JP2006344731A - レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法 - Google Patents

レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006344731A
JP2006344731A JP2005168252A JP2005168252A JP2006344731A JP 2006344731 A JP2006344731 A JP 2006344731A JP 2005168252 A JP2005168252 A JP 2005168252A JP 2005168252 A JP2005168252 A JP 2005168252A JP 2006344731 A JP2006344731 A JP 2006344731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser beam
convex lens
laser
lens
polarized light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005168252A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nose
裕之 野瀬
Onori Ishida
大典 石田
Namio Kaneko
七三雄 金子
Hisaharu Sakae
久晴 栄
一 ▲桑▼原
Hajime Kuwabara
Tomohiko Yamamoto
智彦 山本
風太郎 ▲えび▼名
Futaro Ebina
Mitsuru Kamisaka
充 上坂
Katsuhiro Dobashi
克広 土橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
National Institute of Radiological Sciences
University of Tokyo NUC
Original Assignee
IHI Corp
National Institute of Radiological Sciences
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, National Institute of Radiological Sciences, University of Tokyo NUC filed Critical IHI Corp
Priority to JP2005168252A priority Critical patent/JP2006344731A/ja
Publication of JP2006344731A publication Critical patent/JP2006344731A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

【課題】 レーザー光を所定の光路内に閉じ込めて周回させ同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させることができ、かつレーザー光集光点の位置を容易かつ正確に微調整することができ、これによりレーザー光の利用効率を大幅に高めることができるレーザー光周回装置及びレーザー光周回方法を提供する。
【解決手段】 レーザー光3を外部から導入し、レーザー光を周回する周回路5内に閉じ込めて、周回路内のレーザー光集光点9を繰り返し通過させ、かつレーザー光集光点の位置を調整し、同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させ、レーザー光の利用効率を高めるためのレーザー光周回装置及びレーザー光周回方法に関する。
X線は波長が約0.1〜100Å(10-11〜10-m)程度の電磁波であり、このうち波長の短いX線(10〜100keV,λ=1〜0.1Å)を硬X線、波長の長いX線(0.1〜10keV,λ=100〜1Å)を軟X線という。また、物質に電子線などを当てた時に、物質の構成元素固有の波長をもつX線を特性X線という。
X線を用いた装置としてX線透過装置、X線CT装置、X線回折装置、X線分光装置等が、医療、生命科学、材料科学など広い分野で利用されている。例えば、心筋梗塞の治療には、50keV程度のX線を用いた冠状動脈血管造影(IVCAG)が一般に行なわれている。また、X線CT装置は、測定する物体に異なる方向からX線を照射してその吸収を測定し、コンピュータによって画像を再構築して物体の二次元断面画像を得る装置である。
X線の発生源としては、X線管とシンクロトロン放射光が広く知られている。
X線管は、真空中でフィラメントを加熱して得られる熱電子を高電圧で加速して金属陽極(ターゲット)に衝突させて、X線を発生させる装置である。X線管から発生するX線は、電子の制動放射による連続X線と、輝線スペクトルである特性X線とからなる。連続X線は特定の波長のX線を必要としない用途、例えば医療用や工業用の透過法の光源として用いられる。また特性X線は、特定の波長のX線を必要とする用途、例えばX線回折や蛍光X線分光等に用いられる。
一方、シンクロトロン放射光(SR光)は、環状加速器(シンクロトロン)において、光速に近い速度まで加速した電子ビームの軌道を強力な磁石で変化させ、その軌道変化の際に発生するX線である。SR光は、X線管に比べて桁違い(10倍以上)に強力なX線源であり(例えばX線強度(光子数):約1014photons/s、パルス幅:約100ps)、高いX線強度を必要とする分野で用いられる。
しかし、シンクロトロンを用いた放射光施設は、シンクロトロンの長径が例えば50m以上、軌道長が100m以上に達する大型設備であるため、研究や医療用であっても容易には導入できない問題がある。
そこで、小型の装置でX線を発生させる手段として、特許文献1、2が提案されている。
また、本発明と関連する先行技術として、非特許文献1、2が開示されている。
特許文献1の「X線発生装置」は、図15に示すように、一部が相互に共有された複数の周回電子軌道を画定し、該軌道の共有部分に、電子ビーム71のエネルギーを増減させる加速器72が配置されたマイクロトロン73と、前記マイクロトロンの周回電子軌道に電子ビーム71を入射させる電子ビーム源74と、前記マイクロトロンの軌道の共有部分を飛翔する電子に衝突するようにレーザービーム75を出射するレーザー光源76とを有するものである。
特許文献2の「短パルス電子ビームの加速及び圧縮の方法とその装置」は、パルス状電子ビームのパルス幅を圧縮する手段に係わり、入射した電子ビームを電子軌道に沿って周回させながら加速管で加速しつつ、電子ビームのパルス幅を圧縮するものである。
非特許文献1の「小型X線発生装置」は、図16に示すように、小型の加速器81(Xバンド加速管)で加速された電子ビーム82をレーザー83と衝突させてX線84を発生させるものである。RF電子銃85(熱RFガン)で生成されたマルチバンチ電子ビーム82はXバンド加速管81で加速され、パルスレーザー光83と衝突する。コンプトン散乱により、時間幅10nsの硬X線84が生成される。
この装置は、一般に線形加速器で用いられるSバンド(2.856GHz)の4倍の周波数にあたるXバンド(11.424GHz)をRFとして用いて小型化を図っており、例えばX線強度(光子数):約1×10photons/s、パルス幅:約10psの強力な硬X線の発生が予測されている。
非特許文献2は、図17に示すように、多数の反射鏡を用いてレーザー光を閉じ込めて周回させ、反応領域における衝突率を高めるものである。
特開2002−280200号公報、「X線発生装置及び発生方法」 特許第3201585号公報、「短パルス電子ビームの加速及び圧縮の方法とその装置」
土橋克広、他、「Xバンドリニアックを用いた小型硬X線源の開発」、2002 Yasuo SUZUKI,et al."A NEW LASER MASS SPECTROMETRY FOR CHEMICAL ULTRATRACE ANALYSIS ENHANCED WITH MULTI-MIRROR SYSTEM (RIMMPA)", ANALITICAL SCIENCE 2001 Vol.17 Supplement
特許文献1、2の装置では、マイクロトロンで電子ビームを周回させているが、電子ビームを周回させる方法では、電子ビームとレーザー光が正面衝突できないため、X線の発生効率(すなわちレーザー光の利用効率)が低い。また、電子ビームを周回させるために大型の磁石を多数使用するため、X線発生部が大型になる。
これに対し、非特許文献1の装置では、マルチバンチ電子ビームとパルスレーザー光が正面衝突するため、レーザー光の利用効率を高めることができる。この場合、X線の発生量は、電子ビームの電流とレーザー光の光子数に比例する。
しかし、電子ビームのパルス幅(例えば数100ns〜数1000ns)に対し、パルスレーザー光のパルス幅は非常に短い(例えばNd:YAGレーザーの場合10ns)ため、X線の発生に寄与するのは全体のごく一部にすぎずレーザー光の利用効率が低い問題点があった。
また、例えばレーザー光を希薄なガスの分子とレーザー光の相互作用に利用するような場合、レーザー光の利用効率が低い問題点があった。
さらに、仮に、非特許文献2のように、多数(例えば32枚)の反射鏡を用いてレーザー光を閉じ込めても、電子ビームとレーザー光が正面衝突できないためレーザー光の利用効率が低い。
また、この場合、多数の反射鏡を微調整して光の軌道を調整するため、調整が非常に困難であり、電子ビームとレーザー光の位置ずれが起こりやすく、非常に細い電子ビーム(例えば直径100μm程度)を同様に非常に細いレーザー光(例えば直径100μm程度)に正確に衝突させることがほとんど不可能に近い問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、レーザー光を所定の光路内に閉じ込めて周回させ同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させることができ、かつレーザー光集光点の位置を容易かつ正確に微調整することができ、これによりレーザー光の利用効率を大幅に高めることができるレーザー光周回装置及びレーザー光周回方法を提供することにある。
本発明によれば、レーザー光を外部から導入し、該レーザー光を周回する周回路内に閉じ込めて、該周回路内のレーザー光集光点を繰り返し通過させるレーザー光周回光学系と、
前記レーザー光集光点の位置を調整するレーザー光集光点調整装置とを備え、これにより同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させる、ことを特徴とするレーザー光周回装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記レーザー光集光点調整装置は、レーザー光集光点の上流側に位置する第1凸レンズと、レーザー光集光点の下流側に位置する第2凸レンズと、前記第1凸レンズと第2凸レンズを光軸に直交する方向に移動可能な第1レンズ位置調整装置とを備える。
前記レーザー光集光点調整装置は、更に、前記第1凸レンズと第2凸レンズとで2つの区画に分割される半周回路の内、レーザー光集光点を含まない側の半周回路において上流側に位置する第4凸レンズと下流側に位置する第3凸レンズを、第2凸レンズと第3凸レンズの間の周回路長d23と、第4凸レンズと第1凸レンズの間の周回路長d41とを等しく設け、さらに前記第3凸レンズと第4凸レンズを光軸に直交する方向に移動可能な第2レンズ位置調整装置を備える。
第4凸レンズの焦点距離fと第1凸レンズの焦点距離fの和は、第4凸レンズと第1凸レンズの間の周回路長d41に等しく、かつ
第2凸レンズの焦点距離fと第3凸レンズの焦点距離fの和は、第2凸レンズと第3凸レンズの間の周回路長d23に等しく設定されている。
また、 前記レーザー光集光点調整装置は、更に、2つの同焦点距離の第3凸レンズと第4凸レンズを互いに焦点距離だけ離して設け、その中央に凹レンズを設け、
該凹レンズの焦点距離fは、焦点距離fの1/4と焦点距離fの1/4に等しく、かつ
第3凸レンズと凹レンズの間の周回路長d35と、凹レンズと第4凸レンズとの間の周回路長d54は、焦点距離fの1/2に等しく設定されている。
前記レーザー光周回光学系は、第1直線偏光をそのまま通し、これに直交する第2直線偏光を直角に反射する偏光ビームスプリッターと、
該偏光ビームスプリッターを出たレーザー光を複数回反射して前記偏光ビームスプリッターに周回させる複数の反射ミラーと、
前記周回路内に位置し電圧の印加時に通過するレーザー光の偏光方向を90度回転するポッケルスセルと、
偏光ビームスプリッターに周回するレーザー光が常に第2直線偏光となるようにポッケルスセルを制御する制御装置とを備え、
前記偏光ビームスプリッターによりレーザー光を直角に反射して、レーザー光を周回する周回路内に閉じ込める。
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記レーザー光は、パルスレーザー光であり、
更に、前記ポッケルスセルの上流側に位置し通過するパルスレーザー光の偏光面を90度回転させる2分の1波長板を備え、
前記制御装置により、パルスレーザー光の最初の周回時には、ポッケルスセルに電圧を印加せずに第2直線偏光をそのまま通し、2周目以降はポッケルスセルに電圧を印加し第1直線偏光を第2直線偏光にして通す。
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記レーザー光は、パルスレーザー光であり、
前記制御装置により、パルスレーザー光の最初の周回時に、ポッケルスセルに電圧を印加し第1直線偏光を第2直線偏光にして通し、2周目以降はポッケルスセルに電圧を印加せずに第2直線偏光をそのまま通す。
また、本発明によれば、レーザー光を外部から導入し、該レーザー光を周回する周回路内に閉じ込めて、該周回路内のレーザー光集光点を繰り返し通過させ、
かつレーザー光集光点の位置を調整し、同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させる、ことを特徴とするレーザー光周回方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、レーザー光集光点の上流側に第1凸レンズを位置決めし、レーザー光集光点の下流側に第2凸レンズを位置決めし、第1凸レンズと第2凸レンズを光軸に直交する方向に移動してレーザー光集光点の位置を調整する。
更に、第1凸レンズの上流側に第3凸レンズを位置決めし、第2凸レンズの下流側に第4凸レンズを位置決めし、前記第1乃至第4の凸レンズを光軸に直交する方向に移動してレーザー光集光点の位置と入射角度を調整する。
また、前記第3凸レンズと第4凸レンズの間に凹レンズを設け、これにより周回路を小型化し、かつ第3凸レンズと第4凸レンズの間のレーザー光の集光強度を低減する。
また、第1直線偏光のレーザー光を偏光ビームスプリッターを通して外部から導入し、
該偏光ビームスプリッターを出たレーザー光を同一平面内で複数回反射して前記偏光ビームスプリッターに周回させる周回路を形成し、
前記周回路内に位置するポッケルスセルを用いて、偏光ビームスプリッターに周回するレーザー光が常に第1直線偏光と直交する第2直線偏光となるようにポッケルスセルを制御し、
偏光ビームスプリッターによりレーザー光を直角に反射して、レーザー光を周回する周回路内に閉じ込める。
上記本発明の装置及び方法によれば、レーザー光周回光学系によりレーザー光を外部から導入し、該レーザー光を周回する周回路内に閉じ込めて、該周回路内のレーザー光集光点を繰り返し通過させるので、レーザー光を所定の光路内に閉じ込めて周回させ同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させることができる。
また、レーザー光集光点の位置を調整するレーザー光集光点調整装置を有するので、レーザー光集光点の位置を容易かつ正確に微調整することができ、これによりレーザー光の利用効率を大幅に高めることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明によるレーザー光周回装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。このX線発生装置は、電子ビーム発生装置10、レーザー発生装置20およびレーザー光周回装置30を備える。
電子ビーム発生装置10は、電子ビームを加速してパルス電子ビーム1を発生し所定の直線軌道2を通過させる機能を有する。
この例において、電子ビーム発生装置10は、RF電子銃11、α‐磁石12、加速管13、ベンディング磁石14、Q−磁石15、減速管16、およびビームダンプ17を備える。
RF電子銃11と加速管13は、Xバンド(11.424GHz)の高周波電源18により駆動される。RF電子銃11から引き出された電子ビームは、α‐磁石12により軌道を変えて加速管13に入射する。加速管13は、小型のXバンド加速管であり、電子ビームを加速し、好ましくは約50MeV前後の高エネルギーの電子ビームを形成する。この電子ビームは、例えば約1μs前後のパルス電子ビーム1である。
特にパルス電子ビーム1は、1つの電子の塊に、周回するレーザー光を何度も衝突させるため、レーザー光の周回時間(約10ns)よりも、大きな電子ビームを発生する必要があるため、マルチバンチパルス電子ビームであるのが良い。
ベンディング磁石14は、パルス電子ビーム1の軌道を磁場で曲げて所定の直線軌道2を通過させ、通過後のパルス電子ビーム1をビームダンプ17まで導く。Q−磁石15はパルス電子ビーム1の収束具合を調整する。減速管16は、パルス電子ビーム1を減速する。ビームダンプ17は、直線軌道2を通過した後のパルス電子ビーム1を捕捉して、放射線の漏洩を防止する。
同期装置19は、電子ビーム発生装置10とレーザー発生装置20の同期をとり、パルス電子ビーム1のタイミングと後述するパルスレーザー光3とのタイミングを合わせ、パルス電子ビーム1とパルスレーザー光3が所定の直線軌道2上の衝突点2aで衝突するように制御する。
上述した電子ビーム発生装置10により、例えば、約50MeV前後、約1μs前後のパルス電子ビーム1を発生し、これを所定の直線軌道2を通過させることができる。
レーザー発生装置20は、レーザー装置21と可変ビームエキスパンダ22を有し、レーザー光を発生し、これを所定のビーム径に拡大して照射する機能を有する。
レーザー装置21は、例えば波長1064nmのNd−YAGレーザーである。またパルスレーザー光3は、この例に限定されず、エキシマレーザーのArF(波長193nm),KrF(波長248nm),XeCl(波長308nm),XeF(波長351nm),F2(波長157nm)やYAGレーザーの第3高調波(波長355nm)、第4高調波(波長266nm)、第5高調波(波長213nm)、その他を用いてもよい。
なお、本発明において、レーザー光が連続レーザー光であり、レーザー装置21が連続レーザー装置であってもよいが、レーザー光がパルスレーザー光3であり、レーザー装置21がパルスレーザー装置であるのが好ましい。
以下、レーザー光がパルスレーザー光3であり、レーザー装置21がパルスレーザー装置である場合について説明する。
図2は、本発明によるレーザー光周回光学系の第1実施形態図である。
レーザー光周回装置30は、レーザー光周回光学系32を有し、パルスレーザー光3(p偏光3a)を外部のレーザー発生装置20から反射ミラー31を介して周回路5内に導入し、このパルスレーザー光3を周回する周回路5内に閉じ込めて、周回路内のレーザー光集光点9を繰り返し通過させるようになっている。周回路5は、この例では同一平面上の位置a,b,c,dを通る矩形光路である。
レーザー光集光点9は、図1の例における電子ビームとの衝突位置(直線軌道2上の衝突点2a)に相当する。しかし、本発明は、電子ビームとの衝突に限定されず、ガス等にも適用できる。
この図において、レーザー光周回光学系32は、偏光ビームスプリッター34、3枚の反射ミラー36a,36b,36c、ポッケルスセル38、および制御装置40を備える。
偏光ビームスプリッター34は、第1直線偏光3a(p偏光)をそのまま通し、これに直交する第2直線偏光3b(S偏光)を直角に反射する。
3枚の反射ミラー36a,36b,36cは、偏光ビームスプリッター34を出たパルスレーザー光3を複数回(この例では3回)反射して、偏光ビームスプリッター34に周回させ、同一平面上の矩形光路である周回路5を構成する。
なお、本発明において、周回路5は同一平面上の矩形光路に限定されず、3次元光路でも、3角形又は5角以上の多角形でもよい。
反射ミラー36a,36b,36cは、全反射ミラーである。単色硬X線4の放射方向がパルス電子ビーム1と同一方向である場合、単色硬X線4の放射方向に位置する反射ミラー36aは、好ましくX線透過率の高い材料(例えば石英ガラス)の表面に反射膜をコーティングしたものであり、単色硬X線4が通過できかつその損失が十分小さいように薄く作られているのがよい。
なお、この構成は必須ではなく、単色硬X線4の放射方向がパルス電子ビーム1と異なる場合には、反射ミラー36a,36b,36cをX線透過率の低い材料(例えば金属)で構成してもよい。
ポッケルスセル38は、周回路5内の位置d,aの間に位置し、電圧の印加時に通過する偏光の偏光方向を90度回転する。ポッケルスセルは、光ビームの偏光方向を素早くスイッチングできる非線形光学結晶である。
制御装置40は、偏光ビームスプリッター34に周回して入るパルスレーザー光3が常に第2直線偏光3b(S偏光)となるようにポッケルスセル38を制御する。
図2の例において、レーザー光周回光学系32は、2分の1波長板41(λ/2波長板)を有する。このλ/2波長板41は、この例では、ポッケルスセル38の上流側の位置c,dの間に位置し、通過するパルスレーザー光3(3a又は3b)の偏光面を常に90度回転させる。
また、制御装置40は、パルスレーザー光3の最初の周回時には、ポッケルスセル38に電圧を印加せずに第2直線偏光3bをそのまま通し、2周目以降はポッケルスセル38に電圧を印加し第1直線偏光3aを第2直線偏光3bにして通すように制御する。
上述した装置を用い、本発明の方法では、第1直線偏光3aのパルスレーザー光3を偏光ビームスプリッター34を通して外部から導入し、偏光ビームスプリッター34を出たパルスレーザー光3を同一平面内で複数回反射して偏光ビームスプリッター34に周回させる周回路5を形成し、周回路5内に位置する2分の1波長板58及びポッケルスセル38を用いて、偏光ビームスプリッター34に周回するパルスレーザー光3が常に第1直線偏光3aと直交する第2直線偏光3bとなるように制御し、偏光ビームスプリッター34によりパルスレーザー光3を直角に反射して、パルスレーザー光3を周回する周回路5内に閉じ込める。
上述した装置及び方法により、パルスレーザー光3の最初の周回時には、2分の1波長板58を通過して偏向面が90度回転した第2直線偏光3bをポッケルスセル38に電圧を印加せずにそのまま通し、2周目以降は2分の1波長板58を通過して偏向面が90度回転した第1直線偏光3aをポッケルスセル38に電圧を印加し第2直線偏光3bにして通すことで、偏光ビームスプリッター34に入るパルスレーザー光3が常に第2直線偏光3b(S偏光)となり、パルスレーザー光3を周回する周回路5内に閉じ込めることができる。
図2において、レーザー光周回装置30は、さらに、周回路5内のレーザー光集光点9におけるパルスレーザー光3の位置及び角度を調整するレーザー光集光点調整装置50を有する。
レーザー光集光点調整装置50は、この例では、第1〜第4の凸レンズ51,52,53,54と第1、第2のレンズ位置調整装置58、59とからなる。第1〜第4凸レンズ51,52,53,54は、それぞれ焦点距離f,f,f,fを有する。これらの凸レンズは単レンズでも複合レンズでもよい。
第1凸レンズ51及び第2凸レンズ52は、レーザー光集光点9を挟んでその上流側と下流側に位置する。
第3凸レンズ53及び第4凸レンズ54は、ポッケルスセル38を挟んでその上流側と下流側に位置する。
第1レンズ位置調整装置58は、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52を光軸に直交する方向に移動可能な調整移動機構である。また、第2レンズ位置調整装置59は、第3凸レンズ53と第4凸レンズ54を光軸に直交する方向に移動可能な調整移動機構である。これらの機構は、トラバース装置であり、手動又は電動機等のアクチュエータで各レンズの位置を微調整するようになっている。
第1レンズ位置調整装置58により、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52を周回路5に直交する方向に微調整することにより、レーザー光集光点9を通過するパルスレーザー光3の位置を容易かつ正確に微調整することができる。
また、第1〜第4凸レンズ51,52,53,54を第1レンズ位置調整装置58と第2レンズ位置調整装置59で周回路5に直交する方向に微調整することにより、入射角度と位置の両方を容易かつ正確に微調整することができ、これによりX線の発生効率(すなわちレーザー光の利用効率)を大幅に高めることができる。
この例において、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52とで2つの区画に分割される半周回路の内、レーザー光集光点9を含まない側の半周回路において上流側に位置する第4凸レンズ54と下流側に位置する第3凸レンズ53を、第2凸レンズ52と第3凸レンズ53の間の周回路長d23と、第4凸レンズ54と第1凸レンズ51の間の周回路長d41とを等しく設けている。
また、この例において、第4凸レンズの焦点距離fと第1凸レンズの焦点距離fの和(f+f)は、第4凸レンズと第1凸レンズの間の周回路長d41に等しく設定されている。
また、同様に、第2凸レンズの焦点距離fと第3凸レンズの焦点距離fの和(f+f)は、第2凸レンズと第3凸レンズの間の周回路長d23に等しく設定されている。
この2つの関係は、レーザー光の周回条件である。
例えば、後述する例のように、焦点距離f,fを1000mm,焦点距離f,fを500mmとし、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52から1000mmの位置にレーザー光集光点9を設定した場合、レーザー光集光点9と第3凸レンズ53と第4凸レンズ54の間の2箇所でレーザー光を集光させることができる。
レーザー光集光点9でレーザー光を集光させることにより、パルス電子ビーム1との衝突により発生するX線の強度(すなわちレーザー光の利用効率)を高めることができる。
また、第3凸レンズ53と第4凸レンズ54の間でレーザー光を集光させることにより、ポッケルスセル38の応答性を高めることができる。なおポッケルスセル38に位置は、その保護のため、焦点位置から任意にずらすこともできる。
図3は、本発明によるレーザー光周回光学系の第2実施形態図である。
この例においてλ/2波長板41は、ポッケルスセル38とその上流側の位置dとの間に位置し、通過するパルスレーザー光3(3a又は3b)の偏光面を常に90度回転させるようになっている。その他の構成は、第1実施形態図と同様である。
この構成によっても、パルスレーザー光3の最初の周回時には、2分の1波長板58を通過して偏向面が90度回転した第2直線偏光3bをポッケルスセル38に電圧を印加せずにそのまま通し、2周目以降は2分の1波長板58を通過して偏向面が90度回転した第1直線偏光3aをポッケルスセル38に電圧を印加し第2直線偏光3bにして通すことで、偏光ビームスプリッター34に入るパルスレーザー光3が常に第2直線偏光3b(S偏光)となり、パルスレーザー光3を周回する周回路5内に閉じ込めることができる。
また、λ/2波長板41がポッケルスセル38とその上流側の位置dとの間に位置するので、2周目以降は、常に第2直線偏光3b(S偏光)を各ミラー36a,36b,36cで反射させることが可能となる。これにより、S偏光はP偏光に比べて反射率が大きいので、周回時のエネルギー効率を上げることができる。
図4は、本発明によるレーザー光周回光学系の第3実施形態図である。
この例において、本発明のレーザー光集光点調整装置50は、さらに2つの同焦点距離の第3凸レンズ53と第4凸レンズ54を互いに焦点距離だけ離して設け、その中央に凹レンズ55を備える。この凹レンズ55は単レンズでも複合レンズでもよい。
またこの例において、凹レンズ55の焦点距離fは、焦点距離fの1/4と焦点距離fの1/4に等しい。また、第3凸レンズ53と凹レンズ55の間の周回路長d35と、凹レンズ55と第4凸レンズ54との間の周回路長d54は、焦点距離fの1/2に等しく設定されている。この2つの関係は、この構成におけるレーザー光の周回条件である。
その他の構成は、一部を省略して示しているが第1実施形態図と同様である。
この構成により、第3凸レンズ53と第4凸レンズ54の間でレーザー光が焦点を結ぶのを凹レンズ55によって防ぐことができ、特にレーザー光が高出力な場合に発生する可能性がある空気のプラズマ化を防止することができる。
図5は、本発明によるレーザー光周回光学系の第4実施形態図である。
この例では、図4の第4実施形態図における偏光ビームスプリッター34と反射ミラー36cの位置を逆にしたものである。
偏光ビームスプリッター34は、第1直線偏光3a(p偏光)をそのまま通し、これに直交する第2直線偏光3b(S偏光)を直角に反射する。
また、3枚の反射ミラー36a,36b,36cは、偏光ビームスプリッター34を出たパルスレーザー光3を複数回(この例では3回)反射して、偏光ビームスプリッター34に周回させ、同一平面上の矩形光路である周回路5を構成する。
また、この例では、制御装置40により、パルスレーザー光の最初の周回時に、ポッケルスセルに電圧を印加し第1直線偏光3a(p偏光)を第2直線偏光3b(S偏光)にして通し、2周目以降はポッケルスセルに電圧を印加せずに第2直線偏光をそのまま通すようになっている。
その他の構成は、一部を省略して示しているが第3実施形態図と同様である。
この構成によってもパルスレーザー光の最初の周回時に、ポッケルスセルに電圧を印加し第1直線偏光3a(p偏光)を第2直線偏光3b(S偏光)にして通し、2周目以降はポッケルスセルに電圧を印加せずに第2直線偏光をそのまま通すことで、偏光ビームスプリッター34に入るパルスレーザー光3が常に第2直線偏光3b(S偏光)となり、パルスレーザー光3を周回する周回路5内に閉じ込めることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
従来使用されて来たS-band(2856MHz、波長10.5cm)の1/4の波長であるX-band(11.424GHz、波長2.6cm)ライナックからの電子ビームと高強度パルスレーザー光との衝突(逆Compton散乱)により単色硬X線を発生させる場合、上述したように、レーザー光のパルス幅(10ns,FWHM)が電子ビームのパルス幅(1μs)に比べ短いため、X線発生に寄与するのは電子ビームのごく一部である問題点があった。
そこで、レーザーパルスをある周回路中に閉じ込め、繰り返し利用することでX線強度を増強する方法として本発明のレーザー光周回装置及び方法を創案した。
図6は、本発明による複数回衝突のイメージ図である。レーザー光周回装置の周回距離(光路長さ)が例えば後述する例のように6mである場合、レーザー光の周期は約20nsとなる。従ってこの図に示すように、同一のパルスレーザー光3に同一のパルス電子ビーム2に複数回(例えば50回)衝突させることができる。
(原理実証実験)
原理実証実験の構成図を図7に示す。この図において、各符号は、図1と共通であり、6はCCD、7はバイプラナー光電管である。
実験に使用したパルスレーザー光3はQ-switch Nd:YAGの2倍波(λ=532nm)でエネルギーは25mJ/pulse、パルス幅は8ns(FWHM)である。原理実証実験では、1周が6mである。よって、レーザーパルスが1周する時間は20nsである。
この実験において確認することは、(1)レーザー光周回によるエネルギー増幅と、(2)光学系によるレーザー光の位置調整である。
周回の原理について述べる。レーザー装置21から出たレーザー光3はビームステアラーと入射レンズ群によってサイズ傾きなどが調整される。拡大されたレーザー光は偏光ビームスプリッター34を通して周回路5中に入射される。レーザー光3はλ/2波長板41により、S偏光3bとなって衝突点2aに導かれ再度偏光ビームスプリッター34に向かう。S偏光3bは偏光ビームスプリッター34により反射されるから、レーザー光3は周回路5に戻る。再び、λ/2波長板41を通過しp偏光3aとなってしまうため、偏光ビームスプリッターを透過し周回しない。そこで、2周目以降はポッケルスセル38に電圧を印加し、p偏光をS偏光として偏光ビームスプリッターで反射させ、レーザー光を周回させる。
(レーザー光周回によるエネルギー増幅)
本発明のレーザー光周回装置及び方法では、図6に示したように同一のパルスレーザー光3を同一のパルス電子ビーム2に複数回衝突させる。これによるX線強度の増幅を見積もった。
図8は図7における第3ミラー36bの透過光をバイプラナー光電管7によってレーザー光強度を測定した結果である。
レーザーパルスのエネルギーは周回によって等比数列的に減衰していくため、N 周目のエネルギーIは1周目のエネルギーをIとすれば、I=AN-1となる。そこで、図8から透過率Aを求めるとA=0:91となり、見かけ上の総エネルギー増幅は等比数列の和の公式(1)(数1に示す)より、電子ビームのパルス幅1μsであるのでN=50として計算すると約10倍になると見積もられた。なお、レーザーパルス単発と電子ビームの衝突では10photons/secであると算出されるので、レーザー光周回システムの導入によりX線発生量は10photons/secに達すると見込まれる。
Figure 2006344731
(光学系によるレーザー光の位置調整)
効率の良いX線発生のためには衝突点におけるレーザー光の位置、光軸の傾き、スポットサイズ、広がり(ダイバージェンス)を電子ビームにあわせて調整しなくてはならない。さらに、周回するレーザー光が繰り返し同じ条件で衝突点に導かれる必要がある。以下、これを「周回の条件」と呼ぶことにする。
周回の条件を満たすためには、周回路1周のトランスファーマトリックス(trasfermatrix)が単位行列になればよい。図7のトランスファーマトリックスは第1凸レンズ51を起点として数2の式(2)で表せるからレンズ間隔d(第2凸レンズ52と第3凸レンズ53、あるいは第4凸レンズ54と第1凸レンズ51の光路長)は周回の条件を満たすために2種類の凸レンズの焦点距離fCP、fPCの和になっていれば良い。
つまり、数2の式(3)となればよく、実験体系はこの条件を満たすべくfCP=1000mm,fPC=500mm,d=1500mm,とした。
Figure 2006344731
図9、図10は周回の条件を崩すことのない調整法である。図9は本発明による光軸の傾きの調整手段の説明図である。第1凸レンズ51への入射位置で調整をするが、ビームサイズなどは周回路外で行われるため、周回の条件を崩すことはない。
図10は本発明による衝突点の位置調整手段の説明図である。調整は周回路中のレンズの位置で行う。
第1凸レンズ51の調整で生じた光軸の傾きの変化は第2凸レンズ52を同量移動させて補正する。さらに、第3凸レンズ53と第4凸レンズ54を同量移動させることで位置の変化を打ち消す。この構成によりレーザー光の状態は第1凸レンズ51の入射時と常に一致し、周回の条件を保つことができる。
図11は衝突点におけるレーザー光の位置(重心)の調整をx軸方向(水平方向)に対して周回路中の4枚の凸レンズを用いて行った結果である。第1凸レンズ51の調整量とレーザー光の位置の移動量はほぼ1:1に対応しており、調整後もレーザー光は集まった状態を維持していた。なお、y軸方向(鉛直方向)にも同様の結果が得られている。
さらに、衝突点における位置調整を行った際に、第1凸レンズ51から50cmの地点でのレーザー光位置を測定した結果が図12である。
レーザー光位置は第1凸レンズ51の調整量に比例していて、しかもレーザー光は集まった状態を維持していた。
この2つの位置調整の結果から、凸レンズ4枚を同量移動させることでレーザー光の位置をすべての周回において同じにすることができるということが確認できた。
以上からこの手段によってレーザー光の周回の条件を崩すことのない調整法が確立されたと言える。
(実証機導入体系)
実証機に導入するレーザー光はQ-switch Nd:YAGの2倍波(λ=532nm)、エネルギーは1.4J/pulse、パルス幅は10ns(FWHM) と高出力である。すると、実験体系と同様の体系では、ポッケルスセル側の凸レンズ
の焦点で空気のプラズマ化が問題となる。
そこで、図13のようなポッケルスセル側に凹レンズを組み込むことが好ましい。この構成では1周が7mとなっている。
この構成では図14で示す通り、ポッケルスセル側の凸レンズ間中央に凹レンズを挿入している。凹レンズによってレーザー光の集光を防ぐことができる。さらに、凹レンズの焦点距離を凸レンズの焦点距離の1/4にすることで、レンズ間距離dがトランスファーマトリックスで2d分となり小型化ができる。
しかし、この体系では、1周のトランスファーマトリックスが数3の式(4)となるため、入射光の条件を変更した場合は周回路内の再調整が必要となる。しかし、凸レンズが4枚あるため、調整の自由度は実験の体系と同様であり、実験で用いた調整法が可能である。
Figure 2006344731
上述したように、X線強度増強のためのレーザー光周回システムの原理実証実験において、X線発生量はレーザー光周回システムを導入しないときと比べて10倍の10photons/secであると見込まれた。
また、周回路中の凸レンズを同量移動させることで周回の条件を崩すことなくレーザー光を衝突点に導けるという手段が確立できた。この手段により比較的容易にレーザー光を電子ビームに衝突させることができ、X線を発生できる。
さらに、実際の単色硬X線源に導入するレーザー光周回システムにおいて、空気のプラズマ化などを衝突や周回に影響の出るものを防止する策として、凸レンズ間に凹レンズを挿入することにより、周回の条件を崩すことのない調整方法を用いることができる。
従ってこのレーザー光周回システムの導入によりX線強度の増幅が可能となり、X線の応用利用の幅が広がることが期待できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
本発明によるレーザー光周回装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。 本発明によるレーザー光周回光学系の第1実施形態図である。 本発明によるレーザー光周回光学系の第2実施形態図である。 本発明によるレーザー光周回光学系の第3実施形態図である。 本発明によるレーザー光周回光学系の第4実施形態図である。 本発明による複数回衝突のイメージ図である。 原理実証実験の構成図である。 第3ミラーの透過光のレーザー光強度測定結果である。 本発明による光軸の傾きの調整手段の説明図ある。 本発明による衝突点の位置調整手段の説明図ある。 衝突点におけるレーザー光の位置及びビームサイズとx軸方向レンズ調整量との関係図である。 第1凸レンズから50cmの地点でのレーザー光の位置及びビームサイズとx軸方向レンズ調整量との関係図である。 ポッケルスセル側に凹レンズを組み込んだ構成図である。 図13の詳細図である。 特許文献1の「X線発生装置」の模式図である。 非特許文献1の「小型X線発生装置」の模式図である。 非特許文献2の周回装置の模式図である。
符号の説明
1 パルス電子ビーム、2 直線軌道、2a 衝突点、
3 レーザー光(パルスレーザー光)、3a 第1直線偏光(p偏光)、
3b 第2直線偏光(S偏光)、4 単色硬X線、5 周回路、
6 CCD、7 バイプラナー光電管、9 レーザー光集光点
10 電子ビーム発生装置、11 RF電子銃、12 α‐磁石、
13 加速管、14 ベンディング磁石、15 Q−磁石、
16 減速管、17 ビームダンプ、18 高周波電源、
19 同期装置、20 レーザー発生装置、
21 レーザー装置、22 可変ビームエキスパンダ、
30 レーザー光周回装置、31 反射ミラー、
32 レーザー光周回光学系、34 偏光ビームスプリッター、
36a,36b,36c 反射ミラー、38 ポッケルスセル、
40 制御装置、41 2分の1波長板(λ/2波長板)、
50 レーザー光集光点調整装置、
51 第1凸レンズ、52 第2凸レンズ、53 第3凸レンズ、
54 第4凸レンズ、55 凹レンズ、
58 第1レンズ位置調整装置(調整移動機構)
59 第2レンズ位置調整装置(調整移動機構)

Claims (14)

  1. レーザー光を外部から導入し、該レーザー光を周回する周回路内に閉じ込めて、該周回路内のレーザー光集光点を繰り返し通過させるレーザー光周回光学系と、
    前記レーザー光集光点の位置を調整するレーザー光集光点調整装置とを備え、これにより同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させる、ことを特徴とするレーザー光周回装置。
  2. 前記レーザー光集光点調整装置は、レーザー光集光点の上流側に位置する第1凸レンズと、レーザー光集光点の下流側に位置する第2凸レンズと、前記第1凸レンズと第2凸レンズを光軸に直交する方向に移動可能な第1レンズ位置調整装置とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー光周回装置。
  3. 前記レーザー光集光点調整装置は、更に、前記第1凸レンズと第2凸レンズとで2つの区画に分割される半周回路の内、レーザー光集光点を含まない側の半周回路において上流側に位置する第4凸レンズと下流側に位置する第3凸レンズを、第2凸レンズと第3凸レンズの間の周回路長d23と、第4凸レンズと第1凸レンズの間の周回路長d41とを等しく設け、さらに前記第3凸レンズと第4凸レンズを光軸に直交する方向に移動可能な第2レンズ位置調整装置を備えたことを特徴とする請求項2に記載のレーザー光周回装置。
  4. 第4凸レンズの焦点距離fと第1凸レンズの焦点距離fの和は、第4凸レンズと第1凸レンズの間の周回路長d41に等しく、かつ
    第2凸レンズの焦点距離fと第3凸レンズの焦点距離fの和は、第2凸レンズと第3凸レンズの間の周回路長d23に等しく設定されている、ことを特徴とする請求項3に記載のレーザー光周回装置。
  5. 前記レーザー光集光点調整装置は、更に、2つの同焦点距離の第3凸レンズと第4凸レンズを互いに焦点距離だけ離して設け、その中央に凹レンズを設け、
    該凹レンズの焦点距離fは、焦点距離fの1/4と焦点距離fの1/4に等しい、ことを特徴とする請求項3に記載のレーザー光周回装置。
  6. 前記第3凸レンズと凹レンズの間の周回路長d35と、凹レンズと第4凸レンズとの間の周回路長d54は、焦点距離fの1/2に等しく設定されている、ことを特徴とする請求項5に記載のレーザー光周回装置。
  7. 前記レーザー光周回光学系は、第1直線偏光をそのまま通し、これに直交する第2直線偏光を直角に反射する偏光ビームスプリッターと、
    該偏光ビームスプリッターを出たレーザー光を複数回反射して前記偏光ビームスプリッターに周回させる複数の反射ミラーと、
    前記周回路内に位置し電圧の印加時に通過するレーザー光の偏光方向を90度回転するポッケルスセルと、
    偏光ビームスプリッターに周回するレーザー光が常に第2直線偏光となるようにポッケルスセルを制御する制御装置とを備え、
    前記偏光ビームスプリッターによりレーザー光を直角に反射して、レーザー光を周回する周回路内に閉じ込める、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー光周回装置。
  8. 前記レーザー光は、パルスレーザー光であり、
    更に、前記ポッケルスセルの上流側に位置し通過するパルスレーザー光の偏光面を90度回転させる2分の1波長板を備え、
    前記制御装置により、パルスレーザー光の最初の周回時には、ポッケルスセルに電圧を印加せずに第2直線偏光をそのまま通し、2周目以降はポッケルスセルに電圧を印加し第1直線偏光を第2直線偏光にして通す、ことを特徴とする請求項7に記載のレーザー光周回装置。
  9. 前記レーザー光は、パルスレーザー光であり、
    前記制御装置により、パルスレーザー光の最初の周回時に、ポッケルスセルに電圧を印加し第1直線偏光を第2直線偏光にして通し、2周目以降はポッケルスセルに電圧を印加せずに第2直線偏光をそのまま通す、ことを特徴とする請求項7に記載のレーザー光周回装置。
  10. レーザー光を外部から導入し、該レーザー光を周回する周回路内に閉じ込めて、該周回路内のレーザー光集光点を繰り返し通過させ、
    かつレーザー光集光点の位置を調整し、同一のレーザー光を同一のレーザー光集光点に複数回集光させる、ことを特徴とするレーザー光周回方法。
  11. レーザー光集光点の上流側に第1凸レンズを位置決めし、レーザー光集光点の下流側に第2凸レンズを位置決めし、第1凸レンズと第2凸レンズを光軸に直交する方向に移動してレーザー光集光点の位置を調整する、ことを特徴とする請求項10に記載のレーザー光周回方法。
  12. 更に、第1凸レンズの上流側に第3凸レンズを位置決めし、第2凸レンズの下流側に第4凸レンズを位置決めし、前記第1乃至第4の凸レンズを光軸に直交する方向に移動してレーザー光集光点の位置と入射角度を調整する、ことを特徴とする請求項11に記載のレーザー光周回方法。
  13. 前記第3凸レンズと第4凸レンズの間に凹レンズを設け、これにより周回路を小型化し、かつ第3凸レンズと第4凸レンズの間のレーザー光の集光強度を低減する、ことを特徴とする請求項12に記載のレーザー光周回方法。
  14. 第1直線偏光のレーザー光を偏光ビームスプリッターを通して外部から導入し、
    該偏光ビームスプリッターを出たレーザー光を同一平面内で複数回反射して前記偏光ビームスプリッターに周回させる周回路を形成し、
    前記周回路内に位置するポッケルスセルを用いて、偏光ビームスプリッターに周回するレーザー光が常に第1直線偏光と直交する第2直線偏光となるようにポッケルスセルを制御し、
    偏光ビームスプリッターによりレーザー光を直角に反射して、レーザー光を周回する周回路内に閉じ込める、ことを特徴とする請求項10に記載のレーザー光周回方法。
JP2005168252A 2005-06-08 2005-06-08 レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法 Pending JP2006344731A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005168252A JP2006344731A (ja) 2005-06-08 2005-06-08 レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005168252A JP2006344731A (ja) 2005-06-08 2005-06-08 レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006344731A true JP2006344731A (ja) 2006-12-21

Family

ID=37641478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005168252A Pending JP2006344731A (ja) 2005-06-08 2005-06-08 レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006344731A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009005061A1 (ja) * 2007-07-04 2009-01-08 Ihi Corporation X線計測装置及びx線計測方法
WO2009005059A1 (ja) * 2007-07-03 2009-01-08 Ihi Corporation 高輝度x線発生装置および方法
JP2009016119A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Ihi Corp X線発生装置の波長変更装置および方法
US8000448B2 (en) 2007-07-03 2011-08-16 Ihi Corporation Device and method for adjusting collision timing between electron beam and laser light
JP2012078359A (ja) * 2011-11-01 2012-04-19 Ihi Corp X線計測装置及びx線計測方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07171223A (ja) * 1993-12-21 1995-07-11 Toshiba Medical Eng Co Ltd レーザ装置
JPH09288251A (ja) * 1996-02-22 1997-11-04 Nikon Corp パルス幅伸長光学系および該光学系を備えた露光装置
JPH10326928A (ja) * 1997-05-26 1998-12-08 Agency Of Ind Science & Technol 光短波長化装置及び光短波長化方法
JP2001133600A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Tokyo Denshi Kk X線発生装置
JP2001345503A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Toshiba Corp レーザ逆コンプトン光生成装置
JP2003151800A (ja) * 2001-11-12 2003-05-23 Laser Gijutsu Sogo Kenkyusho 超高輝度放射光発生方法及び装置
JP2003288999A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd レーザコンプトン散乱x線用レーザ光学系及びそれを用いたx線発生装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07171223A (ja) * 1993-12-21 1995-07-11 Toshiba Medical Eng Co Ltd レーザ装置
JPH09288251A (ja) * 1996-02-22 1997-11-04 Nikon Corp パルス幅伸長光学系および該光学系を備えた露光装置
JPH10326928A (ja) * 1997-05-26 1998-12-08 Agency Of Ind Science & Technol 光短波長化装置及び光短波長化方法
JP2001133600A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Tokyo Denshi Kk X線発生装置
JP2001345503A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Toshiba Corp レーザ逆コンプトン光生成装置
JP2003151800A (ja) * 2001-11-12 2003-05-23 Laser Gijutsu Sogo Kenkyusho 超高輝度放射光発生方法及び装置
JP2003288999A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd レーザコンプトン散乱x線用レーザ光学系及びそれを用いたx線発生装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009005059A1 (ja) * 2007-07-03 2009-01-08 Ihi Corporation 高輝度x線発生装置および方法
JP2009016488A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Ihi Corp 高輝度x線発生装置および方法
JP2009016119A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Ihi Corp X線発生装置の波長変更装置および方法
US8000448B2 (en) 2007-07-03 2011-08-16 Ihi Corporation Device and method for adjusting collision timing between electron beam and laser light
US8102968B2 (en) 2007-07-03 2012-01-24 Ihi Corporation High brightness X-ray generating device and method
WO2009005061A1 (ja) * 2007-07-04 2009-01-08 Ihi Corporation X線計測装置及びx線計測方法
JP2009016147A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Ihi Corp X線計測装置及びx線計測方法
US8345824B2 (en) 2007-07-04 2013-01-01 Ihi Corporation X-ray metering apparatus, and X-ray metering method
JP2012078359A (ja) * 2011-11-01 2012-04-19 Ihi Corp X線計測装置及びx線計測方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6333966B1 (en) Laser accelerator femtosecond X-ray source
US5825847A (en) Compton backscattered collimated x-ray source
JP5030772B2 (ja) コンプトン後方散乱によりx線を発生させるためのシステム及び方法
CN1678163B (zh) 用于x射线产生的***和方法
JP2528622B2 (ja) 高輝度X線又はγ線の発生方法及び装置
JP4674802B2 (ja) 多色x線発生装置
JP4612466B2 (ja) 診断・治療用x線切換え発生装置
EP1933430B1 (en) Linear x-ray laser generator
Marcus et al. Cavity-based free-electron laser research and development: A Joint Argonne National Laboratory and SLAC National Laboratory collaboration
JP4863395B2 (ja) 高輝度x線発生装置および方法
US10863613B2 (en) EUV light generator
US7817288B2 (en) Device and method for measuring profiles of electron beam and laser beam
JP2006344731A (ja) レーザー光周回装置及びレーザー光周回方法
O’Neill Laser-plasma XUV sources
Pikuz et al. Formation of a plasma with the determining role of radiative processes in thin foils irradiated by a pulse of the PEARL subpetawatt laser
CN113455107B (zh) 强、窄带、完全相干、软x射线的可调谐源
JP2009016123A (ja) 電子ビームとレーザ光の衝突タイミング調整装置および方法
JP2009016119A (ja) X線発生装置の波長変更装置および方法
JP5454837B2 (ja) 硬x線ビーム走査装置および方法
Dunn et al. Tabletop transient collisional excitation X-ray lasers
JP4998786B2 (ja) X線発生装置用のレーザ導入兼x線取出機構
Desai et al. X-ray emission from laser-irradiated gold targets with surface modulation
Nilsen et al. Reinterpretation of the neon-like titanium laser experiments
Svensson Experiments on laser-based particle acceleration: Beams of energetic electrons and protons
JP2006172898A (ja) レーザープラズマx線発生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080128

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100519

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100525

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100702

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100802

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02