JP2006351371A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘導加熱調理器における加熱電力を精度良く制御する。
【解決手段】 被加熱物(31)を誘導加熱するための加熱コイル(27)とコンデンサ(28、29)との直列共振回路(4)にインバータ回路(3)にて生成した高周波電流を供給して被加熱物を加熱するように構成する。最初にインバータ回路のスイッチング周波数を可変して入力電力の粗調整を行ない、次にインバータ回路に供給する直流電圧の微調整を行なって入力電力を目標電力値に一致させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、鍋等の調理器負荷を誘導加熱して調理を行なう誘導加熱調理器に関し、特にアルミや銅のように低透磁率、高抵抗の材質でできた負荷の加熱に適した誘導加熱調理器に関する。
誘導加熱調理器は火を使わないため安全であることに加え電気加熱であるため温度調節が容易なことから、最近ではシステムキッチンに組み込まれて急速に普及しつつある。ところで加熱対象である調理用の鍋等は様々な材質で作られていることから、誘導加熱調理器にはそれら全ての材質を効率良く加熱できることが求められる。
一般に導電材料の表面近くにコイルを置いて高周波電流を流すと電磁誘導により材料中に誘導電流が流れ、誘導電流が流れると導電材料の持つ抵抗によりジュール熱が発生して材料の温度が上昇する。これが誘導加熱の加熱原理である。表面が平坦な導電材料の表面直近に振幅H0の一様な高周波磁界を生じさせた場合、材料の表面から距離xの内部における誘導電流の電流密度の振幅iは次の式で表わされる。
i=(ωκμ)1/2・H0・exp(−(ωκμ/2)1/2・x) (1)式
周波数をfとするとω=2πfであり、κは導電材料の導電度、μは導電材料の透磁率である。
(1)式によれば、誘導電流密度iは表面から内部に入るに従って指数関数的に減少する。(ωκμ)1/2の値の大きい材料は電流密度の減少割合が大きく、そのような材料では誘導電流は材料の表層近くのみを流れる。また、表面(x=0)における電流密度iは(ωκμ)1/2・H0であるので、(ωκμ)1/2の値の大きい材料ほど表面の電流密度iは大きくなる。
導電材料であるアルミと鉄についての(ωκμ)1/2の値を比較すると、ωが同じの場合にはアルミのその値は鉄の値の1/5〜1/6である。従って、表面直近の高周波磁界が同じの場合、アルミの表面電流密度は鉄の1/5〜1/6と小さく、反対に電流の浸透深さは5〜6倍となる。
導電材料中の単位体積当たりに発生するジュール熱は(i2/κ)で計算される。誘導電流が流れる有効体積部分についてのi2の積分値を考えると、アルミは鉄に比べて有効体積は約5倍となるが電流密度は逆に約1/52倍と小さい。このためi2の積分値は約1/5倍と小さくなる。更に、導電度κの値を比べるとアルミは鉄の約6倍である。従って、導電材料中に発生する総ジュール熱は、表面直近の高周波磁界が同じとした場合にはアルミの値は鉄の値の約1/30の小さい値となる。即ち、アルミは誘導加熱しにくい材質といえる。
(1)式によれば、κμの値が異なっても(ωκμ)1/2の値が同じであれば導電材料中の誘導電流の分布は同じとなる。従って、アルミの場合でも(ωκμ)1/2の値が鉄と同じ程度になるように周波数fを高めてやれば誘導電流の分布を鉄とほぼ同じにすることができ、発生する総ジュール熱を増加させることができる。しかし、それでもなお導電度κの値の違いによる差が残る。その差を埋める残りの手段は(1)式における表面直近の磁界H0の値を鉄の場合よりも大きくしてやることである。磁界H0の値を大きくするには、コイルに流す電流を増加させるかコイル巻数を増やす必要がある。
しかし、高周波磁界の周波数fを高めることはそれほど簡単なことではない。周波数fを高めると、コイルに電流を供給するインバータ回路のスイッチング損失が増大する。こうした問題を解決するため、(κμ)の値の小さいアルミ、銅等の被加熱物を効率良く加熱する回路技術の開発が従来から続けられてきた。
例えば、特許文献1にはアルミ材質を加熱する場合には加熱コイルの巻数を増大させ、共振コンデンサの容量を下げる技術が開示されている。これは発生する磁界強度を上げることを意図したものと考えられるが、高周波スイッチングを要するため加熱効率を十分に上げることは困難である。
また、特許文献2、3には、加熱コイルの巻数を変えずにインバータ回路のスイッチング周波数の2倍に相当する周波数の高周波磁界を発生させる回路技術が開示されている。これはインバータ回路のスイッチング周波数を上げることなく加熱コイルを流れる高周波電流の周波数を上げることを意図したものである。しかし、鉄材質の鍋等を加熱する場合、加熱コイル巻き数が多くコイル電流が流れにくいため高火力加熱が難しい。
また、加熱コイルに流れる高周波電流はインバータ回路内のスイッチング素子のスイッチング動作で生成されるが、それらスイッチング素子のスイッチング・タイミングを決定するゲート信号は最近ではマイクロコンピュータ内でのディジタル演算で生成される。そのためスイッチング周波数を上げようとすると演算速度の速いマイクロコンピュータが必要となりコスト上昇を招くという問題が生じる。
更に、加熱電力を調整する場合の問題がある。加熱コイルはコンデンサと直列に接続して共振回路を構成し、その共振回路にインバータ回路から高周波電流が供給される。共振回路に流れる電流が大きいほど強い高周波磁界が発生する。共振回路に流れる電流は、インバータ回路から供給される高周波電流の周波数が共振回路の共振周波数と一致した場合に最大となる。両者の周波数に差が生じると共振電流は減少する。このため、インバータ回路のスイッチング周波数を可変させて加熱電力を調整することが行なわれる。
共振回路に供給される高周波電流の周波数を変化させた場合における共振電流の変化の先鋭度はQの値で表わされる。加熱コイルのQの値は(ω・L/r)の式で計算される。ωは角周波数、Lは鍋等を加熱コイルの上に置いた状態におけるコイルのインダクタンス、rはその状態における高周波抵抗である。
アルミの導電度は鉄より高い。従って、アルミ材質の鍋等を加熱する場合のQの値は、鉄材質を加熱する場合よりも高い値となる。Qの値が高いとインバータ回路のスイッチング周波数の僅かな変化で共振電流が大きく変化し、加熱電力も大きく変化する。図8は、共振回路に流す高周波電流の周波数を変化させた場合におけるインバータ回路への入力電力(加熱電力はほぼこの値に比例する。)の変化の一例を示したものである。アルミ鍋の場合には僅かな周波数変化で入力電力が大きく変化することを示している。
このことはアルミ鍋への加熱電力を調整するにはインバータ回路のスイッチング周波数を細かい周波数間隔で精度良く制御する必要があることを意味している。周波数の精度を上げるにはマイクロコンピュータの演算精度を上げる必要があり、そのためには演算数値のビット長を長くする必要がある。こうしたことからアルミ材質の鍋を加熱する場合にはビット長が長く、且つ演算速度も速い高価なマイクロコンピュータが必要になるという問題が生じる。
特開昭61−16491号公報 特開2001−160484号公報 特願2004−330401
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その課題は、アルミ、銅等の低透磁率、高導電度材質できた被加熱物を加熱する場合の加熱電力を高精度で制御でき、且つ高効率で加熱することのできる誘導加熱調理器を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、加熱コイルとコンデンサとの直列共振回路と、前記直列共振回路に高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路に直流電圧を供給する直流電源回路を備え、前記直列共振回路に高周波電流を流して被加熱物を誘導加熱する誘導加熱調理器において、最初に前記インバータ回路より供給する高周波電流の周波数を可変して前記直流電源回路の入力電力の粗調整を行ない、次にインバータ回路に供給する直流電圧を微調整して前記入力電力を目標電力値に一致させるようにしたことを特徴とする誘導加熱調理器である。
アルミ、銅等の低透磁率、高導電度材質できた被加熱物を効率良く加熱するには高い周波数の高周波電流を用いる必要がある。しかし、高い周波数領域における周波数の微調整は困難であり周波数調整による加熱電力の微調整は難しい。これに対してインバータ回路への供給電圧の微調整は容易であり、これによっても加熱電力の調整を行なうことができる。本発明のような構成によれば高周波電流の周波数を高精度に微調整する必要はなく、それでいて被加熱物の加熱電力を目標値に精度良く一致させることができる。
また、直流電圧により最終的な微調整を行なうので、高周波電流の周波数をそれ程細かい周波数間隔で調整する必要がない。それに伴いインバータ回路にもスイッチング周波数をそれ程細かい周波数間隔で調整することが要求されない。従って、インバータ回路を駆動するタイミング・パルスをソフトウェアで生成させるためのマイクロコンピュータやDSPに、演算速度がそれ程速くない比較的低コストの製品を使用できる利点がある。
また、請求項2に記載の発明は、加熱コイル(27)とコンデンサ(28、29)との直列共振回路(4)と、前記直列共振回路に高周波電流を供給するインバータ回路(3)と、前記インバータ回路に直流電圧を供給する直流電源回路(2)と、前記インバータ回路のスイッチング素子のON/OFFタイミングを調整して前記高周波電流の周波数を可変するゲート制御回路(5)と、前記ゲート制御回路には前記高周波電流の周波数の目標値を、前記直流電源回路には前記直流電圧の目標値を与える電力制御手段(6)と、を備えた誘導加熱調理器であって、前記電力制御手段は、前記インバータ回路に供給する直流電圧が標準値である時に前記直流電源回路の入力電力が指示された目標電力値に略一致する予め決められた高周波電流の周波数を前記ゲート制御回路に目標値として与え、その状態で前記直流電源回路の入力電力が入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える前記直流電圧の目標値を調整するように構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器である。
このように構成した誘導加熱調理器は請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。また、本構成によれば加熱コイルで加熱される被加熱物が、想定されている標準の被加熱物と異なっていても加熱コイルの消費電力を指示された目標電力値に一致させることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の誘導加熱調理器であって、前記電力制御手段は、前記インバータ回路に供給する直流電圧が予め決められた標準値に等しい状態における前記高周波電流の周波数と前記直流電源回路の入力電力との関係表を保持し、目標電力値を指示された場合には、前記直流電源回路の入力電力が前記目標電力値に略一致する周波数であって前記直列共振回路の共振周波数より高い周波数を前記関係表から読み取って前記ゲート制御回路に周波数目標値として与え、その状態で前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の制御を行ない、前記直流電圧の目標値の制御途中に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以上になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ減少させ、反対に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以下になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ増加させ、その状態で再び前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の調整を行なう制御を繰り返し行なうように構成されていることを特徴とする。
このように構成した誘導加熱調理器は請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。直列共振回路に流れる高周波電流の周波数が共振周波数より高い領域では、高周波電流の周波数が増すに従って加熱コイルの消費電力は減少する。本構成では入力電力が前記入力電力目標値と大きく異なる場合には、高周波電流の周波数の粗調整をやり直す。従って、加熱コイルで加熱する被加熱物が標準として想定している被加熱物と大きく異なる場合であっても加熱コイルの消費電力を指示された目標電力値に一致させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の誘導加熱調理器であって、前記電力制御手段は、前記インバータ回路に供給する直流電圧が予め決められた標準値に等しい状態における前記高周波電流の周波数と前記直流電源回路の入力電力との関係表を保持し、目標電力値を指示された場合には、前記直流電源回路の入力電力が前記目標電力値に略一致する周波数であって前記直列共振回路の共振周波数より低い周波数を前記関係表から読み取って前記ゲート制御回路に周波数目標値として与え、その状態で前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の制御を行ない、前記直流電圧の目標値の制御途中に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以上になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ増加させ、反対に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以下になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ減少させ、その状態で再び前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の調整を行なう制御を繰り返し行なうように構成されていることを特徴とする。
このように構成した誘導加熱調理器は請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。直列共振回路に流れる高周波電流の周波数が共振周波数より低い領域では、高周波電流の周波数が増すに従って加熱コイルの消費電力は増加する。本構成では入力電力が前記入力電力目標値と大きく異なる場合には、高周波電流の周波数の粗調整をやり直す。従って、加熱コイルで加熱する被加熱物が標準として想定している被加熱物と大きく異なる場合であっても加熱コイルの消費電力を指示された目標電力値に一致させることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れかに記載の誘導加熱調理器であって、前記直列共振回路は前記コンデンサ(28、29)の容量の切り換えによりその共振周波数が切り換わるように構成されており、前記電力制御手段は、前記加熱コイルで加熱する被加熱物の材質の種類を検出する材質検出手段を含み、前記高周波電流の周波数目標値を決める際には該材質検出手段にて検出した被加熱物の材質の種類に応じて予め決められた容量に前記コンデンサを切り換え、前記切り換えがされていることと前記被加熱物の材質の種類とを考慮して前記周波数目標値を決めることを特徴とする。
このように構成した誘導加熱調理器は、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。被加熱物が鉄系材質の場合とアルミ系材質の場合とでは高周波電流の最適周波数が大きく異なる。本構成のように被加熱物の材質を検出し、材質に合わせて共振回路の共振周波数を変更して周波数目標値を決定すれば効率良い加熱を行なうことができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の誘導加熱調理器であって、前記インバータ回路は逆並列ダイオードを接続した第1、第2のスイッチング素子(20、21)の直列接続回路と、同じく逆並列ダイオードを接続した第3、第4のスイッチング素子(22、23)の直列接続回路とからなるフルブリッジ回路として構成され、前記ゲート制御回路は前記第1、第2のスイッチング素子の一方がON状態のときには他方がOFF状態となるようにして交互に動作させ、前記第3、第4のスイッチング素子も一方がON状態のときには他方がOFF状態となるように交互に動作させると共に、前記第1のスイッチング素子はスイッチング周期の3/4がON状態、前記第3のスイッチング素子は1/4がON状態となるように動作させ、且つ、第3のスイッチング素子のON状態への切り換わりを第1のスイッチング素子のON状態への切り換わりよりスイッチング周期の1/4だけ遅らせたタイミングで制御することを特徴とする。
このように構成した誘導加熱調理器は、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。また、本構成のようにインバータ回路の4個のスイッチング素子を動作させれば、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数とスイッチング周波数との比を2:1とすることができインバータ回路を低いスイッチング周波数で動作させることができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の誘導加熱調理器であって、前記第1のスイッチング素子はスイッチング周期の5/8がON状態、前記第3のスイッチング素子は3/8がON状態となるように動作させ、且つ、第3のスイッチング素子のON状態への切り換わりを第1のスイッチング素子のON状態への切り換わりよりスイッチング周期の1/8だけ遅らせたタイミングで制御することを特徴とする。
このように構成した誘導加熱調理器は請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。また、本構成のようにインバータ回路の4個のスイッチング素子を動作させれば、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数とスイッチング周波数との比を4:1とすることができ、インバータ回路を低いスイッチング周波数で動作させることができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7の何れかに記載の誘導加熱調理器であって、前記直流電源回路は外部電源から供給される交流電圧を整流する整流回路(11)と、該整流回路の出力する直流電圧を変換して前記電力制御回路から指示された値の昇圧された直流電圧を出力する昇圧チョッパ式DC/DCコンバータ(7)と、を備えて構成されていることを特徴とする。
本構成の場合も請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。高出力で被加熱物を加熱するにはインバータ回路に高い直流電圧を供給する必要がある。本構成によれば商用交流電圧を整流した後、昇圧チョッパ式DC/DCコンバータにより昇圧することで必要とする高い直流電圧を容易に生成することができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の誘導加熱調理器であって、前記昇圧チョッパ式DC/DCコンバータは前記整流回路の出力の両端間に接続したリアクトル(12)、ダイオード(14)、出力平滑コンデンサ(15)の直列接続回路と、前記直列接続されたダイオードと出力平滑コンデンサとの両端間を開閉するスイッチング素子(13)と、該スイッチング素子に開閉駆動信号を与える駆動回路(7a)と、前記出力平滑コンデンサの両端電圧が前記電力制御回路から指示された値に一致するように該駆動回路に開閉のタイミング信号を与える出力電圧制御回路(7b)とを備えて構成すると共に、前記駆動回路の入力部に入力信号絶縁回路を設けて前記開閉のタイミング信号が電気的に絶縁した信号として伝達されるように構成したことを特徴とする。
本構成の場合も請求項8に記載の発明と同様の効果を奏する。入力信号絶縁回路を設けたことにより整流回路のマイナス側電源線に流れる大きな電流により出力電圧制御回路が誤動作を起こす恐れが減少する効果を奏する。
以下、本発明に係る誘導加熱調理器の一実施形態を図面を参照して詳しく説明する。図1はその誘導加熱調理器の回路構成をブロック図で示したものである。誘導加熱調理器1は、直流電源回路2、インバータ回路3、直列共振回路4、ゲート制御回路5、電力制御回路(電力制御手段に相当)6を備えて構成される。
直流電源回路2は次段のインバータ回路3に昇圧された直流電圧Vdcを供給する回路で、全波整流回路11とDC/DCコンバータ7により構成される。全波整流回路11は外部電源10から供給される交流電圧を直流電圧に変換してDC/DCコンバータ7に供給する。DC/DCコンバータ7は整流回路11より供給された直流電圧を昇圧する昇圧チョッパ式のDC/DCコンバータで昇圧チョッパ回路とも呼ばれる。DC/DCコンバータ7は、リアクトル12、スイッチング素子13、ダイオード14、平滑コンデンサ15、駆動回路7a、出力電圧制御回路7bを備えて構成される。
リアクトル12、ダイオード14、平滑コンデンサ15は、整流回路11の出力端子間にこの順に直列に接続されている。整流回路11と平滑コンデンサ15の接続点には接地線18が接続されており、平滑コンデンサ15はダイオード14を通った電流によりプラス電圧に充電されるようになっている。スイッチング素子13は、リアクトル12とダイオード14の相互接続点と接地線18との間に接続される。スイッチング素子13は自己消弧形のスイッチング素子で、例えばバイポーラ・トランジスタ、IGBTである。
スイッチング素子13は駆動回路7aにより開閉(ON/OFF)が制御される。スイッチング素子13をON状態にすると、整流回路11からリアクトル12、スイッチング素子13を通って接地線18に電流が流れてリアクトル12に電磁エネルギーが蓄積される。その後にスイッチング素子13をOFF状態にするとリアクトル12に蓄積された電磁エネルギーはダイオード14を介して平滑コンデンサ15を充電する。
スイッチング素子13がOFF状態となる時、リアクトル12の両端には高い電圧が発生するので平滑コンデンサ15の両端には整流回路11の出力電圧を昇圧した電圧を得ることができる。平滑コンデンサ15の両端の電圧Vdcが直流電源回路2の出力電圧Vdcである。
その出力電圧Vdcの値は出力電圧制御回路7bにより制御される。図2は、出力電圧Vdcを調整する出力電圧制御回路7bの構成例である。出力電圧制御回路7bは、誤差増幅器71、コンパレータ72、鋸歯状波生成回路73により構成される。誤差増幅器71には電力制御回路6が出力する出力電圧Vdcの目標値Vdcsと、フィードバックとしての出力電圧Vdcが入力される。出力端子からはその誤差電圧ΔVdcが出力される。誤差電圧ΔVdcはコンパレータ72に入力され、鋸歯状波生成回路73で生成された一定周波数の鋸歯状波と比較される。これによりコンパレータ72の出力には誤差電圧ΔVdcに比例したパルス幅を有するPWM変調されたパルス信号が生成される。PWM変調されたパルス信号は駆動回路7aに与えられ、そこで電圧変換、電力変換等を施してスイッチング素子13に与えられる。このようなフィードバックによる比例制御により出力電圧Vdcは目標値Vdcsに一致するように制御される。
なお、出力電圧制御回路7bが接地線18に流れる大きな負荷電流の影響を受けて誤動作することがないようにするため、駆動回路7aの入力部にフォトカプラを使用した信号絶縁回路を設けてPWM変調されたパルス信号を電気的に絶縁した状態で伝達させるとよい。
直流電源回路2の出力電圧Vdcは、プラス側電源線17と接地線18によりインバータ回路3に供給される。インバータ回路3は、そのスイッチング動作により直流の出力電圧Vdcより高周波電圧を生成して直列共振回路4に供給するものである。インバータ回路3は、電源線17と接地線18との間に第1、第2のスイッチング素子20、21を直列接続した第1のハーフブリッジ回路と、同じく第3、第4のスイッチング素子22、23を直列接続した第2のハーフブリッジ回路とからなるフルブリッジ型のインバータ回路である。
第1〜第4の4個のスイッチング素子20〜23には、それぞれ逆並列ダイオード(フリーホイール・ダイオード)20a、21a、22a、23aが接続されている。スイッチング素子は、例えばIGBT、バイポーラ・トランジスタである。第1、第2のスイッチング素子20、21の相互接続点N1と、第3、第4のスイッチング素子22、23の相互接続点N2とが出力端子であり、その間に負荷である直列共振回路4が接続されていいる。また、2つの出力端子N1、N2と接地線18との間にはスイッチング損失を軽減するためのスナバコンデンサC24、C25が接続されている。
第1、第2のスイッチング素子20、21は一方がON状態のときには他方がOFF状態となるようにして交互に動作させられる。第3、第4のスイッチング素子22、23も一方がON状態のときには他方がOFF状態となるようにして交互に動作させられる。
インバータ回路3の各スイッチング素子のON/OFF動作は、ゲート制御回路5により制御される。ゲート制御回路5はゲート信号生成回路5aとゲート駆動回路5bを備える。ゲート信号生成回路5aは電力制御回路6からの周波数目標値の指令を受け、各スイッチング素子をON/OFF動作させるゲート駆動パルス信号を生成する回路である。ゲート駆動パルス信号はゲート駆動回路5bに与えられ、ここでレベル変換して各スイッチング素子20〜23に与えられる。ゲート信号生成回路5aのパルス信号生成動作については後で詳述する。
インバータ回路3の負荷である直列共振回路4は、加熱コイル27、コンデンサ28、29、スイッチ30により構成される。コンデンサ29とスイッチ30は直列してコンデンサ28に並列に接続されている。このコンデンサ回路と加熱コイル27とで直列共振回路を構成している。スイッチ30はコンデンサ29の接続を開閉して共振周波数の切り換えを行なうためのもので、その開閉は電力制御回路6により制御される。加熱コイル27に高周波電流が流れると誘導加熱により被加熱物31が加熱される。
スイッチ30がOFF状態では、加熱コイル27とコンデンサ28とで直列共振回路が構成される。コンデンサ28の容量は、この状態でアルミ系の被加熱物を加熱する場合の共振周波数が約80kHzになるように決める。一方、スイッチ30がON状態では、コンデンサ28、29が並列され、その容量と加熱コイル27とで直列共振回路が構成される。コンデンサ28、29の並列容量は、その状態で鉄系の被加熱物を加熱する場合の共振周波数が約20kHzになるように決める。コンデンサ28の容量を先に決め、コンデンサ29は後で決める。約20kHzの共振周波数は鉄系材質の被加熱物を、約80kHzの共振周波数はアルミ、銅等の被加熱物を加熱する場合に選択される。
加熱コイル27で消費させる電力は、電力制御回路6により制御される。電力制御回路6は、加熱コイル27で消費させる電力が外部から指示された目標電力値に一致するように制御する回路である。加熱コイル27に流れる電流は高周波電流であるため加熱コイル27の消費電力を検出することは簡単ではない。そこで、本実施形態では加熱コイル27で消費させる電力を直接に制御する代わりに、直流電源回路2の入力電力を目標電力値に基づいて算出した下記の入力電力目標値に一致させる制御を行なう。そして、その制御の結果として加熱コイル27の消費電力を目標電力値に一致させるようにする。
直流電源回路2の入力電力は、加熱コイル27における消費電力とその他の回路部分における回路損失との和である。回路損失には加熱コイル27の消費電力に比例する損失と比例しない損失とがあるが、その値は実験や計算で予め把握しておくことができる。従って、その回路損失に指示された加熱コイル27の目標電力値を加えた値(以下、入力電力目標値という。)に一致するように直流電源回路2の入力電力を制御すれば、加熱コイル27の消費電力は指示された目標電力値に一致するようになる。
電力制御回路6はフィードバック制御により直流電源回路2の入力電力を上記の入力電力目標値に一致させる制御を行なう。そのために電力制御回路6は負荷電力制御回路6aと入力電力検出回路6bを備える。入力電力検出回路6bには直流電源回路2に供給される交流電圧の値と入力電流の値が入力される。入力電流は電流変成器16により検出される。入力電力検出回路6bは入力された電圧、電流の値から入力電力を検出して負荷電力制御回路6aに入力させる。負荷電力制御回路6aには、外部からの目標電力値の指示値も入力される。更に、フィードバック制御を行なうために直流電源回路2の出力電圧Vdc、即ち、インバータ回路3への供給電圧Vdcも入力される。
電力制御回路6は後述する制御演算フローに従い、直流電源回路2内の出力電圧制御回路7bには出力電圧Vdc(インバータ回路3への供給電圧Vdc)の目標値を、ゲート制御回路5内のゲート信号生成回路5aには加熱コイル27に流す高周波電流の周波数目標値を出力する。
電力制御回路6にはこの他にコイル電流検出回路6cが含まれている。コイル電流検出回路6cは、加熱コイル27に流れる電流を検出して負荷電力制御回路6aに入力する。入力された電流値は被加熱物の材質判定の際に参照される。加熱コイル27の電流は電流変成器32により検出される。
なお、負荷電力制御回路6aとゲート信号生成回路5aにおける制御演算は、共用する1式のマイコン又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたディジタル演算で行なわれる。
次に、以上のような構成の下で加熱コイル27に消費させる電力を外部から指示された目標電力値に一致させる制御のフローを図3を参照して説明する。図3のフローは負荷電力制御回路6aが実行するフローである。
この制御フローは外部より加熱開始の信号(図示せず。)が入力された時に開始される。最初のステップS1では、外部から入力されている加熱コイル27の目標電力値を読み込む。ステップS2では、この目標電力値に前述の回路損失を加えた入力電力目標値Psを算出する。
続くステップS3では被加熱物の材質の判定を行なう。これは「背景技術」で述べたように被加熱物が鉄系とアルミ系とでは最適な加熱周波数(加熱コイル27に流す高周波電流の周波数)が大きく異なるためである。材質の判定の仕方には種々の方法がある。その一つは鉄系とアルミ系の材質では透磁率が大きく異なることを利用した判定法である。この場合には、スイッチ30をON状態にした状態でゲート信号生成回路5aにインバータ回路3に加熱周波数の目標値として例えば25kHzを指示する。一方、直流電源回路2の出力電圧制御回路7bには、出力電圧Vdc(インバータ回路3への供給電圧Vdc)の目標値として予め決められた比較的低い電圧を与える。そして、そのような条件で動作しているときの加熱コイル27の電流値をコイル電流検出回路6cより読み取る。
被加熱物がアルミ系である場合、透磁率が低いために加熱コイル27のインダクタンスは小さな値となる。そのため直列共振回路4の共振周波数は25kHzから大きく外れた、例えば50kHzとなる。この場合、加熱コイル27には僅かな電流しか流れない。反対に被加熱物が鉄系である場合、共振周波数は約20kHzとなる。加熱周波数25kHzはその値にかなり近い値ため、加熱コイル27にはアルミ系材質の場合よりも大きな電流が流れる。従って、加熱コイル27の電流値の大きさから材質が鉄系かアルミ系かを判断することができる。なお、加熱コイル27に流れる電流の大きさの代わりに、入力電力検出回路6bで検出した入力電力の大きさから判断することもできる。この場合、入力電力の値はアルミ系材質では小さく、鉄系材質ではそれよりも大きくなる。
このようにして被加熱物の材質を判定したならば、その材質に応じて直列共振回路4のスイッチ30の切り換えを行なう(ステップS4)。材質がアルミ系であった場合にはスイッチ30をOFFして共振周波数を約80kHzとする(ステップS5)。鉄系であった場合はスイッチ30をONして共振周波数を約20kHzとする(ステップS6)。
このようにして直列共振回路4の構成を確定させたならば、次のステップS7では加熱開始の際にインバータ回路3に供給する供給電圧Vdcの値を決める。この値は、直流電源回路2の許容出力電圧範囲の中間の値に予め決めておく。この値をインバータ回路3への標準供給電圧と呼ぶことにする。負荷電力制御回路6aは、この標準供給電圧を供給電圧Vdcの目標値Vdcsとして出力電圧制御回路7bに与える。
続くステップS8では、ゲート制御回路5に与える加熱周波数fの最初の目標値を決める。この最初に与える加熱周波数fの目標値を決めるために、負荷電力制御回路6aはインバータ回路3への供給電圧が前記標準供給電圧に等しい場合における加熱周波数fと入力電力Pinとの関係データを予め記憶しておく。図4はその関係データをグラフで表わした例で、図中の曲線(1)はアルミ系材質を標準供給電圧360Vで加熱した場合の動作点を結んだ動作曲線(以下、(1)の曲線を標準動作曲線と呼ぶ。)を表わしている。
負荷電力制御回路6aはこの標準動作曲線(1)から入力電力Pinが前述の入力電力目標値Psに等しくなる加熱周波数fを読み取る。一例として入力電力目標値Psが1100Wであったとすると、加熱周波数fは図中のA点に対応する87.4kHzとなる。なお、この場合、加熱コイル27に流す高周波電流の周波数は0.1kHz単位でしか変更できず、A点に対応する加熱周波数fが87.37kHzであったような場合には、図から求めた値に最も近い調整可能な周波数に決定してよい。加熱周波数fと入力電力Pinとの関係は図4のようなグラフ(実際には近似の数式)で持つ代わりに表で保持しておいてもよい。
負荷電力制御回路6aは、このようにして決めた加熱周波数fの最初の目標値をゲート信号生成回路5aに与えた上でインバータ回路3の起動を指示する。指示を受けたゲート信号生成回路5aは、指示された加熱周波数fの高周波電流が加熱コイル27に供給されるように4個のスイッチング素子20〜23のON/OFFタイミングの制御を開始する。このON/OFFタイミングの制御の仕方については後で詳述する。
こうして加熱を開始させたならばステップS9に移る。ステップS9〜S17は、入力電力Pinの値を入力電力目標値Psに正確に一致させるための制御フローである。即ち、ステップS7においてインバータ回路3へ標準供給電圧が供給されるように直流電源回路2に指示を与え、ステップS8においてはその標準供給電圧の下で入力電力Pinが入力電力目標値Psに一致する加熱周波数fをインバータ回路3に指示した。これにより入力電力Pinは入力電力目標値Psに一致し、加熱コイル27には外部から指示された目標電力値に等しい電力が消費されるように思われる。
しかし、実際にはこのような指示を与えただけでは入力電力Pinを入力電力目標値Psに一致させることはできない。その主な理由には2つある。第1の理由は、先に少し触れたように、加熱コイル27に流す高周波電流の周波数は連続的に変更することはできず、例えば0.1kHz単位でしか変更できないということにある。これは、負荷電力制御回路6aとゲート信号生成回路5aの制御をマイクロコンピュータ(あるいはDSP)を使用したディジタル演算で行なっていることによる。
マイクロコンピュータは一定周波数のクロックで動作しているため、加熱周波数は例えば0.1kHz単位でしか変更できない。無論、クロック周波数を高めれば調整単位を小さくすることは可能である。しかし、そのようにするには高価なマイクロコンピュータを使用する必要が生ずる。アルミ系材質の加熱は高い周波数(例えば、90kHz)で行なう必要があり、加熱コイル27のQの値が大きくなることから加熱周波数fが僅かに変化しただけで図8に示したように入力電力Pinは大きく変化する。こうしたことから、入力電力Pinは入力電力目標値Psとは異なる値となる。
第2の理由は、図4の標準動作曲線(1)が想定する被加熱物の条件と実際の被加熱物の条件とが異なることにある。同じアルミ製鍋でも底の厚みが違ったり、鍋の内容物が違ったりすると直列共振回路4の共振周波数が異なってくる。すると、図4の標準動作曲線(1)で求めた動作条件では入力電力Pinと入力電力目標値Psとは一致しなくなる。
入力電力Pinが入力電力目標値Psに一致しないと、加熱コイル27における消費電力は指示された目標電力値と一致しなくなる。そのようなことになれば調理に支障が生ずる。そこで本実施形態の誘導加熱調理器1では、上記の第1、第2の理由の原因が存在するにも関わらず入力電力Pinを入力電力目標値Psに一致させるために次のような方式を採用する。
即ち、加熱周波数fは微調整が困難であることから、加熱周波数fでは電力の粗調整しか行なわない。最初に加熱周波数fを加減して粗調整を行なったならば加熱周波数fの値はその値に保持したまま、次にインバータ回路3への供給電圧Vdcの微調整を行なう。そして、粗調整で残った誤差分電力を補償する。供給電圧Vdcの微調整は容易である。供給電圧Vdcの微調整中に供給電圧Vdcの値が直流電源回路2の許容出力電圧範囲を外れそうになった場合には、加熱周波数を少し変更して粗調整を行ない再び供給電圧Vdcによる微調整を行なう。こうした粗調整と微調整を繰り返すことにより最終的に入力電力Pinを入力電力目標値Psに一致させる。
この粗調整、微調整の進め方を図4に示した例で説明する。入力電力目標値Psが1100Wであったとすると、図4の標準動作曲線(1)上の動作点はA点となりその加熱周波数fは87.4kHzとなる。最初はインバータ回路3への供給電圧Vdcの目標値Vdcsを標準の360Vとし、加熱周波数fを87.4kHzとして動作させる。
ところが上記した第1、第2の理由で説明した原因により供給電圧Vdcが360Vであるときの実際の動作曲線が図4の曲線(2)であったとすると、動作点はB点となる。B点が粗調整による動作点となる。B点の入力電力Pinは約950Wで入力電力目標値Psの1100Wより少ないため、これを微調整により1100Wに増加させる。
そのために加熱周波数fは変えずに目標値Vdcsを増加させてインバータ回路3への供給電圧Vdcを上昇させる。供給電圧Vdcを増加させると(2)の動作曲線は曲線(3)に向かって上方に移動し、動作点B点はA点に近づく。供給電圧Vdcの値が直流電源回路2の許容最高出力電圧(例えば、400V)に達する以前に動作点B点がA点に一致すれば入力電力Pinは入力電力目標値Psに一致し、目的が達せられたことになる。
B点がA点に一致する前に供給電圧Vdcの値が直流電源回路2の許容最高出力電圧に達した場合には、供給電圧Vdcをそれ以上に上昇させることはできない。その場合には粗調整のやり直しを行なう。この例の場合には加熱周波数fを87.4kHzから調整可能なΔf(例えば、0.1kHz)だけ減少させて87.4kHzに変更する。同時に供給電圧Vdcを最初の標準値360Vに戻す。
加熱周波数fを減少させると入力電力Pinは増加し、動作点は動作曲線(2)上のC点に移る。C点の入力電力Pinは入力電力目標値Ps(1100W)より少し高い1150Wであったとする。そこで、今度は微調整として供給電圧Vdcを減少させる。供給電圧Vdcを減少せると動作曲線(2)は曲線(4)に向かって下方に移動し、動作点C点は入力電力Pinが入力電力目標値Ps(1100W)に等しくなるD点に近づく。供給電圧Vdcの値が直流電源回路2の許容最低出力電圧(例えば、320V)に達する以前に動作点C点がD点に一致すれば入力電力Pinは入力電力目標値Psに一致し、目的が達せられたことになる。
直流電源回路2の許容出力電圧の範囲内で微調整できなかった場合には、再び粗調整をやり直して微調整を行なう。このような粗調整と微調整を繰り返していけば、最終的に直流電源回路2の許容出力電圧の範囲内で入力電力Pinを入力電力目標値Psに一致させることができる。供給電圧Vdcの値は加熱周波数fと違って殆ど連続的に可変できるため入力電力Pinを精度良く入力電力目標値Psに一致させることができる。
ステップS9〜S17は以上のような考えによる粗調整と微調整を繰り返し実行するための制御フローである。ステップS9では入力電力検出回路6bから入力電力Pinを読み込む。次のステップS10では入力電力目標値Psと読み込んだ入力電力Pinとの電力偏差ΔPを計算する。続くステップS11では、電力偏差ΔPに対して次式による比例積分演算を施してインバータ回路3への供給電圧Vdcの目標値Vdcsを算出する。
Vdcs=Ai・∫ΔP・dt+Ap・Δp (2)式
これは、比例積分制御のフィードバック制御により偏差ΔPをゼロにするためである。Aiは積分定数、Apは比例定数である。
(2)式により新たな目標値Vdcsが求まったならば、次のステップS12ではその目標値Vdcsが直流電源回路2の許容最高出力電圧(例えば、400V)を超えていないかチェックする。超えていない場合にはステップS14に移り、今度は許容最低出力電圧(例えば、320V)未満でないかチェックする。未満でなかった場合にはステップS17に移り、ステップS11で計算した(2)式による目標値Vdcsを出力電圧制御回路7bに出力する。そしてステップS9に戻る。図4の例でいえば動作点をA点に近づける動作を継続したことになる。
ステップS12にて許容最高出力電圧を超えていた場合には、出力電圧Vdcだけではそれ以上の微調整を行なうことができないので加熱周波数fの再調整による粗調整を行なう。ステップS13に移り、加熱周波数fの値を調整可能なΔf(例えば、0.1kHz)だけ減少させる。そしてステップS16に移る。ステップS16では目標値Vdcsの値をステップS8で決めた標準値である360Vに戻す。同時に、ステップS11における上記(2)式中の積分値の値をリセットする。そしてステップS17に移り、ステップS13で計算した新たな加熱周波数fをゲート信号生成回路5aに出力し、360Vに戻した目標値Vdcsを出力電圧制御回路7bに出力する。そしてステップS9に戻る。図4の例でいえば動作点をC点に移動させたことになる。
ステップS14にて許容最低出力電圧より低かった場合には、粗調整のために加熱周波数fの値をΔfだけ増加させる。そして、ステップS16、S17の処理を行なってステップS9に戻り、微調整を再開する。以上のような粗調整と微調整を繰り返せば入力電力Pinは最終的に入力電力目標値Psに精度良く一致する。
なお、これまでの説明では加熱周波数fと入力電力Pinとの関係を示す動作曲線が図4に示すように右下がり、即ち、加熱周波数fを増すと入力電力Pinが減少する場合について説明してきた。一般に、直列共振回路4はその共振周波数に等しい周波数で励振した場合に入力電力Pinが最大となる。そして、励振周波数がその共振周波数より高い領域では動作曲線は右下がり、低い領域では右上がりとなる。従って、右上がりの領域で動作させている場合には入力電力Pinを上げるためには励振周波数を高め、下げるためには励振周波数を低める必要がある。その場合には図3の制御フローにおけるステップS13中のΔfは減算を加算に変更し、ステップS15のΔfは加算を減算に変更すればよい。そうすれば、図3に示す制御フローにより同様の結果を得ることができる。
次に、ゲート信号生成回路5aの制御動作について説明する。ゲート信号生成回路5aは負荷電力制御回路6aより加熱周波数fの目標値の指示を受け、指示された周波数に一致する高周波電流が加熱コイル27に流れるように第1〜第4の4個のスイッチング素子20〜23をON/OFF動作させるためのパルス信号を生成する回路である。
図5は、4個のスイッチング素子20〜23をON/OFF動作させる典型的なタイミングと、その場合における加熱コイル27を流れる高周波電流の波形を示したものである。図5の(2)は第1のスイッチング素子20のON/OFFタイミングを、図5の(3)は第3のスイッチング素子22のON/OFFタイミングを、図5の(1)は加熱コイル27を流れる高周波電流の波形を示す。第2のスイッチング素子21は、第1のスイッチング素子20がON動作するときにはOFF動作を、OFF動作するときにはON動作を、いうように逆のON/OFF動作をさせる。その波形は明らかなので省略してある。同様に第4のスイッチング素子23は、第3のスイッチング素子22とは逆のON/OFF動作をさせる。その波形も明らかなので省略してある。
第1のスイッチング素子20は、50%デューティでON/OFF動作させる。第3のスイッチング素子22は第1のスイッチング素子20とは逆のON/OFF動作をさせる。第1のスイッチング素子20がON動作するタイミングでは、コンデンサ15の充電電圧は第1のスイッチング素子20、直列共振回路4、第4のスイッチング素子23を通って再びコンデンサ15に戻るような電流を流そうとする。その間、直列共振回路4の両端にはコンデンサ15の両端電圧である供給電圧Vdcにほぼ等しい電圧が加わる。
反対に第1のスイッチング素子20がOFF動作するタイミングでは、コンデンサ15の充電電圧は第3のスイッチング素子22、直列共振回路4、第2のスイッチング素子21を通って再びコンデンサ15に戻るような電流を流そうとする。その間、直列共振回路4の両端にはコンデンサ15の両端電圧である供給電圧Vdcにほぼ等しい電圧が前とは反対向きに加わる。即ち、直列共振回路4には図5の(4)に示すような半周期毎に方向が変わる矩形波状の交番電圧が加わる。
直列共振回路4に加わる電圧は矩形波状の交番電圧であるが直列共振回路4がコイルとコンデンサの直列回路であり急激な電流変化を妨げるために、直列共振回路4には図5の(1)に示すようなほぼ正弦波状の電流が流れる。この直列共振回路4に流れる電流(以下、共振電流という。)の値はON/OFF動作のスイッチング周波数と直列共振回路4の共振周波数とが一致した時に最も大きくなる。
図4に示した例の場合のように共振周波数より高い周波数で励振した場合には直列共振回路4のインピーダンスは誘導性となり、共振電流の位相は直列共振回路4の両端に加わる電圧の位相より遅れる。図5において第1のスイッチング素子20がON動作した直後を考えると、このときには第2のスイッチング素子21はOFF動作した直後である。この瞬間には、共振電流の位相遅れのために共振電流は相互接続点N2から相互接続点N1に向けて流れている。その電流は第2のスイッチング素子21がOFFしているため第1のスイッチング素子20に接続された逆並列ダイオード20aを通ってコンデンサ15に流れ込む。
同様に、この瞬間にはコンデンサ15のマイナス側から流れ出た電流は第4のスイッチング素子24に接続された逆並列ダイオード23aを通って直列共振回路4に流れ込む。即ち、第1のスイッチング素子20がON動作した直後における遅れ電流が流れている間には、コンデンサ15は放電するのではなく逆に共振電流によって充電を受ける。第1のスイッチング素子20がOFF動作した直後における遅れ電流が流れる期間も同様である。この場合には、遅れ電流は逆並列ダイオード21a、22aを通ってコンデンサ15を充電する。
これまでの説明では第1と第2のスイッチング素子20、21、第3と第4のスイッチング素子22、23は正反対のON/OFF動作を行なうとしてきた。しかし、実際にはON/OFF動作が切り換わる瞬間には両者が共にOFF状態となるデッドタイムを設けている。その間にも共振電流は流れ続ける。そのデッドタイムの期間中には、電流は各スイッチング素子に接続された逆並列ダイオードを通って流れる。
スナバコンデンサC24、C25は、この逆並列ダイオードを通って流れる電流を少なくする働きをし、インバータ回路3のスイッチング損失を減少させる。その容量は小さな値である。大き過ぎるとスイッチング損失は逆に増大する。
このような動作により図5に示したようなタイミングで4個のスイッチング素子20〜23をON/OFF動作させると、加熱コイル27に共振電流が流れて被加熱物31が誘導加熱される。しかし、図5に示したタイミングの動作ではスイッチング周波数を共振電流の周波数と同じにする必要がある。従って、例えば高い周波数での加熱を必要とするアルミ材質を加熱する場合には、スイッチング周波数を90kHz程度の高い値にしなければならない。
スイッチング周波数を高めるとスイッチング損失も増大する。また、前に述べたように高い周波数領域で精度の良いON/OFFタイミング信号を生成するには、速い演算速度を持つ高価なマイクロコンピュータ(又はDSP)を必要とする。
こうした理由から本実施形態の誘導加熱調理器1では、鉄系材質のような20kHz前後の低い周波数でも十分高い効率で加熱できる被加熱物を加熱する場合には図5に示したタイミングで加熱を行なう。これに対してアルミ材質のように高い周波数での加熱を必要とする被加熱物の場合には、以下に説明するようにスイッチング周波数を共振電流の周波数よりも低い周波数で済ますことのできるインバータ駆動方式を採用する。
図6はそのインバータ駆動方式の一つで、スイッチング周波数を共振電流の周波数の1/2倍で済ます方式のタイミング波形を示したものである。図中の(2)、(3)は第1、第3のスイッチング素子20、22のON/OFF動作のタイミングを示している。第2、第4のスイッチング素子21、23は、それぞれ第1、第3のスイッチング素子20、22のON/OFF動作とは常に反対動作をさせるのでその波形は省略してある。
図中の(2)に示すように第1のスイッチング素子20はスイッチング周期の3/4周期の間はON状態、残り1/4周期の間はOFF状態とする。第3のスイッチング素子22は図中の(3)に示すように1/4周期の間はON状態、残り3/4周期の間はOFF状態とする。第3のスイッチング素子22をON状態とするタイミングは、第1のスイッチング素子20をON状態とするタイミングより1/4周期だけ遅らせる。
このようなタイミングでスイッチング動作をさせると、直列共振回路4の両端には図中の(4)に示す波形の電圧(以下、励振電圧という。)が加わる。即ち、1スイッチング周期の間に1/4周期ずつ2回の励振電圧が加わる。励振電圧の値はコンデンサ15の充電電圧Vdcにほぼ等しい。電圧の向きは相互接続点N1から相互接続点N2に向かって電流を流そうとする向きである。この方向をプラス方向とする(共振電流についてもこの方向に流れる向きをプラス方向とする。)。この場合、2回の励振期間の間にある無励振期間は1/4周期となっている。
このような励振電圧が周期的に印加される状態において、直列共振回路4の共振周波数の周期がスイッチング周波数の周期の1/2になっているとする。すると、直列共振回路4は、共振周波数の1周期の間に1/2周期だけ励振電圧の印加を受ける。そして、その励振電圧の方向は何時も同じプラス方向であり、励振と励振との間には励振電圧がゼロとなる1/2周期の無励振期間が存在する。
直列共振回路4には図6の(1)に示すようなスイッチング周波数の2倍の周波数をもつ共振電流が継続して流れることになる。スイッチング周波数の1/2が共振周波数より高い場合、直列共振回路4のインピーダンスは誘導性となり共振電流は共振電圧より位相が遅れる。その場合も共振電流の周波数とスイッチング周波数との比は2:1となる。
このようにして図6の(2)と(3)のタイミングでスイッチング動作をさせれば、共振周波数の1/2のスイッチング周波数で直列共振回路4を共振させることができる。従って、例えばアルミ材質の被加熱物を90kHzで加熱したい場合には、スイッチング周波数はその1/2の45kHzで済ますことができる。
図7は、スイッチング周波数を共振電流の周波数の1/4倍で済ます駆動方式のタイミング波形を示したものである。第1、第3のスイッチング素子20、22は図中の(2)、(3)のタイミングによりスイッチング動作させる。第2、第4のスイッチング素子21、23は、それぞれ第1、第2のスイッチング素子20、22のON/OFF動作とは常に反対動作をさせるのでその波形は省略してある。
図中の(2)に示すように第1のスイッチング素子20はスイッチング周期の5/8周期の間はON状態、残り3/8周期の間はOFF状態とする。第3のスイッチング素子22は図中の(3)に示すように3/8周期の間はON状態、残り5/8周期の間はOFF状態とする。第3のスイッチング素子22をON状態とするタイミングは、第1のスイッチング素子20をON状態とするタイミングより1/8周期だけ遅らせる。
このようなタイミングでスイッチング動作をさせると、直列共振回路4の両端に加わる励振電圧は図中の(4)に示す波形となる。前述の図6の(4)の場合と同様に1スイッチング周期の間に1/8周期ずつ2回のプラスの励振電圧が加わる。2回の励振期間の間にある無励振期間は3/8周期となっているが、これは1/8周期の奇数倍である。
直列共振回路4の共振周波数の周期がスイッチング周波数の周期の1/4になっているとすると、スイッチング周波数の1/8周期が共振周波数の1/2周期に相当することになる。すると図6の場合に説明したと同じ理由により、直列共振回路4には図7の(1)に示すようなスイッチング周波数の4倍の周波数をもつ共振電流が継続して流れる。スイッチング周波数の1/4が共振周波数より高い場合、共振電流は遅れ電流となる。
このようにして図7の(2)と(3)のタイミングでスイッチング動作をさせれば、共振周波数の1/4のスイッチング周波数で直列共振回路4を共振させることができる。従って、例えばアルミ材質の被加熱物を90kHzで加熱したい場合には、スイッチング周波数はその1/4の22.5kHzで済ますことができる。
次に、図5〜図7に示したようなタイミング・パルスの生成の仕方について説明する。タイミング・パルスは、ゲート信号生成回路5aによって生成される。加熱コイル27に流す高周波電流の周波数の目標値は負荷電力制御回路6aから与えられる。図5〜図7の何れのタイミングでパルスを発生させるかは被加熱物の材質に応じて決めておく。
鉄系材質の場合には、スイッチ30をONした状態における共振周波数を例えば約20kHzに調節しておいて25〜35kHzの高周波電流を流す。周波数が低いので、この場合には図5のタイミング・パルスで加熱を行なう。アルミ系材質の場合には、スイッチ30をOFFした状態における共振周波数を例えば約85kHzに調節しておいて88〜92kHzの高周波電流を流す。周波数が高いのでこの場合には図8の(2)、(3)のタイミング・パルスで加熱を行なう。スイッチング周波数は1/4の22〜23kHzとなり、鉄系材質を加熱する場合のスイッチング周波数に近い値となる。
このようなタイミング・パルスはアナログ回路で発生させることも可能であるが、目標周波数に対する周波数変動を少なくするためにはクロックパルスに基づいてソフトウェア演算で生成する方式が適している。
ソフトウェア演算によるタイミング・パルスの生成のロジックは比較的簡単である。例えば、図7の(2)、(3)のタイミング・パルスを生成させる場合には、0からNまでカウントし、その後は0に戻る加算式の繰り返しカウンタをソフトウェアで設ける。Nの値は、基準のクロックパルスをNカウントするのに要する時間が目的とする1スイッチング周期時間に等しくなるように決める。1スイッチング周期時間は目的とする高周波電圧の1周期時間の4倍である。そうしておいて、そのカウンタの計数値が0〜(5/8)・Nの間では第1のスイッチング素子20をONさせるパルスを、計数値が(1/8)・N〜(4/8)・Nの間では第3のスイッチング素子22をONさせるパルスを生成させる。このようにすれば図7の(2)、(3)に示すタイミング・パルスを生成させることができる。他のタイミング・パルスも同様の考えで生成させることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の誘導加熱調理器では最初にインバータ回路のスイッチング周波数によって入力電力の粗調整を行ない、その後はスイッチング周波数を固定した状態でインバータ回路に供給する直流電圧をフィードバック制御により微調整して入力電力を目標値に一致させる。アルミ材質の被加熱物の加熱には高い周波数の高周波電流を使用しなければならないが、そうした高周波域でのスイッチング周波数の調整による入力電力の微調整は困難である。本実施形態ではその微調整部分を微調整が容易な直流電圧の調整で行なうため入力電力を精度良く目標値に一致させることができる。
また、そのように直流電圧による微調整を行なうので、高周波電流の周波数をそれ程細かい周波数間隔で調整する必要がない。従って、インバータ回路のスイッチング周波数もそれ程細かい周波数間隔で調整する必要がない。それ故、演算速度の速い高価なマイクロコンピュータやDSPを使用しなくてもインバータ回路を駆動するタイミング・パルスを生成できる利点がある。
本発明に係る誘導加熱調理器1の一回路構成のブロック図である。 出力電圧制御回路7bの構成例である。 負荷電力制御回路6aの制御演算フローである。 本発明における入力電力の調整原理を説明する図である。 直流共振回路4の共振周波数と等しいスイッチング周波数でインバータ回路3を駆動する場合の波形図である。 直流共振回路4の共振周波数の1/2のスイッチング周波数でインバータ回路3を駆動する場合の波形図である。 直流共振回路4の共振周波数の1/4のスイッチング周波数でインバータ回路3を駆動する場合の波形図である。 被加熱物の材質による加熱電流の周波数と入力電力の関係の例である。
符号の説明
図面中、1は誘導加熱調理器、2は直流電源回路、3はインバータ回路、4は直列共振回路、5はゲート制御回路、6は電力制御回路、7は昇圧チョッパ式DC/DCコンバータ、7aは駆動回路、7bは出力電圧制御回路、11は整流回路、12はリアクトル、13はスイッチング素子、14はダイオード、15は出力平滑コンデンサ、20は第1のスイッチング素子、21は第2のスイッチング素子、22は第3のスイッチング素子、23は第4のスイッチング素子、20a、21a、22a、23aは逆並列ダイオード、24、25はスナバコンデンサ、27は加熱コイル、27、28はコンデンサ、30はスイッチング、31は被加熱物を示す。

Claims (9)

  1. 加熱コイルとコンデンサとの直列共振回路と、前記直列共振回路に高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路に直流電圧を供給する直流電源回路を備え、前記直列共振回路に高周波電流を流して被加熱物を誘導加熱する誘導加熱調理器において、
    最初に前記インバータ回路より供給する高周波電流の周波数を可変して前記直流電源回路の入力電力の粗調整を行ない、次にインバータ回路に供給する直流電圧を微調整して前記入力電力を目標電力値に一致させるようにしたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 加熱コイル(27)とコンデンサ(28、29)との直列共振回路(4)と、
    前記直列共振回路に高周波電流を供給するインバータ回路(3)と、
    前記インバータ回路に直流電圧を供給する直流電源回路(2)と、
    前記インバータ回路のスイッチング素子のON/OFFタイミングを調整して前記高周波電流の周波数を可変するゲート制御回路(5)と、
    前記ゲート制御回路には前記高周波電流の周波数の目標値を、前記直流電源回路には前記直流電圧の目標値を与える電力制御手段(6)と、を備えた誘導加熱調理器であって、
    前記電力制御手段は、前記インバータ回路に供給する直流電圧が標準値である時に前記直流電源回路の入力電力が指示された目標電力値に略一致する予め決められた高周波電流の周波数を前記ゲート制御回路に目標値として与え、その状態で前記直流電源回路の入力電力が入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える前記直流電圧の目標値を調整するように構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 請求項2に記載の誘導加熱調理器であって、前記電力制御手段は、前記インバータ回路に供給する直流電圧が予め決められた標準値に等しい状態における前記高周波電流の周波数と前記直流電源回路の入力電力との関係表を保持し、
    目標電力値を指示された場合には、前記直流電源回路の入力電力が前記目標電力値に略一致する周波数であって前記直列共振回路の共振周波数より高い周波数を前記関係表から読み取って前記ゲート制御回路に周波数目標値として与え、その状態で前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の制御を行ない、
    前記直流電圧の目標値の制御途中に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以上になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ減少させ、反対に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以下になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ増加させ、その状態で再び前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の調整を行なう制御を繰り返し行なうように構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
  4. 請求項2に記載の誘導加熱調理器であって、前記電力制御手段は、前記インバータ回路に供給する直流電圧が予め決められた標準値に等しい状態における前記高周波電流の周波数と前記直流電源回路の入力電力との関係表を保持し、
    目標電力値を指示された場合には、前記直流電源回路の入力電力が前記目標電力値に略一致する周波数であって前記直列共振回路の共振周波数より低い周波数を前記関係表から読み取って前記ゲート制御回路に周波数目標値として与え、その状態で前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の制御を行ない、
    前記直流電圧の目標値の制御途中に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以上になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ増加させ、反対に前記直流電源回路の直流電圧が所定の値以下になった場合には前記周波数目標値を所定の値だけ減少させ、その状態で再び前記直流電源回路の入力電力が前記入力電力目標値に一致するように前記直流電源回路に与える直流電圧の目標値の調整を行なう制御を繰り返し行なうように構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 請求項2乃至4の何れかに記載の誘導加熱調理器であって、前記直列共振回路は前記コンデンサ(28、29)の容量の切り換えによりその共振周波数が切り換わるように構成されており、
    前記電力制御手段は、前記加熱コイルで加熱する被加熱物の材質の種類を検出する材質検出手段を含み、前記高周波電流の周波数目標値を決める際には該材質検出手段にて検出した被加熱物の材質の種類に応じて予め決められた容量に前記コンデンサを切り換え、前記切り換えがされていることと前記被加熱物の材質の種類とを考慮して前記周波数目標値を決めることを特徴とする誘導加熱調理器。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の誘導加熱調理器であって、前記インバータ回路は、逆並列ダイオードを接続した第1、第2のスイッチング素子(20、21)の直列接続回路と、同じく逆並列ダイオードを接続した第3、第4のスイッチング素子(22、23)の直列接続回路とからなるフルブリッジ回路として構成され、
    前記ゲート制御回路は、前記第1、第2のスイッチング素子の一方がON状態のときには他方がOFF状態となるようにして交互に動作させ、前記第3、第4のスイッチング素子も一方がON状態のときには他方がOFF状態となるように交互に動作させると共に、
    前記第1のスイッチング素子はスイッチング周期の3/4がON状態、前記第3のスイッチング素子は1/4がON状態となるように動作させ、且つ、第3のスイッチング素子のON状態への切り換わりを第1のスイッチング素子のON状態への切り換わりよりスイッチング周期の1/4だけ遅らせたタイミングで制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  7. 請求項6に記載の誘導加熱調理器であって、前記第1のスイッチング素子はスイッチング周期の5/8がON状態、前記第3のスイッチング素子は3/8がON状態となるように動作させ、且つ、第3のスイッチング素子のON状態への切り換わりを第1のスイッチング素子のON状態への切り換わりよりスイッチング周期の1/8だけ遅らせたタイミングで制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  8. 請求項2乃至7の何れかに記載の誘導加熱調理器であって、前記直流電源回路は、外部電源から供給される交流電圧を整流する整流回路(11)と、該整流回路の出力する直流電圧を変換して前記電力制御回路から指示された値の昇圧された直流電圧を出力する昇圧チョッパ式DC/DCコンバータ(7)と、を備えて構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
  9. 請求項8に記載の誘導加熱調理器であって、前記昇圧チョッパ式DC/DCコンバータは、前記整流回路の出力の両端間に接続したリアクトル(12)、ダイオード(14)、出力平滑コンデンサ(15)の直列接続回路と、前記直列接続されたダイオードと出力平滑コンデンサとの両端間を開閉するスイッチング素子(13)と、該スイッチング素子に開閉駆動信号を与える駆動回路(7a)と、前記出力平滑コンデンサの両端電圧が前記電力制御回路から指示された値に一致するように該駆動回路に開閉のタイミング信号を与える出力電圧制御回路(7b)とを備えて構成すると共に、前記駆動回路の入力部に入力信号絶縁回路を設けて前記開閉のタイミング信号が電気的に絶縁した信号として伝達されるように構成したことを特徴とする誘導加熱調理器。

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