JP2006350051A - 変倍光学系、およびそれを備える撮像装置 - Google Patents

変倍光学系、およびそれを備える撮像装置 Download PDF

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淳雄 増井
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Abstract

【課題】 変倍比が極めて大きく、しかも、小型かつ高性能な変倍光学系等を提供する。
【解決手段】 物体側から像側に向かって、少なくとも、正のパワーを有する第1レンズ群GR1と、負のパワーを有する第2レンズ群GR2と、正のパワーを有する第3レンズ群GR3と、が配設され、第1レンズ群GRには、第1光学プリズムPRが備えられいる一方、第3レンズ群GR3には第2光学プリズムPR’が備えられている。そして、第3レンズ群GR3における最像側レンズ(第11レンズL11)が、非球面になっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レンズユニット等に用いられる変倍光学系、およびこの変倍光学系を備えた撮像装置に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ(PC)の普及に伴い、手軽に画像を取り込めるデジタルカメラ(撮像装置)が普及している。そして、このようなデジタルカメラにも、銀塩フィルムを用いたカメラ(銀塩カメラ)同様に、小型化(薄型化)や高性能化(例えば、高い変倍機能や高い収差補正機能)が要望されている。
これらの要望を達するため、物体側に最も近いレンズ群(第1レンズ群)に直角プリズムを備えた変倍光学系(ズームレンズ)を搭載した撮像装置(ビデオカメラ等)が開発されている(例えば特許文献1・2等)。これらの撮像装置は、直角プリズムで光軸を折り曲げることで、第1レンズ群の長さを抑制している(ひいては、ズームレンズの全長を抑制している)。そのため、撮像装置のハウジングの限られたスペース内に、全長の抑制されたズームレンズが適切に配設でき、その結果、ハウジングのサイズ(ひいては撮像装置のサイズ)が小型・薄型になっている。
特開平8−248318号公報(請求項1等参照) 特開平9−146000号公報(図5等参照)
しかしながら、この特許文献1・2の撮像装置は、正・負・正・正のパワー配置になった複数のレンズ群から成る変倍光学系を有している。したがって、変倍(ズーミング)のとき、例えば第2レンズ群が比較的大きく移動しなくてはならない。すると、この第2レンズ群の移動量に起因して変倍光学系(ズームレンズ)の全長が大型化(長大化)するおそれがある。そのため、この特許文献1・2の撮像装置では、小型化等の効果が充分に発揮されているとはいいがたい。
また、特に、近年の撮像装置(デジタルカメラ、ビデオカメラ等)に対する小型化の要望は高まっており、それに伴い変倍光学系自体の小型化も求められている。そのため、光軸を折り曲げることで小型化されるとともに、高性能な変倍光学系の要望は、極めて高いという実情も存在する。
本発明は、上記の問題点や近年の現状を鑑みてなされたものであり、その目的は、高性能で小型化された変倍光学系、およびそれを備えた撮像装置を提供することにある。
本発明の変倍光学系は、物体側からの光線を撮像素子に結像させる複数のレンズ群を備えている。さらに、複数のレンズ群は、物体側から像側に向かって、少なくとも、正のパワーを有する第1レンズ群と、負のパワーを有する第2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ群と、を含んでいる。そして、この変倍光学系では、第1レンズ群が光軸を変更する第1光軸変更素子を含む一方、第3レンズ群は光軸を変更する第2光軸変更素子を含んでいる。さらに、本発明の変倍光学系では、第3レンズ群における最像側レンズが、少なくとも1つの非球面を有するようになっている。
変倍光学系を小型化した場合、例えば群間距離(レンズ群同士の間隔)が短くなる。かかる場合、各レンズ群で要するパワー(屈折力)が比較的増加してしまう。特に、正・負・正のパワー配置になった変倍光学系では、各レンズ群で要するパワーは増加しやすい。このように、レンズ群のパワーが高まると、それに伴い種々の収差(軸外収差等)が発生しやすくなる。
しかしながら、本発明の変倍光学系のように、第3レンズ群における最像側レンズが、少なくとも1つの非球面を有している場合、この非球面を利用して、軸外収差等を効果的に補正できる。したがって、本発明は、高性能で(高い収差補正機能を有しながら)小型な(コンパクトな)変倍光学系になる。
なお、最像側レンズにおいて像側に位置する非球面は、以下の条件式(1)を満たすことが好ましい。
2<(|X|−|X0|)×100/{C0×(N’−N)×f3}<100
… 条件式(1)
ただし、
X :非球面の面形状
0 :非球面の参照球面の面形状
0 :非球面の参照球面の曲率
N :非球面における物体側の媒質の屈折力
N’:非球面における像側の媒質の屈折力
f3:第3レンズ群の焦点距離
である。
この条件式(1)は、第3レンズ群の最像側レンズのパワーに基づいて、変倍光学系の小型化と、収差補正の高性能化との調和を図るための範囲を規定している。そして、条件式(1)の上限値を下回る場合には種々の収差の発生が抑制される一方、条件式(1)の下限値を上回る場合には変倍光学系の過剰な大型化が抑制されるようになっている。したがって、条件式(1)の範囲内では、本発明は、収差発生を抑制しつつも(高性能化しつつも)、小型化された変倍光学系になる。
また、第3レンズ群は、少なくとも4枚以上のレンズを含んでいてもよい。複数の各レンズで効果的に収差補正できるためである。
なお、一般的に、本発明のような「正・負・正」のパワー配置になった変倍光学系では、第2レンズ群から発散光が射出されることになる。そこで、この射出してくる発散光を効果的に収斂させるため、複数のレンズが、第3レンズ群内の第2光軸変更素子よりも物体側に位置してもよい。
このような構成であれば、各レンズが、段階的に発散光を収斂させて第2光軸変更素子に導ける。そのため、第2レンズ群から第2光軸変更素子に至るまでの間隔が、比較的短くなり、ひいては変倍光学系の全長が短くなる。
また、本発明の変倍光学系は、変倍のときに、以下の条件式(2)を満たすことが好ましい。
0.1≦MV2/Lw≦0.5 … 条件式(2)
ただし、
MV2:第2レンズ群の移動量
Lw :広角端状態での変倍光学系の全長
である。
この条件式(2)は、第2レンズ群の移動量に基づいて、変倍光学系の小型化と、収差補正の高性能化(例えば高倍率化)との調和を図るための範囲を規定している。そして、条件式(2)の上限値を下回る場合には過剰な変倍光学系の大型化が抑制される一方、条件式(2)の下限値を上回る場合には変倍光学系の多種の倍率を確保できるようになっている。したがって、条件式(2)の範囲内では、本発明は、倍率の種類を確保しながらも、小型化した変倍光学系になる。
なお、本発明は、下記の条件式(3)を満たす、高い変倍比を有する変倍光学系になっている。
5.0<ft/fw … 条件式(3)
ただし、
ft : 望遠端での変倍光学系全体の焦点距離
fw : 広角端での変倍光学系全体の焦点距離
である。
また、本発明の変倍光学系では、変倍のために、第1レンズ群と第3レンズ群とが移動するとき、第1レンズ群と第3レンズ群との群間距離が不変になっていてもよい。例えば連結部を介して、第1レンズ群と第3レンズ群とが連結するようにし(連結状態にして)、両レンズ群が変倍のときに同時移動するようにしてもよい。かかる場合、これら両レンズ群の配設のための構成(配設構成)等が簡素化される。すると、両レンズ群が、例えば同一のレンズ鏡胴内に収納できる。その結果、このレンズ鏡胴のサイズが比較的小型化される。
また、変倍光学系から最終的に射出される光のテレセントリック性を高めるために、本発明の変倍光学系では、第3レンズ群の像側に、正のパワーを有する第4レンズ群が配設されてもよい。
なお、本発明のレンズの材質は、特に限定されるものではない。したがって、本発明の変倍光学系における各レンズが、樹脂(プラスチック等)で形成されてもよい。特に、第3レンズ群GR3における最像側レンズが、樹脂により形成されていると好ましい。このようにレンズの材質を樹脂にすると、非球面の形成が容易になるためである。
なお、上記したような変倍光学系を含む本発明の撮像装置は、変倍比が極めて大きく、しかも、高性能かつ小型な撮像装置になる。
小型化のために、各レンズ群で要するパワーを増加させ、群間距離等を短縮設計した場合であっても、本発明によれば、パワー増加に起因する種々の収差を、第3レンズ群における最像側レンズの非球面で効果的に補正できる。したがって、高性能な上に小型化した変倍光学系、およびそれを備える撮像装置が実現する。
[実施の形態1]
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.デジタルカメラについて〕
図5・図6は、本発明の撮像装置の一例であるデジタルカメラ29の概略構成図である。図5は、各部の内部ブロックの構成を示すとともに、デジタルカメラ29に内蔵されたレンズユニット1(変倍光学系11と撮像素子SRとを含む構成)を示している。一方、図6は、デジタルカメラ29の側面を示している。特に、この図6は、レンズユニット1を構成する変倍光学系11の一例を示している。なお、デジタルカメラ29の高さ方向を高さ方向U、水平方向を水平方向V,奥行き方向を奥行き方向Zと称する。
図5に示すように、デジタルカメラ29は、変倍光学系11、光学系駆動部13、撮像素子SR、信号処理部14、表示部15、記録部16、記録媒体17、操作部18、および制御部19を含むように構成されている。
変倍光学系11は、撮影対象からの光を撮像素子SRに導くとともに、その光を撮像素子SRの受光面(像面)上に結像させる光学系である。したがって、この変倍光学系11は、結像光学系や撮像光学系と表現してもよい。なお、変倍光学系11の詳細については後述する。
光学系駆動部13は、いくつかの駆動モータ(光学系用駆動モータ)と、その駆動力を変倍光学系11を構成するレンズ群に伝達する伝達機構(光学系用伝達機構)とを有している(なお、駆動モータ・伝達機構は不図示)。そして、光学系駆動部13は、駆動モータ・伝達機構を用いて、変倍光学系11の焦点距離・焦点位置を設定する。具体的には、光学系駆動部13は、制御部19からの指示に応じて、焦点距離・焦点位置を設定する。
撮像素子SRは、例えばCCD(Charge Coupled Device)のエリアセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等であり、変倍光学系11を経た光線を受光し、電気的信号(撮像データ)に変換する。そして、撮像素子SRは、この撮像データを信号処理部14へと出力する。
信号処理部14は、撮像素子SRからの電子データ(撮像データ)を処理することで、撮像データに基づいた撮像画像データを生成する。なお、この信号処理部14は、制御部19の指示に応じて処理動作のONまたはOFFを行う。また、制御部19の指示に応じて、信号処理部14は、撮像画像データを表示部15や記録部16に出力する。
表示部15は、例えば液晶パネルから構成されており、信号処理部14からの撮像画像データ等や、デジタルカメラ29の使用状況等を表示する。
記録部16は、制御部19の指示に応じて、記録媒体17に、信号処理部14の生成した撮像画像データを記録する。また、記録部16は、操作部18等による操作に応じた制御部19の指示に従い、記録媒体17から撮像画像データを読み出す。
記録媒体17は、例えばデジタルカメラ29の内部に組み込まれるようになったものでもよいし、フラッシュメモリ等のように着脱可能なものであってもよい。要は、撮像画像データ等を記録できるような媒体(光ディスクや半導体メモリ等)であればよい。
操作部18は、ユーザー等による各種操作指示を制御部19に出力するものであり、例えばシャッターレリーズボタンや操作ダイヤル等から構成されている。
制御部19は、デジタルカメラ29全体の動作制御等を行う中枢部分となっており、デジタルカメラ29の各部材の駆動を有機的に制御して、動作を統括制御する。
〔2.レンズユニットについて〕
ここで、変倍光学系11と撮像素子SRとを含むレンズユニット1について、図1、図5・図6を用いて説明する。図5・図6にて示されるレンズユニット1の一例は、デジタルカメラ29の内部に収容されている。そして、レンズユニット1は、光学プリズムPRや反射ミラーMRを用いて光線を折り曲げるようになっている。
ただし、光線(光軸)を折り曲げる部材(光軸変更素子)は、光学プリズムPRであっても反射ミラーMRであってもよい。そこで、レンズユニット1を一列状に展開した状態を示す図1(レンズ構成図)では、第3レンズ群GR3に光学プリズムPR’(第2光軸変更素)の含まれた変倍光学系11を例に挙げて説明する。また、このレンズユニット1における光軸をAX(AX1〜AX3;図5・図6参照)と表記する。
なお、この図1での「GRi」はレンズ群を示し、「Li」はレンズを示す。さらに、「si」は面(透過面等)を示している。そして、「GRi」・「Li」・「si」に付される数字(i)は、物体側から像側に至るまでの順番を示している。また、非球面の面には、「*」(アスタリスク)が付されている。そして、この図1に示される変倍光学系11(ひいてはレンズユニット1)は実施例1と称する。
〈2−1.レンズユニットの構成について(実施例1)〉
レンズユニット1の変倍光学系11は、撮影対象から順に、第1レンズ群GR1、第2レンズ群GR2、第3レンズ群GR3、第4レンズ群GR4、および撮像素子ユニットSUを含んでいる。なお、この撮像素子ユニットSUは物体側から順に5番目の位置になっていることから、以下で、SU5と表記する場合がある。
《第1レンズ群について》
第1レンズ群GR1は、物体側から順に、第1レンズL1、光学プリズム(第1光学プリズム)PR、第2レンズL2、および第3レンズL3を含んでいる。そして、この第1レンズ群GR1は、全体として「正」の光学的パワー(屈折力)を有している。なお、パワーは、焦点距離の逆数で定義されている。
第1レンズ(前玉レンズ)L1は、物体側凸の負メニスカスレンズである。
第1光学プリズム(第1光軸変更素子)PRは、物体側からの光線を直角等に折り曲げることのできるプリズムである(例えば直角プリズムである)。なお、光学プリズムPRにおけるs3は光線の入射面、s4は光線の射出面になっている。
第2レンズL2は、両側凸の正レンズ(両凸レンズ)であり、第3レンズL3は、物体側に凸の正メニスカスレンズである。
《第2レンズ群について》
第2レンズ群GR2は、物体側から順に、第4レンズL4、第5レンズL5、および第6レンズL6を含んでいる。そして、この第2レンズ群GR2は、全体として「負」の光学的パワーを有している。
第4レンズL4は、物体側凸の負メニスカスレンズである。なお、この第4レンズL4のs10は、非球面(非球面形状の屈折光学面、非球面と等価な屈折作用を有する面等)になっている。
第5レンズL5は、両側凹の負レンズであり、第6レンズL6は、両側凸の正レンズである。なお、第5レンズL5と第6レンズL6とは、s12・s13を接合することで接合レンズを構成している。また、接合方法として、接着剤等による接合が挙げられる(なお、後述の接合レンズの接合方法としても、同様に接着剤等の接合が挙げられる)。
《第3レンズ群について》
第3レンズ群GR3は、物体側から順に、光学絞りST、第7レンズL7、光学プリズム(第2光学プリズム)PR’、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10、および第11レンズ(最像側レンズ)L11を含んでいる。そして、この第3レンズ群GR3は、全体として「正」の光学的パワーを有している。
光学絞りSTは、開口径RSを可変できる絞りである。そして、この光学絞りSTは、第3レンズ群GR3と一体的に構成されている。なお、図1では、この光学絞りST自体を、便宜上、s15と表記している。
第7レンズL7は、物体側凸の平凸レンズである。なお、この第7レンズL7のs16は非球面になっている。
第2光学プリズム(第2光軸変更素子)PR’は、例えば第1光学プリズムPR同様に、光線を略90°(直角等)に折り曲げることのできるプリズムである。なお、第7レンズL7と第2光学プリズムPR’とは、s17・s18を介して接合している。
第8レンズL8は、両側凸の正レンズであり、第9レンズL9は、両側凹の負レンズである。そして、第8レンズL8と第9レンズL9とは、s21・s22を接合することで接合レンズを構成している。
第10レンズL10は、両側凹の負レンズであり、第11レンズL11は、物体側凸の負メニスカスレンズである。なお、この第11レンズL11のs26(物体側面)・s27(像側面)は非球面になっている。
《第4レンズ群について》
第4レンズ群GR4は、物体側から順に、第12レンズL12、および第13レンズL13を含んでいる。そして、この第4レンズ群GR4は、全体として「正」の光学的パワーを有している。
第12レンズL12は、両側凸の正レンズである。なお、s28・s29は非球面になっている。第13レンズL13は、物体側凹の負メニスカスレンズである。
《撮像ユニットについて》
撮像素子ユニットSU5は、2面構成(s32・s33)のカバーガラスCGおよび固定配置された撮像素子SRを含んでいる。そして、撮像素子SRに対してカバーガラスCGが取り付けられるようになっている。具体的には、カバーガラスCGのs33と撮像素子SRの受光面とが、極めて近づくように配設されている。なお、このカバーガラスCGが、撮像素子SRの画素ピッチにより決定される所定の遮断周波数特性を有する光学的フィルター(例えば赤外線カットフィルター)の役割を果たすようになっていてもよい。
〈2−2.変倍光学系(実施例1)のコンストラクションデータについて〉
次に、実施例1の変倍光学系11のコンストラクションデータについて、表1・表2を用いて説明する。
Figure 2006350051
この表1での「ri」は、各面(si)における曲率半径[単位;mm]を示している。なお、非球面の面には、アスタリスク(*)が付されている。「di」は、i番目の面(si)と、i+1番目の面(si+1)との間における軸上面間隔[単位;mm]を示している。なお、ズーミングにより軸上面間隔が変化(変動)する場合、広角端状態(W)でのdi・中間焦点距離状態(M)でのdi・望遠端状態(T)でのdiが、この順で表記されている。
また、「Ni」・「υi」は、軸上面間隔(di)での媒質の有する屈折率(Nd)・アッベ数(νd)を示している。なお、屈折率(Nd)・アッベ数(νd)は、d線(波長587.56nm)に対するものである。
また、「焦点距離状態」は、広角端状態(W;最短焦点距離状態)〜中間焦点距離状態(M)〜望遠端状態(T;最長焦点距離状態)を意味している。そして、「f」・「FNO」は、各焦点状態(W)・(M)・(T)に対応する全系の焦点距離[単位;mm]・Fナンバーを示している。
ところで、上記の非球面は、下記の式(定義式1)で定義される。
X(H)=C0・H2/{1+√(1−ε・C0 2・H2)}+ΣAj・Hj…(定義式
1)
ただし、定義式1中、
H :光軸AXに対しての垂直な方向の高さ
X(H):高さHの位置での光軸AX方向(サグ)の変位量
0 :近軸曲率(=1/ri)
ε :2次曲面パラメータ
j :非球面の次数、
Aj :j次の非球面係数
である。
そこで、非球面に関するデータ(非球面データ)を下記の表2に示す。ただし、表記されていない項の係数は「0」(ゼロ)であり、すべてのデータに関して、「E−n」=「×10-n」になっている。
Figure 2006350051
〈2−3.変倍光学系(実施例1)における各レンズ群の移動について〉
《ズーミングについて》
ここで、各レンズ群(GR1〜GR4)の移動について、図1を用いて説明する。通常、ズーミング等(変倍等)のとき、変倍光学系11は、各レンズ群の間隔を光軸AXに沿って変化させる。例えば図1の変倍光学系11は、ズーミングのとき、各レンズ群における少なくとも一部のレンズ群を移動させている。具体的には、第1レンズ群GR1〜第4レンズ群GR4(すなわち全てのレンズ群)が物体側に移動する(ただし、第2レンズ群GR2は物体側へ進んだ後に像側へUターン移動する)。
かかるようなズーミングのときには、各レンズ群間の距離(群間距離)が変動する。そこで、図1は、ズーミングに伴って間隔変動の生じる軸上面間隔(di)のみに番号を付している。具体的には、d8・d14・d27・d31が図示されている。また、図における矢印「MMi」は、望遠端状態(W)から中間焦点状態(M)、さらには、中間焦点状態(M)から望遠端状態(T)に至るまでの各レンズ群の移動を模式的に表記している。なお、MMiのiは物体側から像側に至るまでの順番を示している。したがって、各レンズ群等の順番に対応する。
なお、図2〜図4は、ズーミングにおける変倍光学系11の収差を示している。具体的には、図2(図2A〜図2C)は広角端状態(W)での収差、図3(図3A〜図3C)は中間焦点距離状態(M)での収差、図4(図4A〜図4C)は望遠端状態(T)での収差を示している。
そして、図2A・図3A・図4Aは球面収差(spherical aberration;S.A.)・正弦条件(sine condition;S.C.)を示している。そして、図における線dはd線に対する球面収差[単位;mm]、破線SCは正弦条件不満足量[単位;mm]を示している。なお、これらの図には、FNO(Fナンバー)も表記されている。
図2B・図3B・図4Bは非点収差(astigmatism)を示している。そして、図における破線DMは、メリジオナル面でのd線に対する非点収差[単位;mm]を示している。また、線DSは、サジタル面でのd線に対する非点収差[単位;mm]を示している。なお、これらの図には、撮像素子SRの受光面上での最大像高(光軸AXからの距離)である「Y’」[単位;mm]も表記されている。
図2C・図3C・図4Cは歪曲収差(distortion)を示している。そして、図における実線は、d線に対する歪曲[単位;%]を示している。なお、これらの図にも、「Y’」が表記されている。
〔3.本発明の種々の特徴の一例について〕
以上のように、本発明は、物体側から像側に向かって、少なくとも、正のパワーを有する第1レンズ群GR1と、負のパワーを有する第2レンズ群GR2と、正のパワーを有する第3レンズ群GR3と、を有する変倍光学系である。そして、第1レンズ群GRには、第1光学プリズムPRが備わっている一方、第3レンズ群GR3には第2光学プリズムPR’が備わっている。
さらに、本発明の変倍光学系では、第3レンズ群GR3における最像側レンズ(第11レンズL11)が、少なくとも1つの非球面を有している(実施例1ではs26・s27が非球面)。
近年の撮像装置(デジタルカメラ29等)の小型化の要望に応えようとした場合、種々の方法で撮像装置内の変倍光学系11を小型化できる。しかし、変倍光学系11を小型化した場合、一般的に群間距離が短くなるため、各レンズ群で要するパワー(屈折力)が比較的増加してしまう。特に、本発明の変倍光学系11のように、第1レンズ群GR1〜第3レンズ群GR3までが、正・負・正のパワー配置になっていると、各レンズ群で要するパワーは増加しやすい。
このように、レンズ群のパワーが高まると、それに伴い種々の収差が発生しやすくなる。特に光軸AXから離間した軸外光線に起因する軸外収差(コマ収差や非点収差等)の発生は著しい。しかしながら、本発明の変倍光学系11のように、第3レンズ群GR3における最像側レンズ(第11レンズL11)が、少なくとも1つの非球面を有している場合、この非球面を利用して、軸外収差を効果的に補正(収差補正)できる(図2〜図4参照)。したがって、本発明は、効果的に収差補正できながら、小型な(コンパクトな)変倍光学系11になる。
なお、最像側レンズ(第11レンズL11)の像側の非球面(s27)は、条件式(1)を満たすようになっていればよい。
2<(|X|−|X0|)×100/{C0×(N’−N)×f3}<100
… 条件式(1)
ただし、
X :非球面の面形状
0 :非球面の参照球面の面形状
0 :非球面の参照球面の曲率
N :非球面における物体側の媒質の屈折力
N’:非球面における像側の媒質の屈折力
f3:第3レンズ群の焦点距離[単位:mm]
である。
この条件式(1)は、第3レンズ群GR3における正のパワーの調整に要する非球面形状に関する式である。つまり、条件式(1)は、収差補正(軸外収差等の補正)に必要な正のパワーを発揮できる形状を表している。そして、この条件式(1)は、第3レンズ群GR3の最像側レンズ(第11レンズ11)のパワーに基づいて、変倍光学系11の小型化(例えば、変倍光学系11の全長の短縮化)と、収差補正の高性能化との調和を図るための範囲を規定している。
この条件式(1)において上限値を超える場合(上回る場合)、非球面が比較的強いパワーを有することを意味する(すなわち、第3レンズ群GR3が比較的大きなパワーを発揮できる)。そのため、変倍光学系11の全長は、比較的短くなる。
しかしながら、第3レンズ群GR3の発揮するパワーが高いと、それに伴って種々の収差(コマ収差等)も発生しやすくなる。すると、条件式(1)の上限値を超える場合には、変倍光学系11は、比較的収差が発生しやすいものの、全長を小型化できることになる。
一方、この条件式(1)において下限値を超える場合(下回る場合)、非球面が比較的弱いパワーを有することを意味する(すなわち、第3レンズ群GR3が比較的小さなパワーしか発揮できない)。かかる場合、小さなパワーに対応し、第3レンズ群GR3からの軸外光線等に起因する収差は発生しにくくなる。
しかしながら、第3レンズ群GR3の発揮するパワーが弱いと、変倍光学系11の全長も長くなってしまう。すると、条件式(1)の下限値を超える場合には、変倍光学系11は、比較的大型化してしまうものの、種々の収差発生を抑制できることになる。
以上より、条件式(1)の上限値を下回る場合には種々の収差の発生が抑制される一方、条件式(1)の下限値を上回る場合にはレンズユニットの過剰な大型化が抑制される。そのため、条件式(1)の範囲内では、本発明は、収差発生を抑制しつつも(高性能化しつつも)、小型化された変倍光学系11になる。
また、上記したように、この条件式(1)において上限値を超える場合には、第3レンズ群GR3は比較的大きなパワーを発揮する。そのため、第2光学プリズムPR’における光線通過位置が光軸AXに対して比較的近づいた位置になり、第2光学プリズムPR’自体のサイズが小型化する。しかしながら、第3レンズ群GR3のパワーの増加に伴って焦点距離が短くなっている。そのため、第2光学プリズムPR’は小型化したものの、その第2光学プリズムPR’を第3レンズ群GR3内で配置するスペース確保が難しくなる。
一方、この条件式(1)において下限値を超える場合には、第3レンズ群GR3は比較的小さなパワーしか発揮できない。そのため、第2光学プリズムPR’における光線通過位置が光軸AXに対して比較的離れた位置になり、第2光学プリズムPR’自体のサイズが大型化してしまう。しかしながら、第3レンズ群GR3のパワーの低下に伴って焦点距離が長くなっている。そのため、第3レンズ群GR3内で、大型化した第2光学プリズムPR’を配置するスペース確保が容易になる。ただし、変倍光学系11自体の全長は長くなってしまう。
以上より、条件式(1)の上限値を下回る場合には第2光学プリズムPR’を配設するスペースを容易に確保できる一方、条件式(1)の下限値を上回る場合には変倍光学系11自体の過剰な大型化を抑制できる。そのため、条件式(1)の範囲内では、本発明は、第2光学プリズムPR’を比較的小型サイズに設計できつつ、この第2光学プリズムPR’の配置スペースを容易に確保できる変倍光学系11になる。つまり、本発明の変倍光学系11は、第2光学プリズムPR’を備えつつも、小型化したものになる。
また、非球面の数は限定されるものではない。すなわち、非球面は、第3レンズ群GR3における最像側レンズ(第11レンズL11)の物体側面(s26)および像側面(s27)に形成されてもよい。ただし、少なくとも第11レンズL11の像側面(s27)が、条件式(1)を満たしていれば、効果的に、種々の収差補正を行える。
また、光学絞りSTから一層離れた位置にある像側面(s27)近傍では、軸上光線と軸外光線とが解離した状態になっている。そのため、非点収差等が生じやすい。しかしながら、本発明のように、像側面(s27)が非球面形状になっていれば、非点収差等を効果的に補正することもできる。
なお、実施例1の変倍光学系11〔第11レンズ11の像側面(s27)〕を条件式(1)に対応させてみると、下記のようになっている(後述の図23参照)。
・像側面(s27)の(|X|−|X0|)×100/{C0×(N’−N)×f3} =42.9
また、条件式(1)でのX、X0 、C0 、N、N’、f3の値は、下記のようになっている(後述の図24参照)。
X = 0.059491
0 = 0.149167
0 = 0.02336734
N = 1.62017
N’= 1.00000
f3=14.43653
また、本発明の変倍光学系11では、第3レンズ群GR3が、少なくとも4枚以上のレンズを含んでもよい。このような構成であれば、小型化(コンパクト化)のために、第3レンズ群GR3のパワーが増加し、種々の収差が発生しやすくなったとしても、複数の各レンズで効果的に収差補正できるためである。つまり、かかる構成であれば、本発明は、収差補正の負担を複数のレンズに分散できる変倍光学系11になる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1での変倍光学系11(実施例1)では、第3レンズ群GR3は、少なくとも4枚以上のレンズを含んでいる。そして、図1に示すように、第2光学プリズムPR’の物体側に1枚のレンズ(第7レンズL7)が位置し、像側に4枚のレンズ(第8レンズL8〜第11レンズ11)が位置するようになっている。
〔1.他の変倍光学系について〕
しかし、本発明の変倍光学系11は、このような位置(配設位置)に限定されるものではない。そこで、下記に、実施例1と異なる配設位置を有する変倍光学系11(実施例2)を図7を用いて説明する。
なお、この図7では、実施例1(図1参照)での第2光学プリズムPR’を省略し、空気間隔を明示するようにしている。また、この実施例2の変倍光学系11は、撮影対象から順に、第1レンズ群GR1、第2レンズ群GR2、第3レンズ群GR3、および不動の第4レンズ群GR4を有し、「正・負・正・正」の光学的パワー配置になっている。さらに、第4レンズ群GR4に含まれるカバーガラスCGに、撮像素子SRが固定されるようになっている(撮像素子SRが不動になっている)。
〈実施例2の変倍光学系について(図7参照)〉
《第1レンズ群について》
第1レンズ群GR1は、物体側から順に、第1レンズL1、光学プリズムPR、第2レンズL2、および第3レンズL3を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第1レンズL1:物体側凸の負メニスカスレンズ
・第2レンズL2:両側凸の正レンズ
・第3レンズL3:物体側凸の正メニスカスレンズ
《第2レンズ群について》
第2レンズ群GR2は、物体側から順に、第4レンズL4、第5レンズL5、および第6レンズL6を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第4レンズL4:両側凹の負レンズ(s10は非球面)
・第5レンズL5:両側凹の負レンズ
・第6レンズL6:両側凸の正レンズ
なお、第5レンズL5と第6レンズL6とは、s12・s13を接合することで接合レンズを構成している。
《第3レンズ群について》
第3レンズ群GR3は、物体側から順に、光学絞りST(s15とも表記、第3レンズ群GR3と一体構成)、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10、および第11レンズ(最像側レンズ)L11を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第7レンズL7 :両側凸の正レンズ(s16は非球面)
・第8レンズL8 :物体側凹の負メニスカスレンズ
・第9レンズL9 :両側凸の正レンズ
・第10レンズL10:両側凹の負レンズ
・第11レンズL11:物体側凹の負メニスカスレンズ(s24・s25は非球面)
なお、第7レンズL7と第8レンズL8とは、s17・s18を接合することで接合レンズを構成し、第9レンズL9と第10レンズL10とは、s21・s22を接合することで接合レンズを構成している。
また、図示していないが、第8レンズL8と第9レンズL9との間(空気間隔)に、第8レンズL8から射出してくる光線を折り曲げる光学プリズムや反射ミラー等が設けられるようになっている。
《第4レンズ群について》
第4レンズ群GR4は、物体側から順に、第12レンズL12、およびカバーガラスCG(s28・s29を有する2面構成のガラス)を含んでいる。そして、第12レンズL12は、下記のような特徴を有している。
・第12レンズL12:物体側凸の正メニスカスレンズ(s26・s27は非球面)
《変倍光学系(実施例2)のコンストラクションデータについて》
次に、実施例2の変倍光学系11のコンストラクションデータについて、表3・表4を用いて説明する。なお、この表3・表4は、上記の表1・表2と同様の表現になっている。
Figure 2006350051
Figure 2006350051
〈変倍光学系(実施例2)における各レンズ群の移動について〉
《ズーミングについて》
実施例2の変倍光学系11は、図7に示すように、ズーミングの場合、各レンズ群における少なくとも一部のレンズ群を移動させている。具体的には、第1レンズ群GR1〜第3レンズ群GR3は物体側に移動する(ただし、第2レンズ群GR2は物体側へ進んだ後に像側へUターン移動する)。そこで、図7は、ズーミングに伴って間隔変動の生じる軸上面間隔(di)のみに番号を付している。具体的には、d8・d14・d25が図示されている。
なお、図8〜図10は、ズーミングにおける実施例2の変倍光学系11の収差を示している。そして、この図8〜図10は、図2〜図4と同様の表現になっている。
〔2.本発明の種々の特徴の一例について〕
以上のような、実施例2の変倍光学系11は、実施例1同様に、少なくとも4枚以上のレンズ(具体的には第7レンズL7〜第11レンズL11)を備えた第3レンズ群GR3を有している。そして、この第3レンズ群GR3の最像側レンズ(第11レンズL11)の両面(s24・s25)は非球面になっている。その上、像側面(s25)は、条件式(1)の条件を満たすようになっている(図23参照)。したがって、実施例2の変倍光学系11は、実施の形態1の変倍光学系11と同様の作用効果を奏じる。
さらに、実施例2の変倍光学系11は、第3レンズ群GR3内(第8レンズL8と第9レンズL9との間)に、光学プリズムや反射ミラー等(第2光軸変更素子;不図示)を設けている。そして、この光学プリズム等の物体側には、第7レンズL7・第8レンズL8が位置している。すなわち、本発明の変倍光学系11は、第3レンズ群GR3内で、光学プリズム等よりも物体側に、複数のレンズを含むようになっている。
一般的に、本発明のような「正・負・正・正」のパワー配置になった変倍光学系11では、第2レンズ群GR2が、第1レンズ群GR1で収斂された直後の光線を発散させなくてはならない。そのため、第2レンズ群GR2は、比較的強い負のパワーを有している。その結果、この第2レンズ群GR2と第1レンズ群GR1との合成のパワーは負になる。すると、第2レンズ群GR2から発散光が射出されることになる。
そこで、この射出してくる発散光を効果的に収斂させるべく、本発明の変倍光学系11では、第3レンズ群GR3内の光学プリズム等よりも物体側で、複数のレンズが位置するようになっている。このような構成であれば、各レンズが、段階的に発散光を収斂させて光学プリズム等に導ける。そのため、第2レンズ群GR2から第3レンズ群GR3との間隔(特に、第2レンズ群GR2から第3レンズ群GRの光学プリズム等に至るまでの間隔)が、比較的短くなる。したがって、実施例2のような本発明は、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間隔の狭まった変倍光学系11になる。
また、このような変倍光学系11が、図5・図6のように、デジタルカメラ29のハウジング内に収納されると、デジタルカメラ29の高さ方向Uが短くなる。つまり、本発明の変倍光学系11を備えるデジタルカメラ29は小型化される。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1・2で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
〔1.他の変倍光学系について〕
ところで、デジタルカメラ29の高さ方向Uをさらに短くする別の構成がある。例えば、ズーミング(変倍)のとき、過剰に第2レンズ群GR2が移動しない構成である。そこで、まず、かかるような構成を備える変倍光学系(実施例3〜実施例5)を、下記にて説明する。
なお、実施例3〜実施例5の変倍光学系11は、実施例2同様に、撮影対象から順に、第1レンズ群GR1、第2レンズ群GR2、第3レンズ群GR3、および不動な第4レンズ群GR4を有し、「正・負・正・正」の光学的パワー配置になっている。そして、第3レンズ群GR3に含まれる第2光学プリズムも、実施例2同様に省略されている。
〈実施例3の変倍光学系について(図11参照)〉
《第1レンズ群について》
第1レンズ群GR1は、物体側から順に、第1レンズL1、光学プリズムPR、第2レンズL2、および第3レンズL3を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第1レンズL1:物体側凸の負メニスカスレンズ
・第2レンズL2:両側凸の正レンズ
・第3レンズL3:物体側凸の正メニスカスレンズ
《第2レンズ群について》
第2レンズ群GR2は、物体側から順に、第4レンズL4、第5レンズL5、および第6レンズL6を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第4レンズL4:両側凹の負レンズ(s10は非球面)
・第5レンズL5:両側凹の負レンズ
・第6レンズL6:両側凸の正レンズ
なお、第5レンズL5と第6レンズL6とは、s12・s13を接合することで接合レンズを構成している。
《第3レンズ群について》
第3レンズ群GR3は、物体側から順に、光学絞りST(s15とも表記、第3レンズ群GR3と一体構成)、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10、および第11レンズ(最像側レンズ)L11を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第7レンズL7 :両側凸の正レンズ(s16は非球面)
・第8レンズL8 :物体側凹の負メニスカスレンズ
・第9レンズL9 :物体側凸の負メニスカスレンズ
・第10レンズL10:物体側凸の正メニスカスレンズ
・第11レンズL11:物体側凸の正メニスカスレンズ(s24・s25は非球面)
なお、第7レンズL7と第8レンズL8とは、s17・s18を接合することで接合レンズを構成しており、第9レンズL9と第10レンズL10とは、s21・s22を接合することで接合レンズを構成している。
また、図示していないが、第8レンズL8と第9レンズL9との間(空気間隔)に、第8レンズL8から射出してくる光線を折り曲げる光学プリズムや反射ミラー等が設けられるようになっている。
《第4レンズ群について》
第4レンズ群GR4は、物体側から順に、第12レンズL12、およびカバーガラスCG(s28・s29を有する2面構成のガラス)を含んでいる。そして、第12レンズL12は、下記のような特徴を有している。
・第12レンズL12:物体側凸の正レンズ(s26・s27は非球面)
《変倍光学系(実施例3)のコンストラクションデータについて》
次に、実施例3の変倍光学系11のコンストラクションデータについて、表5・表6を用いて説明する。なお、この表5・表6は、上記の表1・表2と同様の表現になっている。
Figure 2006350051
Figure 2006350051
《変倍光学系(実施例3)における各レンズ群の移動について》
《《ズーミングについて》》
実施例3の変倍光学系11は、図11に示すように、ズーミングの場合、各レンズ群における少なくとも一部のレンズ群(第1レンズ群GR1〜第3レンズ群GR3)を、物体側へ移動させている。そこで、図11は、ズーミングに伴って間隔変動の生じる軸上面間隔(di)のみに番号を付している。具体的には、d8・d14・d25が図示されている。
なお、図12〜図14は、ズーミングにおける実施例3の変倍光学系11の収差を示している。そして、この図12〜図14は、図2〜図4と同様の表現になっている。
〈実施例4の変倍光学系について(図15参照)〉
《第1レンズ群について》
第1レンズ群GR1は、物体側から順に、第1レンズL1、光学プリズムPR、第2レンズL2、および第3レンズL3を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第1レンズL1:物体側凸の負メニスカスレンズ
・第2レンズL2:両側凸の正レンズ
・第3レンズL3:両側凸の正レンズ
《第2レンズ群について》
第2レンズ群GR2は、物体側から順に、第4レンズL4、第5レンズL5、および第6レンズL6を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第4レンズL4:両側凹の負レンズ(s10は非球面)
・第5レンズL5:両側凹の負レンズ
・第6レンズL6:両側凸の正レンズ
なお、第5レンズL5と第6レンズL6とは、s12・s13を接合することで接合レンズを構成している。
《第3レンズ群について》
第3レンズ群GR3は、物体側から順に、光学絞りST(s15とも表記、第3レンズ群GR3と一体構成)、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10、および第11レンズ(最像側レンズ)L11を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第7レンズL7 :両側凸の正レンズ(s16は非球面)
・第8レンズL8 :物体側凹の負メニスカスレンズ
・第9レンズL9 :物体側凸の負メニスカスレンズ
・第10レンズL10:物体側凸の正メニスカスレンズ
・第11レンズL11:物体側凸の正メニスカスレンズ(s24・s25は非球面)
なお、第7レンズL7と第8レンズL8とは、s17・s18を接合することで接合レンズを構成し、第9レンズL9と第10レンズL10とは、s21・s22を接合することで接合レンズを構成している。
また、図示していないが、第8レンズL8と第9レンズL9との間(空気間隔)に、第8レンズL8から射出してくる光線を折り曲げる光学プリズムや反射ミラー等が設けられるようになっている。
《第4レンズ群について》
第4レンズ群GR4は、物体側から順に、第12レンズL12、第13レンズL13、およびカバーガラスCG(s30・s31を有する2面構成のガラス)を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第12レンズL12:両側凸の正レンズ(s26・s27は非球面)
・第13レンズL13:両側凹の負レンズ
《変倍光学系(実施例4)のコンストラクションデータについて》
次に、実施例4の変倍光学系11のコンストラクションデータについて、表7・表8を用いて説明する。なお、この表7・表8は、上記の表1・表2と同様の表現になっている。
Figure 2006350051
Figure 2006350051
《変倍光学系(実施例4)における各レンズ群の移動について》
《《ズーミングについて》》
実施例4の変倍光学系11は、図15に示すように、ズーミングの場合、各レンズ群における少なくとも一部のレンズ群(第1レンズ群GR1〜第3レンズ群GR3)を、物体側へ移動させている。そこで、図15は、ズーミングに伴って間隔変動の生じる軸上面間隔(di)のみに番号を付している。具体的には、d8・d14・d25が図示されている。
なお、図16〜図18は、ズーミングにおける実施例4の変倍光学系11の収差を示している。そして、この図16〜図18は、図2〜図4と同様の表現になっている。
〈実施例5の変倍光学系について(図19参照)〉
《第1レンズ群について》
第1レンズ群GR1は、物体側から順に、第1レンズL1、光学プリズムPR、第2レンズL2、および第3レンズL3を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第1レンズL1:物体側凸の負メニスカスレンズ
・第2レンズL2:両側凸の正レンズ
・第3レンズL3:物体側凸の正メニスカスレンズ
《第2レンズ群について》
第2レンズ群GR2は、物体側から順に、第4レンズL4、第5レンズL5、および第6レンズL6を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第4レンズL4:物体側凸の負メニスカスレンズ(s10は非球面)
・第5レンズL5:両側凹の負レンズ
・第6レンズL6:両側凸の正レンズ
なお、第5レンズL5と第6レンズL6とは、s12・s13を接合することで接合レンズを構成している。
《第3レンズ群について》
第3レンズ群GR3は、物体側から順に、光学絞りST(s15とも表記、第3レンズ群GR3と一体構成)、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10、および第11レンズ(最像側レンズ)L11を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第7レンズL7 :両側凸の正レンズ(s16は非球面)
・第8レンズL8 :物体側凹の負メニスカスレンズ
・第9レンズL9 :物体側凸の負メニスカスレンズ
・第10レンズL10:物体側凸の正メニスカスレンズ
・第11レンズL11:物体側凸の正メニスカスレンズ(s24・s25は非球面)
なお、第7レンズL7と第8レンズL8とは、s17・s18を接合することで接合レンズを構成し、第9レンズL9と第10レンズL10とは、s21・s22を接合することで接合レンズを構成している。
また、図示していないが、第8レンズL8と第9レンズL9との間(空気間隔)に、第8レンズL8から射出してくる光線を折り曲げる光学プリズムや反射ミラー等が設けられるようになっている。
《第4レンズ群について》
第4レンズ群GR4は、物体側から順に、第12レンズL12、第13レンズL13、およびカバーガラスCG(s30・s31を有する2面構成のガラス)を含んでいる。そして、各レンズは、下記のような特徴を有している。
・第12レンズL12:両側凸の正レンズ(s26・s27は非球面)
・第13レンズL13:物体側凹の負メニスカスレンズ
《変倍光学系(実施例5)のコンストラクションデータについて》
次に、実施例5の変倍光学系11のコンストラクションデータについて、表9・表10を用いて説明する。なお、この表9・表10は、上記の表1・表2と同様の表現になっている。
Figure 2006350051
Figure 2006350051
《変倍光学系(実施例5)における各レンズ群の移動について》
《《ズーミングについて》》
実施例5の変倍光学系11は、図19に示すように、ズーミングの場合、各レンズ群における少なくとも一部のレンズ群(第1レンズ群GR1〜第3レンズ群GR3)を、物体側へ移動させている。そこで、図19は、ズーミングに伴って間隔変動の生じる軸上面間隔(di)のみに番号を付している。具体的には、d8・d14・d25が図示されている。
なお、図20〜図22は、ズーミングにおける実施例6の変倍光学系11の収差を示している。そして、この図20〜図22は、図2〜図4と同様の表現になっている。
〔2.本発明の種々の特徴の一例について〕
以上のような、実施例3〜5の変倍光学系11は、実施例1・2同様に、少なくとも4枚以上のレンズ(具体的には第7レンズL7〜第11レンズL11)を備えた第3レンズ群GR3を有している。そして、この第3レンズ群GR3の最像側レンズ(第11レンズL11)における少なくとも1つの面(s24・s25)は非球面になっている。その上、像側面(s25)は、条件式(1)の条件を満たすようになっている(図23参照)。したがって、実施例3〜5の変倍光学系11は、実施の形態1の変倍光学系11と同様の作用効果を奏じる。
さらに、実施例3〜5の変倍光学系11は、実施例2同様に、第3レンズ群GR3内(第8レンズL8と第9レンズL9との間)に光学プリズムや反射ミラー等(第2光軸変更素子)を設け、この光学プリズム等の物体側に第7レンズL7・第8レンズL8を位置させている。したがって、実施例3〜5の変倍光学系11は、実施の形態2の変倍光学系11と同様の作用効果も奏じる。
そして、特に、この実施例3〜5の変倍光学系11は、ズーミング(変倍)のとき、下記の条件式(2)を満たすようになっている。
0.1≦MV2/Lw≦0.5 … 条件式(2)
ただし、
MV2:第2レンズ群GR2の移動量[単位:mm]
Lw :広角端状態(W)での変倍光学系11の全長[単位:mm]
である。
この条件式(2)は、第2レンズ群GR2の移動量MV2を、広角端状態(W)での変倍光学系11の全長Lwで規定したものである。そして、この条件式(2)は、第2レンズ群GR2の移動量MV2に基づいて、変倍光学系11の小型化(例えば、変倍光学系11の全長の短縮化)と、収差補正の高性能化との調和を図るための範囲を規定している。
変倍光学系11の全長Lwに対する第2レンズ群GR2の移動量MV2の比が、条件式(2)の上限値を超える場合、第2レンズ群GR2が、ズーミングのために比較的長距離を移動する。かかる場合、移動量MV2の増加に伴って、変倍光学系11は、種々の倍率を発揮できる。
しかしながら、第2レンズ群GR2の移動量MV2が長すぎると、第2レンズ群GR2の前後(物体側・像側)間隔を確保しておく必要がある。そのため、条件式(2)の上限値を超える場合には、変倍光学系11は、比較的全長を長くするものの、種々の倍率を発揮している。
一方、変倍光学系11の全長Lwに対する第2レンズ群GR2の移動量MV2の比が、条件式(2)の下限値を超える場合、第2レンズ群GR2が、ズーミングのために比較的短距離しか移動しない。かかる場合、移動量MV2の減少に伴って、第2レンズ群GR2の前後間隔(スペース)を短くできる。したがって、変倍光学系11の全長も短くなる。
しかしながら、第2レンズ群GR2の前後間隔が短くなっていると、第2レンズ群GR2の移動に基づく、変倍光学系11の倍率設定の幅は狭くなる。つまり、変倍光学系11が、多彩な倍率を発揮できなくなる。そのため、条件式(2)の下限値を超える場合には、変倍光学系11は、倍率設定の幅を狭めるものの、全長を比較的短くしている。
以上より、条件式(2)の上限値を下回る場合には過剰な変倍光学系11の大型化が抑制される一方、条件式(2)の下限値を上回る場合には変倍光学系11の多種の倍率を確保できる。そのため、条件式(2)の範囲内では、本発明は、倍率の種類を確保しながらも、小型化した変倍光学系11になる。
また、上記したように、この条件式(2)において上限値を超える場合には、第2レンズ群GR2が、比較的に長距離移動するので、種々の収差の補正において有利である。しかし、上記したように、移動量MV2の増加に伴って、変倍光学系11の全長も長くなる。一方、条件式(1)において下限値を超える場合には、第2レンズ群GR2が、比較的に短距離しか移動しないので、種々の収差の補正において不利である。しかし、上記したように、移動量MV2の減少に伴って、変倍光学系11の全長も短くなる。そのため、条件式(2)の範囲内では、本発明は、良好な収差補正を行いながらも、小型化した変倍光学系11になる。
なお、実施例3〜5のレンズユニット1を条件式(2)に対応させてみると、下記のようになる(図23参照)。
・実施例3のMV2/Lw=0.19
・実施例4のMV2/Lw=0.20
・実施例5のMV2/Lw=0.26
また、条件式(2)でのMV2・Lwの値は、下記のようになっている(後述の図24参照)。
・実施例3のMV2=14.349、実施例3のLw=75.347
・実施例4のMV2=15.165、実施例4のLw=75.000
・実施例5のMV2=16.950、実施例5のLw=65.470
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、本発明のレンズユニット1におけるズーム比(変倍比)は、特に限定されるものではないが、下記の条件式(3)を満たすことが好ましい。
条件式(3)は、下記のようになっている。
5.0<ft/fw
ただし、
ft : 望遠端での変倍光学系全体の焦点距離
fw : 広角端での変倍光学系全体の焦点距離
である。
条件式(3)は、変倍光学系11(ひいてはレンズユニット1)のズーム比を表している。すると、この条件式(3)を満たすことは、従来のデジタルカメラ29のズーム比(例えば3倍程度)に比べて、かなり高いズーム比を有してることになる。つまり、本発明は、高いズーム比を備えながら、上記してきた効果を奏じるレンズユニット1になっている。このことにより、本発明の変倍光学系11におけるズーム性能(変倍性能)の有意性が大きくなり、ユーザーベネフィットが達成可能となる。
なお、以上の説明では、条件式(1)〜条件式(3)を説明してきた。そこで、各実施例1〜5に対応させた条件式(1)〜条件式(3)の値を図23に示す。また、条件式(1)〜(3)の値を求めるために必要なX、X0 、C0 、N、N’、f3、MV2、Lw、ft、fwの値を図24に示す。すると、この図23に示すように、本発明の実施例1・実施例2の変倍光学系11は条件式(1)・条件式(3)を満たすようになっており、実施例3〜5の変倍光学系11は条件式(1)〜条件式(3)を満たすようになっていることがわかる。
また、本発明の変倍光学系11は、ズーミングで、第1レンズ群GR1と第3レンズ群GR3とを移動させるとき、両者(第1レンズ群GR1・第3レンズ群GR3)の群間距離を不変にしてもよい。例えば、第1レンズ群GR1および第3レンズ群GR3をレンズ枠(連結部;不図示)を介して一体にさせることで、両者が同時移動してもよい。
このように、第1レンズ群GRと第3レンズ群GRとが連結状態(リンク状態)になっていると、これら両レンズ群GR1・GR3の配設に要する構成(配設構成)が簡素化される。そのため、両レンズ群GR1・GR3が、例えば、同一のレンズ鏡胴内(不図示)に収納可能になる。その結果、レンズ鏡胴が比較的コンパクトになりやすい。
また、第1レンズ群GR1・第3レンズGR3毎に対応する移動用動力源(モータ等)も不要になる〔移動に要する構成(移動構成)が簡素化される〕。つまり、単一の動力源のみで、第1レンズ群GR1・第3レンズGR3の2つのレンズ群を移動させることができる。
また、撮像素子SRに入射する光をテレセントリック性の高い光にするために、本発明の変倍光学系11は、正・負・正のパワー配置になった第1レンズ群GR1〜第3レンズGR3の次に(像側に)、正の第4レンズ群GR4を配置(配設)させている。このような構成であれば、撮像素子SRに生じ得るシェーディングを抑制できる。
また、変倍光学系11におけるレンズ群(GRi)の各レンズ(Li)が、樹脂(プラスチック等)で形成されてもよい。特に、第3レンズ群GR3における最像側レンズが、樹脂により形成されていると好ましい。このようにレンズの材質を樹脂にすると、非球面の形成が容易になるためである。また、レンズの大量生産も可能になり、変倍光学系11(ひいてはデジタルカメラ29)のコストダウンにもつながる。なお、樹脂の材質は特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート等が挙げられる。
ところで、本発明のコンパクトな変倍光学系11は、種々の撮像装置(銀塩写真カメラやデジタルスチルカメラ等)やデジタル入力機器(例えば撮像装置を具備したデジタル機器)に用いられる。したがって、本発明の変倍光学系11を用いた撮像装置等は、コンパクトなものになる。また、撮像装置等における限られたハウジング内の容積に占める変倍光学系11の割合は、比較的小さくなる。そのため、撮像装置等の余裕のあるハウジング内に、種々の部品(電子部品等)が配置できる(ハウジング容積の有効活用が達成できる)。したがって、種々の部品を搭載した高性能な撮像装置が実現できる。
また、図5・図6に示すような撮像装置29は、撮像素子SRを固定し、光軸変更素子(光学プリズムPRまたは反射ミラーMR)を含む第1レンズ群GR1・第3レンズ群GR3を移動させるようにしてズーミング等を行う構成であってもよい。また、撮像装置29が、光軸変更素子を含む第1レンズ群GR1・第3レンズ群GR3を固定し、撮像素子SRを移動させるようにしてズーミング等を行う構成であってもよい。
また、最近、動画も静止画も同時に扱えるデジタルカメラ・ビデオカメラが、種々開発されている。したがって、本発明は、撮像素子の受光面上に形成される光学像を電気信号に変換できる撮像装置の全てを意味する。したがって、例を挙げると、デジタルカメラ、デジタルムービーカメラ、ウェブカメラ、携帯電話、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistance)等が想定される。なお、ウェブカメラとは、ネットワークを介して画像を送受信できる電子機器に接続されるカメラである。ただし、開放型またはプライベート型のいずれであってもよいし、ネットワークに直接接続する方式またはパーソナルコンピュータ等を介して接続する方式のいずれであってもよい。
実施例1の変倍光学系を備えるレンズユニットのレンズ構成図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例1)の球面収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例1)の非点収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例1)の歪曲収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例1)の球面収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例1)の非点収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例1)の歪曲収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例1)の球面収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例1)の非点収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例1)の歪曲収差図である。 各実施の形態のデジタルカメラであり、背面からの概略構成図である。 各実施の形態のデジタルカメラであり、側面からの概略構成図である。 実施例2の変倍光学系を備えるレンズユニットのレンズ構成図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例2)の球面収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例2)の非点収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例2)の歪曲収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例2)の球面収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例2)の非点収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例2)の歪曲収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例2)の球面収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例2)の非点収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例2)の歪曲収差図である。 実施例3の変倍光学系を備えるレンズユニットのレンズ構成図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例3)の球面収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例3)の非点収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例3)の歪曲収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例3)の球面収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例3)の非点収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例3)の歪曲収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例3)の球面収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例3)の非点収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例3)の歪曲収差図である。 実施例4の変倍光学系を備えるレンズユニットのレンズ構成図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例4)の球面収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例4)の非点収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例4)の歪曲収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例4)の球面収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例4)の非点収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例4)の歪曲収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例4)の球面収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例4)の非点収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例4)の歪曲収差図である。 実施例5の変倍光学系を備えるレンズユニットのレンズ構成図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例5)の球面収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例5)の非点収差図である。 広角端状態(W)になった変倍光学系(実施例5)の歪曲収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例5)の球面収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例5)の非点収差図である。 中間焦点距離状態(M)になった変倍光学系(実施例5)の歪曲収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例5)の球面収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例5)の非点収差図である。 望遠端状態(T)になった変倍光学系(実施例5)の歪曲収差図である。 実施例1〜5の変倍光学系に対応する条件式(1)〜条件式(3)の結果を示す説明図である。 実施例1〜5の変倍光学系に対応する条件式(2)での|X|、|X0|、C0 、N、N’、f3、MV2、Lw、ft、fwの値を示す説明図である。
符号の説明
1 レンズユニット
11 変倍光学系
29 デジタルカメラ(撮像装置)
GRi レンズ群
GR1 第1レンズ群
GR2 第2レンズ群
GR3 第3レンズ群
GR4 第4レンズ群
SU 撮像素子ユニット
Li レンズ
si 面
SR 撮像素子
PR 光学プリズム(第1光軸変更素子)
PR’ 光学プリズム(第2光軸変更素子)
ST 光学絞り
CG カバーガラス
AX 光軸

Claims (11)

  1. 物体側からの光線を撮像素子に結像させる複数のレンズ群を備え、
    上記複数のレンズ群は、物体側から像側に向かって、少なくとも、
    正のパワーを有する第1レンズ群と、
    負のパワーを有する第2レンズ群と、
    正のパワーを有する第3レンズ群と、
    を含んでおり、
    上記第1レンズ群が光軸を変更する第1光軸変更素子を含む一方、上記第3レンズ群は光軸を変更する第2光軸変更素子を含んでおり、
    さらに、上記第3レンズ群における最像側レンズが、少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする変倍光学系。
  2. 上記最像側レンズにおいて像側に位置する非球面は、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の変倍光学系;
    2<(|X|−|X0|)×100/{C0×(N’−N)×f3}<100
    … 条件式(1)
    ただし、
    X :非球面の面形状
    0 :非球面の参照球面の面形状
    0 :非球面の参照球面の曲率
    N :非球面における物体側の媒質の屈折力
    N’:非球面における像側の媒質の屈折力
    f3:第3レンズ群の焦点距離
    である。
  3. 上記第3レンズ群は、少なくとも4枚以上のレンズを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の変倍光学系。
  4. 上記第3レンズ群は、第2光軸変更素子よりも物体側に、複数のレンズを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  5. 変倍のときに、以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の変倍光学系;
    0.1≦MV2/Lw≦0.5 … 条件式(2)
    ただし、
    MV2:第2レンズ群の移動量
    Lw :広角端状態での変倍光学系の全長
    である。
  6. 以下の条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の変倍光学系;
    5.0<ft/fw … 条件式(3)
    ただし、
    ft : 望遠端での変倍光学系全体の焦点距離
    fw : 広角端での変倍光学系全体の焦点距離
    である。
  7. 変倍のために、上記の第1レンズ群と第3レンズ群とが移動するとき、
    第1レンズ群と第3レンズ群との群間距離が不変になっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  8. 上記の第1レンズ群と第3レンズ群とが、連結状態になっていることを特徴とする請求項7に記載の変倍光学系。
  9. 上記第3レンズ群の像側に、正のパワーを有する第4レンズ群が配設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  10. 上記第3レンズ群における最像側レンズが、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の変倍光学系を備えることを特徴とする撮像装置。
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