JP2006349478A - 静電容量型力学量センサおよびその製造方法 - Google Patents

静電容量型力学量センサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多重積層構造によらずに対向電極の間に適当な空間(キャビティ)を形成し、もって製造工程数の削減を図ることのできる静電容量型力学量センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】櫛歯状の可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4を、基板1表面に平行な方向(横方向)に一定の間隔をおいて対向配置させ、検出対象とする圧力の印加に応じて変位する上記受圧膜2の変位に伴い、これら対向配置される電極間の容量値が、該印加される圧力に応じて変化するようにする。またこのとき、基板1として半導体基板(シリコン基板)を採用し、上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4についてはこれを、所望とされる電極形状に応じて部分加工された基板1の一部に対して導電型不純物を導入することによって形成するようにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、基板表面に垂直な方向(縦方向)からの力学量の印加による、受圧膜の変位に伴う電極間の容量値の変化に基づいて、圧力等の力学量を検出する静電容量型力学量センサおよびその製造方法に関する。
従来、この種の静電容量型力学量センサとしては、例えば特許文献1に記載された半導体圧力センサがある。図18に、この特許文献1に記載されているセンサの概略構造を模式的に示す。なお、図18は、このセンサの一部の断面構造を拡大して示す断面図であり、図中、白抜きの矢印は、検出対象とする圧力の印加態様を示している。
同図18に示されるように、このセンサは、大きくは、単結晶シリコンからなる基板11と、エッチング耐性を有して基板11の表面を保護する基板保護膜12、さらに、膜間に可動電極ME10を有して積層形成された絶縁性のダイヤフラム膜13および14と、これらを全て覆う熱応力緩和膜15等が、順次積層されて構成されている。そして、基板11表面の所定の位置に、所望の濃度になるだけの導電型不純物が導入されて、上記可動電極ME10と対向するような固定電極FE11およびFE12が形成されている。
またここで、基板11表面に形成された基板保護膜12とダイヤフラム膜13との間には、例えば犠牲層のエッチングにより、空間(キャビティ)CBが形成されている。すなわち、こうしたセンサにおいて、基板11の表面に垂直な方向(縦方向)から圧力の印加があると、ダイヤフラム膜13および14が変形してこの空間CBを縦方向(図中の上下)に振れる。そしてこれに伴い、これらダイヤフラム膜13および14に挟まれる可動電極ME10と、基板11表面に形成された固定電極FE11およびFE12との間の距離(縦方向の間隙)も、印加される圧力に応じて可変とされる。このセンサでは、このような電極間の距離の変化を、これら電極間の静電容量の変化として検出し、例えばスイッチドキャパシタ回路等からなる信号処理回路を通じて、これを電圧値として取り出すようにしている。そして、この処理回路を通じて取り出された電圧値に基づいて、印加された圧力の大きさを検出するようにしている。
特開2000−214035号公報
このように、上記図18に例示したような半導体圧力センサによれば、基板表面に垂直な方向(縦方向)からの圧力(力学量)の印加を検出することは確かに可能である。しかしながら、この従来のセンサは、先の図18にも示したように、幾重もの積層構造をとっている上に、この積層構造を構成する可動電極と固定電極との間に空間(キャビティ)を形成する必要があるため、このセンサを実際に製造する場合には、多くの工程(成膜工程やリソグラフィ工程等)が必要になる。そして、この種のセンサを製造する上で、こうした工程数の増加は、生産性の悪化を招くとともに、わるくすると、歩留まりの低下やコスト上昇にもつながりかねない。このため、より少ない工程数で製造することのできるセンサが今なお望まれている実情にある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、多重積層構造によらずに対向電極の間に適当な空間(キャビティ)を形成し、もって製造工程数の削減を図ることのできる静電容量型力学量センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサとして、前記第1および第2の電極が、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるとともに、前記受圧膜の変位に伴い、前記対向配置される電極間の容量値を前記印加される力学量に応じて変化させる構成とする。
このように、第1および第2の電極を所定の間隔(キャビティ)をおいて横方向に並べることにより、これら2種の電極を、基板面に沿った同一層上に形成することが可能になる。すなわち、このような構造を採用することとすれば、先の図18に示したような多重積層構造にせずとも、対向電極の間に適当な空間(キャビティ)が形成されることとなり、電極等の成膜工程を何回も繰り返す必要はなくなる。具体的には、例えば適宜の電極材を部分加工(例えばエッチング)することで、容易に対向電極の間に適当な空間(キャビティ)を形成することができる。このため、このような構造によれば、製造工程数の削減が図られるとともに、製造する上で必要になるフォトマスクの枚数なども節約することができるようになる。
またこの場合、請求項2に記載の発明によるように、前記基板として半導体基板を採用し、前記第1および第2の電極が、所望とされる電極形状に応じて部分加工された前記基板の一部に対して導電型不純物が導入されるかたちで形成されるようにすることで、電極膜(例えば金属膜)の成膜すら必要なくなり、当該センサの製造はさらに容易になる。
また、前記受圧膜としても様々な態様のものを採用することが可能であり、例えば請求項3に記載の発明によるように、
・前記受圧膜が、前記基板の表面に設けられた膜材によって形成された構造。
あるいは、請求項4に記載の発明によるように、
・前記受圧膜が、前記基板の裏面もしくは内部に設けられた膜材によって形成された構造。
また、前記基板が半導体基板であるときには、請求項8に記載の発明によるように、
・前記受圧膜が、前記基板の選択的に薄膜化された部分として形成された構造。
といった構造を採用することができ、いずれの構造によっても、上述の請求項1または2に記載のセンサが好適に実現されることになる。
また、請求項5に記載の発明によるように、上記請求項4に記載の静電容量型力学量センサにおいて、前記受圧膜に、前記基板についてのエッチストッパ膜として機能するものを採用することとすれば、前記基板をエッチング加工する際に、この受圧膜のエッチング抑止作用を利用することも可能になり、ひいては当該センサの製造をより容易に行うことができるようになる。
さらにこの場合、請求項6に記載の発明によるように、前記基板として、酸化シリコン膜上にシリコン膜が形成されたSOI基板を採用し、前記第1および第2の電極が、前記シリコン膜によって形成されるとともに、前記受圧膜が前記酸化シリコン膜によって形成されるようにすれば、半導体デバイスの基板として周知のSOI基板を用いてより容易に当該センサを製造することができるようになる。
また、これらのセンサも含め、上記請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサに関しては、請求項7に記載の発明によるように、前記基板としてシリコンを採用し、且つ、前記受圧膜として酸化シリコンを採用することが、力学量センサとしての性能の面からみても、またこれを製造する際の加工の面からみても、非常に有益である。より具体的には、周知の半導体であるシリコンを基板として用いれば、例えば上記請求項2に記載のように、導電型不純物の導入(ドーピング)により電極を形成することも、またエッチングにより基板を部分的に加工することも容易になる。一方、酸化シリコンは、この基板材料であるシリコンとの相性がよく、また絶縁性にも優れるため、これを前記第1および第2の電極の両者に接するように形成しても、これらの電極を導通させてしまうことはない。さらに、適度な弾力性や可撓性を有しているため、これを前記受圧膜として採用することで、検出対象である力学量の印加についてもこれを、反応よく且つ精度よく検出することができるようになる。
また、これら請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサの力学量センシングの原理についても、大きくは2つある。すなわち1つは、請求項9に記載の発明によるように、
・前記第1および第2の電極が、前記受圧膜の一方の面にて対向配置された上に、さらに前記対向配置される電極間の容量値の変化が、前記受圧膜の撓みによる、前記第1および第2の電極間の距離の変化に基づくものとされて構成されるセンサ。
であり、そしてもう1つは、請求項11に記載の発明によるように、
・前記第1および第2の電極が、前記基板に固定された固定電極と、該固定電極に対して相対的に変位する可動電極とからなるものとされた上に、さらに前記対向配置される電極間の容量値の変化が、これら固定電極と可動電極との間の対向面積の変化に基づくものとされて構成されるセンサ。
である。いずれの構造によっても、上述の請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサが好適に実現されることになる。
また、上記請求項9に記載のように、前記受圧膜の撓みに基づいて力学量を検出する場合は、請求項10に記載の発明によるように、前記第1および第2の電極をいずれも、前記受圧膜と一体に形成するようにした構造が有効である。これにより、前記受圧膜の撓みがより直接的に前記第1および第2の電極に伝わるようになり、前記受圧膜に印加された力学量が、これら第1および第2の電極間の距離の変化として、より顕著に表れるようになる。すなわち、こうした構造によれば、検出対象である力学量の印加を、より的確に且つ精度よく検出することができるようになる。なお、こうした構造を実現する上においては、この請求項10に記載の発明と共に、先の請求項8に記載の発明を併用することが特に有効である。
また一方、上記請求項11に記載のように、固定・可動電極間の対向面積の変化に基づいて力学量を検出する場合には、請求項12に記載の発明によるように、前記可動電極が、前記受圧膜に当接して、あるいは同受圧膜と一体に形成された構造とすることが有効である。このように、定常状態(力学量の未印加時)には、前記可動電極と前記受圧膜との間に隙間が形成されない構造にしておくことで、検出対象である力学量が印加されたときには、前記可動電極が、前記受圧膜の変位のもと、同受圧膜により直に押圧されたり、あるいは同受圧膜と一体に連動したりするようになる。このため、こうした構造によれば、検出対象である力学量の印加を、より確実に且つ反応よく検出することができるようになる。
またこの場合、前記固定電極についてはこれを、請求項13に記載の発明によるように、前記受圧膜との間に所定の隙間を空けて形成されるものとすることで、前記受圧膜の変位により上記対向電極のうち前記可動電極だけを選択的に変位させることが可能になる。これにより、検出対象である力学量が印加されたときに、該印加に応じた前記固定電極および前記可動電極の相対的な変位を、これら固定・可動電極間の対向面積の変化として、より的確に且つ精度よく検出することができるようになる。なお、こうした構造を実現する上においては、この請求項13に記載の発明と共に、先の請求項5や請求項6に記載の発明を併用することが有効である。
そして具体的には、上記請求項11〜13のいずれか一項に記載のセンサは、例えば請求項14に記載の発明によるように、前記固定電極が、前記基板による枠と一体に櫛歯状に形成された上に、さらに前記可動電極が、前記基板の刳り貫かれた前記枠の内側空間に梁を介して同基板に対して相対変位可能に支持されたマスと一体に、前記固定電極と互い違いの櫛歯形状を有して形成された構造とすることで、力学量センサとしての構造が簡素に保たれてその製造も容易になる。
また、上記請求項1〜14のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサは、請求項15に記載の発明によるように、前記印加される力学量として圧力を検出する圧力センサとして採用して特に有効である。
他方、半導体基板の表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサを製造する方法としては、例えば請求項16に記載の発明によるように、
・前記基板の表面を、前記第1および第2の電極の電極形状に応じてエッチング加工する工程と、前記第1および第2の電極が前記基板の所定の箇所のみで支持されるように、同基板裏面の、これら電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化する工程と、前記受圧膜になる膜材を成膜する工程と、を順序不同に行うことによって、前記基板の表面に配設される態様で前記受圧膜を、また前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置される態様で前記第1および第2の電極を、それぞれ形成する方法。
あるいは、請求項17に記載の発明によるように、
・前記基板の表面を前記第1および第2の電極の電極形状に応じて加工すべく、前記基板の裏面側にエッチストッパ膜を成膜して、このエッチストッパ膜のエッチング抑止作用を利用しつつ前記基板を表面側から同エッチストッパ膜までのエッチング加工を行うことによって、前記エッチストッパ膜を前記受圧膜として機能させるとともに、前記第1および第2の電極を、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるように形成する方法。
また、あるいは請求項19に記載の発明によるように、
・前記半導体基板として酸化シリコン膜上にシリコン膜が形成されたSOI基板を用意し、前記シリコン膜を、前記酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ、前記第1および第2の電極の電極形状に応じてエッチング加工するとともに、前記SOI基板の前記シリコン膜とは反対側の面の、前記第1および第2の電極に対応する部分に対しても、同じく前記酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行うことによって、前記酸化シリコン膜を、前記受圧膜として機能させるとともに、前記第1および第2の電極を、前記シリコン膜により、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるように形成する方法。
また、あるいは請求項21に記載の発明によるように、
・前記基板の表面を前記第1および第2の電極の電極形状に応じてエッチング加工するとともに、同基板の裏面の、前記第1および第2の電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化することによって、前記第1および第2の電極を、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるように形成するとともに、前記受圧膜を、前記基板の選択的に薄膜化された部分として形成する方法。
等々の方法を採用することが有効である。
具体的には、例えば上記請求項16に記載の方法によれば、上記請求項3に記載のセンサなどの実現が容易になる。
また、上記請求項17に記載の方法によれば、上記請求項5に記載のセンサなどの実現が容易になる。しかもこの場合は、請求項18に記載の発明によるように、上記請求項17に記載の方法において、前記基板裏面側へのエッチストッパ膜の成膜工程に先立ち、同基板裏面の、前記第1および第2の電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化する工程をさらに備えるようにすれば、基板の厚さによらない任意の厚さの電極を容易に形成することができるようになる。
また一方、上記請求項19に記載の方法によれば、上記請求項6に記載のセンサなどの実現が容易になる。
さらに一方、上記請求項20に記載の方法によれば、上記請求項8に記載のセンサなどの実現がより容易、ということになる。
また、請求項21に記載の発明によるように、上記請求項16〜20のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサの製造方法において、前記第1および第2の電極が、前記基板に固定された固定電極と、該固定電極に対して相対的に変位する可動電極とからなり、このうちの前記可動電極を、前記受圧膜に当接させたまま、前記固定電極だけを選択的に、前記受圧膜からリリースする(離間させる)工程をさらに備える方法とすれば、上記請求項13に記載のセンサについてもこれを、より容易に実現することができるようになる。
また、これら請求項16〜21のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサの製造方法も、請求項22に記載の発明によるように、前記印加される力学量として圧力を検出する圧力センサに採用して特に有効である。
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図4を参照して、この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法を具体化した第1の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に係るセンサとしても、先の図18に例示したセンサと同様、基板表面に垂直な方向(縦方向)からの圧力(力学量)の印加を検出する半導体圧力センサを想定している。ただし、この実施の形態においては、図1に示すように、多重積層構造によらずに対向電極の間に適当な空間(キャビティ)を形成することで、当該センサを製造する際の工程数の削減を実現している。
はじめに、図1を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの概略構造について、しかも特にその電極構造について詳述する。なお、図1において、図1(a)はこのセンサエレメントの平面図、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿った断面図である。
同図1(a)および(b)に示されるように、このセンサは、大きくは、例えば単結晶シリコンからなる基板1と、該基板1の上に形成された酸化シリコンからなる受圧膜(ダイヤフラム)2とを有して構成されている。そして、このうちの基板1が、周知のリソグラフィ技術等により所望に加工されるとともに、同基板1の所定の箇所に対して選択的に導電型不純物が導入されることによって、重錘部であるマスMや、印加圧力を容量値として検出するための対向電極等、すなわち可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4等が形成されている。
より具体的には、母体となる基板1が刳り貫かれて、この基板1による枠が形成されている。そして、上記固定電極FE1〜FE4は、この基板1による枠と一体に櫛歯状に形成されており、上記マスMは、基板1の刳り貫かれた枠の内側空間に梁B1〜B4を介して同基板1に対して相対変位可能に支持されている。また一方、上記可動電極ME1〜ME4は、このマスMと一体に、固定電極FE1〜FE4と互い違いの櫛歯形状を有して形成されている。そうして、これら固定電極FE1〜FE4、マスM、可動電極ME1〜ME4、さらには基板1の刳り貫かれた枠の内側空間の全てを覆うように、上記受圧膜2が設けられている。
このように、この実施の形態においては、上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4が、基板1表面に平行な方向(横方向)に一定の間隔をおいて対向配置されている。
また、図1(b)に示されるように、上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4はいずれも、定常状態(力学量の未印加時)においては、上記受圧膜2と当接された状態におかれている。これにより、基板1の表面に垂直な方向(縦方向)から圧力が印加されたとき、上記可動電極ME1〜ME4は受圧膜2に直に的確に押圧されるようになり、ひいては、これら可動電極ME1〜ME4に対して、該圧力の印加に伴う上記受圧膜2の変位(縦方向の変位)に対応する変位を、より確実に生じさせることが可能になる。
次に、図2および図3を併せ参照して、このセンサの検出原理について説明する。なお、これら図2および図3はいずれも、先の図1(b)に対応する断面図であり、これら各図において、先の図1に示した要素と同一若しくは対応する要素に対しては、便宜上、同一若しくは対応する符号を付して示している。
これら各図に示されるように、このセンサは、主に、次の2つの原理によって、基板1の表面に垂直な方向(縦方向)から印加される圧力を検出するものである。
すなわち1つは、図2(a)および(b)に示すように、上記可動電極MEと固定電極FEとの間の対向面積の変化に基づいてこれら対向電極間の容量値を変化させ、この容量値の変化に基づいて上記印加される圧力を検出する、というものである。詳しくは、定常状態(力学量の未印加時)においては、図2(a)に示すように、上記可動電極MEおよび固定電極FEが、いずれも同一平面上で上記受圧膜2と当接した状態にある。しかしここで、この受圧膜2に対して縦方向の圧力の印加があると、図2(b)に示すように、梁を介してこの縦方向の変位の許容される可動電極MEは、基板に固定された固定電極FEよりも大きくその圧力の印加方向へ変位する。すなわち、該可動電極MEが固定電極FEに対して相対的に変位した分(図2(b)中の相対変位量DW)だけ、これら可動電極MEと固定電極FEとの間の対向面積は減少することになる。しかもこのとき、この相対変位量DWは、上記印加された圧力の大きさに対応したものとなる。このため、このような対向電極間の対向面積の変化を、これら電極間の静電容量の変化(対向面積が大きいほど静電容量は大きくなる)として検出し、例えばスイッチドキャパシタ回路等からなる信号処理回路を通じて、これを電圧値として取り出すことで、印加された圧力の大きさを求めることができる。
すなわち、図1においては便宜上図示を割愛しているが、より詳しくは、この実施の形態に係るセンサは、こうした信号処理回路を周辺回路として持っている。そして、例えば基板1の枠の部分やマスM上などに所要の数だけ、上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4の電位を各々引き出すためのパッド(同じく図示略)が設けられることで、これらパッドから上記信号処理回路へ上記電極間の容量値が出力されるようになっている。
他方、もう1つの原理は、図3に示すように、上記受圧膜2の撓みによる、上記可動電極MEと固定電極FEとの間の距離の変化に基づいてこれら対向電極間の容量値を変化させ、この容量値の変化に基づいて上記印加される圧力を検出する、というものである。すなわち、上記受圧膜2に対して縦方向の圧力の印加があると、この図3に示されるように、受圧膜2が撓む。そして、この受圧膜2の撓みが、当接面(摩擦力)を介して各電極MEおよびFEに伝わり、これら電極も同様の傾向をもって変位する。具体的には、上記印加された圧力の大きさに応じて、これら対向配置される可動電極MEと固定電極FEとの間の距離が変化する。このため、このような対向電極間の距離の変化も、これら電極間の静電容量の変化として検出されることになる。
このように、当該センサの検出原理としては、主に上記2つの原理が作用する。しかし、この実施の形態に係るセンサにおいては、上記図2に示した原理(電極間の対向面積の変化)の影響が特に強く、基本的には、この原理に基づいて圧力の検出が行われる。ただし、上記受圧膜2の膜厚、材質、または配設状態等によっては、上記図3に示した原理(電極間距離の変化)の影響も少なからず現れるため、上記信号処理の際には、この原理の影響も考慮して各種の演算が施されることになる。
そして、図1(a)に示すように、Z軸(縦方向)と直交する2方向(X軸およびY軸方向)の変位を規制するかたちで梁B1〜B4を形成するようにしたことで、Z軸(縦方向)からの圧力の印加を選択的に検出することが可能である。また、梁構造で規制せずとも、これらX軸およびY軸方向への変位を規制する(例えば摩擦力や接着力にてこれを規制する)かたちで上記受圧膜2を設けるようにすれば、同じくZ軸(縦方向)からの圧力の印加を選択的に検出することが可能になる。
なお、このセンサにおいて、検出する圧力のレンジ(検出範囲)は、上記受圧膜2の膜厚や材質、あるいは梁B1〜B4の幅などを変更することによって、適宜に変更、調整することができる。また、上記櫛歯状の対向電極についての破損等をより確実に防止する上においては、上記受圧膜2の圧力を受ける部分を、先の図1に一点鎖線にて示した領域Aに制限することがより有効である。
次に、図4を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの製造方法について詳述する。なお、これら図4(a)〜(d)は、先の図1(b)に対応する断面図である。
同図4(a)に示すように、このセンサの製造に際しては、まず、基板1を表面側からエッチングして、同基板1の表面を、上記マスMや、梁B1〜B4、さらには可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4の電極形状に対応した構造に加工するとともに、同基板1の所定の箇所に対して、選択的に適宜の導電型不純物を導入する。これにより、同基板1の表面が櫛歯状の上記各電極の形状に対応した形状になるとともに、同基板1の所望とされる箇所に導電性がもたされることになる。またこのとき、対向電極(可動・固定電極)間のスティッキング防止を図る上では、エッチング方法としてドライエッチング(RIEなど)を採用することが特に有効である。
次に、図4(b)に示すように、同基板1裏面の上記各電極に対応する部分を、例えばウェットエッチングにより選択的にエッチング除去して薄膜化する。これにより、上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4が、同基板1の所定の箇所(図1(a)参照)のみで支持されるようになる。
次いで、図4(c)に示すように、基板1の表面に、上記受圧膜2を、すなわち酸化シリコン膜を成膜する。なおこの際、受圧膜2の成膜は、周知のCVD(化学気相成長)により行っても、また膜材(酸化シリコン膜)を貼り付けることによって行ってもよい。
そして必要があれば、図4(d)に示すように、基板1の裏面に、例えば陽極接合によって、ガラス台座3を接合する。
この実施の形態においては、以上の工程をもって、上記図1に示したセンサが完成することになる。ただし、基板1の表面を対向電極の電極形状に応じてエッチング加工する工程(図4(a))、基板1の所定の箇所に導電型不純物を導入(ドーピング)する工程、基板1の裏面を薄膜化する工程(図4(b))、受圧膜2を成膜する工程(図4(c))は、順序不同に行うことができる。すなわち、例えば図5(a)〜(d)に示すように、受圧膜2の成膜後に、基板1の裏面を薄膜化するようにした場合も、図4(a)〜(d)の製造方法と同様もしくはこれに準ずるかたちで、上記図1に示したセンサを製造することができる。あるいは、図6(a)〜(d)に示すように、基板1の裏面を薄膜化してから、基板1の表面を対向電極の電極形状に応じてエッチング加工するようにした場合も、図4(a)〜(d)の製造方法と同様もしくはこれに準ずるかたちで、上記図1に示したセンサを製造することができる。なお、上記導電型不純物の導入(ドーピング)は、受圧膜2形成後においても、例えばイオン注入により同受圧膜2を貫通させることによって、基板1の所望の箇所に行うことができる。
以上説明したような、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)図1に示したように、可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4を、基板1表面に平行な方向(横方向)に一定の間隔をおいて対向配置させ、検出対象とする圧力の印加に応じて変位する上記受圧膜2の変位に伴い、これら対向配置される電極間の容量値が、該印加される圧力に応じて変化するような構成とした。このように、対向電極である可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4を、所定の間隔(キャビティ)をおいて横方向に並べることにより、これら2種の電極を、基板面に沿った同一層上に形成することが可能になる。すなわち、先の図18に示したような多重積層構造においては何回も繰り返す必要のあった電極等の成膜工程については、これを大きく削減することができることになる。具体的には、先の図4等に示したように、基板1を部分的に加工してこれに所定の導電型不純物を導入(ドーピング)することで、容易に対向電極の間に適当な空間(キャビティ)が形成されることになる。このため、このような構造によれば、製造工程数の削減が図られるとともに、製造する上で必要になるフォトマスクの枚数なども節約することができるようになる。
(2)また、基板1として半導体基板(シリコン基板)を採用し、上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4を、所望とされる電極形状に応じて部分加工された基板1の一部に対して導電型不純物を導入することによって形成するようにしたことで、電極膜(例えば金属膜)の成膜すら必要なくなる。すなわち、当該センサの製造はより容易になる。
(3)さらに、受圧膜2として絶縁性の酸化シリコンを採用したことで、これを上記可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4の両者に接するように形成したにもかかわらず、これら電極を導通させてしまうことはない。さらに、この酸化シリコンは、適度な弾力性や可撓性を有しているため、これを受圧膜2として採用したことで、検出対象である圧力の印加についてもこれを、反応よく且つ精度よく検出することができるようになる。
(4)図2および図3に示したように、電極間の対向面積の変化や電極間距離の変化に基づいて、これら対向電極間の容量値を変化させ、この容量値の変化に基づいて上記印加される圧力を検出するようにした。これらの原理によって、検出対象である圧力は、高い精度で検出されるようになる。
(5)また、固定電極FE1〜FE4と共に、上記可動電極ME1〜ME4を、受圧膜2に当接して形成された構造とした。このように、定常状態(圧力の未印加時)には、上記可動電極ME1〜ME4と受圧膜2との間に隙間が形成されない構造にしておくことで、検出対象の圧力が印加されたときには、当該可動電極ME1〜ME4が、上記受圧膜2の変位と共に、この受圧膜2により直に押圧されるようになる。このため、こうした構造によれば、検出対象である圧力の印加を、より確実に且つ反応よく検出することができるようになる。
(6)また、詳しくは図1に示したように、固定電極FE1〜FE4が、基板1による枠と一体に櫛歯状に形成された上に、さらに可動電極ME1〜ME4が、基板1の刳り貫かれた上記枠の内側空間にマスMと一体に、上記固定電極FE1〜FE4と互い違いの櫛歯形状を有して形成された構造とした。これにより、当該圧力センサとしての構造が簡素に保たれるとともに、その製造も容易になる。
(7)これら可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4について、縦方向と直交する2軸方向(横の2方向)への変位を規制する(例えば受圧膜2の摩擦力、あるいは梁B1〜B4の構造にて規制する)ようにしたことで、上記縦方向からの圧力の印加を選択的に検出することができるようになる。
(8)そして、圧力センサについてこの発明を適用したことにより、従来のセンサとは全く異なる構造をもったより少ない工程数で製造することのできる圧力センサが好適に実現されるようになる。
(9)また、こうした静電容量型力学量センサを製造する方法として、基板1の表面を各電極の電極形状に応じてエッチング加工する工程(図4(a))、基板1裏面の各電極に対応する部分を薄膜化する工程(図4(b))、受圧膜2を成膜する工程(図4(c))を順に行う方法を採用することとした。このような方法によれば、上記構造により構成されるセンサの実現なども容易である。
(第2の実施の形態)
次に、図7および図8を参照して、この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法を具体化した第2の実施の形態について説明する。ただし、図7に示されるように、この実施の形態に係るセンサも、基本的には、先の第1の実施の形態のセンサ(図1)に準ずる構造を有しているため、ここでは主に、上記第1の実施の形態のセンサとの相違点のみについて説明する。
はじめに、同図7を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの概略構造について、しかも特にその電極構造について詳述する。なお、この図7は、先の図1(b)に対応する断面図である。また、平面構造については、この図7に示される断面構造の変更に従って先の図1に示した平面構造が変更されるだけであるため、ここでは便宜上その図示および説明を割愛する。
同図7に示されるように、このセンサは、酸化シリコン膜(受圧膜2)上にシリコン膜1aが形成されたSOI基板に形成されており、詳しくは、例えば単結晶シリコンからなる下層1bと、酸化シリコンからなる受圧膜2と、単結晶シリコンからなるシリコン膜1aとが、順に積層形成されて構成されている。すなわち、受圧膜2は、基板の表面ではなく、基板内部に設けられた膜材(酸化シリコン膜)によって形成されている。
なお、この実施の形態においても、先の第1の実施の形態と同様、基板1が周知のリソグラフィ技術等により所望に加工されるとともに、同基板1の所定の箇所に対して選択的に導電型不純物が導入されることによって、同基板1の表面がセンサ構造に応じた形状に加工されている。すなわち、基板1の表面には、可動電極(ME1のみ図示)および固定電極(FE1のみ図示)、さらにはマス(図1(a)参照)、梁(B1のみ図示)等が形成されている。また、この図7に示されるように、この実施の形態においても、定常状態(力学量の未印加時)には、これら可動電極および固定電極が上記受圧膜2と当接された状態におかれている。
次に、図8を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの製造方法について詳述する。なお、これら図8(a)および(b)は、上記図7に対応する断面図である。
同図8(a)に示すように、このセンサの製造に際しては、まず、基板表面側にある上記シリコン膜1aを、上記酸化シリコン膜(受圧膜2)のエッチング抑止作用を利用しつつエッチングして、同シリコン膜1aを、上記マスや、梁、さらには可動電極および固定電極の電極形状に対応した構造に加工する。そして、同シリコン膜1aの所定の箇所に対して、選択的に適宜の導電型不純物を導入する。これにより、当該基板の所定の箇所(図1(a)参照)のみで支持される上記櫛歯状の可動電極および固定電極が形成されるとともに、同シリコン膜1aの所望とされる箇所に導電性がもたされることになる。
次に、図8(b)に示すように、同基板裏面側(下層1b)の上記各電極に対応する部分に対しても、同じく酸化シリコン膜(受圧膜2)のエッチング抑止作用を利用しつつ同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行う。これにより、酸化シリコン膜の縦方向(図中の上下方向)に適当な空間が形成され、同酸化シリコン膜が上記受圧膜2として適正に機能するようになり、もって上記図7に示したセンサが完成することになる。
さらに必要があれば、この実施の形態でも、先の図4(d)に示したようなガラス台座3を、基板裏面側に例えば陽極接合によって接合する。
以上説明したように、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法によれば、第1の実施の形態による前記(1)〜(8)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(10)当該センサの基板として、酸化シリコン膜上にシリコン膜1aが形成されたSOI基板を採用し、上記可動電極および固定電極が、上記SOI基板のシリコン膜1aによって形成されるとともに、上記受圧膜2が、上記SOI基板の酸化シリコン膜によって形成されるようにした。これにより、半導体デバイスの基板として周知のSOI基板を用いてより容易に当該センサを製造することができるようになる。
(11)さらに、当該基板をエッチング加工する際には、酸化シリコン膜(受圧膜2)のエッチング抑止作用を利用することが可能であり、ひいては当該センサの製造をより容易に行うことができるようになる。
(12)また、こうした静電容量型力学量センサを製造する際には、上記SOI基板のシリコン膜1aを、同SOI基板の酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ、上記可動電極および固定電極の電極形状に応じてエッチング加工する。そして、同SOI基板のシリコン膜1aとは反対側の面の、上記各電極に対応する部分に対しても、同じく上記酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行う方法を採用することとした。このような方法によれば、上記構造により構成されるセンサの実現なども容易である。
(第3の実施の形態)
次に、図9および図10を参照して、この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法を具体化した第3の実施の形態について説明する。ただし、図9に示されるように、この実施の形態に係るセンサも、基本的には、先の第2の実施の形態のセンサ(図7)に準ずる構造を有しているため、ここでは主に、上記第2の実施の形態のセンサとの相違点のみについて説明する。
はじめに、同図9を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの概略構造について、しかも特にその電極構造について詳述する。なお、この図9も、先の図1(b)に対応する断面図である。また、平面構造については、この図9に示される断面構造の変更に従って先の図1に示した平面構造が変更されるだけであるため、ここでは便宜上その図示および説明を割愛する。
同図9に示されるように、このセンサも、先の第2の実施の形態のセンサと同様、酸化シリコン膜(受圧膜2)上にシリコン膜1aが形成されたSOI基板によって構成されている。ただし、この実施の形態においては、可動電極(ME1のみ図示)だけを上記受圧膜2に当接させて、固定電極(FE1のみ図示)、並びに梁(Bのみ図示)についてはこれを、上記受圧膜2との間に所定の隙間を空けて形成されるものとしている。こうすることで、上記受圧膜2の変位との連動により、これら対向電極のうちの可動電極だけが選択的に変位するようにしている。
次に、図10を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの製造方法について詳述する。なお、これら図10(a)および(b)は、上記図9に対応する断面図である。
同図10(a)に示すように、このセンサの製造に際しても、まずは、基板表面側にある上記シリコン膜1aを、上記酸化シリコン膜(受圧膜2)のエッチング抑止作用を利用しつつエッチングして、同シリコン膜1aを、上記マスや、梁、さらには可動電極および固定電極の電極形状に対応した構造に加工する。ただし、この実施の形態においては、このとき、固定電極や梁を選択的に、上記受圧膜2からリリースする(離間させる)ようにしている。詳しくは、例えば可動電極の幅を固定電極等よりも幾らか太く設計しておくことで、こうした選択的なエッチングを行うようにする。そして、これに次いで、同シリコン膜1aの所定の箇所に対して、選択的に適宜の導電型不純物を導入することにより、当該基板の所定の箇所(図1(a)参照)のみで支持される上記櫛歯状の可動電極および固定電極が形成されるとともに、同シリコン膜1aの所望とされる箇所に導電性がもたされることになる。
次に、図10(b)に示すように、同基板裏面側(下層1b)の上記各電極に対応する部分に対しても、同じく酸化シリコン膜(受圧膜2)のエッチング抑止作用を利用しつつ同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行う。これにより、酸化シリコン膜の縦方向(図中の上下方向)に適当な空間が形成され、同酸化シリコン膜が上記受圧膜2として適正に機能するようになり、もって上記図9に示したセンサが完成することになる。
さらに必要があれば、この実施の形態でも、先の図4(d)に示したようなガラス台座3を、基板裏面側に例えば陽極接合によって接合する。
以上説明したように、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法によれば、前記(1)〜(8)および(10)〜(12)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(13)図9に示すように、可動電極(ME1のみ図示)だけを受圧膜2に当接させて、固定電極(FE1のみ図示)についてはこれを、受圧膜2との間に所定の隙間を空けて形成されるものとした。これにより、検出対象である力学量が印加されたときには、上記対向電極のうち可動電極だけが選択的に変位するようになり、該印加に応じた固定電極および可動電極の相対的な変位を、これら固定・可動電極間の対向面積の変化として、より的確に且つ精度よく検出することができるようになる。
(14)また、こうした静電容量型力学量センサを製造する際には、上記可動電極および固定電極のうち、可動電極を上記受圧膜2に当接させたまま固定電極だけを選択的に上記受圧膜2からリリースするようにした。このような方法によれば、上記構造により構成されるセンサの実現なども容易である。
(第4の実施の形態)
次に、図11および図12を参照して、この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法を具体化した第4の実施の形態について説明する。ただし、図11に示されるように、この実施の形態に係るセンサも、基本的には、先の第1の実施の形態のセンサ(図1)に準ずる構造を有しているため、ここでは主に、上記第1の実施の形態のセンサとの相違点のみについて説明する。
はじめに、同図11を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの概略構造について、しかも特にその電極構造について詳述する。なお、この図11は、先の図1(b)に対応する断面図である。また、平面構造については、この図11に示される断面構造の変更に従って先の図1に示した平面構造が変更されるだけであるため、ここでは便宜上その図示および説明を割愛する。
同図11に示されるように、このセンサにおいては、圧力の印加に応じて変位する受圧膜(ダイヤフラム)2が、基板1の表面ではなく、基板1の裏面に設けられた膜材(酸化シリコン膜)によって形成されている。
なお、この実施の形態においても、先の第1の実施の形態と同様、基板1が周知のリソグラフィ技術等により所望に加工されるとともに、同基板1の所定の箇所に対して選択的に導電型不純物が導入されることによって、同基板1の表面がセンサ構造に応じた形状に加工されている。すなわち、基板1の表面には、可動電極(ME1のみ図示)および固定電極(FE1のみ図示)、さらにはマス(図1(a)参照)、梁(B1のみ図示)等が形成されている。また、この図11に示されるように、この実施の形態においても、定常状態(力学量の未印加時)には、これら可動電極および固定電極が上記受圧膜2と当接された状態におかれている。
次に、図12を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの製造方法について詳述する。なお、これら図12(a)〜(c)は、上記図11に対応する断面図である。
同図12(a)に示すように、このセンサの製造に際しては、まず、例えば単結晶シリコンからなる基板1の裏面の、上記可動電極および固定電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化する。次いで、図12(b)に示すように、同基板1の裏面に上記酸化シリコン膜(受圧膜2)を成膜する。
そしてこの状態で、次に、図12(c)に示すように、酸化シリコン膜(受圧膜2)のエッチング抑止作用を利用しつつ基板表面側から同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行う。さらにこれに続けて、同基板1の所定の箇所に対して、選択的に適宜の導電型不純物を導入する。これにより、当該基板1の所定の箇所(図1(a)参照)のみで支持される上記櫛歯状の可動電極および固定電極が形成されるとともに、同基板1の所望とされる箇所に導電性がもたされることになり、もって上記図11に示したセンサが完成することになる。
さらに必要があれば、この実施の形態でも、先の図4(d)に示したようなガラス台座3を、基板裏面側に例えば陽極接合によって接合する。
以上説明したように、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法によれば、前記(1)〜(8)および(11)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(15)静電容量型の圧力センサを製造する方法として、基板1の裏面側にエッチストッパ膜となる酸化シリコン膜(受圧膜2)を成膜して、この酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ上記基板1を表面側から同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行う方法を採用するようにした。このような方法によれば、上記構造により構成されるセンサの実現なども容易である。
(16)基板1裏面側への酸化シリコン膜(受圧膜2)の成膜に先立ち、同基板1裏面の、上記可動電極および固定電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化するようにした。これにより、上記可動電極および固定電極として、基板1の厚さによらない任意の厚さの電極を、より容易且つ適切に形成することができるようになる。
(第5の実施の形態)
次に、図13および図14を参照して、この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法を具体化した第5の実施の形態について説明する。ただし、図13に示されるように、この実施の形態に係るセンサも、基本的には、先の第1の実施の形態のセンサ(図1)に準ずる構造を有しているため、ここでは主に、上記第1の実施の形態のセンサとの相違点のみについて説明する。
はじめに、同図13を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの概略構造について、しかも特にその電極構造について詳述する。なお、この図13は、先の図1(b)に対応する断面図である。また、平面構造については、この図13に示される断面構造の変更に従って先の図1に示した平面構造が変更されるだけであるため、ここでは便宜上その図示および説明を割愛する。
同図13に示されるように、このセンサにおいては、圧力の印加に応じて変位する受圧膜(ダイヤフラム)2が、例えば単結晶シリコンからなる基板1の選択的に薄膜化された部分として形成されている。すなわち、この基板1の一部分により形成される受圧膜2は、同じく基板1の一部として形成される電極や梁と、一体に形成されることになる。
このように、この実施の形態においては、対向電極が共に上記受圧膜2と一体に形成され、これら電極のいずれも基板1に固定された状態になるため、もはや前述した可動電極および固定電極の区別はなくなる。このため、対向電極を形成するこれら2種の電極の符号については、先の図1と同様の符号を付して示すものの、これら電極の名称については以後、これを、「可動電極」「固定電極」から「第1の電極」「第2の電極」へとそれぞれ変更する。
また、前述の図2に示した原理(電極間の対向面積の変化)も、もはや働かず、このようなセンサ構造においては、前述の図3に示した原理(電極間距離の変化)に基づいて圧力の検出が行われることになり、これら電極が上記受圧膜2と一体にあることで、センサ感度がより高められることになる。
なお、この実施の形態においても、先の第1の実施の形態と同様、基板1が周知のリソグラフィ技術等により所望に加工されるとともに、同基板1の所定の箇所に対して選択的に導電型不純物が導入されることによって、同基板1の表面がセンサ構造に応じた形状に加工されている。すなわち、基板1の表面には、上記第1の電極(ME1のみ図示)および第2の電極(FE1のみ図示)や、梁(B1のみ図示)のほかに、図1(a)に示したマス(図示略)等が形成されている。
次に、図14を参照して、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサの製造方法について詳述する。なお、これら図14(a)および(b)は、上記図13に対応する断面図である。
同図14(a)に示すように、このセンサの製造に際しては、まず、基板1を表面側からエッチングして、同基板1の表面を、上記マスや梁、さらには第1および第2の電極の電極形状に対応した構造に加工するとともに、同基板1の所定の箇所に対して、選択的に適宜の導電型不純物を導入する。これにより、同基板1の表面が櫛歯状の上記各電極の形状に対応した形状になるとともに、同基板1の所望とされる箇所に導電性がもたされることになる。
次に、図14(b)に示すように、同基板1裏面の上記各電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化する。これにより、この基板1の選択的に薄膜化された部分が、上記受圧膜2として機能するようになるとともに、基板1の表面に櫛歯状に加工された部分が、この受圧膜2と一体の状態で、上記第1および第2の電極として機能するように形成されることになり、もって上記図13に示したセンサが完成することになる。
さらに必要があれば、この実施の形態でも、先の図4(d)に示したようなガラス台座3を、基板1の裏面側に例えば陽極接合によって接合する。
以上説明したように、この実施の形態に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法によれば、第1の実施の形態による前記(1)および(2)および(6)〜(8)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(17)圧力の印加に応じて変位する受圧膜(ダイヤフラム)2を、上記基板1の選択的に薄膜化された部分として形成して、この受圧膜2の撓みによる電極間距離の変化(図3参照)に基づいて、これら対向電極間の容量値を変化させ、この容量値の変化に基づいて上記印加される圧力を検出するようにした。こうした原理によって、検出対象である圧力は、高い精度で検出されるようになる。
(18)上記第1および第2の電極をいずれも、上記受圧膜2と一体に形成するようにしたことにより、同受圧膜2の撓みがより直接的にこれら第1および第2の電極に伝わるようになり、上記受圧膜2に印加された圧力が、これら第1および第2の電極間の距離の変化としてより顕著に表れるようになる。すなわち、こうした構造としたことにより、検出対象である圧力の印加を、より的確に且つ精度よく検出することができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1〜第4の実施の形態においては、上記可動電極を受圧膜に当接させるようにしたが、この可動電極を受圧膜と一体に形成するようにしてもよい。しかもこの場合、可動電極は受圧膜と一体に連動するようになり、ひいては当接した場合よりも確実に上記受圧膜の変位が可動電極へ伝わることになる。また、可動電極と受圧膜との間に若干の隙間が形成されている場合であっても、この隙間が、圧力の印加に伴う受圧膜の撓みにより可動電極が押圧されて、該印加された圧力の大きさに対応する変位が同電極に生じ得るような範囲に収まっていれば、電極間の対向面積の変化(図2参照)に基づいて、検出対象である圧力を検出することは可能である。
・静電容量型力学量センサとしての平面構造は、図1(a)に例示した構造に限定されることなく、例えば図15に示されるように、同心状に異なる大きさの枠(詳しくは電極材からなる枠)を連続させるかたちで、対向配置される2種の電極ED1およびED2を形成するようにした構造なども適宜に採用することができる。さらに、こうした枠の形状についてもこれは、同図15に示す矩形状に限られることなく、他の多角形状(例えば六角形状や八角形状)の枠、さらには、図16に示すような円形状(同心円)の枠なども、適宜に上記対向電極の形状として採用することができる。
また、図17にその一例を示すように、これら対向電極ED1およびED2が、互い違いに渦を巻くように(渦巻き状に)配設された構造としてもよい。
なお、これらの構造は、上記対向電極ED1およびED2が前述の可動電極や固定電極として機能する場合であっても、また機能しない場合であっても、適宜に採用することができる。要は、対向電極の相対変位に基づく電極間の対向面積の変化(図2参照)、および受圧膜の撓みによる電極間距離の変化(図3参照)の少なくとも一方の原理に基づいて、これら対向電極間の容量値を変化させ、この容量値の変化に基づいて、印加圧力を検出することができるものであれば足りる。
・また、これら対向電極の支持方法としても、前述した梁に限られることなく任意の方法を採用することができる。また、基板自体に直接固定する必要すらなく、これら対向電極は、例えば受圧膜に固定するようにしてもよい。
・また、こうした対向電極を、基板と同一の材料で形成する必要もなく、基板と別に電極材(例えば金属)を成膜するようにしてもよい。
・さらに、これら電極等の配線方法としては、空中配線(配線間に絶縁膜を介さずにエアギャップを介して立体交差した配線)なども利用することができる。
・当該センサの製造に用いられる基板の材質についても、上記シリコンに限られることはなく、任意の材質の基板を採用することができる。ただし、実用上においては、加工性に優れる半導体材料を用いることが望ましく、さらに、性能面においても、またコストの面においても、半導体デバイスの材料として知られた材料を用いることは有益である。
・また、上記受圧膜の材質についても、配設環境に応じて任意の膜を採用することができる。すなわち、前述した単結晶シリコンや酸化シリコンのほか、例えば多結晶シリコンなども、この受圧膜の材料として採用することができる。ただし、対向電極の導通防止を図ることを考えれば、これら電極の少なくとも一方に接する上記受圧膜には絶縁性をもたせることが望ましい。
・製造工程数の削減を図るという所期の目的については、検出原理によることなく、対向電極が横方向に所定の間隔をおいて配設されることだけで、達成されることになる。すなわち、前述した検出原理(図2や図3に示した原理)以外の原理を採用する場合であっても、この目的は達成される。
この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法の第1の実施の形態について、(a)は同センサの概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図。 同第1の実施の形態に係るセンサについて、(a)および(b)はその検出原理の1つを模式的に示す断面図。 同第1の実施の形態に係るセンサについて、図2の原理とは別の検出原理を模式的に示す断面図。 同第1の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)〜(d)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 同第1の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)〜(d)は、図4の製造プロセスとは別の製造プロセスを模式的に示す断面図。 同第1の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)〜(d)は、さらに別の製造プロセスを模式的に示す断面図。 この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法の第2の実施の形態について、同センサの概略構造を模式的に示す断面図。 同第2の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法の第3の実施の形態について、同センサの概略構造を模式的に示す断面図。 同第3の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法の第4の実施の形態について、同センサの概略構造を模式的に示す断面図。 同第4の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)〜(c)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 この発明に係る静電容量型力学量センサおよびその製造方法の第5の実施の形態について、同センサの概略構造を模式的に示す断面図。 同第5の実施の形態に係るセンサの製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 上記センサの平面構造の変形例を模式的に示す平面図。 同平面構造の別の変形例を模式的に示す平面図。 同平面構造のさらに別の変形例を模式的に示す平面図。 従来の静電容量型圧力センサの一例について、その概要を模式的に示す断面図。
符号の説明
1…基板、1a…シリコン膜、1b…下層、2…受圧膜、B1〜B4…梁、ED1、ED2…対向電極、FE1〜FE4…固定電極、M…マス、ME1〜ME4…可動電極。

Claims (22)

  1. 基板表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサにおいて、
    前記第1および第2の電極が、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるとともに、前記受圧膜の変位に伴い、前記対向配置される電極間の容量値を前記印加される力学量に応じて変化させる
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサ。
  2. 前記基板は半導体基板であり、前記第1および第2の電極は、所望とされる電極形状に応じて部分加工された前記基板の一部に対して導電型不純物が導入されるかたちで形成されてなる
    請求項1に記載の静電容量型力学量センサ。
  3. 前記受圧膜は、前記基板の表面に設けられた膜材によって形成されてなる
    請求項1または2に記載の静電容量型力学量センサ。
  4. 前記受圧膜は、前記基板の裏面もしくは内部に設けられた膜材によって形成されてなる
    請求項1または2に記載の静電容量型力学量センサ。
  5. 前記受圧膜は、前記基板についてのエッチストッパ膜として機能するものである
    請求項4に記載の静電容量型力学量センサ。
  6. 前記基板は、酸化シリコン膜上にシリコン膜が形成されたSOI基板であり、前記第1および第2の電極が前記シリコン膜によって形成されてなるとともに、前記受圧膜が前記酸化シリコン膜によって形成されてなる
    請求項5に記載の静電容量型力学量センサ。
  7. 前記基板はシリコンからなり、前記受圧膜は酸化シリコンからなる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサ。
  8. 前記基板は半導体基板であり、前記受圧膜は、該基板の選択的に薄膜化された部分として形成されてなる
    請求項1または2に記載の静電容量型力学量センサ。
  9. 前記第1および第2の電極は、前記受圧膜の一方の面にて対向配置されてなり、前記対向配置される電極間の容量値の変化は、前記受圧膜の撓みによる、前記第1および第2の電極間の距離の変化に基づくものである
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサ。
  10. 前記第1および第2の電極がいずれも、前記受圧膜と一体に形成されてなる
    請求項9に記載の静電容量型力学量センサ。
  11. 前記第1および第2の電極は、前記基板に固定された固定電極と、該固定電極に対して相対的に変位する可動電極とからなり、前記対向配置される電極間の容量値の変化は、これら固定電極と可動電極との間の対向面積の変化に基づくものである
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサ。
  12. 前記可動電極は、前記受圧膜に当接して、あるいは同受圧膜と一体に形成されてなる
    請求項11に記載の静電容量型力学量センサ。
  13. 前記固定電極は、前記受圧膜との間に所定の隙間を空けて形成されてなる
    請求項12に記載の静電容量型力学量センサ。
  14. 前記固定電極は、前記基板による枠と一体に櫛歯状に形成されてなり、前記可動電極は、前記基板の刳り貫かれた前記枠の内側空間に梁を介して同基板に対して相対変位可能に支持されたマスと一体に、前記固定電極と互い違いの櫛歯形状を有して形成されてなる
    請求項11〜13のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサ。
  15. 当該静電容量型力学量センサは、前記印加される力学量として圧力を検出する圧力センサである
    請求項1〜14のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサ。
  16. 半導体基板の表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサを製造する方法であって、
    前記基板の表面を、前記第1および第2の電極の電極形状に応じてエッチング加工する工程と、
    前記第1および第2の電極が前記基板の所定の箇所のみで支持されるように、同基板裏面の、これら電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化する工程と、
    前記受圧膜になる膜材を成膜する工程と、
    を順序不同に行うことによって、前記基板の表面に配設される態様で前記受圧膜を、また前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置される態様で前記第1および第2の電極を、それぞれ形成する
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサの製造方法。
  17. 半導体基板の表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサを製造する方法であって、
    前記基板の表面を前記第1および第2の電極の電極形状に応じて加工すべく、前記基板の裏面側にエッチストッパ膜を成膜して、このエッチストッパ膜のエッチング抑止作用を利用しつつ前記基板を表面側から同エッチストッパ膜までのエッチング加工を行うことによって、前記エッチストッパ膜を前記受圧膜として機能させるとともに、前記第1および第2の電極を、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるように形成する
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサの製造方法。
  18. 請求項17に記載の静電容量型力学量センサの製造方法において、
    前記基板の裏面側へのエッチストッパ膜の成膜工程に先立ち、同基板裏面の、前記第1および第2の電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化する工程をさらに備える
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサの製造方法。
  19. 半導体基板の表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサを製造する方法であって、
    前記半導体基板として酸化シリコン膜上にシリコン膜が形成されたSOI基板を用意し、前記シリコン膜を、前記酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ、前記第1および第2の電極の電極形状に応じてエッチング加工するとともに、前記SOI基板の前記シリコン膜とは反対側の面の、前記第1および第2の電極に対応する部分に対しても、同じく前記酸化シリコン膜のエッチング抑止作用を利用しつつ同酸化シリコン膜までのエッチング加工を行うことによって、前記酸化シリコン膜を、前記受圧膜として機能させるとともに、前記第1および第2の電極を、前記シリコン膜により、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるように形成する
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサの製造方法。
  20. 半導体基板の表面に垂直な方向である縦方向からの力学量の印加に応じて変位する受圧膜と、前記基板に支持されつつ前記受圧膜の変位に伴って相互に相対的な位置関係を変化させる第1および第2の電極とを有し、これら第1および第2の電極間の容量値の変化に基づいて、前記印加される力学量を検出する静電容量型力学量センサを製造する方法であって、
    前記基板の表面を前記第1および第2の電極の電極形状に応じてエッチング加工するとともに、同基板の裏面の、前記第1および第2の電極に対応する部分を、選択的にエッチングして薄膜化することによって、前記第1および第2の電極を、前記縦方向の直交する方向である横方向に所定の間隔をおいて対向配置されるように形成するとともに、前記受圧膜を、前記基板の選択的に薄膜化された部分として形成する
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサの製造方法。
  21. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサの製造方法において、
    前記第1および第2の電極は、前記基板に固定された固定電極と、該固定電極に対して相対的に変位する可動電極とからなり、このうちの前記可動電極を、前記受圧膜に当接させたまま、前記固定電極だけを選択的に、前記受圧膜からリリースする工程をさらに備える
    ことを特徴とする静電容量型力学量センサの製造方法。
  22. 当該静電容量型力学量センサは、前記印加される力学量として圧力を検出する圧力センサである
    請求項16〜21のいずれか一項に記載の静電容量型力学量センサの製造方法。
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