JP2006344913A - フルカラー発光ダイオード - Google Patents
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Abstract
【課題】3原色より多い多原色を用いることにより再現できる色の範囲を広げるに際し、コストが増加することなく装置自体のサイズも増大することのないフルカラーLEDを提供する。
【解決手段】単色赤色LED20とパルス電源16に接続された電流値の変化により発光波長が変化する波長可変緑色LED22と単色青色LED24とを用い、波長可変緑色LED22に複数のピーク電流値を有するパルス電流(異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期Tが25ms以下)を流すことにより複数のピーク電流値に応じた複数種類の原色の発光をさせる。原色G、Gx等の発光強度はデューティー比を制御することにより調節する。発光強度が調整された原色G、Gx等と通常のように発光強度が調整された赤色LED20による原色Fr等および青色LED24による原色Fb等とを混色することにより多原色フルカラーLEDを実現することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】単色赤色LED20とパルス電源16に接続された電流値の変化により発光波長が変化する波長可変緑色LED22と単色青色LED24とを用い、波長可変緑色LED22に複数のピーク電流値を有するパルス電流(異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期Tが25ms以下)を流すことにより複数のピーク電流値に応じた複数種類の原色の発光をさせる。原色G、Gx等の発光強度はデューティー比を制御することにより調節する。発光強度が調整された原色G、Gx等と通常のように発光強度が調整された赤色LED20による原色Fr等および青色LED24による原色Fb等とを混色することにより多原色フルカラーLEDを実現することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、3原色より多い多原色を用いるフルカラー発光ダイオードに関する。
従来のフルカラー発光ダイオード(LED)は、通常、1つのパッケージの中に、赤、緑および青という光の3原色の光を放射する3枚の半導体チップ(単色LED)が内蔵されている。各単色LEDに流れる順電流を調整して各単色LEDの発光強度を調整し混色することにより、全体として種々の色相の発光を得ている。
図6は、従来のフルカラーLEDにより再現される色の範囲を色度図により示す。より詳しく述べると、図6は、赤、緑、青の光の配合率で種々の色を3次元座標として表した上で、これをxy平面上に射影したCIE(Commission Internationale de l’Eclairage : 国際照明委員会)によるxy色度図である。xy色度図上の曲線A内の領域(色度座標xおよびyの各所定の範囲により示される領域)がすべての色を表しており、例えば、左上の領域は緑、左下の領域は青、右横の領域は赤、右斜め上の領域(x=0.45〜0.5でy=0.45〜0.5)は黄、中央の領域は白を表している。図6には示されていないが、xy色度図上で色度座標(x1、y1)と(x2、y2)とにより示される2色を混合した場合、その結果の色は当該2色を結ぶ直線上にある。図6では省略してあるが、通常、xy色度図上の曲線Aの周囲に各色の波長をnm単位で付している。
図6において、白丸印は3in1 fullcolor LED(日亜化学工業株式会社製)による3原色を示し、Frが赤(色度座標x=0.700、y=0.300)、Fgが緑(色度座標x=0.170、y=0.700)、Fbが青(色度座標x=0.130、y=0.075)である。上記LEDは、3原色Fr等を発光する各単色LEDの発光強度を調整し混色することにより、全体として種々の色相の発光を得ている。例えば、3in1 fullcolor LEDの場合、3原色Fr−Fg−Fbにより示される三角形の範囲内の種々の色相の発光を得ている。なお、3in1 fullcolor LEDは、NSTM型フルカラーLED、NECM型フルカラーLED、NSCM型フルカラーLED、NSSM型フルカラーLED(いずれも日亜化学工業株式会社製)等の総称である。
上述のように、各LEDで再現可能な色の範囲は3原色により決められた三角形の範囲内である。このため、図6の曲線A内のすべての色を再現することはできないという問題があった。そこで、3原色より多い多原色を用いることにより、再現できる色の範囲を広げる試みが行なわれてきた。例えば、特許文献1には、多原色表示により分光的な色再現を行なうことを目的として、n色(n>3)のLED素子を発光させて色光を混合し目標色を再現することが記載されている。特許文献2には、多原色表示システムを実現することを目的として、スペクトル分布の異なるm種類の光源を用いることが記載されている。例えば、6種類の発光波長分布の異なるLEDアレイ光源により最大6原色の発光ピークを持つことができるとされている。特許文献3には、1つの画素を構成しているサブ画素の数よりも多い原色数で表示することができる表示装置について記載されている。具体的には、発光色の異なる複数の光源を備え、表示期間を時分割して各期間における光源の発光色を異なるように制御することが記載されている。特許文献4には、多原色式のカラー表示装置について記載されており、4色以上の原色光を出射可能に構成された多原色光源と各種の色分離手段とを備えるものとされている。
上述のように、特許文献1ではn色(n>3)のLED素子が必要であり、特許文献2ではm種類の光源が必要であり、特許文献3では発光色の異なる複数の光源が必要であり、特許文献4では4色以上の原色光を出射可能に構成された多原色光源が必要である。このため、再現できる色の範囲を広げるためには、多数の発光色の異なる多数の光源、多数種類の光源、多数の発光色の異なる複数の光源、多数の原色光を出射可能に構成された多原色光源が必要となる。このため、コストが増加するだけではなく装置自体のサイズも増大することになるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、3原色より多い多原色を用いることにより再現できる色の範囲を広げるに際し、コストが増加することはなく装置自体のサイズも増大することのないフルカラーLEDを提供することにある。
この発明のフルカラー発光ダイオードは、赤色発光ダイオードと、青色発光ダイオードと、電流値の変化により発光波長が変化する緑色の波長可変発光ダイオードとを備えたフルカラー発光ダイオードであって、前記緑色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とする。
ここで、この発明のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記青色発光ダイオードを電流値の変化により発光波長が変化する青色の波長可変発光ダイオードとし、該青色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことができる。
ここで、この発明のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記赤色発光ダイオードを電流値の変化により発光波長が変化する赤色の波長可変発光ダイオードとし、該赤色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことができる。
ここで、この発明のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記所定のパルス周期は25msとすることができる。
この発明のフルカラー発光ダイオードは、赤色発光ダイオードと、電流値の変化により発光波長が変化する青色の波長可変発光ダイオードと、緑色発光ダイオードとを備えたフルカラー発光ダイオードであって、前記青色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とする。上記フルカラー発光ダイオードにおいて、前記青色の波長可変発光ダイオードに加えて、さらに前記赤色発光ダイオードも電流値の変化により発光波長が変化する赤色の波長可変発光ダイオードとし、該赤色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことができる。
この発明のフルカラー発光ダイオードは、電流値の変化により発光波長が変化する赤色の波長可変赤色発光ダイオードと、青色発光ダイオードと、緑色発光ダイオードとを備えたフルカラー発光ダイオードであって、前記赤色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とする。上記フルカラー発光ダイオードにおいて、前記赤色の波長可変発光ダイオードに加えて、さらに前記緑色発光ダイオードも電流値の変化により発光波長が変化する緑色の波長可変発光ダイオードとし、該緑色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことができる。
ここで、この発明のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記所定のパルス周期は25msとすることができる。
この発明のフルカラー発光ダイオードは、赤色発光ダイオードと、電流値の変化により発光波長が変化する青色の波長可変発光ダイオードと、緑色発光ダイオードとを備えたフルカラー発光ダイオードであって、前記青色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とする。上記フルカラー発光ダイオードにおいて、前記青色の波長可変発光ダイオードに加えて、さらに前記赤色発光ダイオードも電流値の変化により発光波長が変化する赤色の波長可変発光ダイオードとし、該赤色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことができる。
この発明のフルカラー発光ダイオードは、電流値の変化により発光波長が変化する赤色の波長可変赤色発光ダイオードと、青色発光ダイオードと、緑色発光ダイオードとを備えたフルカラー発光ダイオードであって、前記赤色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とする。上記フルカラー発光ダイオードにおいて、前記赤色の波長可変発光ダイオードに加えて、さらに前記緑色発光ダイオードも電流値の変化により発光波長が変化する緑色の波長可変発光ダイオードとし、該緑色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことができる。
本発明のフルカラー発光ダイオードによれば、直流電源に接続された赤色LEDと、パルス電源に接続された電流値の変化により発光波長が変化する波長可変緑色LEDと、直流電源に接続された青色LEDとを用い、波長可変緑色LEDに複数(所定の個数)のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期(25ms)以下であるパルス電流を流すことにより、複数のピーク電流値に応じた複数種類の原色の発光をさせることができる。波長可変緑色LEDにおける原色の発光強度はデューティー比を制御することにより調節することができる。このようにして発光強度が調整された原色GおよびGx等を混色することにより、多原色フルカラーLEDを実現することができる。LEDの総数は3原色の場合と同様に3個のまま変わらないため、3原色より多い多原色を用いることにより再現できる色の範囲を広げるに際し、コストが増加することはなく装置自体のサイズも増大することのないフルカラーLEDを提供することができるという効果がある。
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明のフルカラーLEDの原理について説明し、次に、具体的なフルカラーLEDの構成について説明する。図1は、本発明の実施例1におけるフルカラーLEDの原理を色度図により示す。図1は図6と同様の色度図であり、図6と同じ記号は同じ意味を有するため説明は省略する。図1において、白四角印は本発明で用いる波長可変緑色LEDの一例(InGaN SQW green LED:日亜化学工業株式会社製)による原色を示し、Gが緑(色度座標x=0.205、y=0.723)、Gxが緑(色度座標x=0.121、y=0.638)、Gyが青緑(色度座標x=0.105、y=0.362)である。波長可変LEDは電流値の変化により発光波長が変化する特性を有しており、上記波長可変緑色LEDは電流値の変化により、図1に示される点線(曲線)Ag上の色を発光することができる。従って、3in1 fullcolor LEDの単色緑色LEDによる原色Fgを上記波長可変緑色LEDの2原色GおよびGxで置き換えて、適宜発光強度を調整し混色することにより、原色Fr、G、GxおよびFbの4原色フルカラーLEDを実現することができる。原色Gxは曲線Ag上の任意に点にとることができる。4原色Fr、G、GxおよびFbを固定した場合、当該4原色フルカラーLEDにより再現することができる範囲は、図1の色度図上、4原色Fr、G、GxおよびFbにより囲まれた矩形の範囲となる。
3in1
fullcolor LEDの単色緑色LEDによる原色Fgを上記波長可変緑色LEDに置き換えて適宜発光強度を調整し混色することにより、原色Fr、G、Gx、GyおよびFbの5原色フルカラーLEDを実現することができる。原色Gyは曲線Ag上の任意に点にとることができる。5原色Fr、G、Gx、GyおよびFbを固定した場合、当該5原色フルカラーLEDにより再現することができる範囲は、図1の色度図上、5原色Fr、G、Gx、GyおよびFbにより囲まれた矩形の範囲となる。以上のように、点線Ag上に原色Gを含めた任意の数n(>0)の原色を設定することにより、(n+2)原色フルカラーLEDを実現することができる。
fullcolor LEDの単色緑色LEDによる原色Fgを上記波長可変緑色LEDに置き換えて適宜発光強度を調整し混色することにより、原色Fr、G、Gx、GyおよびFbの5原色フルカラーLEDを実現することができる。原色Gyは曲線Ag上の任意に点にとることができる。5原色Fr、G、Gx、GyおよびFbを固定した場合、当該5原色フルカラーLEDにより再現することができる範囲は、図1の色度図上、5原色Fr、G、Gx、GyおよびFbにより囲まれた矩形の範囲となる。以上のように、点線Ag上に原色Gを含めた任意の数n(>0)の原色を設定することにより、(n+2)原色フルカラーLEDを実現することができる。
次に、具体的なフルカラーLEDの構成について説明する。図2は、本発明の実施例1におけるフルカラーLED10の構成をブロック図で示す。図2において、符号12aは入力端、14は入力端12aに接続された直流電源、20は直流電源14に接続された赤色LED(単色LED)、26aは赤色LED20の出力端、12bは入力端、16は入力端12bに接続されたパルス電源、22はパルス電源16に接続された電流値の変化により発光波長が変化する波長可変緑色LED、26bは波長可変緑色LED22の出力端、12cは入力端、18は入力端12cに接続された直流電源、24は直流電源18に接続された青色LED(単色LED)、26cは青色LED24の出力端である。フルカラーLED10は、赤色LED20、波長可変緑色LED22および青色LED24を1つのパッケージの中に内蔵した構成とすることが好適である。波長可変緑色LED22としては、日亜化学工業株式会社製のNSPG型緑色LEDまたはNSPE型青緑色LED等が好適である。
図2に示されるように、波長可変緑色LED22には、パルス電源16から所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流を所定のパルス周波数で流している。上述のように、波長可変発光ダイオード22は流れる電流値を変えることにより発光波長が変化する。そこで、波長可変緑色LED22に複数(所定の個数)のピーク電流値を有するパルス電流を流すことにより、複数のピーク電流値に応じた複数種類の色(例えば図1におけるG、Gx、Gy等)の発光をさせることができる。
図3は、波長可変緑色LED22の発光色制御方法を説明するためのパルス波形図である。図3で横軸は時間(μs)であり、縦軸は波長可変緑色LED22に流れる電流(mA)である。横軸上のt0、t1、...、の間は等間隔である。図3に示されるように、ピーク電流値の所定の個数は、例えば図1の原色Gxに対応するIx(mA)と原色Gに対応するIg(mA)との2個(2段階)である。Txはピーク電流値がIx(mA)のパルスXのパルス幅、Tgはピーク電流値がIg(mA)のパルスGのパルス幅である。Tは、異なるピーク電流値であるIx(mA)とIg(mA)とを有する2個のパルスXおよびG(異なるピーク電流値のパルス)を含むパルス群S1と別の同様なパルス群S2との間の周期(パルス群間の周期。即ち、所定のパルス周期)である。各パルス群S1等はピーク電流値の個数(所定の個数)と同じ個数のパルスを含んでいる。ここで、パルス周期Tを25ms以上(あるいはパルス群S1等の周波数を40Hz以下)とすると、人の目には発光が点滅して見える。しかし、パルス周期Tを25ms以下(あるいはパルス群S1等の周波数を40Hz以上)とすると、人の目には各々点灯して見える。点滅している光が点灯しているように見えるようになる境界の周波数を臨界融合周波数(critical fusion frequency : CFF)という。CFFは光の強さ、波長等によっても変化するが、標準刺激条件での正常者のCFFは約40Hzと言われている(小林駿介著、「電子ディスプレイ」、199頁、平成4年3月10日初版発行、(社)電子情報通信学会発行)。従って、パルス周期Tは25ms以下(あるいはパルス群S1等の周波数を40Hz以上)とする必要がある。図3では便宜上、パルス群は2つ(S1およびS2)のみ示してあるが、パルス周期Tが25ms以下であれば3個以上のパルス群とすることができる。
原色G、Gxの発光強度は、パルス幅Tx、Tgを変える方法と、単位時間内に含まれるパルス数を変える方法とを挙げることができる。デューティー比(Tx/TまたはTg/T。パルス周期Tの間で当該色がどれだけの時間発光しているかを示す。)を制御することにより調節するという意味では、上記の2方法は同じである。このようにして発光強度が調整された原色GおよびGx等を混色することにより、原色Fr等、G、GxおよびFb等の4原色フルカラーLEDを実現することができる。
図4は、波長可変緑色LED22の発光色制御方法を説明するための他のパルス波形図である。図4で図3と同じ記号は同じ意味を有するため説明は省略する。図4に示されるように、ピーク電流値の所定の個数は、例えば図1の原色Gに対応するIg(mA)と原色Gxに対応するIx(mA)と原色Gyに対応するIy(mA)との3個(3段階)である。Tyはピーク電流値がIy(mA)のパルスYのパルス幅である。図4に示される場合も、パルス周期Tは上述のように25ms以下(あるいはパルス群S3等の周波数を40Hz以上)とする必要がある。図4でも便宜上、パルス群は2つ(S3およびS4)のみ示してあるが、パルス周期Tが25ms以下であれば3個以上のパルス群とすることができる。
原色Gyの発光強度もデューティー比(Ty/T)を制御することにより調節することができる。このようにして発光強度が調整された原色G、GxおよびGyと、通常のように順電流を調整して発光強度が調整された赤色LED20による原色Fr等および青色LED24による原色Fb等とを、図4に示されるような原色Gのパルス列、原色Gxのパルス列、原色Gyのパルス列と適切なタイミングで混色することにより、原色Fr等、G、Gx、GyおよびFb等の5原色フルカラーLEDを実現することができる。以上と同様にして、任意の数のピーク電流値により任意の数n(>0)の原色を設定することにより、(n+2)原色フルカラーLEDを実現することができる。
以上より、本発明の実施例1によれば、直流電源14に接続された赤色LED20と、パルス電源16に接続された電流値の変化により発光波長が変化する波長可変緑色LED22と、直流電源18に接続された青色LED24とを用い、波長可変緑色LED22に複数(所定の個数)のピーク電流値を有するパルス電流を所定の間隔(1/40Hz以下)で流すことにより、複数のピーク電流値に応じた複数種類の原色の発光をさせることができる。原色G、Gx等の発光強度はデューティー比を制御することにより調節することができる。このようにして発光強度が調整された原色G、Gx等と、通常のように順電流を調整して発光強度が調整された赤色LED20による原色Fr等および青色LED24による原色Fb等とを、原色G、Gx等のパルス列と適切なタイミングで混色することにより、多原色フルカラーLEDを実現することができる。3原色より多い多原色としてもLEDの総数は3原色の場合と同様に3個のまま変わらない。このため、3原色より多い多原色を用いることにより再現できる色の範囲を広げるに際し、コストが増加することはなく装置自体のサイズも増大することのないフルカラーLEDを提供することができる。
図5は、本発明の実施例2におけるフルカラーLEDの原理を色度図により示す。図5は図1と同様の色度図であり、図1と同じ記号は同じ意味を有するため説明は省略する。図5において、黒三角印は実施例2で用いる波長可変青色LED(好適には、InGaN SQW blue LED)による原色を示し、Bが青(色度座標x=0.151、y=0.032)、Bxが青(色度座標x=0.116、y=0.104)である。上記波長可変青色LEDは電流値の変化により、図5に示される曲線B−Bx上の色を発光することができる。従って、上記波長可変青色LEDの2原色BおよびBxと、実施例1の波長可変緑色LED22と、3in1 fullcolor LEDの単色赤色LEDとを用い適宜発光強度を調整し混色することにより、原色Fr、G、Gx等およびB、Bx等の多原色フルカラーLEDを実現することができる。当該多原色フルカラーLEDにより再現することができる範囲は、図5の色度図上、原色Fr、G、Gx等およびB、Bx等により囲まれた範囲となる。
波長可変青色LEDとしては、日亜化学工業株式会社製のNSPB型青色LED等が好適である。波長可変青色LEDの電源は実施例1で説明した波長可変緑色LED22と同様にパルス電源であり、波長可変青色LEDの発光色制御方法は、実施例1で説明した波長可変緑色LED22と同様であるため説明は省略する。
以上より、本発明の実施例2によれば、実施例1の単色青色LEDに替えて波長可変青色LEDを用いることができる。2つの波長可変LEDを用いる結果、実施例1に比較してさらに広い範囲の色を再現することができる多原色フルカラーLEDを提供することができる。
上述の実施例2では、実施例1の波長可変緑色LEDに加えて波長可変青色LEDを用いた。同様にして、実施例2にさらに波長可変赤色LEDを加えることもできる。波長可変赤色LEDも電流値の変化により、所望の曲線(R−Rx。不図示)上の色を発光することができる。従って、波長可変赤色LEDの2原色RおよびRxと、実施例2の波長可変青色LEDの2原色BおよびBxと、実施例1の波長可変緑色LED22の2原色GおよびGxとを用い適宜発光強度を調整し混色することにより、原色R、Rx等、B、Bx等およびG、Gx等の多原色フルカラーLEDを実現することができる。当該多原色フルカラーLEDにより再現することができる範囲は、色度図上、原色R,Rx等、G、Gx等およびB、Bx等により囲まれた範囲となる(不図示)。
波長可変赤色LEDの電源は実施例1で説明した波長可変緑色LED22と同様にパルス電源であり、波長可変赤色LEDの発光色制御方法は、実施例1で説明した波長可変緑色LED22と同様であるため説明は省略する。
以上より、本発明の実施例3によれば、実施例1または2の単色赤色LEDに替えて波長可変赤色LEDを用いることができる。3つの波長可変LEDを用いる結果、実施例1または2に比較してさらに広い範囲の色を再現することができる多原色フルカラーLEDを提供することができる。
上述の実施例1ないし3では、波長可変LEDの組合せが緑色のみ(実施例1)、緑色と青色(実施例2)、緑色と青色と赤色(実施例3)となっていた。しかし、波長可変LEDの組合せは、青色のみ、赤色のみ、青色と赤色、緑色と赤色等と任意に組み合わせることができることは勿論である。
本発明の活用例として、例えばカラーディスプレイ等に対して多原色フルカラーLEDを適用することができる。
10 フルカラーLED、 12a、12b、12c 入力端、 14、18 直流電源、 16 パルス電源、 20 赤色LED、 22 波長可変緑色LED、 24 青色LED、 26a、26b、26c 出力端。
Claims (4)
- 赤色発光ダイオードと、青色発光ダイオードと、電流値の変化により発光波長が変化する緑色の波長可変発光ダイオードとを備えたフルカラー発光ダイオードであって、
前記緑色の波長可変発光ダイオードに、所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とするフルカラー発光ダイオード。 - 請求項1記載のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記青色発光ダイオードを電流値の変化により発光波長が変化する青色の波長可変発光ダイオードとし、該青色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とするフルカラー発光ダイオード。
- 請求項2記載のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記赤色発光ダイオードを電流値の変化により発光波長が変化する赤色の波長可変発光ダイオードとし、該赤色の波長可変発光ダイオードに所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことを特徴とするフルカラー発光ダイオード。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のフルカラー発光ダイオードにおいて、前記所定のパルス周期は25msであることを特徴とするフルカラー発光ダイオード。
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