JP2006344811A - 液浸型露光方法および液浸型露光用媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈折率が高い液状媒体で行う液浸型露光方法の提供。
【解決手段】220nm以下の光を基材に投影する投影光学系と基材との間を該光を透過する液状媒体で満たし、該投影光学系からの該光を基材に投影する方法であって、該液状媒体が、5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換された化合物、および、該化合物の5〜6員環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1〜2個がフッ素原子で置換された化合物、からなる群より選ばれる1種以上のシクロアルカン化合物を必須とする液状媒体である。
基(Y):炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、および炭素数が2〜4のアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる基、該選ばれる基がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基、塩素原子、ならびに水酸基。
【選択図】なし
【解決手段】220nm以下の光を基材に投影する投影光学系と基材との間を該光を透過する液状媒体で満たし、該投影光学系からの該光を基材に投影する方法であって、該液状媒体が、5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換された化合物、および、該化合物の5〜6員環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1〜2個がフッ素原子で置換された化合物、からなる群より選ばれる1種以上のシクロアルカン化合物を必須とする液状媒体である。
基(Y):炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、および炭素数が2〜4のアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる基、該選ばれる基がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基、塩素原子、ならびに水酸基。
【選択図】なし
Description
本発明は、特定の液状媒体を用いた液浸型露光方法、および液浸型露光方法に用いられる液浸型露光用の媒体に関する。
半導体素子、液晶表示素子等の集積回路の製造におけるフォトリソグラフィー法には、露光光源の光をマスクに照射して得られるマスクのパターンを投影光学系を介してレジスト材料に転写する露光方法が用いられる。該露光方法におけるパターン解像度は、露光光源の波長が短波長になるほど向上するため、露光光源として波長が220nm以下の光(たとえば、波長が193nmであるArFエキシマレーザー光など。)の使用が検討されている。
さらにパターン解像度を向上させる露光方法として、投影光学系の下面とレジスト層の上面との間を屈折率が1.2〜1.6程度の液状媒体で満たすことにより液状媒体中の光の波長が空気中の1/1.6〜1/1.2倍程度になる現象を利用した液浸型露光方法が提案されている(特許文献1参照。)。液浸露光方法の液状媒体としては、水とペルフルオロポリエーテルとが提案されている(特許文献1および特許文献2参照。)。
220nm以下の光を露光光源とする液浸型露光方法には、該光に対して、吸光係数が小さい、屈折率が高い等の性質を有する液状媒体が求められる。特にパターン解像度の観点からは屈折率が高い液状媒体が求められる。しかし、これらの性質を有する適当な液状媒体は知られていない。
たとえば、193nmの光に対する水の屈折率は1.44程度であり、ペルフルオロポリエーテルの屈折率は1.4以下であるが、いずれの屈折率も、パターン解像度をより向上させる観点からは液状媒体として不充分である。
本発明は、以下の発明を提供する。
<1>220nm以下の光を基材に投影する投影光学系と基材との間を該光を透過する液状媒体で満たし、該投影光学系からの該光を基材に投影する方法であって、該液状媒体が、5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換された化合物、および、該化合物の5〜6員環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1〜2個がフッ素原子で置換された化合物、からなる群より選ばれる1種以上のシクロアルカン化合物を必須とする液状媒体であることを特徴とする液浸型露光方法。
<1>220nm以下の光を基材に投影する投影光学系と基材との間を該光を透過する液状媒体で満たし、該投影光学系からの該光を基材に投影する方法であって、該液状媒体が、5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換された化合物、および、該化合物の5〜6員環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1〜2個がフッ素原子で置換された化合物、からなる群より選ばれる1種以上のシクロアルカン化合物を必須とする液状媒体であることを特徴とする液浸型露光方法。
基(Y):炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、および炭素数が2〜4のアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる基、該選ばれる基の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基、塩素原子、ならびに水酸基からなる群より選ばれる基。
<2>シクロアルカン化合物における基(Y)が、炭素数1〜4のアルキル基、塩素原子、炭素数1〜4のクロロアルキル基、または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を必須とする<1>に記載の液浸型露光方法。
<3>220nm以下の光が、ArFエキシマレーザー光である<1>または<2>に記載の液浸型露光方法。
<4>基材が、感光性の有機レジスト材料を具備する基材である<1>〜<3>のいずれかに記載の液浸型露光方法。
<3>220nm以下の光が、ArFエキシマレーザー光である<1>または<2>に記載の液浸型露光方法。
<4>基材が、感光性の有機レジスト材料を具備する基材である<1>〜<3>のいずれかに記載の液浸型露光方法。
<5>シクロアルカン化合物が、下記化合物(1−1)および下記化合物(2−1)からなる群から選ばれる化合物である<1>〜<4>のいずれかに記載の液浸型露光方法。ただし、Y1およびY2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。aは1または2を示し、bは0〜3の整数を示し、1≦(a+b)≦3である。
<6>シクロアルカン化合物が、下記化合物(1−2)および下記化合物(2−2)からなる群から選ばれる化合物である<1>〜<4>のいずれかに記載の液浸型露光方法。ただし、Y3およびY4は、それぞれ炭素数1〜4のクロロアルキル基を示し、cおよびdは、それぞれ1〜4の整数を示す。
<7>シクロアルカン化合物が、下記化合物(1−3)および下記化合物(2−3)からなる群から選ばれる化合物である<1>〜<4>のいずれかに記載の液浸型露光方法。ただし、Y5およびY6は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基または炭素数が2〜4のアルコキシアルキル基を示し、eおよびfは、それぞれ1〜3の整数を示す。
<8><1>〜<7>のいずれかに記載の液浸型露光方法に用いられる液状媒体からなる液浸型露光用媒体。
本発明における媒体とは、5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換された化合物、または5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換されかつ残余の水素原子の1〜2個がフッ素原子で置換された化合物(以下、これらの化合物を総称してシクロアルカン化合物という。)を必須とする。
本発明におけるシクロアルカン化合物としては、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環に1〜3個の基(Y)が置換した構造を必須とする。シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を必須とする化合物は、4員環以下の環状構造を有する化合物よりも吸光度が低い傾向があり、また7員環以上の環状構造を有する化合物よりも粘度が低い傾向があるため、有利である。
基(Y)としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜4のアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる基(以下、該選ばれる基を基(YR)と記すことがある。)、該基(YR)の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基、塩素原子、ならびに水酸基からなる群より選ばれる基である。
基(Y)としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜4のアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる基(以下、該選ばれる基を基(YR)と記すことがある。)、該基(YR)の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基、塩素原子、ならびに水酸基からなる群より選ばれる基である。
基(Y)における、炭素数1〜4のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が特に好ましい。アルキル基の構造は直鎖であっても分岐であってもよい。
基(Y)における、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基が特に好ましい。
基(Y)における、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、1級または2級の水酸基を有するヒドロキシアルキル基が好ましく、1級の水酸基を有するヒドロキシアルキル基が特に好ましい。1級の水酸基を有するヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシペンチル基が挙げられ、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
基(Y)における、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基が特に好ましい。
基(Y)における、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、1級または2級の水酸基を有するヒドロキシアルキル基が好ましく、1級の水酸基を有するヒドロキシアルキル基が特に好ましい。1級の水酸基を有するヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシペンチル基が挙げられ、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
基(Y)における、アルコキシアルキル基としては、炭素数が2〜3である基が好ましく、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基が好ましく、メトキシメチル基が特に好ましい。
基(Y)が、基(YR)中の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基である場合、基(YR)として記載した前記の基中に存在する水素原子の1個以上がフッ素原子および/または塩素原子(以下、置換ハロゲン原子ともいう)に置換された基がそれぞれ挙げられる。置換ハロゲン原子の数は1個以上である。置換ハロゲン原子は、フッ素原子のみ、または塩素原子のみ、であるのが好ましく、塩素原子のみであるのが特に好ましい。置換ハロゲン原子が塩素原子である場合の基(Y)例としては、1個の塩素原子を含む基であるのが好ましく、基の末端部分に1個の塩素原子が存在する基であるのが好ましい。
基(Y)が、基(YR)中の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基である場合、基(YR)として記載した前記の基中に存在する水素原子の1個以上がフッ素原子および/または塩素原子(以下、置換ハロゲン原子ともいう)に置換された基がそれぞれ挙げられる。置換ハロゲン原子の数は1個以上である。置換ハロゲン原子は、フッ素原子のみ、または塩素原子のみ、であるのが好ましく、塩素原子のみであるのが特に好ましい。置換ハロゲン原子が塩素原子である場合の基(Y)例としては、1個の塩素原子を含む基であるのが好ましく、基の末端部分に1個の塩素原子が存在する基であるのが好ましい。
基(Y)が、フッ素原子および/または塩素原子に置換された炭素数1〜4のアルキル基である場合には、炭素数1〜4のクロロアルキル基が好ましく、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基が特に好ましい。
基(Y)が、フッ素原子および/または塩素原子に置換された炭素数1〜3のアルコキシ基である場合には、炭素数1〜3のフッ素化されたアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜3のモノフルオロアルコキシ基、または、炭素数1〜3のジフルオロアルコキシ基が特に好ましく、モノフルオロメトキシ基がとりわけ好ましい。
基(Y)が、フッ素原子および/または塩素原子に置換された炭素数1〜3のアルコキシ基である場合には、炭素数1〜3のフッ素化されたアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜3のモノフルオロアルコキシ基、または、炭素数1〜3のジフルオロアルコキシ基が特に好ましく、モノフルオロメトキシ基がとりわけ好ましい。
基(Y)が、フッ素原子および/または塩素原子に置換された炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である場合には、炭素数2〜4のフッ素化されたヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜4のモノフルオロヒドロキシアルキル基が特に好ましく、1−モノフルオロ−2−ヒドロキシエチル基がとりわけ好ましい。またヒドロキシアルキル基中の水酸基を1級の水酸基とした場合には、吸光度が小さくできる利点がある。
基(Y)が、フッ素原子および/または塩素原子に置換された炭素数が2〜4のアルコキシアルキル基である場合には、フッ素原子で置換された基が好ましく、モノフルオロアルキルアルコキシ基またはジフルオロアルキルアルコキシ基が特に好ましく、メトキシモノフルオロメチル基(−CHFOCH3)、メトキシジフルオロメチル基(−CF2OCH3)がとりわけ好ましい。フッ素原子がエーテル性酸素原子に結合する炭素原子に結合するこれらの基は、吸光度を小さくする利点がある。
本発明の特定のシクロアルカン化合物は、さらにシクロペンタン環またはシクロヘキサン環の水素原子の1〜2個がフッ素原子に置換された化合物であってもよい。該化合物は、吸光係数を小さくできる化合物である。
本発明におけるシクロアルカン化合物中の基(Y)の数は、1〜3個である。基(Y)の数はシクロアルカン化合物を構成する炭素原子、酸素原子、ハロゲン原子の総数が10個以下となるように基(Y)の数を決定するのが好ましい。
シクロアルカン化合物中に基(Y)の数が2または3である場合、基(Y)は同一であっても異なっていてもよい。基(Y)が2個以上存在する場合の、好ましい組み合わせについては、以下の好ましいシクロアルカン化合物の例示中に示す。また基(Y)が2つ以上存在する場合の、それぞれの基の結合位置については特に限定されない。
本発明におけるシクロアルカン化合物としては、基(Y)として、塩素原子、炭素数1〜4のクロロアルキル基、または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を必須とする化合物であるのが、置換基(Y)導入により分極率を高くすることができ、屈折率が高くなるため好ましい。
基(Y)が塩素原子であるシクロアルカン化合物としては、下記化合物(1−1)または下記化合物(2−1)が好ましい。ただし、Y1およびY2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。aは1または2を示し、bは0〜3の整数を示し、0または1が好ましく、1≦(a+b)≦3である。
式(1−1)の記載は、Clがa個、Y1がb個置換しており、それらの結合位置が限定されないことを意味する。Y1が2〜3個置換している場合には、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、それらの結合位置は限定されない。他の化学式の表記においても同様である。
化合物(1−1)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
化合物(2−1)の具体例としては、下記化合物(2−1a)〜(2−1g)が挙げられる。また化合物(2−1)中のシクロヘキサン環の水素原子の1〜2個がフッ素原子に置換された化合物として下記化合物(2−1h)が挙げられる。化合物(2−1h)は、吸光係数が小さい点で有利な化合物である。
基(Y)が炭素数1〜4のクロロアルキル基である場合のシクロアルカン化合物は高屈折率となる利点を有する。該化合物としては、下記化合物(1−2)または下記化合物(2−2)が好ましい。ただし、Y3およびY4は、それぞれ炭素数1〜4のクロロアルキル基を示し、cおよびdは、それぞれ1〜3の整数を示し、1または2が好ましい。
化合物(1−2)および化合物(2−2)としては、Y3がクロロメチル基である場合のシクロアルカン化合物が好ましい。該化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
基(Y)が炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基である場合のシクロアルカン化合物は、シクロアルカン化合物の吸光係数が小さくなる利点がある。該化合物としては、下記化合物(1−3)または下記化合物(2−3)が好ましい。
ただし、Y5およびY6は、それぞれ、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基を示し、aは1〜3の整数を示し、1または2が好ましい。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい。
化合物(1−3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
化合物(2−3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
また上記以外の好ましいシクロアルカン化合物としては、基(Y)が水酸基、炭素数1〜4のアルキル基である場合の下記化合物が挙げられる。
本発明における液状媒体は、0〜50℃にて、液状またはゲル状となる物性を有する媒体であるのが好ましく、液状であるのが特に好ましい。
特定のシクロアルカン化合物は、そのままを本発明における液状媒体として用いてもよく、他の液状媒体と併用して本発明における液状媒体として用いてもよい。また本発明方法の条件において、特定のシクロアルカン化合物が液状である場合は、他の液状媒体と混合して本発明における液状媒体として用いてもよい。また本発明方法の条件において、特定のシクロアルカン化合物が固体状である場合は、他の液状媒体に溶解させて本発明における液状媒体として用いる。いずれの場合においても、液状媒体中のシクロアルカン化合物の割合は5質量%以上が好ましく、30質量%以上が特に好ましい。
ここで他の液状媒体を用いる場合には、220nm以下の光に対する吸光係数が小さく、かつ、シクロアルカン化合物と相溶性のある他の液状媒体を用いるのが好ましい。他の液状媒体としては、炭素数1〜8のアルコール性水酸基を有するヒドロキシ化合物(たとえば、エタノール、イソプロパノール、プロパノール等が挙げられる。)等が挙げられる。
本発明における液状媒体は特定のシクロアルカン化合物を必須とし、220nm以下の光に対する吸光係数が小さくかつ屈折率が高いため、液浸型露光用媒体として有用である。
本発明の液浸型露光方法の具体例としては、感光性の有機レジスト材料を有する基板を露光することによりマスクのパターン像を該基板上に転写する方法が挙げられる。該方法においては、露光光源、パターンを有するマスク、照射系および投影光学系と、感光性の有機レジスト材料層を有する基材との間を、特定のシクロアルカン化合物を必須とする液状媒体で満たし、該投影光学系からの光を該基材上に露光することにより、マスクのパターン像を該基材上に転写する方法が挙げられる。該方法においては、レンズの基材側の末端部と基材との間の全ての空間が、特定のシクロアルカン化合物を必須とする本発明の液状媒体で満たされるのが好ましい。
本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。実施例中の化合物は、明細書中に例示した番号の化合物に該当する。また実施例におけるシクロアルカン化合物の193nmの光に対する屈折率と吸光係数(cm−1)は、下記方法にしたがって推算した。
[屈折率の推算方法]
下記化合物(1−1a)の構造を、ソフトウエア(Gaussian Inc.社製、商品名:Gaussian03)を用いPBE1PBE/DGDZVPレベルの手法を用いて最適化した。つぎにPBE1PBE/DGDZVPレベルの手法を用いて、193nmの光に対する化合物(1−1a)の周波数依存分極率を求めた。
前記手法により構造を最適化した化合物(1−1a)の溶媒排除体積を、GEPOL93を用いて推算した。つぎに化合物(1−1a)の分子量/溶媒排除体積を計算し、化合物(1−1a)の密度を求めた。同様の方法を用いて推算した既知化合物の密度は実測値と良好な相関性を示した。
下記化合物(1−1a)の構造を、ソフトウエア(Gaussian Inc.社製、商品名:Gaussian03)を用いPBE1PBE/DGDZVPレベルの手法を用いて最適化した。つぎにPBE1PBE/DGDZVPレベルの手法を用いて、193nmの光に対する化合物(1−1a)の周波数依存分極率を求めた。
前記手法により構造を最適化した化合物(1−1a)の溶媒排除体積を、GEPOL93を用いて推算した。つぎに化合物(1−1a)の分子量/溶媒排除体積を計算し、化合物(1−1a)の密度を求めた。同様の方法を用いて推算した既知化合物の密度は実測値と良好な相関性を示した。
つぎに前記方法を用いて求めた化合物(1−1a)の、周波数依存分極率と密度を用いてローレンツ−ロレンツの式より193nmの光に対する屈折率を推算した結果を表1に示す。同様の方法を用いて推算した既知化合物の193nmの光に対する屈折率は、実測値と良好な相関性を示した。他の化合物においても同様の方法により193nmの光に対する屈折率を推算した。結果を表1に示す。
[吸光係数の推算方法]
ソフトウエア(Gaussian Inc.社製、商品名:Gaussian03)を用い、TD−DFT法により化合物(1−1a)の50の励起状態を求めた。基底関数には、DGDZVPを用いたが、炭素原子、酸素原子、フッ素原子、塩素原子に対してはそれにDunning−HayのRydberg軌道を加え用いた。
ソフトウエア(Gaussian Inc.社製、商品名:Gaussian03)を用い、TD−DFT法により化合物(1−1a)の50の励起状態を求めた。基底関数には、DGDZVPを用いたが、炭素原子、酸素原子、フッ素原子、塩素原子に対してはそれにDunning−HayのRydberg軌道を加え用いた。
ローレンツ関数を用いて、それぞれの状態における振動子強度を重ねあわせて、一分子あたりの吸光度を推算した。この際、ローレンツ関数の半値幅は、吸収スペクトルを再現できるJ.,Photopolym.,Sci.,Tech.,15,231,(2002)の記載に基づき3000cm−1とした。化合物(1−1a)の一分子あたりの吸光度に数密度を乗じることにより吸光度とした。ただし計算に使用した数密度は、1分子の溶媒排除体積の逆数と実測の数密度(液体密度より容易に得ることができる)を比較して得た相関式から推算される値である。
上記により求めた吸光度を、水、イソプロパノール、ヘキサンに関しても同様に行い、これらの193nmの吸光係数の実測値(水、イソプロパノール、ヘキサン:0.09cm−1、0.18cm−1、0.11cm−1)と比較し、相関式を得た。この相関式を用いて化合物(1−1a)の193nmの光に対する吸光係数を推算した。他の化合物においても同様の方法により193nmの光に対す吸光係数を推算した。結果を表1に示す。
193nmの光に対する水の屈折率は1.44、対応するペルフルオロポリエーテルの屈折率は1.4以下、対応する水の吸光係数は0.09cm−1である。
実施例にあるように、本発明における特定のシクロアルカン化合物は、193nmの光に対する屈折率が1.50以上、193nmの光に対する吸光係数が水と同程度であることから、液浸型露光方法用の液状媒体として優れた物性を有する。よって、本発明のシクロアルカン化合物を220nm以下の光を露光光源とする液浸型露光方法に用いた場合には、解像度の高いパターンを基材に形成できる。
本発明によれば、特定のシクロアルカン化合物を有効成分とする液状媒体を、220nm以下の光を基材に投影する投影光学系と基材との間を満たす液状媒体として用いる液浸型露光方法が提供される。
Claims (8)
- 220nm以下の光を基材に投影する投影光学系と基材との間を該光を透過する液状媒体で満たし、該投影光学系からの該光を基材に投影する方法であって、該液状媒体が、5〜6員環のシクロアルカンの水素原子の1〜3個がそれぞれ下記基(Y)で置換された化合物、および、該化合物の5〜6員環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1〜2個がフッ素原子で置換された化合物、からなる群より選ばれる1種以上のシクロアルカン化合物を必須とする液状媒体であることを特徴とする液浸型露光方法。
基(Y):炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、および炭素数が2〜4のアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる基、該選ばれる基の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子および/または塩素原子で置換された基、塩素原子、ならびに水酸基からなる群より選ばれる基。 - シクロアルカン化合物における基(Y)が、炭素数1〜4のアルキル基、塩素原子、炭素数1〜4のクロロアルキル基、または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を必須とする請求項1に記載の液浸型露光方法。
- 220nm以下の光が、ArFエキシマレーザー光である請求項1または2に記載の液浸型露光方法。
- 基材が、感光性の有機レジスト材料を具備する基材である請求項1、2、または3に記載の液浸型露光方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の液浸型露光方法に用いられる液状媒体からなる液浸型露光用媒体。
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JP2005169688A Withdrawn JP2006344811A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | 液浸型露光方法および液浸型露光用媒体 |
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Cited By (1)
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JP2021091618A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-17 | 三井化学株式会社 | 化合物、重合速度制御剤、組成物、硬化物、及び光学材料 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005101498A (ja) * | 2003-03-04 | 2005-04-14 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 液浸露光プロセス用浸漬液および該浸漬液を用いたレジストパターン形成方法 |
-
2005
- 2005-06-09 JP JP2005169688A patent/JP2006344811A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005101498A (ja) * | 2003-03-04 | 2005-04-14 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 液浸露光プロセス用浸漬液および該浸漬液を用いたレジストパターン形成方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021091618A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-17 | 三井化学株式会社 | 化合物、重合速度制御剤、組成物、硬化物、及び光学材料 |
JP7338438B2 (ja) | 2019-12-06 | 2023-09-05 | 三井化学株式会社 | 化合物、重合速度制御剤、組成物、硬化物、及び光学材料 |
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