微小寸法プローブ。
- 前記チューブルは、1ナノメートル〜50ナノメートルの範囲の直径を有する、請求項4に記載の微小寸法プローブ。
- 前記Y字またはV字形態は、0.1マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲の長さのチューブルである、請求項4に記載の微小寸法プローブ。
- 前記Y字またはV字形態は、1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲の長さのチューブルである、請求項4に記載の微小寸法プローブ。
- 前記強磁性材料は少なくとも1つの遷移金属を含む、請求項1に記載の微小寸法プローブ。
- 前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、それらの混合物、およびそれらの合金から成る群から選択される、請求項10に記載の微小寸法プローブ。
- ミクロ画像装置の一部である、請求項1に記載の微小寸法プローブ。
- ナノスケール寸法を有する、請求項12に記載の微小寸法プローブ。
- 前記ミクロ画像装置は、MFMまたはMRFM装置である、請求項13に記載の微小寸法プローブ。
- ナノスケール分解能で検出を行う、請求項14に記載の微小寸法プローブ。
- 基板材料の上に載置されたナノチューブを少なくとも1つ有する電気接触プローブであって、前記ナノチューブには導電性有機材料および複数のミクロ微粒子強磁性材料が塗布されている、電気接触プローブ。
- 前記ナノチューブは、低電気抵抗および高機械的強度を有する、請求項16に記載の電気接触プローブ。
- 前記ナノチューブはピエゾ抵抗を示す、請求項16に記載の電気接触プローブ。
- 前記ナノチューブはカーボンナノチューブである、請求項16に記載の電気接触プローブ。
- 前記カーボンナノチューブは、少なくとも1つのY字またはV字形態のチューブルを有する、請求項19に記載の電気接触プローブ。
- 前記カーボンナノチューブは多層形態である、請求項19に記載の電気接触プローブ。
- 前記チューブルは、1ナノメートル〜100ナノメートルの範囲の直径を有する、請求項20に記載の電気接触プローブ。
- 前記チューブルは、1ナノメートル〜50ナノメートルの範囲の直径を有する、請求項20に記載の電気接触プローブ。
- 前記Y字またはV字形態は、0.1マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲の長さのチューブルである、請求項20に記載の電気接触プローブ。
- 前記Y字またはV字形態は、1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲の長さのチューブルである、請求項20に記載の電気接触プローブ。
- 前記強磁性材料は少なくとも1つの遷移金属を含む、請求項16に記載の電気接触プローブ。
- 前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、それらの混合物、およびそれらの合金から成る群から選択される、請求項26に記載の電気接触プローブ。
- ミクロ画像装置の一部である、請求項1に記載の電気接触プローブ。
- ナノスケール寸法を有する、請求項28に記載の電気接触プローブ。
- 前記ミクロ画像装置は、MFMまたはMRFM装置である、請求項28に記載の電気接触プローブ。
- ナノスケール分解能で検出を行う、請求項30に記載の電気接触プローブ。
- ミクロ環境または構造を感知または操作するためのプローブの作製方法であって、
a)複数の表面金属電極を有する基板材料を作製する工程と、
b)Y字ナノチューブの2つの分岐を前記基板材料上の一対の電極に取り付け、前記Y字ナノチューブの3つ目の分岐を前記基板材料の表面から外側に張り出させる工程とを含む、プローブの作製方法。 - 前記ナノチューブはピエゾ抵抗を示す、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記ナノチューブはカーボンナノチューブである、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記基板材料は半導体材料である、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記基板材料はシリコンである、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記基板材料はシリコンウェハー、シリコン板、およびシリコンチップから成る群から選択される、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記基板材料は、パシベーション処理が施された半導体材料である、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記基板材料は、二酸化珪素または窒化珪素がその上に積層されたシリコンである、請求項38に記載のプローブの作製方法。
- Y字ナノチューブの前記2つの分岐は、前記基板材料上の一対の電極に電着、無電解メッキ、または電子ビーム溶接により固定されている、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- さらに、複数の強磁性材料を前記Y字ナノチューブの1つの分岐の端に取り付ける工程を含む、請求項32に記載のプローブの作製方法。
- 前記複数の強磁性材料は、前記Y字ナノチューブの1つの分岐の端に粘着塗布される、請求項41に記載のプローブの作製方法。
- 前記複数の強磁性材料は、前記Y字ナノチューブの1つの分岐の端に粘着取り付けされる、請求項41に記載のプローブの作製方法。
- 請求項1に記載の微小寸法プローブを用いてミクロ環境または構造を感知または操作する方法であって、
a)電流を前記微小寸法プローブに流す工程と、
b)試料表面からの撓みにおけるピエゾ抵抗の変化を測定することにより前記微小寸法プローブ内に流れる前記電流により発生するカンチレバー先端の運動を検出する工程とを含む、方法。
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